JP3150401B2 - 垂直磁化膜及び磁気記録媒体 - Google Patents

垂直磁化膜及び磁気記録媒体

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JP3150401B2
JP3150401B2 JP04586892A JP4586892A JP3150401B2 JP 3150401 B2 JP3150401 B2 JP 3150401B2 JP 04586892 A JP04586892 A JP 04586892A JP 4586892 A JP4586892 A JP 4586892A JP 3150401 B2 JP3150401 B2 JP 3150401B2
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    • G11B5/66Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers
    • G11B5/676Record carriers characterised by the selection of the material comprising only the magnetic material without bonding agent the record carriers consisting of several layers having magnetic layers separated by a nonmagnetic layer, e.g. antiferromagnetic layer, Cu layer or coupling layer
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光磁気記録媒体や垂直
磁気記録媒体などの磁気記録媒体に好適な垂直磁化膜及
びそれを用いた磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、膜面に対し垂直な方向に磁化容
易軸を有する垂直磁化膜は、レーザー光などの光ビーム
を照射することで、数μm以下のスポットで情報を記録
することができ、カー効果などの磁気光学効果を用いて
その情報を読み出すことができるため、高密度の記録媒
体として有効である。この様な記録媒体として、MnBi等
の多結晶膜,GdIG(ガドリニウム鉄ガーネット)等の化
合物単結晶薄膜,Tb-Fe等の希土類−鉄族の非晶質薄膜
等がある。しかしながら製造性,S/N 比等についてそれ
ぞれ一長一短があり、更なる改良が望まれている。
【0003】最近、新しい垂直磁化膜としてCoとPt(ま
たはPd)を数オングストロームオーダーの周期で数100
オングストローム積層した、いわゆる人工格子膜が注目
されている。この積層膜は400nm から500nm という短波
長領域での磁気光学効果が大きく、短波長対応の高密度
記録媒体として期待されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この様に垂直磁化膜と
して有望なCo/Pt等の積層膜であるが、カー回転角など
の磁気光学効果の増大を考えた場合、磁気光学効果に直
接寄与するのがCo等の磁性金属であるため、磁性金属で
あるCo量はできるだけ多いほうが好ましい。従って、積
層膜のCo/Pt の膜厚比をtCo/tPtと表したとき、tCo
/tPtの値はできるだけ大きい方が望ましい。
【0005】しかしながら、この値が1/2 を越えて大き
くなると角形比が低下し、良好な垂直磁化膜が得られな
いという問題がある(J.Appl.Phys.67(4),p2136(1990))
。従ってCo/Pt に代表される磁性金属/貴金属系の積
層膜では磁性金属量の多い垂直磁化膜は得られていない
のが現状である。
【0006】一般に人工格子膜による垂直磁化膜は、数
100 オングストローム程度積層して実現するが、例え
ば、特開平2-56752 号公報に示されているように、Coの
膜厚の厚い領域では垂直磁化膜が得られない旨記載され
