JP3149825B2 - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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JP3149825B2
JP3149825B2 JP22534297A JP22534297A JP3149825B2 JP 3149825 B2 JP3149825 B2 JP 3149825B2 JP 22534297 A JP22534297 A JP 22534297A JP 22534297 A JP22534297 A JP 22534297A JP 3149825 B2 JP3149825 B2 JP 3149825B2
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coil
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晃宏 品部
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誠一 高椋
政博 小山
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般家庭、あるい
は業務用に使用する炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の炊飯器は、例えば、図2
9に示されるような構成であった。図において、1は上
面が開口する円筒上のボディで、このボデイ1内部に
は、内鍋収納部である保護枠2が配設され、かつこの保
護枠2は非金属材料により有底円筒状に成形され、保護
枠2の上端部は前記ボデイ1の上端部内周囲に係合され
ている。
【0003】3は上端開口部に外方に突出するフランジ
4を形成した内鍋で、この内鍋3はフランジ4を上枠2
3の上面に懸架状態に載置するとにより、保護枠2内に
着脱自在に配設されている。保護枠2の外側には誘導コ
イル5が配設され、この誘導コイル5は、内鍋3の外周
面までの距離が一定となるように、前記保護枠2の外周
下部に耐熱性樹脂材料で成形されたコイルカバー6によ
り支持されている。
【0004】7は合成樹脂性の外蓋で、この外蓋7は上
枠23の上部に一体成形されたヒンジ部材8にピン9を
介して回動自在に支持されている。10は内カバーで、
この内カバー10は外蓋7の内面に固着されている。こ
の内カバ−10には発熱体である放熱板11が固定され
ており、この放熱板11の上部にはコイル支持台13に
支持されている誘導コイル12が位置している。この誘
導コイル12の電磁作用により放熱板11が発熱するの
である。そして、この放熱板11には放熱板11の温度
検知用のセンサ−14がアルミテ−プにより直接貼り付
けられており、放熱板11の温度を調節しているのであ
る。
【0005】16はヒンジ部材8と反対側に位置して保
護枠2の上端部に一体成形された係合部材で、この係合
部材16と対向するように外蓋7に係合レバ−17がピ
ン18を介して回動可能に指示されている。そして、鍋
パッキン20は、前記外蓋を閉じたときに内鍋3のフラ
ンジ4に圧接してその内鍋3を密閉するようになってい
る。
【0006】また、24は蒸気筒であり、おねばが外部
に吹きこぼれるのを防止している。25は、制御基板で
あり、誘導コイル12への通電状態や操作表示部26の
信号を入出力制御している。また、27は冷却ファンで
あり、制御基板25や誘導コイル5を冷却している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
炊飯器では、炊飯器の内鍋に対する本体の大きさが大き
く、持ち運び、設置性が悪いという課題があった。本発
明は、上記課題を解決するもので、コンパクトな構造の
炊飯器を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、本体と、前記本体の上部を覆うヒンジ部
で開閉自在に載置された蓋と、前記本体内に着脱自在に
