JP3149489B2 - 車両用シートにおけるシートクッションの位置調節装置 - Google Patents
車両用シートにおけるシートクッションの位置調節装置Info
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- JP3149489B2 JP3149489B2 JP33086791A JP33086791A JP3149489B2 JP 3149489 B2 JP3149489 B2 JP 3149489B2 JP 33086791 A JP33086791 A JP 33086791A JP 33086791 A JP33086791 A JP 33086791A JP 3149489 B2 JP3149489 B2 JP 3149489B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に配設される車両
用シートにおけるシートクッションの位置を調節するシ
ートクッションの位置調節装置に関する。
用シートにおけるシートクッションの位置を調節するシ
ートクッションの位置調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両に配設される車両用シート
の下部には車体に固定された一対のシートトラックが配
置されており、このシートトラック上をシートクッショ
ン及びシートバックが一体にスライドするように構成さ
れている。従って、乗員はシートクッションに着座した
後、操作レバー等の操作手段を操作することにより、自
己の体格に合わせて車両用シートを前後動させることが
できる。
の下部には車体に固定された一対のシートトラックが配
置されており、このシートトラック上をシートクッショ
ン及びシートバックが一体にスライドするように構成さ
れている。従って、乗員はシートクッションに着座した
後、操作レバー等の操作手段を操作することにより、自
己の体格に合わせて車両用シートを前後動させることが
できる。
【0003】また、この種の車両用シートにおいて、シ
ートバックの前後方向位置を変更しないで、シートクッ
ションのみをシートバックとは独立に前後動可能にした
ものが、既に本件出願人により案出されている(一例と
して、実開昭61−3133号公報参照)。この構造で
は、シートクッションの下部に操作ノブの操作によって
変位する平行リンク機構を設け、これによりシートクッ
ションの座面角度を変更しないでシートクッションを前
後動させるように構成されている。
ートバックの前後方向位置を変更しないで、シートクッ
ションのみをシートバックとは独立に前後動可能にした
ものが、既に本件出願人により案出されている(一例と
して、実開昭61−3133号公報参照)。この構造で
は、シートクッションの下部に操作ノブの操作によって
変位する平行リンク機構を設け、これによりシートクッ
ションの座面角度を変更しないでシートクッションを前
後動させるように構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両用シー
トのシートクッションの座面高さは、通常、大人の標準
体格に合わせて設定されているが、乗員にとっての最適
なシートクッションの座面高さ及び前端位置は個々に相
違する。例えば、大柄な乗員にとってのシートクッショ
ンの最適なポジションは、標準体格の場合に比べシート
クッションにおける後端部(ヒップポイント)が低く、
かつシート前端部が大腿部を支持すべく車両前方側に移
動した位置である。逆に、小柄な乗員にとってのシート
クッションの最適なポジションは、標準体格の場合に比
べシートクッションにおけるシート後端部が高く、かつ
シート前端部が車両後方側へ移動した位置である。
トのシートクッションの座面高さは、通常、大人の標準
体格に合わせて設定されているが、乗員にとっての最適
なシートクッションの座面高さ及び前端位置は個々に相
違する。例えば、大柄な乗員にとってのシートクッショ
ンの最適なポジションは、標準体格の場合に比べシート
クッションにおける後端部(ヒップポイント)が低く、
かつシート前端部が大腿部を支持すべく車両前方側に移
動した位置である。逆に、小柄な乗員にとってのシート
クッションの最適なポジションは、標準体格の場合に比
べシートクッションにおけるシート後端部が高く、かつ
シート前端部が車両後方側へ移動した位置である。
【0005】従って、上述した構造では、シートクッシ
ョンが前後動しかしないため、乗員の体格に応じてシー
トクッションを最適なポジションにするという要請の達
成度は不十分であった。
ョンが前後動しかしないため、乗員の体格に応じてシー
トクッションを最適なポジションにするという要請の達
成度は不十分であった。
【0006】本発明は上記事実を考慮し、単一の操作手
段による操作で乗員の体格に応じてシートクッションを
最適なポジションに位置させることができる車両用シー
トにおけるシートクッションの位置調節装置を得ること
が目的である。
段による操作で乗員の体格に応じてシートクッションを
最適なポジションに位置させることができる車両用シー
トにおけるシートクッションの位置調節装置を得ること
が目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、車両に配設さ
れる車両用シートにおけるシートクッションの位置を調
節するシートクッションの位置調節装置であって、シー
トクッションの一方の側部に把持可能かつシート幅方向
を軸方向とする回転中心軸回りに回転可能に設けられ、
相反する回転方向である第1の方向及び第2の方向を操
作方向として有する操作手段と、この操作手段による操
作力を当該操作手段の回転中心軸上に固着されたピニオ
ンギヤ及びこのピニオンギヤと噛み合うように配置され
