JP3152536U - 座禅用座具 - Google Patents

座禅用座具 Download PDF

Info

Publication number
JP3152536U
JP3152536U JP2009002673U JP2009002673U JP3152536U JP 3152536 U JP3152536 U JP 3152536U JP 2009002673 U JP2009002673 U JP 2009002673U JP 2009002673 U JP2009002673 U JP 2009002673U JP 3152536 U JP3152536 U JP 3152536U
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
knee
seat plate
sitting
plate
seat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009002673U
Other languages
English (en)
Inventor
ハルカ 中村
はるか 中村
Original Assignee
ハルカ 中村
中村 ハルカ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ハルカ 中村, 中村 ハルカ filed Critical ハルカ 中村
Priority to JP2009002673U priority Critical patent/JP3152536U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3152536U publication Critical patent/JP3152536U/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Special Chairs (AREA)

Abstract

【課題】長時間の使用による痺れや痛みから解放され、理想的な姿勢を長時間に渡って維持することができる座禅用座具を提供する。【解決手段】尻を乗せる部分が前方へ傾斜した座板2と、この座板2の前方のより低い位置に設けられた膝あて板3を主要な部材とする。膝あて板3は、座板2に腰掛けて膝をこの膝あて板に乗せた時、下腿の足首部以外の脛などの大部分が床面に接しない適切な高さに設けられたことを特徴とする。また膝あて板3は、座板の前傾により分散された荷重を受けて、膝が前方へ滑ることを防ぐために、膝との接触面が後方へ傾斜している。【選択図】図1

Description

この考案は、背筋を伸ばした正しい姿勢で座禅や瞑想をするための座具に関する。
従来は座禅や瞑想のための専用の座具がないため、正座用の座具や高さの低い椅子などを使用していた。
使用される正座用の座具は図11あるいは図12に示すように、膝を床面につけて正座の体勢を保ったまま、尻の荷重を脚部へ伝えないようにするものであった。
しかしながら、膝を床面につけると膝より下の下腿の大部分が床面に接するため長時間の使用による痺れや痛みから完全に解放されることは非常に困難であった。またそのために座面を前傾させることにより得られる背筋が伸びた理想的な姿勢を、一時も崩さず長時間に渡って維持することは非常に困難であった。
実開平6 −72455号公報 実開昭63−19350号公報
そこで、この考案は、膝より下の下腿の大部分が床面に接することなしに、長時間安定した姿勢を維持できる座具を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するために、第一考案は、床面から座板までの中間に、下腿の大部分が床面に接しないような高さに膝あて板を設けたこと。また、第二考案は、膝あて板を後方へ傾けることにより膝が前にすべることを防ぐこと。また、第三考案は、座板や膝あて板の工夫により尻や膝との接触を改善し、滑りによる体勢の崩れや不要な接触による痛みが生じないようにしたこと。また第四考案は座板と膝あて板の双方あるいは一方を前後方向にスライドさせることにより、座る人の体格に合わせて座板と膝あて板の前後間隔あるいは相互の高低差を調整可能としたこと。また第五考案は座板と膝あて板の双方あるいは一方の角度あるいは高さを可変とすることにより、座る人の体格や好みに合わせて調整できるようにしたことを特徴とする。
本考案によれば、座禅における本式の脚組みである結跏趺坐あるいは半跏趺坐と同様に、尻と両膝で形成される正三角形に近い二等辺三角形の支持点で体全体をしっかりと保持し、また伸びた背筋による頭から尻までの垂直な線と腹から両膝にかけての下向きの線が適度な鈍角になり下腹の丹田に気を集中させることができる理想の体形を得ることができる。
本式の座禅では膝より下の下腿を反対側の上腿に乗せるのに対し、第一考案によれば下腿は上腿の下で組むことができるので坐禅特有の脚の痛みから解放される。また尻だけを高くして膝は床に付けたままの従来の座具で起こりがちな下腿の圧迫による痺れや痛みからも解放される。
また第二考案によれば尻を乗せた座板が前方に傾斜していることによる膝への荷重を後方へ傾斜した膝あて板がしっかりと受け止めてくれるので長時間の使用において膝がずれてしまうことが防げる。
また第三考案によれば膝あて板の窪みや滑り止めにより膝のずれが防げると共に正しい膝の位置を保持することができ、切り欠き等により不要の接触をなくすことやクッションによる圧力の緩和によって長時間使用しても接触部が痺れたり痛くならないので、初心者でも容易に尻と両膝による二等辺三角形の理想的な座位を形成・維持することが可能となる。
また第四考案によれば座る人の体格に応じて、座板と膝あて板の間隔あるいは相互の高低差を調整することができるので、小柄な女性から大柄な外人にいたるまで幅広いユーザー層に対応することが可能となる。
また第五考案によれば座る人の体格や好みに応じて、座板あるいは膝あて板の角度や高さを調整することができるので、ユーザー毎のさまざまな座り方に幅広く対応することが可能となる。