収納された内鍋と前記内鍋を囲う保護枠と、前記内鍋を
誘導加熱する底加熱コイルと、前記底加熱コイルの巻線
方向に直角に配置したフェライトと、前記底加熱コイル
に高周波電力を供給する制御部と、前記本体底部に設置
された防磁板とを備え、前記底加熱コイルは内コイル及
びその外周に配設された外コイルを有し、前記フェライ
トの一部を前記外コイルを覆うに止めるとともに、前記
防磁板を前記内コイルの底面に配設してなるものであ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は本体と、前
記本体の上部を覆うヒンジ部で開閉自在に載置された蓋
と、前記本体内に着脱自在に収納された内鍋と前記内鍋
を囲う保護枠と、前記内鍋を誘導加熱する底加熱コイル
と、前記底加熱コイルの巻線方向に直角に配置したフェ
ライトと、前記底加熱コイルに高周波電力を供給する制
御部と、前記本体底部に設置された防磁板とを備え、前
記底加熱コイルは内コイル及びその外周に配設された外
コイルを有し、前記フェライトの一部を前記外コイルを
覆うに止めるとともに、前記防磁板を前記内コイルの底
面に配設してなることにより、炊飯器本体をコンパクト
化可能となり、設置性、持ち運び性を、飛躍的に向上さ
せることができる。
【0010】請求項2記載の発明は、内鍋の温度検知を
行う温度検知装置を備え、前記本体底部には温度検知装
置の周囲に略リング状の防磁板を配置してなることによ
り、より防磁効果が向上し、より一層のコンパクト化が
実現できるのである。請求項3記載の発明は本体底部に
配置している防磁板は前記本体の嵌合部による爪嵌合に
より固定されてなることにより、組立性の向上及び外見
確認が可能になるのである。
【0011】
【実施例】(実施例1) 本発明の第1の実施例について、図1〜図6を用いて説
明する。図に開示されるように、本発明の特徴は、操作
基板や冷却ファンの配置、蒸気筒、底センサー、加熱基
板等のコンパクト化を実現するための工夫点にある。当
該工夫点について、順に説明する。
【0012】先ず、炊飯器本体31が、ステンレス等の
誘導加熱材質上に設置された場合に、当該材質が誘導加
熱され、発熱する虞があった為に、従来は、底加熱コイ
ル32と本体31の底面間には、所定の距離を置くのが
一般的であった。また、かかる距離があるために、底セ
ンサー33の高さ方向は、十分余裕をもって設計可能で
あった。
【0013】しかしながら、本体31のコンパクト化の
為には、当該底面空間部を省スペース化する必要があ
り、そのために、幾つかの対策を講じている。先ず、図
5に示すように、本体31の底面部にアルミ等の防磁板
34を配置して、本体31の下部に磁気が通過しにくい
構造とした。更に一層の防磁効果を得るために防磁板3
4を底センサー33のアルミの部分部を除いた略リング
状にしている。また、防磁板34の固定方法であるが、
図6の示すように本体31よりなる係合部31aにて爪
嵌合により固定している。このことにより防磁板34の
組立性の向上及び防磁板34の有無を外観からの確認が
可能になるのである。尚、かかる防磁板34の設置は、
電磁調理器等においては周知の技術であるが、本炊飯器
に用いるに際して、底センサー33と防磁板34のつな
ぎ部分にフェライトを対向させることにより、一層防磁
効果を高めている。
【0014】次に、縦方向の距離を縮めるための第2の
対策として、底センサー33の高さ方向の短縮化が課題
となる。この点に関しては、底センサー33を内鍋35
の底面に接圧するためのバネ36の線形を、従来より細
くすることにより、鍋底に対して、従来と同様な接圧を
保持しつつバネ36の高さ方向を短縮することを可能と
している。また、底サーミスタ37からの信号線38及
び温度ヒューズ39の引き出しを、従来のように底セン
サー33の底部から引き出すのでは無く、円筒部40の
一部から引き出し、縦方向の短縮化を行っている。この
際、信号線38の取付性を良くするために、底センサー
33の円筒部40の底面から、くの字状の切り欠き41
を設け、当該箇所に信号線38を這わせている。
【0015】また、底センサー33の円筒部40の高さ
