JPH08136847A

JPH08136847A - 光偏向走査装置

Info

Publication number: JPH08136847A
Application number: JP29575394A
Authority: JP
Inventors: Hirofumi Hori; 浩文堀
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1994-11-04
Filing date: 1994-11-04
Publication date: 1996-05-31

Abstract

(57)【要約】【目的】回転多面鏡の振動を防ぐための重りの取り付
けが簡単である光偏向走査装置を実現する。【構成】回転多面鏡１０はロータマグネット５と一体
であり、モータ基板６から供給される電流によってステ
ータコイル７が励磁されることでロータマグネット５と
ともに回転する。回転多面鏡１０の上端面は陥没部１２
を有し、陥没部１２と残りの部分にそれぞれバランス溝
１１，１３が設けられる。各バランス溝１１，１３が上
向きに開口しているため、これらに重り１４，１５を取
り付けるのが容易であり、また、紫外線硬化型の接着剤
を用いて重り１４，１５を接着する場合には、これらに
紫外線を一方向から同時に照射できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レーザビームプリンタ
やレーザファクシミリ等の画像形成装置に用いられる光
偏向走査装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】図６は、レーザビームプリンタやレーザ
ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる一般的な光
偏向走査装置を説明するもので、これは、レーザ光Ｌ₀
を発生する光源ユニット５０と、レーザ光Ｌ₀ を回転多
面鏡１０１の反射面に線状に集光させるシリンドリカル
レンズ５１とを有し、前記レーザ光Ｌ₀ を回転多面鏡１
０１の回転によって偏向走査し、結像レンズ系５２を経
て回転ドラム上の感光体５３に結像させる。結像レンズ
系５２は球面レンズ５２ａ、トーリックレンズ５２ｂ等
によって構成され、感光体５３に結像する点像の歪を補
正する機能を有する。また、偏向走査されたレーザ光の
一部分は反射ミラー５４によって光ファイバ５５の受光
端に導入され、走査開始信号に変換されて光源ユニット
５０に送信される。

【０００３】近年では光偏向走査装置の高速化が進み、
回転多面鏡１０１の回転速度が１０，０００ｒｐｍを越
えるものも開発されている。

【０００４】回転多面鏡１０１を回転させる駆動部は、
図５に示すように、光偏向走査装置の筐体にボールベア
リング１０２を介して支承された回転軸１０３と、これ
と一体であるフランジ部材１０４に一体的に結合された
ヨーク１０５ａおよびロータマグネット１０５と、モー
タ基板１０６に固定されたステータコイル１０７を有
し、回転多面鏡１０１は押えバネ１０８ａ、バネ押さえ
１０８ｂおよび止め金１０８ｃからなる弾性押圧機構１
０８によってフランジ部材１０４に押圧されて、回転軸
１０３やロータマグネット１０５と一体化される。

【０００５】モータ基板１０６上の駆動回路から供給さ
れた駆動電流によってステータコイル１０７が励磁され
ると、ロータマグネット１０５が回転多面鏡１０１とと
もに高速度で回転し、前述のように、回転多面鏡１０１
に照射されたレーザ光を偏向走査する。

【０００６】回転多面鏡１０１を前述のような高速度で
回転させると、回転多面鏡１０１、ロータマグネット１
０５、ヨーク１０５ａ、フランジ部材１０４および弾性
押圧機構１０８からなる回転体全体の軸方向および周方
向の質量のアンバランスに起因する動的不均衡によって
振れ回り振動等を発生し、このために、画像形成装置の
画質が劣化するおそれがある。そこで、回転多面鏡１０
１やロータマグネット１０５のヨーク１０５ａに環状の
バランス溝１０９，１１０を設け、これらに重り１０９
ａ，１１０ａを接着することで前記回転体の軸方向およ
び周方向の質量のアンバランスを解消するように工夫さ
れている。