本考案の第一の実施例を示す斜視図である。 本考案の第一の実施例を示す三面図である。 本考案における座板と膝あて板の別の形態を示す斜視図である。 本考案における座板と膝あて板のさらに別の形態を示す斜視図である。 本考案の第二の実施例を示す斜視図である。 本考案の第三の実施例を示す斜視図である。 正式な座禅の座り方を示す正面図 正式な座禅の座り方を示す側面図 本考案の座具を使用した座り方を示す正面図 本考案の座具を使用した座り方を示す側面図 従来技術を示す斜視図である。 従来技術を示す斜視図である。 姿勢矯正用の椅子を使用した座り方を示す側面図
本考案の目的は膝の上で脚を組む本格的な座禅の姿勢でもたらされる効用、すなわち下腹部(臍下丹田)に気を集中させ、スムーズな腹式呼吸を長時間に渡って繰り返すことによる心身統一の瞑想状態への没入を、膝の上で脚を組むことなしに可能ならしめることである。
近年社会的環境の激化にともない社会人のストレスは増す一方であり、それを溜め込むとうつ病や精神疾患にまで陥る危険性がある。娯楽やスポーツでストレスを発散させる方法もあるが、静かに心を開放し気分を穏やかにする対処法が一方で求められている。お寺という静かな環境の中で行う写経や座禅が若い人にも興味を持たれ体験会などが増えてきているのも、癒しとか瞑想といった精神性の高いものが求められている状況からうなずけることである。
しかしながら近年の一般人の生活様式は椅子中心の生活であるから畳に座ることはめったに無く、正座や座禅の脚組みが何の抵抗も無くできる人は極めて少ない。座禅の体験をして静かに呼吸を整えることの良さに気がついても、それを行う体形が容易でないことつまり長時間の脚組みが非常に困難であることから、たった一度の体験で終わってしまう人がほとんどである。
修行僧でもはじめのうちは脚の痛さに悩まされる日々が続くそうだが、何故それまでして脚を組むのかと考えると脚を組んだ体形が腹式呼吸を行う上で理想的な形となるからである。図7に示すように正面から見ると座蒲(円形の座禅用座布団)に乗せた尻と両膝が正三角形に近い二等辺三角形をなし、図8に示すように側面から見ると座蒲に乗せた尻から両膝へかけての下向きの線と背筋の垂直線がなす角度が100〜120度前後の角度となる。
このことは、禅学大辞典(大修館書店)の座蒲の項に「座蒲の側面の高さは三寸が適当である」と書かれていることと、平均的な日本人の上腿部(尻から膝まで)の長さが30cm前後であることからもこの角度が座禅を行う際の理想的な角度であることが分かる。
座禅の体形が他の瞑想の体形と異なるのはこの角度である。つまり正座やあぐらではこの角度が90度前後のほぼ直角であるのに対し座禅の体形では100〜120度前後の鈍角となる。この鈍角に開かれた腰から下の線がもたらすものは下腹部(臍下丹田)の安定であり、尻と両膝の三点で体重をしっかり分散して受け止めることにより長時間に渡ってぐらつかない理想の姿勢を維持することが可能となる。
このことについては、大森曹玄著「参禅入門」に次のような記述がある。「身体のすわりのよい、一番安定する形は、正四面の三角錐体、つまりピラミッド型にすわるのがよい。それにはまず座布団の上に坐った両膝頭を結ぶ線を底辺とし、尾てい骨を頂点とする平面三角形をつくる。そしてその上に、両膝および尾てい骨から頭のてっぺんに向かって上昇する稜線を引くとそういう形になる。」
また、苧坂(おさか)光龍著「在家禅入門」にも次のような記述がある。「その要点は正身端坐を保持しながら、両膝が座布団につき、尻との三点が平等に体重を負担するように、足の組み合わせ方を適宜工夫するのである」
本考案では図9および図10に示すように、膝から下の下腿を膝の上で組む代わりに膝の下で組むことにより、脚が痛くて組めない人でも正式な座禅の脚組みがもたらす上記の諸条件(尻と両膝の正三角形に近い二等辺三角形および尻から両膝へかけての下向きの線と背筋の垂直線がなす角度が100〜120度前後の鈍角)を満たすことができるので、長時間安定した理想的な姿勢を保持することができる。
以上述べたように、本考案を実施する形態としては、尻を乗せる座板と両膝を支える膝あて板の相互の高さ関係、およびこれらの床からの絶対的な高さ(下腿の大部分が床面に接しない高さに膝あて板があることなど)が重要であり、その実現のための材料や形状は特に限定しない。
また本考案の原理に類似するものとして図13に示すような姿勢矯正用の椅子があるが、利用目的と実現手段が根本的に異なっているので以下に説明しておく。まず第一にこのタイプの椅子は座板の前傾により膝部へ分散された荷重を膝下のすねで受ける構造であり、荷重を両膝の膝頭で受け止める本考案の構造と大きく異なる。
荷重を膝下のすねで受ける構造は必然的に両膝を前に張る形になり尻と両膝の二等辺三角形において両膝の間隔が狭い頂点が鋭角な三角形になる。本考案では床に着いた足首の部分を支点にして両膝を外側に開くことが出来るから、脚を膝の上で組む本式の座禅の体形と同様に尻と両膝で正三角形に近い形を構成することが可能である。
頂点が鋭角で底辺(両膝の間隔)が狭い三角形では下腹部(臍下丹田)の安定が望めず、上体が前後左右に揺れる原因となる。しかしながら、これらの椅子は「バランスチェア」などの名称が示すようにそのつど姿勢の崩れを補正してバランスを取ることにより背筋が伸びた状態を得ることが目的であるから、座禅の場合と違って長時間微動だにしない体勢を得る必要はないので、足首が開放され圧迫感が無いこの形式が適している。
また、このような椅子に着座してみると分かることであるが、体重の大部分は座板上の尻で受けており、膝下の保持部分はバランスをとるための支持点としての役割が大きい。つまり下半身で体重を分散させて保持する座り方ではなく、下半身の支持により上半身の傾きを補正しバランスを保つ座り方である。
低い椅子に腰掛けて足首が床に着く座り方をした場合にも膝が浮いている状態であるから安定した体勢は望めず、両膝の間隔が変化しやすい。
また通常の椅子に浅く腰掛けて膝を下げた座り方をした場合にも両膝の高さを一定に保つことは難しい。
以上の説明から分かるように、本考案の特徴は膝下のすねの部分に荷重がかからないことが特徴であり、従来の正座用座具の場合にすねが床面に接触しそれが原因で下腿の痺れや痛みが誘発されることや、上記の姿勢矯正用の椅子の場合のようにすねで荷重を直接受けることによる摩擦の不快感などが無い。
座禅の脚組みによる姿勢維持の要点は上記のとおりであるが、それを補佐する事項として足を腿の上で組む本式の脚組みである結跏趺坐あるいは半跏趺坐では腿の上に乗せた下腿が“締め“となり下の上腿部を押さえ込み、膝が浮いたりずれたりすることを防ぐ効果がある。すなわち座禅の脚組みでは膝から下の下腿部も不要ではなく押さえの役割のために必要なのである。
本考案の場合にも、足首を床面に接して座板の下で組むことにより支点が作られ、両膝を開く方向に“張り“を生じさせることができる。このことが両膝を膝あて板にしっかりと押さえるための効果をもたらしている。この点をとっても本考案は正座用の座具や姿勢矯正用の椅子あるいは高さの低い通常の椅子や腰掛とは違って、座禅に最も適した座具を提供しようとするものである。




