JP3162039U - 正座用座具 - Google Patents

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Abstract

【課題】長時間の使用による痺れや痛みから解放され、理想的な姿勢を長時間に渡って維持することができる正座用座具を提供する。【解決手段】尻を乗せる部分が前方へ傾斜した座板2と、この座板の前方のより低い位置に設けられた膝あて板3と、座板の下に位置しこの膝あて板より低い位置に設けられた足首サポート板4を主要な部材とする。座板2に腰掛けて膝を膝あて板3に乗せ、足首を足首サポート板4に乗せた時、下腿の脛などの部分が床に接することなく、かつ上腿と下腿が互いに圧迫しない適切な角度になるような高さに、膝あて板3と足首サポート板4を設ける。また、膝あて板3は座板の前傾により分散された荷重を受けて、膝が前方へ滑ることを防ぐために、膝との接触面が後方へ傾斜させ、足首サポート板4は足首を乗せた時に、膝下から足の指先までがほぼ一直線になるような角度を持たせる。【選択図】図1

Description

この考案は、背筋を伸ばした正しい姿勢で長時間正座をするための座具に関する。
尻を直接下腿部に乗せると、体重の大部分がかかり下腿部を圧迫するので、それを防ぐために従来は尻を乗せる小さな台のような座具を使用していた。
使用される正座用の座具は図6あるいは図7に示すように、膝を床面につけて正座の体勢を保ったまま、尻の荷重を脚部へ伝えないようにするものであった。
しかしながら、膝を床面につけると膝より下の下腿部の下側の大部分が床面に接するため、長時間の使用による痺れや痛みから解放されることは非常に困難であった。
また膝を床につけて坐ると膝の上と下、すなわち上腿部と下腿部がほぼ平行になり、下腿部の上側を上腿部の下側が圧迫するため血行が悪くなり、体重が直接かからなくても痺れの原因となり易かった。

実開平6 −72455号公報 実開昭63−19350号公報 実開昭63−142146号公報 特開2002−253387号公報 実開昭60−91062号公報
そこで、この考案は、膝より下の下腿の大部分が床面に接することなく、かつ膝の上と下、すなわち上腿部と下腿部が適度な開き(角度)を有する座具を提供することを課題とする。
以上の課題を解決するために、
第一考案は、座板に腰掛けて膝を膝あて板に乗せ、足首を足首サポート板に乗せた時に、下腿の脛などの部分が床に接することなく、かつ上腿と下腿が互いに圧迫しない適切な角度になるような高さに、膝あて板と足首サポート板を設けたこと。
また、第二考案は、膝あて板を後方へ傾けることにより膝が前にすべることを防ぐこと。
また、第三考案は、足首サポート板に角度を持たせ、足首の甲を乗せた時に膝下から足の指先までが、床に正座した場合と同様に、ほぼ一直線になるようにしたこと。
また第四考案は、膝を開き足首部分を交差させて座禅の体勢で本座具を使用する場合に、足首を組む空間を確保するために、足首サポート板の位置あるいは向きを変える手段を有する構造であること。
また第五考案は、座板と同じかあるいはより高い位置に、手を添える手段を設けたことを特徴とする。
本考案によれば、前傾した座板に腰掛け、前方のより低い位置にある膝あて板に膝を乗せることにより、伸びた背筋による頭から尻までの垂直な線と、腹から両膝にかけての斜め下向きの線が適度な鈍角になり下腹の丹田に気を集中させることができる理想の体形を得ることができる。
床に正座した場合には図4に示すように、上述の角度がほぼ90度であるから、本考案の座具を用いれば座禅と同じ体勢が得られ、より長時間同じ姿勢で坐ることが容易になる。
また本考案によれば、下腿部が直接床に接することがないので、脛部分などの摩擦や圧迫による痺れが起こりにくい。
さらに正座の場合には上腿と下腿が平行になるまで膝が折りたたまれるので、圧迫による血行不良から痺れなどを誘発しやすいが、本考案によれば上腿と下腿が接しない程度の角度が得られるので長時間坐っても痺れることはない。
本考案の効果は単に背筋が伸びた状態を長時間維持できるだけでなく、本式の座禅の座り方と同様に下腹部の臍下丹田に気を集中させ理想的な腹式呼吸の体勢を得ることができる点にある。
従来茶道や華道などで一般人が稽古に集中しようとしても足が痛くてその体勢すら満足に得られない状況だったが、本考案による座具を用いれば足の痛みを感じることがなくなるので、本来の稽古に専念することが可能となる。
また本考案の座具は日本文化の正座と欧米の椅子文化との融合を促進させる効果が期待できる。茶道や華道などに始まって武道や芸能に至るまで日本の文化は畳に座ることが基本であるが、欧米人や最近の若年層は正座ができない。
見苦しく横座りするよりも椅子に腰掛けたほうがましだが、椅子に座り背筋を伸ばすと目線が非常に高い位置になり正座した人を見下ろすことになる。これは主人と客との関係などでは場の雰囲気を共有する大きな妨げとなる。
本考案の座具を用いれば正座した人との目線の高低差もさほどではなく、正座ができる人も本考案の座具を使えば全員の目線が同じになる。畳の上で全員が椅子に座って作法を行うという場面は想像し難いことだが、本考案の座具は高さが低いため畳の上で使用した場合にも椅子ほど違和感がない。
畳に座る日本文化を外国人や若年層に体験してもらい、足の痛みを気にすることなしに行事に専心してもらうためにも本考案には特筆すべき効果があるものと信じる。
また第二考案によれば、尻を乗せた座板が前方に傾斜していることによる膝への荷重を後方へ傾斜した膝あて板がしっかりと受け止めてくれるので長時間の使用において膝がずれてしまうことが防げる。
また第三考案によれば、足首が折れることが防げるので、床に正座した場合と同様に、両足の先を揃えることが出来るし、親指同士を重ねることもできる。また人によっては片方の足の裏に他方の足の甲を重ねた坐り方も容易にできる。
また第四考案によれば、本考案の座具を座禅をする時に使うことが可能である。
その方法は、両膝を膝あて板に開いて乗せ足首を座板の下で組む。足を膝の上で組む本式の座禅の坐り方との違いは、足を膝の上ではなく下で組むという点だけであり、膝から上の体勢は全く同じになる。
また第五考案によれば、着座時や離座時に手を添えて体のバランスをとることが可能なので、足首をサポート板に乗せる動作などが容易になる。

