JP3145631U - 石綿スレート屋根の改修構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 既存の石綿スレート屋根材を剥がさずに改修し、石綿粉塵の飛散を防止する構造を提供する。
【解決手段】 石綿スレート屋根材1の表面を粘着面B1で覆い、石綿スレート屋根材1において既存水切り5よりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる当接面A21と、折り下げ面A22と、立ち上げた立ち上げ面A23とを有する既存水切り被覆材A2の折り下げ面A22を既存水切り5の折り下げ部51に密着させ、当接面A21で石綿スレート屋根材1の既存水切り5よりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆い、石綿スレート屋根材1の軒先端縁と軒先上面を軒先被覆材A1で覆い、その下がり面A11の内側に入れられている密閉材Cを介して、既存水切り被覆材A2に密着させ、さらに新設屋根材3を葺く。
【選択図】 図1

Description

本願は、石綿スレート屋根を改修する際、既存の石綿スレート屋根材を剥がさない改修構造に関するものである。
従来の技術について、図10(ア)について説明する(特許文献1参照)。これは、実公平6−24502号の第1図である。ここには、石綿スレート屋根の改修構造において、石綿スレート屋根材1の上に張る防水紙2が融着防水紙である改修構造が示されている。
次に、図10(イ)について説明する(特許文献2参照)。これは、実公平3−20425号の第2図である。ここには、石綿スレート屋根材1を改修するときに使用される、新設屋根材3が横葺き屋根材である場合の軒先部材6が示されている。
続いて、図11について説明する(特許文献3参照)。これは、特開平10−131412号の図1である。ここには、波形である石綿スレート屋根材1の改修において、その軒先端縁を軒先包み7で覆う施工方法が示されている。
実公平6−24502号公報 実公平3−20425号公報 特開平10−131412号公報
図10(ア)に示した改修構造には、石綿スレート屋根材1の表面を融着可能な防水紙2で覆う工法が示されている。しかし、軒先の改修構造に関する記載はない。このため、特に強度を必要とする軒先における、石綿(アスベスト)粉塵の飛散防止策が必要であった。
図10(イ)に示した軒先部材6は、軒先部材6の下がり辺61と既存水切り5との隙間から石綿粉塵が飛散する可能性があり、特に、石綿スレート屋根材1の軒出が大きい場合には、その隙間がいっそう大きくなって、破損や亀裂が起こりやすくなり、石綿粉塵飛散の可能性もいっそう大きくなっていた。
また、ここに開示されている軒先部材6は、あくまでも新設屋根材3を横葺き屋根材とした場合のものであった。
図11の軒先包み7は、金属板を断面略コ字状に折り曲げたものであり、それで既存の波形の石綿スレート屋根材1の軒先を覆っている。しかし、波形をしているため、略コ字状の軒先包み7の下面と波形の石綿スレート屋根材1の山部の裏面との間はあいており、経年劣化により、石綿粉塵が飛散する恐れがあった。また、軒先包み7の形状を波形の石綿スレート屋根材1の形状に沿わせたとしても、軒先包み7の下面から既存雨樋取り付け金具を経て新設屋根材3が止着具8で固定されている母屋に至るまでの箇所の石綿スレート屋根材1の裏面は、露出したままであり、破損して石綿粉塵が飛散する可能性が大きかった。
本願はこれらの課題を解決し、軒先における石綿(アスベスト)粉塵の飛散を防止し、石綿スレート屋根材の軒出が大きい場合にも、既存水切りと新設水切りとの間から石綿粉塵が飛散しないようにし、石綿スレート屋根材の裏面からの石綿粉塵の飛散も防止する改修構造を提供するものである。
さらに、石綿粉塵の飛散を防ぐために二部材を組み合わせて用いることにより、石綿スレート屋根材の上に葺く新設屋根材が限定されないという目的も達成する。