【０００７】なお、各重り１０９ａ，１１０ａは金属粒
子やガラスビーズ等を紫外線硬化型等の光硬化型の接着
剤に混ぜたものであり、バランス溝１０９，１１０の適
切な部位に載置し、紫外線等の照明光を照射することで
硬化させてバランス溝１０９，１１０に接着する。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、回転多面鏡の外径の方がロータマグネ
ットのヨークの外径より大である場合や、ステータコイ
ルの内側にロータマグネットが配設された極めてコンパ
クトなインナーロータ型モータを用いる場合には、回転
多面鏡やステータコイルが邪魔になってロータマグネッ
トのヨークのバランス溝に重りを装着するのが極めて困
難であり、仮にロータマグネットのヨークのバランス溝
に重りを装着できたとしてもこれに紫外線等を照射する
際にはやはり回転多面鏡やステータコイルが障害とな
り、紫外線硬化型の接着剤等の光硬化型の接着剤を用い
た場合にこれを硬化させることができない。

【０００９】本発明は、上記従来の技術の有する未解決
の課題に鑑みてなされたものであり、回転多面鏡の振動
を防ぐための重りの取り付けが極めて簡単である光偏向
走査装置を提供することを目的とするものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の光偏向走査装置は、照明光を反射する回転
多面鏡と、これを回転させる駆動手段を有し、前記回転
多面鏡の表面に、所定の方向に開口する少なくとも２つ
の環状溝が設けられていることを特徴とする。

【００１１】回転多面鏡の表面が軸方向に陥没または突
出する段差部を有し、２つの環状溝のうちの一方が前記
段差部に配設されているとよい。

【００１２】回転多面鏡が軸方向と径方向の異なる位置
に少なくとも２つの反射面を有し、各反射面に隣接して
少なくとも１個の環状溝が配設されていてもよい。

【００１３】

【作用】各環状溝に所定の重さの重りを取り付けること
で、回転多面鏡の動的不均衡を解消し、回転中の振動を
防止する。回転多面鏡の表面に段差部を設けて、２つの
環状溝を回転多面鏡の軸方向および径方向に異なる位置
に配設し、各環状溝に装着する重りの重さと位置を適切
に選定すれば、回転多面鏡およびこれとともに回転する
ロータマグネット等を含む回転体全体の軸方向および周
方向の質量のアンバランスを解消し、回転多面鏡の動的
不均衡による振動を完全に防ぐことができる。

【００１４】すべての環状溝が回転多面鏡の表面に設け
られており、しかも、各環状溝が同一方向に開口してい
るため、該方向からの重りの取り付けが極めて容易であ
る。

【００１５】また、各環状溝に装着された重りを光硬化
型の接着によって接着する場合には、各環状溝の開口方
向からすべての重りに同時に紫外線等を照射して接着剤
を硬化させることができる。

【００１６】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１７】図１は第１実施例による光偏向走査装置の
主要部を示す模式部分断面図であって、これは、図示し
ない光源ユニットから発生された照明光であるレーザ光
を結像レンズ系に向かって偏向走査する多角柱状の反射
面１０ａを有する回転多面鏡１０と、筐体にボールベア
リング２を介して支承された回転軸３と、これと一体で
あるフランジ部材４を介して回転軸３と一体的に結合さ
れたヨーク５ａおよびロータマグネット５と、モータ基
板６に固定され、ロータマグネット５とともに駆動手段
を構成するステータコイル７を有し、回転多面鏡１０は
押えバネ８ａ、バネ押さえ８ｂ、止め金８ｃからなる弾
性押圧機構８によってフランジ部材４に押圧されて回転
軸３やロータマグネット５と一体化される。

【００１８】モータ基板６上の駆動回路から供給された
駆動電流によってステータコイル７が励磁されると、ロ
ータマグネット５が回転軸３や回転多面鏡１０とともに
回転し、前述のように、回転多面鏡１０に照射されたレ
ーザ光を偏向走査する。

【００１９】回転多面鏡１０は図示上面に第１の環状溝
であるバランス溝１１を有し、その内側に円形の段差部
である陥没部１２を備えており、該陥没部１２の底面１
２ａには第２の環状溝であるバランス溝１３が設けられ
ている。