た減速ギヤを介して受けて揺動し、セクタギヤから成る
第1の揺動手段と、この第1の揺動手段とシート幅方向
に対向してシートクッションの他方の側部側に配置され
たリンクから成る第2の揺動手段と、シートクッション
の前端部側にシート幅方向を長手方向として配置される
と共に第1の揺動手段と第2の揺動手段の下端部同士を
連結し、第1の揺動手段と第2の揺動手段とを同期して
揺動させる第1の連結手段と、第1の揺動手段及び第2
の揺動手段とシート前後方向に対向してシートクッショ
ンの後端部側に揺動可能に配置されると共に上端部がシ
ートクッションの後端部付近と連結され、揺動すること
によりシートクッションの後端部を車両上下方向へ変位
させる一対の後端部変位手段と、シートクッションの両
側部側にシート前後方向を長手方向として配置されると
共に第1の揺動手段及び第2の揺動手段の上端部側と一
対の後端部変位手段の下端部同士を連結し、当該一対の
後端部変位手段を第1の揺動手段及び第2の揺動手段と
同期して揺動させる第2の連結手段と、上端部がシート
クッションの前端部付近と連結されると共に下端部が第
1の連結手段に揺動可能に軸支され、後端部変位手段の
揺動に追従して揺動することによりシートクッションの
前端部を車両前後方向へ変位させる前端部変位手段と、
を有し、さらに、操作手段が第1の方向へ回転された場
合には、一対の後端部変位手段が揺動することによりシ
ートクッションの後端部を車両下方側へ変位させると共
に前端部変位手段が揺動することによりシートクッショ
ンの前端部を車両前方側へ変位させ、操作手段が第2の
方向へ回転された場合には、一対の後端部変位手段が揺
動することによりシートクッションの後端部を車両上方
側へ変位させると共に前端部変位手段が揺動することに
よりシートクッション の前端部が車両後方側へ変位され
る、ことを特徴としている。
れる車両用シートにおけるシートクッションの位置を調
節するシートクッションの位置調節装置であって、シー
トクッションの一方の側部に把持可能かつシート幅方向
を軸方向とする回転中心軸回りに回転可能に設けられ、
相反する回転方向である第1の方向及び第2の方向を操
作方向として有する操作手段と、この操作手段による操
作力を当該操作手段の回転中心軸上に固着されたピニオ
ンギヤ及びこのピニオンギヤと噛み合うように配置され
た減速ギヤを介して受けて揺動し、セクタギヤから成る
第1の揺動手段と、この第1の揺動手段とシート幅方向
に対向してシートクッションの他方の側部側に配置され
たリンクから成る第2の揺動手段と、シートクッション
の前端部側にシート幅方向を長手方向として配置される
と共に第1の揺動手段と第2の揺動手段の下端部同士を
連結し、第1の揺動手段と第2の揺動手段とを同期して
揺動させる第1の連結手段と、第1の揺動手段及び第2
の揺動手段とシート前後方向に対向してシートクッショ
ンの後端部側に揺動可能に配置されると共に上端部がシ
ートクッションの後端部付近と連結され、揺動すること
によりシートクッションの後端部を車両上下方向へ変位
させる一対の後端部変位手段と、シートクッションの両
側部側にシート前後方向を長手方向として配置されると
共に第1の揺動手段及び第2の揺動手段の上端部側と一
対の後端部変位手段の下端部同士を連結し、当該一対の
後端部変位手段を第1の揺動手段及び第2の揺動手段と
同期して揺動させる第2の連結手段と、上端部がシート
クッションの前端部付近と連結されると共に下端部が第
1の連結手段に揺動可能に軸支され、後端部変位手段の
揺動に追従して揺動することによりシートクッションの
前端部を車両前後方向へ変位させる前端部変位手段と、
を有し、さらに、操作手段が第1の方向へ回転された場
合には、一対の後端部変位手段が揺動することによりシ
ートクッションの後端部を車両下方側へ変位させると共
に前端部変位手段が揺動することによりシートクッショ
ンの前端部を車両前方側へ変位させ、操作手段が第2の
方向へ回転された場合には、一対の後端部変位手段が揺
動することによりシートクッションの後端部を車両上方
側へ変位させると共に前端部変位手段が揺動することに
よりシートクッション の前端部が車両後方側へ変位され
る、ことを特徴としている。
【0008】
【作用】上記構成の本発明によれば、標準体格の乗員よ
りも大柄な乗員がシートクッションに着座する場合に
は、着座した後に該乗員によって操作手段が把持されて
第1の方向を操作方向として回転操作される。操作手段
が回転操作されると、この操作力はピニオン及び減速ギ
ヤを介して第1の揺動手段(セクタギヤ)に伝達され、
これにより当該第1の揺動手段が揺動される。第1の揺
動手段の下端部はシート幅方向に対向して配置された第
2の揺動手段(リンク)の下端部と第1の連結手段を介
して連結されているため、第1の揺動手段が揺動すると
第2の揺動手段も同期して揺動される。これらの第1の
揺動手段及び第2の揺動手段の上端部側は第2の連結手
段を介して一対の後端部変位手段の下端部同士と連結さ
れているため、第1の揺動手段及び第2の揺動手段が揺
動することにより、一対の後端部変位手段が揺動され
る。この後端部変位手段の上端部はシートクッションの
後端部付近と連結されているため、当該後端部変位手段
が揺動することにより、シートクッションの後端部は車
両下方側へ変位される。さらに、一対の後端部変位手段
が揺動することにより、第1の連結手段に下端部が軸支
された前端部変位手段が追従して揺動される。この前端
部変位手段の上端部はシートクッションの前端部付近と
連結されているため、追従して揺動することにより、シ
ートクッションの前端部は車両前方側へ変位される。
りも大柄な乗員がシートクッションに着座する場合に
は、着座した後に該乗員によって操作手段が把持されて
第1の方向を操作方向として回転操作される。操作手段