ている。これは同公報の第6図、第15図、第17図、第19
図における左上の領域が垂直磁化膜の得られない領域と
されていることからも明白である。本発明は以上の点を
考慮してなされたもので、磁性金属量が多く、かつ良好
な垂直磁化特性を示すことのできる垂直磁化膜を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは磁
性金属(M) /貴金属(N) 系の垂直磁化膜で、なんとか磁
性金属量を増やすことはできないかを検討した。この種
の積層膜では、例えばCo/Pt の繰返しを数10回,全膜厚
が数100 オングストームとするのが常識的であったが、
敢えてCo/Pt の繰返しを数回にとどめた状態での膜特性
を調べた。その結果、驚くべきことに磁性金属量が多い
状態でも、Co/Pt の繰返し回数を減らし、また積層膜の
膜厚を薄くしたところでは、垂直磁化膜が得られること
を見出したのである。
【0008】すなわち第1発明は、磁性層と貴金属層
とが交互に積層され、その積層状態を(M/N) n で表
し(Mは磁性体、Nは貴金属、nは積層数)、1層当た
りの膜厚比をt M /t N (t M は磁性層の厚さ、t N は貴金
属の厚さ)で表したとき、(M/N) n の膜厚が50オ
ングストローム以下であり、2≦n≦5、0.6≦t M
/t N ≦3、2≦t M ≦16(オングストローム)、2≦
N ≦16(オングストローム)の条件をすべて満足す
ることを特徴とする垂直磁化膜である。ここで磁性体M
としては磁性金属であるCoが代表的であるが、他にFe,N
i 等が挙げられる。もちろんこれらの複合系でも構わな
い。また貴金属NとしてはPtが代表的であるが、他にP
d,Ru,Au,Ag 等が挙げられ、これも複合系でも構わな
い。(M/N)n の膜厚が50オングストロームを越え
ると垂直磁化膜が得にくくなる。好ましくは30オング
ストローム以下である。
【0009】またt M /t N を0.6以上に設定するこ
とで、垂直磁化膜の保磁力を向上することができる。ま
た従来に比べ単位厚さ当りの磁性金属量が多くなり、そ
れに伴い磁気光学効果の向上が達成され、かつ貴金属量
が低下することになるため、膜コストが低下する。な
お、膜厚にもよるが、余り磁性金属の比率が高くなると
垂直磁化が達成し難くなるため、tM /tN は3以下で
あることが好ましい。
【0010】なお磁性金属1層の厚さtM であるが、余
り厚いと垂直磁化の達成が困難であるため、16オングス
トローム以下が好ましい。また余り薄すぎると良好な磁
性を示さないため、最低でも2オングストロームはあっ
た方が良い。さらには3≦tM ≦15(オングストロー
ム)であることが好ましい。
【0011】また貴金属1層の厚さtN であるが、余り
薄すぎると垂直磁化の達成が困難であり、最低でも2オ
ングストロームはあった方が良い。また積層時に磁性金
属層間に挟まれる貴金属層の厚さは、磁性金属層間の磁
気的カップリングを疎外しない程度、すなわち16オング
ストローム以下程度が好ましい。さらには3≦tN ≦1
5(オングストローム)であることが好ましい。
【0012】さてM/N の繰返しの積層数nであるが、従
来の如く磁性金属量が少ない領域、すなわちtM /tN
≦0.5 のような膜では数10回の繰返しでも垂直磁化が達
成できるが、tM /tN ≧0.6 と磁性金属量が多い場合
は、従来のような多数回の積層では角形比が低下してし
まい、良好な垂直磁化膜が得られなくなるため、nは5
以下である必要がある。
【0013】本発明の垂直磁化膜は、例えばガラス,樹
脂等の基板上に、通常の薄膜形成方法、例えばRF,イオ
ンビームなどの各種スパッタリング法,蒸着法,MBE
法等で作成することができる。基板上にはM/Nの繰返
しの内の貴金属膜Nが位置するのが一般的であるが、垂
直磁化膜の保磁力向上,角形性向上などのため、この基
板上に形成される貴金属層は10〜300 オングストローム
程度の下地層としても良い。
【0014】また最上層に磁性層が位置した場合に耐候
性などの問題が有ると考えられるときは、貴金属層を最
