JP3150226B2 - カラー画像形成方法 - Google Patents

カラー画像形成方法

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JP3150226B2
JP3150226B2 JP10622993A JP10622993A JP3150226B2 JP 3150226 B2 JP3150226 B2 JP 3150226B2 JP 10622993 A JP10622993 A JP 10622993A JP 10622993 A JP10622993 A JP 10622993A JP 3150226 B2 JP3150226 B2 JP 3150226B2
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  • Silver Salt Photography Or Processing Solution Therefor (AREA)
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  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気信号になっている
画像信号を半導体レーザー等の発光素子を介してハロゲ
ン化銀カラー感光材料(以下、「感光材料」、「感材」
などともいう。)に走査露光するカラー画像形成方法に
関するものであり、特に1画面内の画像濃度ムラが少な
く、かつ常に安定した画像濃度が得られるカラー画像形
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】走査露光用の光源、例えばLEDやLD
等の出力を記録する感光材料としては、黒白画像、カラ
ー画像のいずれにおいても、また網点、連続階調のいず
れにおいても、ハロゲン化銀感光材料が広く利用されて
いる。ハロゲン化銀感光材料は感度が高く階調性や鮮鋭
度に優れていることから、高画質のシステムが設計でき
ることがその理由である。特に近年、ハロゲン化銀感光
材料の処理工程が簡易、迅速化されるに及んで、ますま
すハロゲン化銀感光材料を利用した走査露光方式の高画
質画像形成システムが発展しつつある。
【0003】その露光光源としては、半導体レーザーが
小型であること、出力が大きいこと、およびビーム径を
細くしぼれること等のメリットのためによく使われてい
る。しかし、このものでは同時にその出力安定性が問題
になってきている。例えば、ドループやホッピングなど
の問題がある。本出願人は、先にドループについては特
開昭61−52642号や特願平3−243752号
で、またホッピングについては特願平3−254598
号でその解決法を提案している。
【0004】そして、さらに検討を進めたところ、半導
体レーザーを走査露光する際には露光面上でのビーム径
の変動という問題があり、これに起因して画像濃度が変
動することが判明した。これは走査線密度および総露光
量(感材のある一点に走査露光される露光量の合計)が
同じであってもビーム径が異なることによって感材の感
度が異なるためであると考えられる。なぜビーム径に伴
って感材の感度が変動するかについては定かではない
が、高照度露光における多重露光効果と同様の現象と推
測される。とりわけ、この現象は赤外感光性乳剤層にお
いて顕著であり、この点の改善が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、1画
面内の画像濃度ムラが少ないカラー画像形成方法を提供
することにあり、また環境温度が変動してもあるいは連
続使用しても画像濃度が安定しているカラー画像形成方
法を提供することにある。
【0006】さらに詳しくは、走査線密度および総露光
量が同一であってもレーザービーム径が異なると感度が
変化するような感光材料であっても安定した画像濃度が
得られるカラー画像形成方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)、(2)の本発明により達成される。 (1) 少なくとも1層の赤外感光性ハロゲン化銀乳剤
層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を少なくと
も1本の赤外レーザーで走査露光するカラー画像形成方
法において、前記少なくとも1本の赤外レーザーのハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料の露光面上におけるビーム
径が1走査線を露光する間に±30%以内しか変動せ
ず、かつ前記少なくとも1本の赤外レーザーの少なくと
も隣同志の走査線をハロゲン化銀カラー写真感光材料の
露光面において45%以上重ねながら順次走査露光する
カラー画像形成方法。 (2) 前記露光面上におけるビーム径が1走査線を露
光する間に±18%以内しか変動せず、かつ副走査方向
のビーム径が1走査線を露光する間に±15%以内しか
変動しない上記(1)のカラー画像形成方法。
【0008】
【具体的構成】以下、本発明の具体的構成について詳細
に説明する。
【0009】本発明のカラー画像形成方法は、少なくと
も1層の赤外感光性ハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲ
ン化銀カラー感光材料に対し、赤外レーザーで走査露光
するものである。赤外レーザーとしては変調が容易な、
例えば半導体レーザーが用いられる。
【0010】レーザーを用いた光学系としては、例えば
本出願人による特願平4−281442号図2に記載の
光学系(後記図3参照)などが挙げられ、本発明ではこ
のような光学系を用いて感光材料面上をレーザーにより
走査露光することができる。
【0011】このようなレーザーによる走査露光に際
し、本発明では、1走査線を露光する間の露光面上にお
けるビーム径の変動が±30%以内の範囲となるように
し、かつ隣同志の走査線が45%以上重なるようにして
順次走査露光を行っている。このため、ビーム径の露光
面での変動に伴って生じる感材の感度変化に起因すると
考えられる画像濃度ムラの発生を防止することができ、
本発明の効果が得られる。これに対し、ビーム径の変動
が±30%の範囲外となっても、隣同志の走査線の重な
りが45%未満となっても画像濃度ムラが発生する。
【0012】レーザー露光に際し、ビーム径は主走査方
向と副走査方向で異なっていてもよく、そのいずれのビ
ーム径も1走査線上で常に一定とは限らない。我々は各
々のビーム径の変動と画像濃度の関係を注意深く検討し
た結果、いずれも濃度変動をもたらすことを見い出し、
本発明をなすに至った。
【0013】ここで、ビーム径は、光強度がピーク強度
の1/e2 になる直径をもって定義できるものであり、
感光材料面上でのレーザービームの拡がりは例えば Pho
tonInc.製 Beam Scan 等の測定器を用いて測定するこ
とができる。
【0014】なお、露光ビーム径は設計中心値に対し
て、主に以下の〜の要因でばらつきまたは変動をき
たす。
【0015】調整誤差 コリメータレンズと半導体レーザー(LD)の位置調
整、シリンドリカルレンズの位置調整等によってビーム
径を調整するが必ずしも設計中心には至らず調整残差が
ある。
【0016】像面弯曲 レンズ設計上、所定量の像面弯曲が存在し、さらに光学
部品の設定を位置誤差によりこれらは更に増大する。像
面弯曲により感光材料上のビーム径は主走査、副走査の
両方向とも各々走査線上の位置によりばらつきが発生す
る。
【0017】歪 光学フレームが熱膨張等により変形し、光学部品の位
置、変動、変形等が発生するとビーム径の変動をきた
す。
【0018】ここで前記に対応する機差すなわち1台
ごとのばらつきに関しては、変調回路、感材特性のばら
つきと共にキャリブレーションによって特性変換を行う
ため、キャリブレーションで吸収できる範囲のばらつき
であれば問題とならない。しかし、前記、に対応す
る走査線上の位置によるばらつき、もしくは環境変動に
伴う変動は均一な濃度が得られなくなり、実用上の障害
となる。本発明はこれを解決するものである。
【0019】特に、隣同志の走査線の重なりを45%以
上にすることによっては、主走査方向あるいは副走査方
向のビーム径変動による画像濃度変化のいずれもが極め
て小さくなる。このような意味において、上記の走査線
の重なりはさらに65%以上とすることが好ましい。具
体的には、副走査方向の平均ビーム径がすなわち走査線
巾であるが、上記の条件を満足するように、走査線密度
(n本/mm)を設定すればよく、(1/n)≦走査線巾
×(1−0.45)、好ましくは(1/n)≦走査線巾
×(1−0.65)の条件を満たすようにする。
【0020】なお、隣同志の走査線の重なりの上限は1
00%未満であれば特に制限はないが、実用的には88
%程度である。また、本発明において、走査線は2本の
みならず、3本以上が重なりうるが、上記条件を満足す
るものであればいずれであってもよい。なお、本発明に
いう走査線の重なりとは、一方の走査線に対する他方の
走査線の重なりをいい、一方の走査線に着目したとき、
これに重なる他方のいずれの走査線においても45%以
上の重なりを有することを意味する。
【0021】このような重なりの制御は、走査露光中の
感光材料の搬送速度を調節することなどによって行う。
【0022】また、上記のビーム径変動の数値は、具体
的には以下の式に従って求めたビーム径変動率を示すも
のであり、 ビーム径変動率(%)=〔(最大ビーム径−平均ビーム
径)/平均ビーム径〕×100が0〜30%、 ビーム径変動率(%)=〔(最小ビーム径−平均ビーム
径)/平均ビーム径〕×100が−30〜0%の範囲内
にあることを意味する。
【0023】この変動率は、さらには±18%以内であ
ることが好ましく、特に副走査方向のビーム径変動は、
赤外感光層の濃度ムラの原因になりやすいことから、副
走査方向の変動はさらには±15%以内とすることが好
ましい。
【0024】この変動率の調整は光学系を調整すること
などによって行うことができる。
【0025】本発明は、カラー分野のいずれにおいても
有効である。従って、本発明に用いることができるハロ
ゲン化銀感光材料は多岐にわたり、少なくとも1層の赤
外感光層を有するものであればよく、ネガ型カラー感光
材料のいずれにも適用することができる。
【0026】本発明に用いるネガ型のカラー感光材料と
しては、カラー印画紙、カラーネガフィルム、カラーポ
ジフィルムなどのカラー感光材料が挙げられる。また、
カラー熱現像感光材料であってもよい。
【0027】これらのカラー感光材料においては、少な
くとも1層の赤外感光層に本発明を適用すればよく、好
ましくは2層以上とすればよい。
【0028】具体的には700nm以上に分光感度のピー
クを有する赤外感光層を少なくとも1層以上有するカラ
ー感光材料である。イエロー、マゼンタ、シアンの3原
色を用いて色度図内の広範囲の色を得るためのカラー感
光材料であるならば、例えば緑感層、赤感層、赤外感光
層の3層の組み合わせ、赤感層、第1赤外感光層、第2
赤外感光層の組み合わせ、あるいは第1赤外感光層、第