が回転操作されると、この操作力はピニオン及び減速ギ
ヤを介して第1の揺動手段(セクタギヤ)に伝達され、
これにより当該第1の揺動手段が揺動される。第1の揺
動手段の下端部はシート幅方向に対向して配置された第
2の揺動手段(リンク)の下端部と第1の連結手段を介
して連結されているため、第1の揺動手段が揺動すると
第2の揺動手段も同期して揺動される。これらの第1の
揺動手段及び第2の揺動手段の上端部側は第2の連結手
段を介して一対の後端部変位手段の下端部同士と連結さ
れているため、第1の揺動手段及び第2の揺動手段が揺
動することにより、一対の後端部変位手段が揺動され
る。この後端部変位手段の上端部はシートクッションの
後端部付近と連結されているため、当該後端部変位手段
が揺動することにより、シートクッションの後端部は車
両下方側へ変位される。さらに、一対の後端部変位手段
が揺動することにより、第1の連結手段に下端部が軸支
された前端部変位手段が追従して揺動される。この前端
部変位手段の上端部はシートクッションの前端部付近と
連結されているため、追従して揺動することにより、シ
ートクッションの前端部は車両前方側へ変位される。
【0009】この結果、シートクッションは、その座面
が車両下方側へ下がりかつその前端部が車両前方側へ延
び出した状態となり、大柄な乗員の体格にとって最適な
シートクッションのポジションとなる。これにより、該
乗員の視線の位置は標準体格の乗員の視線の位置と一致
して前方視界が確保され、かつ大腿部裏面全域がサポー
ト不足となることなくシートクッションの座面によって
支持された状態となる。
が車両下方側へ下がりかつその前端部が車両前方側へ延
び出した状態となり、大柄な乗員の体格にとって最適な
シートクッションのポジションとなる。これにより、該
乗員の視線の位置は標準体格の乗員の視線の位置と一致
して前方視界が確保され、かつ大腿部裏面全域がサポー
ト不足となることなくシートクッションの座面によって
支持された状態となる。
【0010】一方、標準体格の乗員よりも小柄な乗員が
シートクッションに着座する場合には、着座した後に該
乗員によって操作手段が把持されて第2の方向を操作方
向として回転操作される。操作手段が回転操作されかつ
操作方向が変更されたことにより、第1の揺動手段及び
第2の揺動手段の揺動方向が変更される。このため、一
対の後端部変位手段は、第2の連結手段を介して前述し
た場合と逆方向へ揺動される。従って、シートクッショ
ンの後端部は車両上方側へ変位される。さらに、これに
追従して前端部変位手段がその下端部を揺動中心として
前述した場合と逆方向へ揺動される。従って、シートク
ッションの前端部は車両後方側へ変位される。
シートクッションに着座する場合には、着座した後に該
乗員によって操作手段が把持されて第2の方向を操作方
向として回転操作される。操作手段が回転操作されかつ
操作方向が変更されたことにより、第1の揺動手段及び
第2の揺動手段の揺動方向が変更される。このため、一
対の後端部変位手段は、第2の連結手段を介して前述し
た場合と逆方向へ揺動される。従って、シートクッショ
ンの後端部は車両上方側へ変位される。さらに、これに
追従して前端部変位手段がその下端部を揺動中心として
前述した場合と逆方向へ揺動される。従って、シートク
ッションの前端部は車両後方側へ変位される。
【0011】この結果、シートクッションは、その座面
が車両上方側へ上がりかつその前端部が車両後方側へ退
避した状態となり、小柄な乗員の体格にとって最適なシ
ートクッションのポジションとなる。これにより、該乗
員の視線の位置は標準体格の乗員の視線の位置と一致
し、かつ大腿部裏面全域がシートクッションの座面によ
って支持された状態となる。
が車両上方側へ上がりかつその前端部が車両後方側へ退
避した状態となり、小柄な乗員の体格にとって最適なシ
ートクッションのポジションとなる。これにより、該乗
員の視線の位置は標準体格の乗員の視線の位置と一致
し、かつ大腿部裏面全域がシートクッションの座面によ
って支持された状態となる。
【0012】上述したことから、本発明によれば、単一
の操作手段の操作で、乗員の体格に応じてシートクッシ
ョンの最適なポジションが得られる。
の操作手段の操作で、乗員の体格に応じてシートクッシ
ョンの最適なポジションが得られる。
【0013】
【実施例】以下、図1〜図4を用いて、本発明に係る車
両用シートにおけるシートクッションの位置調節装置が
適用された車両用シート10について説明する。なお、
これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方
側、矢印UPは車両上方側、矢印INは車両室内側をそ
れぞれ示している。
両用シートにおけるシートクッションの位置調節装置が
適用された車両用シート10について説明する。なお、
これらの図において適宜示される矢印FRは車両前方
側、矢印UPは車両上方側、矢印INは車両室内側をそ
れぞれ示している。
【0014】図1に示されるように、車両に配設される
車両用シート10は、シートクッション12とシートク
ッション12に対して傾倒可能とされたシートバック1
4とから成る。
車両用シート10は、シートクッション12とシートク
ッション12に対して傾倒可能とされたシートバック1
4とから成る。
【0015】シートクッション12の両サイドの内側に
は、それぞれ長尺状のロアアーム16、18が配設され
ている。ロアアーム16、18は、その長尺状の基部1
6A、18Aが断面略逆T字形状とされており、更に車
両後方側の端部16B、18Bが車両上方側へ膨出した
形状とされている。このロアアーム16、18の基部1
6A、18Aは、ロアアーム16、18の下側に配置さ
れかつ車体フロア(図示省略)に固着された一対のシー
トトラック20にスライド可能に挿嵌されている。すな
