JP3142201B2 - 高所作業車 - Google Patents

高所作業車

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JP3142201B2
JP3142201B2 JP06072662A JP7266294A JP3142201B2 JP 3142201 B2 JP3142201 B2 JP 3142201B2 JP 06072662 A JP06072662 A JP 06072662A JP 7266294 A JP7266294 A JP 7266294A JP 3142201 B2 JP3142201 B2 JP 3142201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高所作業車に係わり、特
に空港や工場などの非常に階高の高い現場やインテリジ
ェントオフィスなどの現場において設備工事作業を省人
的に行うに最適な自走式高所作業車に関し、さらには超
高層建築物用の軽量揚重システムにより揚重することが
可能な超高層建築物の現場に最適な自走式高所作業車に
関する物である。
【0002】
【従来の技術】近年、建設工事の効率化と、人手不足対
策のため、建設ロボットなどの建設用自動機械の普及が
積極的に進められており、たとえばコンクリート床仕上
げロボット、外壁検査ロボット、外壁塗装ロボット、自
動玉掛け外し装置、コンクリート吹き付けロボット、ロ
ボットドリルジャンボ、シールド自動制御装置、セグメ
ント自動組み立てロボット、ワンマンコントロール・ア
スファルト・フィニッシャーなどの機種が実際に現場で
稼働している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にこれらの建設用
自動機械はフォークリフトをベースとしたものが多く、
したがって台車自体が大きく、また重量も重くなりがち
であった。特に建築各作業を代替するための機械にあっ
ては、重い建設資材の揚重を行う必要があるため、バラ
ンスウェイトとの関係において機械の自重がさらに重く
ならざるを得ず問題となっていた。
【0004】また設備工事作業を代替するための機械に
あっても、現在市場化されているものは重量があり過
ぎ、高層階への揚重が困難であるし、また配管やスプリ
ンクラーユニットなどの設備の設置に好適な設備工事作
業代替用自働機械はこれまで開発されていなかった。さ
らに近年では、たとえば空港や工場など非常に階高が高
い現場や、インテリジェントオフィスなどの現場に適用
可能な設備工事作業代替用自動機械の開発が希求されて
いる。
【0005】本発明は、上記のような技術的状況に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、軽量
であり、超高層現場への搬送搬出を容易に行うことが可
能であり、強構造であり、階高の高い現場に管材の吊り
上げ、垂直建方を容易に行うことが可能であり、工具を
取り替えるだけで各種設備作業を行うことが可能であ
り、しかも所定の現場に無人操作で移動させることが可
能な新規かつ改良された高所作業車を提供することであ
る。
【0006】さらに本発明の別の目的は、上記のような
軽量かつ小型の高所作業車であっても、十分な作業床面
積を確保することが可能であり、したがって階高の高い
現場であっても安定かつ安全に各種設備作業を行うこと
が可能な新規かつ改良された高所作業車を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載の高所作業車は、駆動用車輪を有す
る基台に略垂直方向上方に延伸するように立設された複
数の基準フレームと、前記複数の基準フレームのうちの
少なくとも1つの基準フレームを軸として旋回運動可能
なように取り付けられたアウトリガフレームと、そのア
ウトリガフレームの下端に取り付けられたアウトリガ車
輪とを備え、さらに前記基台上に略垂直方向上方に伸縮
自在に延伸するように回転ブームを設置するとともに、
その回転ブームの伸縮部に回転ブームの伸縮運動に伴っ
