JP3142886B2 - SiC 系セラミックス前駆体の製造法 - Google Patents

SiC 系セラミックス前駆体の製造法

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JP3142886B2 JP03044587A JP4458791A JP3142886B2 JP 3142886 B2 JP3142886 B2 JP 3142886B2 JP 03044587 A JP03044587 A JP 03044587A JP 4458791 A JP4458791 A JP 4458791A JP 3142886 B2 JP3142886 B2 JP 3142886B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ポリカルボシランより
なる成形物、特に顆粒状、粉末状、繊維状、フィルム
状、シート状、その他の細径成形物を不融化してSiC系
セラミックス前駆体を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは耐熱性、耐摩耗性、高温
強度等に優れた材料として注目され、種々の原料が種々
の方法で成形され、焼結されてセラミック材料として用
いられている。なかでも、有機ケイ素ポリマーを始めと
する金属元素を含有するポリマーをセラミックス前駆体
として用いるセラミック材料の合成法は、粉末を成形し
て焼結する方法では不可能な形状のセラミック材料、例
えば繊維の製造には極めて好適であり、様々なポリマー
が研究されている。
【0003】そのようなポリマーの中で、主に SiC結合
によって骨格が構成されているポリカルボシランは、Si
C 系セラミックスの前駆体として極めて有用であり、特
にポリカルボシランを溶融紡糸して、不融化後焼成して
合成される炭化ケイ素繊維は、繊維強化型複合材料に用
いるために盛んに複合化の研究がされている。
【0004】従来、このようなポリカルボシランをセラ
ミックスの前駆体として用いる場合、ポリカルボシラン
を溶融あるいは溶剤に溶解して、これを所望の形状に成
形し焼成してセラミックスとする方法が用いられ、一般
的には成形後の焼成過程で溶融しないように、焼成前に
不融化処理が行われる。不融化処理なしで焼成できる場
合もあるが、溶融状態を経ないで熱分解が起こる高分子
量の場合であり、そのようなポリカルボシランの合成は
収率が低く、繊維化あるいはフィルム化には乾式紡糸法
や乾式押出成形法が必要で、工業的価値は乏しい。
【0005】不融化処理の一般的な方法として、空気中
や酸素中のような酸化性雰囲気で、ポリカルボシランの
軟化点近傍で加熱するかあるいはγ線、電子線等で照射
する方法が特開昭52-5321 号、特公昭58- 22570号(特
許第1194004 号)、特公昭61-9246 号(特許第1345083
号)、特公昭62-14647号(特許第1408310 号)各公報に
開示されている。
【0006】また、酸素を導入しないポリカルボシラン
の不融化法としては、真空中あるいは不活性ガス雰囲気
中で、電子線照射する方法が特公昭62-14647号(特許第
1408310 号)公報に、また最近ではポリマープレプリン
ツ,ジャパン,第38巻、第12号(1989 年)[Polymer pr
eprints, Japan, Vol. 38, No. 12 (1989)]に開示され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の方法のうち酸化性雰囲気で処理する方法は、酸化によ
りポリマー中に酸素が導入されるため、合成されるSiC
系セラミックスの特性を低下させ、また、高温ではクリ
ストバライトとして結晶化したり、更に高温では一酸化
炭素として放出されるため、高温強度が著しく低下す
る。
【0008】一方、酸素を導入しない真空中あるいは不
活性ガス雰囲気中で電子線照射する方法は、電子線照射
等に特殊な装置を必要とすること、大量に処理すること
が困難であること等の欠点がある。
【0009】そこで本発明者は、先に特許出願した特願
平2−301144号において、ハロゲン化炭化水素の蒸気を
ポリカルボシランに接触させながら加熱する方法でポリ
カルボシランが不融化できることを開示し、しかもこの
方法によれば、従来の不融化の方法が有していた欠点を
克服できることを示した。しかし、この方法では不融化