2赤外感光層、第3赤外感光層の組み合わせなどがあ
る。各感光層は通常型のカラー感光材料で知られている
種々の配列順序をとることができる。またこれらの各感
光層は必要に応じて2層以上に分割してもよい。
【0029】本発明に用いることのできる感光材料に
は、感光層のほか、保護層、下塗り層、中間層、アンチ
ハレーション層、バック層等の種々の補助層を設けるこ
とができる。さらに色分離性を改良するための種々のフ
ィルター染料や鮮鋭度向上のためのイラジェーション防
止染料を添加することもできる。
【0030】本発明に用いるカラー感光材料としては、
まず、一般のカラー印画紙のように通常の発色現像によ
ってカラー画像を形成する写真材料が挙げられ、本発明
をこのような感光材料に適用することも好ましい。この
ときに用いる感光材料は、感光要素としてのハロゲン化
銀粒子と、色素形成要素としてのカラーカプラーとを含
有している。カラーカプラーは、感光したハロゲン化銀
粒子の現像時に生成する芳香族第一級アミン現像主薬の
酸化体とのカップリングによって色素を形成することの
できる化合物であり、活性メチレン位を有する化合物が
通常用いられる。詳細は特願平3−254598号に記
載されているとおりである。
【0031】さらに、熱現像カラー感光材料への適用も
特に好ましく、次に本発明に用いることのできる熱現像
カラー感光材料について述べる。
【0032】本発明に用いることのできる熱現像感光材
料は、基本的には支持体上に感光性ハロゲン化銀、還元
剤、バインダーおよび色素供与性化合物(後述するよう
に還元剤が兼ねる場合がある。)を有するものであり、
さらに必要に応じて有機金属塩酸化剤などを含有させる
ことができる。これらの成分は同一の層に添加すること
が多いが、反応可能な状態であれば別層に分割して添加
することもできる。例えば着色している色素供与性化合
物はハロゲン化銀乳剤の下層に存在させると感度の低下
を防げる。還元剤は熱現像感光材料に内蔵するが、さら
には、例えば後述する色素固定要素から拡散させるなど
の方法で、外部から供給するような方法を併用してもよ
い。
【0033】このように、感光材料に還元剤を内蔵させ
ることによって、カラー画像形成の促進効果等が得られ
る。
【0034】本発明に使用し得るハロゲン化銀は、塩化
銀、臭化銀、沃臭化銀、塩臭化銀、沃塩化銀、塩沃臭化
銀のいずれでもよい。
【0035】本発明で使用するハロゲン化銀乳剤は、表
面潜像型乳剤であっても、内部潜像型乳剤であってもよ
い。内部潜像型乳剤は造核剤や光カブラセとを組合わせ
て直接反転乳剤として使用される。また、粒子内部と粒
子表層が異なる相を持ったいわゆるコアシェル乳剤であ
ってもよい。ハロゲン化銀乳剤は、単分散でも多分散で
もよく、単分散乳剤を混合して用いてもよい。粒子サイ
ズは、0.1〜2μm、特に0.2〜1.5μm が好ま
しい。
【0036】ハロゲン化銀粒子の晶癖は、立方体、八面
体、十四面体、高アスペクト比の平板状、ジャガイモ
状、その他のいずれでもよいが立方体が好ましい。具体
的には、米国特許第4500626号第50欄、同46
28021号、リサーチ・ディスクロージャー誌(以下
RDと略記する)17029(1978年)、特開昭6
2−25159号等に記載されているハロゲン化銀乳剤
のいずれもが使用できる。
【0037】本発明に使用しうるハロゲン化銀乳剤を調
製する過程で、過剰の塩類を除去する脱塩工程を行う場
合に、このための手段として古くから知られたゼラチン
をゲル化させて行うヌーデル水洗法を用いてもよく、ま
た、多価アニオンよりなる無機塩類、例えば硫酸ナトリ
ウム、アニオン性界面活性剤、アニオン性ポリマー(例
えばポリスチレンスルホン酸)、あるいはゼラチン誘導
体(例えば脂肪族アシル化ゼラチン、芳香族アシル化ゼ
ラチン、芳香族カルバモイル化ゼラチンなど)を利用し
た沈降法(フロキュレーション)を用いてもよい。過剰
の塩の除去は省略してもよい。あるいは、米国特許第4
758505号、特開昭62−113137号、特公昭
59−43727号、米国特許第4334012号に示
される限外濾過装置を用いて過剰の塩の除去を行っても
よい。
【0038】本発明で用いるハロゲン化銀乳剤は、種々
の目的でイリジウム、ロジウム、白金、カドミウム、亜
鉛、タリウム、鉛、鉄、クロム、ルテニウム、レニウム
などの重金属を含有させてもよい。これらの化合物は、
単独で用いてもよいし、また2種以上組み合わせて用い
てもよい。添加量は、使用する目的によるが、一般的に
はハロゲン化銀1モル当り0-9〜10-3モル程度であ
る。また、含有させるときには、粒子に均一に入れても
よいし、また粒子の表面とか内部とかに局在化させても
よい。
【0039】ハロゲン化銀粒子の形成段階において、ハ
ロゲン化銀溶剤としてロダン塩、NH3 や特公昭47−
11386号記載の有機チオエーテル誘導体または特開
昭53−144319号に記載されている含硫黄化合物
などを用いることができる。
【0040】ハロゲン化銀粒子の形成段階において、特
公昭46−7781号、特開昭60−222842号、
特開昭60−122935号などに記載されているよう
な含窒素化合物を添加することができる。
【0041】ハロゲン化銀乳剤は未後熟のまま使用して
もよいが、通常は化学増感して使用する。通常型感光材
料用乳剤で公知の硫黄増感法、還元増感法、貴金属増感
法などを単独または組合わせて用いることができる。こ
れらの化学増感を含窒素複素環化合物の存在下で行うこ
ともできる(特開昭62−253159号)。
【0042】本発明において使用される感光性ハロゲン
化銀の塗設量は、銀換算1mg/m2 ないし10g/m2の範囲
である。
【0043】本発明に用いられるハロゲン化銀は、メチ
ン色素類、その他によって分光増感されてもよい。用い
られる色素には、シアニン色素、メロシアニン色素、複
合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロポーラー
シアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色素および
ヘミオキソノール色素が包含される。
【0044】具体的には、米国特許第4617257
号、特開昭59−180550号、同60−14033
5号、RD17029(1978年)12〜13頁等に
記載の増感色素が挙げられる。
【0045】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合せを用いてもよく、増感色素の組合せ
は特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。
【0046】増感色素とともに、それ自身分光増感作用
をもたない色素あるいは可視光を実質的に吸収しない化
合物であって、強色増感を示す化合物を乳剤中に含んで
もよい(例えば米国特許第3615641号、特開昭6
3−226294号等に記載のもの)。
【0047】これらの増感色素を乳剤中に添加する時期
は化学熟成時もしくはその前後でもよいし、米国特許第
4183756号、同4225666号に従ってハロゲ
ン化銀粒子の核形成前後でもよい。添加量は一般にハロ
ゲン化銀1モル当り10-8ないし10-2モル程度であ
る。
【0048】本発明においては、感光性ハロゲン化銀と
共に、有機金属塩を酸化剤として併用することもでき
る。このような有機金属塩の中、有機銀塩は、特に好ま
しく用いられる。
【0049】上記の有機銀塩酸化剤を形成するのに使用
し得る有機化合物としては、米国特許第4500626
号第52〜53欄等に記載のベンゾトリアゾール類、脂
肪酸その他の化合物がある。また特開昭60−1132
35号記載のフェニルプロピオール酸銀などのアルキニ
ル基を有するカルボン酸の銀塩や、特開昭61−249
044号記載のアセチレン銀も有用である。有機銀塩は
2種以上を併用してもよい。
【0050】以上の有機銀塩は、感光性ハロゲン化銀1
モルあたり、0.01ないし10モル、好ましくは0.
01ないし1モルを併用することができる。感光性ハロ
ゲン化銀と有機銀塩の塗布量合計は銀換算で50mgない
し10g /m2 が適当である。
【0051】本発明においては種々のカブリ防止剤また
は写真安定剤を使用することができる。その例として
は、RD17643(1978年)24〜25頁に記載
のアゾール類やアザインデン類、特開昭59−1684
42号記載の窒素を含むカルボン酸類およびリン酸類、
あるいは特開昭59−111636号記載のメルカプト
化合物およびその金属塩、特開昭62−87957号に
記載されているアセチレン化合物類などが用いられる。
【0052】本発明に用いる還元剤としては、熱現像感
光材料の分野で知られているものを用いることができ
る。また、後述する還元性を有する色素供与性化合物も
含まれる(この場合、その他の還元剤を併用することも
できる)。また、それ自身は還元性をもたないが現像過
程で求核試薬や熱の作用により還元性を発現する還元剤
プレカーサーも用いることができる。
【0053】本発明に用いられる還元剤の例としては、
米国特許第4500626号の第49〜50欄、同44
83914号の第30〜31欄、同4330617号、
同4590152号、特開昭60−140335号の第
(17)〜(18)頁、同57−40245号、同56
−138736号、同59−178458号、同59−
53831号、同59−182449号、同59−18
2450号、同60−119555号、同60−128
436号から同60−128439号まで、同60−1
98540号、同60−181742号、同61−25
9253号、同62−244044号、同62−131
253号から同62−131256号まで、欧州特許第
220746A2号の第78〜96頁等に記載の還元剤
や還元剤プレカーサーがある。
【0054】米国特許第3039869号に開示されて
いるもののような種々の還元剤の組み合わせも用いるこ
とができる。
【0055】耐拡散性の還元剤を使用する場合には、耐
拡散性還元剤と現像可能なハロゲン化銀との間の電子移
動を促進するために、必要に応じて電子伝達剤および/
または電子伝達剤プレカーサーを組み合せて用いること
ができる。
【0056】電子伝達剤またはそのプレカーサーは、前
記した還元剤またはそのプレカーサーの中から選ぶこと
ができる。電子伝達剤またはそのプレカーサーはその移
動性が耐拡散性の還元剤(電子供与体)より大きいこと
が望ましい。特に有用な電子伝達剤は1−フェニル−3
−ピラゾリドン類またはアミノフェノール類である。
【0057】電子伝達剤と組み合せて用いる耐拡散性の
還元剤(電子供与体)としては、前記した還元剤の中で
感光要素の層中で実質的に移動しないものであればよ
く、好ましくはハイドロキノン類、スルホンアミドフェ
ノール類、スルホンアミドナフトール類、特開昭53−
110827号に電子供与体として記載されている化合
物および後述する耐拡散性で還元性を有する色素供与性
化合物等が挙げられる。
【0058】本発明においては還元剤の添加量は銀1モ
ルに対して0.001〜20モル、特に好ましくは0.
