JP3149986B2 - ポリゴンミラーの取付構造 - Google Patents

ポリゴンミラーの取付構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像形成機、例えばレ
ーザビームプリンタに適用されるポリゴンミラーの取付
構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりレーザビームプリンタ用として
使用されるポリゴンミラーは、例えばホールモータの軸
に取り付けられて高速回転する。またその回転速度も、
制御装置により正確に速度制御される。ポリゴンミラー
はアルミニウム素材から切削加工により作られ、その外
周部に形成された多角形の部分が鏡面を構成している。
レーザープリンタにおいて、回転しているポリゴンミラ
ーに光の強度変調を受けた半導体レーザ光線が照射され
ると、このレーザー光線はその瞬間の鏡面の位置によっ
て異なった方向に反射される。これにより感光体ドラム
の表面に反射光による走査が行われ、印字情報の潜像が
形成される。次いでその潜像はトナーにより現像され、
転写及び定着作用が行われて媒体上に現われる。
【0003】前記ポリゴンミラーの前記モータの軸への
取り付けは、一例としてポリゴンミラーを軸にねじ結合
することにより行われていた。この取付構造によれば、
ポリゴンミラー自体に貫通孔を形成し、更にその内周部
にねじを形成しなければならず、加工工程が多く、した
がって量産に適せず、コストも高くなる。更に、軸への
締め付け作用時にポリゴンミラーを傷つけるおそれもあ
る。また他の取付構造としては、ポリゴンミラーを保持
するための保持予圧ばねとこれを固定するためのCリン
グ、又は保持予圧ばねとこれを固定するためのカップ及
びねじを使用する構造も知られている。これらの構造に
よれば、更に部品点数が増大し、作業性も悪化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、作業
性が著しく容易であり、しかも部品点数の少ない、改良
されたポリゴンミラーの取付構造を提供することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、モータの駆動力により回転される
ハブと、このハブの軸方向一端側の外周部に嵌合装着さ
れたポリゴンミラーと、このポリゴンミラーを装着位置
に保持するばね部材とを含み、前記ハブの前記一端側に
は軸方向に突出したボス部が形成され、このボス部の周
囲には所定の断面形状を有する複数の凹凸部が形成さ
れ、この凸部の各々には前記ハブの軸心を中心とする円
弧状の嵌合溝が形成され、前記ばね部材は環状の板部材
からなり、その内周部には前記凹凸部に嵌合しうる凹凸
部が形成され、またその外周部には複数個の押さえ部が
それぞれ形成され、前記ばね部材の前記凹凸部を前記ボ
ス部の凹凸部に整合させた状態で前記ボス部の一端側か
ら軸方向に押し込んで回転させることにより、ばね部材
の凸部の各々が前記ボス部の前記嵌合溝の各々に嵌合保
持されかつ、前記押さえ部の各々が前記ポリゴンミラー
を前記ハブの軸方向に押圧するよう構成されたことを特
徴とするポリゴンミラーの取付構造、が提供される。
【0006】
【作用】ポリゴンミラーをハブの外周部に嵌合装着した
後、ばね部材の凹凸部をボス部の凹凸部に整合させた状
態で、ばね部材をボス部の一端側から軸方向に押し込ん
で回転させることにより、ばね部材の凸部の各々がボス
部の凸部の各々に形成された嵌合溝に嵌合保持されて
(いわゆるバイオネット結合されて)、軸方向に抜ける
ことが防止される。同時にポリゴンミラーの一側面に接
触する押さえ部が撓む。その結果、ばね部材の押さえ部
の各々が、ボス部の嵌合溝の各々に嵌合された凸部を支
点としてポリゴンミラーを前記ハブの軸方向に押圧する
ので、ポリゴンミラーは、ばね部材の押し込み及び回転
作業のみにより、ハブにしっかりと取り付けられる。
【0007】
【実施例】以下、本発明に係るポリゴンミラーの取付構
造の一実施例を図面を参照して説明する。