本願は、石綿スレート屋根に新設屋根材を葺く改修構造において、粘着ルーフィングと被覆補強材と密閉材とを用いる。
粘着ルーフィングは、少なくとも片面が石綿スレート屋根材に粘着可能な粘着面を有している。そして、粘着ルーフィングの粘着面で石綿スレート屋根材の表面を覆う。
被覆補強材は、既存水切り被覆材と軒先被覆材とから成っている。
既存水切り被覆材は、少なくとも、石綿スレート屋根材において既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる当接面と、当接面の一側端縁を折り下げた折り下げ面と、当接面の他側端縁を立ち上げた立ち上げ面とを有している。
軒先被覆材は、少なくとも、石綿スレート屋根材の軒先端縁を覆うことができる下がり面と、下がり面の上端縁を折り曲げた上面部と、下がり面の下端縁を上面部と同じ方向に折り曲げた被覆面とを有している。
このような既存水切り被覆材と軒先被覆材とを取り付けるが、前記既存水切り被覆材の折り下げ面を、既存水切りの折り下げ部に密着させ、既存水切り被覆材の当接面で、石綿スレート屋根材において既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆って取り付ける。
次に、既存水切り被覆材に軒先被覆材を組み合わせるが、このとき、少なくとも軒先被覆材の下がり面の内側に入れられている密閉材を介して、既存水切り被覆材と軒先被覆材とが密着するようにして組み合わせる。
本願によれば、石綿スレート屋根材の表面は粘着ルーフィングの粘着面で覆われるので、石綿粉塵の飛散を防ぐことができる。
また、特に強度を必要とする軒先においては、軒先被覆材と既存水切り被覆材で石綿スレート屋根材を覆っているので、より強い強度が出る。軒先被覆材と既存水切り被覆材との組み合わせを新設屋根材に応じたものにすることで、新設屋根材の形状も限定されない。
しかも、既存水切り被覆材に軒先被覆材が組み合わせられていて、少なくとも、軒先被覆材の下がり面の内側には密閉材が入れられているので、石綿スレート屋根材の表面や既存水切り被覆材と石綿スレート屋根材との間からの石綿粉塵の飛散を防ぐことができる。
そのうえ、既存水切り被覆材の折り下げ面が既存水切りの折り下げ部に密着され、石綿スレート屋根材において既存水切りよりも軒側に突出している箇所の裏面を当接面で覆って取り付けられて密閉されているので、石綿スレート屋根材の裏面からの石綿粉塵の飛散も防げる。
このように、石綿粉塵の飛散を防ぐことができるものである。
図10(ア)に示した改修構造には、石綿スレート屋根材の表面を、融着可能な防水紙で覆う工法が示されている。しかし、軒先の改修構造に関する記載はない。このため、特に強度を必要とする軒先における石綿粉塵の飛散防止策が必要であった。
本願によれば、石綿スレート屋根材の表面を粘着ルーフィングの粘着面で覆うだけでなく、特に強度を必要とする軒先においても、被覆補強材と密閉材とを用いて石綿粉塵が飛散するのを防ぐことができる。
図10(イ)に示した軒先部材は、軒先部材の下がり辺と既存水切りとの隙間から石綿粉塵が飛散する可能性があり、特に、石綿スレート屋根材の軒出が大きい場合には、その隙間がいっそう大きくなって、破損や亀裂が起こりやすくなり、石綿粉塵飛散の可能性もいっそう大きくなっていた。また、(イ)に開示されている軒先部材6は、あくまでも新設屋根材3を横葺き屋根材とした場合のものであった。
しかし、本願によれば、石綿スレート屋根材の表面は粘着ルーフィングの粘着面で覆われ、軒先は被覆補強材で覆われる。そして、被覆補強材と石綿スレート屋根材との間から石綿粉塵が飛散しないように、少なくとも、被覆補強材の軒先被覆材の下がり面の内側に密閉材を用いて、石綿を封じ込める。このため、強度も保てるし、石綿粉塵が飛散するの
も防げる。
