JP3150792B2 - 電子回路の作製方法 - Google Patents
電子回路の作製方法Info
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Description
表示装置等のアクティブマトリクス、あるいはその他の
電子回路およびその作製方法に関する。
導体集積回路のゲイトの材料はシリコンを中心とした材
料が使用された。これはゲイト電極と半導体チャネルと
のエネルギー差が小さいという物性的な特徴に加えて、
耐熱性があるため、ソース/ドレインを自己整合(セル
フアライン)的に形成できるからである。これとは逆
に、それまで主流であったアルミニウムのゲイトは、耐
熱性がないため、セルフアラインプロセスに適さず、配
線抵抗が低いという特徴にもかかわらず、次第に用いら
れなくなった。
技術等を用いることによって、アルミニウムゲイトであ
っても、セルフアラインプロセスが採用できることを明
らかにし、なおかつ、ゲイト電極あるいはそれに接続す
る配線(これらは、互いに明確に区別できるものではな
いので、以下では、ゲイト電極配線と総称する)の表面
に、陽極酸化法によって、耐蝕性、耐圧性に優れた酸化
アルミニウム被膜を形成することによって、配線層間の
電気的分離を確実におこなえることと、酸化アルミニウ
ムを利用して、ゲイトとソース/ドレインにオフセット
領域を形成できることを示した(特願平3−34033
6、同4−30220、同4−34194)。
かの問題点もあった。例えば、陽極酸化をおこなって
も、場所によって、その酸化膜の密着性がさまざまで、
一部には剥離してしまうことがあった。また、酸化アル
ミニウムは耐蝕性が著しく強いため、通常のウェットエ
ッチングやドライエッチングではなかなか除去できなか
った。そして、酸化アルミニウムは酸化珪素とのエッチ
ングの選択比が著しく大きく、酸化アルミニウムをエッ
チングしている間に周辺の酸化珪素等の材料まで、著し
くエッチングされてしまうことがあった。特に、複雑な
回路を構成する場合には、いくつものトランジスタのゲ
イト電極配線を1つの配線に接続して、陽極酸化をおこ
なうのであるが、そのための配線は後に除去されるべき
ものであり、その酸化アルミニウムで被覆された配線を
除去することは困難であった。また、これらのゲイト電
極配線の限られた部分にコンタクトを形成しようとした
際に、周辺の材料までもが浸食されてしまうことは回路
の作製に大きな制約となった。
30に記述されるように、レーザー光のごとき、高エネ
ルギーの電磁波をエッチング箇所に集中的に照射して、
その部分の酸化アルミニウムと下地のゲイト電極配線を
除去してしまう方法を提案した。しかしながら、このよ
うな方法では、下地のゲイト電極配線までもが除去さ
れ、あるいは相当なダメージを受け、コンタクトを形成
することはほとんど不可能であった。
たものであり、陽極酸化アルミゲイトのトランジスタを
安定して作製する作製方法、およびそれに適した回路配
置を提案せんとするものである。
極酸化アルミゲイトトランジスタの作製においては、
陽極酸化膜の剥離た密着性のばらつき、 陽極酸化
後の不要な配線の除去とコンタクトホールの形成、とい
う2つの問題点があった。このうち、に関しては、本
発明人等の研究の結果、ゲイト電極配線にいたる配線の
最適化をおこなえばよいことが明らかになった。すなわ
ち、従来は、配線の幅に関しては特に考慮されていなか
ったため、ゲイト電極配線間で電位が異なっていた。こ
れは、ゲイト電極配線にいたる電流の通路を考慮しなか
ったためである。そして、このような状況では、陽極酸
化が同じように進展しても、配線幅に占める陽極酸化膜
の厚さは線幅の細い所の方が太い所よりも早い段階で大
きくなり、結果的にその違いが密着性のばらつきをもた
らし、剥離に至ったのである。そこで、本発明は図1
(A)に示すように、ゲイト電極配線にいたる配線をそ
の幅によって階層化した。
の広い幹線配線13とし、そこから、幹線配線よりは幅
の狭い支線配線5を設け、さらに、末端のゲイト電極配
線6というようにした。このような回路配置によって、
末端のゲイト電極配線の間での陽極酸化の進展の違いは
著しく抑えられ、各ゲイト電極配線の陽極酸化膜の密着