01〜10モルである。
【0059】本発明においては、高温状態下で銀イオン
が銀に還元される際、この反応に対応して、あるいは逆
対応して可動性色素を生成するか、あるいは放出する化
合物、すなわち色素供与性化合物を含有することができ
る。
【0060】本発明で使用しうる色素供与性化合物の例
としてはまず、酸化カップリング反応によって色素を形
成する化合物(カプラー)を挙げることができる。この
カプラーは4当量カプラーでも、2当量カプラーでもよ
い。また、耐拡散性基を脱離基に持ち、酸化カップリン
グ反応により拡散性色素を形成する2当量カプラーも好
ましい。この耐拡散性基はポリマー鎖をなしていてもよ
い。カラー現像薬およびカプラーの具体例はT.H.J
ames著“The Theory of the P
hotographic Process”第4版29
1〜334頁および354〜361頁、特開昭58−1
23533号、同58−149046号、同58−14
9047号、同59−111148号、同59−124
399号、同59−174835号、同59−2315
39号、同59−231540号、同60−2950
号、同60−2951号、同60−14242号、同6
0−23474号、同60−66249号等に詳しく記
載されている。
【0061】また、別の色素供与性化合物の例として、
画像状に拡散性色素を放出ないし拡散する機能を持つ化
合物を挙げることができる。この型の化合物は次の一般
式〔LI〕で表わすことができる。
【0062】(Dye−Y)n −Z 〔LI〕
【0063】Dyeは色素基、一時的に短波化された色
素基または色素前駆体基を表わし、Yは単なる結合また
は連結基を表わし、Zは画像状に潜像を有する感光性銀
塩に対応または逆対応して(Dye−Y)n −Zで表わ
される化合物の拡散性に差を生じさせるか、または、D
yeを放出し、放出されたDyeと(Dye−Y)n
Zとの間に拡散性において差を生じさせるような性質を
有する基を表わし、nは1または2を表わし、nが2の
時、2つのDye−Yは同一でも異なっていてもよい。
【0064】一般式〔LI〕で表わされる色素供与性化
合物の具体例としては下記の〜の化合物を挙げるこ
とができる。なお、下記の〜はハロゲン化銀の現像
に逆対応して拡散性の色素像(ポジ色素像)を形成する
ものであり、とはハロゲン化銀の現像に対応して拡
散性の色素像(ネガ色素像)を形成するものである。
【0065】米国特許第3134764号、同336
2819号、同3597200号、同3544545
号、同3482972号等に記載されているハイドロキ
ノン系現像薬と色素成分を連結した色素現像薬。この色
素現像薬はアルカリ性の環境下で拡散性であるが、ハロ
ゲン化銀と対応する非拡散性になるものである。
【0066】米国特許第4503137号等に記され
ているとおり、アルカリ性の環境下で拡散性色素を放出
するがハロゲン化銀と反応するとその能力を失う非拡散
性の化合物も使用できる。その例としては、米国特許第
3980479号等に記載された分子内求核置換反応に
より拡散性色素を放出する化合物、米国特許第4199
354号等に記載されたイソオキサゾロン環の分子内巻
き換え反応により拡散性色素を放出する化合物が挙げら
れる。
【0067】米国特許第4559290号、欧州特許
第220746A2号、米国特許第4783396号、
公開技報87−6199等に記されているとおり、現像
によって酸化されずに残った還元剤と反応して拡散性色
素を放出する非拡散性の化合物も使用できる。
【0068】その例としては、米国特許第413938
9号、同4139379号、特開昭59−185333
号、同57−84453号等に記載されている還元され
た後に分子内の求核置換反応により拡散性の色素を放出
する化合物、米国特許第4232107号、特開昭59
−101649号、同61−88257号、RD240
25(1984年)等に記載された還元された後に分子
内の電子移動反応により拡散性の色素を放出する化合
物、西独特許第3008588A号、特開昭56−14
2530号、米国特許第4343893号、同4619
884号等に記載されている還元後に一重結合が開裂し
て拡散性の色素を放出する化合物、米国特許第4450
223号等に記載されている電子受容後に拡散性色素を
放出するニトロ化合物、米国特許第4609610号等
に記載されている電子受容後に拡散性色素を放出する化
合物等が挙げられる。
【0069】また、より好ましいのもとして、欧州特許
第220746A2号、公開技報87−6199号、米
国特許第4783396号、特開昭63−201653
号、同63−201654号等に記載された一分子内に
N−X結合(Xは酸素、硫黄または窒素原子を表す)と
電子吸引性基を有する化合物、特願昭62−10688
5号に記載された一分子内にSO2 −X(Xは上記と同
義)と電子吸引性基を有する化合物、特開昭63−27
1344号に記載された一分子内にPO−X結合(Xは
上記と同義)と電子吸引性基を有する化合物、特開昭6
3−271341号に記載された一分子内にC−X′結
合(X′はXと同義かまたは−SO2 −を表す)と電子
吸引性基を有する化合物が挙げられる。
【0070】この中でも特に一分子内にN−X結合と電
子吸引性基を有する化合物が好ましい。その具体例は欧
州特許第220746A2号または米国特特許4783
396号に記載された化合物(1)〜(3)、(7)〜
(10)、(12)、(13)、(15)、(23)〜
(26)、(31)、(32)、(35)、(36)、
(40)、(41)、(44)、(53)〜(59)、
(64)、(70)、公開技報87−6199に記載さ
れた化合物(11)〜(23)などである。
【0071】拡散性色素を脱離基に持つカプラーであ
って還元剤の酸化体との反応により拡散性色素を放出す
る化合物(DDRカプラー)。具体的には、英国特許第
1330524号、特公昭48−39165号、米国特
許第3443940号、同4474867号、同448
3914号等に記載されたものがある。
【0072】ハロゲン化銀または有機銀塩に対して還
元性であり、相手を還元すると拡散性の色素を放出する
化合物(DDR化合物)。この化合物は他の還元剤を用
いなくてもよいので、還元剤の酸化分解物による画像の
汚染という問題がなく好ましい。その代表例は、米国特
許第3928312号、同4053312号、同405
5428号、同4336322号、特開昭59−658
39号、同59−69839号、同53−3819号、
同51−104343号、RD17465号、米国特許
第3725062号、同3728113号、同3443
939号、特開昭58−116537号、同57−17
9840号、米国特許第4500626号等に記載され
ている。DDR化合物の具体例としては前述の米国特許
第4500626号の第22欄〜第44欄に記載の化合
物を挙げることができるが、なかでも前記米国特許に記
載の化合物(1)〜(3)、(10)〜(13)、(1
6)〜(19)、(28)〜(30)、(33)〜(3
5)、(38)〜(40)、(42)〜(64)が好ま
しい。また米国特許第4639408号第37〜39欄
に記載の化合物も有用である。
【0073】その他、上記に述べたカプラーや一般式
〔LI〕以外の色素供与性化合物として、有機銀塩と色
素を結合した色素銀化合物(リサーチ・ディスクロージ
ャー誌1978年5月号、54〜58頁等)、熱現像銀
色素漂白法に用いられるアゾ色素(米国特許第4235
957号、リサーチ・ディスクロージャー誌1976年
4月号、30〜32頁等)、ロイコ色素(米国特許第3
985565号、同4022617号等)なども使用で
きる。
【0074】色素供与性化合物、耐拡散性還元剤などの
疎水性添加剤は米国特許第2322027号記載の方法
などの公知の方法により感光材料の層中に導入すること
ができる。この場合には、特開昭59−83154号、
同59−178451号、同59−178452号、同
59−178453号、同59−178454号、同5
9−178455号、同59−178457号などに記
載のような高沸点有機溶媒を、必要に応じて沸点50℃
〜160℃の低沸点有機溶媒と併用して、用いることが
できる。
【0075】高沸点有機溶媒の量は用いられる色素供与
性化合物1g に対して10g 以下、好ましくは5g 以下
である。また、バインダー1g に対して1cc以下、さら
には0.5cc以下、特に0.3cc以下が適当である。
【0076】特公昭51−39853号、特開昭51−
59943号に記載されている重合物による分散法も使
用できる。
【0077】水に実質的に不溶な化合物の場合には、前
記方法以外にバインダー中に微粒子にして分散含有させ
ることができる。
【0078】疎水性化合物をバインダーとしての親水性
コロイドに分散する際には、種々の界面活性剤を用いる
ことができる。例えば特開昭59−157636号の第
37〜38頁に界面活性剤として挙げたものを使うこと
ができる。
【0079】本発明においては感光材料の現像の活性化
と同時に画像の安定化を図る化合物を用いることができ
る。好ましく用いられる具体的化合物については米国特
許第4500626号の第51〜52欄に記載されてい
る。
【0080】本発明においては感光材料に鮮鋭度向上や
分離向上の目的で非拡散性の染料を含有させることがで
きる。必要に応じて赤外域に吸収をもつ染料を使用する
こともできる。このような染料の詳細については特願平
2−137885号、特開平4−217243号、同4
−276744号、同5−45834号などに記載され
ている。
【0081】色素の拡散転写により画像を形成するシス
テムにおいては感光材料と共に色素固定要素(受像要素
ともいう。)が用いられる。色素固定要素は感光材料と
は別塗の支持体上に別個に塗設される形態であっても、
感光材料と同一の支持体上に塗設される形態であっても
よい。感光要素と色素固定要素相互の関係、支持体との
関係、白色反射層との関係は米国特許第4500626
号の第57欄に記載の関係が本願にも適用できる。
【0082】このように、同一支持体に感光要素および
色素固定要素が塗設される形態を包含させるために、以
下、便宜上、本発明の感光材料を、主に感光要素の言葉
を用いて説明する。また、色素固定要素は色素固定材
料、受像材料とも呼ぶものである。
【0083】本発明に好ましく用いられる色素固定要素
は媒染剤とバインダーを含む層を少なくとも1層有す
る。媒染剤は写真分野で公知のものを用いることがで
き、その具体例としては米国特許第4500626号第
58〜59欄や特開昭61−88256号第32〜41
頁に記載の媒染剤、特開昭62−244043号、同6
2−244036号等に記載のものを挙げることができ
る。また、米国特許第4463079号に記載されてい
るような色素受容性の高分子化合物を用いてもよい。
【0084】色素固定要素には必要に応じて保護層、剥
離層、カール防止層などの補助層を設けることができ
る。特に保護層を設けるのは有用である。
【0085】感光要素や色素固定要素の構成層のバイン
ダーには親水性のものが好ましく用いられる。その例と
しては特開昭62−253159号の(26)頁〜(2
8)頁に記載されたものが挙げられる。具体的には、透
明か半透明の親水性バインダーが好ましく、例えば石灰
処理ゼラチン、酸処理ゼラチン、あるいはゼラチン誘導
体等のタンパク質またはセルロース誘導体、デンプン、
アラビアゴム、デキストラン、プルラン等の多糖類のよ
うな天然化合物と、ポリビニルアルコール、ポリビニル
ピロリドン、アクリルアミド重合体、その他の合成高分
子化合物が挙げられる。また、特開昭62−24526
0号等に記載の高吸水性ポリマー、すなわち−COOM
または−SO3 M(Mは水素原子またはアルカリ金属)