上層として追加しても良い。この場合積層膜全体として
みれば、(M/N)の繰返しに貴金属層が1層追加され
た形となる。
【0015】本発明の垂直磁化膜は垂直磁気記録媒体と
して用いることができるが、従来に比べ磁気光学効果が
より効果的に発揮できるため、高密度でしかもC/N比
に優れた光磁気記録媒体として有望である。なお記録媒
体としては本発明の垂直磁化膜を記録層として用い、従
来の光磁気記録媒体の如く、更にバイアス磁界発生層な
どを付加しても良い。また本発明の垂直磁化膜をバイア
ス磁界発生層として用いることも可能である。
【0016】ところで、従来、磁性金属量を多くするた
めには積層数を多くする手段がとられていたのだが、余
り多くすると垂直磁化膜が得られなくなるため、限界が
あった。本発明者らは先に示した様に少ない積層数で垂
直磁化膜が得られることに着目し、この垂直磁化膜ユニ
ットを垂直磁化特性を損なうことなく積層できれば、よ
り多くの磁性金属を含む垂直磁化膜が得られると考え、
第2の発明に至った。すなわち第2の発明は、磁性層と
貴金属層とが交互に積層された状態を(M/N)n
は磁性体,Nは貴金属,nは積層数で表したとき、垂
直磁化を有する(M/N)n の膜が非磁性層を介して
複数層積層されていることを特徴とする垂直磁化膜であ
る。M,Nに関しては、前述の第1の発明と同様であ
る。
【0017】非磁性層は、これを介して対向している
垂直磁化膜の磁気的相互作用を消す機能を有しており、
非磁性体であれば良い。例えば、SiO2 、Al2
3 、各種ガラス、Pt、Pd、Au、Ag、Al、Cu、Mn、Cr、Si
等が挙げられる。膜厚は磁気的結合が遮断される10オ
ングストローム以上程度であり、磁気光学効果を考慮す
ると光の損失を最低限にするため、できるかぎり薄いこ
とが望ましい。また余り厚いと磁気的に一体となった積
層膜としては取り扱えなくなるため、せいぜい100オ
ングストローム程度が限界である。好ましくは20オン
グストローム乃至100オングストロームである。また
この非磁性層は、単位ユニットである(M/N)の最後
の貴金属層を厚くして、非磁性層と兼用することも可能
である。
【0018】さて単位ユニットの膜厚tM /tN である
が、垂直磁化膜であれば良いため、第1発明のような限
定は特に必要ではない。好ましくは、0.3≦tM /t
N ≦3である。しかしながら、磁性金属量を多くするた
めには第1発明のような構成を採ることが好ましい。
【0019】M/Nの繰返しが基本であるが、非磁性層
として貴金属以外の層を用いた場合は、垂直磁化が得に
くくなるため、非磁性層が例えばCuの様に貴金属以外の
場合には、必ずN層が非磁性層との界面に位置するよう
に膜構成を制御するか、(M/N)の繰返しに更にN層
を追加して磁性層が必ず貴金属層で挟まれるようにする
ことが好ましい。
【0020】この第2の発明において、積層する垂直磁
化膜の保磁力を異ならせれば、多段ヒステリシスループ
を有する垂直磁化膜を得ることができる。この様な多段
ヒステリシスループを有する垂直磁化膜を用いることに
より、多値の記録やオーバーライト記録が可能となる。
また本発明にかかる垂直磁化膜ではファラデー回転角が
大きく、磁気記録をファラデー回転角の変化で読み出す
ことが好適である。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。 (実施例1)図1に示したようなイオンビームスパッタ
リング装置を用い、磁性金属MとしてCo、貴金属Nとし
てPtの積層膜を、石英ガラス基板上に作製した。
【0022】製造条件は、予め4×10-7torrの真空度ま
で排気した後、メインガン(イオンガン1)にArガス
(純度99%)を分圧が1.5 ×10-4torrになるまで導入
し、Arをイオン化し、加速電圧が500 V のイオンビーム
としてターゲットに照射という条件である。ターゲット
としてはCo,Pt のそれぞれの金属ターゲットを準備し、
これを適宜回転することでCo/Pt の交互の積層を行っ
た。Co層の厚さtCoを5オングストローム、Pt層の厚さ
Ptを5オングストローム、Co/Pt の繰返し数をnと
