JP3145784B2 - 被縫製物の縁を正確に定寸バーにそえて整向する装置を備えた縫製ユニット - Google Patents

被縫製物の縁を正確に定寸バーにそえて整向する装置を備えた縫製ユニット

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JP3145784B2
JP3145784B2 JP12391892A JP12391892A JP3145784B2 JP 3145784 B2 JP3145784 B2 JP 3145784B2 JP 12391892 A JP12391892 A JP 12391892A JP 12391892 A JP12391892 A JP 12391892A JP 3145784 B2 JP3145784 B2 JP 3145784B2
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  • Sewing Machines And Sewing (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、請求項1の上位概念に
記載した形式の被縫製物の縁を定寸バーに正確にそえて
整向する装置を備えた縫製ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】請求項1の上位概念に記載した特徴を備
え、被縫製物を定寸バーに沿って整向する装置は、ドイ
ツ連邦共和国実用新案第8807378号(米国特許第
4,945,843号に含まれる)から公知である。こ
の公知の装置は、本質的に供給された被縫製物のための
載せ台となるテーブル板と、このテーブル板上に設けら
れている定寸バーと、このテーブル板上に設けられてい
て互いに全く等しい四つの整向装置とから成る。これら
の整向装置の各々の主要な構成要素は、テーブル板上に
固定されていて往復動する圧縮空気シリンダと、板ばね
とから成りかつ上記の圧縮空気シリンダにより出し入れ
可能なピストンロッドに固定されている整向フインガで
ある。この整向フインガは、その往復運動において捩れ
を生じないように構成されかつ整向フインガの自由端に
設けられたアーチ状のフックは、ピストンロッドがシリ
ンダから出た際にテーブル板の上方の高い位置に存在
し、他方ピストンロッドが入り込んだ際アーチ状のフッ
クは、入り込み運動の終期において被縫製物の折畳まれ
た縁を把持するまで被縫製物方向に降下するように構成
されている。四つの整向装置が定寸バーに対して横方向
で設けられているので、テーブル板上に載置された被縫
製物は、−アーチ状のフックがこの被縫製物の二重に折
畳まれたへりの折畳み縁を掴んだ後−押圧シリンダのピ
ストンロッドが更に入り込むことにより定寸バー方向に
送られる。これにより載置された被縫製物の定寸バーに
沿った最終的な問題のない整向が可能となる。従って被
縫製物のへりを正確に整向する目的で行われる被縫製物
のこの問題のない定寸バー方向への送りは、被縫製物例
えばシャツ前身頃のボタンしろの折畳み縁が二重に折返
されたへりによって形成されることを前提とする。上記
整向フインガのアーチ状のフックは、極めて明白に形成
された折畳み縁のみを把持することが可能である。
【0003】被縫製物を整向するための公知の装置の欠
点は、規則的にシャツの前身頃又はブラウスの前身頃の
ボタンしろのために形成され、またしばしばボタン孔し
ろのためにも形成されるへりが単純に折返されたへりで
ある場合は、被縫製物を縁部が正確に定寸バーにそうよ
うに整向することは不可能であることである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の根底をなす課
題は、一重に折返された若しくは二重に折返された縁が
に当たる当接縁の近傍において整向された大表面積の被
縫製物の縁の正しい整向と、これに続くずれの少ない引
渡しが可能であるように冒頭に記載した形式の装置を改
良することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、請求項1
の特徴部に記載した構成によって解決される。
【0006】本発明による装置により有利な方法で、薄
い傷み易い被縫製物、例えば絹又はマイクロ繊維織物か
ら成るシャツ又はブラウスの前身頃にあって手作業によ
らなくとも、例えば機械的な部分による被縫製物の取扱
い又は作業員が被縫製物に接触することなく、これらの
