JP3360329B2 - 3−フルオロアルキルベンゼン誘導体 - Google Patents

3−フルオロアルキルベンゼン誘導体

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JP3360329B2
JP3360329B2 JP29971592A JP29971592A JP3360329B2 JP 3360329 B2 JP3360329 B2 JP 3360329B2 JP 29971592 A JP29971592 A JP 29971592A JP 29971592 A JP29971592 A JP 29971592A JP 3360329 B2 JP3360329 B2 JP 3360329B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気光学的液晶表示材料
として有用な、3−フルオロアルキルベンゼン誘導体で
ある新規化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。また、液晶表示方式としては、
その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN
(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH
(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)
等が知られているが、このうち現在最もよく用いられて
いるのはTN型及びSTN型である。また駆動方式とし
ても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動
が一般的になり、更に単純マトリックス方式、最近では
アクティブマトリックス方式が実用化されている。
【0003】これらの表示方式により、液晶材料に要求
される特性は多岐にわたっているが、低電圧駆動を可能
とするために、特にしきい値電圧(Vth)が低いこと
は、共通して要求される重要な特性である。
【0004】また、駆動温度範囲の広いことも重要であ
る。特に最近では用途の拡大に伴い、氷点下のかなり低
い温度域でも正常に駆動することが重要になってきてい
る。通常、液晶表示素子におけるしきい値電圧(Vth
は式(1)
【0005】
【数1】
【0006】(式中、kは比例定数を、Kは弾性定数
を、Δεは誘電率異方性をそれぞれ表わす。)で表わさ
れるが、この式からわかるように、しきい値電圧を低く
するためには、液晶材料の弾性定数を小さくするか、あ
るいは誘電率異方性を大きくする必要がある。
【0007】ところが、誘電率異方性の大きい液晶化合
物は極性が強く、粘性が大きいものが多い。特に、低温
域における粘性の増大が著しいため、液晶表示素子の正
常な駆動を困難にさせる傾向を有するものが多い。その
ため、低温域で使用する場合には、2環性で、シアノ基
等の極性の強い基を含まず、しかも弾性定数が小さい液
晶材料を用いてきた。しかしながら、低温域の粘性を大
きく改善できる化合物はこれまで知られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、以上の目的に応じ、弾性定数が小さく、特
に低温域における粘性が非常に小さい化合物を提供し、
また、その化合物を含有し、しきい値電圧が低く、且つ
低温域においても低粘性である液晶組成物を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、一般式(I)
【0010】
【化2】
【0011】(式中、R1は炭素原子数1〜10の直鎖
状アルキル基を表わすが、炭素原子数1〜5の直鎖状ア
ルキル基が好ましい。環Aはトランス−1,4−シクロ
ヘキシレン基、1,4−フェニレン基又はピリミジン−
2,5−ジイル基を表わすが、トランス−1,4−シク
ロヘキシレン基が好ましい。R2は水素原子又は炭素原
子数1〜5の直鎖状アルキル基を表わすが、水素原子、
メチル基又はエチル基が好ましく、特にメチル基が好ま
しい。)で表わされる3−フルオロアルキルベンゼン誘
導体を提供する。
【0012】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、対応する一般式(II)
【0013】
【化3】
【0014】(式中、R1、環A及びR2は一般式(I)
におけると同じ意味を表わす。)で表わされる3−ヒド
ロキシアルキルベンゼン誘導体を、ジエチルアミノ三フ
ッ化硫黄(DAST)等のフッ素化剤でフッ素化するこ
とにより容易に得ることができる。
【0015】ここで、一般式(II)の化合物は、一般
式(III)
【0016】
【化4】
【0017】(式中、R1及び環Aは一般式(I)にお
けると同じ意味を表わす。)で表わされる1,3−ジチ
アン誘導体を強塩基と反応させてアニオンとし、これを
一般式(IV)
【0018】
【化5】