さらに、石綿粉塵の飛散を防ぐために二部材を組み合わせて用いることにより、石綿スレート屋根材の上に葺く新設屋根材が限定されないという目的も達成する。
図11の軒先包みは、金属板を断面略コ字状に折り曲げたものであり、それで既存の波形の石綿スレート屋根材の軒先を覆っている。しかし、波形をしているため、略コ字状の軒先包みの下面と波形の石綿スレート屋根材1の山部の裏面との間はあいており、経年劣化により、石綿粉塵が飛散する恐れがあった。また、軒先包みの形状を波形の石綿スレート屋根材の形状に沿わせたとしても、軒先包みの下面から既存雨樋取り付け金具を経て新設屋根材が固定されている母屋に至るまでの箇所の石綿スレート屋根材の裏面は、露出したままであり、破損して石綿粉塵が飛散する可能性が大きかった。
しかし、本願によれば、石綿スレート屋根材の表面は粘着ルーフィングの粘着面で覆い、軒先は被覆補強材で覆う。そして、被覆補強材と石綿スレート屋根材の裏面の石綿粉塵が飛散しないように、少なくとも、軒先被覆材の下がり面の内側に密閉材を用いて、石綿を封じ込める。このため、強度も保てるし、石綿粉塵が飛散するのも防げる。
本願の実施例について、図1と図2をもとに説明する。図1は、被覆補強材Aと粘着ルーフィングBと密閉材Cとを用いて、石綿スレート屋根材1を改修した状態を示す説明図である。図2は、図1に示した被覆補強材Aの実施例の説明図である。
ここに示した石綿スレート屋根材1は一般住宅に広く用いられているものであり、波形ではなく平板な屋根材である。そして、軒先を示している。
次に、粘着ルーフィングBについて説明する。粘着ルーフィングBは、少なくとも片面が粘着可能な粘着面B1となっており、この粘着面B1が、既存の石綿スレート屋根材1の表面側となるように張って、石綿粉塵が飛散するのを防ぐ。もちろん、両面が粘着面B1となっていてもよい。
粘着とは、熱によって融けて粘りつくものや、接着剤等による粘着層によって粘着するものや、自着層が時間経過後に粘着力を発揮するものを指しており、石綿に密着する性質を有するものである。
そして、主棟や隅棟やケラバ等に金属製の部材が使用されていた場合には、それらを撤去して石綿スレート屋根材1を剥がさないで残し、その表面をほぼ全体にわたって粘着ルーフィングBで覆う。
粘着面B1があることで、新設屋根材3を野地材4に固定するための止着具を打ち込んだとしても、そこから石綿粉塵が飛散したり雨漏りしたりするのを防ぐことができる。
さらに図1と図2とにより、本願の実施例の改修構造に用いられる被覆補強材Aの実施例について説明する。この被覆補強材Aは金属板でできており、軒先被覆材A1と既存水切り被覆材A2とから成っている。
本実施例の軒先被覆材A1は、新設屋根材3が横葺き屋根材である場合のものであり、新設屋根材3の軒側がはめられる係止部A13が形成されている。そして、下がり面A11と、下がり面A11の上端縁を折り曲げた上面部A14と、下がり面A11の下端縁を上面部A14と同じ方向に折り曲げた被覆面A12とから成っており、本実施例の場合には、さらに被覆面A12が内側方向に折り返されている。また、係止部A13は上面部A14と反対方向に折り曲げて延出されて平面部A15となっており、平面部A15の端縁は上面側に折り返されている。
本実施例の既存水切り被覆材A2は、当接面A21と、当接面A21の一側端縁を折り下げた折り下げ面A22と、当接面A21の他側端縁を立ち上げた立ち上げ面A23とを有する略Z字状をしており、折り下げ面A22は、内側方向上向きに折り返されている。
既存の石綿スレート屋根材1は、現場によって既存水切り5からの突出寸法が多少違っている。また、1つの現場でも、軒先端縁の出が不揃いの場合がある。さらに、石綿スレート屋根材1の意匠も、軒先端縁が略同一線状ではなく、凹凸のある場合がある。そのうえ、不陸があって上下の高さが一定でない場合もある。
このため、既存水切り被覆材A2を工場で生産しておく場合には、当接面A21の長さを長めにしておき、現場で立ち上げ面A23を形成するとよい。あるいは、既存水切り被覆材A2全体を現場で製作してもよい。
