JP3138906B2 - 接着芯地及びその製造方法 - Google Patents

接着芯地及びその製造方法

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JP3138906B2 JP10387195A JP10387195A JP3138906B2 JP 3138906 B2 JP3138906 B2 JP 3138906B2 JP 10387195 A JP10387195 A JP 10387195A JP 10387195 A JP10387195 A JP 10387195A JP 3138906 B2 JP3138906 B2 JP 3138906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は接着芯地及びその製造方
法に関する。詳細には低目付でソフトな風合いを備えて
おり、しかも表地と接着したときにモアレ現象を起こし
難い接着芯地及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
ブラウスなどの薄物用の接着芯地として、多数の点状の
熱融着部を形成したポイントシール不織布にドット状に
接着樹脂を付着したものがあった。
【0003】ところが、この接着芯地にあっては、表地
と接着したときに不織布のポイントシール部と表地とが
モアレ現象を起こすことがあった。また不織布のフィル
ム化した熱融着部は、当該不織布の風合いを硬くしてお
り、このため、不織布の全表面積に占める熱融着部の割
合を少なくしてソフトな風合いとした場合には強度が低
下するという不具合を招いていた。
【0004】このような事情から、表地と接着したとき
にモアレ現象を起こし難く、しかもソフトな風合いに創
り出すことができる接着芯地として、乾式繊維ウェブに
水流絡合処理を施した水流絡合不織布にドット状に接着
樹脂を付着したものもあった。
【0005】しかしながら、薄物用の接着芯地に好適な
目付が25g/m2 を下回るような低目付の水流絡合不
織布は、容易に製造することができなかった。というの
は、乾式繊維ウェブは、繊維相互が結合しておらず、単
に層状に積載されているだけなので、水流絡合する際の
水圧で繊維が飛散してしまい、繊維の粗密が生じたり、
繊維相互の絡みが不十分であったりし、しかも、乾式繊
維ウェブの目付が小さくなればなるほどその影響は大き
くなり、均質なものが得られない、さらには不織布とし
ての形態が維持できないという事態を招くことになるか
らである。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、低目付でソフトな風合いを備えており、し
かも表地と接着したときにモアレ現象を起こし難い接着
芯地及びその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
するため、請求項1記載の発明は、繊維長が20〜80
mmの短繊維よりなり、目付が5〜25g/m2乾式
繊維ウェブから形成した水流絡合不織布の構成繊維相互
が、前記水流絡合不織布の一方面側に付着する接着樹脂
によって結合していることを特徴とする接着芯地をその
要旨とした。
【0008】請求項2記載の発明は、水流絡合不織布の
他方面側の剥離痕が起毛部分として現れていることを特
徴とする接着芯地をその要旨とした。
【0009】請求項3記載の発明は、水流絡合不織布の
構成繊維相互間が含浸またはスプレーにより付与された
樹脂で結合されていることを特徴とする接着芯地をその
要旨とした。
【0010】請求項4記載の発明は、繊維長が20〜8
0mmの短繊維よりなり、目付が5〜25g/m2 の乾
式繊維ウェブにニットまたはネットを積層し、この状態
で水流絡合処理を施して前記乾式繊維ウェブの構成繊維
をニットまたはネットに絡ませ、次いで、前記乾式繊維
ウェブ側に接着樹脂を付着させ、この後乾式繊維ウェブ
をニットまたはネットから剥離することを特徴とする接
着芯地の製造方法をその要旨とした。
【0011】請求項5記載の発明は、水流絡合処理を施
した後、乾式繊維ウェブに樹脂エマルジョンを付与した