本考案の第一の実施例を示す斜視図である。 本考案の第二の実施例を示す斜視図である。 本考案の第二の実施例における部分的な側面図である。 正式な正座の座り方を示す側面図である。 本考案の座具を使用した座り方を示す側面図である。 従来技術を示す側面図である。 従来技術を示す斜視図である。 姿勢矯正用の椅子を使用した座り方を示す側面図である。
本考案の目的は、日本文化の坐り方である畳の上での正座が困難な人に、椅子に腰掛ける感覚で正座と同様な体勢をとることを可能にする点にある。
すなわち、畳の上で使用することを前提に設計された座具であり、腰掛けた時の使用者の目線の高さ方向の位置が、畳に直接正座をした人の目線の位置と極端に違わず、長時間の使用においても膝や腰への負担が少なく、決して痺れや痛みが起きない座具を提供しようとするものである。
そもそも正座という坐り方は、日本の伝統文化の坐り方であるから、何百年も前からずっと続いてきたものと思いがちだが、丁(てい)宗鐡(むねてつ)著「正座と日本人」によれば、「正座が始められたのは江戸中期で、江戸後期には武士や裕福な商人、芸者、医者などに正座が広まっていった」しかしながら「明治の初めごろまで庶民には正座の習慣はありませんでした」と記されている。
正座が広まったのは「明治期の日本人には他のアジア民族との差別化をめざす思想が根本にあり、それに畳や座布団の普及、着付けの変化が起きたことで正座が全国民に広まっていきました」と書かれているように、明治から昭和にかけてのほぼ100年であり、椅子の生活が普及した現代では、正座は茶道などの伝統文化に残っているだけである。
茶道においては、明治になって女子教育に茶道が取り入れられたのがきっかけとなり正座が広まったが、江戸時代以前はあぐらや片膝を立てて坐っていたそうで、千利休も正座はしていなかったそうである。
「正座と日本人」によると、正座の良い面は
1、集中力が高まり、精神が充実する
2、眠気が覚め、認知症を防ぐ
3、心臓、肺、横隔膜など内臓の負担が軽くなる
4、消化力が高まる
5、肥満やメタボリック症候群を防ぐ
6、膝の周辺の靭帯や筋肉が強く、かつ柔らかくなる
7、股関節、膝関節、足関節の三つの間接の可動域が広がる
8、肛門括約筋をはじめ、骨盤と内臓を支える筋肉が鍛えられる
9、側幅血行が盛んになって、下肢の冷えが少なくなる
10、姿勢が美しくなり、発声にもよい
などである。
逆に、悪い面は、
1、足がしびれて、つらい
2、関節炎や膝関節症を起こす可能性がある
3、運動障害を起こすことがある
4、ロングフライト血栓症を招くことがある
5、脳血管障害を起こすことがある
6、腰痛を引き起こすことがある
7、肩凝りを招く
8、座りダコができて、足が外見上美しくない
などである。
「膝を悪くして、私のクリニックを訪れる患者さんが大勢います。その少なからぬ人は茶道をたしなんで、正座をする機会の多い人たちです。」と著者が述べているように、成長期に充分な訓練をしなくなった現代人が正座をするとその弊害が大きい。
椅子での生活が普及した現代において、伝統文化の継承にもおいてもその座り方などを時代にマッチした方法へ変えてゆくべきではないだろうか。
茶道にみられるように、正座自体はおよそ100年の歴史しかないが、鎌倉時代に栄西が禅宗とともに抹茶を伝えてからは800年近くが経っている。
今後も次の世代に伝統文化を伝えてゆくためには、正座など一時期の座り方に縛られることなく、椅子の座り方を取り入れた新しい座り方を研究してゆく必要があるのではないだろうか。
正座のように畳の上に直接坐る床座と、西洋式に椅子に腰掛けるスタイルとの違いや時代的な変遷は、沢田知子著「ユカ坐、イス坐:起居様式にみる日本住宅のインテリア史」に詳しく述べられている。
この本によれば、大正時代から昭和を経て今日に至るまで、日本人の生活様式はユカ坐からイス坐への転換を目標としてきたが、「一掃されるはずであった、畳の部屋、コタツや座卓の家具、ユカでくつろぐ行動様式などは根強く温存されており、むしろ近年、再び隆盛の状況さえ指摘されている。」と述べられている。
現代は「和洋混交」の時代であり、動きやすさが求められるリビングや衛生面などが求められるダイニングキッチンではイス坐が、くつろぐ空間としての和室やリビングではユカ坐が好まれている。
洋室のリビングでもソファーの前にコタツや座卓を置いて床に坐る「ユカ坐回帰現象」がみられるのが現代の特徴だそうだ。
日本人はユカ坐でないとくつろげない、というのは靴を脱いで家に入る独特の住宅様式とも関係が深く、天井の高さなども昔から坐った時の目線の高さに基づいているのではないだろうか。
こう考えると、日本の国土の狭さから、欧米のような歩いて入る広い住宅は望むべくも無いので、狭い家で坐ってくつろぐというスタイルはこの先も無くならないだろう。
そうであれば、くつろがない時にも和室やリビングで使用できる椅子に替わる座具はないものだろうか。背筋を伸ばして茶道や書道などの稽古ができ、パソコンの操作などまで正座やあぐらではない姿勢で行える座具が必要ではないだろうか。
日本人にとって坐りやすい椅子に関しては、谷田部英正著「椅子と日本人のからだ」に詳しく書かれている。