を必要以上に低くすると、底センサー33内部に熱がこ
もる等して、底サーミスタ37の感度が悪くなるおそれ
があるが、かかる事態を避けるために、本体の足部42
の高さ以内において、底センサー33下部に突出部43
を設け、内鍋35と本体31の底面との距離を短縮しつ
つ、底センサー33の円筒部40の高さを確保してい
る。
【0016】また、底加熱コイル32による磁界が、炊
飯器本体外部へ漏れるのを防止するとともに、内鍋35
への誘導加熱を促進するために、従来から底加熱コイル
32の外周に、底加熱コイル32と直角方向にフェライ
ト44を6本程度放射線状に配置していたが、その内3
本は、外コイル44を覆うに止めている。それは、内コ
イル45は外コイル44に比べて、表皮面積が小さいこ
と、また、内コイル45の底面の本体側にアルミ等の防
磁板34を配設していることにより防磁効果を確保して
いること、等の理由による。従って、かかる構造によ
り、本体1の高さ方向を低く抑えることが一層容易とな
る。
【0017】(実施例2) 次に、蓋に関連する内容等について、図7〜図17を用
いて説明する。従来、本体内の前面部及び底面部に配置
されていた操作基板、及び加熱基板等の取扱いについて
説明する。従来、本体底面部の空間距離は、上述のよう
に炊飯器載置部の不要な加熱を避ける等ため必要不可欠
とされていた。従って、かかる空間部を、前面操作を可
能とするための操作基板を載置する箇所等としていた
が、当該部品を、本体の蓋部及びヒンジ部の下部周辺に
配置することにより、本体の前面部のスペースを不要と
し、且つ、ヒンジ部下部及び蓋内部の空間を有効利用
し、本体前面部及び底面部をコンパクト化することがで
きた。
【0018】しかしながら、操作基板46を蓋47の内
部に配置するためには、以下の課題があった。先ず、蓋
47の内部には、蓋下面に設けられた着脱自在の放熱板
48を加熱するための蓋コイル49を配しており、当該
蓋コイル49による磁界の影響を受けにくい構造とする
必要があった。また、蓋47の内部には、蒸気筒50や
蓋センサー51等を配置する必要があるために、配置場
所が制約されること、及び蓋47の重量が不要に嵩むの
を抑える必要があった。
【0019】以上の課題に対して、先ず、操作基板46
に配置されたマイコンやIC等の下部近くに蓋フェライ
ト52を配置し、蓋コイル49のマイコンやIC等への
磁界の影響を低減することとした。また、蓋フェライト
52の配置方法として、従来は、図23のように蓋コイ
ル49に対して縦方向に放射線状に配置されていたもの
を、今回、図7に示すように蓋コイル49に沿って配置
するとともに、蓋フェライト52の本数を、6本から3
本に低減している。これは、円周方向の蓋フェライト5
2のカバーする範囲に着目したものであり、1つの短冊
状の蓋フェライト52は、縦方向の長さが横方向より約
3倍程度ある為、本数を半分に減らしても、蓋コイル4
9の円周方向のカバー範囲が逆に増えるため、従来の約
半分の蓋フェライト52で同性能以上の効果を得ること
が可能となったものである。かかる構成によって、円周
方向の磁界の影響を従来より低減することが可能とな
り、しかも、蓋47の重量が嵩むのを抑えることができ
る。
【0020】次に、蓋47の内部に配置した操作基板4
6の真下に蓋センサー51を設けることにより、蓋47
の内部のスペースを有効活用し、且つ、組立性を考慮し
た設計を行うことが可能となった。具体的な構成を、以
下説明する。蓋47の内側には、着脱自在の放熱板48
が配設されている。これは、炊飯器の使用者が、常に清
潔性を保って使用可能とするために、着脱自在としたも
ので、丸洗いを容易に可能としたものである。しかしな
がら、かかる放熱板48を取り外したままで炊飯を行え
ば、満足な炊飯性能は得られない事から、当該放熱板4
8が確実に装着された状態であるか否かを検知しなけれ
ばならない。また、近年の炊飯器では、炊飯性能を向上
させるために、内鍋35内の温度を検知し、当該温度か
ら炊飯状態を推測する手段が採られており、当該蓋セン
サー51には、かかる機能を併せ持たせている。