て上下動可能な作業床を設けたことを特徴としている。
【0008】また請求項2によれば、前記高所作業車の
前記作業床がアウトリガ方向に増床可能に構成されてお
り、請求項3によれば、その作業床がスライドレール上
を摺動自在な増床部を備えることにより増床可能に構成
している。さらに請求項4によれば、前記増床部が油圧
シリンダにより摺動されるように構成されている。
【0009】さらに請求項5によれば、前記作業床の延
伸部に手摺が設けられ、請求項6によれば、前記手摺が
前記回転ブームまたは前記作業床の非増床部に対して連
結具により連結可能な構成が提供される。
【0010】さらに請求項7によれば、前記回転ブーム
の上方にはワイヤ巻上機が取り付けられており、請求項
8によれば、前記基台の少なくとも一方側に少なくとも
2つのアウトリガフレームを設けるとともに、それらの
アウトリガフレーム間に管材支持装置を取り付け、その
管材支持装置が支持した管材を略垂直方向面内において
旋回運動させることが可能であることを特徴とする構造
が提供され、さらに請求項9によれば、前記作業床の少
なくとも一部がはね上げ式床であることを特徴とする構
成が提供される。
【0011】さらに請求項10によれば、前記回転ブー
ムの上方には工具取り付け用アタッチメントが設置され
ており、前記回転ブーム内に工具駆動用回線が収容され
ており、請求項11によれば、天井などの作業面に描か
れた行路マークを追跡するトラッキング装置と、そのト
ラッキング装置からの信号に応じて前記車輪を駆動する
駆動装置とをさらに備えていることを特徴と高所作業車
が提供される。
【0012】
【作用】請求項1に記載の高所作業車は、無指向キャス
タなどの車輪が取り付けられたアウトリガフレームを基
台方向に旋回させることにより基台内に収容することが
可能であり、コンパクトな状態で現場に搬入搬出した
り、収容しておくことが可能である。使用時には、アウ
トリガフレームを基台から離れる方向に旋回させること
により、アウトリガフレームにより作業車が固定される
ので、たとえ作業床の床上高さが高い場合でも作業車を
安定させることができる。またアウトリガ車輪フレーム
を開脚することにより安定化が図られるので、従来の作
業車のようにバランスウェイトを用いる必要がなくな
り、高所作業車の軽量化が可能になる。さらに垂直方向
に伸縮自在に延伸する回転ブームが設置されており、作
業床自体もその回転ブームの伸縮運動に伴って上下動可
能なので、飛行場や工場などの階高の高い現場であって
も容易に作業を進めることが可能となる。
【0013】請求項2によれば、回転ブームの伸縮運動
に伴って上下動可能な作業床が増床可能に構成されてい
るので、高所作業車の軽量小型化のために、安全な作業
面積がとれない場合であっても、作業時に増床を行うこ
とにより、安定かつ安全な作業を行うに十分な作業スペ
ースを確保することができる。
【0014】請求項3によれば、増床部をスライドレー
ル上を摺動させることにより、高所でも容易かつ安全に
作業床を増床することが可能となる。また請求項4によ
れば、その増床部の摺動を油圧シリンダにより行うこと
により、増床動作を自動的に行うことが可能となる。
【0015】また請求項5によれば、作業床の延伸部に
手摺を設けているので、さらに一層作業の安定性および
安全性を向上させることができる。さらに請求項6の発
明のように、その手摺をチェーンやワイヤなどの連結具
により、回転ブームや作業床の増床しない部分に固定さ
せることにより、増床部および手摺の強度を高めること
ができる。
【0016】請求項7に記載の高所作業車では、垂直方
向に伸縮自在に延伸する回転ブームの上方にワイヤ巻上
機が取り付けられているので、管材などの資材を容易に
所望の位置にまで吊り上げることが可能である。
【0017】請求項8に記載の高所作業車では、まず水
平方向に横たわる管材の根本を管材支持装置により支持
固定した後、管材支持装置を旋回させながら回転ブーム
の上方に取り付けられたワイヤ巻上装置により管材の先
端を引き上げることが可能なので、管材を容易に略垂直