【0008】本発明の一実施例を示す図1ないし図5に
おいて、ポリゴンミラーの取付構造は、後に詳述するハ
ブ2とポリゴンミラー20とばね部材30とを含んでい
る。ハブ2はアルミ合金にてカップ状に形成され、カッ
プ状に形成された内側部分にはモーター用の永久磁石1
が埋め込まれている。ハブ2の上面を規定する天井部3
の軸心部には貫通孔4が形成され、この貫通孔4を図示
しない回転支承軸が貫通する。貫通孔4の側壁と回転支
承軸との間にはベアリングが介在し、これによりハブ2
は、モータの回転子として回転する。ハブ2には、後述
するポリゴンミラー20が嵌合装着される外周部6が形
成されている。外周部6は、ハブ2の一端側から軸方向
に延びる円周部8と、この円周部8の他端を規定する肩
10とを含んでいる。この肩10は円周部8から半径方
向外方に延びる直角な面からなる。ハブ2の前記一端側
には軸方向に突出したボス部12が形成されている。こ
のボス部12の周囲には所定の断面形状(この例ではス
プライン形状)を有する複数の凹凸部が形成されている
(図2)。番号14は凹部、番号16は凸部を示す。こ
の凸部16の各々にはハブ2の軸心を中心とする円弧状
の嵌合溝18が形成されている。前記ボス部12の外径
は、外周部6のそれより小径であり、嵌合溝18と肩1
0との間は、軸方向に所定の間隔がある。
【0009】ハブ2の前記外周部6にはポリゴンミラー
20が嵌合装着される。ポリゴンミラー20は、図3に
明瞭に示すように、多角形の外周部22と、ハブ2の外
周部6を構成する円周部8に嵌合しうる内周部形状を有
する孔24と、その軸線に直交する面により規定された
軸方向両側面26及び28とを有している。ポリゴンミ
ラー20はアルミニウムから形成され、その多角形の各
面が鏡面を構成している。なお、ハブ2の外周部6を構
成する円周部8(断面が円形)に代えて、嵌合相手と相
対回転できないような断面形状としてもよい。その場合
ポリゴンミラー20の孔24は、それに嵌合しうる内周
部形状とされる。
【0010】30はばね部材であって、ポリゴンミラー
20を装着位置に保持するものである。ばね部材30は
環状の板部材(例として燐青銅あるいはばね鋼板)から
形成されている。ばね部材30の内周部には、ボス部1
2の凹凸部に嵌合しうる形状の凹凸部が形成されてい
る。番号32は凹部、番号34は凸部を示す。またその
外周部には複数個の押さえ部36がそれぞれ形成されて
いる。押さえ部36の各々は、円周方向に沿って所定の
長さだけ打ち抜き形成され、かつ軸方向に突出する折曲
部から構成されている。ばね部材30の凹凸部の各々の
内周面及びボス部12の凹凸部の各々の外周面は、それ
らの軸心を中心とする円弧に形成されている。ばね部材
30の凹凸部をボス部12の凹凸部に整合させた状態
で、すなわちばね部材30の凹部32をボス部12の凸
部16に、またばね部材30の凸部34をボス部12の
凹部14にそれぞれ整合させた状態で、ボス部12の一
端側から軸方向に押し込んで回転させることにより、ば
ね部材30の凸部34の各々がボス部12の凸部16に
形成された嵌合溝18の各々に嵌合保持される。同時に
押さえ部36の各々がポリゴンミラー20をハブ2の軸
方向に押圧するよう構成されている。
【0011】ポリゴンミラー20を、ハブ2の一端側か
ら円周部8に嵌め込み、その側面28を肩10に押し当
てた状態で装着する。次いでばね部材30の凹凸部をボ
ス部12の凹凸部に整合させた状態で、ボス部12の一
端側から軸方向に押し込んで所定の角度回転させると、
ばね部材30の凸部34の各々がボス部12の嵌合溝1
8の各々に嵌合保持される。これによりばね部材30
は、ハブ2からその軸方向に抜けることが防止される。
同時に嵌合溝18の各々に嵌合された凸部34を支点と
してポリゴンミラー20の一側面26に接触する押さえ
部36が撓む。その結果、ばね部材30の押さえ部36
の各々がポリゴンミラー20をハブ2の軸方向に押圧す
る、具体的にはポリゴンミラー20の側面28を肩10
に押圧するので、ポリゴンミラー20は、ばね部材30