本考案の第一の実施例は請求項3の実現に関するものであり、請求項1および2についても本実施例で説明する。
図1は本考案の第一の実施例の全体構造を示す斜視図、図2は本実施例の全体を示す三面図である。。
図1に示すように、本考案の第一の実施例1は平板状の部材の中央に尻の位置を示す座面の窪み6を設けた座板2と、両膝を乗せる位置を示す膝あて部の窪み7を設けた膝あて板3と、これらを両側で所定の高さに支える2枚の脚板4と、この脚板の床と接する部分がぐらつかないようにする2本の補強材5とから構成される。なおこの斜視図では前方膝あて板の下に位置する補強材5は表示されているが、後方座板の下に位置する補強材5は隠れていて表示されていない。
座板2は脚板4に対して図のようにθ1の角度で前傾して取り付けられている。これは座板に腰掛けた場合に自然に背筋が伸びた状態にするためであり、本式の座禅の場合においても尻を座蒲の前半分くらいに乗せて同じような効果を得ている。前述の姿勢矯正椅子なども前傾した座面を装備しており、座具に腰掛けた時に背筋を伸ばした理想的な姿勢を得るには座板を前傾させる必要があることは広く知られている。
θ1の角度は10〜30度くらいであり、座った場合に衣服と座面との摩擦により尻が前へ滑らない範囲でかつ前述のように尻と膝で適度に体重を分散して保持するのに適した角度が設定される。また10〜30度の場合には前述の尻から両膝へかけての下向きの線と背筋の垂直線がなす角度が100〜120度となり理想の体形が得られることは明白である。
膝あて板3は同様に脚板4に対して図のようにθ2の角度で後傾して取り付けられている。本実施例では傾斜して取り付けられているが請求項1にあるようにこの膝あて板3は必ずしも傾斜して取り付ける必要はない。
正式な座禅の脚組みの場合には膝は床に直接あるいは敷いている座布団の上など水平な場所に接して分散された体重を受け止めるのであるが、本考案のように膝から下の下腿部を下へ折り返す場合には水平な面で荷重を受けると膝が前へ滑りやすくなる。これは上述のように正式な脚組みでは下腿部を上に折り返して下になる上腿部を押さえ込む力が働き、いわゆる“締め”の作用が生じるのに対し、本考案の場合にはそれが無いため水平な面で膝への荷重を受け止めると前方への力が下方への力に勝って滑り易くなるのである。
それに対処するために 本実施例では膝あて板3を脚板4に対して傾斜して取り付けているが、衣服と膝あて板との摩擦が大きい場合、すなわち膝あて板の素材が滑りにくい場合や布製クッションなどが貼り付けられている場合などには必ずしも膝あて板自体を傾斜させて取り付ける必要はない。また膝あて板自体は水平に取り付けてあるが、膝との接触面となる部分の切り欠きや窪みの形状を工夫したり傾斜した別の膝受け部を取り付けて滑りにくくすることも考えられる。
本考案の最大の特徴である膝あて板3の高さ方向の位置について説明する。
図7および図8に示すように、膝から下の下腿の大部分が床面に接しないので痺れや痛みの原因となる圧迫がなく、かつ足首部分は座板2の下の空間で床に接して組むことができるので両膝に張りを与えて安定した体勢を維持できることが本考案の特徴である。
そのためには、膝あて板3の高さを、座板2に腰掛て膝をこの膝あて板3に乗せた時、下へ折り返した下腿の足首部は床に接するもののそれ以外の脛などの大部分が床面に接しない適切な高さに設定する必要がある。高すぎた場合には足の指先しか床に触れない状態となり、両膝を開く方向の支点としての役割が望めなくなる。低すぎた場合には足首から上の脛へかけての部分が床に触れる状態となり、脚の痛みから解放されるという本考案の効果が薄れる。
膝あて板3の高さが決定されると、その高さにおよそ9cmを加えた高さが座板2の床からの高さになる。しかしながら座板2は前方に傾斜しており、膝あて板3も後方へ傾斜している場合があるので、必ずしも座板2の後部の最も高いところと膝あて板3の前方の最も高いところとの高低差を9cmにすれば良いというわけにはいかない。