し、nを変化させた結果を図2乃至図6に示す
【0023】図2は試料番号1-1(n=2)の磁化曲線を示す
図である。膜面に平行に磁界を印加した場合に比べ膜面
に垂直に磁界を印加した場合のほうが残留磁束密度(M
r )及び保磁力(Hc )が大きく、垂直磁化膜となって
いることが分かる。
【0024】図3は積層数nによるカー効果測定(波長
400nm)による角形性(θkr/θkf)及び保磁力(Hc )
の変化を示している。図3から明らかな様に、n≦5の
領域で角形性及び保磁力ともに良好であることが分か
る。他の磁性金属,貴金属でも同様の傾向が見られる。 (実施例2)
【0025】実施例1と同様の方法で、tPtを4オング
ストローム,n=1の条件で膜厚比tCo/tPtを変化さ
せたときの角形性(θkr/θkf)を調べ、その結果を図
4に示す。図4から明らかな様に、tCo/tPt≦3で良
好な垂直磁化が得られることが確認された。 (実施例3)
【0026】実施例1と同様の方法で、tCoを5オング
ストローム,n=2の条件で膜厚比tCo/tPtを0.5 か
ら2の範囲で変化させたときの角形比はθkr/θkf=1
であり、良好な垂直磁化膜であった。またカー回転角
(θk )とtCo/tPtの関係を図5に示した。図5から
明らかな様に、tCo/tPtの増加に伴いθk も増加の傾
向にあることが分かる (実施例4)
【0027】図6は石英基板上にN/{M/(N/M)
n /L}m の構成の積層膜を示した図である。すなわ
ち、非磁性層L(Pt)上に磁性層M(Co)と貴金属層N(Pt)
とのペアがn回繰返され、最後に磁性層Mが成膜された
ユニットがm回繰返され、最上層に貴金属層Nが成膜さ
れている状態を示している。磁性層MとしてCo,貴金属
層NとしてPt,非磁性層LとしてPtを用い、上記図6の
構成の垂直磁化膜を構成した。
【0028】成膜は、チャンバー内を5×10-6torrまで
減圧した後、Arガスを導入し、Ar分圧5×10-3torrにて
RFスパッタリング法により行った。なおターゲットとし
てはCoとPtの2個を用意し、Coの場合は高周波出力100
W,Ptの場合は50〜200Wにて交互に積層した。
【0029】磁性層であるCo層の厚さtCoを10オングス
トローム,非磁性層の厚さを100 オングストローム,積
層数n=2,m=2で固定し、貴金属層の厚さtPtとを
変えてカー回転角(400nm)を調べた。その結果を図7に
示す。
【0030】図7から、tPtが3オングストローム、す
なわちtCo/tPtが3を越える領域では角形比が低下
し、tPtが50オングストローム、すなわちtCo/tPt
0.3 より小さい領域ではカー回転角が低下していること
が分かる。
【0031】tPtが、3オングストローム,5オングス
トローム,30オングストロームのカー回転角のヒステリ
シス曲線を図8(a)(b)(c) にそれぞれに示す。tPtが3
オングストロームの場合は角形性が悪く、面内磁化膜で
あることが分かる。なおIBS法(イオンビームスパッ
タリング)で作製した膜も同様の結果が得られた。 (実施例5)
【0032】磁性層MとしてCo,貴金属層NとしてPd,
非磁性層LとしてPtを用い、RFスパッタリング法で実施
例4と同様に石英基板上にN/{M/(N/M)n /
L}mの構成の積層膜を作製した。tPdを5オングスト
ローム,tCoを5オングストローム,非磁性層の厚さを
50オングストローム,m=2と固定し、nを変えたとき
の特性を図9に示す。
【0033】図9から、nが5を越える領域から急激に
角形比が低下し、カー回転角もnが5以下の領域ではn
の増加に伴い順調に増加するが、それ以上では増加の度
合は極度に低下する。
【0034】n=1,5,10の場合の外部磁場に対する
カー回転角のヒステリシス曲線を図10(a)(b)(c) にそれ
ぞれ示す。n=5では面内磁化の特徴が現われ始めてい
る。 (実施例6)
【0035】磁性層MとしてNi,貴金属層NとしてAu,
非磁性層LとしてAgを用い、RFスパッタリング法で実施
例4と同様に石英基板上にN/{M/(N/M)n /