人間工学では直立した時の脊椎のS字カーブを正しいものとして、椅子に坐った時にも背板のカーブでこれを実現させようとする。
これに対し、日本人に向く坐り方とは、背板に寄りかかることなく、座禅のように骨盤を立てる坐り方だそうだ。背板の代わりに第五腰椎あたりを支持する横棒があれば充分だそうである。
「東洋には「坐」に関する実践研究が数千年来ありながら、その技術を解明しようとする研究者がまったく出てこないのはいささか不思議である。床坐と椅子坐を同じ次元で考えていいのか?という疑問もあるかも知れないが、両者の技術的な違いは坐った時の「脚の処理方法」のみである。姿勢を保つ上での「背骨」と「骨盤」の関係については、床坐と椅子坐を同じ次元で考えることに何ら問題は生じない。したがって床坐で実現した「整った姿勢」を椅子坐へと転用することは、実践メソッドの上ではそれぞれの訓練が必要ではあるが、生理解剖学的な「姿勢の構造」をとらえる場合には、何ら問題は生じないのである。」と著者は言っている。
以上のことから分かるように、正座に代わる坐り方として、座禅の場合の背骨と骨盤の関係を実現した椅子または腰掛(スツール)が推奨される。
茶道における立礼(りゅうれい)式は明治初期に考案されたもので、椅子に坐って茶道の行事をおこなう。外国人などが参加できるようにと考案されたのは画期的なことであったろうが、100年以上たった現代でも主流は圧倒的に正座で行う床坐式である。
テーブルの上に釜を置いては高さ加減が違うとか、さまざまな理由が考えられるが、最大の要因は「違う作法」となってしまうことだろう。
このようなことからも、「床坐でありながら腰掛けるタイプ」の座具の開発が大きな課題であった。
本考案では、図5に示すように座板に腰掛けて両膝を座板より低い位置にある膝あて板に乗せることにより、座禅と同じように背筋と上腿部が90度より大きな鈍角となる。
さらに足首をサポート板に乗せると、膝から足首にかけての下腿部は床に正座した場合と同様な一直線となり足首などへの負担が無くなる。
さらに下腿部は脛などが床に接していないため抵抗がなく、上腿と下腿もある程度の角度を持って開くので圧迫による抵抗もない。
本考案を実施する形態としては、尻を乗せる座板と両膝を支える膝あて板の相互の高さ関係、足首を乗せる足首サポート板と前記膝あて板の相互の高さ関係、およびこれらの床からの絶対的な高さ(足首サポート板が床面に近く、全体の高さができるだけ低い)が重要であり、その実現のための材料や形状は特に限定しない。
また本考案の原理に類似するものとして図8に示すような姿勢矯正用の椅子があるが、利用目的と実現手段が根本的に異なっているので以下に説明しておく。
まず第一にこのタイプの椅子は座板の前傾により膝部へ分散された荷重を膝下のすねで受ける構造であり、荷重を両膝の膝頭で受け止める本考案の構造と大きく異なる。
荷重を膝下のすねで受ける構造は必然的に足首の着地を難しくしまたその必要もなくなる。つまり普通の椅子に腰掛けた場合のように足の裏は床に着かず、足首全体がぶらぶらする形となる。これは本考案が足首をサポート板上へ乗せる坐り方である点と大きく異なる。
すなわち、本考案の坐り方が、下腿を膝頭と足首で保持する方式であるのに対して、このタイプの椅子の坐り方は、下腿を主に脛部分で保持する方式である。
このため、このタイプの椅子に長時間腰掛けると、脛部分への圧迫が原因となり、同じ姿勢を保つのが困難となる。
しかしながら、これらの椅子は「バランスチェア」などの名称が示すようにそのつど姿勢の崩れを補正してバランスを取ることにより背筋が伸びた状態を得ることが目的であるから、正座の場合と違って長時間姿勢を崩さないでいる必要はないので、足首が開放され圧迫感が無いこの形式が適している。
また、このような椅子に着座してみると分かることであるが、体重の大部分は座板上の尻で受けており、膝下の保持部分はバランスをとるための支持点としての役割が大きい。つまり下半身で体重を分散させて保持する座り方ではなく、下半身の支持により上半身の傾きを補正しバランスを保つ座り方である。
以上の説明から分かるように、本考案の特徴は膝下のすねの部分に荷重がかからないことが特徴であり、従来の正座用座具の場合にすねが床面に接触しそれが原因で下腿の痺れや痛みが誘発されることや、上記の姿勢矯正用の椅子の場合のようにすねで荷重を直接受けることによる摩擦の不快感などが無い。
本考案の第一の実施例は請求項3の実現に関するものであり、請求項1および2についても本実施例で説明する。
図1は本考案の第一の実施例の全体構造を示す斜視図である。
図1に示すように、本考案の第一の実施例1は平板状の部材の中央に尻を乗せるクッション7を設けた座板2と、両膝を揃えて乗せる位置にクッション8を設けた膝あて板3と、両足首を揃えて乗せる位置にクッション9を設けた足首サポート板4と、これらを両側で所定の高さに支える2枚の側板6と、この側板の床と接する部分がぐらつかないようにする補強材5とから構成される。
座板2は側板6に対して図のようにθ1の角度で前傾して取り付けられている。これは座板に腰掛けた場合に自然に背筋が伸びた状態にするためであり、座禅の場合においても尻を座蒲の前半分くらいに乗せて同じような効果を得ている。前述の姿勢矯正椅子なども前傾した座面を装備しており、座具に腰掛けた時に背筋を伸ばした理想的な姿勢を得るには座板を前傾させる必要があることは広く知られている。