膝を床に付けた正式の座禅の場合にも座蒲の高さは一律に決まるものではなく、座る人の体格や好みにより最も安定する高さが選ばれる。座蒲を製作する場合などに9cmという高さが標準的なものとして使われるのかも知れないが、それと同様な意味で9cmという寸法が目安となるだけである。
前述の尻から両膝へかけての下向きの線と背筋の垂直線がなす角度が100〜120度くらいが適当ということからしても、20度もの選択範囲があり、上腿の長さが30cmとした場合には高さの範囲は5〜17cmもの選択範囲がある。従って請求項4あるいは5に記載されたように調節可能にするのが理想的かも知れないが、製品の強度やコストおよび組み立て性などを考慮すると、座る人の体格に応じてS,M,Lなどの基準的な大きさを用意した固定寸法式のほうが適しているかも知れない。
図3に本実施例の別の形態の座板と膝あて板を示す。このタイプの座板2と膝あて板3はより長時間身じろぎすることなしに理想の姿勢を維持することができるように改良されたもので、座板2や膝あて板3の不要な部分が脚部に当たらないように工夫されたものである。
この座板2では尻の位置を示す窪みはなく、代わりに左足首の踵部分の形状をした切り欠き9が設けられている。これは座板2が低めの場合に座板2の下で足首を交差させると、右の足首の上に乗せた左の足首の踵部分が座板2に触れるのを防ぐためである。この切り欠き9に踵を収めて座ると正しい位置に尻が来るように設定することで位置決めの役割も兼ねている。座板2が高めの場合にも脚を座板2の下へ入れて組む時にこの切り欠き9は有用であり、尻の位置を示す窪みと併用してもかまわない。
また、この膝あて板3では右の膝が当たるところに切り欠き8を設けて膝から下の脛にかけての部位がこの膝あて板に接触しないように工夫されている。これは足首を座板2の下の空間で床に接して組むときに右足首を下にすることを考慮している。つまり右膝の下の部分は左膝のその部分に比べて折り曲げた角度がより大きい状態となるので膝あて板3に接すると痛みを生じ易い。これに対して左膝の下の部分は足首が右足首の上に乗る分より深く折り曲げられるので角度が小さい状態となる。このため左の膝があたる部分には切り欠きの必要がなく、かえってないほうが膝下が安定する。
図4にさらに別の形態の座板と膝あて板を示す。このタイプの座板2と膝あて板3はより長時間身じろぎすることなしに理想の姿勢を維持することができるように改良されたもので、座板2や膝あて板3に滑り止めの素材で覆われたクッション10、クッション11を具備し、尻や膝の滑りを防ぐとともに当たりを柔らかくしたものである。
一般に木製の座具などを使用する場合には、固い面が長時間尻や膝に接して荷重を与えられると痺れや痛みが生じ、どうしてもある程度の時間が経つと身じろぎしてしまう結果となる。正式の座禅の場合には畳の上あるいは座布団の上で脚を組んで座わり、尻には前述の座蒲を敷くかあるいは簡便に座布団を2つ折にしたりして高さを調節する。
本考案の座具を木材や金属あるいはプラスチックのような硬い素材で製作した場合には、その上に薄い座布団などを乗せて体への当たりを柔らかくし、長時間座っても尻や膝が痛くならないように考慮すべきであるが、その都度座布団を乗せるには手間がかかることと、床からの高さが変わるので思わしくない。このような問題を解決するためには座板や膝あて板にクッション材を貼り付け、あらかじめその厚みなどを考慮して高さを設定するとよい。このようなクッション材は切り欠きや窪みをつけた前記の座板2や膝あて板3と併用することも可能であり、さまざまな工夫が考えられる。
最後に座板2および膝あて板3と脚板4との接合、補強材5と脚板4との接合についてであるが、本考案ではその方法については何ら限定しない。本実施例では特に明示していないが素材が木材の場合、接着剤による張り合わせ、木ネジによる緊結、あるいはその併用、ホゾ組による伝統技法、金具を使った補強接合などが考えられる。