ことを特徴とする接着芯地の製造方法をその要旨とし
た。
【0012】以下、本発明の接着芯地及びその製造方法
を更に詳しく説明する。まず、請求項1、2及び3記載
の接着芯地について説明する。図1に示すように、この
接着芯地11は、乾式繊維ウェブから形成した水流絡合
不織布12の構成繊維相互が、前記水流絡合不織布12
の一方面側に付着する接着樹脂13によって結合してい
るものである。
【0013】この接着芯地に適用される水流絡合不織布
には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンなどの繊維が単独であるいは複数種の繊維を組み合わ
せて使用されている。その繊維長は20〜80mmの短
繊維である。
【0014】また、これらの繊維の繊維径は、0.3〜
3デニール、より好ましくは0.5〜2デニールであ
る。0.3デニールよりも繊維径が細くなると、均質な
乾式繊維ウェブを得るのが難しくなると共に、得られる
接着芯地の強度が低下し、3デニールを上回る場合には
得られる接着芯地の風合いが硬くなってしまうことにな
る。
【0015】またこの水流絡合不織布の目付は、5〜2
5g/m2 、より好ましくは10〜20g/m2 の範囲
となっている。目付が5g/m2 を下回るときには、繊
維の粗密が生じたり、繊維相互の絡みが不十分であった
りするなどの恐れがあり、25g/m2 を上回る場合に
は嵩高で厚手のものになってしまいブラウスなどの薄手
の接着芯地として使用できなくなる。
【0016】またこの水流絡合不織布は、水流絡合処理
により構成繊維相互が絡み合い、不織布としての形態が
保持されている。しかしながら、該不織布の構成繊維の
繊維長は20〜80mmであり、目付は5〜25g/m
2 であることから、繊維相互が絡み合いのみでは接着芯
地としての十分な強度を得ることができない。このた
め、本発明の接着芯地にあっては、水流絡合不織布の一
方面側に接着樹脂を付着させることで、同不織布の構成
繊維相互が接着樹脂によって結合し、接着芯地としての
十分な強度を確保され、形態保持、安定化の向上が計ら
れている。
【0017】この接着樹脂としては、融点が80〜15
0°Cのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂
等の熱可塑性樹脂が用いられており、この接着樹脂が3
〜15g/m2 、好ましくは4〜10g/m2 の付着量
で前記水流絡合不織布の一方面側に付着している。この
付着量が3g/m2 を下回る場合には強度が不足し、か
つ表地などとの間で十分な接着力が得られなくなる。一
方、接着樹脂の付着量が15g/m2 を上回る場合には
表地などと接着したときに風合いが硬くなると共に、当
該接着芯地の接着面とは反対の面側に樹脂が染み出して
しまう恐れがある。
【0018】この接着樹脂の前記水流絡合不織布への付
着の態様は任意であるが、例えば接着樹脂をドット状に
付着させる場合には、そのドットが不織布全体に一様に
分布していて、その1個のドット面積が0.1〜2mm
2 、密度が10〜200個/cm2 であるのが望まし
い。尚、接着樹脂のドット状以外の付着の例としては、
ストライプ状、ランダム状、格子状などが挙げられる。
【0019】またこの接着芯地は、繊維長が20〜80
mmの短繊維よりなり、目付が5〜25g/m2水流
絡合不織布の他方面側が起毛されている態様を採ること
もできる。この場合、他方面側の起毛部分は剥離の痕で
あり、当該接着芯地の製造過程で生じたものである。
【0020】つまり、この接着芯地は、繊維長が20〜
80mmの短繊維よりなり、目付が5〜25g/m2
乾式繊維ウェブにニットまたはネットを積層し、その上
で水流絡合処理を施し、次いでこの乾式繊維ウェブ側に
接着樹脂を付着させ、この後乾式繊維ウェブをニットま
たはネットから剥離するという方法で得られたものであ
り、他方面側の起毛部分は乾式繊維ウェブからニットま
たはネットを剥離するときに生じたものである。このた
め、他方面側の起毛部分、換言すれば剥離痕は当該不織
布の製造時に使用したニットまたはネットに対応してお
り、ニットまたはネットの形態や目の形、大きさなどが
