JP3151929B2 - フルオロシクロヘキセン誘導体 - Google Patents

フルオロシクロヘキセン誘導体

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JP3151929B2
JP3151929B2 JP12346692A JP12346692A JP3151929B2 JP 3151929 B2 JP3151929 B2 JP 3151929B2 JP 12346692 A JP12346692 A JP 12346692A JP 12346692 A JP12346692 A JP 12346692A JP 3151929 B2 JP3151929 B2 JP 3151929B2
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清文 竹内
晴義 高津
爲次郎 檜山
哲生 楠本
学 黒星
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的液晶表示材料
として有用なフルオロシクロヘキセン環を有する新規化
合物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等が知
られているが、このうち現在最もよく用いられているの
はTN型およびSTN型である。また駆動方式としても
従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一
般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近ではア
クティブマトリックス方式が実用化されている。
【0003】これらに用いられる液晶材料としては、こ
れまでにも多数の化合物が合成され、知られているが、
これらの表示方式や用途に応じた種々の要求特性を、単
独で満足するような化合物は知られておらず、その要求
特性に応じて多数の化合物を混合し、液晶組成物として
用いられているのが実状である。そのため、ある特定の
性質が優れた液晶化合物の開発は非常に重要である。
【0004】液晶化合物は通常、その基本骨格として、
2個あるいは3個以上の環構造(ベンゼン環やその置換
体、シクロヘキサン環、あるいはピリジン環、ピリミジ
ン環、ジオキサン環等の複素環等)が、直結あるいは連
結基を介して結合した構造を有している。これらの環構
造のうち、シクロヘキサン環を有する化合物は低粘性で
あるものが多いので、高速応答を必要とする液晶材料に
よく用いられている。
【0005】さらに、最近ではシクロヘキセン環も導入
されるようになっている。シクロヘキセン環を有する液
晶化合物は低粘性であり、屈折率異方性(Δn)が小さ
く、さらにシクロヘキサン環のようにシス体、トランス
体を分離する必要がない等の特徴を有している。
【0006】一方、こうした環構造にハロゲン原子等の
側方置換基を導入し、液晶化合物の誘電率異方性(Δ
ε)、屈折率異方性(Δn)、弾性定数(K)等を調整
することも行われている。しかしながら、この側方置換
基の導入は主にベンゼン環等の芳香環に限られており、
上記のシクロヘキセン環への導入は、生成物の化学的安
定性が悪いか、あるいは合成が困難である等の理由によ
りほとんど検討されていなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】液晶材料の種々の特性
のうち、弾性定数(K)は非常に重要な物性である。上
記の各表示方式、駆動方式のいずれにおいても、そのし
きい値電圧(Vth)はなるべく低いことが要求されてい
る。通常、しきい値電圧は式(1)
【0008】
【数1】
【0009】(式中、kは比例定数を表わす。)で表わ
されるが、この式からわかるように、しきい値電圧を低
くするためには弾性定数を小さくするか、あるいは誘電
率異方性を大きくする必要がある。
【0010】ところが、誘電率異方性の大きい液晶化合
物は粘性の大きい化合物が多く、高速応答には適さない
ことが多く、また、高い比抵抗値が得にくいためアクテ
ィブマトリックス駆動にも用いることが難しい。そのた
め、このような目的に用いるためには弾性定数の小さい
化合物が必要である。
【0011】また、ディスプレイの大容量化にともなっ
て、マルチプレックス駆動が必要となってきており、そ
のためには視角範囲が広いことが重要である。この目的
には屈折率異方性(Δn)の小さい液晶材料が必要であ
る。
【0012】本発明が解決しようとする課題は、以上の
目的に応じた、弾性定数が小さく、屈折率異方性が小さ
い化合物及びその化合物を含有する液晶組成物を提供す
ることにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0014】
【化2】
【0015】(式中、R1は炭素原子数1〜16のアル
キル基またはアルコキシアルキル基を表わすが、好まし
くは炭素原子数1〜8の直鎖状アルキル基を表わし、環
Aは2−フルオロ−1−シクロヘキセン−1,4−ジイ
ル基を表わし、環Bは1,4−フェニレン基またはトラ
ンス−1,4−シクロヘキシレン基を表わし、Xはフッ
素原子または水素原子を表わすが、環Bがトランス−
1,4−シクロヘキシレン基を表わす場合には、Xは好
ましくは水素原子を表わし、R2はフッ素原子、塩素原
子、シアノ基、炭素原子数1〜16のアルキル基、アル
コキシアルキル基またはアルコキシル基を表わし、該基
中における任意の水素原子はフッ素原子により置換され
ていてもよいが、好ましくは炭素原子数1〜8の直鎖状
アルキル基、アルコキシル基、トリフルオロメチル基、
トリフルオロメトキシ基またはフッ素原子を表わす。)
で表わされるフルオロシクロヘキセン誘導体を提供す
る。
【0016】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、シクロヘキセン環における二重結合の位置により、