θ1の角度は10〜30度くらいであり、座った場合に衣服と座面との摩擦により尻が前へ滑らない範囲でかつ前述のように尻と膝で適度に体重を分散して保持するのに適した角度が設定される。また10〜30度の場合には前述の尻から両膝へかけての斜め下向きの線と背筋の垂直線がなす角度が100〜120度となり理想の体形が得られることは明白である。
膝あて板3は同様に側板6に対して図のようにθ2の角度で後傾して取り付けられている。本実施例では請求項2の場合を実現しているので傾斜して取り付けられているが、請求項1の場合のようにこの膝あて板3は必ずしも傾斜して取り付ける必要はない。
正式な座禅の脚組みの場合には膝は床に直接あるいは敷いている座布団の上など水平な場所に接して分散された体重を受け止めるのであるが、本考案のように膝から下の下腿部を下へ折り返す場合には水平な面で荷重を受けると膝が前へ滑りやすくなる。これは正式な脚組みでは下腿部を上に折り返して下になる上腿部を押さえ込む力が働き、いわゆる“締め”の作用が生じるのに対し、本考案の場合にはそれが無いため水平な面で膝への荷重を受け止めると前方への力が下方への力に勝って滑り易くなるのである。
それに対処するために
本実施例では膝あて板3を側板6に対して傾斜して取り付けているが、衣服と膝あて板との摩擦が大きい場合、すなわち滑りにくい布製クッションなどが貼り付けられている場合などには必ずしも膝あて板自体を傾斜させて取り付ける必要はない。また膝あて板自体は水平に取り付けてあるが、膝との接触面となる部分の切り欠きや窪みの形状を工夫したり傾斜した別の膝受け部を取り付けて滑りにくくすることも考えられる。
本考案の特徴である膝あて板3の高さ方向の位置について説明する。
図5に示すように、膝から下の下腿の大部分が床面に接しないので痺れや痛みの原因となる圧迫がなく、かつ足首部分は座板2の下の空間で足首サポート板4のクッション9に乗せるので、安定した体勢を維持できることが本考案の特徴である。
そのためには、膝あて板3の高さを、座板2に腰掛て膝をこの膝あて板3に乗せた時、下へ折り返した下腿の足首の甲部分がちょうど足首サポート板4に乗せられる、適切な高さに設定する必要がある。高すぎた場合には足の指先しかサポート板に触れない状態となり、安定した状態が望めなくなる。低すぎた場合には上腿と下腿の開く角度が小さい状態となり、脚の痛みから解放されるという本考案の効果が薄れる。
できるだけ正座に近いように目線の高さを低く抑えるために、全体をできるだけ低い位置に設定する。そのためにはまず足首サポート板4をできる限り床に近い位置に設置する。その位置から上述のように適切な膝あて板3の位置が求められることになる。
膝あて板3の高さが決定されると、その高さにおよそ9cmを加えた高さが座板2の床からの高さになる。しかしながら座板2は前方に傾斜しており、膝あて板3も後方へ傾斜している場合があるので、必ずしも座板2の後部の最も高いところと膝あて板3の前方の最も高いところとの高低差を9cmにすれば良いというわけにはいかない。
9cmという高低差は座禅の坐蒲(丸い専用の座布団)に坐った時の実質的な厚みからきている。日本人の体形の場合、この程度尻が高くなると背筋と上腿がなす角度はおよそ100°〜120°になる。
膝を床に付けた正式の座禅の場合にも座蒲の高さは一律に決まるものではなく、座る人の体格や好みにより最も安定する高さが選ばれる。座蒲を製作する場合などに9cmという高さが標準的なものとして使われるのかも知れないが、それと同様な意味で9cmという寸法が目安となるだけである。
前述の尻から両膝へかけての斜め下向きの線と背筋の垂直線がなす角度が100〜120度くらいが適当ということからしても、20度もの選択範囲があり、上腿の長さが30cmとした場合には高さの範囲は5〜17cmもの選択範囲がある。
足首サポート板4は側板6に対して図のようにθ3の角度で後傾して取り付けられている。本実施例では請求項3の場合を実現しているので傾斜して取り付けられているが、請求項1あるいは2の場合のようにこの足首サポート板4は必ずしも傾斜して取り付ける必要はない。
本考案の座具を木材や金属あるいはプラスチックのような硬い素材で製作した場合には座板2や膝あて板3および足首サポート板4にクッション材を貼り付け、あらかじめその厚みなどを考慮して高さを設定するとよい。このようなクッション材は、本実施例のように巻きつけるだけでなく、座板などに埋め込むことや座板などの全体を覆うことも考えられる。
このように構造材とクッション材の組み合わせはさまざまな工夫が考えられる。
最後に座板2、膝あて板3および足首サポート板4と側板6との接合、補強材5と側板6との接合についてであるが、本考案ではその方法については何ら限定しない。本実施例では特に明示していないが素材が木材の場合、接着剤による張り合わせ、木ネジによる緊結、あるいはその併用、ホゾ組による伝統技法、金具を使った補強接合などが考えられる。