【0021】また、蓋センサー51は、放熱板48に当
接すべく、センサーバネ53によって下方に付勢されて
いるが、同時に蓋サーミスタ4をアルミ等で囲むことに
より、蓋コイル49による磁界の影響を回避している。
また、蓋センサー51は、上述の底センサー33と異な
り、蓋センサー51自体に大きな負荷が加わらないこと
等から、底センサー33に比較してセンサーバネ53の
強度等を低く抑えることが可能であり、コンパクトにま
とめることが可能である。一方、蓋47の内部に蒸気等
が侵入するのを防止するために、蓋センサー51の周辺
にはパッキン55を設けて、当該部分のシール性を確保
する必要がある。
【0022】また、蓋センサー51は、その円筒形状の
底面部の中央を窪ませている。これは、当該底面部全体
を放熱板48に圧接させることで、温度検知性能を向上
させるためのものである。また、その為に、当該円筒形
状の蓋センサー51自体は、上下移動する際に蓋センサ
ー51の左右の軸が水平移動を強制されず、放熱板の微
妙な傾きに対応可能とし、底面部の窪みの周辺が放熱板
48に3点で当設する構成としている。
【0023】また、図8に示すように、放熱板48が蓋
47に装着されると、蓋センサー51は上方に押し上げ
られるが、かかる上方への移動により、蓋センサー51
を構成する円筒部の一部に取り付けられていた磁石56
の移動を、リードスイッチ57等により関知し、放熱板
48の装着を確認できる構造としている。ここで、当該
蓋センサー51を操作基板46の取付用ユニット58に
一体に載置することにより、操作基板46と蓋センサー
51をユニットとして扱うことが可能となり、組立性を
向上させている。また、組立性だけでなく、かかる蓋セ
ンサー51を操作基板46の下部に配置することによっ
て、蓋サーミスタ54からの信号線を短くすることが可
能となり、当該信号線にノイズが重畳しやすくなるのを
回避することができる。
【0024】また、蓋47の内部が過度に高温となるの
を防止するために、操作基板46には、トライアック等
の発熱部品の配置を避けるとともに、操作基板46の真
下に蓋サーミスタ54を配置することによって、放熱板
48の温度を検知するとともに、操作基板46に悪影響
を及ぼす程の温度に至っていないかを直に検知可能とし
ている。
【0025】なお、放熱板48の装着状態の検知は、本
実施例では蓋センサー51の上下移動に連動する磁石5
6等を用いたが、当該実施例に限定されるものではな
く、例えば、放熱板48に設置された放熱板磁石58に
より検知することも可能である。また、蓋47の上部を
フラットな構造としてデザイン性を追求する一方、かか
る場所に、誤ってスプーン等の誘導加熱され易い物が載
置された場合に、加熱されて熱くなるのを防止する必要
がある。そのため、蓋47の内部の蓋コイル49の上方
には、アルミ等の防磁板59を配設している。
【0026】また、本実施例では、蓋47の内部に操作
基板46等を配置するとともに、本体31の前面部の部
品を削除し、且つ、本体31の後部のヒンジ部60の下
部周辺に部品を集約等しているため、本体の重心が後ろ
側にあり、蓋を開けた場合に不用意に本体全体が後ろに
転倒するおそれが生じる。従って、かかる事態を防止す
る必要がある。
【0027】即ち、当実施例の蓋47は、フックレバー
61を押すことにより、当該部分の係合が外れ、同時に
ヒンジ部60に配設されたヒンジバネ61によって蓋4
7を開方向に付勢しているが、本体31の前面部に重量
部品が無いこと等から、蓋47が開いた時に、勢い余っ
て後方に転倒しやすい状況となる。そこで、図13に示
すように、ヒンジ部60に、蓋47の開成角度が大きく
なるに従って閉方向への付勢力を増すような板バネ63
を載置している。当該板バネ63は、図13に開示され
るように、蓋47の開きが大きくなるに従い、序々にそ
の反対方向への付勢力が増すように樹脂部64への当た
り角度を大きくする構造としている。かかる構成によ
り、蓋47開時の勢いにより本体31が不用意に後部に
転倒するのを防止することができる。また、図17に示
