JP3145677U - 石綿スレート屋根の改修構造の軒先部 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既存の石綿スレート屋根材を剥がさない改修構造において、石綿粉塵の飛散を防止する軒先部の構造を提供する。
【解決手段】 既存石綿スレート屋根材1の軒先における最大高さと最大軒出とを覆うことができる大きさである被覆面A1、及び、折り下げ面A2を有する被覆補強材Aで、既存石綿スレート屋根材1の既存水切り5よりも軒先側に突出している箇所を覆い、折り下げ面A2を既存水切り5の折り下げ部51に密着させ、被覆補強材Aに新設屋根材3を接続して、石綿スレート屋根の改修構造の軒先部とする。
【選択図】 図1

Description

本願は、既存の石綿スレート屋根材を剥がさないで改修する構造において、特に軒先部の構造に関するものである。
従来の技術について、図6に基づいて説明する(特許文献1参照)。これは、特許第3369736号公報の図8である。
ここには、既存の石綿スレート屋根材1を剥がさないで改修する構造の軒先部において、被覆補強材Aを用いている。この被覆補強材Aは、上面部A12と正面部A11と下面部A10とから成る略コ字状の被覆面A1を有している。また、下面部A10の端縁を折り下げた折り下げ面A2と、上面部A12から延出されていて新設屋根材を接続することができる係止部A3と、係止部A3から延出されて形成された平面部A4とを有している。
そして、既存の石綿スレート屋根材1の軒先に被覆補強材Aをはめて、既存水切り5の折り下げ部51を覆うようにし、平面部A4に止着具8を打ち込んで野地材4に取り付けている。
ところで、一般住宅用の平板な石綿スレート屋根材1には、意匠的に、軒側に凹凸が無くてまっすぐか、もしくはあまり凹凸のないものと、スリットがはいっていたり、凹凸が大きかったりするものがある。
図6に示した石綿スレート屋根材1は、軒側がまっすぐで、軒出があまり大きくない場合が示されている。石綿スレート屋根材1は、通常、左右方向は突きつけで、軒棟方向は、その突きつけ箇所を覆うようにして本体を葺いていく。このとき、軒側端はスターターを左右方向に突きつけ、次に、突きつけ箇所に本体をかぶせていく。従って、図6では、石綿スレート屋根材1が2枚重なっている状態が示されている。
特許第3369736号公報
前述の通り、一般住宅用の平板な石綿スレート屋根材1には、軒側の凹凸が無くてまっすぐか、もしくはあまり凹凸のないものと、スリットがはいっていたり、凹凸が大きかったりするものがある。
軒側にスリットがはいっていたり、軒側の凹凸が大きかったりする本体の場合には、まず軒先に小幅なスターターを施工し、次の段は、下の段に施工されているスターターの突きつけ箇所を覆うようにして、比較的大きい幅のスターターを施工する。これは、さらに次の段に施工する本体のスリットや凹部の下側となる位置に、比較的大きい幅のスターターがあることで、雨漏りを防ぐためである。そして、比較的大きい幅のスターターの上の段に本体を施工していく。このような本体を施工する場合には、軒先の石綿スレート屋根材1は3枚重ねた状態となっており、高さも図6のように2枚の場合より高くなる。
このため、図6に示した軒先部にはめられていた被覆補強材Aを、本体の軒側にスリットがはいっていたり、本体の軒側の凹凸が大きかったりする石綿スレート屋根材1で葺かれた現場にはめようとすると、高さが足りず、はめることができなかった。
また、現場によって、不陸があるような場合にも、被覆補強材Aが図6のように余裕がないものでは、石綿スレート屋根材1の最も高い面と最も低い面とを覆ってはめることができなかった。
さらに、現場によって既存水切り5からの軒出が異なっていたり、同じ現場でも、石綿スレート屋根材1のスターターの位置がずれて出入りがあることで軒出がまちまちだったりする場合がある。このような場合にも、同じ被覆補強材Aを用いることはできなかった。たとえば、軒出が図6よりも大きい場合に、同じ被覆補強材Aを使おうとすると、被覆補強材Aの折り下げ面A2と既存水切り5の折り下げ部51との間があいてしまい、そこから石綿粉塵が飛散する恐れがあった。
