JP3150476B2 - Ni基合金フラックス入りワイヤ - Google Patents
Ni基合金フラックス入りワイヤInfo
- Publication number
- JP3150476B2 JP3150476B2 JP03462193A JP3462193A JP3150476B2 JP 3150476 B2 JP3150476 B2 JP 3150476B2 JP 03462193 A JP03462193 A JP 03462193A JP 3462193 A JP3462193 A JP 3462193A JP 3150476 B2 JP3150476 B2 JP 3150476B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- flux
- welding
- tio
- fluoride
- wire
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Description
ラグの被包性や剥離性等の溶接作業性が良好で、かつ耐
気孔性に優れたNi基合金フラックス入りワイヤに関す
る。
クス入りワイヤによるガスシールドアーク溶接は、被覆
アーク溶接棒やTIG溶接に比べて高能率であることか
ら、近年、適用が拡大されてきており、Ni基合金の溶
接においてもフラックス入りワイヤの開発要求が高くな
ってきている。
ス入りワイヤとして、特公平4−52190号、特開平
4−266495号、特開平4−231197号で提案
されているが、いずれもステンレス鋼フラックス入りワ
イヤ等で多用されているTiO2系が主体であり、耐気孔
性、延性が十分ではない。
接に適用されるのは勿論であるが、炭素鋼同志、或いは
炭素鋼とステンレス鋼等の高合金鋼との異材溶接にも適
用される。また、Ni基合金溶接材料は、予熱、後熱処
理が不要か或いは軽減できることから、熱処理が困難な
現場溶接に多用されている。この一つの例にLNGタン
クの9%Ni鋼の溶接に使用されるNi基合金溶接材料が
ある。
ト、ブローホール等の欠陥が発生し易いことである。こ
れは、母材に結露によって付着する水分が原因である
が、従来のTiO2系のフラックス入りワイヤではピッ
ト、ブローホール等の欠陥が発生し、Ni基合金溶接用
フラックス入りワイヤの適用が困難であった。
消して、スパッタが少なく、スラグの被包性や剥離性等
の溶接作業性が良好で、特に耐気孔性に優れ、かつ延性
が良好なNi基合金フラックス入りワイヤを提供するこ
とにある。
解決するために鋭意研究を重ねた結果、Ni基合金を外
皮とするフラックス入りワイヤで、内包するフラックス
はTiO2を抑えて炭酸塩と弗化物を主体とすることによ
り、耐気孔性、延性を向上させることができ、また、Y
又は希土類元素の添加によって耐割れ性を向上させるこ
とができることを知見して、ここに本発明を完成したも
のである。
するフラックス入りワイヤにおいて、内包するフラツク
スのフラックス率がワイヤ全重量に対して10〜30%
であり、フラックス成分として、ワイヤ全重量に対し
て、炭酸塩を0.3〜8%、弗化物を0.5〜5%、Ti
O2を0.1〜4%含み、更にSiO2、Al2O3、Zr
O2、MgO及びCaOからなるスラグ形成剤の1種又は
2種以上を0.1〜5%、金属粉末を1〜27%含み、
かつ、TiO2/(炭酸塩+弗化物)比が0.05〜1.4で
あることを特徴とするNi基合金フラックス入りワイヤ
を要旨としている。
イヤにおいて、フラックス成分として、更にY及び希土
類元素の1種又は2種を合計で0.01〜1%含むこと
を特徴としている。
分等の限定理由について述べる。
損なわないためとフラックスが充填過剰とならないよう
にフラックス中からの合金添加量を抑えるためである。
Ni基合金としては、Niを50%以上含有したNi−Cr
合金、Ni−Cr−Fe合金、Ni−Cr−Mo合金等が挙げ
られる。
ヤ製造工程において安定した充填率を確保し、かつ溶接
時に十分なスラグ包皮を確保し健全な溶接金属を得るた
めに10%以上が必要である。しかし、30%超ではア
ークの集中力低下による溶接作業性の悪化、特にスラグ
巻き込み等の溶接欠陥を生じ易くなるので、フラックス
充填率は10〜30%の範囲とする。
イヤ全重量)
は、スラグの溶融池への被り過ぎを防止し、かつ溶接熱
により分解した炭酸ガスがアーク中の水蒸気分圧を下げ
てブローホール等の欠陥発生を防止するためである。し
かし、8%超ではスパッタが多発するので好ましくな
い。したがって、炭酸塩は0.3〜8%の範囲とする。
なお、炭酸塩としてはCaCO3、Li2CO3、BaC
O3、MgCO3、SrCO3、MnCO3、NaCO3等が挙
げられる。
は、スラグの粘性を低下させて溶接金属へのスラグの被
りを均一にし、かつブローホール等の欠陥を防止するた
めである。しかし、5%超ではスパッタが多発するため
好ましくない。したがって、弗化物は0.5〜5%の範
囲とする。なお、弗化物としてはCaF2、BaF2、Na
F、LiF、CeF2、YF、K2SiF6、Na3AlF6等が
挙げられる。
点で望ましくない。しかし、アークを安定させ溶融池の
母材へのなじみを良くして健全な溶接金属を得るために
少なくとも0.1%は必要であるが、4%を超えるとス
ラグが溶接金属に密着し(焼き付きと称す)、剥離困難に
なるため、これを上限とする。なお、TiO2の原料には
ルチール、白チタン、チタン酸カリ、チタン酸ソーダ、
チタン酸カルシウム、チタン酸バリウム等がある。
O:SiO2、Al2O3、ZrO2、MgO、CaOは、スラ
グを形成して溶接金属の表面状況を良好ならしめるため
に1種又は2種以上を添加するが、0.1%未満ではそ
の効果がなく、また5%を超えるとアークが不安定にな
りスパッタが多発するので、これらは1種又は2種以上
の合計で0.1〜5%の範囲とする。SiO2、Al2O3、
ZrO2、MgO、CaOの原料には珪砂、マイカ、カリ長
石、ソーダ長石、アルミナ、ジルコンサンド、マグネシ