本考案の第二の実施例は請求項4および請求項5の実現に関するものである。
図2は本考案の第二の実施例の全体構造を示す斜視図である。
また図3は請求項4の実現に関する機構の説明図である。
図2に示すように、本考案の第二の実施例11が第一の実施例1と異なる点は、足首サポート板4に接合部材13と前板14を設けたこと、側板6の上部に手摺り部10を設けたことである。
図3に第二の実施例の機構部分12を示す。
足首サポート板4の前縁には前板14が設けられており、足首サポート板4がθ3の角度で設置されるようになっている。
また足首サポート板4の両側には接合部材13が設けられており、この支点にボルトを通して側板6と連結される。このボルトは締め付けないで足首サポート板4がフリーに回転できるようになっている。
図からわかるように、足首サポート板を使用する場合には前板14とボルトの支点によって足首サポート板は床に対してθ3の角度で設置されるが、使用しない場合には跳ね上げて足首サポート板4を垂直な状態に設置することができる。
この場合接合部材13のボルト穴から後縁にかけての長さがボルト穴の床からの高さと同じ寸法になっているため接合部材13の後縁によって支持され倒れてこないようになっている。
図2に示すように第二の実施例では側板6の上部が手摺り部10になっている。
この手摺り部は本実施例のように側板と同じ部材で一体化して設けてもよいし、別の部材を取り付けてもよい。着座時や離座時に手を添えて体のバランスをとるためのものであるから、高さは座板と同じかそれよりも高い位置になくてはならない。
手摺り部の部材は、金属、プラスチック、木材を曲げたもの、などさまざまな素材が考えられ、また形状も手を添えやすくするためのさまざまな形が考えられる。