本願はこれらの課題を解決し、軒先を補強して、石綿(アスベスト)粉塵の飛散を防止するために、既存の石綿スレート屋根を改修する際、石綿スレート屋根材の軒先部の高さが比較的高い場合にも低い場合にも、軒先を覆うことができる被覆補強材を用いた軒先部を提供するものである。
また、石綿スレート屋根材の軒出が比較的大きい場合にも小さい場合にも対応でき、既存水切りと新設水切りとの間から石綿粉塵が飛散しないようにする軒先部を提供するものである。
本願は、石綿スレート屋根の改修構造において、次のような被覆補強材を用いて、軒先部を覆うとともに、既存水切りの折り下げ部に密着させることで、課題を解決する。
その被覆補強材は、被覆面を有している。被覆面は、既存石綿スレート屋根材の既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる下面部と、下面部の一側端縁を立ち上げて既存石綿スレート屋根材の軒先端縁を覆うことができる正面部と、該正面部の上端縁を下面部と同じ方向に折り曲げた上面部とから成っている。
また、被覆面は、既存石綿スレート屋根材の軒先における最大高さと、最大軒出とを覆うことができる大きさである。
さらに被覆補強材は、前記下面部の他側端縁から下方に延出された折り下げ面を有している。
このような構成の被覆補強材で、既存石綿スレート屋根材の既存水切りよりも軒先側に突出している箇所を覆い、前記折り下げ面を既存水切りの折り下げ部に密着させる。
そして、前記被覆補強材に新設屋根材を接続して石綿スレート屋根の改修構造の軒先部とする。
本願に係る被覆補強材は、既存石綿スレート屋根材の既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる下面部と、下面部の一側端縁を立ち上げて既存石綿スレート屋根材の軒先端縁を覆うことができる正面部と、該正面部の上端縁を下面部と同じ方向に折り曲げた上面部とから成る被覆面を有している。そして、その被覆面は、石綿スレート屋根材の軒先における最大高さと、最大軒出とを覆うことができる大きさである。
このため、既存の石綿スレート屋根材の軒先部の高さが比較的高い場合にも低い場合にも、軒先を覆うことができる。被覆面の高さを、軒先部の高さが比較的高い場合にすっぽりはまる高さにしておくことで、軒先部の高さが比較的低い場合にもはめることができる。
また、既存の石綿スレート屋根材の軒出が比較的大きい場合にも小さい場合にも、軒先を覆うことができる。被覆面の幅(軒出の長さ)を、軒出が比較的大きい場合にすっぽりはまる幅にしておくことで、軒出が比較的小さい場合にもはめることができる。
さらに、本願に係る被覆補強材は、下面部の他側端縁から下方に延出された折り下げ面を有している。この折り下げ面を、軒出が比較的大きい場合にも小さい場合にも、既存水切りの折り下げ部に密着させることと合わせ、前記被覆面で軒先を覆うことで、軒先部の石綿粉塵の飛散を防ぐことができる。
本願の実施例について、まず、図1(ア)(イ)(ウ)をもとに説明する。図1は、本願に係る被覆補強材Aを用いて、既存の石綿スレート屋根材1を改修した軒先部の状態を示す説明図である。
図1(ア)(イ)(ウ)に示した既存の石綿スレート屋根材1は一般住宅に広く用いられているものであり、波形ではなく平板な屋根材である。図1(ア)(イ)(ウ)では、石綿スレート屋根材1は約6ミリの厚みのものを示しており、(ア)は、既存水切り5からの軒出が約20ミリの場合を示している。(イ)では既存水切り5からの軒出が(ア)よりも大きい場合を示していて約30ミリであり、(ウ)では既存水切り5からの軒出が(ア)よりも小さい場合を示している。
そして、この屋根は、野地材4上に防水紙2が敷かれており、まず、小幅なスターターを軒先に施工し、次の段に比較的大きい幅のスターターを施工し、さらに次の段に本体を施工してある例である。このため、軒先部は、図1のように3枚の石綿スレート屋根材1が重なって葺かれている。
次に、このような石綿スレート屋根材1を改修する場合の軒先部に用いられる被覆補強材Aの実施例について説明する。その被覆補強材Aは、1枚の金属板でできている。新設屋根材3と同色で、同素材の金属板で製作することができる。