【００２０】すなわち、第１、第２のバランス溝１１，
１３は回転多面鏡１０の径方向および軸方向の異なる部
位に配設され、しかも双方とも上向きに開口しており、
従って、回転多面鏡１０の図示上方から各バランス溝１
１，１３の任意の部位に重り１４，１５を装着すること
が極めて容易であり、また、各バランス溝１１，１３に
装着された重り１４，１５に対して一方向から同時に紫
外線等を照射することができる。

【００２１】なお、弾性押圧機構８は回転多面鏡１０の
陥没部１２の底面１２ａに当接され、この部分をフラン
ジ部材４に押圧する。

【００２２】重り１４，１５の取り付けは以下のように
行なわれる。弾性押圧機構８によって回転多面鏡１０を
フランジ部材４に押圧し、回転多面鏡１０をロータマグ
ネット５と一体的に結合させたうえでステータコイル７
を励磁し、ロータマグネット５とともに回転多面鏡１０
を回転させ、ロータマグネット５とヨーク５ａと回転多
面鏡１０と回転軸３等からなる回転体全体の軸方向と周
方向のそれぞれの動的不均衡を測定し、これらを解消す
るための重り１４，１５のそれぞれの重さおよび取り付
け位置を算出する。

【００２３】各重り１４，１５は光硬化型の接着剤であ
る紫外線硬化型の接着剤に金属等の粒子や塊状物を混ぜ
たものであり、必要であれば各バランス溝１１，１３に
複数ずつ分割して取り付けてもよい。

【００２４】各バランス溝１１，１３に重り１４，１５
を載せたうえでこれらに回転多面鏡１０の図示上方から
紫外線を照射して接着剤を硬化させ、重り１４，１５を
バランス溝１１，１３に固定する。

【００２５】本実施例によれば、回転多面鏡をロータマ
グネットに組み付けた状態で各バランス溝が回転多面鏡
の表面で上向きに開口しているため、バランス溝がロー
タマグネットのヨークに設けられている場合のように各
バランス溝に重りを取り付けるときに回転多面鏡やステ
ータコイルが邪魔になるおそれがない。従って、重りの
取り付け作業が簡単で光偏向走査装置の製造コストも大
きく低減できる。

【００２６】加えて、重りを接着するための接着剤にこ
れを硬化させる紫外線等の光を、各バランス溝の重りに
一方向から同時に照射することができるため、紫外線等
の照射時間を大幅に短縮して光偏向走査装置の組立時間
の短縮やエネルギーロスの低減に大きく貢献できる。

【００２７】すなわち、回転多面鏡の複数のバランス溝
に取り付ける重りの位置や重さを適切に選定することで
回転多面鏡やロータマグネットを含む回転体全体の動的
不均衡を完全に解消できるうえに、各バランス溝が回転
多面鏡の表面で同一方向に開口しているため、各バラン
ス溝に対する重りの取り付け作業が極めて簡単であり、
組立時間やエネルギーロスも大きく低減できる。従っ
て、高性能でしかも安価な光偏向走査装置を実現でき
る。

【００２８】本実施例は回転多面鏡に陥没部を設けてそ
こに第２のバランス溝を設けたものであるが、陥没部の
替わりに突出部を設けてもよい。

【００２９】また、紫外線硬化型等の光硬化型の接着剤
の替わりに、熱硬化型等の接着剤を用いることもでき
る。

【００３０】図２は第１実施例の一変形例を示すもの
で、これは回転多面鏡１０と一体であるロータマグネッ
ト５の径方向外側にステータコイル１７が配設されたイ
ンナーロータ型の駆動部を有する。ロータマグネット５
の外周面がステータコイル１７によって包囲されている
ためロータマグネット５やそのヨーク５ａにバランス溝
を設けても回転多面鏡１０を組み付けた状態では重りを
装置できないが、回転多面鏡１０の軸方向と径方向の異
なる部位に第１、第２の環状のバランス溝１１，１３が
設けられているために、これらに適切な重りを装着すれ
ば回転多面鏡１０とロータマグネット５を含む回転体全
体の動的不均衡を解消して回転多面鏡１０の振動を防ぐ
ことができる。