方向に立てることが可能であり、設備作業を容易に行う
ことができる。その際、管材支持装置が少なくとも2つ
のアウトリガフレームの間において支承されているの
で、バランスウェイトなどを用いずとも、作業時の安定
性が十分に確保される。
【0018】請求項9に記載の高所作業車では、作業床
の少なくとも一部がはね上げ式床として構成されている
ので、上記のように管材を略垂直方向に立てる場合であ
っても、作業床をはね上げることにより、作業床が邪魔
とならず、容易に作業を進めることが可能である。
【0019】請求項10に記載の高所作業車では、回転
ブームの上方に工具取り付け用アタッチメントが設置さ
れているので、現場において必要な工具を適宜付け替え
ることにより必要な作業をすべて行うことが可能であ
る。また工具を駆動するための電気的回線あるいは油圧
または空気圧回線は回転ブーム内に収容されているの
で、作業の邪魔にならず、作業の効率化を図ることがで
きる。
【0020】請求項11に記載の高所作業車には、トラ
ッキング装置と、そのトラッキング装置からの信号に応
じて車輪を駆動させるための駆動装置が設けられている
ので、現場の床面あるいは天井などの作業面に適当な行
路マークを予め記しておくことにより、トラッキング装
置によりその行路マークを追尾させ、無人で所望の作業
現場にまで高所作業車を移動させることができる。
【0021】
【実施例】以下に添付図面を参照しながら本発明に基づ
いて構成された高所作業車の好適な実施例について詳細
に説明する。
【0022】まず図1ないし図9を参照ながら本発明に
基づいて構成された高所作業車1の一実施例の概略につ
いて説明する。なお、図1は高所作業車1の概略的な側
面図であり、図2はその回転ブーム部分を抽出した説明
図であり、図3は図1のA−A線断面図であり、図4は
図1のB−B線断面図であり、図5は図1のC−C線断
面図であり、図6および図7は管材支持装置部分の説明
図であり、図8および図9はアウトリガ開閉脚機構の概
略を示す説明図である。
【0023】図1および図4に示すように本発明に基づ
いて構成された高所作業車1は、略矩形の基台2を有し
ており、その基台の四隅に略垂直方向に延伸する4本の
ステンレス製の第1の基準フレーム3a、3b、3c、
3dが立設されている。なお図示の例では略矩形の基台
2を使用しているが、本発明においては基台の形状は矩
形に限定されず、円形、多角形など必要に応じて任意の
形状を使用することが可能である。また図示の例では4
本の基準フレームを立設しているが、本発明においては
基準フレームの数も4本に限定されず、任意の数の基準
フレームを立設することが可能である。
【0024】これらの第1の基準フレーム3a、3b、
3c、3dは、たとえばステンレス製の水平方向補強フ
レーム4a、4b、4cによりそれぞれ連結され、強構
造の枠体として構成されている。
【0025】また第1の基準フレーム3a、3b、3
c、3dと略平行に第1のアウトリガ回転フレーム6
a、6b、6c、6dが連結部材7a、7b、7c、7
dによりそれぞれ接続されている。この第1のアウトリ
ガ回転フレーム6a、6b、6c、6dからはそれぞれ
4本の同寸法の第1のアウトリガ水平方向フレーム8
a、8b、8c、8dが取り付けられており、さらにこ
れらの第1のアウトリガ水平方向フレーム8a、8b、
8c、8dの先端に上記第1のアウトリガ回転フレーム
6a、6b、6c、6dと略平行に第1のアウトリガ用
キャスタ取付フレーム9a、9b、9c、9dが取り付
けられている。そして、この第1のアウトリガ用キャス
タ取付フレーム9a、9b、9c、9dの下端に360
゜旋回可能に第1のアウトリガ用キャスタ10a、10
b、10c、10dが取り付けられている。この第1の
アウトリガ用キャスタ10a、10b、10c、10d
にはそれぞれ車輪止め11a、11b、11c、11d
が取り付けられており、作業時にアウトリガ用キャスタ
を固定することにより作業の安定化を図ることが可能で
ある。以上のようにして、第1のアウトリガ回転フレー
ム6、第1のアウトリガ水平方向フレーム8および第1