わち、シートトラック20は、その上端面中央に一条の
スリット20Aが形成された略矩形断面形状とされてお
り、このスリット20A内をロアアーム16、18の基
部16A、18Aが起立した状態に配置されている。従
って、図示しない操作レバー等を操作することにより、
車両用シート10は車両前後方向へスライドするように
なっている。また、車両室内側に位置するロアアーム1
6にはその車両前方側の端部に車両上方側へ隆起した形
状の取付部16Cが形成されており、これについては後
述する。
は、それぞれ長尺状のロアアーム16、18が配設され
ている。ロアアーム16、18は、その長尺状の基部1
6A、18Aが断面略逆T字形状とされており、更に車
両後方側の端部16B、18Bが車両上方側へ膨出した
形状とされている。このロアアーム16、18の基部1
6A、18Aは、ロアアーム16、18の下側に配置さ
れかつ車体フロア(図示省略)に固着された一対のシー
トトラック20にスライド可能に挿嵌されている。すな
わち、シートトラック20は、その上端面中央に一条の
スリット20Aが形成された略矩形断面形状とされてお
り、このスリット20A内をロアアーム16、18の基
部16A、18Aが起立した状態に配置されている。従
って、図示しない操作レバー等を操作することにより、
車両用シート10は車両前後方向へスライドするように
なっている。また、車両室内側に位置するロアアーム1
6にはその車両前方側の端部に車両上方側へ隆起した形
状の取付部16Cが形成されており、これについては後
述する。
【0016】さて、これらの一対のロアアーム16、1
8は、その前端部付近において第1の連結手段としての
バーチカルロッド22によって連結されている。バーチ
カルロッド22の軸方向の両端部近傍には、それぞれ前
端部変位手段としての前端リンク24がバーチカルロッ
ド22に対して揺動自在に軸支されている。これら一対
の前端リンク24の長手方向の一方の端部(車両上方側
の端部)には円孔26が形成されており、シートクッシ
ョン12の前端部12C付近と図示しないボルト等によ
り連結されている。
8は、その前端部付近において第1の連結手段としての
バーチカルロッド22によって連結されている。バーチ
カルロッド22の軸方向の両端部近傍には、それぞれ前
端部変位手段としての前端リンク24がバーチカルロッ
ド22に対して揺動自在に軸支されている。これら一対
の前端リンク24の長手方向の一方の端部(車両上方側
の端部)には円孔26が形成されており、シートクッシ
ョン12の前端部12C付近と図示しないボルト等によ
り連結されている。
【0017】また、車両室内側に位置するロアアーム1
6の取付部16Cの室内側の面には操作手段としての操
作ノブ28が配置されている。操作ノブ28は乗員が把
持し易い円形とされており、そのシートクッション12
側の側面には略三角形状のプレート30が固着されてい
る。また、操作ノブ28の軸芯部には回転中心軸として
のシャフト32が立設されており、前記取付部16Cを
貫通している。シャフト32の貫通端部には、ピニオン
34が固着されており、操作ノブ28と共に回転する。
このピニオン34は取付部16Cに軸支された減速ギヤ
36と噛み合っており、従ってピニオン34の回転によ
って減速ギヤ36も減速回転する。この減速ギヤ36の
回転軸には小ギヤ38(この小ギヤ38も本発明の減速
ギヤの一部を構成する)が同軸上に固着されており、減
速ギヤ36と共に回転する。さらに、バーチカルロッド
22の前記取付部16Cに隣接する位置には、第1の揺
動手段としてのセクタギヤ40の基部がバーチカルロッ
ド22に一体に軸支されている。このセクタギヤ40の
周面の歯部は、前記小ギヤ38と噛み合っている。ま
た、バーチカルロッド22には、その軸方向においてセ
クタギヤ40と反対側の端部(ロアアーム18側の端
部)に第2の揺動手段としての揺動リンク42の長手方
向の一方の端部がバーチカルロッド22に一体に軸支さ
れている。従って、セクタギヤ40と揺動リンク42と
は、バーチカルロッド22を介して同期して揺動する。
6の取付部16Cの室内側の面には操作手段としての操
作ノブ28が配置されている。操作ノブ28は乗員が把
持し易い円形とされており、そのシートクッション12
側の側面には略三角形状のプレート30が固着されてい
る。また、操作ノブ28の軸芯部には回転中心軸として
のシャフト32が立設されており、前記取付部16Cを
貫通している。シャフト32の貫通端部には、ピニオン
34が固着されており、操作ノブ28と共に回転する。
このピニオン34は取付部16Cに軸支された減速ギヤ
36と噛み合っており、従ってピニオン34の回転によ
って減速ギヤ36も減速回転する。この減速ギヤ36の
回転軸には小ギヤ38(この小ギヤ38も本発明の減速
ギヤの一部を構成する)が同軸上に固着されており、減
速ギヤ36と共に回転する。さらに、バーチカルロッド
22の前記取付部16Cに隣接する位置には、第1の揺
動手段としてのセクタギヤ40の基部がバーチカルロッ
ド22に一体に軸支されている。このセクタギヤ40の
周面の歯部は、前記小ギヤ38と噛み合っている。ま
た、バーチカルロッド22には、その軸方向においてセ
クタギヤ40と反対側の端部(ロアアーム18側の端
部)に第2の揺動手段としての揺動リンク42の長手方
向の一方の端部がバーチカルロッド22に一体に軸支さ
れている。従って、セクタギヤ40と揺動リンク42と
は、バーチカルロッド22を介して同期して揺動する。
【0018】また、各ロアアーム16、18の車両後方
側の端部16B、18Bの内側には支軸としてのピン4
4が立設されており、後端部変位手段としての後端リン
ク46の長手方向中間部が揺動自在に軸支されている。
この後端リンク46の長手方向の一方の端部(車両上方