被縫製物の縁を正しく定寸バーに沿った整向と、整向さ
れた被縫製物の被縫製物保持体への引渡しを行うことが
可能となる。これにより整向工程をへりの形状(即ちへ
りが単純な折返しであるか又は二重の折返しであるか
に)関係なく行うことが可能となる。
【0007】自動的に行われる整向行程は作業条件が一
定し従って品質の向上が達せられる。更に作業員の労力
を軽減し、また機械サイクルのための時間が節約され
る。
【0008】被縫製物に対して傾斜した方向で指向され
て圧縮空気ノズルから流出する吹出し空気による被縫製
物の当接縁に沿った整向に関して、公知技術(米国特許
第3,886,877号とドイツ連邦共和国公開特許第
3325389号公報参照)により、ノズルから流出す
る気体若しくは吸込み室に流入する気体を被縫製物案内
ユニットに使用することが知られている。
【0009】請求項2による特徴を有する装置の構成
は、整向された被縫製物を載置台に固定する締付けトン
グの上昇と降下を許容し、しかもこの場合このために独
自の駆動機構を設ける必要がない。更に、領域が吸込み
室−開口の直ぐ近傍内に区画され従って吸込み室内に流
入する空気が増強されて十分に被縫製物に作用する。
【0010】請求項3の特徴部に記載の構成により、整
向された被縫製物が被縫製物保持体から引取られると直
ちに、締付けトングは、この整向された被縫製物から持
上げられることが可能となる。
【0011】請求項4の特徴を有する装置は、被縫製物
のための整向力を付加的な吹出し空気により変えられ、
従って整向作用を異なる被縫製物の材料に適合すること
が可能であるように構成されている。
【0012】請求項5の特徴部に記載の構成により、整
向運動を被縫製物の一定領域に集中させることが可能と
なる。これは、例えばボタン取付け又はボタン孔縫製の
ような縫製行程を行うのに有効である。
【0013】請求項6の特徴部に記載の特徴を備えた装
置は、整向された被縫製物を保持する引渡し装置が被縫
製物を引取るための被縫製物室内に入り込むことが可能
であるように構成されており、これによりずれ又は歪み
を伴わない引渡しのための好都合な装置の作動が達せら
れる。
【0014】請求項7により特徴により整向された被縫
製物を引取る締付け要素のための経費が適切でありかつ
作業に信頼性を有する構成が得られる。
【0015】
【実施例】図1に、被縫製物にステッチ群を順次形成す
るための、例えばシャツ前身頃又はブラウス前身頃を縫
製するための、既にドイツ連邦共和国特許第38192
77号明細書から公知の縫製ユニットを示す。この縫製
ユニットは本質的に以下の構成要素、即ち機枠1と、こ
の機枠1に摺動可能に支承されたスライダ2と、このス
ライダ2に固定されていてかつ上部にミシン4−例えば
自動ボタン孔かがり装置又はボタン孔自動形成装置−が
固定されている台板3と、機枠1に摺動可能に支承され
た固定スライダ5と、布挿入装置6とから成る。この布
挿入装置6は、載置台7から成り、この載置台7は、前
方の領域において僅かに湾曲している脚部8と、上記の
載置台7に固定された二つのブラケット9と、これら二
つのブラケット間に設けられた締付け体10とを備えて
いる。この締付け体10は、ロッド11と、多数の締付
け片12とから成り、この締付け片12は、ロッド11
と一体的に結合されている。締付け片12の各々には旋
回可能な締付けトング13,13′が、支承されてい
る。布挿入装置6と締付け片12の構成及び作動態様
は、ドイツ連邦共和国特許第3819277号明細書か
ら公知であるので、ここでは詳細な説明を省く。
【0016】図4から認められるように、各々の締付け
トング13には少なくとも一つの圧縮空気供給部14が
設けられており、この圧縮空気供給部14は管片から成
り、例えば締付けトング13の上側15に例えばはんだ
付けによって固定されている。前方に僅かに傾斜してい
る領域16内で圧縮空気供給部14が、締付けトング1
3を貫通しており、これによって圧縮空気供給部14
は、下面17において流出口18に開口している(図
5)。圧縮空気供給部14は、ホース19を介してここ
には図示しない外部の圧縮空気源と結合している。この
ような構成の一方で、締付け体10の両端に設けられた
両締付けトング13′は、圧縮空気供給部14を備えて
いないことが分かる(図2)。作業員が、載置される被
縫製物55をその両端で保持して、両締付けトング1
3′の近傍においてはね上げられた位置(作用位置H;
図5に示す位置)に位置する定寸バー20にそえるの