被覆補強材Aは、断面略コ字状の被覆面A1を有しており、その被覆面A1は、既存石綿スレート屋根材1の既存水切り5よりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる下面部A10と、下面部A10の一側端縁を立ち上げて既存石綿スレート屋根材1の軒先端縁を覆うことができる正面部A11と、その正面部A11の上端縁を下面部A10と同じ方向に折り曲げた上面部A12とから成っている。
上面部A12は、延出されて、新設屋根材3を接続させることができる係止部A3となっており、係止部A3から延出されて平面部A4が形成されていて、端縁は上面側に折り返されている。
また、被覆面A1は、既存石綿スレート屋根材1の軒先における最大高さと、最大軒出とを覆うことができる大きさになっている。
さらに、被覆面A1の下面部A10の他側端縁から下方に延出されて、折り下げ面A2が形成されており、下端縁は内側方向に折り曲げられている。
本実施例の被覆補強材Aは、図1(ア)(イ)(ウ)のように、約6ミリ程度の厚みの石綿スレート屋根材1が、軒先部において3枚重ねられていて、さらに不陸があるような場合にも軒先端縁を覆うことができるように、正面部A11の高さが比較的高く設定されている。
これにより、後述するように、比較的薄く、軒先部においての重なりが2枚である石綿スレート屋根材1の場合にも、対応することができる。
また、(イ)のように、比較的軒出が大きい場合にも、同じ被覆補強材Aを用いることができるように、正面部A11から折り下げ面A2に至る下面部A10の長さを比較的長く設定している。このことで、既存水切り5の折り下げ部51よりも軒先側に突出している箇所の裏面が比較的長い場合でも、覆うことができる。(ウ)のように、比較的軒出が短い場合にも対応することができる。
さらに、上面部A12は、既存の石綿スレート屋根材1の最も高い箇所を覆うことができるように、正面部A11の上端縁を下面部A10と同じ方向に折り曲げて形成されている。
このため、既存石綿スレート屋根材1の軒先の最大高さと最大軒出とを覆うことができる略コ字状の被覆面A1によって、軒先の高さが異なっていても、軒出が異なっていても、既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆うことができる。
続いて図1(ア)により、このような被覆補強材Aを用いた既存の石綿スレート屋根の改修構造の軒先部について説明する。
本実施例の場合には、まず、被覆補強材Aを、既存の石綿スレート屋根材1の軒先部にはめる。上面部A12を既存の石綿スレート屋根材1の最も高い箇所に当接させるようにして被覆面A1をはめ、折り下げ面A2を既存水切り5の折り下げ部51に密着させる。石綿スレート屋根材1の高さが不揃いであれば、軒先上面の最高部に上面部A12を当接させて施工し、折り下げ部51がまっすぐに折り下げられていないような場合には、折り下げ面A2が密着するように、シーラー材や両面テープを介する等して施工する。
また、このとき、被覆面A1により、既存の石綿スレート屋根材1の既存水切り5の折り下げ部51よりも軒先側に突出している箇所の裏面と軒先端縁と軒先上面とは、必ず覆われている。このように、上面部A12と正面部A11と下面部A10とにより、軒先部を覆い、折り下げ面A2と折り下げ部51とを密着させることで、石綿粉塵を封じ込める。
さらに、平面部A4から釘等の止着具8を打ち込んで固定し、先絞りビスと称される、金属板と金属板とを固定することができる止着具8で、既存水切り5の折り下げ部51に折り下げ面A2を止着している。下側から止着具8が見えないように、野地材4に打ち込んでいる。
本実施例の場合には、被覆補強材Aがガタつくことなく、いっそう強固に固定され、確実に密着されるように止着具8を鼻隠し9に打ち込んでいる。しかし、本実施例のように新設屋根材3が係止部A3に接続されたときには、その止着具8なしでも、折り下げ面A2が折り下げ部51に密着することがある。
折り下げ面A2と折り下げ部51との間から石綿粉塵の飛散を防ぐことができるように密着されていればよく、他の確実な密着手段として、先絞りビス以外の止着具や両面テープや接着剤等も考えられる。