【0019】(式中、R2は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。)で表わされるエポキシ誘導体と反応
させ、次いでラネーニッケル等により還元して得ること
ができる。
【0020】また、一般式(III)の化合物は、環A
の違いによりそれぞれ異なるが、環Aがトランス−1,
4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基であ
る化合物の場合には、例えば、対応する一般式(V)
【0021】
【化6】
【0022】(式中、R1は一般式(I)におけると同
じ意味を表わし、環Aはトランス−1,4−シクロヘキ
シレン基又は1,4−フェニレン基を表わす。)で表わ
されるベンズアルデヒド誘導体を、1,3−プロパンジ
チオールと反応させて得ることができる。
【0023】また、環Aがピリミジン−2,5−ジイル
基である化合物の場合には、例えば4−シアノベンズア
ルデヒドと1,3−プロパンジチオールとを反応させ
て、2−(4−シアノフェニル)−1,3−ジチアンと
し、これをアミジン塩酸塩とした後、一般式(VI)で
表わされるアクロレイン誘導体と反応させることにより
得ることができる。
【0024】
【化7】
【0025】(式中、R1は一般式(I)におけると同
じ意味を表わす。) 斯くして製造された一般式(I)で表わされる化合物の
代表的なものの例を第1表に掲げる。
【0026】
【表1】
【0027】本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、特
にTN型あるいはSTN型といった電界効果型表示セル
の材料として、特にしきい値電圧及び低温域における粘
性を低下させる目的に使用することができる。
【0028】このように、一般式(I)で表わされる化
合物と混合して使用することのできるネマチック液晶化
合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息
香酸4−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサ
ンカルボン酸4−置換フェニルエステル、4−置換シク
ロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニリルエステ
ル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)
安息香酸4−置換フェニルエステル、4−(4−置換シ
クロヘキシル)安息香酸4−置換フェニルエステル、4
−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロ
ヘキシルエステル、4,4’−置換ビフェニル、1−
(4−置換フェニル)−4−置換シクロヘキサン、4,
4”−置換ターフェニル、1−(4’−置換ビフェニリ
ル)−4−置換シクロヘキサン、1−(4−置換シクロ
ヘキシル)−4−(4−置換フェニル)シクロヘキサ
ン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、
2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン
などを挙げることができる。
【0029】一般式(I)の化合物の効果は後述の実施
例にも示したが、以下の例からも明らかである。ネマチ
ック液晶材料として現在汎用されているフェニルシクロ
ヘキサン系の母体液晶(A)
【0030】
【化8】
【0031】(上記中、シクロヘキサン環はトランス配
置を表わし、「%」は『重量%』を表わす。)を調製し
たところ、50.5℃以下でネマチック相を示し、誘電
率異方性(Δε)は12.0であり、これを用いて作製
したTNセルのしきい値電圧(Vth)は1.50Vであ
った。弾性定数はK11が7.1、K33が20.9であ
り、粘性は20℃で22.2cp(センチポイズ)、0℃
で75.8cp、−20℃で460cpであった。
【0032】この母体液晶(A)90重量%及び本発明
の(No.1)の化合物10重量%からなる液晶組成物
(M−1)を調製した。この(M−1)のネマチック相
の上限温度は40.0℃であり、Δεは10.1と小さ
くなった。ところが、この組成物を用いて同様にして作
製したセルのしきい値電圧(Vth)を測定したところ、
Δεが小さくなっているにもかかわらず、1.22Vと
大幅に低下した。これは(No.1)の化合物の弾性定
数(K)が、2環化合物のなかでもかなり小さいことを
示している。実際に測定した(M−1)の弾性定数は、
11が5.85、K33が12.09と、母体液晶(A)
に比べてかなり小さい値であった。
【0033】更にその粘性を測定したところ、20℃で
は24.0cpと母体液晶(A)より大きかったものの、
0℃では56.5cp、−20℃では253cpと逆に母体
液晶(A)より非常に小さくなった。
【0034】これに対し、(No.1)の化合物に代え