すように、本体31の後面ほぼ中央部にリブ65を配設
し、本体31の転倒を防止している。
【0028】また、本体31を持ち運ぶ際のハンドルに
関しては、ヒンジ部60の下部に重量部品等を配置して
いる等の関係から、本体31を持ち上げた際に、後方に
傾くのを防止すべく、本体中央より後ろ側に軸を取り付
け、重心が良好な位置とし、持ち運び性を良くしてい
る。 (実施例3) 次に、蒸気筒周辺の内容について図18〜図20を用い
て説明する。蓋47の高さ方向を低く抑えるために、蒸
気筒50も従来より縦方向に低く抑えるとともに、蓋4
7の開閉状態を検知する複合機能を備えさせている。
【0029】具体的には、蓋47を開閉した際に移動可
能なフロート66を内部に有する蒸気筒50と、当該フ
ロート66の移動を検知するフロート検知部67を蒸気
筒50周辺に配設し、フロート66は、蓋47が開いた
際にヒンジ部60側に移動するのを利用して、蓋47の
開閉を検知している。また、フロート66は、蓋47が
閉まった状態では、蒸気の吹き出し口68の上部を覆う
ように配設しており、フロート6を円筒状、または球状
の磁石により形成し、一方、蒸気筒50の下面に当該フ
ロート66の移動をガイドする溝69を設け、フロート
66に取り付けられた当該窪んだ溝69にガイドされる
凸部を全周に渡って設けている。また、当該溝69は、
おねば発生時に当該おねばの通過道を形成するととも
に、フロート66がおねばによって移動不可能となるの
を防止する役目も担うものである。
【0030】また、当該フロート66等の構成に関して
は、例えば、フロート66に磁気性のものを使用して、
フロート検知部67にリードスイッチを用いたり、ある
いは、光センサーをフロート検知部67に使用し、フロ
ート66の存在をその反射の有無等により検知する等の
方法が考えられるが、いずれにしても、フロート6が蒸
気のみによっては移動不可能せず、おねばの上昇に伴い
移動するような重量、及び蒸気筒50の底部の傾斜角度
としている。当該重量等とおねばとの関係は、実験によ
れば、円柱状のフロートを使用した場合、底面角度を約
12度程度にすれば、2〜4グラム程度の重量が炊飯時
のふきこぼれに対して適正であるとの結果が得られた。
【0031】また、蒸気筒50の内容積は、コンパクト
化の為に小さくしているものの、フロート検知部67に
より、フロート66の動きを検知し、その検知内容に応
じて、底加熱コイル32等への高周波電力の供給を制御
しており、当該構成により、従来よりも小スペースな蒸
気筒50を使用することが可能となった。即ち、おねば
の上昇に伴い、フロート66の下部におねばが溜まり、
内部圧力の上昇により、フロート66が移動し、フロー
ト検知部67が動作することにより、上記効果が得られ
るものである。
【0032】また、蓋47の急激な開閉によるフロート
66の急激な動きによって、蒸気筒50内部が破損する
ことが無いように、フロート66の移動の最終点付近の
側面部には、リブを設けて補強している。更に、同様な
効果を持たせる為、フロート66の表面を樹脂で覆って
いるが、当該構成によれば、フロート66の移動に発生
する音を低く抑えることができる。
【0033】また、蒸気筒50は、従来同様に取り外し
可能として、使用者が自由に丸洗いすることを可能とし
ているが、吹き出し口68が底面の最下点に設けられて
いることから、水洗い後の水が蒸気筒50内に残り難
く、この点でも清潔性を確保することができる。また、
蓋47の開閉状態の検知は、蒸気筒50の内部に設けら
れたフロート66が、蓋47を開けた場合にフロート検
知部67から離れることを利用しているが、蓋47を閉
める際に、蓋47の上部を押さえて閉める事が考えられ
る。一方、蓋47の上部には、操作基板46を有するた
め、間違って、操作ボタン等を押さえた状態で蓋47を
閉めることも予想される。このため、蓋47の閉状態移
行後は、所定時間操作基板46上のキー入力受付を禁止
し、使用者の意図しない操作を禁止している。また、こ
の際に、使用者が当該キーを受け付けない理由が容易に
判るように表示部にその旨を表示することとしている。