本考案の第二の実施例は請求項4の実現に関するものである。
図5は本考案の第二の実施例の全体構造を示す斜視図である。
図5に示すように、本考案の第二の実施例12は座板2と膝あて板3の裏側の脚板4と接する部分に木工組木技術である蟻溝の凹加工13を施し、座板2および膝あて板3と接する脚板4の上部には同じく木工組木技術の蟻溝の凸加工14を施してある。
木工技術による蟻溝の凸部と凹部の接合は接触する部分の摩擦の加減により、緩くもきつくもないちょうど良い滑り具合に加工することができる。したがって、座板あるいは膝あて板の位置を動かしたい場合には、手や木槌などで少したたいてやるだけで調節することが可能である。
図から分かるように、座板2はθ1の角度を保ったままスライドするし、膝あて板3はθ2の角度を保ったままスライドするので、位置の調節により理想的に設定された角度が変化することなく、双方の間隔あるは高低差を調節することができる。
座板2のみを後方へスライドさせた場合には膝あて板3との間隔が広がるとともに高低差も増して大柄な体格の人に適応することができるし、座板2のみを前方へスライドさせた場合には膝あて板3との間隔が狭まるとともに高低差は少なくなって小柄な人に適応することができる。これは膝あて板3のみをスライドさせても同様である。
また座板2と膝あて板3の双方をスライドさせると、より最適な調節が可能となる。
大柄な人は膝から下の下腿部も長いので、まず膝あて板3を前方にスライドさせて床からの高さが増すように調節する。その後座板2を後方へスライドさせて膝あて板3との間隔を調節すると上腿の長さに適応させることができる。
本実施例では木工組木技術により座板2あるいは膝あて板3のスライドを可能としたが、金属製のスライド板やレールなどを使っても実現は可能で容易である。