を有するビニルモノマーの単独重合体またはこのビニル
モノマー同士もしくは他のビニルモノマーとの共重合体
(例えばメタクリル酸ナトリウム、メタクリル酸アンモ
ニウム、住友化学(株)製のスミカゲルL−5H)も使
用される。これらのバインダーは2種以上組み合わせて
用いることもできる。
【0086】微量の水を供給して熱現像を行うシステム
を採用する場合、上記の高吸水性ポリマーを用いること
により、水の吸収を迅速に行うことが可能となる。ま
た、高吸水性ポリマーを色素固定層やその保護層に使用
すると、転写後に色素が色素固定要素から他のものに再
転写するのを防止することができる。
【0087】本発明において、バインダーの塗布量は1
m2当たり20g 以下が好ましく、特に10g 以下、さら
には7g 以下にするのが適当である。
【0088】感光要素や色素固定要素の構成層に用いる
硬膜剤としては、米国特許第4678739号第41
欄、特開昭59−116655号、同62−24526
1号、同61−18942号等に記載の硬膜剤が挙げら
れる。より具体的には、アルデヒド系硬膜剤(ホルムア
ルデヒドなど)、アジリジン系硬膜剤、エポキシ系硬膜
剤、ビニルスルホン系硬膜剤(N、N’−エチレン−ビ
ス(ビニルスルホニルアセタミド)エタンなど)、N−
メチロール系硬膜剤(ジメチロール尿素など)、あるい
は高分子硬膜剤(特開昭62−234157号などに記
載の化合物)が挙げられる。
【0089】本発明において感光要素および/または色
素固定要素には画像形成促進剤を用いることができる。
画像形成促進剤には銀塩酸化剤と還元剤との酸化還元反
応の促進、色素供与性物質からの色素の生成または色素
の分解あるいは拡散性色素の放出等の反応の促進およ
び、感光材料層から色素固定層への色素の移動の促進等
の機能があり、物理化学的な機能からは塩基または塩基
プレカーサー、求核性化合物、高沸点有機溶媒(オイ
ル)、熱溶剤、界面活性剤、銀または銀イオンと相互作
用を持つ化合物等に分類される。ただし、これらの物質
群は一般に複合機能を有しており、上記の促進効果のい
くつかを合せ持つのが常である。これらの詳細について
は米国特許第4678739号第38〜40欄に記載さ
れている。
【0090】塩基プレカーサーとしては、熱により脱炭
酸する有機酸と塩基の塩、分子内求核置換反応、ロッセ
ン転位またはベックマン転位によりアミン類を放出する
化合物などがある。その具体例は米国特許第45114
93号、特開昭62−65038号等に記載されてい
る。
【0091】少量の水の存在下に熱現像と色素の転写を
同時に行うシステムにおいては、塩基および/または塩
基プレカーサーは色素固定要素に含有させるのが感光要
素の保存性を高める意味で好ましい。
【0092】上記の他に、欧州特許公開210660号
に記載されている難溶性金属化合物およびこの難溶性金
属化合物を構成する金属イオンと錯形成反応しうる化合
物(錯形成化合物という)の組合せや、特開昭61−2
32451号に記載されている電解により塩基を発生す
る化合物なども塩基プレカーサーとして使用できる。特
に前者の方法は効果的である。この難溶性金属化合物と
錯形成化合物は、感光要素と色素固定要素に別々に添加
するのが有利である。
【0093】本発明の感光要素および/または色素固定
要素には、現像時の処理温度および処理時間の変動に対
し、常に一定の画像を得る目的で種々の現像停止剤を用
いることができる。
【0094】ここでいう現像停止剤とは、適正現像後、
速やかに塩基を中和または塩基と反応して膜中の塩基濃
度を下げ現像を停止する化合物または銀および銀塩と相
互作用して現像を抑制する化合物である。具体的には、
加熱により酸を放出する酸プレカーサー、加熱により共
存する塩基と置換反応を起す親電子化合物、または含窒
素ヘテロ環化合物、メルカプト化合物およびその前駆体
等が挙げられる。さらに詳しくは特開昭62−2531
59号31〜32頁に記載されている。
【0095】感光要素または色素固定要素の構成層(バ
ック層を含む)には、寸度安定化、カール防止、接着防
止、膜のヒビ割れ防止、圧力増減感防止等の膜物性改良
の目的で種々のポリマーラテックスを含有させることが
できる。具体的には、特開昭62−245258号、同
62−136648号、同62−110066号等に記
載のポリマーラテックスのいずれも使用できる。特に、
ガラス転移点の低い(40℃以下)ポリマーラテックス
を媒染層に用いると媒染層のヒビ割れを防止することが
でき、またガラス転移点が高いポリマーラテックスをバ
ック層に用いるとカール防止効果が得られる。
【0096】感光要素および色素固定要素の構成層に
は、可塑剤、スベリ剤、あるいは感光要素と色素固定要
素の剥離性改良剤として高沸点有機溶媒を用いることが
できる。具体例には特開昭62−253159号の25
頁、同62−245253号などに記載されたものがあ
る。
【0097】さらに、上記の目的のために、各種のシリ
コーンオイル(ジメチルシリコーンオイルからジメチル
シロキサンに各種の有機基を導入した変性シリコーンオ
イルまでの総てのシリコーンオイル)を使用できる。そ
の例としては、信越シリコーン(株)発行の「変性シリ
コーンオイル」技術資料P6−8Bに記載の各種変性シ
リコーンオイル、特にカルボキシ変性シリコーン(商品
名X−22−3710)などが有効である。
【0098】また、特開昭62−215953号、特願
昭62−23687号に記載のシリコーンオイルも有効
である。
【0099】色素固定要素には退色防止剤を用いてもよ
い。退色防止剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸
収剤、あるいはある種の金属錯体がある。
【0100】酸化防止剤としては、例えばクロマン系化
合物、クマラン系化合物、フェノール系化合物(例えば
ヒンダードフェノール類)、ハイドロキノン誘導体、ヒ
ンダードアミン誘導体、スピロインダン系化合物があ
る。また、特開昭61−159644号記載の化合物も
有効である。
【0101】紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾー
ル系化合物(米国特許第3533794号など)、4−
チアゾリドン系化合物(米国特許第3352681号な
ど)、ベンゾフェノン系化合物(特開昭46−2784
号など)、その他特開昭54−48535号、同62−
136641号、同61−8256号等に記載の化合物
がある。また、特開昭62−260152号記載の紫外
線吸収性ポリマーも有効である。
【0102】金属錯体としては、米国特許第42411
55号、同4245018号第3〜36欄、同4254
195号第3〜8欄、特開昭62−174741号、同
61−88256号27〜29頁、特願昭62−234
103号、同62−31096号、同62−23059
5号等に記載されている化合物がある。
【0103】有用な退色防止剤の例は特開昭62−21
5272号125〜137頁に記載されている。
【0104】色素固定要素に転写された色素の退色を防
止するための退色防止剤は予め色素固定要素に含有させ
ておいてもよいし、感光要素などの外部から色素固定要
素に供給するようにしてもよい。
【0105】上記の酸化防止剤、紫外線吸収剤、金属錯
体はこれら同士を組み合わせて使用してもよい。
【0106】感光要素や色素固定要素には蛍光増白剤を
用いてもよい。特に色素固定要素に蛍光増白剤を内蔵さ
せるか、感光要素などの外部から供給させるのが好まし
い。その例としては、K. Veenkataraman編「 The Chemi
stry of Synthetic Dyes」第V巻第8章、特開昭61−
143752号などに記載されている化合物を挙げるこ
とができる。より具体的には、スチルベン系化合物、ク
マリン系化合物、ビフェニル系化合物、ベンゾオキサゾ
リル系化合物、ナフタルイミド系化合物、ピラゾリン系
化合物、カルボスチリル系化合物などが挙げられる。
【0107】蛍光増白剤は退色防止剤と組み合わせて用
いることができる。
【0108】感光要素や色素固定要素の構成層には、塗
布助剤、剥離性改良、スベリ性改良、帯電防止、現像促
進等の目的で種々の界面活性剤を使用することができ
る。界面活性剤の具体例は特開昭62−173463
号、同62−183457号等に記載されている。
【0109】感光要素や色素固定要素の構成層には、ス
ベリ性改良、帯電防止、剥離性改良等の目的で有機フル
オロ化合物を含ませてもよい。有機フルオロ化合物の代
表例としては、特公昭57−9053号第8〜17欄、
特開昭61−20944号、同62−135826号等
に記載されているフッ素系界面活性剤、またはフッ素油
などのオイル状フッ素系化合物もしくは四フッ化エチレ
ン樹脂などの固体状フッ素化合物樹脂などの疎水性フッ
素化合物が挙げられる。
【0110】感光要素や色素固定要素にはマット剤を用
いることができる。マット剤としては二酸化ケイ素、ポ
リオレフィンまたはポリメタクリレートなどの特開昭6
1−88256号29頁記載の化合物の他に、ベンゾグ
アナミン樹脂ビーズ、ポリカーボネート樹脂ビーズ、A
S樹脂ビーズなどの特願昭62−110064号、同6
2−110065号記載の化合物がある。マット剤は接
着防止やスベリ性調節、ニュートンリング防止の目的以
外にも色素固定要素表面(画像表面)の非光沢の目的に
も用いることができる。
【0111】その他、感光要素および色素固定要素の構
成層には、熱溶剤、消泡剤、防菌防バイ剤、コロイダル
シリカ等を含ませてもよい。これらの添加剤の具体例は
特開昭61−88256号第26〜32頁に記載されて
いる。
【0112】本発明の感光要素や色素固定要素の支持体
としては、処理温度に耐えることのできるものが用いら
れる。一般的には、紙、合成高分子(フィルム)が挙げ
られる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリイミド、セルロース類(例
えばトリアセチルセルロース)またはこれらのフィルム
中へ酸化チタンなどの顔料を含有させたもの、さらにポ
リプロピレンなどから作られるフィルム法合成紙、ポリ
エチレン等の合成樹脂パルプと天然パルプとから作られ
る混抄紙、ヤンキー紙、バライタ紙、コーティッドペー
パー(特にキャスコート紙)、金属、布類、ガラス類等
が用いられる。
【0113】これらは、単独で用いることもできるし、
ポリエチレン等の合成高分子で片面または両面をラミネ
ートされた支持体として用いることもできる。この他
に、特開昭62−253159号(29)〜(31)頁
に記載の支持体を用いることができる。
【0114】これらの支持体の表面に親水性バインダー
とアルミナゾルや酸化スズのような半導性金属酸化物、
カーボンブラックその他の帯電防止剤を塗布してもよ
い。
【0115】感光要素に画像を露光し記録する方法は、
画像情報を電気信号を経由するなどし、各種レーザーを
発光させて露光する方法などであり、具体的には特開平
2−129625号、特願平3−338182号、同4
−9388号、同4−281442号等に記載の露光方
法を用いることができる。
【0116】また、前記の画像情報は、ビデオカメラ、
電子スチルカメラ等から得られる画像信号、日本テレビ
ジョン信号規格(NTSC)に代表されるテレビ信号、
原画をスキャナーなど多数の画素に分割して得た画像信
号、CG、CADで代表されるコンピューターを用いて
作成された画像信号を利用できる。
【0117】熱現像工程での加熱温度は、約50℃〜約
250℃で現像可能であるが、特に約80℃〜約180
℃が有用である。色素の拡散転写工程は熱現像と同時に
行ってもよいし、熱現像工程終了後に行ってもよい。後
者の場合、転写工程での加熱温度は、熱現像工程におけ