のアウトリガ用キャスタ取付フレーム9により略梯子形
状の第1のアウトリガフレーム12a、12b、12
c、12dが、第1の基準フレーム3a、3b、3c、
3dに対して回転自在に構成される。
【0026】また基台2の一方の長辺(図4に示す左側
の辺)の途中には第2の基準フレーム13が略垂直方向
に延伸するように立設される。この第2の基準フレーム
13の長手方向長さは第1の基準フレーム3よりも短く
構成されており、その第2の基準フレーム13と略同寸
法の第2のアウトリガ回転フレーム14が第2の基準フ
レーム13を軸に回転可能なように連結部材15a、1
5bにより接続されている。この第2のアウトリガ回転
フレーム14の上下端からは水平方向に向かって、上記
第1のアウトリガ水平方向フレーム8と略同寸法の第2
のアウトリガ水平方向フレーム16a、16bが延伸し
ており、それらの第2のアウトリガ水平方向フレーム1
6a、16bの先端には、第2のアウトリガ回転フレー
ム14と同寸法の第2のアウトリガ用キャスタ取付フレ
ーム17が略垂直方向に取り付けられている。さらにこ
の第2のアウトリガ用キャスタ取付フレーム17の下端
には360゜旋回可能なように第2のアウトリガ用キャ
スタ18が取り付けられている。このようにして、第1
のアウトリガフレーム12と同様に、ただし高さの低い
略梯子形状の第2のアウトリガフレーム19が、第2の
アウトリガ回転フレーム14、第2のアウトリガ水平方
向フレーム16および第2のアウトリガ用キャスタ取付
フレーム17より、上記第2の基準フレーム13に対し
て回転自在に構成される。
【0027】以上のように構成された第1および第2の
アウトリガフレーム12、19が閉脚された様子を図8
および図9に示す。本発明によれば、高所作業車を現場
に搬入搬出する際、あるいは高所作業車を保管する際
に、第1および第2のアウトリガフレーム12、19を
図示のように収納することができるので、空間の節約を
図ることができる。また使用時には、図1ないし図4に
示すように、第1および第2のアウトリガフレーム1
2、19を開脚することにより、後述するように高所に
て作業を行う場合であっても、あるいは管材を略垂直方
向に立てるような作業を行う場合であっても、従来のよ
うにバランスウェイトを用いずとも安定した動作を確保
することができる。
【0028】図1および図5に示すように、基台2の下
には駆動部20が設置されている。この駆動部20は、
図5に詳細に示すように、長手方向に駆動装置21と駆
動シャフト22が設置され、駆動シャフト22の両端に
横手方向に延びる水平シャフト23a、23bが設置さ
れ、その水平シャフト23a、23bの先端に駆動用車
輪24a、24b、24c、24dを配した構成となっ
ている。また上記駆動シャフト22と略平行に車輪方向
変換用シャフト25が配されており、車輪方向変換用駆
動装置26からの動力をウォームギヤ27a、27bを
介して水平シャフト23a、23bに伝達し、水平シャ
フト23a、23bの位置を水平方向に移動させること
により、ギヤ28a、28b、28c、28dを介して
車輪の方向を任意の方向に変換することが可能である。
かかる構成により、駆動装置21および車輪方向変換用
駆動装置26に図示しない制御装置から制御信号を送る
ことにより、所望の方向に高所作業車1を駆動すること
ができる。
【0029】次に図4、図6および図7を参照しなが
ら、本発明に基づいて構成された高所作業車1に実装さ
れる管材支持装置27の構造について説明する。図4お
よび図6の(a)に示されるように、管材支持装置27
は第1のアウトリガフレーム12と第2のアウトリガフ
レーム19の間に支承される。すなわち、図示の例で言
えば、第1のアウトリガフレーム12の第1のアウトリ
ガ水平方向フレーム8bおよび第2のアウトリガフレー
ム19の第2のアウトリガ水平方向フレーム16にそれ
ぞれ設置された軸受部材28(図6(b)参照)内に管
材支持装置27が回動自在に軸支されるように構成され
る。この管材支持装置27は、図7(a)に示すよう
に、略半円形の2つの相補部材27a、27bおよびそ