側の端部)には円孔48が形成されており、シートクッ
ション12の後端部12Aと図示しないボルト等により
連結されている。また、後端リンク46の長手方向の他
方の端部(車両下方側の端部)とセクタギヤ40の中央
部側縁及び揺動リンク42とは、第2の連結手段として
のエクステンションリンク50によって連結されてい
る。
側の端部16B、18Bの内側には支軸としてのピン4
4が立設されており、後端部変位手段としての後端リン
ク46の長手方向中間部が揺動自在に軸支されている。
この後端リンク46の長手方向の一方の端部(車両上方
側の端部)には円孔48が形成されており、シートクッ
ション12の後端部12Aと図示しないボルト等により
連結されている。また、後端リンク46の長手方向の他
方の端部(車両下方側の端部)とセクタギヤ40の中央
部側縁及び揺動リンク42とは、第2の連結手段として
のエクステンションリンク50によって連結されてい
る。
【0019】以下に、本実施例の作用を説明する。標準
体格の乗員がシートクッション12に着座する場合に
は、図2に示されるシートクッション12のポジション
でそのまま着座すればよい。すなわち、このシートクッ
ション12のポジションが標準状態である。
体格の乗員がシートクッション12に着座する場合に
は、図2に示されるシートクッション12のポジション
でそのまま着座すればよい。すなわち、このシートクッ
ション12のポジションが標準状態である。
【0020】一方、標準体格の乗員よりも小柄な乗員が
シートクッション12に着座する場合には、着座した
後、操作ノブ28を把持し、本発明における操作手段の
第2の方向である図2の矢印A方向へ回転させる。これ
により、ピニオン34が同期して回転し、これと噛み合
う減速ギヤ36が図2の矢印B方向へ減速回転する。こ
のため、小ギヤ38も同方向(矢印B方向)へ回転し、
これと噛み合うセクタギヤ40が図2の矢印C方向へ揺
動される。この際、セクタギヤ40とバーチカルロッド
22を介して連結された揺動リンク42も同期して揺動
される。従って、エクステンションリンク50が図2の
矢印D方向へ牽引されて、後端リンク46がピン44を
揺動中心として図2の矢印E方向へ揺動される。これに
より、後端リンク46の一方の端部(円孔48が形成さ
れた側の端部)が車両上方側へ上昇するので、シートク
ッション12の後端部12Aが上昇する。これに追従し
て、バーチカルロッド22に揺動自在に軸支された一対
の前端リンク24も図2の矢印F方向へ揺動される。従
って、シートクッション12の前端部12Cが車両上方
側へ上昇する。このシートクッション12の上昇過程
で、シートクッション12の前端部12Cが車両後方側
へと後退される。
シートクッション12に着座する場合には、着座した
後、操作ノブ28を把持し、本発明における操作手段の
第2の方向である図2の矢印A方向へ回転させる。これ
により、ピニオン34が同期して回転し、これと噛み合
う減速ギヤ36が図2の矢印B方向へ減速回転する。こ
のため、小ギヤ38も同方向(矢印B方向)へ回転し、
これと噛み合うセクタギヤ40が図2の矢印C方向へ揺
動される。この際、セクタギヤ40とバーチカルロッド
22を介して連結された揺動リンク42も同期して揺動
される。従って、エクステンションリンク50が図2の
矢印D方向へ牽引されて、後端リンク46がピン44を
揺動中心として図2の矢印E方向へ揺動される。これに
より、後端リンク46の一方の端部(円孔48が形成さ
れた側の端部)が車両上方側へ上昇するので、シートク
ッション12の後端部12Aが上昇する。これに追従し
て、バーチカルロッド22に揺動自在に軸支された一対
の前端リンク24も図2の矢印F方向へ揺動される。従
って、シートクッション12の前端部12Cが車両上方
側へ上昇する。このシートクッション12の上昇過程
で、シートクッション12の前端部12Cが車両後方側
へと後退される。
【0021】この結果、シートクッション12は図3に
示されるポジションとなる。すなわち、シートクッショ
ン12は二点鎖線で示される標準状態からその後端部1
2A、前端部12Cが上昇することにより座面が上昇し
かつその前端部12Cが後退した上昇後退状態(図3に
実線で図示)となる(なお、前端部12Cにおける先端
は若干下降することになり、大腿部の膝裏側付近の押圧
感が良好となる)。このため、全体として、上昇後退状
態のシートクッション12に着座した小柄な乗員は、そ
の視線の位置が標準状態のシートクッション12に着座
した標準体格の乗員の視線の位置と略一致して前方視界
が確保され、かつその大腿部の裏面全域が前端部12C
によって圧迫されることなくシートクッション12の座
面によって支持されることになる。
示されるポジションとなる。すなわち、シートクッショ
ン12は二点鎖線で示される標準状態からその後端部1
2A、前端部12Cが上昇することにより座面が上昇し
かつその前端部12Cが後退した上昇後退状態(図3に
実線で図示)となる(なお、前端部12Cにおける先端
は若干下降することになり、大腿部の膝裏側付近の押圧
感が良好となる)。このため、全体として、上昇後退状
態のシートクッション12に着座した小柄な乗員は、そ
の視線の位置が標準状態のシートクッション12に着座
した標準体格の乗員の視線の位置と略一致して前方視界
が確保され、かつその大腿部の裏面全域が前端部12C
によって圧迫されることなくシートクッション12の座
面によって支持されることになる。
【0022】また、標準体格の乗員よりも大柄な乗員が
シートクッション12に着座する場合には、前述した操
作と逆の操作を行えばよい。すなわち、操作ノブ28を
本発明における操作手段の第1の方向である図2の矢印
A方向と反対方向へ回転させる。これにより、ピニオン
34、減速ギヤ36及び小ギヤ38を介してセクタギヤ
40、揺動リンク42が、図2の矢印C方向と反対方向
へ揺動される。このため、エクステンションリンク50
が図2の矢印D方向と反対方向へ押し込まれ、後端リン
ク46が図2の矢印E方向と反対方向へと揺動される。
これにより、後端リンク46に追従して揺動する前端リ
ンク24が図2の矢印F方向と反対方向へ揺動されて前
端部12Cが延び出される。
シートクッション12に着座する場合には、前述した操
作と逆の操作を行えばよい。すなわち、操作ノブ28を
本発明における操作手段の第1の方向である図2の矢印
A方向と反対方向へ回転させる。これにより、ピニオン
34、減速ギヤ36及び小ギヤ38を介してセクタギヤ
40、揺動リンク42が、図2の矢印C方向と反対方向
へ揺動される。このため、エクステンションリンク50
が図2の矢印D方向と反対方向へ押し込まれ、後端リン
ク46が図2の矢印E方向と反対方向へと揺動される。
これにより、後端リンク46に追従して揺動する前端リ
ンク24が図2の矢印F方向と反対方向へ揺動されて前
端部12Cが延び出される。
【0023】この結果、シートクッション12は図4に
示されるポジションとなる。すなわち、シートクッショ
ン12は二点鎖線で示される標準状態からその後端部1
2A、前端部12Cが下降することにより座面が下降し
かつその前端部12Cが延び出した下降延び出し状態
(図4に実線で図示)となる(なお、前端部12Cにお
ける先端は若干上昇することになり、大腿部の膝裏側付
近の押圧感が良好となる)。このため、全体として下降
延び出し状態のシートクッション12に着座した大柄な
乗員は、前述した小柄な乗員の場合と同様にその視線の
位置が標準状態のシートクッション12に着座した標準
体格の乗員の視線の位置と略一致して前方視界が確保さ
れ、かつその大腿部の裏面全域がサポート不足になるこ
となくシートクッション12の座面によって支持される
ことになる。
示されるポジションとなる。すなわち、シートクッショ
ン12は二点鎖線で示される標準状態からその後端部1
2A、前端部12Cが下降することにより座面が下降し
かつその前端部12Cが延び出した下降延び出し状態
(図4に実線で図示)となる(なお、前端部12Cにお
ける先端は若干上昇することになり、大腿部の膝裏側付
近の押圧感が良好となる)。このため、全体として下降
延び出し状態のシートクッション12に着座した大柄な
乗員は、前述した小柄な乗員の場合と同様にその視線の
位置が標準状態のシートクッション12に着座した標準
体格の乗員の視線の位置と略一致して前方視界が確保さ
れ、かつその大腿部の裏面全域がサポート不足になるこ
となくシートクッション12の座面によって支持される
ことになる。
【0024】なお、シートクッション12の位置調節
は、無段階に調節可能である。このように本実施例で
は、シートクッション12の後端部12Aを上下動させ
る後端リンク46及びこれに追従してシートクッション
12の前端部12Cを上下動させる前端リンク24を配
設し、単一の操作ノブ28の操作により、ピニオン3
4、減速ギヤ36、小ギヤ38、セクタギヤ40、バー
チカルロッド22、揺動リンク42及びエクステンショ
ンリンク50を介して、シートクッション12を上昇後
退状態及び下降延び出し状態にすることができるので、
容易な操作で、乗員の体格に応じて最適なシートクッシ
ョン12のポジションを得ることができる。従って、標
準状態のシートクッション12に小柄な乗員が着座した
場合にシートクッション長が長い為に生じるシートクッ
ション12の前端部12Cによる圧迫感を解消すること
ができ、また標準状態のシートクッション12に大柄な
乗員が着座した場合に生じる座面不足による大腿部のサ
ポート性不足を解消することができ、更にはいずれの場
合においても前方視界を確保することができる。
は、無段階に調節可能である。このように本実施例で
は、シートクッション12の後端部12Aを上下動させ
る後端リンク46及びこれに追従してシートクッション
12の前端部12Cを上下動させる前端リンク24を配
設し、単一の操作ノブ28の操作により、ピニオン3
4、減速ギヤ36、小ギヤ38、セクタギヤ40、バー
チカルロッド22、揺動リンク42及びエクステンショ
ンリンク50を介して、シートクッション12を上昇後
退状態及び下降延び出し状態にすることができるので、
容易な操作で、乗員の体格に応じて最適なシートクッシ
ョン12のポジションを得ることができる。従って、標
準状態のシートクッション12に小柄な乗員が着座した
場合にシートクッション長が長い為に生じるシートクッ
ション12の前端部12Cによる圧迫感を解消すること
ができ、また標準状態のシートクッション12に大柄な
乗員が着座した場合に生じる座面不足による大腿部のサ
ポート性不足を解消することができ、更にはいずれの場
合においても前方視界を確保することができる。
【0025】また、シートクッション12の座面の高さ
を上下動させる機構とは別個独立にシートクッション1
2の前端部12Cのみを前後動させる機構を設ける場合
に比し、大幅なコストダウンを図ることができると共に
複数の操作ノブ等の操作手段を設ける必要もないので車
両用シート10の操作性及び外観品質を向上させること
ができる。さらには、シートクッション12の位置調節
機構の小スペース化を図ることができる。
を上下動させる機構とは別個独立にシートクッション1
2の前端部12Cのみを前後動させる機構を設ける場合
に比し、大幅なコストダウンを図ることができると共に
複数の操作ノブ等の操作手段を設ける必要もないので車
両用シート10の操作性及び外観品質を向上させること
ができる。さらには、シートクッション12の位置調節
機構の小スペース化を図ることができる。
【0026】なお、本実施例では、ピニオン34とセク
タギヤ40との間に減速ギヤ36及び小ギヤ38を介在
させて操作力の低減を図ったが、構造的にはピニオン3
4からセクタギヤ40へ直接操作力を伝達しても同様に
機能する。
タギヤ40との間に減速ギヤ36及び小ギヤ38を介在
させて操作力の低減を図ったが、構造的にはピニオン3
4からセクタギヤ40へ直接操作力を伝達しても同様に
機能する。
【0027】また、本実施例では、前端リンク24をバ
ーチカルロッド22に揺動自在に軸支させているが、こ
れに限らず、ロアアーム16の側面等に軸支させてもよ
く、シートクッション12の前端部12Cを支持し、後
端リンク46の揺動に追従して同方向へ揺動する構成で
あればすべて適用することができる。
ーチカルロッド22に揺動自在に軸支させているが、こ
れに限らず、ロアアーム16の側面等に軸支させてもよ
く、シートクッション12の前端部12Cを支持し、後
端リンク46の揺動に追従して同方向へ揺動する構成で
あればすべて適用することができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る車両用
シートにおけるシートクッションの位置調節装置は、操
作手段が第1の方向へ回転された場合には、一対の後端
部変位手段が揺動することによりシートクッションの後
端部を車両下方側へ変位させると共に前端部変位手段が
揺動することによりシートクッションの前端部を車両前
方側へ変位させ、操作手段が第2の方向へ回転された場
合には、一対の後端部変位手段が揺動することによりシ
ートクッションの後端部を車両上方側へ変位させると共
に前端部変位手段が揺動することによりシートクッショ
ンの前端部が車両後方側へ変位される構成としたので、
単一の操作手段を操作することにより、標準体格の乗員
よりも大柄な乗員の場合にはシートクッションの後端部
を車両下方側へ下げてかつその前端部を車両前方側へ延
び出させることで、ヒップポイントを下げかつシートク
ッション長を長くすることができ、また標準体格の乗員
よりも小柄な乗員の場合にはシートクッションの後端部
を車両上方側へ上げてかつその前端部を車両後方側へ退
避させることで、ヒップポイントを上げかつシートクッ
ション長を短くすることができるので、乗員の体格に応
じてシートクッションを最適なポジションに位置させる
ことができるという優れた効果を有する。また、本発明
によれば、乗員が操作手段に付与した操作力(回転力)
がピニオンギヤ及び減速ギヤ並びにセクタギヤを介して
最終的には一対の後端部変位手段の揺動動作として伝達
されるため、体格によって決まる操作手段の操作方向
(回転方向)とシートクッションの後端部の変位方向と
を一致させることができる。つまり、大柄な体格の乗員
の場合であれば、当該乗員が操作手段を把持して回転中
心軸回りに後側へ回転させることにより、シートクッシ
ョンの後端部が車両下方側へ下がるように設定すること
ができる。このため、本発明によれば、シートクッショ
ンの位置調節操作が乗員に判りやすいという優れた効果
も得られる。加えて、本発明では、前記の如く減速ギヤ
を備えているため、操作手段の操作力を低減させること
ができるという優れた効果も得られる。
シートにおけるシートクッションの位置調節装置は、操
作手段が第1の方向へ回転された場合には、一対の後端
部変位手段が揺動することによりシートクッションの後
端部を車両下方側へ変位させると共に前端部変位手段が
揺動することによりシートクッションの前端部を車両前
方側へ変位させ、操作手段が第2の方向へ回転された場
合には、一対の後端部変位手段が揺動することによりシ
ートクッションの後端部を車両上方側へ変位させると共
に前端部変位手段が揺動することによりシートクッショ
ンの前端部が車両後方側へ変位される構成としたので、
単一の操作手段を操作することにより、標準体格の乗員
よりも大柄な乗員の場合にはシートクッションの後端部
を車両下方側へ下げてかつその前端部を車両前方側へ延
び出させることで、ヒップポイントを下げかつシートク
ッション長を長くすることができ、また標準体格の乗員
よりも小柄な乗員の場合にはシートクッションの後端部
を車両上方側へ上げてかつその前端部を車両後方側へ退
避させることで、ヒップポイントを上げかつシートクッ
ション長を短くすることができるので、乗員の体格に応
じてシートクッションを最適なポジションに位置させる
ことができるという優れた効果を有する。また、本発明
によれば、乗員が操作手段に付与した操作力(回転力)
がピニオンギヤ及び減速ギヤ並びにセクタギヤを介して
最終的には一対の後端部変位手段の揺動動作として伝達
されるため、体格によって決まる操作手段の操作方向
(回転方向)とシートクッションの後端部の変位方向と
を一致させることができる。つまり、大柄な体格の乗員
の場合であれば、当該乗員が操作手段を把持して回転中
心軸回りに後側へ回転させることにより、シートクッシ
ョンの後端部が車両下方側へ下がるように設定すること
ができる。このため、本発明によれば、シートクッショ
ンの位置調節操作が乗員に判りやすいという優れた効果
も得られる。加えて、本発明では、前記の如く減速ギヤ
を備えているため、操作手段の操作力を低減させること
ができるという優れた効果も得られる。
【図1】本発明が適用された一実施例に係る車両用シー
トのシートクッションの位置調節装置を示す斜視図であ
る。
トのシートクッションの位置調節装置を示す斜視図であ
る。
【図2】図1のシートクッションの標準状態を示す車両
側方から見た断面図である。
側方から見た断面図である。
【図3】図1に示される標準状態から操作ノブの操作に
より小柄な乗員の体格に合うようにシートクッションの
ポジションが変更された状態を示す図2に対応する断面
図である。
より小柄な乗員の体格に合うようにシートクッションの
ポジションが変更された状態を示す図2に対応する断面
図である。
【図4】図1に示される標準状態から操作ノブの操作に
より大柄な乗員の体格に合うようにシートクッションの
ポジションが変更された状態を示す図2、3に対応する
断面図である。
より大柄な乗員の体格に合うようにシートクッションの
ポジションが変更された状態を示す図2、3に対応する
断面図である。
10 車両用シート 12 シートクッション 12A 後端部 12C 前端部 22 バーチカルロッド(第1の連結手段) 24 前端リンク(前端部変位手段) 28 操作ノブ(操作手段) 32 シャフト(回転中心軸) 34 ピニオン 36 減速ギヤ 38 小ギヤ(減速ギヤ) 40 セクタギヤ(第1の揺動手段) 42 揺動リンク(第2の揺動手段) 46 後端リンク(後端部変位手段) 50 エクステンションリンク(第2の連結手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭62−181437(JP,U) 実開 昭60−180638(JP,U) 実開 昭57−181638(JP,U) 実開 昭57−182531(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/00 - 2/72
Claims (1)
- 【請求項1】 車両に配設される車両用シートにおける
シートクッションの位置を調節するシートクッションの
位置調節装置であって、 シートクッションの一方の側部に把持可能かつシート幅
方向を軸方向とする回転中心軸回りに回転可能に設けら
れ、相反する回転方向である第1の方向及び第2の方向
を操作方向として有する操作手段と、 この操作手段による操作力を当該操作手段の回転中心軸
上に固着されたピニオンギヤ及びこのピニオンギヤと噛
み合うように配置された減速ギヤを介して受けて揺動
し、セクタギヤから成る第1の揺動手段と、 この第1の揺動手段とシート幅方向に対向してシートク
ッションの他方の側部側に配置されたリンクから成る第
2の揺動手段と、 シートクッションの前端部側にシート幅方向を長手方向
として配置されると共に第1の揺動手段と第2の揺動手
段の下端部同士を連結し、第1の揺動手段と第2の揺動
手段とを同期して揺動させる第1の連結手段と、 第1の揺動手段及び第2の揺動手段とシート前後方向に
対向してシートクッションの後端部側に揺動可能に配置
されると共に上端部がシートクッションの後端部付近と
連結され、揺動することによりシートクッションの後端
部を車両上下方向へ変位させる一対の後端部変位手段
と、 シートクッションの両側部側にシート前後方向を長手方
向として配置されると共に第1の揺動手段及び第2の揺
動手段の上端部側と一対の後端部変位手段の下端部同士
を連結し、当該一対の後端部変位手段を第1の揺動手段
及び第2の揺動手段と同期して揺動させる第2の連結手
段と、 上端部がシートクッションの前端部付近と連結されると
共に下端部が第1の連結手段に揺動可能に軸支され、後
端部変位手段の揺動に追従して揺動することによりシー
トクッションの前端部を車両前後方向へ変位させる前端
部変位手段と、を有し、 さらに、操作手段が第1の方向へ回転された場合には、
一対の後端部変位手段が揺動することによりシートクッ
ションの後端部を車両下方側へ変位させると共に前端部
変位手段が揺動することによりシートクッションの前端
部を車両前方側 へ変位させ、操作手段が第2の方向へ回
転された場合には、一対の後端部変位手段が揺動するこ
とによりシートクッションの後端部を車両上方側へ変位
させると共に前端部変位手段が揺動することによりシー
トクッションの前端部が車両後方側へ変位される、 ことを特徴とする車両用シートにおけるシートクッショ
ンの位置調節装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33086791A JP3149489B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 車両用シートにおけるシートクッションの位置調節装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33086791A JP3149489B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 車両用シートにおけるシートクッションの位置調節装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05162573A JPH05162573A (ja) | 1993-06-29 |
JP3149489B2 true JP3149489B2 (ja) | 2001-03-26 |
Family
ID=18237407
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33086791A Expired - Fee Related JP3149489B2 (ja) | 1991-12-13 | 1991-12-13 | 車両用シートにおけるシートクッションの位置調節装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3149489B2 (ja) |
-
1991
- 1991-12-13 JP JP33086791A patent/JP3149489B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05162573A (ja) | 1993-06-29 |
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Legal Events
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