る温度から室温の範囲で転写可能であるが、特に50℃
以上で熱現像工程における温度よりも約10℃低い温度
までがより好ましい。
【0118】色素の移動は熱のみによっても生じるが、
色素移動を促進するために溶媒を用いてもよい。
【0119】また、特開昭59−218443号、同6
1−238056号等に詳述されるように、少量の溶媒
(特に水)の存在下で加熱して現像と転写を同時または
連続して行う方法も有用である。この方式においては、
加熱温度は50℃以上で溶媒の沸点以下が好ましい、例
えば溶媒が水の場合は50℃以上100℃以下が望まし
い。
【0120】現像の促進および/または拡散性色素の色
素固定層への移動のために用いる溶媒の例としては、水
または無機のアルカリ金属塩や有機の塩基を含む塩基性
の水溶液(これらの塩基としては画像形成促進剤の項で
記載したものが用いられる)を挙げることができる。ま
た、低沸点溶媒、または低沸点溶媒と水もしくは塩基性
の水溶液との混合溶液なども使用することができる。ま
た界面活性剤、カブリ防止剤、難溶性金属塩や錯形成化
合物等を溶媒中に含ませてもよい。
【0121】これらの溶媒は、色素固定要素、感光要素
またはその両者に付与する方法で用いることができる。
その使用量は全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒の
重量以下(特に全塗布膜の最大膨潤体積に相当する溶媒
の重量から全塗布膜の重量を差引いた量以下)という少
量でよい。
【0122】感光層または色素固定層に溶媒を付与する
方法としては、例えば、特開昭61−147244号2
6頁に記載の方法がある。また、溶媒をマイクロカプセ
ルに閉じ込めるなどの形で予め感光要素もしくは色素固
定要素またはその両者に内蔵させて用いることもでき
る。
【0123】また色素移動を促進するために、常温では
固体であり高温では溶解する親水性熱溶剤を感光要素ま
たは色素固定要素に内蔵させる方式も採用できる。親水
性熱溶剤は感光要素、色素固定要素のいずれに内蔵させ
てもよく、両方に内蔵させてもよい。また内蔵させる層
も乳剤層、中間層、保護層、色素固定層いずれでもよい
が、色素固定層および/またはその隣接層に内蔵させる
のが好ましい。
【0124】親水性熱溶剤の例としては、尿素類、ピリ
ジン類、アミド類、スルホンアミド類、イミド類、アル
コール類、オキシム類その他の複素環類がある。
【0125】また、色素移動を促進するために、高沸点
有機溶剤を感光要素および/または色素固定要素に含有
させておいてもよい。
【0126】現像および/または転写工程における加熱
方法としては、加熱されたブロックやプレートに接触さ
せたり、熱板、ホットプレッサー、熱ローラー、ハロゲ
ンランプヒータ、赤外および遠赤外ランプヒーターなど
に接触させたり、高温の雰囲気中を通過させるなどがあ
る。また、感光要素と色素固定要素に抵抗発熱体層を設
け、これに通電して加熱してもよい。発熱体層としては
特開昭61−145544号等に記載のものが利用でき
る。
【0127】感光要素と色素固定要素とを重ね合わせ、
密着させる時の圧力条件や圧力を加える方法は特開昭6
1−147244号27頁に記載の方法が適用できる。
【0128】本発明の感光要素および色素固定要素の処
理には種々の熱現像装置のいずれもが使用できる。例え
ば、特開昭59−75247号、同59−177547
号、同59−181353号、同60−18951号、
実開昭62−25944号、特願平4−242053号
等に記載されている装置などが好ましく使用される。
【0129】上記のような熱現像装置を搭載し、かつ本
発明を実施する光学系を備えた露光装置を有する画像記
録装置は種々のものであってよいが、例えば図1〜図1
0で示される構成のものであってよい。
【0130】図1に示すように、画像記録装置10は全
体として箱型に構成されており、機台12には、前面扉
13、側面扉15が取り付けられている。各扉を解放す
ることにより機台12内を露出状態とすることができ
る。なお、各扉には図示を省略した所謂インターロック
機構による安全装置が施されており、扉が解放されると
同時に所定部位の電源が切れるようになっている。
【0131】図2には、本実施例の画像記録装置10の
概略構成が示されている。
【0132】この画像記録装置10では、感材マガジン
14がセットされた後には、ニップローラ18が作動さ
れ、感光材料16がニップローラ18によって引き出さ
れる。感光材料16が所定長さ引き出されると、カッタ
20が作動し、感光材料16が所定長さに切断される。
【0133】カッタ20の作動後は、切断後の感光材料
16が搬送ローラ19、21、23、24、26によっ
て搬送される。搬送ローラ19、21、23、24、2
6によって搬送される感光材料16は、反転されてその
感光(露光)面を上方へ向けた状態で露光部22へ搬送
される。感光材料16が搬送ローラ23にニップされた
時点で搬送ローラ23の駆動が一旦停止され、感光材料
16は露光部22の直前で待機状態となる。
【0134】次いで、搬送ローラ23および搬送ローラ
24の駆動が開始され、感光材料16は露光部22を所
定速度で通過する。この感光材料16の搬送(露光部2
2の通過)と同時に図3に示すような露光装置75が作
動し、露光部22に位置する感光材料16へ走査露光さ
れる。
【0135】図3には、露光装置75の一構成例を示す
概略斜視図が示される。
【0136】図3に示される露光装置75は、それぞれ
C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)の各色
像を露光するための狭帯域波長および光出力を有する光
ビームLC、LM、LYを主走査方向(図中矢印a方
向)に偏向して、副走査方向(図中矢印b方向)に搬送
される感光材料16を2次元的に走査露光して画像記録
を行うものであり、3種の光ビームをポリゴンミラー5
2の反射面の略同一点に少しずつ異なる角度で入射し
て、主走査方向に偏向し、感光材料16上の同一の主走
査線上に異なる位置に結像し、時間的に間隔をあけて同
一主走査線上を順次走査する異角入射光学系(非合波方
式の光学系)と、感光材料16を副走査搬送する搬送手
段と、図示しない異角入射光学系の制御手段とによって
構成される。
【0137】このような露光装置75は、光ビームの光
源とポリゴンミラー52との間に光路折返し用の折返し
ミラー74が配置され、3本の光ビームL(LC、L
M、LY)はこの折返しミラー74によって所定の方向
に反射されて(折返されて)ポリゴンミラー52に入射
する。なお、折返しミラー74は偏向ビームスプリッタ
になっており、後述するλ/2板76(76M、76
Y、76C)と共に光ビームLの感光材料16上におけ
る光量調整手段も兼ねている。
【0138】また、露光装置75においては、光源から
折返しミラー74までの光ビームLの光路と、ポリゴン
ミラー52によって主走査方向に偏向された光ビームL
の光路とが同一平面で交差するように、光源、折返しミ
ラー74、ポリゴンミラー52等の各光学部材が配置さ
れて光ビームの光路を構成し、装置の小型化を計ってい
る。
【0139】露光装置75は、光ビームの光源として所
定の狭帯域波長の光を射出する光ビーム光源として、3
つの半導体レーザー(以下、LDとする)54C、54
Yおよび54Mを有する。例えば、感光材料16上にC
色像を露光するためのLD54Cは波長750nmの光ビ
ームLCを射出するものを、感光材料16にY色像を露
光するためのLD54Yは波長810nmの光ビームLY
を射出するものを、感光材料16にM色像を露光するた
めのLD54Mは波長680nmの光ビームLMを射出す
るものが使用されている。
【0140】これらのLD54(54C、54M、54
Y)は、図示しない電気制御系によって制御される。
【0141】前述のように、本発明の露光装置75は異
角入射光学系によるものであるので、各光ビームLC、
LMおよびLYは互いに少しずつ異なる角度でポリゴン
ミラー52の反斜面の略同一点に入射する。
【0142】そのため、LD54C、54Yおよび54
Mは自らが射出した各光ビームLが所定の角度でポリゴ
ンミラー52に入射し、感光材料16上の同一の主走査
線上に異なる角度で結像し、時間的に間隔をあけて同一
主走査線上を順次走査するように、互いに若干異なる角
度で配置される。
【0143】なお、露光装置は、このような異角入射光
学系を使用するものに限定はされず、ダイクロイックミ
ラー等を用いて3つの光ビームの光路を重ねて光偏向器
に入射する、いわゆる合波光学系を用いるものであって
もよい。
【0144】LD54より射出された各光ビームは、そ
れぞれに対応して配置されるコリメータレンズ56(5
6C、56M、56Y)に入射する。コリメータレンズ
56は、LD54から射出された各光ビームLをそれぞ
れ整形して平行光とする。
【0145】平行光とされた各光ビームは、次いで、そ
れぞれに対応して配置されるシリンドリカルレンズに入
射する。シリンドリカルレンズは、後述するシリンドリ
カルミラー58と共に、ポリゴンミラー52の面倒れを
補正する面倒れ補正光学系を構成する。
【0146】図示例の露光装置75において、シリンド
リカルレンズは副走査方向(図3矢印b方向)に対応す
る方向(図3では各LD54の配列方向と垂直方向)に
レンズパワーを有する2つのレンズによって構成され
る。また、図示例においては、2つのレンズは、ポリゴ
ンミラー52によって偏向された光ビームを挟んで配置
されている。
【0147】具体的には、光ビームの進行方向に対して
上流側(以下、上流あるいは下流とする)に配置される
シリンドリカル凹レンズ(以下、凹レンズとする)70
と下流側のシリンドリカル凸レンズ(以下、凸レンズと
する)72とを組み合わせて構成される。つまり、光ビ
ームLCに対応して凹レンズ70Cおよび凸レンズ72
Cが、光ビームLMに対応して凹レンズ70Mおよび凸
レンズ72Mが、光ビームLYに対応して凹レンズ70
Yおよび凸レンズ72Yが配置されて、それぞれに対応
するシリンドリカルレンズが構成される。
【0148】このように、シリンドリカルレンズを凹レ
ンズ70および凸レンズ72等、複数に分離された組レ
ンズによって構成することにより、凹レンズ70と凸レ
ンズ72との間隔を調整して、両者で構成されるシリン
ドリカルレンズの焦点距離やレンズパワーを任意に調整
することができる。
【0149】しかも、凹レンズ70と凸レンズ72との
間隔を調整して、個々の光ビームLに応じた最適なレン
ズパワーや焦点距離を得ることができるので、2種のレ
ンズしか用いない安価な構成で、各光ビームLに応じて
最適な面倒れ補正を行って高画質画像の記録が可能であ
る。
【0150】なお、露光装置75においては、シリンド
リカルレンズは分離して配置される凹レンズ70および
凸レンズ72より構成するものには限定はされず、一体
的な組レンズあるいは1枚のレンズによってシリンドリ
カルレンズを構成してもよいのはもちろんである。
【0151】各凹レンズ70の光ビームL進行方向の下
流側(以下、下流側とする)には、それぞれの光ビーム
の光量調整手段を構成するλ/2板76、具体的には、
凹レンズ70Mの下流側にはλ/2板76Mが、凹レン
ズ70Yの下流側にはλ/2板76Yが、凹レンズ70
Cの下流側にはλ/2板76Cが配置される。
【0152】(シリンドリカルレンズ)凹レンズ70、
λ/2板76および(シリンドリカルレンズ)凸レンズ
72を通過した各光ビームLは、次いで、折返しミラー
74の互いに異なる位置に入射し、所定の方向に反射さ
れてポリゴンミラー52に入射する。
【0153】ここで、折返しミラー74は、光ビームL
の所定の偏向方向のみを反射して、他は透過する偏向ビ