【0034】また、誤って、蓋47を閉めた場合に、長
時間に亘り、蓋47を押している場合を想定し、使用者
がその実行が判りにくいキー、例えば、炊飯コース等の
選択キーを中央前面に配置するのを避けている。従っ
て、炊飯の開始キー等のように、万一キーが受け付けら
れた場合に、使用者が、比較的その変化が判り易いキー
を蓋47の上面前方であって、使用者が蓋47を閉める
際に押さえ易い箇所に配置している。
【0035】(実施例4) 次に、ヒンジ部60下部周辺の構造について図21〜図
26を用いて説明する説明する。加熱基板70等をヒン
ジ部60下部に配置するに当たっては、幾つかの課題が
あるが、特に冷却性能の確保と、ヒンジ部60周辺から
の水滴の滴下が問題となる。
【0036】ヒンジ部60周辺は、蒸気等や内鍋35装
着時等に水が付着し、ヒンジ部60周辺を伝って水が本
体内部に侵入しやすい箇所である。そこで、当該箇所に
加熱基板70を配置するには、電気部品の絶縁の確保が
不可欠である。また、ヒンジ部60下部に加熱基板70
を配設するに際して、蓋47に配置された操作基板46
と、ヒンジ部60を介して電気的に接続するリード線7
1の引き回しが問題となる。当該課題を解決するため
に、図21に示すように、リード線71を縦方向にS字
状に配している。かかる構成により、リード線71を伝
わって流れてきた水等が、加熱基板70にかからない構
造としている。具体的には、リード線71を上述のS字
状とするために、ヒンジ部60に交互に縦方向のリブ7
2、73を配設し、また、S字状の配線の最下点74に
対向する部分を、本体31の内側と若干の隙間を設けて
配設すべく延設し、当該延設部75の最先端より内側
に、加熱基板70等の電気部品を配置している。
【0037】また、ヒンジ部60のカバー板76には、
扇状等にしたリブを設け、加熱基板70等に誤って水滴
が滴下するのを防止している。また、冷却性能の確保に
関しては、冷却ファン77を本体下部のコーナーに配置
することにより、底加熱コイル32や加熱基板70等の
冷却を可能としている。具体的には、ヒンジ部60の下
部の狭いスペースに加熱基板70等を集約して配置して
いるため、放熱に関する問題が発生しやすい。そこで、
図22に示すように、冷却ファン77を本体31下部の
コーナーに配置し、当該冷却ファン77に対向する本体
部分に吸気孔78を設けている。また、排気孔79を本
体下部前面及び下部側面に設けることにより、吸気孔7
8から吸気した冷気をスムーズに、加熱基板70及び底
加熱コイル32を介して前方あるいは側方に導いてい
る。
【0038】この点、従来は、冷却ファン77を本体下
方に水平に配置していたが、本発明では、本体31をコ
ンパクト化する際に、そのまま冷却ファン77を下方に
水平に配置したところ、満足な冷却性能を得ることがで
きなかった。これは、コンパクト化に伴い、内鍋35と
本体31の底面間の距離が短縮されたことにより、冷却
ファン77を水平に配置した場合に、十分な冷風の吸入
空間を得ることができず、冷風ファン77の下部の風路
抵抗が強まったことが原因であった。また、水平な配置
では、冷風が前方に流れ難いことも風路抵抗を増加させ
る原因の一つであった。そのため、冷却ファン77を斜
めに配置するとともに、本体31の下部コーナーに大き
なRを持たせ、かかる部分に吸気孔78を配置して、冷
却ファン77に対抗させている。
【0039】また、図23に示すように、コードリール
80を本体31のコーナーに配置し、加熱基板70また
は電源基板81のいずれか一方を前記コードリール80
と反対側のコーナーに配設している。かかる構造によ
り、ヒンジ部60の下部のスペースを有効に利用してい
るが、この際、コードリール等は、縦方向に内鍋35の
外周を囲む保護枠82に沿って配置されるため、保護枠
を広い範囲で囲むことが可能となり、内鍋35の保温効
果の役割を果たすための断熱構造をも兼ね備えている。
【0040】また、コードリール80は、その電源基板
81との接続部である電源ライン端子82側を外側に向
け、且つ、コードリール80の引き出し部83を本体3