されたポリカルボシラン中にハロゲンが導入れるため、
不融化後のポリカルボシランを大気中で長時間扱うこと
は加水分解により酸素が導入される危険があった。
【0010】本発明は以上の問題点に鑑みなされたもの
であって、本発明の目的は、特性低下がなく特に高温強
度が優れたSiC 系セラミックスを合成することのできる
前駆体を、ポリカルボシラン成形物より効率よく提供す
るにある。また別の目的はこのような前駆体を、特殊な
装置を必要とせず、安価に量産し得る方法を提供するに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明者はポリカ
ルボシランを酸素を用いないで、しかもハロゲンを導入
することなく不融化するため鋭意研究を行った結果、オ
レフィン系あるいはアセチレン系炭化水素の蒸気を用い
ることによりポリカルボシランが不融化されることを見
いだし、更に、この不融化されたポリカルボシランをセ
ラミック化した際、その特性は優れたものであることか
ら、この不融化されたポリカルボシランはSiC 系セラミ
ックス前駆体として極めて有用であることを確認し、本
発明に到達したものである。
【0012】本発明による SiC系セラミックス前駆体の
製造法は、ポリカルボシランの成形物にオレフィン系あ
るいはアセチレン系炭化水素の蒸気を接触させて不融化
することを特徴とする。
【0013】オレフィン系あるいはアセチレン系炭化水
素の蒸気を接触させるに際し、ポリカルボシランの成形
物は50〜400 ℃に加熱することが好ましい。
【0014】また上記加熱は、オレフィン系あるいはア
セチレン系炭化水素の蒸気を接触しつつ室温から50〜40
0 ℃の範囲の温度まで徐々に昇温して行われることがよ
い。
【0015】更に好ましくは、オレフィン系あるいはア
セチレン系炭化水素の蒸気を不活性ガスをキャリアーガ
スとして接触させることである。
【0016】前記成形物は、好ましくは高々5mmの平均
外径を有する顆粒状、粉末状、繊維状、フィルム状また
はシート状細径成形物である。
【0017】また、オレフィン系あるいはアセチレン系
炭化水素のうち好適に適用されるものは炭素数10個以下
の不飽和結合を有する炭化水素である。
【0018】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明方法に適用するオレフィン系あるいはアセチレン系
炭化水素は、好適には、炭素数10個以下の低分子量の不
飽和結合を有する炭化水素であり、例えばエチレン、プ
ロピレン、ブチレン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、
オクテン、デセン、2-メチル-1- ブテン、ブタジエン、
1,4-ヘキサジエン、1,4-ペンタジエン、シクロオクタテ
トラエン、シクロヘキセン、アクリロニトリル、スチレ
ン、アレン、アセチレン、4-ペンテン-1- イン等、およ
びこれらの誘導体を包含する。
【0019】これらのオレフィン系あるいはアセチレン
系炭化水素は室温で液体あるいは気体であるような低分
子量のものが望ましく、気体の場合には窒素ガスやアル
ゴンガス等の不活性ガスと混合して適当な濃度に希釈し
て用いることができ、液体の場合には、窒素ガスやアル
ゴンガスをキャリアーガスとして用い、バブリング等の
方法により液体の蒸気圧を利用して所望の濃度のオレフ
ィン系あるいはアセチレン系炭化水素の蒸気を得ること
ができる。また、二種以上のオレフィン系炭化水素およ
び/またはアセチレン系炭化水素の混合蒸気を用いるこ
ともできる。
【0020】蒸気の濃度は、顆粒状、粉末状、繊維状、
フィルム状、シート状、その他の成形物に成形されたポ
リカルボシランが不融化される濃度であればよいが、室
温で液体であるオレフィン系あるいはアセチレン系炭化
水素を用いる場合には、飽和蒸気圧に近い濃度では、場
合によってはポリカルボシラン成形物の表面で凝縮が起
こることがあり、不活性ガスの混合により希釈すること
が望ましい。
【0021】顆粒状、粉末状、繊維状、フィルム状、シ
ート状、その他の成形物に成形されたポリカルボシラン
は、50〜400 ℃に加熱され、オレフィン系あるいはアセ
チレン系炭化水素の蒸気と接触させて不融化される。
【0022】しかし、一般にポリカルボシランの軟化点
は約200 ℃以下であり、軟化点以上の温度で加熱したい
場合には、室温から、あるいは軟化点以下の温度から所