ームスプリッタとしての機能を有しており、前述のλ/
2板76と共に光ビームLの光量調整手段を構成する。
【0154】露光装置75において、光ビームLの感光
材料16上における光量調整手段は、図示例のλ/2板
と偏向ビームスプリッタとを用いる方法には限定はされ
ず、光量調整用のNDフィルタ等を用いる方法であって
もよい。
【0155】また、偏光子と検光子とを用いて光量調整
手段を構成してもよい。
【0156】折返しミラー74によって所定の方向に反
射され、かつ光量を調整された各光ビームは、次いで互
いに少しずつ異なる角度で光偏向器であるポリゴンミラ
ー52の反射面の略同一点に入射し、反射されて、主走
査方向に偏向される。
【0157】本発明に用いられる光偏向器は、図示例の
ポリゴンミラー52に限定はされず、ガルバノメータミ
ラー、レゾナントスキャナー等、公知の光偏向器がいず
れも適用可能である。
【0158】fθレンズ86は、各光ビームLを主走査
線上のいずれの位置においても正しく結像させるための
ものであり、レンズ86a、86b(組みレンズ)およ
び86cの複数のレンズが組み合わされることにより構
成される。
【0159】fθレンズ86を通過した光ビームLは、
次いで、長尺のシリンドリカルミラー58によって所定
の方向に反射される。
【0160】シリンドリカルミラー58は前述のシリン
ドリカルレンズ(凹レンズ70および凸レンズ72)と
共に面倒れ補正光学系を構成する他、各光ビームLを上
方に反射して、長尺の立ち下げミラー88に入射させ
る。
【0161】ここで、露光装置75は、LD54から折
返しミラー74に至るまでの光ビームLの光路と、ポリ
ゴンミラー52によって主走査方向に偏向された光ビー
ムLの光路が交差するように構成され、図示例において
は、fθレンズ86とシリンドリカルミラー58との間
で光ビームLが交差する。
【0162】従って、この光学系に配備される光学部
材、特にLD54C、54Y、54M、折返しミラー7
4、およびポリゴンミラー52はこれを満たすように露
光配置75に配備される。
【0163】前述のように、異角入射光学系による露光
装置75において、LD54からポリゴンミラー52ま
での光ビームLの光路中に折返しミラー74を配置し、
この間の光ビーム光路を直線的ではなく折返した状態と
することにより、従来の装置に比べ大幅に装置を小型化
することができるが、さらに、図示例の露光装置75の
ように、LD54から折返しミラー74までの光ビーム
Lと、ポリゴンミラー52によって偏向された光ビーム
Lとが交差するように光ビームLの光路を設定すること
により、露光装置75(その光学系)の空間を無駄なく
使用することができ、より小型化された露光装置を実現
することができる。
【0164】シリンドリカルミラー58によって上方に
反射された光ビームLは、立ち下げミラー88によって
下方に反射され、fθレンズ86に下流側を光ビームL
を横切って進行し、感光材料16に入射する。
【0165】感光材料16は光ビームLの走査線SLを
挟んで配置される1対のニップローラ対、露光ドラムと
走査線SLを挟んでこの露光ドラムに押圧されるニップ
ローラ等の副走査搬送手段によって副走査方向(矢印b
方向)に搬送されているので、主走査方向(矢印方向
a)に偏向された光ビームLは、結果的に2次元的に感
光材料16を走査露光し、画像記録を行う。
【0166】ここで、54C、54Y、54Mに示した
LD等の発光素子の定光量制御(APC)は、発光素子
を所要の駆動電流で駆動し、その発光を受光素子によっ
て受光し、この発光量(光出力レベル)を予め設定され
た所定発光量(光出力レベル)と比較し、不足していれ
ば駆動電流の設定地をアナログ的あるいはデジタル的に
増加し、過大であれば減少することにより前記設定発光
量に保持するフィードバック制御である。ページ毎に各
ページの画像露光が開始される前あるいは、画像露光が
開始された後、複数行または1行毎に前記射出光が前記
感光材料上にない、もしくは前記感光材料の有効画像領
域外にある時すなわち前行の画像記録が終了してから次
行の画像記録が開始されるまでの間(無効画像露光タイ
ミング)にAPC制御を行っている。
【0167】露光制御手段80は、画像信号源78から
画像情報を受け取り、画像情報信号に応じて様々な露光
量補正や信号処理を行って、各色について1ライン分の
各画素の露光量の演算を行い、各LD54C、54Y、
54Mについて1ライン分の各画素の露光量を決定す
る。ここで画像信号源78は、画像読取装置、コンピュ
ータ、ビデオ機器、光ディスク機器等の画像処理装置な
どのいずれであってもよい。
【0168】変調回路82C、82Y、82Mは、露光
制御手段80によって決定された1ラインの各画素の露
光量に応じて、予め設定された所定繰り返し周期、例え
ば、1回当りの露光時間や画素周期においてLD54
C、54Y、54Mの発光をパルス幅変調するものであ
る。この画像露光方式におけるパルス幅変調では、光源
であるLD(54C、54Y、54M)の光出力を一定
に設定しておき、各画素毎に1画素周期内においてLD
54C、54Y、54Mを連続発光させる時間すなわち
1回(1画素)の連続露光時間をそれぞれ駆動回路84
C、84Y、84Mに出力する。ここで、ある色の露光
量をE、当該色のLDの発光力をP、LDの発光時間す
なわち露光時間をtとすると、E=P×tと表わすこと
ができ、光出力Pが一定のパルス幅変調の場合、連続露
光時間をt=E/Pと表わすことができる。従って、変
調回路82C、82Y、82Mは、それぞれこの連続露
光時間tC 、tY 、tM を信号として駆動回路84C、
84Y、84Mに出力する。
【0169】変調回路82(82C、82M、82Y)
の一構成例のブロック図を図4に示す。図4に示す変調
回路82は、クロック発生回路821、分圧器822、
積分器823、比較器824およびD/A変調器825
から構成される。この変調回路82においては、画素周
期と同期したクロック発生回路821の出力(図5
(a)参照)は、分圧器822で電圧振幅を伸縮調整
された後、積分器823へ入力され、図5(a)に示
すように三角波を発生する。この三角波は比較器824
に入力される。一方、ディジタル画像信号はD/A変換
器825により、画像濃度に応じた電圧(図5(a)
参照)に変換された後、比較器824の他の入力信号と
なる。比較器824において、前記三角波と前記画像濃
度に応じた電圧とが比較され、図5(a)に示すよう
に前記画像濃度に応じたLDの発光時間(t)がLDの
駆動回路(84C、84M、84Y)に出力される。こ
うして、変調回路82は前記デジタル画像信号をパルス
幅変調する。
【0170】ここで分圧器822は、図5(a)に示
すように画素周期と同期したクロックパルスの電圧振幅
を伸縮調整し、図5(b)に示すように積分器823
からの三角波出力の振幅を伸縮調整する。最大または最
小画像濃度に対応する電圧を図5(b)に示す電圧と
すると、画素周期に対する最大露光時間(連続露光時
間)は、図5(b)に示すようになる。すなわち、本
発明においては、分圧器822の出力電圧振幅を大
(H)、または小(L)に伸縮調整することにより、画
素周期に対する最大露光時間(の割合、すなわち最大デ
ューティ)を変え、図5(b)に示すようにそれぞれ
小(L)または大(H)にすることができる。
【0171】駆動回路84C、84Y、84Mは、LD
54C、54Y、54Mを駆動するための駆動回路であ
って、パルス幅変調の場合、各画素に対し変調回路82
C、82Y、82Mによって決定された時間tC 、t
Y 、tM だけ、各LD毎に予め設定された光出力PC
Y 、PM に対する駆動電流IC 、IY 、IM をLD5
4C、54Y、54Mに流す。この結果LD54C、5
4Y、54Mは、それぞれ各LD毎に予め設定された光
出力で各LDについてi画素に応じて決定された時間t
C 、tY 、tM だけ発光する。これが1ラインに渡って
行われてLD54C、54Y、54Mは1ラインの露光
を行う。
【0172】以上、本発明に用いる露光装置を光源とし
てLDを用い、LDをパルス幅変調して感光材料を露光
する場合について説明したが、本発明は特にこれに限定
されず、LDをパワー(光出力)変調あるいはパルス数
変調するものであってもよい。また、本発明の露光装置
における露光繰り返し周期、すなわち画素周期(変調周
期)は、特に制限はないが、ポリゴンミラーの回転数お
よび画素密度に応じて適宜定めればよいが、階調性を表
現する高画質画像の場合、短い方は数十ナノ秒(nsec)
から数百ナノ秒(例えば6面のポリゴンミラーを用いて
ポリゴンミラーの回転数:7500rpm 、画素密度40
0画素/インチ(以下「dpi]:約16画素/mm)で
約200nsec)が好ましいが、長い方は、数μsec (例
えばポリゴンミラー:2500rpm 、画素密度8本/mm
で約1.2μsec )である。
【0173】露光が開始された後は、露光後の感光材料
16が一旦スイッチバック部40へ送り込まれた後に、
搬送ローラ26の逆回転によって水塗布部62へ送り込
まれる。
【0174】水塗布部62では、搬送された感光材料1
6が、供給ローラ66の駆動によってガイドブック69
と塗布タンク64との間へ送り込まれ、さらにスクイズ
ローラ68によって挟持搬送される。水塗布部62にお
いて、水が例えば約11cc/m2 塗布された感光材料16
は、スクイズローラ68によって熱現像転写部104へ
送り込まれる。
【0175】一方、感光材料16への走査露光が開始さ
れるに伴って、色素固定材料ないし受像材料(以下、
「受像材料」という。)108も受材マガジン106か
らニップローラ110によって引き出されて搬送され
る。受像材料108が所定長さ引き出されると、カッタ
112が作動して受像材料108が所定長さに切断され
る。
【0176】カッタ112の作動後は、切断後の受像材
料108が受像材料搬送部180のガイド板182によ
って案内されながら搬送ローラ190、186、114
によって搬送される。受像材料108の先端部が搬送ロ
ーラ114によって挟持されると、受像材料108は熱
現像転写部104の直前で待機状態となる。
【0177】熱現像転写部104では、感光材料16が
スクイズローラ68によって加熱ドラム116外周と貼
り合わせローラ120との間へ送り込まれたことが検出
されると、受像材料108の搬送が再開されて貼り合わ
せローラ120へ送り込まれると共に、加熱ドラム11
6が作動される。
【0178】この貼り合わせローラ120と水塗布部6
2のスクイズローラ68との間にはガイド板122が配
置されており、スクイズローラ68から送られる感光材
料16は確実に貼り合わせローラ120へ案内される。
また、貼り合わせローラ120と受像材料108の搬送
ローラ114との間にはブレードカイド124が配置さ
れており、受像材料108も確実に貼り合わせローラ1
20へ案内される。
【0179】ここで、熱現像転写部104へ搬送される
受像材料108は感光材料16の搬送に同期し、感光材
料16が所定長さ先行した状態で貼り合わせローラ12
0と加熱ドラム116との間に送り込まれて重ね合わさ
れる。貼り合わせローラ120によって重ね合わされた
感光材料16と受像材料108とは、重ね合わせた状態
のままで加熱ドラム116と無端圧接ベルト118との
間で挟持され、加熱ドラム116のほぼ2/3周(巻き
掛けローラ134と巻き掛けローラ140の間)に渡っ
て搬送される。さらに、重ね合わされた感光材料16と
受像材料108が加熱ドラム116と無端圧接ベルト1
18との間に完全に収まった時点で、加熱ドラム116
は回転を一旦停止し、これにより感光材料16と受像材
料108が加熱される。例えば、加熱時間は合計で35