下記一般式(Ia)および(Ib)
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R1、環B、XおよびR2は一般式
(I)におけると同じ意味を表わす。)に分類すること
ができ、例えば、対応するシクロヘキセン誘導体から以
下の製造方法に従って製造することができる。
【0019】一般式(IIa)
【0020】
【化4】
【0021】(式中、R1、環B、XおよびR2は一般式
(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるシ
クロヘキセン誘導体を、ハイドロボレーションにより、
一般式(IIIa)
【0022】
【化5】
【0023】(式中、R1、環B、XおよびR2は一般式
(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるシ
クロヘキサノール誘導体とする。
【0024】次に、これを酸化して、一般式(IVa)
【0025】
【化6】
【0026】(式中、R1、環B、XおよびR2は一般式
(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるシ
クロヘキサノン誘導体とする。これはシス体とトランス
体の混合物である。
【0027】次に、これをジエチルアミノ三フッ化硫黄
(DAST)等のフッ素化剤でフッ素化することによ
り、上記一般式(Ia)の化合物を得ることができる。
この場合に、一般式(Va)
【0028】
【化7】
【0029】(式中、R1、環B、XおよびR2は一般式
(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わされる
2,2−ジフルオロシクロヘキサン誘導体も生成する
が、一般式(IVa)の化合物のシス体からは一般式
(Ia)の化合物が、トランス体からは一般式(Va)
の化合物が生成すると考えられる。
【0030】この一般式(IVa)のシクロヘキサノン
誘導体のフッ素化は化合物によっては反応が非常に遅か
ったり、あるいは進行しない場合がある。その場合には
ジチオールを用いて一般式(VIa)
【0031】
【化8】
【0032】(式中、R1、環B、XおよびR2は一般式
(I)におけると同じ意味を表わし、lは2または3を
表わす。)で表わされるチオケタール誘導体とし、これ
をN−ヨードコハク酸イミド(NIS)等の酸化剤存在
下に、ピリジン−フッ化水素錯体等のフッ素化剤と反応
させることにより、一般式(Va)のジフルオロシクロ
ヘキサン誘導体を得ることができる。この時、R2がア
ルコキシル基の場合にはそのオルト位がヨウ素化等によ
りハロゲン化される場合があるが、その場合にはアルキ
ルリチウムでリチウム化し、次いで、水と反応させるこ
とにより脱ハロゲン化して、一般式(Ia)のフルオロ
シクロヘキセン誘導体とすることができる。
【0033】一般式(I)で表わされる化合物のうち、
一般式(Ib)のフルオロシクロヘキセン誘導体は、一
般式(IIb)
【0034】
【化9】
【0035】(式中、R1、環B、XおよびR2は一般式
(I)におけると同じ意味を表わす。)で表わされるシ
クロヘキセン誘導体から、一般式(Ia)の場合と全く
同様にして得ることができる
【0036】斯くして製造される一般式(I)で表わさ
れる化合物の代表的なものの例を下記に示す。
【0037】
【化10】
【0038】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、例えば、正または負の誘電率異方性を有する他のネ
マチック液晶化合物との混合物の状態で、特にTN型あ
るいはSTN型といった電界効果型表示セルの材料とし
て、液晶組成物のしきい値電圧を低下させる目的に使用
することができる。
【0039】一般式(I)で表わされる化合物と混合し
て使用することのできるネマチック液晶化合物の好まし
い代表例としては、例えば、4−置換安息香酸4−置換
フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸
4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカ
ルボン酸4′−置換ビフェニルエステル、4−(4−置
換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換
フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安
息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シク
ロヘキシル)安息香酸4−置換シクロヘキシルエステ
ル、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換フェニ
ル)−4−置換シクロヘキサン、4,4”−置換ターフ
ェニル、1−(4’−置換ビフェニリル)−4−置換シ
クロヘキサン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピ
リミジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換
ピリミジンなどを挙げることができる。
【0040】本発明の一般式(I)の化合物の効果は後
述の実施例にも示したが、以下の例からも明らかであ
る。ネマチック液晶材料として現在汎用されているフェ
ニルシクロヘキサン系の母体液晶(A)
【0041】
【化11】
【0042】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)を調製したところ、50.5℃以下でネマ
チック相を示し、その誘電率異方性(Δε)は12.