1の後面に向けて配置しているが、当該構造によれば、
コードリール80の外体が、冷却ファン77の冷風を加
熱基板70側に導く風向ガイドの役目を果たしている。
【0041】また、図24に示すように、コードリール
80の電源コードの引き出し部83は、本体31の底後
部から排出されるようにしているが、当該引き出し部8
3付近の取出口用の部材を、前述の本体転倒防止用のリ
ブ65に兼用することができる。さらに、当該コードリ
ール80の本体側は、コードリール80の外装により防
磁されているため、磁界により発熱しては不適当な部
品、例えば、センサー等を載置している。
【0042】また、加熱基板70と直角に冷却フィン8
4を配設し、当該冷却フィン84上に冷却ファン77を
取付ている。当該冷却フィン84は、その断面を略三角
形とし、また、冷風の流れを本体31の後部の吸気孔7
8から本体31の側面または前面に導くために、冷却フ
ィン84の羽根85を本体の前後に向かうように配設し
ている。また、加熱基板70の発熱部品を当該冷却フィ
ン84に取付けて冷却を確保するとともに、本体の落下
等による衝撃を抑えるため、加熱基板70の一部にビス
取付部86を設け、当該ビス取付部86に冷却フィン8
4をネジ止めしている。
【0043】なお、底加熱コイル32への電流供給用の
リード線に関しては、従来は加熱基板70上に設けられ
たコネクター部にて、底加熱コイル32と加熱基板70
上の配線部とが接続されていたが、当該コネクター部
は、通常大電流を供給するために、大きなものが必要で
あり、本体のコンパクト化を阻害しやす。そのため、加
熱基板70の配線をボードインタイプ等として、加熱基
板70上の接続部の負担を避け、保護枠82上にターミ
ナル端子接続部87を設けることで、組立の良好性及び
スペース性を確保している。
【0044】また、冷却フィン84上に載置された加熱
基板70は、発熱が大きい部品ほど下側に配置し、上方
空間を効果的に冷却空間としている。具体的には、底加
熱コイル32への高周波電力を供給制御するためのIG
BT等を冷却フィン84に取付けるとともに、比較的発
熱の大きな整流素子等が下側となるように配置してい
る。
【0045】また、吸気孔78付近には排気孔79から
の排気と吸気のための冷風が混ざるのを防止するため
に、リブ88を設けているが、当該リブ88を前述の後
方転倒用のリブと兼用している。同様に、本体31の内
部にも、吸排気の混在を防止するためのエアガイド用の
ガイドリブ89を設け、冷却ファンの負担を抑えてい
る。
【0046】(実施例5) 次に、側面部等の構造について図27〜図28を用いて
説明する。保護枠82の側面には、側面から内鍋35を
加熱するための側面加熱コイル90が配設されるが、当
該側面加熱コイル90は、その部品点数及び組立工数を
減らすために、保護枠胴部91に設けられたL字状の溝
92に係合させる構造としている。
【0047】従来は、側面加熱コイル90の取付は、テ
ープ等によって保護枠胴部91に固定していたが、保護
枠胴部91の側面にL字状の溝92である引っかけ部を
設け、当該引っかけ部に係合させることにより固定して
いる。かかる構成により、側面加熱コイルの設置位置が
安定し、炊飯性能を向上させることができるとともに、
テープ分のコストダウンを図る事ができる。
【0048】また、鍋の形状に沿って、本体下面にコー
ナを設けることにより、本体の置場所の自由度をより高
めた構造としている。また、従来の炊飯器と比べて、内
鍋35から本体31の前方外側までのスペースに部品を
配置するのを極力防止したため、内鍋35から炊飯器前
方外側までの距離が小さくなり、使用者がご飯をよそう
場合等、その使用性を一段と向上させたものである。さ
らに、本体31の前面部の高さを内鍋35の上面以下と
したことにより、更に、ご飯をよそう際の使用性を向上
させたものである。
【0049】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、炊飯器本体をコンパクト化することが可能とな
り、設置性、持ち運び性を、飛躍的に向上させることが
できる。