秒、平均加熱温度は83℃とすればよい。感光材料16
はこの挟持搬送時および停止時において加熱されると、
可動性の色素を放出し、同時にこの色素が受像材料10
8の色素固定層に転写されて画像が得られる。
【0180】その後、感光材料16と受像材料108と
が挟持搬送された加熱ドラム116の下部に達すると、
カム130によって剥離爪154が移動され、受像材料
108よりも所定長さ先行して搬送される感光材料16
の先端部に剥離爪154が係合して感光材料16の先端
部を加熱ドラム116の外周から剥離させる。さらに、
剥離爪154の復帰移動によって図示しないピンチロー
ラが感光材料16を押圧し、これにより、感光材料16
はピンチローラによって押圧されながら屈曲案内ローラ
142に巻き掛けられ、下方へ移動される。
【0181】屈曲案内ローラ142に巻き掛けられ感光
材料16は、さらにガイドローラ162に案内されなが
ら感材排出ローラ158、160によって搬送され、こ
の際に乾燥部50の乾燥ファンAによって乾燥されて廃
棄感光材料収容箱178内に集積される。
【0182】一方、感光材料16と分離し加熱ドラム1
16に密着されたままの状態で移動する受像材料108
は、剥離ローラ174へ送られる。受像材料108の先
端部が剥離ローラ174(加熱ドラム116との間)に
よって挟持されると、再びカム130によって剥離爪1
76が移動され、受像材料108の先端部に剥離爪17
6が係合して受像材料108が加熱ドラム116の外周
から剥離される。
【0183】剥離爪176によって加熱ドラム116の
外周から剥離された受像材料108は、さらに剥離ロー
ラ174に巻き掛けられながら下方へ移動され、受材ガ
イド170に案内されながら受材排出ローラ172、1
73、175によって搬送され、この際に乾燥ファンB
およびセラミックヒータ210によって乾燥されながら
トレイ177へ排出される。
【0184】このように、画像記録装置10は、順次、
複数枚の画像記録処理を連続して行うようになってい
る。
【0185】(外気吸排気構造)図2および図6に示す
ように、加熱ドラム116の右上部にあるスイッチバッ
ク部40を構成する搬送ガイド300は、ピン302で
回動自在に軸支されている。これによって、搬送ガイド
300は、加熱ドラム116の移動に伴い、その下面を
押し板304で右上方へ押し上げられ、セッティングさ
れるようになっている。
【0186】また、搬送ガイド300には、感光材料1
6を案内する長穴状の案内路306が形成され、露光部
22から搬送される感光材料16が、この案内路306
を通過してスイッチバックされるようになっている。
【0187】さらに、搬送ガイド300の上面には、感
光材料16の搬送方向と斜めに交わる方向へ風向変更板
308が立設されている。この風向変更板308は台形
状で、画像記録装置10の後側から前側に向かって立設
する高さが大きくされている。これによって、画像記録
装置10の後側から吸気される外気を均一に露光部22
へ反射するようになっている(図7参照)。また、風向
変更板308は、略三角状のステー310、312によ
って補強されている。
【0188】一方、図6に示すように、画像記録装置1
0の後側部には、矩形状の通風口314が形成されてい
る。この通風口314には、冷却ファン316が収容さ
れるファンボックス318が装着されている。ファンボ
ックス318の吹出口320の外周部には、フランジ3
22が張出し、通風口314の縁部へ図示しないビスで
固定されるようになっている。吹出口320と連通し面
積を拡大するように設けられた通風路324には、冷却
ファン316が取り付けられるようになっている。これ
によって、冷却ファン316からの風を絞って、吹出口
320へ流すようになっている。
【0189】また、吹出口320から通風路324に渡
って仕切り板326が設けられている。この仕切り板3
26は、吹出口320を対角線状に仕切り通風口314
へ突出する斜部326Aと、この斜部326Aから通風
路324に向かって傾斜し、斜部326Aの下部側の通
風を遮蔽する遮蔽部26Bとで構成されている。
【0190】さらに、ファンボックス318の外方の開
口部328には、塵および埃等を取り除くフィルター3
30を挟んで、遮光カバー332、334が取り付けら
れるようになっている。図8に示すように、遮光カバー
332には、上方から入射する光を遮断するように遮光
板336が取り付けられている。また、遮光カバー33
4には下方から入射する光を遮断する遮光板338が取
り付けられている。なお、遮光カバー334は、フィル
ター330の交換時に、オペレータの指が冷却ファン3
16に当らないようにガードする機能も有している。こ
れらの遮光板336、338は、若干ウェイブしてお
り、通風を確保すると共に、開口部328から入射する
外光を確実に遮断するようになっている。
【0191】また、図7に示すように、風向変更板30
8の左側には、電源部の熱を外部へ放出する排気ファン
340が設けられている。
【0192】一方、図2に示すように、露光部22の右
側面には、吸気された外気を排気する排気口342が形
成されている。この排気口342には、図7に示す遮光
カバー344が嵌め込まれている。この遮光カバー34
4には、図9に示すように、断面形が右下へ延びる遮光
板344Aと、この遮光板344Aの中央部へ先端が延
びるように断面形が左下へ延びる遮光板344Bが設け
られている。これによって、通風を確保すると共に、排
気口342から入射する外光を遮断している。
【0193】また、図2に示すように、乾燥ファンAに
よって画像記録装置10の下面から外気が吸気されるよ
うになっている。この乾燥ファンAによって感光材料1
6および受像材料108に乾燥風が吹き付けられる。こ
の乾燥風は、上下方向へ延設された受材ガイド170に
よって遮断され、感材マガジン14側へ流れないように
なっている。また、受材ガイド170には、乾燥手段と
してのセラミックヒータ210が配置されており、搬送
される受像材料108の乾燥を促進している。
【0194】(乾燥ファンの制御方法)ここで、図10
のフローチャートに従って、乾燥ファンAの制御方法を
説明する。
【0195】画像記録装置10の電源がオンされると、
ステップ400で、セラミックヒータ210が加熱さ
れ、ステップ402で、乾燥ファンAおよび乾燥ファン
Bも駆動される。これによって、セラミックヒータ21
0は乾燥部を加熱し、乾燥ファンAは、外気を乾燥部へ
吸気し、また乾燥ファンBは、屈曲案内ローラ142と
剥離ローラ174の間を通過する受像材料108を乾燥
するようになっている。
【0196】ここで、画像記録装置10の置かれた環境
が低温高湿の場合、セラミックヒータ210の加熱によ
って、受材ガイド170に結露を生じる。しかし、乾燥
ファンAおよび乾燥ファンBによって、乾燥風が送風さ
れているので、結露が防止される。これによって、立ち
上がり直後に処理される受像材料108の乾燥不良を防
止できる。
【0197】次に、ステップ404で、画像記録装置1
0が立ち上がったか否か判断される。ここで、画像記録
装置10が立ち上がったなら、ステップ406で、乾燥
ファンAおよび乾燥ファンBは停止される。
【0198】以後は、通常の制御に戻って、ステップ4
08で、感光材料16が通過したか否か判断され、感光
材料が通過したならステップ410で、乾燥ファンAお
よび乾燥ファンBが駆動される。次に、ステップ412
で所定時間経過したなら、ステップ414で乾燥ファン
Aおよび乾燥ファンBが停止される。
【0199】図7に示すように、冷却ファン316によ
って、外気が画像記録装置10内へ吸気される。この吸
気された外気は、画像記録装置10の内部全体に拡散せ
ず、風向変更板308で露光部22へと誘導される。こ
の露光部22に達した外気は排気口342から画像記録
装置10の外へ排気される。これによって、露光部22
へ集中して外気が流れ、効率のよい冷却が可能となる。
【0200】さらに、図8に示すように、冷却ファン3
16は通風可能なファンボックス318に収容され、そ
の開口部328は、通風可能な遮光板336、338で
構成された遮光カバー332、334が嵌合されている
ので、外光が画像記録装置10の中へ入り込むことがな
く、しかも通気も確保できる。
【0201】また、ファンボックス318の吹出口32
0には、仕切り板326が設けられ、風向変更板308
が立設する搬送ガイド300の上面側にのみ外気を流す
ようになっている。このために、露光部22へ集中して
外気が流れ、効率のよい冷却が可能となる。
【0202】さらに、図7に示すようにこの露光部22
に設けられた排気口342も、遮光カバー344で遮光
されているので、外光が入射することがない。
【0203】また、熱現像転写部104から画像記録装
置10の外へ受像材料108を案内する受材ガイド17
0は、乾燥部50と他の主要部位、例えば露光部22と
を通風不能に仕切っている。このため、乾燥部50の乾
燥ファンAが感光材料16と受像材料108とに吹き付
ける乾燥風は、この受材ガイド170で遮断され、感光
材料16の廃棄感光材料収容箱178に形成された廃棄
スリット350へのみ誘導される。これによって、乾燥
風が冷却を必要とする露光部22へ流れることがなく、
乾燥処理が効率的に行われ、露光部22に影響を与える
こともない。
【0204】さらに、乾燥部50に設けられた乾燥ファ
ンA、乾燥ファンBは、セラミックヒータ210の加熱
と同時に駆動される。このため、受材ガイド170に結
露が生じることがない。
【0205】本発明は、上記のような画像記録装置を用
いて実施されるが、このような装置に限定されるもので
はない。
【0206】
【実施例】以下、実施例をもって本発明の説明を行う
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0207】実施例1 はじめに、熱現像感光材料の作り方について述べる。
【0208】まず、感光性ハロゲン化銀乳剤の作り方に
ついて述べる。
【0209】感光性ハロゲン化銀乳剤(1)〔第5層
(680nm感光層用乳剤)〕 良く攪拌している表1に示す組成の水溶液に、表2に示
す組成の(I)液と(II)液を13分間かけて同時に添
加し、また、その10分後に表2に示す組成の(III )
液と(IV)液を33分間かけて添加した。
【0210】
【表1】
【0211】
【表2】
【0212】なお、表1中のハロゲン化銀溶剤(1)は
化1で表されるものである。
【0213】また、III 液の添加開始13分後から27
分間かけて化2で表される増感色素(a)の0.35%
水溶液150ccを添加した。
【0214】
【化1】
【0215】
【化2】
【0216】常法により水洗、脱塩(化3で表される沈
降剤aを用いてpHを4.1で行った)後、石灰処理オ
セインゼラチン22g を加えて、pHを6.0、pAg を
7.9に調節した後、60℃で化学増感した。化学増感
に用いた化合物は、表3に示すとおりである。得られた
乳剤の収量は630g で変動係数10.2%の単分散立
方体塩臭化銀乳剤で、平均粒子サイズは0.20μm で
あった。
【0217】
【化3】
【0218】
【表3】
【0219】感光性ハロゲン化銀乳剤(2)〔第3層
(750nm感光層用乳剤)〕 良く攪拌している表4に示す組成の水溶液に、表5に示
す組成の(I)液と(II)液を18分間かけて同時に添
加し、また、その10分後に表5に示す組成の(III )
液と(IV)液を24分間かけて添加した。
【0220】
【表4】
【0221】
【表5】
【0222】なお、表4中のハロゲン化銀溶剤(1)は
化1で表されるものである。
【0223】常法により水洗、脱塩(化3で表される沈