望の温度に加熱しながらオレフィン系あるいはアセチレ
ン系炭化水素の蒸気と接触させる方法が採用される。こ
の方法によれば、軟化点以下の温度で徐々に不融化が進
み、ポリカルボシランの軟化点が上昇し、より高温でオ
レフィン系あるいはアセチレン系炭化水素の蒸気と接触
させることができるため、不融化を短時間で行うことが
できる。
【0023】一般に不融化に要する時間は、ポリカルボ
シランの構造によっても異なるが、低温ほど長時間を要
し、高温ほど短時間で不融化が達成され、通常0.5 〜40
時間である。
【0024】昇温する方法を用いる場合には通常5〜10
0 ℃/時の昇温速度が好適である。
【0025】不融化されるポリカルボシランの形状は、
顆粒状、粉末状、繊維状、フィルム状、シート状、その
他の成形物のいずれでもよいが、不融化は表面から進行
するため、粒径や繊維径や厚さが大きい場合には、不融
化の時間を長くしなければならない。従って、ポリカル
ボシランの成形物は高々5mmの平均外径を有する顆粒
状、粉末状、繊維状、フィルム状またはシート状細径成
形物であることが好ましい。板状その他の成形物の場
合、不融化が成形物の内部まで進行することが実際上困
難な場合がある。その時は粉末状で不融化を行い、不融
化した粉末を成形して用いることができる。
【0026】
【作用】ポリカルボシランのオレフィン系あるいはアセ
チレン系炭化水素の蒸気による不融化の機構は次のよう
に推定される。一般にヒドロシランはオレフィン系およ
び/またはアセチレン系炭化水素への付加反応、いわゆ
るヒドロシリル化を起こすことが知られている。この反
応は、ラジカル開始剤によるヒドロシランからの水素引
き抜きによって起こるラジカル連鎖機構で進む。ポリカ
ルボシランは分子内に多量のSi−H結合を有し、またシ
リルラジカルも有しているので、ヒドロシリル化は温度
を上げるだけで、ラジカル開始剤なしで進行する。
【0027】しかしながら、例えばポリカルボシランと
1-オクテンとの混合物を1-オクテンの沸点(122℃) まで
加熱してもポリカルボシランの高分子量化はほとんど起
こらない。
【0028】本発明の方法では、オレフィン系あるいは
アセチレン系炭化水素の蒸気を用いる、いわゆる固体と
気体との反応であり、ポリカルボシラン中のシリルラジ
カルが炭素−炭素不飽和結合に付加し、ポリカルボシラ
ンの軟化温度を上昇させると考えらる。そして、さらに
高温で反応させることにより、ポリカルボシランのSi−
H,C−HおよびSi−CH3 結合の開裂が起こり易くなる
と同時に、炭素−炭素不飽和結合が、このSi−H,C−
HおよびSi−CH3 結合から水素原子およびメチル基を引
き抜く。この結果、ポリカルボシラン中のラジカル濃度
が高くなり、分子間で橋かけ結合が生成し、不融化が起
こるものと推定される。
【0029】例えばポリカルボシランを溶融紡糸して得
た繊維を室温から300 ℃まで10℃/時の昇温速度でシク
ロヘキセン蒸気中で加熱し、300 ℃で1時間保持して不
融化すると、ポリカルボシラン中のSi−H結合とC−H
結合が減少することが赤外吸収スペクトルの測定から確
認された。また分子量は2100から4000へと増加した。こ
の場合、不融化されたポリカルボシシランはテトラヒド
ロフラン、四塩化炭素、ベンゼン等の有機溶媒に可溶で
あることも明らかになった。勿論不融化の時間を長くし
たり、温度を高くすることによって、溶媒に不溶とな
る。
【0030】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。
【0031】実施例1 ポリ(ジメチルシリレン)を450 ℃で熱分解して合成さ
れたポリカルボシランの粉末1gをアルミナ製ボートに
入れ、室温で10cc/分の流量でシクロヘキセン中でバブ
リングさせた窒素ガスと50cc/分の流量の窒素ガスとの
混合ガスを流した管状炉中で、室温から10℃/時の昇温
速度で300 ℃まで加熱し、1時間保持した。その後、ア
ルゴン気流中で100℃/時の昇温速度で1200℃まで加熱
し、1時間保持してSiC 系セラミックスとした。その結
果、処理した粉末は、不融化が達成されたSiC 系セラミ
ックス前駆体であり、セラミック化の過程で溶融しない
ことが確かめられた。また化学分析の結果から、酸素含
有量は1重量%以下であり、極めて酸素含有量の低いSi
C 系セラミックスが得られた。
【0032】比較例として、同じポリカルボシラン粉末