で、この圧縮空気供給部を必要としない。従って取扱を
良好にすると言う理由から図2と図3に図示した締付け
トング13′は、相応して形成された傾斜部を備える。
【0017】図4から明らかなように、締付けトング1
3はウエブ13aを備えており、このウエブ13aは、
締付け片12内の詳しく図示していない切欠き部内に遊
びをもって収容されており、ピン13bを介してこの締
付け片12と回転可能に結合している。締付け片12に
は圧縮ばねとして形成されたばね13cが支承されてお
り、このばね13cは、その自由端でウエブ13aに支
持されている。ばね13cは、締付けトング13をピン
13bのまわりで時計方向で回転付勢している。更に締
付け片12には圧縮空気シリンダ13dが設けられてお
り、この圧縮空気シリンダ13dのピストン13eは、
相応して圧縮空気によって付勢された際締付けトング1
3をピン13bのまわりで反時計方向に回転付勢する。
【0018】図4及び図7から認められる定寸バー20
は、トラバース21と、これに固着された横ロッド22
とから成る。この横ロッド22は、図7に示すように、
ここでは詳しく図示してない固定手段によってそれぞれ
一つの保持ブロック23に一体的に固定されている。管
体24は、これらの両保持ブロック23と固着されてお
り、この管体24の両端は、それぞれ一つの蓋25で閉
じられている。この蓋25は、ピボット26を備えてお
り、このピボット26は、担持体27に回転可能に支承
されている。両担持体27は、機枠1に固定されてい
る。図7に示すように、レバー28も両蓋25の一つと
固着しており、このレバー28の自由端には機枠1に固
定して設けられた圧縮空気シリンダ30のピストンロッ
ド29が、それ自体公知のリンク結合部を介して枢着さ
れている。この圧縮空気シリンダが相応して付勢される
ことにより、定寸バー20は、作用位置H(定寸バーの
図5に示す位置)から静止位置T(定寸バーの図6に示
す位置)に又は逆の順序で移動可能であるように、旋回
可能に構成されている。作用位置Hにおいて、定寸バー
20は載置台7を領域31だけ、特に脚部8の上面から
突出する。この領域内には多数の孔群32が形成されて
おり、これらの孔群32の各々は、多数の隣接した吸込
み孔33から成る。これらの吸込み孔群32は、孔群3
2が図5及び図6によれば持ち上げられた定寸バー20
の上面上に支持される、相応して下降した締付けトング
13によって屋根状にカバーされるようにトラバース2
1上に配設されている。定寸バー20、即ちトラバース
21並びに両横ロッド22は、吸込み室34として形成
されており、このことは例えば4角形の管体として形成
されることによって、達成される。この際勿論、トラバ
ース21の両端は、公知の封隙手段により密閉されてお
り、トラバース21と当該横ロッド22と間の結合個所
は、流通開口を有している(図5)。保持ブロック23
には屈曲した孔35が形成されており、この屈曲した孔
35は、一方では横ロッド22内の吸込み孔34に通じ
る流通開口を、他方では管体24に通じる他の流通開口
を備えている(図4)。横ロッド22と保持ブロック2
3との間で上記の結合位置にパッキン36が設けられて
いる(図4)。管体24には流出接続管37が設けられ
ており、この流出接続管37は、ホースを介して負圧発
生器、例えば市販のエジェクタ−ノズルと接続してい
る。上記のホース並びにこのエジェクタ−ノズルは、図
面を見やすくするためここには図示してない。図4、図
6及び図7に示すように、定寸バー20、保持ブロック
23及び管体24は、それ自体閉鎖された吸込み室を形
成しており、この吸込み室の入口は、トラバース21内
に形成された孔群32から、その出口は、管体24に付
設された流出接続管37から構成される。
【0019】本発明による装置の他の構成要素は、冒頭
に記載した固定スライダ5である。本発明にとって重要
な構成要素であるこの固定スライダ5は、ねじ38′に
より保持ロッド38上に互いに並列して締付け固定され
た多数の締付け具39である。これらの締付け具39の
各々は、締付けレバー40を形状一体的に収容してい
る。この締付けレバー40は、板41と、この板41と
固着された台座42とから成る。締付け具39には凹部
43が形成されている。この凹部43には台座42と締
付けレバー40が、一体的に収容されている。台座42
の後端には横スリット44が形成されている。この横ス
リット44内には図8に示すように締付け具39に圧入
された軸受ピン45が係入している。上記の構成により