降剤bを用いてpHを3.9で行った)後、脱カルシウ
ム処理した石灰処理オセインゼラチン(カルシウム含有
率1500ppm 以下)22g を加えて、40℃で再分散
し、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデンを0.39g 加えて、pHを5.9、
pAg を7.8に調節した。その後、表6に示す薬品を用
いて70℃で化学増感した。また、化学増感の最後に表
7に示す増感色素のメタノール溶液を添加した。さら
に、化学増感後40℃に降温して後に述べる安定剤
(1)のゼラチン分散物200g を添加し、よく攪拌し
た後収納した。得られた乳剤の収量は938gで変動係
数12.6%の単分散立方体塩臭化銀乳剤で、平均粒子
サイズは0.25μm であった。
【0224】
【表6】
【0225】
【表7】
【0226】感光性ハロゲン化銀乳剤(3)〔第1層
(810nm感光層用乳剤)〕 良く攪拌している表8に示す組成の水溶液に、表9に示
す組成の(I)液と(II)液を18分間かけて同時に添
加し、また、その10分後に表9に示す組成の(III )
液と(IV)液を24分間かけて添加した。
【0227】
【表8】
【0228】
【表9】
【0229】なお、表8中のハロゲン化銀溶剤(1)は
化1で表されるものである。
【0230】常法により水洗、脱塩(前述の化3で表さ
れる沈降剤aを用いてpHを3.8で行った)後、石灰
処理オセインゼラチン22g を加えて、pHを7.4、
pAgを7.8に調節した後、60℃で化学増感した。化
学増感に用いた化合物は、表10に示すとおりである。
得られた乳剤の収量は680g で変動係数9.7%の単
分散立方体塩臭化銀乳剤で、平均粒子サイズは0.32
μm であった。
【0231】
【表10】
【0232】なお、表3、表6、表7、表10中の化合
物は化4、化5、化6で表されるものである。
【0233】
【化4】
【0234】
【化5】
【0235】
【化6】
【0236】コロイド銀のゼラチン分散物の調製法につ
いて述べる。
【0237】良く攪拌している表11に示す組成の水溶
液に、表12に示す組成の液を24分間かけて添加し
た。その後、化3で表される沈降剤aを用いて水洗した
後、石灰処理オセインゼラチン43g を加えて、pHを
6.3に合わせた。平均粒子サイズは0.02μm で収
量は512g であった(銀2%、ゼラチン6.8%を含
有する分散物)。
【0238】
【表11】
【0239】
【表12】
【0240】次に疎水性添加剤のゼラチン分散物の調製
法について述べる。
【0241】イエロー色素供与性化合物、マゼンタ色素
供与性化合物、シアン色素供与性化合物のゼラチン分散
物をそれぞれ表13の処方どおり調製した。すなわち、
各油相成分を約70℃に加熱溶解させ均一な溶液とし、
この溶液に約60℃に加温した水相成分を加え攪拌混合
した後ホモジナイザーで10分間、10000rpm にて
分散した。これに加水し、攪拌して均一な分散物を得
た。さらにシアン色素供与性化合物のゼラチン分散物を
限外濾過モジュール(旭化成製限外濾過モジュール:A
CV−3050)を用いて、水による希釈と濃縮を繰り
返して表13の酢酸エチルの量の17.6分の1になる
ように酢酸エチルを減量した。
【0242】
【表13】
【0243】還元剤(2)のゼラチン分散物を表14の
処方どおり調製した。すなわち、各油相成分を約60℃
に加熱溶解させこの溶液に約60℃に加温した水相成分
を加え攪拌混合した後ホモジナイザーで10分間、10
000rpm にて分散し、均一な分散物を得た。さらに得
られた分散物から減圧脱有機溶剤装置を用いて酢酸エチ
ルを除去した。
【0244】
【表14】
【0245】安定剤(1)のゼラチン分散物を表15の
処方どおり調製した。すなわち、各油相成分を室温で溶
解させ、この溶液に約40℃に加温した水相成分を加え
攪拌混合した後ホモジナイザーで10分間、10000
rpm にて分散した。これに加水し、攪拌して均一な分散
物を得た。
【0246】
【表15】
【0247】水酸化亜鉛のゼラチン分散物を表16の処
方どおり調製した。すなわち、各成分を混合溶解した
後、ミルで平均粒径0.75mmのガラスビースを用いて
30分間分散した。さらにガラスビーズを分離除去し、
均一な分散物を得た(水酸化亜鉛は平均粒子サイズが
0.25μm のものを使用した)。
【0248】
【表16】
【0249】なお、表13〜表16中の化合物は、前掲
の化5で表されるもののほか、化7〜化17で表される
化合物である。
【0250】
【化7】
【0251】
【化8】
【0252】
【化9】
【0253】
【化10】
【0254】
【化11】
【0255】
【化12】
【0256】
【化13】
【0257】
【化14】
【0258】
【化15】
【0259】
【化16】
【0260】
【化17】
【0261】次に保護層に添加しているマット剤のゼラ
チン分散物の製造法について述べる。塩化メチレンにP
MMAを溶解した液を少量の界面活性剤とともにゼラチ
ン中に添加し、高速攪拌分散した。つづいて減圧脱溶剤
装置を用いて塩化メチレンを除去し、平均粒子サイズが
4.3μm の均一な分散物を得た。
【0262】以上のものを用いて表17、表18に示す
熱現像感光材料100を作った。表17、18の化合物
は前掲のもののほか、化18〜化21で表されるもので
ある。
【0263】
【表17】
【0264】
【表18】
【0265】
【化18】
【0266】
【化19】
【0267】
【化20】
【0268】
【化21】
【0269】次に受像材料の作り方について述べる。
【0270】表19に示す構成の受像材料を作った。表
層(1)の構成は表20に、裏層(1)の構成は表21
に、各々示すとおりである。また、支持体(1)の構成
は表22に示すとおりであり、物性値は表23に示すと
おりである。
【0271】
【表19】
【0272】
【表20】
【0273】
【表21】
【0274】
【表22】
【0275】
【表23】
【0276】表20、表21中の化合物は化22〜化2
5で示されるものである。
【0277】
【化22】
【0278】
【化23】
【0279】
【化24】
【0280】
【化25】
【0281】前記の熱現像感光材料100および受像材
料を用い、図1〜図10で示される画像記録装置を使用
して以下の実験を行った。
【0282】露光装置は、図3〜図5に示すような構成
であり、LDの発光波長とパワーは表24に示すとおり
であった。
【0283】
【表24】
【0284】また、6面のポリゴンミラーを7500rp
m にて使い、主走査方向の画素密度は400dpi とし
た。
【0285】平均ビーム径は3本のレーザー(LC、L
M、LY)共に主走査方向に約85μm 、副走査方向に
55μm であった。
【0286】LC、LM、LY各々のビーム径を故意に
変化させて画像濃度の変化を調べたところ、LCのビー
ム径に対するシアン濃度の変化が顕著であったので、L
Cビームに着目して実験を進めた。なお、ビーム径は前
記のようにして測定し、前記定義に従って求めた。
【0287】まず、光学系を最適になるように調整した
ところ、LCビーム径の変動は主走査方向に±15%、
副走査方向に±10%となった(イ)。次にシリンドリ
カルレンズを少し動かして主走査方向に±45%、副走
査方向に±35%の変動率になるようにした(ロ)。ま
た、走査露光中の感光材料の搬送速度を調節して、走査
線の重なりが0%、40%、50%、67%および75
%となるようにした。
【0288】以上の露光条件の組み合わせ各々について
1画面全体がほぼグレーになるような(濃度約0.6)
ベタ露光と現像を行い、画面内の色味ムラ(主走査方向
にグレーが保たれているか否か)の程度を目視判定し
た。結果を表25に示す。
【0289】なお、前述のように熱現像感光材料に対す
る水塗布量は感材1m2当り約11ccとし、重ね合わせた
状態での感光材料と受像材料の加熱時間は合計で35
秒、加熱温度は平均で83℃とした。
【0290】
【表25】
【0291】以上より本発明による画像形成方法は1画
面内の画像濃度ムラが少なく良好であることがわかる。
【0292】
【発明の効果】本発明によれば、露光面における赤外レ
ーザーのビーム径の変動に起因すると考えられる画像濃
度ムラの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いる画像記録装置の外観図である。
【図2】本発明に用いる画像記録装置の概略全体構成図
である。
【図3】図2の露光部に適用される露光装置の概略斜視
図である。
【図4】図2の露光装置に適用される変調回路のブロッ
ク図である。
【図5】(a)、(b)ともに、図4の変調回路におい
てデジタル画像信号をパルス巾変調する際の波形図であ
る。
【図6】図2における風向変更板とファンボックスとを
示した分解斜視図である。
【図7】図2における風向変更板によって露光部へ流さ
れる外気の流れを示した平面図である。
【図8】図7の8−8線断面図である。
【図9】図7の9−9線断面図である。
【図10】図2における乾燥ファンの制御を示したフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
10 画像記録装置 22 露光部 A 乾燥ファン B 乾燥ファン 170 受材ガイド 210 セラミックヒータ(乾燥ヒータ) 300 搬送ガイド 308 風向変更板 316 冷却ファン 318 ファンボックス(遮光箱) 332 遮光カバー(遮光箱) 334 遮光カバー(遮光箱) 342 排気口 344 遮光カバー 75 露光装置 52 ポリゴンミラー 54(54C、54Y、54M) 半導体レーザー(L
D) 56(56C、56M、56Y) コリメータレンズ 58 シリンドリカルミラー 70(70C、70M、70Y) シリンドリカル凹レ
ンズ 72(72C、72M、72Y) シリンドリカル凸レ
ンズ 74 折返しミラー 76(76C、76M、76Y) λ/2板 86 fθレンズ 88 立ち下げミラー L(LC、LM、LY) 光ビーム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−51043(JP,A) 特開 平4−249244(JP,A) 特開 平4−45410(JP,A) 特開 平2−18548(JP,A) 特開 平5−42716(JP,A) 特開 平5−19423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 5/08 H01S 3/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1層の赤外感光性ハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀カラー写真感光材料を少
    なくとも1本の赤外レーザーで走査露光するカラー画像
    形成方法において、 前記少なくとも1本の赤外レーザーのハロゲン化銀カラ
    ー写真感光材料の露光面上におけるビーム径が1走査線
    を露光する間に±30%以内しか変動せず、かつ前記少
    なくとも1本の赤外レーザーの少なくとも隣同志の走査
    線をハロゲン化銀カラー写真感光材料の露光面において
    45%以上重ねながら順次走査露光するカラー画像形成
    方法。
  2. 【請求項2】 前記露光面上におけるビーム径が1走査
    線を露光する間に±18%以内しか変動せず、かつ副走
    査方向のビーム径が1走査線を露光する間に±15%以
    内しか変動しない請求項1のカラー画像形成方法。
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