0、屈折率異方性(Δn)は0.117であり、これを
用いて作製したTNセルのしきい値電圧(Vth)は1.
50Vであった。
【0043】この母体液晶(A)90重量%及び上記
(No.1)の化合物10重量%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。この液晶組成物(M−1)のネ
マチック相の上限温度は40.67℃とやや降下した
が、そのΔεは9.8、Δnは0.107といずれもか
なり低くなった。上記と同様にしてセルを作製し、その
thを測定したところ、Δεが減少しているにもかかわ
らず、1.26Vと非常に低くなった。これは前述の式
(1)から考えて、(No.1)の化合物の弾性定数
(K)が非常に低いことを示している。
【0044】これに対し、(No.1)の化合物に代え
て、これまで同様の目的に用いられてきた化合物である
式(R−1)
【0045】
【化12】
【0046】(式中、シクロヘキサン環はトランス配置
を表わす。)の化合物10重量%及び母体液晶(A)9
0重量%からなる液晶組成物(N−1)は、ネマチック
相の上限温度は39.9℃と液晶組成物(M−1)とほ
とんど変わらなかったが、そのΔεは11.3、Δnは
0.109といずれも液晶組成物(M−1)に比べて大
きな値を示した。しかも、上記と同様にしてセルを作製
し、そのVthを測定したところ、Δεが液晶組成物(M
−1)に比べて大きいにもかかわらず、Vthは1.37
Vと逆に高い値を示した。
【0047】この結果から、本発明の一般式(I)で表
わされる化合物は、母体液晶(A)に少量添加すること
により、母体液晶のしきい値電圧(Vth)を効果的に低
下させることが可能であり、またΔnを低下させる効果
を有することも明らかである。
【0048】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0049】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計(DSC)
を併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴ス
ペクトル(1H−NMRおよび19H−NMR)、赤外共
鳴スペクトル(IR)等により確認した。IRにおける
(neat)は液膜による測定を、(KBr)は錠剤成
形による測定を表わす。NMRにおけるCDCl3は溶
媒を表わし、sは1重線、dは2重線、tは3重線、s
extetは6重線、mは多重線を表わし、また、例え
ば、dtは2重の3重線を表わし、broadは幅広い
吸収を表わす。また、化学シフト値はテトラメチルシラ
ン(1H−NMR)およびフルオロトリクロロメタン(
19H−NMR)を内部標準に用い、低磁場側を正値とし
てppm単位で記述した。
【0050】(実施例1) 2−フルオロ−1−(4−
プロピルフェニル)−4−プロピルシクロヘキセン(N
o.1の化合物)の合成 (1−a) 2−(4−プロピルフェニル)−5−プロ
ピルシクロヘキサノールの合成
【0051】
【化13】
【0052】1−(4−プロピルフェニル)−4−プロ
ピルシクロヘキセン1.21g(5ミリモル)のジエチ
ルエーテル10ml溶液に、ボラン・ジメチルスルフィ
ド錯体(2Mエーテル溶液)2.5ml(5ミリモル)
を室温で加え、6時間攪拌した。反応液を0℃に冷却
し、3M水酸化ナトリウム5mlを加え、10分間攪拌
した後、30%過酸化水素水5mlを加えた。次いで、
徐々に室温まで昇温し、1.5時間後、反応液を炭酸水
素ナトリウム−亜硫酸水素ナトリウム混合溶液にあけ、
反応生成物をジエチルエーテル20mlで3回抽出し
た。有機相を無水硫酸ナトリウム−シリカゲルのショー
トカラムに通し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィーを用いて精製して、2−(4−プロピルフ
ェニル)−5−プロピルシクロヘキサノール607mg
(2.35ミリモル)を得た。(収率47%)
【0053】IR(neat):3450,2952,
2932,2872,1720,1516,1456,
1382,1340,1260,1250,1113,
1050,1020,958,908,819,73
6,645cm-1 1 H−NMR(CDCl3):δ=0.92(t,J=7