L}mの構成の積層膜を作製した。tAuを10オングスト
ローム,tNiを15オングストローム,m=5,n=2と
固定し、非磁性層の厚さを変えたときの特性を図11に示
す。
【0036】図11から、tAgが10オングストローム未満
の領域では、角形比が低下することが分かる。tAgが7
オングストローム,10オングストローム,100オングスト
ロームとした場合について、外部磁場に対するカー回転
角のヒステリシス曲線を図12(a)(b)(c) にそれぞれ示
す。tAgが7オングストロームの場合は角形性が悪く、
面内磁化膜となっており、低保磁力であることが分か
る。
【0037】従ってtAgを10オングストローム以上とし
て積層することで、角形性を低下すること無く、保磁力
を増大させ、かつ良好な磁気光学効果を得ることができ
ることが明らかとなった。 (実施例7)
【0038】磁性層MとしてCo,貴金属層NとしてAu,
非磁性層LとしてAlを用い、RFスパッタリング法で実施
例4と同様に石英基板上にN/{M/(N/M)n /
L}mの構成の積層膜を作製した。
【0039】ただし試料7-1 においては、tAlを20オン
グストローム,tCoを5オングストローム,tAuを5オ
ングストローム,n=2,m=2とした。一方試料7-2
においては、{M/(N/M)n /L}m の一層目で
は、tAlを20オングストローム,tCoを5オングストロ
ーム,tAuを5オングストローム,n=2と試料7-1 と
同様にし、{M/(N/M)n /L}m の二層目では、
Alを50オングストローム,tCoを10オングストロー
ム,tAuを5オングストローム,n=3とした。この試
料7-1,7-2 について外部磁場に対するカー回転角のヒス
テリシス曲線を図13(a)(b)にそれぞれ示す。
【0040】図13から、両試料ともに非磁性層Alにより
磁気相互作用が遮断されているため、合計のCo積層数は
多いものの良好な角形性,大きなカー回転角大きな保磁
力を有している。これに加えヒステリシス曲線から明ら
かなように、この試料7-2 では2段ヒステリシスが実現
されている。これは試料7-1 で非磁性層で遮断されてい
る積層膜は双方同一であるため全体としての保磁力は同
一となるが、試料7-2の様に遮断されている積層膜が異
なっている場合は、それぞれの保磁力が異なるため全体
としては多段ヒステリシスを示すことになる。
【0041】第1の積層膜が非磁性層を介して、保磁力
の大きい第2の積層膜と積層されているとして、その場
合のヒステリシス曲線を図14に模式的に示す。飽和状態
(A)から磁場を減少し更に逆方向の磁場を印加していく
場合を考えると、飽和状態では第1,第2の積層膜とも
に磁化が同じ向きに揃っているが、まず保磁力の小さい
第1の積層膜で磁化反転が生じる(B) 。更に進むと今度
は保磁力の大きい第2の積層膜で磁化反転が生じ、当初
とは逆の向きに磁化が揃うことになる(C) 。また磁場を
弱めて逆転させていくと、まず保磁力の小さい第1の積
層膜で磁化の反転が生じ(D) 、続いて第2の積層膜の磁
化が反転して(A) の状態に戻る。
【0042】例えば、図14においてHe >HA なる外部
磁場を印加した後に磁場を解除すれば無磁場状態で磁化
A を保持し、更にHC <He <HB なる外部磁場を印
加した後に磁場を解除すれば磁化MB を保持し、He
C なる外部磁場を印加した後に磁場を解除すれば磁化
C を保持し、HD <He <HA なる外部磁場を印加し
た後に磁場を解除すれば、磁化MD を保持する。この様
に印加磁場によって複数の磁化の値を安定に持つことが
でき、多値記録が可能となる。
【0043】また多段階の反転磁界を有することから、
各々の積層膜の保磁力,キュリー点,補償点などを制御
し、一方の積層膜をバイアス磁界発生用として用い、他
方の膜を記録層として用いるなどして、オーバーライト
記録も可能である(特開平2-230532号,特開昭62-15434
7 号参照)。また別途バイアス磁界発生層を追加しても
良いことはいうまでもない。 (実施例8)
【0044】磁性層MとしてCo,貴金属層NとしてPd,