て、(No.1)の化合物の類似構造を有し、これまで
しきい値電圧を低下させる目的で使用されてきた式(R
−1)
【0035】
【化9】
【0036】の化合物10重量%及び母体液晶(A)9
0重量%からなる液晶組成物(N−1)を調製した。こ
の(N−1)のネマチック相の上限温度は39.8℃で
あり、Δεは10.6と(M−1)よりやや大きくなっ
た。同様にしてセルを作製したところ、Vthは1.19
Vと(M−1)よりわずかに低くなった。
【0037】しかしながら、その粘性を測定したとこ
ろ、20℃では21.4cpと(M−1)より小さかった
ものの、0℃では68.4cp、−20℃では400cpと
逆に(M−1)より非常に大きくなった。
【0038】また、式(R−1)の化合物より低粘性で
あり、同様にしきい値電圧を低下させる目的で使用され
てきた式(R−2)
【0039】
【化10】
【0040】の化合物10重量%及び母体液晶(A)9
0重量%からなる液晶組成物(N−2)を調製した。こ
の(N−2)のネマチック相の上限温度は43.7℃で
あり、Δεは11.6と(M−1)より大きくなった。
しかしながら、同様にしてセルを作製したところ、Vth
は1.33Vと(M−1)よりかなり高くなった。しか
も、その粘性を測定したところ、20℃では19.5cp
と(M−1)より小さかったものの、0℃では60.5
cp、−20℃では300cp以上と逆に(M−1)よりか
なり大きくなった。
【0041】以上のことから、本発明の一般式(I)で
表わされる化合物は、弾性定数が小さく、母体液晶
(A)に少量添加することにより、しきい値電圧
(Vth)を大きく低下させ、しかも特に低温域における
粘性を非常に小さくできることが明らかである。
【0042】更に、液晶組成物(M−1)を低温で長時
間放置しても、析出や相分離等は認められなかった。こ
のことから、本発明の一般式(I)で表わされる化合物
は、低温域における駆動も可能とするものであることが
理解できる。
【0043】また、(No.1)の化合物を長時間高温
に保ち、その熱安定性を試験したが、副生成物等は全く
生じなかった。この化合物は分子内に従来のようなシア
ノ基等の極性の強い官能基を含まないので、前述の表示
方式のうち、最も高画質の表示が可能であり、視野角が
広く、高精細化、カラー化が容易で、動画表示も可能で
あるアクティブマトリックス方式に用いる液晶材料に有
用である。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施例に限
定されるものではない。
【0045】なお、相転移温度の測定は温度調節ステー
ジを備えた偏光顕微鏡及び示差走査熱量計(DSC)を
併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共鳴スペ
クトル(1H−NMR)、赤外吸収スペクトル(I
R)、質量スペクトル(MS)等により確認した。IR
における(KBr)は錠剤成形による測定を表わす。N
MRにおけるCDCl3は溶媒を表わし、sは1重線、
dは2重線、tは3重線、qは4重線、mは多重線を表
わし、また、例えば、ddは2重の2重線を表わし、J
はカップリング定数を表わす。MSにおけるM+は親ピ
ークを表わす。組成物における「%」は『重量%』を表
わす。
【0046】(実施例1) 1−(3−フルオロブチ
ル)−4−(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)
ベンゼンの合成 (1−a) 2−[4−(トランス−4−プロピルシク
ロヘキシル)フェニル]−1,3−ジチアンの合成
【0047】
【化11】
【0048】4−(トランス−4−プロピルシクロヘキ
シル)ベンズアルデヒド1.7g、プロパンジチオール
1g、ポリリン酸トリメチルシリル−ジクロロメタン溶
液20mlを室温で5間攪拌した。反応終了後、飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液50mlを加え、反応生成物を
エーテル100mlで抽出した。抽出液を濃縮した後、
得られた残渣をヘキサンから再結晶させて、2−[4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]
−1,3−ジチアン2g(収率83%)を得た。
【0049】無色柱状晶 融点 129℃ IR(KBr) 2930,1440,1420,12
75,765cm-1 1 H NMR(CDCl3) δ 0.90(t,J=
7.2Hz,2H),0.98〜1.08(m,2
H),1.15〜1.46(m,7H),1.81〜
1.95(m,5H),2.165(dm,J=14.
1Hz,1H),2.44(tt,J=12.2and
3.2Hz,1H),2.90(ddd,J=14.
5,4.2,and3.3Hz,2H),3.06(d
dd,J=14.5,12.5,and2.4Hz,2
H),5.14(s,1H),7.16(d,J=8.