軸受ピン45と横スリット44とは、摺動回転案内部を
形成している。これにより締付けレバー40は、締付け
具39に対して相対的に一定の範囲で摺動及び回転運動
することが可能である。
【0020】図8に示すように、締付け具39内には、
一種のプランジャーの形式で形成された詳しく図示しな
いピストンを備えた、単動の圧縮空気シリンダ16が設
けられており、この圧縮空気シリンダ16のピストンロ
ッド47は、締付けレバー40に対して相対的に傾斜し
た運動路に沿って出し入れ運動可能である。ピストンロ
ッド47の端にはU字形の凹部48が形成されており、
この凹部48は、台座42内に圧入されたピン49を把
持している。これにより圧縮空気シリンダ46は、締付
けレバー40と作用結合している。上記の構成により直
線状に案内されるピストンロッド47とピン49とが摺
動回転支承部を形成している。
【0021】台座42に設けられた他のピン50は、図
8に示すように締付け具39内にルーズに支承されたボ
ルト51の枢支点を形成しており、このボルト51の頭
部51′は球形に形成されている。ボルト51の締付け
具39から突出している前方部分は、ピン50と枢支結
合している。ボルト51上に装着された圧縮ばね52
は、締付けレバー40の下降運動が常にこの圧縮ばね5
2の力に抗して行われるように設定されている。締付け
レバー40の前端には加圧弾性的な合成樹脂又はゴムか
ら成る押圧片53が設けられている。従って固定スライ
ダ5に所属している担持板54と上記の押圧片53とが
共働することにより折畳まれた被縫製物55−その当接
縁56は手作業によることなく予め定寸バー20にその
縁が正確に沿うように整向されている−のずれを伴わな
い締付けが可能となる。
【0022】締付けレバー40を上記のように締付け具
39に支承することにより、即ち摺動回転案内部と、摺
動回転支承部とにより、締付けレバー40の前端、即ち
締付けレバー40の押圧片53を備えた領域が、押圧シ
リンダ46が付勢された際殆ど平行摺動運動を被る。こ
の場合、この平行摺動は、担持板54上に設定された基
準に相応する殆ど直線状の軌道B上で行われる。
【0023】各々の圧縮空気シリンダ46に圧力媒体を
供給するにはホース46′が使用される。このホース4
6′は、図3の右側に図示した締付け具39をここには
図示しない圧縮空気源と接続している。保持ロッド38
に設けられた他のすべての締付け具39は、図3に示す
ホース46″を介して互いに接続している。ホース4
6′並びにホース46″は、締付け具39上に設けられ
たホースニップル57に挿入されており(図9)、供給
される圧縮空気は、孔58(図8)を経て当該圧縮空気
シリンダ46に達する。
【0024】固定スライダ5−ドイツ連邦共和国特許第
3819277号明細書において固定装置と称されてい
る−は全く公知であり、従ってここではその詳細な構成
及び機能の説明は省略した。
【0025】圧縮空気シリンダ30,13cと46を正
しく機能するように作動させること、並びに圧縮空気を
締付けトング13の供給部14に供給すること、及び定
寸バー20のために負圧を発生させることは、これらの
作業の開始及び時間に関連して、この縫製ユニットの納
入の際のオプションである制御機構61によって行われ
る(図1)。圧縮空気の消費を低く抑えるには、供給部
14内に供給される吹込み空気並びに定寸バー20内で
負圧を発生させるのに必要な吸込み空気を、載置部1に
載置される被縫製物55の縁の整向を行う場合にのみ流
動させるのが有利である。勿論供給される圧縮空気を準
備するために、ここには詳しく図示しも説明もしない相
応した市販の空圧機器の要素、例えば絞り弁、水セパレ
ータ等及び圧縮空気を供給するための電磁弁が設けられ
得る。
【0026】以下に本発明による、被縫製物55の縁の
正確な整向と、ずれを伴うことのない引渡しを行うため
の装置の作動態様を説明する。作動態様は先ず、縫製ユ
ニット内に被縫製物55が存在しておらず、布挿入装置
6が被縫製物保持体60に対して相対的に図3に示した
位置にある作業出発状態から出発する。圧縮空気シリン
ダ13dは、圧縮空気を付勢されている。これにより、
締付けトング13と13′がそれぞれ所属しているばね
13cの力に抗して反時計方向に回転し、締付けトング
13と13′が載置台7の脚部8上でに当接する(図6
では後に載置台7と脚部8との間に被縫製物55が入っ
た場合を想定して図示されている)。圧縮空気シリンダ
30は、適当に圧縮空気を付勢された際その入り込み位