非磁性層LとしてPtを用い、RFスパッタリング法で実施
例4と同様に石英基板上にN/{M/(N/M)n /
L}mの構成の積層膜を作製した。
【0045】ただし試料8-1 においては、tPtを30オン
グストローム,tCoを5オングストローム,tPdを10オ
ングストローム,n=3,m=3とした。一方試料8-2
においては、{M/(N/M)n /L}m の一層目で
は、tPtを70オングストローム,tCoを5オングストロ
ーム,tPdを10オングストローム,n=3とし、{M/
(N/M)n /L}m の二層目では、tPtを50オングス
トローム,tCoを5オングストローム,tPdを8オング
ストローム,n=2とし、{M/(N/M)n /L}m
の三層目では、tPtを30オングストローム,tCoを5オ
ングストローム,tPdを15オングストローム,n=3と
した。
【0046】この試料8-1,8-2 について外部磁場に対す
るカー回転角のヒステリシス曲線を図15(a)(b)に示す。
図から明らかなように試料8-1,8-2 ともに良好な垂直磁
化膜であるが、試料8-2 では3段ヒステリシスが得られ
ていることが分かる。 (実施例9)
【0047】磁性層MとしてCo,貴金属層NとしてPt,
非磁性層LとしてCuを用い、RFスパッタリング法で実施
例4と同様に石英基板上にN/{M/(N/M)n /
L}mの構成の積層膜を作製した。
【0048】ただし試料9-1 においては、tCuを15オン
グストローム,tCoを10オングストローム,tPtを10オ
ングストローム,n=4,m=4とした。一方試料9-2
においては、{M/(N/M)n /L}m の一層目で
は、tCuを50オングストローム,tCoを10オングストロ
ーム,tPtを10オングストローム,n=4とし、{M/
(N/M)n /L}m の二層目では、tCuを50オングス
トローム,tCoを5オングストローム,tPtを8オング
ストローム,n=2とし、{M/(N/M)n /L}の
三層目では、tCuを50オングストローム,tCoを5オン
グストローム,tPtを5オングストローム,n=2と
し、{M/(N/M)n /L}m の四層目ではtCuを50
オングストローム,tCoを5オングストローム,tPt
10オングストローム,n=1とした。
【0049】この試料9-1,9-2 について外部磁場に対す
るカー回転角のヒステリシス曲線を図16(a)(b)に示す。
図から明らかなように試料9-1,9-2 ともに良好な垂直磁
化膜であるが、試料9-2 では4段ヒステリシスが得られ
ていることが分かる。 (実施例10)本発明にかかる垂直磁化膜では磁気光学効
果でも特にファラデー効果が大きく、本実施例でこの点
を明らかにする。
【0050】実施例1で作製したtCoを5オングストロ
ーム,膜厚比tCo/tPtを1,積層数nの垂直磁化膜
の、積層数nと磁気偏光回転角(400nm)との関係を調べ
た結果を図17に示す。
【0051】図から明らかな様に、ファラデー回転角が
大きく、積層数nの増加に伴い磁気偏光回転角も増加の
傾向にあることが分かる。また光の入射は基板側から行
ったが、垂直磁化膜の最上層に500 オングストロームの
Au層を反射層として形成した場合は約2倍の磁気偏光回
転角が得られた。なお全膜厚500 オングストロームまで
は磁気偏光回転角は増加したが、それ以上ではほぼ飽和
してしまった(図18)。 (実施例11)
【0052】先に示した様に、N/{M/(N/M)n
/L}m の構成の積層膜では、垂直磁化の状態を保ちな
がら膜厚が厚くできるため、磁気光学効果でもファラデ
ー効果において優位となる。すなわち本発明によれば実
質的に磁性層の膜厚が厚い状態でも垂直磁化が保たれる
ため、光が透過できる範囲でできる限り磁性層の合計膜
厚を厚くすることで、ファラデー回転角が大きくなる。
【0053】磁性層MをCo(5オングストローム),貴
金属層NをPt,非磁性層LをPt(20オングストローム)
とし、tPtを変えてN/{M/(N/M)n /L}m の
積層膜を作製した。なおn=3とし、膜厚が全体で約20