このようにして、被覆補強材Aで既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆って、軒先部の石綿粉塵の飛散を防ぐ。
折り下げ面A2の高さは、少なくとも、止着具8を打ち込むことができる高さであればよいが、切り口が見えて美観を損ねないように、また、折り下げ面A2と折り下げ部51とを確実に密着させるためにも、下端縁を内側方向に折り曲げて、折り下げ部51の下端を覆うようにするとよい。折り下げ面A2の高さは、石綿スレート屋根材1の高さや軒出が変わっても、折り下げ部51に密着させることができる高さを有していればよい。
本実施例の場合には、このようにして取り付けられた被覆補強材Aの平面部A4から棟側に向かって、裏面側が粘着面B1である粘着ルーフィングBを張っている。このため、既存の石綿スレート屋根材1の表面を覆って密着させることができ、塗膜が剥がれたり割れたりしていて劣化していることにより石綿粉塵飛散の恐れがある表面側も覆って、屋根全体の石綿を密閉することができる。軒先上面と軒先端縁と軒先下面とを粘着ルーフィングBで覆ったり、被覆補強材Aと石綿スレート屋根材1との間にシーラー材を入れたりしてもよい。
こののち、被覆補強材Aの係止部A3に、新設屋根材3を接続させて、石綿スレート屋根を改修する。本実施例の場合には、横葺き屋根材が葺かれた状態を示している。
図1(イ)のように、軒出が(ア)よりも大きい場合には、同じ被覆補強材Aを用いて既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆い、折り下げ面A2が既存水切り5の折り下げ部51に密着されたときに、正面部A11は、いっそう軒先端縁に近く位置している。
図1(ウ)のように、軒出が(ア)よりも小さい場合には、同じ被覆補強材Aを用いて既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆い、折り下げ面A2が既存水切り5の折り下げ部51に密着されたときに、正面部A11と既存の石綿スレート屋根材1の軒先端縁との距離が離れていくだけである。
このように、同じ被覆補強材Aを用いて、軒出が異なる場合にも対応することができ、従って、折り下げ面A2と既存水切り5の折り下げ部51との隙間をなくして密着させて、軒出が異なっても石綿粉塵の飛散を防ぐことができる。
本願の他の実施例について、図2(ア)(イ)(ウ)をもとに説明する。図2は、図1と同じ被覆補強材Aを用いて、既存の石綿スレート屋根材1を改修した軒先部の状態を示す説明図である。
図2(ア)(イ)(ウ)に示した既存の石綿スレート屋根材1も一般住宅に広く用いられているものであり、波形ではなく平板な屋根材である。図2(ア)(イ)(ウ)では、石綿スレート屋根材1は約4.5ミリの厚みのものを示しており、(ア)は、既存水切り5からの軒出が約20ミリの場合を示している。(イ)では既存水切り5からの軒出が(ア)よりも大きく、約30ミリである場合を示しており、(ウ)では既存水切り5からの軒出が(ア)よりも小さい場合を示している。
そして、この屋根は、野地材4上に防水紙2が敷かれており、まず、小幅なスターターを軒先に施工し、次の段に本体を施工してある例である。このため、軒先部は、図2のように2枚の石綿スレート屋根材1が重なって葺かれている。
本実施例の被覆補強材Aは図1と同じものであり、図1(ア)(イ)(ウ)のように、約6ミリ程度の厚みの石綿スレート屋根材1が、軒先部において3枚重ねられていて、さらに不陸があるような場合にも軒先端縁を覆うことができるように、正面部A11の高さが比較的高く設定されている。つまり、既存の石綿スレート屋根材1の軒先における高さと軒出とが最大の場合でも覆うことができるように、被覆面A1が形成されている。
このため、図2のように、比較的薄く、軒先部においての重なりが2枚である石綿スレート屋根材1の場合にも、対応することができる。
また、図2(イ)のように、比較的軒出が大きい場合にも、同じ被覆補強材Aを用いることができるように、正面部A11から折り下げ面A2に至る下面部A10の長さを比較的長く設定している。このことで、既存水切り5の折り下げ部51よりも軒先側に突出している箇所の裏面が比較的長い場合でも、覆うことができる。(ウ)のように、比較的軒出が短い場合にも対応することができる。