アクリンカ、珪灰石、チタン酸カルシウム等がある。
し、かつ所定の溶接金属の化学成分を確保するため、或
いは脱酸剤として溶接金属の清浄度を上げて、延性、靭
性を確保するため添加する。しかし、1%未満では酸化
消耗分を十分補充できず、また十分な延性、靭性も確保
できなく、また27%を超えると十分なスラグ量が確保
できずスラグの被包性や剥離性等の溶接作業性が悪化す
る。したがって、金属粉末は1〜27%の範囲とする。
なお、金属粉末としてはNi、Cr、Mo、Nb、W、F
e、Mn、Si、Ti、Al、Mg、Zr単体やこれらの合金
が挙げられる。
溶接金属の粘性を変化させる成分で気孔発生に大きく影
響し、一方、炭酸塩や弗化物は気孔発生防止に有効な成
分である。本発明者はNi基合金溶接用フラックス入り
ワイヤにおいてはTiO2/(炭酸塩+弗化物)の比と気孔
発生とが密接な関係にあることを見い出した(図1)。
クが不安定となり、逆に1.4を超えるとブローホー
ル、ピットが急増する。このため、上述のTiO2、炭酸
塩、弗化物の添加量の範囲内、TiO2/(炭酸塩+弗化
物)の比を0.05〜1.4の範囲に規制することが重要
である。
接割れに有害な酸素、硫黄と結合して無害化し耐割れ性
を向上させる作用があるので、必要に応じて、これらの
元素の1種又は2種を合計で0.01〜1%の範囲で添
加することができる。0.01%未満では溶接割れに対
する効果がなく、逆に1%を超えるとアークが不安定に
なりスパッタが増える。
て水分を少なくするのが望ましく、水分量をワイヤ全重
量に対し400ppm以下に積極的に調整するのが望まし
い。水分をこのように少なくすると、ピット、ブローホ
ール等の気孔防止に効果的である。
は、Ni基合金の共金溶接用として適用できるほか、炭
素鋼同志の溶接、或いは炭素鋼とステンレス鋼等の高合
金鋼との異材溶接にも適用できる。
m厚×9mm幅)に表2に示す成分組成のフラックスを内包
し、1.2mmφに仕上げ伸線した後、通電加熱にて水分
をワイヤ全重量に対して400ppm以下となるようにコ
ントロールして供試ワイヤを製作した。なお、表3〜6
は表2に示したフラックス成分の内訳である。
×75mm幅×450mm長のSM490A鋼板を用いて水
平すみ肉溶接を行った。溶接条件は電流200A、電圧
30Vで、シールドガスにAr−20%CO2を用い、流
量を25リットル/minとした。ピットは、すみ肉溶接
ビード表面について発生個数を測定し、ブローホールは
図3に示すようにビードを開口した断面について発生個
数を測定した。水分の測定方式はカールフィッシャー法
(キャリアーガス:O2、加熱温度:750℃)である。
明らかなように、本発明例のNo.1〜No.12はいずれ
も良好な作業性を示している。
本発明範囲の下限未満であり、スラグが被りすぎ、スラ
グの被包性が劣っている。No.14は炭酸塩が過剰であ
り、スパツタが増加した。
アークが不安定である。No.15は弗化物が少なすぎ、
スラグの被りが不均一でスラグの被包性が劣っている。
発生量が増加した。No.17はTiO2が無添加の例であ
り、アーク安定性が劣っている。No.18はTiO2が過
剰であり、スラグの焼付きが生じ、スラグ剥離性が劣っ
ている。
ド形状が劣っている。No.20はスラグ形成剤が過剰で
あり、アークが不安定になり、スパッタ発生量が増加し
た。
低くすぎ、アークが不安定である。No.22はTiO2/
(炭酸塩+弗化物)比が高すぎ、ブローホールが多発し
た。
スパッタが少なく、スラグの被包性や剥離性等の溶接作
業性が良好なNi基合金フラックス入りワイヤを提供で
き、特に耐気孔性に優れ、かつ延性が良好である。
ット、ブローホール)発生数の関係を示す図である。
説明する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 Ni基合金を外皮とするフラックス入り
ワイヤにおいて、内包するフラツクスのフラックス率が
ワイヤ全重量に対して10〜30%であり、フラックス
成分として、ワイヤ全重量に対して、炭酸塩を0.3〜
8%、弗化物を0.5〜5%、TiO2を0.1〜4%含
み、更にSiO2、Al2O3、ZrO2、MgO及びCaOか
らなるスラグ形成剤の1種又は2種以上を0.1〜5
%、金属粉末を1〜27%含み、かつ、TiO2/(炭酸
塩+弗化物)比が0.05〜1.4であることを特徴とす
るNi基合金フラックス入りワイヤ。 - 【請求項2】 フラックス成分として、更に、Y及び希
土類元素の1種又は2種を合計で0.01〜1%含む請
求項1に記載のNi基合金フラックス入りワイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03462193A JP3150476B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | Ni基合金フラックス入りワイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03462193A JP3150476B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | Ni基合金フラックス入りワイヤ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07116891A JPH07116891A (ja) | 1995-05-09 |
JP3150476B2 true JP3150476B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=12419464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03462193A Expired - Lifetime JP3150476B2 (ja) | 1993-01-29 | 1993-01-29 | Ni基合金フラックス入りワイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3150476B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5425113B2 (ja) * | 2011-01-13 | 2014-02-26 | 日鐵住金溶接工業株式会社 | 低温鋼溶接用Ni基合金フラックス入りワイヤ |