れらの相補部材27a、27bを連結する連結部材30
a、30bから構成され、それぞれの相補部材27aお
よび27bには上記軸受部材28に嵌合される突起29
aおよび29bが設けられている。また27aおよび2
7bにより形成される円の内径は連結部材30a、30
bを調整することにより、図7(b)に示されるよう
に、管材31の外径に合わせることができる。
【0030】次に図1および図2を参照しながら、本発
明に基づいて構成された高所作業車1に実装される回転
ブーム32の概略的な構造について説明する。図示のよ
うに回転ブーム32はたとえば基台2の中央左よりに載
置され、内筒32aと外筒32bとから構成され、必要
な作業高さに応じて、図示しない駆動装置により外筒3
2bを昇降させることが可能である。また、外筒32b
は駆動部20内に収容された図示しない駆動装置により
任意の方向に回動運転するように構成することも可能で
ある。また回転ブーム32の頂部には蓋部材32cが取
り付けられ、その上部に後述する多機能ユニット33な
どの工具を着脱自在に取り付けるためのアタッチメント
34が設置されている。さらにこのアタッチメント34
を介して取り付けられる工具を駆動するための駆動回
路、たとえば電気回線や、油圧回線、空気圧回線などは
この回転ブーム32内に収容することが可能である。
【0031】そして、この回転ブーム32の外筒32b
の下端に作業床5が取り付けられている。この作業床5
は、回転ブーム32が最下端にある場合には、基台2に
載置されているが、回転ブーム32の外筒32bの昇降
運動に伴い、所望の高さにまで昇降させることが可能で
ある。この作業床5は、図3に示すように、水平方向補
強フレーム4b上に固定される固定床5aと、その固定
床5aに対してヒンジ5bなどによりはね上げ可能に取
り付けられたはね上げ床5bから構成され、後述するよ
うに、管材を略垂直方向に立てる作業などを行う場合に
は、はね上げ床5bを持ち上げることにより、作業を容
易に進めることができる。
【0032】図10および図11には、本発明に基づい
て構成された高所作業車1の作業床5のさらに別の実施
例が示されている。この作業床5’はアウトリガ方向に
増床部5dを備えており、固定床5’aに対してはね上
げ可能に取り付けられたはね上げ床5’bのヒンジ5b
は、増床部5dの差動の妨げにならないように、図3に
示す実施例とは異なり、作業床5’の外方に設けられて
いる。作業床5’の非増床部、すなわち固定床5’aお
よびはね上げ床5’bの下部にはスライドレール5eが
取り付けられており、上記増床部5dはこのスライドレ
ール5e上を摺動し、作業をする際に必要な分だけアウ
トリガ方向に増床させることが可能に構成されている。
【0033】そして、増床部5dはピンジョイント5f
を介して油圧シリンダ5gのシリンダロッド5hに接続
されており、油圧ライン5iを介して動力を供給するこ
とにより、増床部5dの面積を任意に拡大することが可
能なので、階高の高い作業場であっても、安定かつ安全
な作業を行うに十分な作業床面積を確保することが可能
である。さらにこの増床部5dの水平方向先端には折り
畳みおよび高さ調整が可能な手摺5jが取り付けられて
おり、さらに作業の安定性および安定性の向上が図れて
いる。この手摺5jは折り畳み収納が可能なので、高所
作業車1の搬入搬出時などには折り畳んだ状態で作業床
5’に収納することが可能である。さらにまた手摺5j
の上部先端にはチェーンやワイヤなど連結具5kが取り
付けられており、その連結具を作業床5’の非増床部や
回転ブーム32の外筒32bに連結することにより、増
床部5dおよび手摺5jの強度保持を図ることが可能な
ように構成されている。なお上記油圧シリンダ5gの油
圧作動系を回転ブーム32の作動系と同系に構成し、同
制御システムに組み込むことにより、増床作業の自動化
及び装置構成の簡略化を図ることが可能となる。
【0034】次に図12ないし図16を参照しながら、
上記回転ブーム32に取り付けることが可能な工具のう
ち、スプリンクラーヘッド自動取付用多機能ユニット3