起毛部分として他方面側に現れているのである。
【0021】またこの接着芯地は、水流絡合不織布の構
成繊維相互間を含浸またはスプレーにより付与された樹
脂で結合させることもできる。本発明の接着芯地は、前
述した如く繊維相互の絡み合いと、水流絡合不織布の一
方面側に付着する接着樹脂による繊維相互の結合とによ
って接着芯地としての十分な強度が確保されているが、
含浸またはスプレーにより付与された樹脂で繊維相互を
結合することで、強度をさらに高め、取り扱い性の向上
を計ることができる。この場合、樹脂の付着量としては
3g/m2 以下、好ましくは1g/m2 以下で、これよ
りも付着量が多くなると、接着芯地の風合いが硬くな
り、重量も増えるので、使用に適さなくなる。
【0022】次に、請求項4及び5記載の接着芯地の製
造方法について説明する。この製造方法は、乾式繊維ウ
ェブにニットまたはネットを積層し、この状態で水流絡
合処理を施して、次いで前記乾式繊維ウェブ側に接着樹
脂を付着させ、この後乾式繊維ウェブをニットまたはネ
ットから剥離することを特徴とするものである。
【0023】まず、図2に示すように乾式繊維ウェブ2
1にニットまたはネット22を積層する。乾式繊維ウェ
ブは、梳繊方式あるいは気流方式などの乾式法によって
形成されたものであり、その構成繊維としては、ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの繊維
を用いることができる。これらの繊維は、繊維長が20
〜80mmの短繊維である。
【0024】また、繊維径としては、0.3〜3デニー
ル、より好ましくは0.5〜2デニールのものがよく、
0.3デニールよりも繊維径が細くなると、均質な乾式
繊維ウェブを得るのが困難になると共に、得られる接着
芯地の強度が低下し、3デニールを上回る場合には得ら
れる接着芯地の風合いが硬くなってしまうことになる。
【0025】この乾式繊維ウェブは、繊維相互が結合し
ておらず、単に層状に積載されているだけであり、しか
も目付が25g/m2 を下回るような低目付で、その構
成繊維も繊維長が20〜80mmの短繊維であるので、
後述の水流絡合処理を施した場合には、水圧で繊維が飛
散してしまい、繊維の粗密が生じたり、繊維相互の絡み
が不十分となったりする。そこで、本発明の製造方法で
は、この乾式繊維ウェブにニットまたはネットを積層し
て、水流絡合処理時における水圧によっても繊維の飛散
や繊維の粗密が生じたりしないようこれを支持するよう
にした。
【0026】ニットまたはネットとしては、乾式繊維ウ
ェブを確実に支持しながらも、水流の通過が可能で十分
な繊維の絡合処理を行うことができるものならば、その
種類、構造は特に限定されないが、少なくとも100〜
15メッシュ、好ましくは30〜65メッシュの目を有
するものが好ましい。というのはニットまたはネットの
目が100メッシュよりも小さいと繊維が絡み難くな
り、15メッシュよりも大きな場合には十分な支持効果
が得られなくなるからである。
【0027】次に、図3に示すように、乾式繊維ウェブ
21をニットまたはネット22に積層した状態で水流絡
合処理を施す。これにより乾式繊維ウェブの構成繊維相
互が絡み合い、かつこれを支持するニットまたはネット
にも繊維が絡まることになり、乾式繊維ウェブとこれを
支持するニットまたはネットとは一体物となる。
【0028】次いで、図4に示すように前記乾式繊維ウ
ェブ21側に接着樹脂13を付着させる。これにより乾
式繊維ウェブの構成繊維相互が接着樹脂によって結合さ
れ、前記水流絡合による繊維相互の絡み合いとともに接
着芯地としての十分な強度が確保されることになる。
【0029】この接着樹脂としては、融点が80〜15
0°Cのポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂
等の熱可塑性樹脂を用いることができ、この接着樹脂を
3〜15g/m2 、好ましくは4〜10g/m2 の付着
量で前記乾式繊維ウェブに付着させるのである。尚、接
着樹脂の付着量が3g/m2 を下回る場合には強度が不
足し、かつ表地などとの間で十分な接着力が得られなく