立ち上げ面A23を形成することで、既存水切り被覆材A2自体のコシを強くしてゆがみを防ぐことができる。また、軒先被覆材A1を取り付ける前に、既存水切り被覆材A2を取り付けた時点で、軒先端縁の出と当接面A21の高さを揃えられる。
さらに、この立ち上げ面A23について、図7(ア)(イ)と比較しながら説明する。図7(ア)(イ)の既存水切り被覆材A2には、立ち上げ面A23が形成されていない。この既存水切り被覆材A2は、1つの部材で、異なる軒出に対応させるために、(ア)のように軒出が大きい場合を想定して製作したものである。このため、比較的軒出が小さい場合には、(イ)のようになる。そして、立ち上げ面A23が無い場合には、次のような問題点がある。
まず、3尺から6尺程度の既存水切り被覆材A2は、立ち上げ面A23が無いために、石綿スレート屋根材1に不陸があった場合には、当接面A21も石綿スレート屋根材1の裏面に沿って波打ってしまう。このため、当接面A21の下側に合わせて軒先被覆材A1の被覆面A12をはめようとするとき、軒先被覆材A1がとても入れづらい。特に、足場が無い現場では、作業者が屋根上から軒先側に向き、屋根上から軒先被覆材A1をはめようとするとき、施工が困難であった。
しかし、本願の既存水切り被覆材A2には、立ち上げ面A23が形成されている。このため、石綿スレート屋根材1に不陸があっても、当接面A21と立ち上げ面A23によって不陸に追随して波打つことがなくなる。従って、軒先被覆材A1をはめるときに、位置決めされた既存水切り被覆材A2に軒先被覆材A1をはめればよいので、容易に施工できる。足場の無い現場で、作業者が屋根上から軒先側に向かって作業する場合でも、作業しやすい。
続いて、密閉材Cの実施例について説明する。図1に示した密閉材Cは弾力性のある弾性体である。既存の石綿スレート屋根材1は、既存水切り5からの軒出が一定でない。また、不陸がある場合もある。このため、弾性体を用いることにより、軒出が異なっても対応できるようにする。石綿の粉塵が飛散するのを防ぐことができればよく、材質や形状を限定するものではない。
図1に示した実施例の場合には、現場作業の簡素化をはかるために、密閉材Cをあらかじめ工場で貼っている。帯状の密閉材Cを、断面略L字状になるように、軒先被覆材A1の下がり面A11と被覆面A12との内側に貼っている。略L字状になるように1つの密閉材Cを貼るのではなく、下がり面A11と被覆面A12とに貼るものを分けてもよい。さらに、ガスケットと称されるような弾性体である密閉材Cを、断面略L字状にして使うことも考えられるし、現場で密閉材Cを貼ってもよい。
本実施例の密閉材Cは、下がり面A11と被覆面A12とに貼られている。密閉材Cは、少なくとも下がり面A11の内側に入れられていればよい。しかし、石綿粉塵の飛散防止効果をいっそう高めるために、被覆面A12の内側にも貼ってある。また、このことで、軒先被覆材A1と既存水切り被覆材A2との動きがいっそう規制され、ガタつくことがなくなり、強度も高められる。
このほか、既存水切り被覆材A2の立ち上げ面A23と当接面A21との外側に貼ってもよい。立ち上げ面A23の外側に貼ってもよい。
もし、被覆面A12の内側にだけ貼ってある場合には、軒先被覆材A1をはめるときに、当接面A21と立ち上げ面A23との角部に当たって、めくれやすく、石綿粉塵が飛散する可能性がある。そこで、少なくとも、立ち上げ面A23と下がり面A11との間に密閉材Cを介在させて密閉するのである。
このような部材を用いた改修構造の実施例について、図1と図2により説明する。
まず、既存水切り5から軒側に突出している箇所の裏面に当接面A21を密着させ、立ち上げ面A23を石綿スレート屋根材1の軒先端縁に当て、さらに既存水切り5を覆うようにしてかぶせ、折り下げ部51に折り下げ面A22を密着させて止着具8で止める。本実施例の止着具8は、既存水切り5と既存水切り被覆材A2とを止めるものであり、下側から見えないように野地材4に打ち込んでいる。