1 本考案の第一の実施例
2 座板
3 膝あて板
4 足首サポート板
5 補強材
6 側板
7 座板用クッション
8 膝あて板用クッション
9 足首サポート板用クッション
10 手摺り部
11 本考案の第二の実施例
12 第二の実施例の機構部分
13 足首サポート板の接合部材
14 足首サポート板の前板

Claims (5)

  1. 尻を乗せる部分が前方へ傾斜した座板と、この座板の前方のより低い位置に設けられた膝あて板と、座板の下に位置しこの膝あて板より低い位置に設けられた足首サポート板を主要な部材とする座具であって、前記座板に腰掛けて膝を前記膝あて板に乗せ、足首を前記足首サポート板に乗せた時に、下腿の脛などの部分が床に接することなく、かつ上腿と下腿が互いに圧迫しない適切な角度になるような高さに、前記膝あて板と前記足首サポート板が設けられたことを特徴とする正座用座具。
  2. 前記膝あて板は、座板の前傾により分散された荷重を受けて、膝が前方へ滑ることを防ぐために、膝との接触面が後方へ傾斜していることを特徴とする請求項1記載の正座用座具。
  3. 前記足首サポート板は、足首の甲を乗せた時に膝下から足の指先までが、床に正座した場合と同様に、ほぼ一直線になるような角度を持たせたことを特徴とする請求項1あるいは2記載の正座用座具。
  4. 前記足首サポート板は、膝を開き足首部分を交差させて座禅の体勢で本座具を使用する場合に、足首を組む空間を確保するために、その位置あるいは向きを変える手段を有する構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の正座用座具。
  5. 前記座板と、前記膝あて板と、前記足首サポート板を主要な部材とする座具において、座板と同じかあるいはより高い位置に、手を添える手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の正座用座具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111580600A (zh) * 2019-02-19 2020-08-25 三星电子株式会社 包括冥想应用的电子设备

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CN111580600A (zh) * 2019-02-19 2020-08-25 三星电子株式会社 包括冥想应用的电子设备

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