【0050】また、請求項2記載の発明によれば、底セ
ンサーを除いた略リング状の防磁板を配置してなること
により、より防磁効果が向上し、より一層のコンパクト
化が実現できるのである。また、請求項3記載の発明に
よれば、本体底部に配置している防磁板は前記本体の係
合部による爪嵌合により固定されてなることにより、組
立性の向上及び外見確認が可能になるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の炊飯器の要部縦断面図
【図2】同、炊飯器の要部破断断面図
【図3】同、炊飯器の底センサー周辺の概要図
【図4】同、炊飯器の底センサーの要部斜視図
【図5】同、炊飯器の底部の概要図
【図6】同、炊飯器の要部断面図
【図7】本発明の第2の実施例の炊飯器の蓋コイルの概
要図
【図8】同、炊飯器の蓋の要部断面図
【図9】同、炊飯器の要部破断断面図
【図10】同、炊飯器の蓋部周辺の要部破断断面図
【図11】同、炊飯器の蓋コイル周辺の概要図
【図12】同、炊飯器の蓋周辺の破断断面図
【図13】同、炊飯器のヒンジ部周辺の断面図
【図14】同、炊飯器のヒンジ部周辺の別の断面図
【図15】同、炊飯器のヒンジ部付近を破断した図
【図16】同、炊飯器のヒンジ部付近の要部外観図
【図17】同、炊飯器の本体外観図
【図18】本発明の第3の実施例の炊飯器の蒸気筒の外
観図
【図19】同、炊飯器の蒸気筒の要部断面図
【図20】同、炊飯器の蒸気筒付近を破断した図
【図21】本発明の第4の実施例の炊飯器のヒンジ部周
辺のリード線の状態を示した図
【図22】同、炊飯器の冷却ファン周辺の要部部品の外
観図
【図23】同、炊飯器の部品配置図
【図24】同、炊飯器の底部の要部外観図
【図25】同、炊飯器の要部破断断面図
【図26】同、炊飯器の加熱基板の概要図
【図27】本発明の第5の実施例の炊飯器の加熱基板周
辺を破断した図
【図28】同、炊飯器の側面コイル周辺の要部分解図
【図29】従来の炊飯器の要部断面図
【符号の説明】
31 本体 31a 本体係合部 32 底加熱コイル 33 底センサー 34 防磁板 35 内鍋 47 蓋 60 ヒンジ部 82 保護枠
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小山 政博 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−246156(JP,A) 特開 平6−217873(JP,A) 特開 平9−322849(JP,A) 特開 平8−332144(JP,A) 特開 平7−177960(JP,A) 特開 平7−275117(JP,A) 特開 平8−8522(JP,A) 実開 平2−106133(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A47J 27/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体と、前記本体の上部を覆うヒンジ部
    で開閉自在に載置された蓋と、前記本体内に着脱自在に
    収納された内鍋と前記内鍋を囲う保護枠と、前記内鍋を
    誘導加熱する底加熱コイルと、前記底加熱コイルの巻線
    方向に直角に配置したフェライトと、前記底加熱コイル
    に高周波電力を供給する制御部と、前記本体底部に設置
    された防磁板とを備え、前記底加熱コイルは内コイル及
    びその外周に配設された外コイルを有し、前記フェライ
    トの一部を前記外コイルを覆うに止めるとともに、前記
    防磁板を前記内コイルの底面に配設してなる炊飯器。
  2. 【請求項2】 内鍋の温度検知を行う底センサーを備
    え、防磁板を前記底センサー部を除いた略リング状の形
    状としてなる請求項1記載の炊飯器。
  3. 【請求項3】 本体底部に配置している防磁板は前記本
    体の係合部による爪嵌合により固定されてなる請求項1
    記載の炊飯器。
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