このとき、立ち上げ面A23と石綿スレート屋根材1の軒側端縁との間に隙間がある場合には、その間を密閉材Cで埋めてもよい。しかし、少なくとも、下がり面A11の内側に密閉材Cが入れられているので、入れなくてもよい。
続いて、軒先側から軒先被覆材A1をはめるが、このとき、軒先被覆材A1の下がり面A11と被覆面A12の内側に貼られている密閉材Cを、既存水切り被覆材A2の立ち上げ面A23と当接面A21に当接させて、軒先被覆材A1と既存水切り被覆材A2の間を密閉する。そして、軒先被覆材A1の平面部A15に止着具8を打ち込んで鼻隠し9に固定する。
さらに、平面部A15の上から、粘着ルーフィングBを張り、石綿スレート屋根材1の表面全体を覆う。粘着ルーフィングBは、粘着面B1が融着性を有するものの場合には、太陽熱により温められて融けて粘着力を発揮し、石綿の表面に密着する。粘着面B1が、接着剤等により粘着層を有するものの場合には、平面部A15の上から順に棟側に向かって粘着ルーフィングBを張っていくことで、石綿の表面に粘着ルーフィングBが密着する。自着層のあるものは、時間の経過とともに粘着性が増して、粘着面B1が石綿スレート屋根材1の表面に密着する。
粘着ルーフィングBは紙にアルファルトを含浸したものでもよいし、ゴム系の材質でもよい。この粘着面B1によって石綿に密着させて粉塵の飛散を防ぐことを目的としているので、少なくとも片面が粘着面B1であればよい。両面が粘着面B1であることで、作業者がその上を歩くときに歩きにくくなるが、新設屋根材3の形状によっては、新設屋根材3の裏面側と粘着面B1とを密着させることができる。
もし、主棟や隅棟等に、金属板で製作された部材が使用されていた場合には、それらを撤去し、石綿スレート屋根材1のみにしてから、粘着ルーフィングBを張るとよい。凹凸が少なくなるし、錆び付いたり傷ついたりしていることが多い部材は外した方がよいからである。
こうして石綿が露出する箇所を覆い、石綿の粉塵が飛散するのを防いだ上で、新設屋根材3の軒側を軒先被覆材A1に組み合わせて葺いていく。
このように、本実施例によれば、既存水切り5から軒先に向かって突出している石綿スレート屋根材1の裏面と軒先端縁とを密閉材Cと被覆補強材Aとで覆いながら補強する。このため、まず、石綿スレート屋根材1の軒先が破損するのを防ぐことができる。
また、既存水切り5から軒先に向かって突出している石綿スレート屋根材1の裏面と軒先端縁とを密閉材Cと被覆補強材Aとで覆っているため、石綿の粉塵が飛散するのを防ぐことができる。
本実施例の場合には、まず、既存水切り5の折り下げ部51に既存水切り被覆材A2の折り下げ面A22が密着されており、既存水切り被覆材A2で、石綿スレート屋根材1の軒先端縁と、既存水切り5よりも突出している箇所の裏面とが覆われている。
そして、下がり面A11と、下がり面A11の上端縁を折り曲げた上面部A14と、下がり面A11の上端縁を上面部A14と同じ方向に折り曲げた被覆面A12とを有し、下がり面A11と被覆面A12とにかけて密閉材Cが貼られた軒先被覆材A1を、既存水切り被覆材A2に組み合わせる。これにより、本実施例の場合には、軒先被覆材A1の下がり面A11及び被覆面A12と既存水切り被覆材A2の立ち上げ面A23及び当接面A21とが密閉される。このため、軒先を補強して、石綿粉塵の飛散を防止することができるのが特徴である。
図3(ア)から(ウ)により、本願に用いる被覆補強材Aを成す既存水切り被覆材A2の他の実施例について説明する。
(ア)は、断面略Z字状をしており、当接面A21と、当接面A21の一側端縁を折り下げた折り下げ面A22と、他側端縁を立ち上げた立ち上げ面A23とからなっている。