なる。一方、接着樹脂の付着量が15g/m2を上回る
場合には表地などと接着したときに風合いが硬くなると
共に、当該接着芯地の接着面とは反対の面側に樹脂が染
み出してしまう恐れがある。
【0030】この接着樹脂を乾式繊維ウェブにどのよう
に付着させるかは任意である。例えば接着樹脂をドット
状に付着させる場合には、そのドットが不織布全体に一
様に分布していて、その1個のドット面積が0.1〜2
mm2 、密度が10〜200個/cm2 であるのが望ま
しい。尚、接着樹脂はドット状の他に、ストライプ状、
ランダム状、格子状などに付着させることができる。
【0031】この後図5に示すように、乾式繊維ウェブ
21をニットまたはネット22から剥離する。これによ
り乾式繊維ウェブの剥離した面側には、乾式繊維ウェブ
を支持していたニットまたはネットの形態や目の形、大
きさなどが起毛部分として現れることになる。
【0032】また水流絡合処理を施した後、乾式繊維ウ
ェブに樹脂エマルジョンを含浸またはスプレーにより付
与してもよい。これにより乾式繊維ウェブは、構成繊維
相互間が含浸またはスプレーにより付与された樹脂で結
合されることになり、当該乾式繊維ウェブをニットまた
はネットから剥離するときに、同乾式繊維ウェブが損傷
を受け難くなり、剥がし易くなる。また樹脂エマルジョ
ンの付与により得られる接着芯地は、水流絡合による繊
維相互の絡み合いと、接着樹脂による繊維相互の結合と
によって確保されている接着芯地としての強度がさらに
向上し、取り扱い性の向上も計られることになる。尚、
樹脂の付着量としては3g/m2 以下、好ましくは1g
/m2 以下で、これよりも付着量が多くなると、接着芯
地の風合いが硬くなり、重量も増えるので、使用に適さ
なくなる。
【0033】
【実施例】実施例1 繊維長50mm、繊維径1デニールのポリエステル繊維
を用いて、カード機により目付10g/m2 の乾式繊維
ウェブを形成し、繊維径20デニールのポリアミド繊維
からなるウェール35、コース35のトリコット上に積
層する。次いで、この積層体に乾式繊維ウェブ側から7
0kg/cm2 の圧力で水流絡合処理を施し、繊維を絡
合させた。次に、この積層体の乾式繊維ウェブ側の表面
にポリアミド樹脂を目付10g/m2 の付着量となるよ
うにドット状に加工した。なお、1個のドットの面積は
0.15mm2 、密度は100個/cm2 となるよう
にした。この後、積層体からトリコットを剥がし、水流
により絡合された乾式繊維ウェブ(水流絡合不織布)か
らなる接着芯地を得た。
【0034】得られた接着芯地は非常に薄く、風合いが
ソフトで、ブラウス等の薄手素材に接着した場合でも芯
地が表地側から透けて見えることがなく、またモアレ現
象の発生も見られなかった。
【0035】実施例2 繊維長50mm、繊維径1デニールのポリエステル繊維
を用いて、カード機により目付10g/m2 の乾式繊維
ウェブを形成し、25メッシュのポリエステル製のプラ
スチックネット上に積層する。次いで、この積層体に乾
式繊維ウェブ側から70kg/cm2 の圧力で水流絡合
処理を施し、繊維を絡合させた。次に、この積層体の乾
式繊維ウェブ側の表面にポリアミド樹脂を目付10g/
2 の付着量となるようにドット状に加工した。なお、
1個のドットの面積は0.15mm2 、密度は100個
/cm2 となるようにした。この後、積層体からプラス
チックネットを剥がし、水流により絡合された乾式繊維
ウェブ(水流絡合不織布)からなる接着芯地を得た。
【0036】得られた接着芯地は非常に薄く、風合いが
ソフトで、ブラウス等の薄手素材に接着した場合でも芯
地が表地側から透けて見えることがなく、またモアレ現
象の発生も見られなかった。
【0037】実施例3 繊維長50mm、繊維径1デニールのポリエステル繊維
を用いて、カード機により目付15g/m2 の乾式繊維
ウェブを形成し、繊維径20デニールのポリアミド繊維
からなるウェール35、コース35のトリコット上に積
層する。次いで、この積層体に乾式繊維ウェブ側から7
0kg/cm2 の圧力で水流絡合処理を施し、繊維を絡
合させた。次に、この積層体の乾式繊維ウェブ側の表面