さらに、上面部A12は、既存の石綿スレート屋根材1の最も高い箇所を覆うことができるように、正面部A11の上端縁を下面部A10と同じ方向に折り曲げて形成されている。
このため、既存石綿スレート屋根材1の軒先の最大高さと最大軒出とを覆うことができる略コ字状の被覆面A1によって、軒先の高さが異なっていても、軒出が異なっていても、既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆うことができる。
続いて図2(ア)により、このような被覆補強材Aを用いた既存の石綿スレート屋根の改修構造の軒先部について説明する。
本実施例の場合には、まず、被覆補強材Aを、既存の石綿スレート屋根材1の軒先部にはめる。このとき、上面部A12を既存の石綿スレート屋根材1の最も高い箇所に当接させるようにして被覆面A1をはめ、折り下げ面A2を既存水切り5の折り下げ部51に密着させる。
また、このとき、被覆面A1により、既存の石綿スレート屋根材1の既存水切り5の折り下げ部51よりも軒先側に突出している箇所と軒先端縁とが覆われている。このように、上面部A12と正面部A11と下面部A10とにより、軒先部を覆うことで、石綿粉塵を封じ込める。
さらに、平面部A4から釘等の止着具8を打ち込んで下地に固定し、先絞りビスである止着具8で既存水切り5の折り下げ部51に折り下げ面A2を止着している。
図2(ア)(イ)(ウ)の場合には、既存の石綿スレート屋根材1が比較的薄く、軒先の重なりも2枚であるため、高さが比較的低い。このため、同じ被覆補強材Aを用いたときに、折り下げ面A2と既存水切り5の折り下げ部51とが密着され、いっそう強固に密着させるために打ち込む止着具8は、野地材4の下面よりも下の位置となる。
本実施例の場合には、被覆補強材Aがガタつくことなく、いっそう強固に固定され、確実に密着されるように止着具8を鼻隠し9に打ち込んでいる。しかし、本実施例のように新設屋根材3が係止部A3に接続されたときには、その止着具8なしでも、折り下げ面A2が折り下げ部51に密着することがある。
折り下げ面A2と折り下げ部51との間から石綿粉塵の飛散を防ぐことができるように密着されていればよく、確実な密着手段を限定するものではない。既存水切り5の折り下げ部51と折り下げ面A2とが当接する面全体を、帯状に密着させることができたならば、石綿粉塵の飛散が確実に防止される。
このようにして、被覆補強材Aで既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆って、軒先部の石綿粉塵の飛散を防ぐ。
本実施例の場合にも、このようにして取り付けられた被覆補強材Aの平面部A4から棟側に向かって、裏面側が粘着面B1である粘着ルーフィングBを張っている。このため、既存の石綿スレート屋根材1の表面を覆って密着させることができ、塗膜が剥がれたり割れたりしていて劣化していることにより石綿粉塵飛散の恐れがある表面側も覆って、屋根全体の石綿を密閉することができる。
こののち、被覆補強材Aの係止部A3に、新設屋根材3を接続させて、石綿スレート屋根を改修する。本実施例の場合には、横葺き屋根材の軒側が、被覆補強材Aの係止部A3に組み合わせられることで、新設屋根材3が葺かれた状態を示している。
図2(イ)のように、軒出が(ア)よりも大きい場合には、図1と同じ被覆補強材Aを用いて既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆い、折り下げ面A2が既存水切り5の折り下げ部51に密着されたときに、正面部A11は、いっそう軒先端縁に近く位置している。また、下面部A10の位置は、既存水切り5の折り下げ部51の上端縁よりも下がっている。
図2(ウ)のように、軒出が(ア)よりも小さい場合には、同じ被覆補強材Aを用いて既存の石綿スレート屋根材1の軒先部を覆い、折り下げ面A2が既存水切り5の折り下げ部51に密着されたときに、正面部A11と既存の石綿スレート屋根材1の軒先端縁との距離が離れていくだけである。
このように、図1のように、既存の石綿スレート屋根材1の軒先部が、比較的高さのある場合に用いられる被覆補強材Aを、図2のように、比較的低い場合にも用いて石綿粉塵の飛散を防ぐことができる。