の軸方向への押し込み及び回転作業のみにより、ハブ2
にしっかりと取り付けられる。ポリゴンミラー20は、
ハブ2とともにモータの軸と一体に回転される。なお、
図5はハブ2にポリゴンミラー20を組み込んでばね部
材30によりポリゴンミラー20をハブ2に固定した状
態を示す部分断面図である。
【0012】以上本発明を一実施例により説明したが、
本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、これ
らを本発明の範囲から排除するものではない。
【0013】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、ばね部材
をハブの一端側からその軸方向に押し込んで回転させる
だけで、ポリゴンミラーをハブにしっかりと保持するこ
とができるので、従来に較べ、取付作業性が著しく向上
する。またポリゴンミラーを損傷するおそれもなくなる
ので、品質及び信頼性も向上する。更に、部品点数が少
なく、低コストで大量生産できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従って改良されたポリゴンミラーの取
付構造の一実施例の要部を分解して示す図であって、一
部を破断して示す図
【図2】図1に示すハブの平面図
【図3】図1に示すポリゴンミラーの平面図
【図4】図1に示すばね部材の平面図
【図5】ハブにポリゴンミラーを取付け、ばね部材で固
定した状態を示す部分断面図
【符号の説明】
2・・ハブ 6・・外周部 8・・円周部 10・・肩 12・・ボス部 14・・凹部 16・・凸部 18・・嵌合溝 20・・ポリゴンミラー 30・・ばね部材 32・・凹部 34・・凸部 36・・押さえ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02B 26/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータの駆動力により回転されるハブ
    と、このハブの軸方向一端側の外周部に嵌合装着された
    ポリゴンミラーと、このポリゴンミラーを装着位置に保
    持するばね部材とを含み、前記ハブの前記一端側には軸
    方向に突出したボス部が形成され、このボス部の周囲に
    は所定の断面形状を有する複数の凹凸部が形成され、こ
    の凸部の各々には前記ハブの軸心を中心とする円弧状の
    嵌合溝が形成され、前記ばね部材は環状の板部材からな
    り、その内周部には前記凹凸部に嵌合しうる凹凸部が形
    成され、またその外周部には複数個の押さえ部がそれぞ
    れ形成され、前記ばね部材の前記凹凸部を前記ボス部の
    凹凸部に整合させた状態で前記ボス部の一端側から軸方
    向に押し込んで回転させることにより、ばね部材の凸部
    の各々が前記ボス部の前記嵌合溝の各々に嵌合保持され
    かつ、前記押さえ部の各々が前記ポリゴンミラーを前記
    ハブの軸方向に押圧するよう構成されたことを特徴とす
    るポリゴンミラーの取付構造。
  2. 【請求項2】前記ハブの前記外周部は、前記一端側から
    軸方向に延びる円周部と、この円周部の他端を規定する
    肩とを含み、この肩は前記円周部から半径方向外方に延
    びる直角な面からなり、前記ボス部は、前記一端を規定
    する壁から軸方向に突出して形成されるとともに、その
    外径は前記外周部のそれより小さく形成され、前記ポリ
    ゴンミラーは、多角形の外周部と、前記ハブの前記外周
    部に嵌合しうる内周部形状を有する孔と、その軸線に直
    交する面により規定された軸方向両側面とを有し、前記
    ばね部材の前記押さえ部の各々は、円周方向に沿って所
    定の長さだけ打ち抜き形成されかつ軸方向に突出する折
    曲部から構成されたことを特徴とする請求項1記載のポ
    リゴンミラーの取付構造。
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