性をほぼ一定とすることができた。
は、のちにエッチングされたり、コンタクトが形成され
る箇所を有機コーティング材料で被覆し、陽極酸化され
ないようにした。有機コーティング材料としては、例え
ばフォトニース等でよい。このような有機コーティング
材料は適切な溶媒によって簡単に除去される。特に、陽
極酸化に耐えられるだけの耐酸化性があることが望まし
い。
属配線が露出されるので、そのエッチングは容易であ
り、また、コンタクトを形成するにも何ら問題がない。
特にコンタクトを形成するにあたっては、層間絶縁物を
形成した後、通常のようにコンタクトホールを形成し
て、コンタクトを設ければよい。以下に実施例を示し、
さらに本発明を説明する。
示す。図1は上面から見た様子であり、図2は本発明の
工程をわかりやすくするために工程ごとの概念的な断面
を描いたものである。したがって、図2は図1の特定の
部分の断面というわけではない。
ラスを使用した。そして、下地の酸化珪素膜2を厚さ1
00nmだけ、スパッタ法によって形成した。さらに、
アモルファスシリコン被膜をプラズマCVD法によって
150nmだけ形成した。これを600℃で60時間、
窒素雰囲気中でアニールし、再結晶化させた。さらに、
これをパターニングして、島状の半導体領域3を複数形
成した。
雰囲気中でのスパッタ法によって、ゲイト酸化膜4を厚
さ115nmだけ堆積し、次に、電子ビーム蒸着によっ
てアルミニウム被膜(厚さ500nm)を形成して、こ
れをパターニングし、第1の配線5、第2の配線13お
よびゲイト電極配線6を形成した。ここで、第1の配線
は本発明でいう支線配線であり、第2の配線は幹線配線
である。これらの配線の幅は、第1の配線は4μm、第
2の配線は10μmとした。このようにして、薄膜トラ
ンジスタ(TFT)の外形を整えた。このときのTFT
のチャネルの大きさは、長さを2μm、幅を12μmと
した。
%の硝酸と燐酸の混合したものを用いた。例えばエッチ
ングの温度を40℃としてときは配線(アルミニウム)
のエッチングレートは225nm/分であった。ここま
での様子は図1(A)および図2(A)に示される。
0)をスピンコータによって、塗布した。回転数は25
00rpmであった。そして、このフォトニースをパタ
ーニングした。この場合には、第1の配線5と第2の配
線13の全面に残存させた。そして、上記配線13、
5、6に電気を通じ、陽極酸化法によって、フォトニー
スの塗布されていないゲイト電極配線の周囲(上面およ
び側面)に酸化アルミニウムの被膜8を形成した。陽極
酸化は、3%の酒石酸のエチレングリコール溶液を5%
アンモニアで中和して、pHを7.0±0.2とした溶
液を使用しておこなった。まず、溶液中に陰極として白
金を浸し、さらにTFTを基板ごと浸して、第2の配線
13を電源の陽極に接続した。温度は25±2℃に保っ
た。
cm2 の電流を流し、電圧が250Vに達したら、電圧
を一定に保ったまま通電し、電流が0.005mA/c
m2になったところで電流を止め、陽極酸化を終了させ
た。このようにして得られた陽極酸化膜の厚さは320
nmであった。ここまでで得られた回路の状態を図1
(B)および図2(B)に示す。
3にN型の不純物領域(ソース/ドレイン)9aあるい
はP型の不純物領域9bを形成した。N型のドーパント
としてはリンイオンを使用し、イオンエネルギーは70
〜100keV、リンの濃度は1〜5×1013cm-2と
した。また、P型のドーパントとしては、BF3 + を使
用した。ドーズ量、加速エネルギーはリンのドーピング
と同じ条件とした。このイオン注入によって、ソース、
ドレイン領域9はゲイト電極とかさならない部分(オフ
セット領域)が酸化アルミニウムの厚さ(約300n
m)だけ形成されたものと推定される。
アニールをおこなった。レーザーはKrFエキシマーレ
ーザーを用い、例えば350mJ/cm2 のパワー密度
のレーザーパルスを50ショット照射した。このレーザ
ーアニールによって、イオン注入でアモルファス化した
部分の再結晶化がなされた。ここまでで得られた回路の
状態を図1(C)および図2(C)に示す。
1の配線の一部および第2の配線の全部を除去して、C