このように、折り下げ面A22は、少なくとも既存水切り5の折り下げ部51にさしかかり、そこに止着具8を打ち込んで密着させて止めることができるような長さであり、立ち上げ面A23は、少なくとも石綿スレート屋根材1の軒先端縁の最前部に下側から差し掛かればよい。
(イ)は、当接面A21と、当接面A21の一側端縁を折り下げた折り下げ面A22と、他側端縁を立ち上げた立ち上げ面A23と、立ち上げ面A23の上端縁を当接面A21側に折り曲げた表面部A24とからなっている。表面部A24の長さは、石綿スレート屋根材1の軒先端縁において、最も立ち上げ面A23から遠い箇所の軒先端縁に差し掛かるようにするとよい。立ち上げ面A23の高さは、多少の不陸にも対応できるように設計するとよい。
(ウ)は、当接面A21と、当接面A21の一側端縁を折り下げた折り下げ面A22と、他側端縁を立ち上げた立ち上げ面A23と、立ち上げ面A23の上端縁を当接面A21側に折り曲げた表面部A24とからなっている。そして、本実施例の場合の折り下げ面A22の下端縁は、既存水切りの下端縁を覆うような長さになっており、内側方向に折り曲げられて既存水切り5を隠している。
さらに、図4(ア)と(イ)により、既存水切り被覆材A2の別の実施例について説明する。(ア)の既存水切り被覆材A2は、図3(ウ)の折り下げ面A22を内側方向に折り曲げた辺を内側面A25とし、内側面A25の上端縁を外側方向に折り曲げて野地材当接面A26としたものである。内側面A25は、既存水切り5の内側を覆い、野地材当接面A26は、野地材4の裏面側に当接される箇所である。
(イ)に示したものは、(ア)において、野地材当接面A26のないものである。
このように、既存水切り被覆材A2の形状は、さまざま考えられる。石綿スレート屋根材1において既存水切り5から突出している箇所の裏面を覆うことができ、当接面A21と、当接面A21の一側端縁を折り下げた折り下げ面A22と、当接面A21の他側端縁を立ち上げた立ち上げ面A23とを有していればよい。
続いて、図5と図6とにより、軒出が異なる場合の施工状態について説明する。図5は、密閉材Cの厚みを比較的厚くしておくことで、同じ軒先被覆材A1を用いたときに、石綿スレート屋根材1の軒出が異なっていても、密着材Cの伸縮で対応できることを示している。
図5下方の2つの円内の図(イ)(ウ)は、その状態をわかりやすく比較するために並べたものである。(イ)は図1の要部であり、(ウ)は図5(ア)の要部である。
既存水切り5からの軒出が比較的大きい場合には、(イ)のように密閉材Cが縮み、軒出が小さい場合には、(ウ)のようにあまり縮まない。
図6は、軒先被覆材A1の被覆面A12と、既存水切り被覆材A2の当接面A21との重なりで、石綿スレート屋根材1の軒出の異なりに対応していることを示している。
図6の下方の2つの円内の図(イ)(ウ)は、その状態をわかりやすく比較するために並べたものである。(イ)は図1の要部であり、(ウ)は図6(ア)の要部である。
既存水切り5からの軒出が大きい場合には、(ウ)のように当接面A21と被覆面A12とが浅く重なり、軒出が小さい場合には、(イ)のように当接面A21と被覆面A12とが深く重なる。
図8(ア)(イ)は、既存の石綿スレート屋根材1が、山部と谷部を有する、断面が小さな波状の屋根材である場合に用いられる密閉材Cを示している。
(ア)は、石綿スレート屋根材1の山部と谷部の裏面側に合わせて、密閉材Cにも山部と谷部を形成したものである。そして、この密閉材Cを既存水切り被覆材A2の当接面A21の内側に貼っておき、施工の際には、既存水切り5から軒側に突出している石綿スレート屋根材1の裏面側から、その山部と谷部に合わせて取り付ける。
(イ)は、断面が長方形の密閉材Cである。石綿スレート屋根材1の山部と谷部の裏面側の形状に合わせたものでなく、このような形状であっても、密閉材Cが弾性体であれば、押しつぶされて、既存水切り被覆材A2と石綿スレート屋根材1との間が密閉される。
図9(ア)(イ)により、新設屋根材3の他の実施例を説明する。(ア)は新設屋根材3を縦葺き屋根材とした場合を示しており、(イ)は、新設屋根材3を金属瓦とした場合を示している。