本考案の第三の実施例は請求項5の実現に関するものである。
図6は本考案の第三の実施例の全体構造を示す斜視図である。
図6に示すように、本考案の第三の実施例15は座板2と膝あて板3の裏側に脚板4の分割された部材が接合され、この部材と脚板とが丸棒の穴16に通した丸棒17によって接合された構造をしている。。
座板2の高さを調節する場合には前後2つの丸棒17を同時に左右とも差し替えることにより実現でき、座板2の角度を調節する場合には後ろの丸棒17は差し替えずに前の丸棒17だけ差し替えると実現できる。図においては脚板4の後ろの穴16は複数あるが一つでもかまわない。同様に膝あて板3の高さを調節するには左右の丸棒17を差し替えるだけで実現できる。膝あて板3の角度は丸棒17と穴16との摩擦により保持されているだけなので、丸棒17を緩めて最適な角度に調整した後、丸棒17をきつく差し込むだけで調節が可能である。。
本実施例では木工組木技術により座板2あるいは膝あて板3の高さ、角度の調節を可能としたが、金属製の丁番やガイドなどを使っても実現は可能で容易である。本実施例の丸棒17の代わりにボルト・ナットを使用しても容易に実現することができる。
1 本考案の第一の実施例
2 座板
3 膝あて板
4 脚板
5 補強材
6 座面の窪み
7 膝あて部の窪み
8 膝あて部の切り欠き
9 座板部の切り欠き
10 座板部のクッション
11 膝あて部のクッション
12 本考案の第二の実施例
13 蟻溝の凹加工
14 蟻溝の凸加工
15 本考案の第三の実施例
16 丸棒の穴
17 丸棒