CN106086625B (zh) * | 2012-11-22 | 2018-03-06 | Posco公司 | 用于埋弧焊接或气体金属电弧焊接的焊接材料 |
JP2017507027A (ja) * | 2013-12-24 | 2017-03-16 | ポスコPosco | 耐熱鋼用溶接材料 |
JP6250475B2 (ja) * | 2014-05-14 | 2017-12-20 | 株式会社神戸製鋼所 | Ni基合金フラックス入りワイヤ |
CN103993188B (zh) * | 2014-05-23 | 2015-11-25 | 太原钢铁(集团)有限公司 | 一种减少镍基高温合金铸锭缩孔深度的方法 |
JP5763859B1 (ja) * | 2014-11-07 | 2015-08-12 | 日本ウエルディング・ロッド株式会社 | Ni基合金フラックス入りワイヤ |
-
1993
- 1993-01-29 JP JP03462193A patent/JP3150476B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07116891A (ja) | 1995-05-09 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5209893B2 (ja) | Ni基合金フラックス入りワイヤ | |
JP2007136548A (ja) | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ | |
JP4447078B2 (ja) | Ni基合金フラックス入りワイヤ | |
JP3150476B2 (ja) | Ni基合金フラックス入りワイヤ | |
JP3765771B2 (ja) | ステンレス鋼アーク溶接フラックス入りワイヤ | |
JP3441821B2 (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼用被覆アーク溶接棒 | |
JP2711061B2 (ja) | ステンレス鋼フラックス入りワイヤ | |
JP2000343277A (ja) | 全姿勢溶接性に優れたNi基合金フラックス入りワイヤ | |
JPH0299297A (ja) | ガスシールドアーク溶接フラックス入りワイヤ | |
JP2019181524A (ja) | 低水素系すみ肉溶接用被覆アーク溶接棒 | |
JP2005230912A (ja) | 耐液体金属脆化割れ性に優れたアーク溶接用フラックス入りワイヤおよびアーク溶接方法 | |
JP2001138092A (ja) | 二相ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ | |
JPH09314382A (ja) | Ni基合金溶接用フラックス入りワイヤ | |
JP2000343276A (ja) | Ni基合金フラックス入りワイヤ | |
CN113613829A (zh) | Ni基合金药芯焊丝 | |
JP2021109200A (ja) | 鉄粉低水素系被覆アーク溶接棒 | |
JPH11129093A (ja) | オーステナイト系ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ | |
JP2020131234A (ja) | セルフシールドアーク溶接用ステンレス鋼フラックス入りワイヤ | |
JPH03264194A (ja) | 高耐食ステンレス鋼溶接用フラックス入りワイヤ | |
JPH09271982A (ja) | Ni−Cr基被覆アーク溶接棒 | |
JPH0122080B2 (ja) | ||
JPH089117B2 (ja) | ステンレス鋼被覆ア−ク溶接棒 | |
JP4040765B2 (ja) | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ | |
JP3476116B2 (ja) | ステンレス鋼溶接用被覆アーク溶接棒 | |
JP3505429B2 (ja) | ガスシールドアーク溶接用フラックス入りワイヤ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080119 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090119 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100119 Year of fee payment: 9 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110119 Year of fee payment: 10 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120119 Year of fee payment: 11 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130119 Year of fee payment: 12 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term | ||
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140119 Year of fee payment: 13 |