1Hz,2H),7.37(d,J=8.1Hz,2
H) MS m/z 320(M+,76),246(10
0) 元素分析:C19282として 計算値:C,71.19%;H,8.80%;S,2
0.01% 実測値:C,71.35%;H,8.95%;S,2
0.07%
【0050】(1−b) 2−(2−ヒドロキシプロピ
ル)−2−[4−(トランス−4−プロピルシクロヘキ
シル)フェニル]−1,3−ジチアンの合成
【0051】
【化12】
【0052】上記(1−a)の2−[4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−1,3−ジ
チアン1.27gのTHF15ml溶液に、−78℃で
1.6Mブチルリチウム−ヘキサン溶液3.0mlを加
えて30分間攪拌した。これに1,2−エポキシプロパ
ン275mgのTHF10ml溶液を加え、1時間かけ
て−60℃に昇温した。これを飽和食塩水で処理し、反
応生成物を酢酸エチルで抽出した後、抽出液を濃縮し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(ヘキサン/酢酸エチル=9/1)を用いて精製して、
2−(2−ヒドロキシプロピル)−2−[4−(トラン
ス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]−1,3
−ジチアン780mg(収率96%)を得た。
【0053】無色板状晶 融点 66℃ IR(neat) 3455,2955,2920,2
849,1503,1447,1412,1275,1
127,1065,1036,936,868cm-1 1 H NMR(CDCl3) δ 0.90(t,J=
7.2Hz,3H),1.00〜1.04(m,1
H),1.09(d,J=6.3Hz,3H),1.1
9〜1.50(m,8H),2.14(dd,J=1
5.0and1.7Hz,1H),2.29(dd,J
=15.0and9.0Hz,1H),2.33(s,
1H),2.47(tt,J=12.1and3.2H
z,1H),2.75〜2.79(m,2H),3.9
6〜4.03(m,1H),7.23(d,J=8.4
Hz,2H),7.79(d,J=8.4Hz,2H) MS m/z 378(M+,24),43(100) 元素分析:C2234OS2として 計算値:C,69.79%;H,9.05%;S,1
6.94% 実測値:C,69.62%;H,8.92%;S,1
6.76%
【0054】(1−c) 1−[4−(トランス−4−
プロピルシクロヘキシル)フェニル]ブタン−3−オー
ルの合成
【0055】
【化13】
【0056】上記(1−b)の2−(2−ヒドロキシプ
ロピル)−2−[4−(トランス−4−プロピルシクロ
ヘキシル)フェニル]−1,3−ジチアン328mgの
アセトン7ml溶液に、ラネーニッケル(W−4)エタ
ノール懸濁液10mlを加え、30分間加熱還流した。
反応液をセライト濾過した後、濾液を濃縮し、得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン
/酢酸エチル=8/1)を用いて精製して、1−[4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]
ブタン−3−オール156mg(収率66%)を得た。
これを更にヘキサンから再結晶させて、精製物71mg
(収率30%)を得た。
【0057】無色板状晶 融点 60℃ IR(KBr) 3322,2959,2924,28
51,1682,1605,1514,1447,13
75,1130,1082,957,820cm-1 1
NMR(CDCl3) δ 0.90(t,J=7.3
Hz,3H),0.98〜1.09(m,1H),1.
22(d,J=6.2Hz,3H),1.31〜1.4
8(m,8H),1.73〜1.80(m,2H),
1.83〜1.90(m,4H),2.43(tt,J
=12.2and3.3Hz,1H),2.68(dd
d,J=13.9,8.9and7.2Hz,2H),
3.78〜3.80(m,1H),7.12(s,4
H) MS m/z 274(M+,25),45(100) 元素分析:C1930Oとして 計算値:C,83.15%;H,11.02% 実測値:C,82.91%;H,11.10%
【0058】(1−d) 3−フルオロ−1−[4−
(トランス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]
ブタンの合成
【0059】
【化14】
【0060】上記(1−c)の1−[4−(トランス−
4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]ブタン−3−
オール1.17gのジクロロメタン50ml溶液に、−
78℃で1.0M三フッ化ジメチルアミノ硫黄(DAS
T)−ジクロロメタン溶液6.4mlを加えて20分間
攪拌した。反応液に水を加え、反応生成物をエーテルで
抽出し、抽出液を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=20/1)を用
いて分離精製して、3−フルオロ−1−[4−(トラン
ス−4−プロピルシクロヘキシル)フェニル]ブタン7
12mg(収率60%)を得た。
【0061】無色油状物質 沸点 135℃/0.07mmHg IR(neat) 2922,2851,1514,1
449,1385,1134,1061,924,88
5,828cm-1 1 H NMR(CDCl3) δ 0.90(t,J=
7.3Hz,3H),0.99〜1.09(m,2
H),1.18〜1.48(m,7H),1.34(d
d,J=23.9and6.2Hz,3H),1.72
〜2.04(m,6H),2.43(tt,J=12.