MOSゲイトアレーを多数形成した。第1の配線の一部
は、5aで示すように残存させた。その後、図2(D)
に示すように、酸化珪素のスパッタ成膜によって層間絶
縁物10を形成し、公知のフォトリソグラフィー技術に
よって、半導体領域3上にコンタクトホール11a、1
1bを形成し、また、同時に第1の配線5a上にもコン
タクトホール12を形成した。もちろん、必ずしも同時
に形成されなければならないのではなく、必要に応じ
て、これらのコンタクトホールは独立に形成してもよ
い。その後、金属被膜を選択的に形成すれば、半導体回
路が完成する。
お、上面から見た配線パターンは図1と実質的に同一で
ある。
ガラスを使用した。そして、下地の酸化珪素膜22を厚
さ100nmだけ、スパッタ法によって形成した。さら
に、アモルファスシリコン被膜をLPCVD法によって
50nmだけ形成した。これにパルスレーザーを照射し
て、結晶化させた。レーザーとしては、例えば、KrF
エキシマーレーザーを用いた。エネルギー密度は150
〜350mJ/cm2、好ましくは250〜300mJ
/cm2 が適当であった。さらに、これをパターニング
して、島状の半導体領域23を複数形成した。
雰囲気中でのスパッタ法によって、ゲイト酸化膜24を
厚さ115nmだけ堆積し、次に、電子ビーム蒸着によ
ってアルミニウム被膜(厚さ500nm)を形成して、
これをパターニングし、第1の配線25およびゲイト電
極配線26を形成した。このようにして、薄膜トランジ
スタ(TFT)の外形を整えた。このときのTFTのチ
ャネルの大きさは、長さを2μm、幅を12μmとし
た。
%の硝酸と燐酸の混合したものを用いた。例えばエッチ
ングの温度を40℃としてときは配線(アルミニウム)
のエッチングレートは225nm/分であった。ここま
での様子は図3(A)に示される。
0)をスピンコータによって、塗布した。回転数は25
00rpmであった。そして、このフォトニースをパタ
ーニングし、図3(B)に示すように、配線25上にの
み残存させた。そして、上記配線25、26に電気を通
じ、陽極酸化法によって、フォトニースの塗布されてい
ないゲイト電極配線の周囲(上面および側面)に酸化ア
ルミニウムの被膜28を形成した。陽極酸化は、3%の
酒石酸のエチレングリコール溶液を5%アンモニアで中
和して、pHを7.0±0.2とした溶液を使用してお
こなった。まず、溶液中に陰極として白金を浸し、さら
にTFTを基板ごと浸して、配線を電源の陽極に接続し
た。温度は25±2℃に保った。
cm2 の電流を流し、電圧が250Vに達したら、電圧
を一定に保ったまま通電し、電流が0.005mA/c
m2になったところで電流を止め、陽極酸化を終了させ
た。このようにして得られた陽極酸化膜の厚さは320
nmであった。ここまでで得られた回路の状態を図3
(B)に示す。
23にN型の不純物領域(ソース/ドレイン)29aあ
るいはP型の不純物領域29bを形成した。N型のドー
パントとしてはリンイオンを使用し、イオンエネルギー
は70〜100keV、リンの濃度は1〜5×1013c
m-2とした。また、P型のドーパントとしては、BF3
+ を使用した。ドーズ量、加速エネルギーはリンのドー
ピングと同じ条件とした。このイオン注入によって、ソ
ース、ドレイン領域29はゲイト電極とかさならない部
分(オフセット領域)が酸化アルミニウムの厚さ(約3
00nm)だけ形成されたものと推定される。この工程
は、イオンを質量分離できない、プラズマドーピング
(イオンドーピングともいう)によっておこなってもよ
いし、他の適切なドーピング方法でおこなってもよい。
アニールをおこなった。この際には実施例1とは異なっ
て、基板の裏面からレーザーを照射した(図3(C)参
照)。レーザーはXeClエキシマーレーザー(波長3
08nm)もしくはXeFエキシマーレーザー(波長3
50nm)を用いた。ここで、レーザーを選択するにあ
たっては、基板(ここではコーニング7059)の光透
過性を考慮しなければならない。石英であればKrFレ
ーザー(波長248nm)でもよかった。本実施例で
は、図3(C)のように裏面からレーザーを照射し、例
えば350mJ/cm2 のパワー密度のレーザーパルス