置を占め、定寸バー20は、降下した位置、即ち図4で
見て反時計方向に回動した、静止位置Tにある(図
6)。
【0027】更に、作動態様は押圧シリンダ46が無圧
状態であり、従って板41、従って加圧片53が担持板
54から離れて上方に位置決めされていることから出発
する(図8)。載置台7の脚部8上に被縫製物55を載
せる直前に、圧縮空気シリンダ30を作動させて、その
ピストンロッド29を繰出してレバー28により即ち図
4で見て、横ロッド22を管体24の回りで時計方向に
回動させて、定寸バー20をその作用位置Hへと旋回さ
せる(図5)。
【0028】圧縮空気シリンダ30と46及びこれらに
よって作動される部分の位置により、定寸バー20は、
そのトラバース21で締付けトング13と13′の前端
を負荷された押圧シリンダ13dの力に抗して持上げる
ことが可能となる。定寸バー20が、横ロッド22を管
体24の回りで反時計方向に回動させて旋回する以前及
び定寸バー20が、横ロッド22を管体24の回りで時
計方向に回動させて旋回した後の状態は、図5及び図6
とに示される。
【0029】定寸バー20は、その作用位置Hにおいて
領域31だけ載置台7、特に脚部8の上面から突出す
る。ここで作業員は、手で保持した被縫製物55を、脚
部8の上面から突出する載置台7の領域31(図4)に
両締付けトング13′の近傍で定寸バー20に突き当て
る。この時点で、負圧発生源から定寸バー20に負圧が
与えられ、同時にこれらの締付けトング13の各々から
定寸バー20に対して斜め方向に指向された吹出し空気
が、被縫製物55に対して噴射される(図5)。被縫製
物55は、吸気作用と吹出し作用とにより手で触れるこ
となくその全折畳縁56に沿って定寸バー20の縁に当
接するように引かれる。従って被縫製物55が定寸バー
20方向に指向して運動する。何故なら吸引作用を行う
ため孔32の各々に吹出し空気流のための流出口18が
直接相対して存在しているからである。これにより定寸
バー20の近傍における吹出し空気の渦流が回避され
る。整向されるべき被縫製物55に対する吸込み及び吹
出し作用は、作用位置H内に存在している定寸バー20
がそのトラバース21と被縫製物55を支持している脚
部8と持上げられた締付けトング13、13′との組合
わせでそれぞれ狭い断面を形成し、これにより空気流
(吸込み空気と吹込み空気)が高い速度になることによ
り、増強される。
【0030】上記の渦流が発生すると、被縫製物の生地
が極めて薄い場合、例えば絹又はマイクロ繊維織物地で
ある場合、被縫製物の正確に縁が整向された当接が不可
能となる。しかも、吸込み空気でのみ作業が行われる場
合、一定の材料の整向が良好に達せられることが分かっ
た。
【0031】上記のように被縫製物55を整向した後、
圧縮空気シリンダ30の空気が抜かれ(排気され)、定
寸バー20をその静止位置Tに旋回される(図6)。こ
の位置では定寸バー20は載置台7、特に脚部8から突
出しない。定寸バー20が上記のように旋回されると同
時に締付けトング13、13′は、押圧シリンダ13d
の力により予め整向されて載置された被縫製物55上に
降下される。その際トング13、13′は、締付け片1
2に設けられた圧縮空気シリンダと作用結合する。この
圧縮空気シリンダは、既に公知(ドイツ連邦共和国特許
第3819277号参照)であるのでここでは詳細に図
示及び説明を省略する。
【0032】整向された被縫製物55を脚部8上に上記
のように固定した後、布挿入装置6をドイツ連邦共和国
特許第3819277号明細書から公知の形式で固定ス
ライダ5の方向で移動させる(図3)。この際、締付け
レバー40は図8に明瞭に示されている位置に存在す
る。布挿入装置6は、脚部8内に設けられた凹部59
(図2)を介してその最も前方の位置に存在しており、
この位置で凹部59はその締付け具39により櫛状に囲
繞される。これにより脚部8と締付けトング13,1
3′の間で保持された被縫製物は55は、これが正しく
各々の押圧片53と担持板54との間に存在するように
固定スライダ5内に移動される(図9)。
【0033】布挿入装置6がその前方位置に到達した
際、圧縮空気シリンダ46が作動され、これにより締付
けレバー40はその押圧片53で被縫製物55と担持板
54上に降下する。
【0034】この降下運動が幾分傾斜した運動軌道Bで
行われるので、正確に縁を整向されて載置された被縫製
物55は固定スライダ5への引渡の際ずれることがな
い。
【0035】降下された締付けレバー40は、この状態