3を例に挙げて説明する。
【0035】図12および図13に示すように、アタッ
チメント34上には、ワイヤ巻上機35を支持するため
の支柱36と、スプリンクラーヘッド取付ユニット41
が設置されている。支柱36には関節37a、37b、
37cを有するジョイント38a、38b、38cを介
して水平方向支柱39が支持され、その水平方向支柱3
9の先端に設置されたワイヤ巻上機35を任意の方向に
動かすことが可能なように構成されている。ワイヤ巻上
機35にはフック40が吊設されており、作業時に後述
するように管材を水平に吊り上げたり、あるいは管材を
略垂直方向に立てたりする作業を行うことが可能であ
る。また支柱36の頂部には作業地点に光を照射するた
めのライト36aが取り付けてある。
【0036】スプリンクラーヘッド取付ユニット41の
下端には、レーザースポット42を備えたX−Y作業軸
変換機構43が載置されている。このX−Y作業軸変換
機構43は、図17および図18に示すように、レーザ
照射口44からスポットレーザを照射可能なスポットレ
ーザ42と、このスポットレーザ光を貫通させるための
貫通孔45を有する基準板46とを備えている。さらに
このスポットレーザ42はX方向ステージ47およびY
方向ステージ48を備えた装着フレーム49内に収容さ
れており、装着フレーム49を適当に操作することによ
り、スポットレーザ光を所望の位置に照射させることが
可能である。作業時にはスポットレーザ42から貫通孔
45を介してスポットレーザ光をたとえば天井に描かれ
た行路マークに照射し、その反射光を図示しない光学セ
ンサに検出して、スポットレーザ光が常に描かれた行路
マーク上を照射するように、X方向ステージ47および
Y方向ステージ48を駆動し、そこから座標信号を得
て、図示しない制御装置を介して基台2の下に設置され
た駆動部20に信号を送り、駆動車輪24を駆動するこ
とにより、天井に描かれた行路マークを追尾しながら移
動することが可能である。なお、図示の例では、スポッ
トレーザ光をスプリンクラーヘッドが設置される天井に
向けて照射する構成を採用しているが、本発明はかかる
構成に限定されず、たとえば床面に描かれた行路マーク
を追尾可能なようにスポットレーザ光を床面に向けて照
射して座標信号を得る構成とすることもできる。
【0037】さらにアタッチメント34には、図14な
いし図16に詳細に示すような、スプリンクラーヘッド
取付ユニット41が設置されている。このスプリンクラ
ーヘッド取付ユニット41は、天井に穿孔するための穿
孔ドリル50とスプリンクラーヘッド取付装置51とか
ら構成されている。このスプリンクラーヘッド取付装置
51は、図15および図16に示すように、スプリンク
ラーヘッド52を押圧するための押圧装置53、スプリ
ンクラーヘッド52を固定するための固定装置54およ
びスプリンクラーヘッド52を引き抜くための引き抜き
装置55から構成されており、押圧装置53および固定
装置54はそれぞれ油圧シリンダ56、57により上下
動させることが可能である。
【0038】スプリンクラーヘッド52取付時には、ま
ず穿孔ドリル50にて所定の位置にスプリンクラー取付
用孔を穿孔し、カプラリングを押し上げながらスプリン
クラーヘッド52を押圧装置53にて天井裏の配管に取
り付けた後、引き抜き装置55によりスプリンクラーヘ
ッド52を引き下げながらカプラリングを戻すことによ
り、取付作業が完了する。
【0039】次に図19および図20を参照しながら、
本発明に基づく高所作業車により、管材60を略垂直方
向に立てる場合の動作について説明する。まず補助台車
61により管材60の先端を支持するとともに、管材6
0の根本部分を管材支持装置27により支持固定する。
さらに管材の上方に留め具62を取り付け、回転ブーム
32を所定の高さにまで延ばした後、ワイヤ巻上機35
からワイヤ63を延ばして留め具62に固定した後、ワ
イヤ巻上機35を駆動して、ワイヤ63を引っ張る。そ
の際に、本発明によれば、管材支持装置27は、第1お
よび第2のアウトリガフレーム12、19の間に旋回運