を酸素気流中で10℃/時で180 ℃まで加熱し1時間保持
して不融化した粉末を上述の方法と同様にセラミック化
した。
【0033】図1に、シクロヘキセンと酸素で不融化し
た場合にそれぞれ得られるセラミック粉末のX線回折図
形を示す。シクロヘキセンで不融化した場合は、2θ=
22°付近のクリストバライトの回折ピークが非常に小さ
く、またβ-SiCの結晶化を抑制する酸素が含有されない
ため、β-SiCの結晶子サイズが大きいことがわかる。
【0034】実施例2 実施例1のポリカルボシランを溶融紡糸して繊維とし、
実施例1と同様の濃度のシクロヘキセンの蒸気で、10℃
/時の昇温速度で、それぞれ、300,320, 340, 360 およ
び400 ℃まで加熱して1時間保持して不融化し前駆体と
した。
【0035】これらの前駆体の一部をテトラヒドロフラ
ンに溶かしたところ320 ℃以上でテトラヒドロフランに
不溶な成分が生成することが確かめられた。不溶成分は
温度と共に増加した。
【0036】その後この前駆体繊維をアルゴン気流中で
100 ℃/時の昇温速度で1300℃まで加熱し、1時間保持
してSiC 系セラミック繊維とした。これらの繊維の、ゲ
ージ長25mmでモノフィラメントについて測定した引張強
度はそれぞれ、4.35, 3.98,3.33, 3.41および2.80GPa
、ヤング率はそれぞれ204, 210, 208, 201および119GP
aであった。
【0037】また300 ℃で不融化した前駆体繊維をアル
ゴン気流中で1400および1500℃で同様に焼成して得た繊
維の強度はそれぞれ1.43および0.86GPa 、ヤング率はそ
れぞれ213 および191GPaとなり、高温でも強度を有し、
ヤング率の高い繊維が得られた。
【0038】実施例3 ポリ(ジメチルシリレン)にボロジフェニルシロキサン
を2重量%添加して、400 ℃で熱分解して合成されたポ
リカルボシランを溶融紡糸して得た繊維を10℃/時の昇
温速度で50℃から280 ℃まで、5cc/分の流量のエチレ
ンガスと50cc/分の流量の窒素ガスとの混合ガスの気流
中で加熱し、280 ℃で1時間保持して不融化し前駆体繊
維を得た。
【0039】この前駆体繊維をアルゴン気流中で100 ℃
/時の昇温速度で1300℃まで加熱して、1300℃で1時間
保持して焼成し、SiC 系セラミック繊維とした。引張強
度は3.10GPa 、ヤング率は215GPaであった。
【0040】実施例4 実施例3で溶融紡糸したポリカルボシラン繊維を、2cc
/分の流量のアセチレンガスと50cc/分の流量の窒素ガ
スとの混合ガスの気流中、10℃/時の昇温速度で、室温
から220 ℃まで加熱し、1時間保持して不融化すること
によって前駆体繊維とした後、実施例3と同様の方法で
焼成しSiC 系セラミック繊維とした。引張強度は2.80GP
a 、ヤング率は195 GPa であった。
【0041】実施例5 実施例4において、アセチレンのかわりに室温で10cc/
分の流量で1-オクテン中でバブリングさせた窒素ガスを
用いて320 ℃で不融化して得られた前駆体繊維を焼成
し、SiC 系セラミック繊維とした。引張強度は3.91GPa
、ヤング率は209GPaであった。
【0042】実施例6 実施例5において1-オクテンのかわりに1,4-ヘキサジエ
ンを用いて不融化して得られた前駆体繊維を焼成してSi
C 系セラミック繊維とした。引張強度は3.21GPa 、ヤン
グ率は200GPaであった。
【0043】実施例7 ポリ(ジメチルシリレン)にトルエン可溶の石油ピッチ
を5重量%添加して440 ℃で熱分解して合成されたポリ
カルボシランを溶融紡糸して得た繊維を、室温で20cc/
分の流量でスチレン中でバブリングさせた窒素ガスと20
cc/分の流量の窒素ガスとの混合ガスの気流中で、室温
から310 ℃まで10℃/時の昇温速度で加熱し、1時間保
持して不融化し前駆体繊維となした。その後、アルゴン
気流中で100 ℃/時の昇温速度で1300℃まで加熱し、1
時間保持して焼成し、SiC 系セラミック繊維とした。引
張強度は3.98GPa 、ヤング率は199 GPa であった。
【0044】実施例8 ポリ(ジメチルシリレン)のメチル基の5%をフェニル
基で置換したポリシランを425 ℃で熱分解して合成した
ポリカルボシランを溶融紡糸して繊維とし、これを、室
温で10cc/分の流量でシクロヘキセン中でバブリングさ