また、同じ被覆補強材Aを用いて、軒出が異なる場合にも対応することができ、従って、折り下げ面A2と既存水切り5の折り下げ部51との間を密着させることができ、軒出が異なっても石綿粉塵の飛散が防げる。
このように、本実施例によれば、既存水切り5から軒先に向かって突出している石綿スレート屋根材1の裏面と軒先端縁と軒先上面とを被覆補強材Aの被覆面A1で覆いながら補強する。このため、まず、石綿スレート屋根材1の軒先が破損するのを防ぐことができる。
引いては、既存水切り5から軒先に向かって突出している石綿スレート屋根材1の裏面と軒先端縁と軒先上面とを被覆補強材Aで覆っているため、石綿の粉塵が飛散するのを防ぐことができる。
図1と図2とに共通して用いられた被覆補強材Aの実施例の場合には、まず、既存水切り5の折り下げ部51に折り下げ面A2が密着されており、被覆面A1で、既存の石綿スレート屋根材1の軒先端縁と、既存水切り5よりも突出している箇所の裏面と、軒先上面とが覆われている。これにより、被覆面A1と折り下げ面A2とで既存の石綿スレート屋根材1の軒先部の石綿粉塵が封じ込められる。
そして、軒出や軒先の高さが異なっても石綿粉塵の飛散を防止することができるように、既存の石綿スレート屋根材1の軒先部に被覆補強材Aが組み合わせられたときに、既存の石綿スレート屋根材1の軒先における最大高さと、最大軒出とを覆うことができる被覆面A1となっているのが特徴である。
図3(ア)から(エ)により、本願に用いる被覆補強材Aの他の実施例について説明する。図1及び図2に示した被覆補強材Aと異なる部分について説明する。
(ア)は、正面部A11の下端縁を延出させ、下面部A10の軒側端縁を下方に延出させた箇所とをつなげて、水切り部A5を形成したものである。
水切り部A5を形成したことにより、図1のものに比べ、正面部A11の下端縁を伝わった雨水が途切れ、内側方向に回りにくくなる。
(イ)は、下面部A10が上面部A12と略平行ではなく、外側よりも内側の方が高くなるように角度がついている例である。
この場合には、下面部A10と、既存水切り5の折り下げ部51よりも突出している箇所の石綿スレート屋根材1の裏面との間が、図2のように比較的離れていた場合には、裏面に当接させてはめることができる。また、図1のような場合には、角度を変えてはめればよい。角度を変えたとしても、折り下げ面A2は折り下げ部51に密着させる。
(ウ)は、(ア)のように水切り部A5を形成し、(イ)のように、下面部A10の内側を外側よりも高くしたものである。
(エ)は、正面部A11の形状を断面略半円状にしたものである。
このように、被覆補強材Aの形状は、さまざま考えられる。既存の石綿スレート屋根材1において軒先の高さや軒出が多少異なっていても、既存水切り5の折り下げ部51から突出している箇所の裏面と、軒先端縁と、軒先上面を覆うことができる被覆面A1を有していればよい。合わせて、既存の石綿スレート屋根材1の軒先の高さや軒出が多少異なっていても、既存水切り5の折り下げ部51に密着させることができる折り下げ面A2を有していればよい。
図4と図5とにより、被覆補強材Aに接続される新設屋根材3の他の実施例を説明する。
図4は新設屋根材3を縦葺き屋根材とした場合を示しており、図5は、新設屋根材3を金属瓦とした場合を示している。
また、新設屋根材3に合わせて、被覆補強材Aの形状が、図1に示したものとは異なっており、新設屋根材3の形状に応じて設計変更が可能なことをも示している。
図4に示した被覆補強材Aにおいて、図1と異なるのは、被覆面A1の正面部A11の上端縁を外側方向に延出してから上面側に折り返し、さらに延出させて上面部A12を形成した点である。上面部A12の棟側は延出されて平面部A4を兼ねている。
そして、上面部A12を既存の石綿スレート屋根材1の軒先上面に当接させ、折り下げ面A2を既存水切り5の折り下げ部51に密着させて、野地材4に止着具8を打ち込んで固定する。
こうして被覆補強材Aを取り付けたのち、上面部A12の軒側端縁であって、二重に折り曲げられている箇所を係止部A3とし、そこに、縦葺き屋根材の軒側端縁を掴み込むことで新設屋根材3を接続させて改修している。