動可能に軸止されているので、この管材支持装置27を
軸を支点として、管材62を略垂直方向に立てることが
可能である。その際に、本発明によれば、高所作業車1
が第1および第2のアウトリガフレーム12、19によ
り固定されているので、従来の装置のようにバランスウ
ェイトを使用せずとも、安定的に動作を行うことができ
る。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明に基づいて構
成された高所作業車は、開閉自在なアウトリガフレーム
により作業車を支持するので、バランスウェイトを使用
せずとも安定した状態で高所作業を行うことができると
ともに、作業車の軽量化を図ることができる。また、ア
ウトリガ車輪を閉脚することにより小型化が図れる。こ
のように、軽量小型化を図ったことにより、自重300
kg未満を上限とするような小型の揚重システムによ
り、特に高層階への搬入搬出が容易となり、現場作業の
効率化を図ることができる。またコンパクトに構成した
ことにより減少する作業床面積は、作業床を増床構造と
することにより解決を図ることが可能である。また伸縮
自在の回転ブームにより高所作業を容易に行うことがで
きるとともに、その上方に設置されたワイヤ巻上機によ
り管材などを水平吊り下げ、あるいは略垂直方向に立て
る作業を容易に行うことができる。特に管材を略垂直方
向に立てる作業を行う場合には、管材の根本を第1およ
び第2のアウトリガフレーム間で旋回運動可能な管材支
持装置により支持した上で、その管材支持装置を支点と
してワイヤで管材の上部を引き上げるので、バランスウ
ェイトを使用せずとも安定して作業を行うことができ
る。またその際に、作業床の一部がはね上げ式床なので
作業の邪魔にならない。さらに床や天井などの作業面に
描かれた行路マークを追尾することにより、作業車を所
望の位置に移動させることができる。このように、本発
明に基づいて構成された高所作業車は、省人および作業
効率に優れ、現在市場に提供される大重量の作業車とは
一線を画した軽量小型の自走式設備機械を提供するもの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づいて構成された高所作業車の概略
を示す側面図である。
【図2】本発明に基づいて構成された高所作業車の回転
ブーム部分の側面図である。
【図3】図1に示す高所作業車のA−A線断面図であ
る。
【図4】図1に示す高所作業車のB−B線断面図であ
る。
【図5】図1に示す高所作業車のC−C線断面図であ
る。
【図6】本発明に基づいて構成された高所作業車の管材
支持装置の概略を示す説明図である。
【図7】本発明に基づいて構成された高所作業車の管材
支持装置の概略を示す説明図である。
【図8】本発明に基づいて構成された高所作業車の第1
および第2のアウトリガ車輪フレームの閉脚状態を示す
側面図である。
【図9】本発明に基づいて構成された高所作業車の第1
および第2のアウトリガ車輪フレームの閉脚状態を示す
平面図である。
【図10】作業床が増床構造に構成された高所作業車の
回転ブームおよび作業床部分の側面図である。
【図11】作用床が増床構造に構成された高所作業車の
概略的な平面図である。
【図12】本発明に基づいて構成された高所作業車に取
り付け可能な多機能ユニットの概略を示す側面図であ
る。
【図13】本発明に基づいて構成された高所作業車に取
り付け可能な多機能ユニットの概略を示す平面図であ
る。
【図14】本発明に基づいて構成された高所作業車に取
り付け可能なスプリンクラーヘッド取付ユニットの概略
を示す側面図である。
【図15】本発明に基づいて構成された高所作業車に取
り付け可能なスプリンクラーヘッド取付装置の概略を示
す側面図である。
【図16】本発明に基づいて構成された高所作業車に取
り付け可能なスプリンクラーヘッド取付装置の概略を示
す一部切断断面図図である。
【図17】本発明に基づいて構成された高所作業車に取
り付け可能なX−Y作業軸変換機構の概略を示す平面図
である。
【図18】本発明に基づいて構成された高所作業車に取