せた窒素ガスと50cc/分の流量の窒素ガスとの混合ガス
の気流中で、室温から280 ℃まで10℃/時の昇温速度で
加熱し、1時間保持して不融化し前駆体繊維とした。そ
の後、アルゴン気流中、100 ℃/時の昇温速度で1300℃
まで加熱し、1時間保持して焼成し、SiC 系セラミック
繊維とした。引張強度は4.10GPa 、ヤング率は235GPaで
あった。
【0045】実施例9 ポリ(ジメチルシリレン)に4.5 重量%のボロジフェニ
ルシロキサンを添加し350 ℃で熱分解して合成したポリ
カルボシラン100 gにチタンテトラブトキシドを13g加
え、300 ℃で2時間反応させてチタンを含有するポリカ
ルボシランを得た。このポリカルボシランを溶融紡糸し
て繊維とし、実施例8と同様の条件で不融化して前駆体
となし、更に、焼成しTiを約2重量%含有するSiC 系セ
ラミック繊維を得た。引張強度は3.72GPa 、ヤング率は
205GPaであった。
【0046】実施例10 実施例9で合成したポリカルボシランの粉末を金型によ
り2cm×5cm×0.1cm および2cm×5cm×0.5cm の板状
に成形し、この成形物を180 ℃に加熱された電気炉中に
置き、室温で10cc/分の流量でシクロヘキセン中でバブ
リングさせた窒素ガスと30cc/分の流量の窒素ガスとの
混合ガスを10時間流し前駆体成形物とした。その後、ア
ルゴン気流中で、100℃/時の昇温速度で1300℃まで加熱
し、1時間保持してセラミック化した。0.1cm の厚さの
場合は線収縮率28.5%の緻密な成形体が得られた。しか
し、0.5cm の厚さの場合は、成形体内部が溶融し、変形
とクラックの生成が観測された。
【0047】実施例11 実施例1で不融化された粉末状前駆体に、トルエンを2
重量%を加え、金型で2cm×5cm×0.5cm の板状に成形
し、乾燥後、アルゴン気流中で100 ℃/時の昇温速度で
1300℃まで加熱し1時間保持してセラミック化した。線
収縮率28.7%の緻密な成形体が得られた。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法は特別
な装置を必要とせず、酸素を導入しないで、しかもハロ
ゲン原子を導入することなくポリカルボシラン成形物を
不融化することができる。従って、このような方法で不
融化されたポリカルボシランは、大気中で長時間取扱っ
ても加水分解されて酸素が導入されることがなく、また
有機溶媒に可溶な状態である場合があるため、繊維状、
フィルム状に成形するさいの成形方法の選択に際して有
利である。
【0049】本発明によって不融化されたポリカルボシ
ランは、その熱分解によって得られるセラミックスが酸
素を実質的に含有しないSiC 系セラミックスであるた
め、高温特性に優れたセラミック材料を合成するための
前駆体として極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1および比較例で得られたセラ
ミック粉末のX線回折図形である。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 50〜400℃に加熱したポリカルボシ
    ランの成形物に、炭素数10個以下の不飽和結合を有す
    るオレフィン系あるいはアセチレン系炭化水素の蒸気を
    接触させて、ポリカルボシラン中のポリマー主鎖を架橋
    させて高分子量化する不融化処理を行なうことを特徴と
    するSiC系セラミックス前駆体の製造法。
  2. 【請求項2】 上記加熱が、オレフィン系あるいはアセ
    チレン系炭化水素の蒸気を接触しつつ室温から50〜4
    00℃の範囲の温度まで徐々に昇温して行われる請求項
    1記載のSiC系セラミックス前駆体の製造法。
  3. 【請求項3】 オレフィン系あるいはアセチレン系炭化
    水素の蒸気を不活性ガスをキャリアーガスとして接触さ
    せる請求項1又は2記載のSiC系セラミックス前駆体
    の製造法。
  4. 【請求項4】 前記ポリカルボシランの成形物が高々5
    mmの平均外径を有する顆粒状、粉末状、繊維状、フィル
    ム状、またはシート状細径成形物である請求項1〜3い
    ずれかの項記載のSiC系セラミックス前駆体の製造
    法。
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