0 オングストロームとなるようにmを調整した。tPt
3乃至15オングストロームで変化させたが、いずれも垂
直磁化膜が得られた。
【0054】図19にtPtとθf(400nm)の関係を示した。
貴金属の膜厚tPtが薄いほど、すなわち全体のCo量が多
いほどファラデー回転角が大きく、最大1度に達してい
ることが分かる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、良
好な垂直磁化膜を得ることができる。従って光磁気記録
媒体などの磁気記録媒体としての応用などに貢献すると
ころ大である。
【0056】また非磁性層を介して垂直磁化膜を積層す
ることで積層膜全体としての磁性層の占める割合を大き
くできるため、磁気光学効果,特にファラデー効果を利
用した場合に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 イオンビームスパッタリング装置の概略図
【図2】 磁化曲線図
【図3】 積層数と角形比及び保磁力との関係を示す特
性図
【図4】 CoとPtの膜厚比と角形比との関係を示す
特性図
【図5】 CoとPtの膜厚比とカー回転角との関係を
示す特性図
【図6】 積層膜の概略構成図
【図7】 Ptの膜厚と角形比及び保磁力との関係を示
す特性図
【図8】 ヒステリシス曲線を示す特性図
【図9】 積層数と角形比及びカー回転角との関係を示
す特性図
【図10】 ヒステリシス曲線を示す特性図
【図11】 Agの膜厚と角形比との関係を示す特性図
【図12】 ヒステリシス曲線を示す特性図
【図13】 ヒステリシス曲線を示す特性図
【図14】 現象説明のためのヒステリシス曲線図
【図15】 ヒステリシス曲線を示す特性図
【図16】 ヒステリシス曲線を示す特性図
【図17】 積層数と磁気偏光回転角との関係を示す特
性図
【図18】 膜厚と磁気偏光回転角との関係を示す特性
【図19】 貴金属層の膜厚と磁気偏光回転角との関係
を示す特性図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−235215(JP,A) 特開 平3−235237(JP,A) 特開 平3−252942(JP,A) 特開 平4−274039(JP,A) 特開 平4−167406(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 11/105 G11B 5/66 H01F 10/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性層と貴金属層とが交互に積層され、
    その積層状態を(M/N)nで表し(Mは磁性体、Nは
    貴金属、nは積層数)、1層当たりの膜厚比をtM/tN
    (tMは磁性層の厚さ、tNは貴金属の厚さ)で表したと
    き、(M/N)nの膜厚が50オングストローム以下で
    あり、2≦n≦5、0.6≦tM/tN≦3、2≦tM
    16(オングストローム)、2≦tN≦16(オングス
    トローム)の条件をすべて満足することを特徴とする垂
    直磁化膜。
  2. 【請求項2】 前記(M/N)nの膜厚は30オングス
    トローム以下であることを特徴とする請求項1記載の垂
    直磁化膜。
  3. 【請求項3】 前記積層数nは2、3、又は4であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の垂直磁化膜。
  4. 【請求項4】 前記貴金属層にPt、Pd、Ru、A
    u、Ag及びこれらの複合系のうちの1種を用いたこと
    を特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の垂直磁
    化膜。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至のいずれかに記載の垂直
    磁化膜を記録層としたことを特徴とする磁気記録媒体。
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