図5の被覆補強材Aで図1と異なるのは、上面部A12の棟側端縁を立ち上げてから、さらに階段状に延出させた面を係止部A3とした点である。そして、その係止部A3を、棟と平行に施工された軒先の桟木6に固定している。そこに、金属瓦の軒側の折り下げ面を当て、止着具8を打ち込むことで新設屋根材3を接続させて改修している。
このように、新設屋根材Aが異なる場合でも対応できるように、被覆補強材Aの被覆面A1の大きさを、既存の石綿スレート屋根材1の軒先における最大高さと、最大軒出とを覆うことができる大きさにしておき、既存水切り5の折り下げ部51よりも軒先側に突出している箇所の裏面と軒先端縁と軒先上面とを覆う。
さらに、被覆面A1の下面部A10の端縁から下方に延出された折り下げ面A2を、既存水切り5の折り下げ部51に密着させる。そのうえ、被覆補強材Aに新設屋根材3を接続させて、既存の石綿スレート屋根を改修する。
これにより、既存の石綿スレート屋根材1の軒先の高さや軒出が多少異なる場合にも対応させながら、石綿粉塵の飛散を防止して、新設屋根材3で改修することができる。
被覆補強材Aと新設屋根材3との接続手段は、新設屋根材3の形状に応じて設計すればよく、他の部材を介してもよい。
本願は、一般住宅に用いられている、平板ではなく、さざ波状の石綿スレート屋根材の改修にも適用できる。このような屋根材の場合には、軒先部の左右方向は突きつけではなく、重ねて施工されている。
この場合にも、既存石綿スレート屋根材の既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる下面部と、下面部の一側端縁を立ち上げて既存石綿スレート屋根材の軒先端縁を覆うことができる正面部と、正面部の上端縁を下面部と同じ方向に折り曲げた上面部とから成る被覆面を有しており、その被覆面は、既存石綿スレート屋根材の軒先における最大高さと、最大軒出とを覆うことができる大きさであり、前記下面部の他側端縁から下方に延出された折り下げ面を有している被覆補強材を用いる。
そして、このような被覆補強材で既存石綿スレート屋根材の既存水切りよりも軒先側に突出している箇所を覆い、折り下げ面を既存水切りの折り下げ部に密着させ、被覆補強材に新設屋根材を接続させて石綿スレート屋根の改修構造の軒先部とする。
(ア)(イ)(ウ)は本願の実施例の説明図である。 (ア)(イ)(ウ)は本願の他の実施例の説明図である。 (ア)(イ)(ウ)(エ)は本願に係る被覆補強材の他の実施例を示す説明図である。 本願に係る被覆補強材を、新設屋根材が縦葺き屋根材である場合に用いた状態を示す説明図である。 本願に係る被覆補強材を、新設屋根材が金属瓦である場合に用いた状態を示す説明図である。 従来技術を示す説明図である。
符号の説明
A 被覆補強材
A1 被覆面
A10 下面部
A11 正面部
A12 上面部
A2 折り下げ面
A3 係止部
A4 平面部
A5 水切り部
B 粘着ルーフィング
B1 粘着面
1 石綿スレート屋根材
2 防水紙
3 新設屋根材
4 野地材
5 既存水切り
51 折り下げ部
6 桟木
8 止着具
9 鼻隠し

Claims (1)

  1. 被覆補強材は、
    既存石綿スレート屋根材の既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる下面部と、
    下面部の一側端縁を立ち上げて既存石綿スレート屋根材の軒先端縁を覆うことができる正面部と、
    該正面部の上端縁を下面部と同じ方向に折り曲げた上面部とから成る被覆面を有しており、
    該被覆面は、
    既存石綿スレート屋根材の軒先における最大高さと、
    最大軒出とを覆うことができる大きさであり、
    前記下面部の他側端縁から下方に延出された折り下げ面を有しており、
    前記被覆補強材で
    既存石綿スレート屋根材の既存水切りよりも軒先側に突出している箇所が覆われており、
    前記折り下げ面が既存水切りの折り下げ部に密着しており、
    前記被覆補強材に新設屋根材が接続されている石綿スレート屋根の改修構造の軒先部。
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