【００３１】図３は第２実施例による光偏向走査装置の
主要部を示し、これは、径方向の寸法の異なる第１およ
び第２の反射面２０ａ，２０ｂを有する回転多面鏡２０
を用いたものである。第１および第２の反射面２０ａ，
２０ｂの間の段差に図示上向きに開口する第１のバラン
ス溝２１を設け、小径の第２の反射面２０ｂの上端面に
第２のバランス溝２３を設け、各バランス溝２１，２３
に装着する重り（図示せず）の位置と重さを適切に選定
することで回転多面鏡２０とロータマグネット２５やそ
のヨーク２５ａを含む回転体の動的不均衡をすべて解消
する。

【００３２】このような回転多面鏡は、複数のレーザ光
を同時に偏向走査する場合に用いられる。ボールベアリ
ング２、回転軸３、フランジ部材４、モータ基板６、ス
テータコイル７、弾性押圧機構８等については第１実施
例と同じであるので同一符号で表わし説明は省略する。

【００３３】図４は第３実施例による光偏向走査装置の
主要部を示し、これは、ピラミッド状の反射面３０ａを
有するいわゆるピラミダルミラー３０を用いたものであ
る。この場合は、反射面３０ａと一体である円筒状の支
持部３２に段差３２ａ，３２ｂを設け、各段差３２ａ，
３２ｂに図示上向きに開口するバランス溝４１，４３を
配設する。ピラミダルミラー３０の支持部３２は、固定
軸３３のまわりにボールベアリング３４を介して回転自
在に支持され、支持部３２と一体であるロータマグネッ
ト３５は、モータ基板３６上に立設されたステータコイ
ル３７に対向している。

【００３４】本実施例はピラミダルミラーに限らず、回
転軸に対して傾いた１個または複数の反射面を有する傾
斜鏡面型等の回転多面鏡にも同様に適用できる。

【００３５】

【発明の効果】本発明は上述のとおり構成されているの
で、次に記載するような効果を奏する。

【００３６】回転多面鏡の振動を防ぐための重りの取り
付けが極めて簡単である。

【００３７】その結果、回転多面鏡が回転中に振動を起
こすおそれがないうえに製造コストの低い光偏向走査装
置を実現できる。このような光偏向走査装置を用いれ
ば、安価で高性能な画像形成装置を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】第１実施例による光偏向走査装置の主要部を示
す模式部分断面図である。

【図２】第１実施例の一変形例を示す模式部分断面図で
ある。

【図３】第２実施例による光偏向走査装置の主要部を示
す模式部分断面図である。

【図４】第３実施例による光偏向走査装置の主要部を示
す模式部分断面図である。

【図５】従来例を示す模式部分断面図である。

【図６】光偏向走査装置の全体を説明する説明図であ
る。

【符号の説明】

２，３４ボールベアリング３回転軸４フランジ部材５，２５ロータマグネット５ａ，２５ａヨーク６，３６モータ基板７，３７ステータコイル１０，２０回転多面鏡１１，１３，２１，２３，４１，４３バランス溝１２陥没部１４，１５重り３０ピラミダルミラー３３固定軸

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】照明光を反射する回転多面鏡と、これを
回転させる駆動手段を有し、前記回転多面鏡の表面に、
所定の方向に開口する少なくとも２つの環状溝が設けら
れていることを特徴とする光偏向走査装置。
【請求項２】回転多面鏡の表面が軸方向に陥没または
突出する段差部を有し、２つの環状溝のうちの一方が前
記段差部に配設されていることを特徴とする請求項１記
載の光偏向走査装置。
【請求項３】回転多面鏡が軸方向と径方向の異なる位
置に少なくとも２つの反射面を有し、各反射面に隣接し
て少なくとも１個の環状溝が配設されていることを特徴
とする請求項１または２記載の光偏向走査装置。
【請求項４】回転多面鏡が多角柱状の反射面を有する
ものであることを特徴とする請求項１ないし３いずれか
１項記載の光偏向走査装置。
【請求項５】回転多面鏡がピラミダルミラーを有する
ものであることを特徴とする請求項１ないし３いずれか
１項記載の光偏向走査装置。
【請求項６】各環状溝に装着された重りが、光硬化型
の接着剤によって前記環状溝に接着されていることを特
徴とする請求項１ないし５いずれか１項記載の光偏向走
査装置。