を10ショット照射した。このレーザーアニールによっ
て、イオン注入でアモルファス化した部分の再結晶化が
なされた。
アニールによっておこなうという点では実施例1と同じ
であるが、2回目のレーザーアニールを基板の裏面から
おこなうということによって、不純物領域とチャネル形
成領域の連続的な接続の形成を目的とする。不連続な境
界による欠陥については後述する。しかしながら、裏面
だけから、レーザー照射をおこなった場合には、シリコ
ン層の基板側のみがよく結晶化されて、不純物領域の全
域にゆきわたらない場合がある。より確実に結晶化をお
こなうには、両面からレーザー照射をおこなえばよい。
を照射した場合には、陽極酸化されていない領域と陽極
酸化された領域の界面で熱膨張率の違いから配線が剥離
する現象が観測されたが、裏面にはそのような違いがな
いので、裏面からの照射では配線の剥離が抑制された。
図3(D)に示すように、酸化珪素のスパッタ成膜によ
って層間絶縁物30を形成し、公知のフォトリソグラフ
ィー技術によって、半導体領域23上にコンタクトホー
ル31a、31bを形成し、また、同時に配線25a上
にもコンタクトホール32を形成した。もちろん、必ず
しも同時に形成されなければならないのではなく、必要
に応じて、これらのコンタクトホールは独立に形成して
もよい。その後、金属被膜を選択的に形成すれば、半導
体回路が完成する。
4に示す。図4(A)は、不純物領域の活性化のレーザ
ー照射を、上面からおこなった場合の素子特性である
が、初期特性(図中にてaで示す)は良好であるが、ゲ
イトに25〜30Vのパルスを連続的に印加すると、b
で示すように劣化してしまった。これは、不純物領域と
チャネル形成領域の界面が不連続的で接合が弱く、長時
間の電圧印加によってダングリングボンドをターミネイ
トしていた水素等が離脱したためと考えられる。
場合には、初期特性(図中にcで示す)も100時間後
の特性(図中にdで示す)も変化がなかった。このよう
に裏面からレーザー照射することの効果が確かめられ
た。
化アルミゲイトトランジスタの配線パターニングを従来
のトランジスタの場合と同じ程度に容易におこなえるよ
うになった。特に、本発明は微細加工に有利であると考
えられる。というのは、酸化アルミニウムは、レーザー
エッチング等の特殊な方法以外の通常のドライエッチン
グプロセスでは除去できなかったので、主としてウェッ
トエッチングによっておこなっていた。しかしながら、
ウェットエッチングでは微細加工が困難であったので、
作製される素子も集積度の低いものであった。本発明に
よって、ドライエッチングプロセスが使用できるように
なり、微細加工が可能となり、また、歩留りを向上させ
ることができた。
ジスタについて記述した。これは、例えば液晶表示装置
のアクティブマトリクス等に利用されるのであるが、こ
のことは、何も本発明を、半導体基板上のトランジス
タ、すなわち、通常の半導体集積回路の作製に利用でき
ないことを主張するものではない。むしろ、本発明によ
って半導体基板上にレーザーアニールプロセスを利用し
て、低温で半導体集積回路を作製すれば、その素子の特
性は従来のシリコンゲイトのものよりも優れたものとな
る。また、半導体基板上の絶縁層上にTFTを形成する
際にも本発明は有効である。このように、本発明は広く
半導体回路の作製に必要な基盤技術であり、その工業的
価値は大である。
面図)
面図)
面図)
Claims (2)
- 【請求項1】絶縁表面を有する基板にゲイト電極と、前
記ゲイト電極と電気的に接続された前記ゲイト電極より
幅が広い第1の配線と、前記第1の配線と電気的に接続
された前記第1の配線より幅が広い第2の配線とを形成
し、前記第1の配線の一部及び前記第2の配線を有機材料で
被覆し、 第2の配線から 前記第1の配線及びゲイト電極へ通電し
て前記ゲイト電極を陽極酸化し、 前記第2の配線を除去するこ とを特徴とする電子回路の
作製方法。 - 【請求項2】請求項1において、前記ゲイト電極および
前記第1の配線および前記第2の配線はアルミニウムを
有することを特徴とする電子回路の作製方法。
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