り付け可能なX−Y作業軸変換機構の概略を示す説明図
である。
【図19】本発明に基づいて構成された高所作業車によ
り管材を略垂直方向に立てる作業を示す説明図である。
【図20】本発明に基づいて構成された高所作業車によ
り管材を略垂直方向に立てる作業を示す説明図である。
【符号の説明】
1 高所作業車 2 基台 5 作業床 5a 固定床 5b はね上げ床 5d 増床部 5g 油圧シリンダ 5j 手摺 5k 連結具 12 第1のアウトリガフレーム 19 第2のアウトリガフレーム 20 駆動部 27 管材支持装置 32 回転ブーム 33 多機能ユニット 35 ワイヤ巻上機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04G 21/16 E04G 21/16

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動用車輪を有する基台に略垂直方向上
    方に延伸するように立設された複数の基準フレームと、
    前記複数の基準フレームのうちの少なくとも1つの基準
    フレームを軸として旋回運動可能なように取り付けられ
    たアウトリガフレームと、そのアウトリガフレームの下
    端に取り付けられたアウトリガ車輪とを備えた高所作業
    車において、 前記基台上に略垂直方向上方に伸縮自在に延伸するよう
    に回転ブームを設置するとともに、その回転ブームの伸
    縮部に回転ブームの伸縮運動に伴って上下動可能な作業
    床を設けたことを特徴とする、高所作業車。
  2. 【請求項2】 前記作業床がアウトリガ方向に増床可能
    であることを特徴とする、請求項1に記載の高所作業
    車。
  3. 【請求項3】 前記作業床がスライドレール上を摺動自
    在な増床部を備えていることを特徴とする、請求項2に
    記載の高所作業車。
  4. 【請求項4】 前記増床部が油圧シリンダにより摺動さ
    れることを特徴とする、請求項3に記載の高所作業車。
  5. 【請求項5】 前記作業床の延伸部に手摺を設けたこと
    を特徴とする、請求項2、3または4のいずれかに記載
    の高所作業車。
  6. 【請求項6】 前記手摺が前記回転ブームまたは前記作
    業床の非増床部に対して連結具により連結可能であるこ
    とを特徴とする、請求項5に記載の高所作業車。
  7. 【請求項7】 前記回転ブームの上方にワイヤ巻上機が
    取り付けられていることを特徴とする、請求項1、2、
    3、4、5または6のいずれかに記載の高所作業車。
  8. 【請求項8】 前記基台の少なくとも一方側に少なくと
    も2つのアウトリガフレームを設けるとともに、それら
    のアウトリガフレーム間に管材支持装置を取り付け、そ
    の管材支持装置が支持した管材を略垂直方向面内におい
    て旋回運動させることが可能であることを特徴とする、
    請求項7に記載の高所作業車。
  9. 【請求項9】 前記作業床の少なくとも一部がはね上げ
    式床であることを特徴とする、請求項1、2、3、4、
    5、6、7または8のいずれかに記載の高所作業車。
  10. 【請求項10】 前記回転ブームの上方には工具取り付
    け用アタッチメントが設置されており、前記回転ブーム
    内に工具駆動用回線が収容されていることを特徴とす
    る、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の
    いずれかに記載の高所作業車。
  11. 【請求項11】 作業面に描かれた行路マークを追跡す
    るトラッキング装置と、そのトラッキング装置からの信
    号に応じて前記車輪を駆動する駆動装置とをさらに備え
    ていることを特徴とする、請求項1、2、3、4、5、
    6、7、8、9または10のいずれかに記載の高所作業
    車。
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