Hz,6H),1.1〜2.0(m,13H),2.0
〜2.5(m,2H),2.60(t,J=7Hz,2
H),3.5〜4.0(m,1H),7.16(s,4
H)
【0054】(1−b) 2−(4−プロピルフェニ
ル)−5−プロピルシクロヘキサノンの合成
【0055】
【化14】
【0056】クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)1
10mg(0.5ミリモル)のジクロロメタン1ml懸
濁液に、2−(4−プロピルフェニル)−5−プロピル
シクロヘキサノール65mg(0.25ミリモル)のジ
クロロメタン0.5ml溶液を室温で加え、2時間攪拌
した。反応液にジエチルエーテル5mlを4回加え、上
澄みを集め、無水硫酸ナトリウム−シリカゲルのショー
トカラムに通して濃縮した後、分取用シリカゲル薄層ク
ロマトグラフィーを用いて精製して、2−(4−プロピ
ルフェニル)−5−プロピルシクロヘキサノン42mg
(0.16ミリモル、収率65%)をシス体、トランス
体の約1:1混合物として、および1−(4−プロピル
フェニル)−4−プロピルシクロヘキセン3mg(0.
01ミリモル、収率5%)を得た。
【0057】(1−d) 2−フルオロ−1−(4−プ
ロピルフェニル)−4−プロピルシクロヘキセンの合成
【0058】
【化15】
【0059】上記(1−b)で得られた2−(4−プロ
ピルフェニル)−5−プロピルシクロヘキサノンのシス
体、トランス体の約1:1混合物130mg(0.5ミ
リモル)のジクロロメタン1.5ml溶液にジエチルア
ミノ三フッ化硫黄(DAST)0.20ml(1.51
ミリモル)を加え、11時間攪拌した。反応終了後、ジ
エチルエーテル2ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
を加え、発泡が止まってから水20mlを加えた。有機
層を無水硫酸ナトリウム−シリカゲルのショートカラム
に通して濃縮した後、分取用シリカゲル薄層クロマトグ
ラフィーを用いて精製して、2−フルオロ−1−(4−
プロピルフェニル)−4−プロピルシクロヘキセンの油
状物32mg(0.12ミリモル、収率24%)および
トランス−2,2−ジフルオロ−1−(4−プロピルフ
ェニル)−4−プロピルシクロヘキサンの油状物45m
g(0.16ミリモル、収率32%)を得た。
【0060】2−フルオロ−1−(4−プロピルフェニ
ル)−4−プロピルシクロヘキセン1 H−NMR(CDCl3):δ=0.94(t,J=
7.3Hz,6H),1.3〜1.5(m,5H),
1.64(sextet,J=7.3Hz,6H),
1.7〜1.9(m,2H),1.9〜2.1(m,1
H),2.4〜2.5(m,3H),2.57(t,J
=7.3Hz,2H),7.14(d,J=8.2H
z,2H),7.33(d,J=8.2Hz,2H)19 F−NMR(CDCl3):δ=−105.08
(s)
【0061】(実施例2) 液晶組成物の調製 以下の組成からなるフェニルシクロヘキサン系の母体液
晶(A)
【0062】
【化16】
【0063】(シクロヘキサン環はトランス配置を表わ
す。)を調製したところ、50.5℃以下でネマチック
(N)相を示した。その物性値およびこれを用いて作製
したTNセルのしきい値電圧(Vth)は以下の通りであ
った。
【0064】誘電率異方性(Δε) 12.0 屈折率異方性(Δn) 0.117 しきい値電圧(Vth) 1.50V
【0065】この母体液晶(A)90%および実施例1
で得られたNo.1の化合物10%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。この液晶組成物(M−1)のN
相の上限温度(TN-I)およびその物性値は以下の通り
であった。
【0066】N相の上限温度(TN-I) 40.6℃ 誘電率異方性(Δε) 9.8 屈折率異方性(Δn) 0.107 しきい値電圧(Vth) 1.26V
【0067】このように誘電率異方性(Δε)が小さく
なっているにもかかわらず、そのしきい値電圧は非常に
低くなっていることが明らかである。このことは前述の
式(1)から考えて、本発明の(No.1)の化合物の
弾性定数(K)が非常に低いことを示している。また屈
折率異方性(Δn)もかなり小さくなっていることが明
らかである。
【0068】(比較例1)実施例2において、(No.