で担持板54と作用結合して多数の機素から成る被縫製
物締付け体60の機能を行う。被縫製物55上に締付け
レバー40が載置された後、締付け体10の締付け片1
2の各々内の図示していない圧縮空気シリンダ13dが
排気され、これによりばね13cの作用により締付けト
ング13,13′の先端が持上げられ、もはや被縫製物
55と載置台7の脚部8を押圧しない。ここで布挿入装
置6が再び図2と図3に示した出発位置に戻り、次の被
縫製物55が縫製のため供給される。この被縫製物55
は上記の形式で縁が正しく整向されて定寸バー20に当
接する。
【0036】この布挿入装置6がその出発位置に達する
直前に、ミシン4のここに図示しなかった押さえが、固
定スライダ5内に位置固定に保持された被縫製物55上
に降下され、引続き被縫製物55内で形成される多数の
ステッチ群の第一のステッチが形成される。押さえの降
下並びにこれに続いて行われる縫製工程は、ドイツ連邦
共和国特許第3819277号明細書に詳しく記載され
ているので、これ以上詳しくは説明しない。最後のステ
ッチ群を形成した後、縫製仕上げされた被縫製物55
は、上記のドイツ連邦共和国特許第3819277号明
細書から公知の方法で被縫製物締付け体60から取出さ
れる。その後、その出発位置に戻されている固定スライ
ダ5にその間に布挿入装置6内に縁を正しく整向されて
供給されている被縫製物55が再び挿入される。
【0037】
【発明の効果】上記のように本発明による縫製ユニット
により被縫製物、特に絹又はマイクロ繊維織物地のよう
な傷みやすい生地から成るシャツ、ブラウス又は他の被
縫製物の縫製又はボタンしろ形成、又はボタン孔形成の
際、この被縫製物の縁が正しく整向された状態で固持さ
れて縫製装置に引渡され、これにより被縫製物を作業員
が手により調整することなく相応するステッチ群の縫製
プログラムに即応した正しい形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】被縫製物の縁を正しく整向しかつ引渡すための
装置を簡略化して示した本発明による縫製ユニットの斜
視図である。
【図2】本発明による縫製ユニットの平面図である。
【図3】本発明による縫製ユニットの斜視図である。
【図4】図3の切断線IV−IVに沿った簡略断面図で
ある。
【図5】当接部分を持上げられた位置(作用位置)で示
した図4に示した部分の拡大断面図である。
【図6】被縫製物が取去られ、当接部分が降下した位置
(静止位置)に存在した状態での図5に相当する図であ
る。
【図7】旋回可能な定寸バーの簡略斜視図である。
【図8】図3の切断線IV−IVに沿った拡大断面図で
ある。
【図9】締付け具及びこの締付け具内に収容された締付
けレバーの簡略斜視図である。
【図10】へりが一重に折畳まれた被縫製物の図であ
る。
【符号の説明】
1 機枠 2 スライダ 3 台板 4 ミシン 5 固定スライダ 6 布挿入装置 7 載置台 8 脚部 9 ブラケット 10 締付け部 11 ロッド 12 締付け体 13 締付けトング 13′締付けトング 13″ 締付けトング 13a ウエブ 13b ピン 13c ばね 13d 押圧シリンダ 14 圧縮空気供給部 20 定寸バー 21 トラバース 22 横ロッド 23 保持ブロック 24 管体 27 担持体 28 レバー 29 ピストンロッド 30 圧縮空気シリンダ 31 領域 33 吸込み孔 34 吸込み室 37 流出接続管 39 締付け具 40 締付けレバー 42 ブロック 46 圧縮空気シリンダ 46′ ホース 53 押圧片 55 被縫製物 56 当接縁 60 締付け部 61 制御機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ハインツ・レンゲル ドイツ連邦共和国、メムメルスドルフ、 ウイーゼンストラーセ、5 (56)参考文献 特開 平1−314589(JP,A) 特開 平2−29287(JP,A) 特開 昭49−93150(JP,A) 実開 昭63−171159(JP,U) 特公 昭60−58993(JP,B2) 西独国特許出願公開3325389(DE, A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D05B 35/10 - 35/12

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項01】 被縫製物(55)を布挿入装置(6)