それぞれ、被覆補強材Aの軒先被覆材A1の形状は図1に示したものとは異なっており、新設屋根材3の形状に応じて設計変更が可能なことを示している。
このように、本願は、既存の石綿スレート屋根材1を改修する場合、既存水切り5の折り下げ部51に、既存水切り被覆材A2の折り下げ面A22を密着させる。そして、軒先において軒先被覆材A1と既存水切り被覆材A2とを組み合わせ、さらに密閉材Cを、少なくとも、軒先被覆材A1の下がり面A11の内側に介在させて、石綿スレート屋根材1の被覆及び補強をして、石綿を密閉する。従って、新設屋根材3を限定するものではない。
これまでの記載は、既存の石綿スレート屋根材1の改修において、軒先に関しての説明であったが、被覆補強材と密閉材との組み合わせにより、ケラバに関しても同様に適用できる。
本願の石綿スレート屋根の改修構造の実施例の説明図である。 図1の改修構造に用いる被覆補強材の実施例の説明図である。 (ア)(イ)(ウ)は本願の改修構造に用いる被覆補強材のうち既存水切り被覆材の実施例を示す説明図である。 (ア)(イ)は本願の改修構造に用いる被覆補強材のうち既存水切り被覆材の実施例を示す説明図である。 (ア)(イ)(ウ)は本願の石綿スレート屋根の改修構造の施工状態の説明図である。 (ア)(イ)(ウ)は本願の石綿スレート屋根の改修構造の施工状態の説明図である。 (ア)(イ)は本願の石綿スレート屋根の改修構造と比較するための説明図である。 本願の改修構造に用いる密閉材の実施例の説明図である。 (ア)(イ)は本願の石綿スレート屋根の改修構造の他の実施例の説明図である。 (ア)(イ)は従来技術を示す説明図である。 従来技術を示す説明図である。
符号の説明
A 被覆補強材
A1 軒先被覆材
A11 下がり面
A12 被覆面
A13 係止部
A14 上面部
A15 平面部
A2 既存水切り被覆材
A21 当接面
A22 折り下げ面
A23 立ち上げ面
A24 表面部
A25 内側面
A26 野地材当接面
1 石綿スレート屋根材
2 防水紙
3 新設屋根材
4 野地材
5 既存水切り
51 折り下げ部
6 軒先部材
61 下がり辺
7 軒先包み
8 止着具
9 鼻隠し

Claims (1)

  1. 石綿スレート屋根に新設屋根材を葺く改修構造において、
    粘着ルーフィングと被覆補強材と密閉材とが用いられており、
    粘着ルーフィングは、
    少なくとも片面が石綿スレート屋根材に粘着可能な粘着面を有しており、
    該粘着面で石綿スレート屋根材の表面が覆われており、
    被覆補強材は、
    既存水切り被覆材と軒先被覆材とから成っており、
    既存水切り被覆材は、少なくとも、石綿スレート屋根材において既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆うことができる当接面と、当接面の一側端縁を折り下げた折り下げ面と、当接面の他側端縁を立ち上げた立ち上げ面とを有しており、
    軒先被覆材は、少なくとも、石綿スレート屋根材の軒先端縁を覆うことができる下がり面と、下がり面の上端縁を折り曲げた上面部と、下がり面の下端縁を上面部と同じ方向に折り曲げた被覆面とを有しており、
    前記既存水切り被覆材の折り下げ面が、既存水切りの折り下げ部に密着し、
    既存水切り被覆材の当接面が、石綿スレート屋根材において既存水切りよりも軒先側に突出している箇所の裏面を覆って取り付けられており、
    該既存水切り被覆材に軒先被覆材が組み合わせられたときに、
    少なくとも軒先被覆材の下がり面の内側に入れられている密閉材を介して、既存水切り被覆材と軒先被覆材とが密着して組み合わせられている石綿スレート屋根の改修構造。
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