1)の化合物に代えて、これまで同様の目的に用いられ
てきた化合物である式(R−1)
【0069】
【化17】
【0070】の化合物10%および母体液晶(A)90
%からなる液晶組成物(N−1)を調製した。この液晶
組成物(N−1)のN相の上限温度(TN-I)およびそ
の物性値は以下の通りであった。
【0071】N相の上限温度(TN-I) 39.9℃ 誘電率異方性(Δε) 11.3 屈折率異方性(Δn) 0.109 しきい値電圧(Vth) 1.37V
【0072】このようにN相の上限温度は39.9℃と
液晶組成物(M−1)とほとんど変わらなかったが、誘
電率異方性(Δε)は液晶組成物(M−1)より大きい
にもかかわらず、そのしきい値電圧(Vth)は液晶組成
物(M−1)に比べるとかなり高い値であった。また屈
折率異方性(Δn)も液晶組成物(M−1)に比べると
やや大きくなった。
【0073】この結果から一般式(I)の化合物は、母
体液晶(A)に少量添加することにより、母体液晶のし
きい値電圧(Vth)を非常に効果的に低下させることが
可能であり、また、Δnを低下させる効果を有すること
も明らかである。
【0074】
【発明の効果】本発明の一般式(I)で表わされる化合
物は、ネマチック液晶として現在汎用されている母体液
晶との相溶性に優れており、少量添加することにより、
その誘電率異方性(Δε)はむしろ小さくなるにもかか
わらず、それを用いた液晶セルのしきい値電圧(Vth
を効果的に低下させることが可能であるので、各種液晶
表示素子の材料として適している。また屈折率異方性
(Δn)を小さくすることができるので、視野角の広い
液晶表示素子の構成材料として好適である。
【0075】また、一般式(I)の化合物は、実施例に
示したように工業的にも容易に製造でき、熱、光、水等
に対し、化学的に安定であるので、各種液晶表示素子の
材料として、非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 檜山 爲次郎 神奈川県相模原市上鶴間4−29−3− 101 (72)発明者 楠本 哲生 神奈川県相模原市南台1−9−2−102 (72)発明者 黒星 学 神奈川県相模原市西大沼4−4−1 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜16のアルキル基または
    アルコキシアルキル基を表わし、環Aは2−フルオロ−
    1−シクロヘキセン−1,4−ジイル基を表わし、環B
    は1,4−フェニレン基またはトランス−1,4−シク
    ロヘキシレン基を表わし、Xはフッ素原子または水素原
    子を表わし、R2はフッ素原子、塩素原子、シアノ基、
    炭素原子数1〜16のアルキル基、アルコキシアルキル
    基またはアルコキシル基を表わし、該基中における任意
    の水素原子はフッ素原子によって置換されていてもよ
    い。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
    る化合物を含有する液晶組成物。
JP12346692A 1992-05-15 1992-05-15 フルオロシクロヘキセン誘導体 Expired - Fee Related JP3151929B2 (ja)

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