2and3.3Hz,1H),2.65(ddd,J=
13.9,9.6and6.9Hz,1H),2.76
(ddd,J=13.9,9.6and5.3Hz,1
H),4.66(dm,J=49Hz,1H),7.1
1(d,J=8.6Hz,2H),7.13(d,J=
8.6Hz,2H) MS m/z 276(M+,100),129(9
6) 元素分析:C1929Fとして 計算値:C,82.55%;H,10.57% 実測値:C,82.34%;H,10.36%
【0062】(実施例2) 液晶組成物の調製 以下の組成からなるフェニルシクロヘキサン系の母体液
晶(A)
【0063】
【化15】
【0064】(上記中、シクロヘキサン環はトランス配
置を表わす。)を調製したところ、50.5℃以下でネ
マチック(N)相を示した。その物性値及びこれを用い
て作製したTNセルのしきい値電圧(Vth)は以下の通
りであった。
【0065】
【0066】この母体液晶(A)90%及び実施例1で
得られた(No.1)の化合物10%からなる液晶組成
物(M−1)を調製した。この(M−1)のN相の上限
温度(TN-I)及びその物性値は以下の通りであった。
【0067】
【0068】この(M−1)は母体液晶(A)と比べる
と、しきい値電圧が大幅に低下している。これは(N
o.1)の化合物の弾性定数が非常に小さいことによる
ものと考えられる。更に、粘性は20℃では大きくなっ
たものの、低温域では逆に非常に小さくなった。
【0069】また、この組成物(M−1)を低温で長時
間放置したが、析出、相分離等は全く観察されなかっ
た。このことから、(No.1)の化合物は従来の液晶
化合物との相溶性にも優れていることが理解できる。
【0070】このことから、(No.1)の化合物は、
低温域における粘度を大きく低下させることができ、低
温域における駆動、更に低電圧駆動を可能とすることが
明らかである。
【0071】(比較例1)実施例2において、(No.
1)の化合物に代えて、これまで同様の目的に用いられ
てきた式(R−1)
【0072】
【化16】
【0073】の化合物10%及び母体液晶(A)90%
からなる液晶組成物(N−1)を調製した。この(N−
1)のN相の上限温度(TN-I)及びその物性値は以下
の通りであった。
【0074】
【0075】このように、N相の上限温度は(M−1)
とほとんど変わらず、しきい値電圧は(M−1)に比べ
るとやや低い値となった。粘性は20℃では(M−1)
より小さくなったものの、低温域では非常に大きくなっ
た。このことから、式(R−1)の化合物は低温域にお
ける粘度を低下させることができないものであり、高速
応答性を要求される液晶表示素子の構成材料として好ま
しくないことが明らかである。
【0076】(比較例2)比較例1において、式(R−
1)の化合物に代えて、より低粘性である式(R−2)
【0077】
【化17】
【0078】の化合物10%及び母体液晶(A)90%
からなる液晶組成物(N−2)を調製した。この(N−
2)のN相の上限温度(TN-I)及びその物性値は以下
の通りであった。
【0079】
【0080】このようにN相の上限温度は(M−1)よ
りやや高くなったが、しきい値電圧は0.1V以上も高
い値となった。しかも、粘性は20℃では(M−1)よ
り小さくなったものの、低温域では(M−1)よりかな
り大きくなった。
【0081】以上のことから、本発明に係わる(No.
1)の化合物は、母体液晶(A)に少量添加することに
より、誘電率異方性(Δε)を小さくするにもかかわら
ず、しきい値電圧(Vth)を効果的に低下させ、しか
も、特に低温域における粘性を著しく低下させることが
理解できる。
【0082】
【発明の効果】本発明に係わる一般式(I)で表わされ
る化合物は、ネマチック液晶として現在汎用されている
母体液晶との相溶性に優れており、これに少量添加する
ことにより、しきい値電圧(Vth)及び低温域における
粘性を大きく低下させることが可能である。
【0083】また、一般式(I)の化合物は、実施例に
示したように工業的にも容易に製造でき、熱、光、水等
に対し、化学的に安定である。従って、一般式(I)の
化合物及びそれを用いた液晶組成物は、各種液晶表示素
子の材料として、非常に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G02F 1/13 500 G02F 1/13 500 (72)発明者 佐藤 健一 神奈川県相模原市上溝35−11 (72)発明者 荻野 久美子 神奈川県川崎市川崎区四谷上町23−1− 702 (56)参考文献 特開 昭62−192368(JP,A) 特開 平2−62834(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R1は炭素原子数1〜10の直鎖状アルキル基
    を表わし、環Aはトランス−1,4−シクロヘキシレン
    基、1,4−フェニレン基又はピリミジン−2,5−ジ
    イル基を表わし、 2 は炭素原子数1〜5の直鎖状アル
    キル基を表わす。)で表わされる化合物。
  2. 【請求項2】 環Aがトランス−1,4−シクロヘキシ
    レン基である請求項1記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R2がメチル基である請求項2記載の化
    合物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の一般式(I)で表わされ
    る化合物を含有する液晶組成物。
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