Claims (5)

  1. 尻を乗せる部分が前方へ傾斜した座板と、この座板の前方のより低い位置に設けられた膝あて板を主要な部材とする座具であって、この膝あて板は座板に腰掛て膝をこの膝あて板に乗せた時、下へ折り返した下腿の足首部は床に接するものの、それ以外の脛などの大部分が床面に接しない適切な高さに設けられたことを特徴とする座禅用座具。
  2. 前記膝あて板は、座板の前傾により分散された荷重を受けて、膝が前方へ滑ることを防ぐために、膝との接触面が後方へ傾斜していることを特徴とする請求項1記載の座禅用座具。
  3. 前記座板と膝あて板の双方あるいは一方に、位置決めのための窪みや、不要な部分が脚に当たらないようにするための切り欠きを施したり、滑り止めのための素材あるいは緩衝用のクッション材を貼り付けたことを特徴とする請求項1あるいは2記載の座禅用座具。
  4. 前記座板と膝あて板の双方あるいは一方を、前後に移動させることにより、座る人の体格に合わせて座板と膝あて板の間隔を調整可能としたことを特徴とする請求項1〜3記載の座禅用座具。
  5. 前記座板と膝あて板の双方あるいは一方を、角度可変にしたり、高さ可変にして座る人の体格や好みに合わせられるようにしたことを特徴とする請求項1〜4記載の座禅用座具。










JP2009002673U 2009-04-24 2009-04-24 座禅用座具 Expired - Fee Related JP3152536U (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009002673U JP3152536U (ja) 2009-04-24 2009-04-24 座禅用座具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009002673U JP3152536U (ja) 2009-04-24 2009-04-24 座禅用座具

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP3152536U true JP3152536U (ja) 2009-08-06

Family

ID=54856847

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009002673U Expired - Fee Related JP3152536U (ja) 2009-04-24 2009-04-24 座禅用座具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3152536U (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015176122A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 株式会社コッコ・サン 足載せマット
CN115153234A (zh) * 2022-07-12 2022-10-11 南通市久正人体工学股份有限公司 一种具有摇摆功能的跪姿椅

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015176122A (ja) * 2014-03-18 2015-10-05 株式会社コッコ・サン 足載せマット
CN115153234A (zh) * 2022-07-12 2022-10-11 南通市久正人体工学股份有限公司 一种具有摇摆功能的跪姿椅
CN115153234B (zh) * 2022-07-12 2024-05-31 南通市久正人体工学股份有限公司 一种具有摇摆功能的跪姿椅

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6936369B2 (ja) 姿勢保持具
US7090303B2 (en) Rehabilitation training and exercise chair
WO2011018046A1 (zh) 一种仿生正姿桌椅
US20100078979A1 (en) Auxiliary chair for improving posture for use with a chair
AU2016262706B2 (en) A sitting device for prevention of spinal diseases
TWM640897U (zh) 坐墊塑形調節構造
US20130169016A1 (en) Natural balance active chair
JP3152536U (ja) 座禅用座具
JP3160803U (ja) 手摺り付き座禅用座具
US20020171283A1 (en) Apparatus for supporting the human body and associated table
JP2007098007A (ja) 椅子
JP3224158U (ja) 健康スツール
KR100414831B1 (ko) 의자용 좌판 및 이를 이용한 학생용 의자
SE1900200A1 (en) Ergonomic chair
KR200314743Y1 (ko) 의자용 좌판 및 이를 이용한 학생용 의자
JP3162039U (ja) 正座用座具
JP3176181U (ja) 座椅子
JP7191426B1 (ja) 椅子
TWM477245U (zh) 符合人體工學的馬桶坐墊組
JP3245175U (ja) 椅子
KR20130000030A (ko) 기능성 의자
KR102290271B1 (ko) 실버 스포츠 안락 의자
TWI830518B (zh) 坐墊塑形調節構造
KR200188534Y1 (ko) 경사좌판이 구비된 의자
JP3215398U (ja) 身体機能維持改善椅子用クッション

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090529

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 3

S801 Written request for registration of abandonment of right

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R321801

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 3

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

A623 Registrability report

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A623

Effective date: 20100113

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130715

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees