JP3147695B2 - ダイアモンド状炭素膜形成のためのプラズマcvd法及び装置 - Google Patents

ダイアモンド状炭素膜形成のためのプラズマcvd法及び装置

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JP3147695B2
JP3147695B2 JP03062295A JP3062295A JP3147695B2 JP 3147695 B2 JP3147695 B2 JP 3147695B2 JP 03062295 A JP03062295 A JP 03062295A JP 3062295 A JP3062295 A JP 3062295A JP 3147695 B2 JP3147695 B2 JP 3147695B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成膜用原料ガスをプラズ
マ化し、このプラズマに基体を曝して該基体上にダイア
モンド状炭素膜形成を行うプラズマCVD法及び装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプラズマCVD法は半導体利用の
センサ等の各種半導体デバイスの製造、太陽電池や液晶
表示装置等に用いる各種薄膜デバイスの製造、耐摩耗性
等が要求される機械部品や工具等の基体への耐摩耗性等
を有する膜の形成、スピーカ振動板への炭素膜の形成、
装飾品のコーティング等に広く利用されている。このプ
ラズマCVD法を実施する装置は各種知られているが、
その代表的なものの一つを例示すると、図5に示すプラ
ズマCVD装置がある。
【0003】図5に示す装置は平行平板型プラズマCV
D装置として知られているもので、成膜室として用いら
れる真空容器1を有し、その中に被成膜基体S1を設置
する基体ホルダを兼ねる電極2及びこの電極に対向する
電極3が設けられている。電極2は、通常、接地電極と
され、また、この上に配置される基体S1を成膜温度に
加熱するヒータ21を付設してある。なお、輻射熱で基
体S1を加熱するときは、ヒータ21は電極2から分離
される。
【0004】電極3は、電極2との間に導入される成膜
用ガスに高周波電力や直流電力を印加してプラズマ化さ
せるための電力印加電極で、図示の例ではマッチングボ
ックス31を介して高周波電源32を接続してある。ま
た、真空容器1には弁51を介して排気ポンプ52を接
続してあるとともに、成膜用原料ガスのガス供給部4を
配管接続してある。ガス供給部4には、1又は2以上の
マスフローコントローラ411、412・・・・及び弁
421、422・・・・を介して、成膜用原料ガスを供
給するガス源431、432・・・・が含まれている。
【0005】この平行平板型プラズマCVD装置による
と、成膜対象基体S1が図示しない基体搬送装置により
真空容器1内に搬入されて電極2上に設置され、該容器
1内が弁51の操作と排気ポンプ52の運転にて所定成
膜真空度とされるとともに、ガス供給部4から成膜用ガ
スが導入される。また、高周波電極3に電源32から高
周波電力が印加され、それによって導入されたガスがプ
ラズマ化され、このプラズマの下で基体S1表面に所望
の膜が形成される。
【0006】例えば、容器1内圧力を数100mTor
r程度とし、基体ホルダ電極2をヒータ21で加熱し、
この上に基体S1を設置し、ガス供給部4からメタン
(CH 4 )ガス、エタン(C2 6 )ガス等の炭化水素
化合物ガス単体、又はこのような炭化水素化合物ガスと
水素(H2 )ガスを所定量導入して電極3に例えば1
3.56MHzの高周波電力を印加すると、該ガスがプ
ラズマ化され、基体S1上に炭素薄膜が形成される。
【0007】その場合基体S1の処理温度を変えること
により膜質を制御できる。例えば、ポリイミド樹脂等の
合成樹脂基体上に成膜するときは基体の耐熱性を考慮し
て100℃程度以下の基体温度とされ、このときにはダ
イアモンド状の炭素〔DLC(Diamond Like Carbon )
〕膜が形成される。このDLC膜はスピーカの振動板
のコーティングや装飾品のコーティング等に利用され
る。
【0008】基体処理温度を上昇させると炭素膜硬度は
上昇する。従って切削工具、各種機械部品等の表面硬度
を改善するためにそれらに硬質炭素膜をコーティングす
るときは、処理温度は500℃以上に設定されるが、こ
のように基体処理温度を高温に設定しようとするとき
は、前記平行平板型のプラズマCVD法及び装置による
よりも、一般的にはECRプラズマCVD法及び装置、
又は熱フィラメントCVD法及び装置が用いられる。
【0009】ECRプラズマCVDではECR共鳴点に
成膜対象基体を設置することで該基体を800℃程度ま
で加熱することができ、そのような高温成膜操作により
前記の平行平板型プラズマCVDによる成膜のときより
良質のDLC膜を容易に形成することができ、ダイアモ
ンド膜を形成することもできる。熱フィラメントCVD
では熱フィラメントによる輻射熱で基体温度を900〜
1100℃程度まで加熱することができ、そのような高
温成膜操作により良質のDLC膜やダイアモンド膜を容
易に形成することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラズマC
VDによると、プラズマ中の気相反応により発生するパ
ーティクルがダストとなって成膜対象基体の表面に形成
される膜に付着したり、その中に混入したりして膜質を
悪化させるという問題がある。しかしECRプラズマC
VDや熱フィラメントCVDによる高温成膜では平行平
板型のプラズマCVDによる比較的低温での成膜の場合
よりもパーティクルの発生は少ない。
【0011】以上のことから炭素膜を形成するときに
は、成膜対象基体の材質が耐熱性であれば平行平板型プ
ラズマCVDよりもECRプラズマCVDや熱フィラメ
ントCVDを採用する方が好ましいことが多いが、基体
材質が高温に耐えられない合成樹脂のような場合には平
行平板型プラズマCVDにより比較的低温で成膜しなけ
ればならない。そうすると前述のようにパーティクルの
発生量が多くなるし、また成膜速度を上げようとして印
加する高周波電力を大きくするとパーティクルの発生量
が増加するので成膜速度の向上にも限界がある。
【0012】そこで本発明は、例えば平行平板型プラズ
マCVD法及び装置による成膜のように比較的低温での
プラズマCVDによる成膜においても膜質を悪化させる
パーティクルの発生を抑制することができるとともに成
膜速度を著しく低下させることなく、或いは向上させて
成膜することができるダイアモンド状炭素膜形成のため
のプラズマCVD法及び装置を提供することを課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するため研究を重ねたところ、原料ガスのプラズマ化
を、10MHz以上の所定周波数の基本高周波電力に該
周波数の10000分の1以上、10分の1以下の範囲
の変調周波数で振幅変調を施した状態の電力を印加する
ことで行えば、パーティクルの発生が抑制され、成膜速
度も著しく低下することなく、或いは向上することを見
出した。また、その場合、かかる第1の振幅変調に、さ
らに、該変調周波数の100倍未満で100分の1より
大きい変調周波数で第2の振幅変調を施した状態の電力
を印加すれば一層成膜速度が向上することを見出した。
【0014】本発明はかかる知見に基づくもので、前記
課題を解決するため、次のプラズマCVD法及び装置を
提供するものである。(1) 成膜用原料ガスを高周波電力印加によりプラズマ
化し、このプラズマに基体を曝して該基体上に膜形成を
行うプラズマCVD法において、前記原料ガスとして
イアモンド状炭素膜(DLC膜)を形成するための炭化
水素化合物のガス、又は炭化水素化合物のガス及びこれ
と共にダイアモンド状炭素膜を形成するための該炭化水
素化合物ガスとは異なる種類のガスを用いるとともに、
該原料ガスのプラズマ化を、10MHz以上の所定周波
数の基本高周波電力に該所定周波数の10000分の1
以上、10分の1以下の範囲の変調周波数で振幅変調を
施した状態の高周波電力を印加することで行うように
し、且つ、該振幅変調を電力印加のオンオフを伴うパル
ス変調又はパルス状の変調とするダイアモンド状炭素膜
形成のためのプラズマCVD法。(2) 成膜用原料ガス供給部から供給される成膜用原料
ガスを高周波電力印加手段による高周波電力の印加によ
りプラズマ化し、このプラズマに基体を曝して該基体上
に膜形成を行うプラズマCVD装置において、前記高周
波電力印加手段が、10MHz以上の所定周波数の基本
高周波電力に該所定周波数の10000分の1以上、1
0分の1以下の範囲の変調周波数で振幅変調を施し、且
つ、該振幅変調を電力印加のオンオフを伴うパルス変調
又はパルス状の変調で施した状態の高周波電力を印加す
るものであり、前記原料ガス供給部が原料ガスとして
イアモンド状炭素膜(DLC膜)を形成するための炭化
水素化合物のガス、又は炭化水素化合物のガス及びこれ
と共にダイアモンド状炭素膜を形成するための該炭化水
素化合物ガスとは異なる種類のガスを供給するものであ
ダイアモンド状炭素膜形成のためのプラズマCVD装
置。(3) 前記方法及び装置において、前記原料ガスのプラ
ズマ化を10MHz以上、200MHz以下の所定周波
数の基本高周波電力に前記の振幅変調を施した状態の高
周波電力を印加することで行うプラズマCVD法及び装
置。この場合、プラズマCVD装置では、高周波電力印
加手段をそのような基本高周波電力に前記の振幅変調を
施した状態の高周波電力を印加できるものとする。(4)前記(1)、(3) の方法及び(2)、(3)
装置において、前記原料ガスのプラズマ化を、前記基本
高周波電力に前記振幅変調を施し、さらに、該変調周波
数の100倍未満で100分の1より大きい変調周波数
で第2の振幅変調を施した状態の高周波電力の印加によ
行うようにし、該第2の振幅変調を電力印加のオンオ
フを伴うパルス変調又はパルス状の変調とするプラズマ
CVD法及び装置。この場合、プラズマCVD装置で
は、高周波電力印加手段をそのような第1、第2の振幅
変調を施した状態の電力を印加できるものとする。
【0015】本発明方法及び装置において、変調前の基
本高周波電力の波形は、サイン波、矩形波、のこぎり
波、三角波等であることが考えられる。本発明方法及び
装置において、基本高周波電力として周波数が10MH
z以上のものを採用するのは、周波数が10MHzより
低い場合、効率の良いプラズマ生成が困難だからであ
る。
【0016】本発明方法及び装置において、第1振幅変
調は前記基本高周波電力の周波数の10000分の1以
上、10分の1以下の範囲に設定するが、これは該基本
高周波電力の周波数の10000分の1より低いと、プ
ラズマを発生させる電力印加の振幅変調の割合が少ない
ため、膜堆積に寄与する反応種を生成させることとダス
ト発生の原因となる反応種の生成を抑制することをほぼ
並行して行うことが困難であり、該基本高周波電力の周
波数の10分の1より高いと、安定したプラズマを発生
させることが困難になるからである。
【0017】また、前記の方法及び装置において、基
本高周波電力として周波数が10MHz以上200MH
z以下のものを採用するのは、200MHzより高い場
合、変調を加えたとしても従来方法及び装置によるより
プラズマ生成の効率が向上せず、また電源コストが増大
するからである。また、前記の方法及び装置におい
て、第2振幅変調の周波数が第1振幅変調周波数の10
0倍以上であると第2振幅変調による十分な効果が得ら
れず、また100分の1以下では成膜速度が低下する。
【0018】なお前記第1及び第2の各「振幅変調」
は、パーティクルの発生を効果的に抑制するうえで電力
印加のオンオフを伴う変調(換言すればパルス変調又は
パルス状の変調)としている。この場合デューティ比、
即ち変調波の1周期に占める電力印加のオン時間の割合
(オン/オン+オフ)は、任意の値に定めることができ
るが、それには限定されないが代表的には50%程度が
考えられ、この場合、ダストパーティクル発生量の低減
と、成膜速度の著しい低下を伴わない、或いは成膜速度
が向上する成膜が程よく行われる。
【0019】また、振幅変調した状態のガスプラズマ化
用の高周波電力は、代表的には、その原形を所望の高周
波信号を発生させ得る、例えばファンクションジエネレ
ータと一般に称されているもののような、高周波信号発
生器により作り、これを増幅器で増幅して得ることが考
えられるが、周波数が10MHz以上の範囲の基本高周
波電力を生成し、これに振幅変調を施して得ること等も
考えられ、この点について特に制限はない。
【0020】また、本発明方法及び装置において用いる
炭化水素化合物としては、メタン(CH4 )、エタン
(C2 6 )、プロパン(C3 8 )、ブタン(C4
10)等のアルカン、シクロプロパン(C3 6 )、シク
ロブタン(C4 8 )等のシクロアルカン、エチレン
(C2 4 )、プロペン(C3 6 )、ブテン(C4
8)等のアルケン、アセチレン(C2 2 )等のアルキ
ン等を例示することができ、それらのうち1又は2以上
を用いることができる。これらは単独で炭素膜の形成に
用いることができるが、H2 ガスや不活性ガス(ヘリウ
ムガス(He)、ネオンガス(Ne)、アルゴンガス
(Ar)又はクリプトンガス(Kr)等)等の異種ガス
とともに用いて炭素膜を形成することもできる。
【0021】
【作用】本発明プラズマCVD法及び装置によると、成
膜用原料ガスのプラズマ化が、10MHz以上の所定周
波数の基本高周波電力に該所定周波数の10000分の
1以上、10分の1以下の範囲の変調周波数でパルス変
調又はパルス状変調の振幅変調を施した状態の高周波電
力を印加することで行われ、従来のプラズマCVDに比
べるとパーティクルの発生が十分に抑制されるととも
に、成膜速度を著しく低下させないで、或いは向上させ
て成膜できる。
【0022】さらに説明すると、前記施した振幅変調に
より、ダストパーティクル発生の原因となる反応種の生
成が低減する一方、成膜に寄与する反応種の生成は妨げ
られず、このような変調を加えない場合に比べて、十分
満足できる程度にダスト発生が低減し、それにより比較
的低温での成膜でも欠陥の少ない良質の膜を形成するこ
とができ、且つ、成膜速度を著しく低下させないで、或
いは向上させて成膜することができる。
【0023】また、かかる振幅変調による高速電子の照
射により良質のダイアモンド状の炭素膜(DLC膜)が
形成される。なおここに言う高速電子とは、図4に示す
高周波電力印加状態に関連する電子エネルギ・時間の関
係を示す曲線a中、テイル部分bが表すもので、非マッ
クスウェル電子のうち高エネルギを有するものを指して
いる。
【0024】前記の第1及び第2の振幅変調を施すとき
は、第1振幅変調のみ施す場合よりもパーティクルの発
生が抑制され、成膜速度が向上し、膜質も向上する。こ
れは第2の振幅変調により電子温度が高く維持され、そ
れだけガス分解が一層促進されるからであると考えられ
る。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。図1は本発明方法の実施に用いるプラズマCVD装
置の1例の概略構成を示している。この装置は、図5に
示す従来装置において高周波電源32に代えて高周波電
力発生装置33を採用し、原料ガス供給部4が所定の炭
素膜を形成するための炭化水素ガス単体、又は炭化水素
ガス及びこれと共に所定の炭素膜を形成するための異種
ガス(例えば水素ガス)を供給できるものである点を除
けば、図5に示す装置と同構成のものである。図5に示
す装置におけると同部品には同じ参照符号を付してあ
る。装置33には、マッチングボックス31AにRF
(radio frequency)パワーアンプ34を介して接続され
た高周波信号発生器35が含まれている。高周波電力発
生装置33、マッチングボックス31A及び高周波電極
3は高周波電力印加手段を構成している。
【0026】本例によると、高周波電力発生装置33
は、図2の(A)に示す10MHz以上200MHz以
下の所定周波数のサイン波連続高周波電力(基本高周波
電力)に同図(B)に示すように該周波数の10000
分の1以上、10分の1以下の変調周波数で第1の振幅
変調を施し、オン時間T1、オフ時間T2が順次繰り返
される状態の高周波電力を発生するように設定されてい
る。オン時におけるピークツーピーク電力は一定であ
る。
【0027】このプラズマCVD装置によると本発明方
は次のように実施される。すなわち、成膜対象基体S
1が真空容器1内の電極2上に設置され、ヒータ21で
所定温度に加熱される一方、該容器1内が弁51の操作
と排気ポンプ52の運転にて所定成膜真空度とされ、ガ
ス供給部4から所定量の成膜用ガスが導入される。そし
て高周波電極3に高周波電力発生装置33から前記のと
おり振幅変調を施した状態の高周波電力が印加され、そ
れによって導入されたガスがプラズマ化され、このプラ
ズマの下で基体S1表面に所望の炭素膜が形成される。
【0028】このプラズマCVD法及び装置によると、
振幅変調した高周波電力の印加により原料ガスをプラズ
マ化することで、ダストパーティクル発生の原因となる
反応種の生成が低減する一方、成膜に寄与する反応種の
生成が妨げられることがなく、相対的に増加するため、
ダストパーティクル発生が低減し、それにより膜質が向
上し、さらに成膜速度も向上する。そして比較的低温で
良質のダイアモンド状の炭素膜(DLC膜)が形成され
る。
【0029】図3は本発明方法の実施に用いるプラズマ
CVD装置の他の例を示している。この装置は図1に示
す前記装置における高周波電力発生装置33を高周波電
力発生装置36に代えたものであり、他の構成は図1の
装置と同じである。高周波電力発生装置36は、マッチ
ングボックス31BにRFアンプ34を介して接続され
た高周波信号発生器37を含んでおり、図2の(A)に
示す10MHz以上200MHz以下のサイン波連続高
周波電力(基本高周波電力)に同図(B)に示すように
該周波数の10000分の1以上、10分の1以下の変
調周波数で第1の振幅変調を施し、さらに、同図(C)
に示すように該第1変調の周波数1/(T1+T2)よ
り高く、該周波数の100倍未満の周波数で第2の振幅
変調を施し、第1振幅変調によるオン時間T1について
オン時間T3、オフ時間T4が順次繰り返される状態の
高周波電力を発生するように設定されているか、或いは
同図(D)に示すように該第1変調周波数の100分の
1より高く、該第1変調周波数より低い周波数で第2の
振幅変調を施し、そのオン時間について前記第1変調波
のオン時間T1、オフ時間T2が順次繰り返される状態
の高周波電力を発生するように設定されている。オン時
におけるピークツーピーク電力は一定である。
【0030】このプラズマCVD装置によると、前記の
とおりの第1及び第2の振幅変調が施された状態の高周
波電力の印加により原料ガスがプラズマ化される結果、
前記の第1の振幅変調のみを施す場合よりもダストパー
ティクルの発生が抑制されるのみならず、成膜速度が向
上するとともにDLC膜の膜質が向上する。次に図1の
装置、図3の装置のそれぞれによりDLC膜を形成した
実験例を示す。 実験例1 図1の装置によるDLC膜の形成 成膜条件 基体S1 :100mm平方のポリイミド樹脂 高周波電力 :13.56MHz、 100W 振幅変調周波数 68kHz デューティ比 50% 電極サイズ :直径200mm 成膜用ガス :メタン(CH4 ) 10sccm 水素(H2 ) 200sccm 基体温度 :100℃ 成膜圧力 :0.1Torr 実験例2 図3の装置によるDLC膜の形成 成膜条件 基体S1 :100mm平方のポリイミド樹脂 高周波電力 :13.56MHz、 100W 第1振幅変調周波数 68kHz デューティ比 50% 第2振幅変調周波数 1kHz デューティ比 50% 成膜用ガス :メタン(CH4 ) 10sccm 水素(H2 ) 200sccm 基体温度 :100℃ 成膜圧力 :0.1Torr また、図5に示す従来装置により、本発明のように振幅
変調を施さない点を除いて他は実験例1と同じ成膜条件
で炭素膜を形成した(比較例1)。
【0031】以上の成膜結果は次のとおりであった。発
生したダストパーティクル密度はレーザ散乱法(Mie
散乱法)によるプラズマ中のレーザ散乱強度を直径0.
1μm以上のパーティクルの密度に換算して示したもの
である。 成膜速度(Å/分) パーティクル密度(個/cm3 ) 実験例1 2000 約3×107 実験例2 2400 1×107 以下 比較例1 1000 約1×108 前記実験から、原料ガスのプラズマ化を、所定周波数の
基本高周波電力に第1の振幅変調を施した状態の高周波
電力印加により行えば、従来よりパーティクルの発生が
抑制されるとともに成膜速度が向上することが判り、ま
た、第2の振幅変調も施せば、パーティクルの発生がさ
らに抑制されるとともに成膜速度がさらに向上すること
が判る。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、例
えば平行平板型プラズマCVD法及び装置による成膜の
ように比較的低温でのプラズマCVDによる成膜におい
ても膜質を悪化させるパーティクルの発生を抑制するこ
とができるとともに成膜速度を著しく低下させることな
く、或いは向上させて成膜することができるダイアモン
ド状炭素膜形成のためのプラズマCVD法及び装置を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の実施に用いるプラズマCVD装置
の1例の概略構成を示す図である。
【図2】図(A)は基本高周波電力波形の概略を示す
図、図(B)は図(A)の高周波電力に第1の振幅変調
を施した状態の高周波電力波形の概略を示す図、図
(C)は図(B)の高周波電力に第2の振幅変調を施し
た状態の高周波電力波形の一例の概略を示す図、図
(D)は図(B)の高周波電力に第2の振幅変調を施し
た状態の高周波電力波形の他の例の概略を示す図であ
る。
【図3】本発明方法の実施に用いるプラズマCVD装置
の他の例の概略構成を示す図である。
【図4】プラズマ中の高速電子を説明する図である。
【図5】従来プラズマCVD装置の概略構成を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 真空容器 2 基体ホルダを兼ねる接地電極 3 高周波電極 31、31A、31B マッチングボックス 33、36 高周波電力発生装置 34 RFパワーアンプ 35、37 高周波信号発生器 4 成膜用原料ガス供給部 51 弁 52 排気ポンプ S1 基体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/505 C23C 16/27 C30B 29/04 H01L 21/205 H01L 21/31 H05H 1/46

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成膜用原料ガスを高周波電力印加により
    プラズマ化し、このプラズマに基体を曝して該基体上に
    膜形成を行うプラズマCVD法において、前記原料ガス
    としてダイアモンド状炭素膜を形成するための炭化水素
    化合物のガス、又は炭化水素化合物のガス及びこれと共
    ダイアモンド状炭素膜を形成するための該炭化水素化
    合物ガスとは異なる種類のガスを用いるとともに、該原
    料ガスのプラズマ化を、10MHz以上の所定周波数の
    基本高周波電力に該所定周波数の10000分の1以
    上、10分の1以下の範囲の変調周波数で振幅変調を施
    した状態の高周波電力を印加することで行うようにし、
    且つ、該振幅変調を電力印加のオンオフを伴うパルス変
    調又はパルス状の変調とするダイアモンド状炭素膜形成
    のためのプラズマCVD法。
  2. 【請求項2】 前記原料ガスのプラズマ化を、10MH
    z以上200MHz以下の所定周波数の基本高周波電力
    に前記の振幅変調を施した状態の高周波電力を印加する
    ことで行う請求項1記載のプラズマCVD法。
  3. 【請求項3】 前記原料ガスのプラズマ化を、前記基本
    高周波電力に前記振幅変調を施し、さらに、該変調周波
    数の100倍未満で100分の1より大きい変調周波数
    で第2の振幅変調を施した状態の高周波電力の印加によ
    行うようにし、該第2の振幅変調を電力印加のオンオ
    フを伴うパルス変調又はパルス状の変調とする請求項1
    又は2記載のプラズマCVD法。
  4. 【請求項4】前記炭化水素化合物のガスとしてメタンガ
    スを用いる請求項1、2又は3記載のプラズマCVD
    法。
  5. 【請求項5】 成膜用原料ガス供給部から供給される成
    膜用原料ガスを高周波電力印加手段による高周波電力の
    印加によりプラズマ化し、このプラズマに基体を曝して
    該基体上に膜形成を行うプラズマCVD装置において、
    前記高周波電力印加手段が、10MHz以上の所定周波
    数の基本高周波電力に該所定周波数の10000分の1
    以上、10分の1以下の範囲の変調周波数で振幅変調を
    施し、且つ、該振幅変調を電力印加のオンオフを伴うパ
    ルス変調又はパルス状の変調で施した状態の高周波電力
    を印加するものであり、前記原料ガス供給部が原料ガス
    としてダイアモンド状炭素膜を形成するための炭化水素
    化合物のガス、又は炭化水素化合物のガス及びこれと共
    ダイアモンド状炭素膜を形成するための該炭化水素化
    合物ガスとは異なる種類のガスを供給するものである
    イアモンド状炭素膜形成のためのプラズマCVD装置。
  6. 【請求項6】 前記高周波電力印加手段が、10MHz
    以上200MHz以下の所定周波数の基本高周波電力に
    前記の振幅変調を施した状態の高周波電力を印加するも
    のである請求項5記載のプラズマCVD装置。
  7. 【請求項7】 前記高周波電力印加手段が、前記基本高
    周波電力に前記振幅変調を施し、さらに、該変調周波数
    の100倍未満で100分の1より大きい変調周波数で
    第2の振幅変調を施し、且つ、該第2の振幅変調を電力
    印加のオンオフを伴うパルス変調又はパルス状の変調で
    施した状態の高周波電力を印加するものである請求項5
    又は6記載のプラズマCVD装置。
  8. 【請求項8】 前記原料ガス供給部は前記炭化水素化合
    物のガスとしてメタンガスを供給するものである請求項
    5、6又は7記載のプラズマCVD装置。
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