    の載置台(7)上に載せかつ整向させた後、被縫製物締
    付け体に引渡しを行う形式の、被縫製物(55)の縁部
    を正確に定寸バー(20)にそえて整向する装置を備え
    た縫製ユニッとにおいて、 定寸バー(20)が、載置台(7)方向に整向されてい
    る少なくとも一つの開口(33)を有する吸込み孔(3
    4)を備えて形成されていて、かつこの定寸バー(2
    0)が、そこにおける吸込み空気の作用の下に被縫製物
    (55)を整向するために静止位置(T)から載置台
    (7)から突出している作用位置(H)に移動可能であ
    るように構成されていること、 載置台(7)に所属している締付け体(10)が、互い
    に並列して設けられた多数の締付けトング(13,1
    3′)によって形成されていること、及び被縫製物締付
    け体(60)が、被縫製物(55)を引取るための締付
    けレバー(40)を有し互いに並列して設けられた多数
    の締付け具(39)によって形成されていることとを特
    徴とする被縫製物の縁を正確に定寸バーにそえて整向す
    る装置を備えた縫製ユニット。
  2. 【請求項02】 定寸バー(20)が、その作用位置
    (H)で締付けトング(13,13′)に当接するよう
    に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の縫
    製ユニット。
  3. 【請求項03】 締付けトング(13,13′)を被縫
    製物(55)から持上げるためにばね13cが、設けら
    れていることを特徴とする請求項1又は2に記載の縫製
    ユニット。
  4. 【請求項04】 締付けトング(13)が、定寸バー
    (20)の作用位置(H)にある開口(33)の方向に
    整向された流出開口(18)を備えた圧縮空気供給部
    (14)を有していることを特徴とする請求項1から3
    までのいずれか一つに記載の縫製ユニット。
  5. 【請求項05】 定寸バー(20)における開口(3
    3)が、吸込み孔を備えた多数の孔群(32)から成る
    ことを特徴とする請求項1から4までのいずれか一つに
    記載の縫製ユニット。
  6. 【請求項06】 載置台(7)が櫛状の切欠き(59)
    を備え、この切欠き内に被縫製物(55)を引取る際締
    付けレバー(40)が、入り込み可能でありかつ締付け
    トング(13,13′)が、上記切欠き(59)の側方
    に設けられたことを特徴とする請求項1から5までのい
    ずれか一つに記載の縫製ユニット。
  7. 【請求項07】 締付けレバー(40)が、ピストン
    (39)内で摺動回転案内部である横スリット(44)
    と軸受けピン(45)とにおいて及び摺動回転支承部で
    あるピストンロッド(47)とピン(49)とにおいて
    支承されていることを特徴とする請求項1から6までの
    いずれか一つに記載の縫製ユニット。
  8. 【請求項08】 締付けレバー(40)の各々に台座
    (42)が固定されており、この台座が締付け具(3
    9)に形成された凹部(43)により一体的に収容され
    ており、 台座(42)内に形成された横スリット(44)が、締
    付け具(39)に圧入された軸受ピン(45)を把持し
    ており、 締付け具(39)に傾斜して設けられた圧縮空気シリン
    ダ(46)が、そのピストンロッド(47)と、台座
    (42)に圧入されたピン(49)とを介して同様に締
    付け具(39)に設けられている押圧ばね(52)の作
    用に抗して締付けレバー(40)と作用結合しているこ
    とを特徴とする請求項7に記載の縫製ユニット。
  9. 【請求項09】 ピストンロッド(47)の前端に設け
    られた凹部(48)が、台座(42)に圧入されたピン
    (49)を把持していることを特徴とする請求項7の縫
    製ユニット。
  10. 【請求項10】 締付け具(39)内に傾斜して支承さ
    れているボルト(51)が、押圧ばね(52)を収容し
    ておりかつボルト(51)の自由端が、他のピン(5
    0)を介して台座(42)と枢支結合されていることを
    特徴とする請求項7の縫製ユニット。
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