にポリアミド樹脂を目付10g/m2 の付着量となるよ
うにドット状に加工した。なお、1個のドットの面積は
0.15mm2 、密度は100個/cm2 となるように
した。この後、積層体からトリコットを剥がし、水流に
より絡合された乾式繊維ウェブ(水流絡合不織布)から
なる接着芯地を得た。
【0038】得られた接着芯地は非常に薄く、風合いが
ソフトで、ブラウス等の薄手素材に接着した場合でも芯
地が表地側から透けて見えることがなく、またモアレ現
象の発生も見られなかった。
【0039】比較例1 繊維長50mm、繊維径1デニールのポリエステル繊維
を用いて、カード機により目付10g/m2 の乾式繊維
ウェブを形成し、70kg/cm2 の圧力で水流絡合処
理を施した。その結果、繊維ウェブがコンベアネットに
張りつき強度不足のため、コンベアネットから剥がすこ
とができなかった。また、水流による繊維ウェブの乱れ
も大きかった。
【0040】比較例2 繊維長50mm、繊維径1デニールのポリエステル繊維
を用いて、カード機により目付15g/m2 の乾式繊維
ウェブを形成し、70kg/cm2 の圧力で水流絡合処
理を施した。その結果、繊維ウェブをコンベアネットか
ら剥がすことはできたが、水流による繊維ウェブの乱れ
が大きく、強度も低いため芯地としては使用できないも
のであった。
【0041】比較例3 繊維長50mm、繊維径1デニールのポリエステル繊維
を用いて、カード機により目付26g/m2 の乾式繊維
ウェブを形成し、130kg/cm2 の圧力で水流絡合
処理を施して水流絡合不織布を得た。次に、この水流絡
合不織布の表面にポリアミド樹脂を目付10g/m2
付着量となるようにドット状に加工して接着芯地を得
た。なお、1個のドットの面積は0.15mm2 、密度
は100個/cm2 となるようにした。
【0042】得られた接着芯地は、厚みが厚く、ブラウ
ス用途の薄手の表地に貼った場合に貼った場所に厚み感
が生じ、また風合いも固いため、薄手の表地には使用で
きないものであった。
【0043】剪断及び純曲げ試験 実施例1、2、3及び比較例3の接着芯地の厚み、及び
表地(ウールトロピカル)と接着した場合の剪断値と純
曲げとを、各々引張り剪断試験機(カートテック株式会
社製 KES−FB1)と純曲げ試験機(カートテック
株式会社製 KES−FB2)とを用いて測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0044】
【0045】表1から、実施例1、2、3は、いずれも
比較例3より剪断値と純曲げ値が小さく、表地と貼り合
わせた場合の風合いがよりソフトであることがわかる。
【0046】
【発明の効果】請求項1記載の接着芯地にあっては、2
5g/m2 以下の低目付であるにも拘わらず、ソフトな
風合いと共に接着芯地として十分な強度を有しており、
しかも表地と接着したときにモアレ現象を起こし難い。
【0047】請求項2記載の接着芯地にあっては、25
g/m2 以下の低目付であるにも拘わらず、ソフトな風
合いと共に接着芯地として十分な強度を有しており、し
かも表地と接着したときにモアレ現象を起こし難い。ま
たこの接着芯地にあっては、水流絡合不織布の他方面側
の剥離痕が起毛部分として現れていることから、衣服に
適用したときに裏地と起毛部分との間が密着しないた
め、ずれを生じやすく、これがソフトな感触を造り出す
ようになっている。
【0048】請求項3記載の接着芯地にあっては、水流
絡合不織布の構成繊維相互間が含浸またはスプレーによ
り付与された樹脂で結合されているので、接着芯地とし
ての強度がさらに向上し、取り扱い性の向上も計られて
いる。
【0049】請求項4記載の接着芯地の製造方法は、乾
式繊維ウェブをニットまたはネットで支持しておいて、
これに水流絡合処理を施し、接着樹脂を付着させて、接
着芯地としての十分な強度を付与し、この後乾式繊維ウ
ェブをニットまたはネットから剥離するという方法であ
るので、例えば10g/m2 以下の低目付の水流絡合不
織布よりなる接着芯地でも容易に作製することができ
る。
【0050】請求項5記載の接着芯地の製造方法は、水
流絡合処理を施した後、乾式繊維ウェブに樹脂エマルジ
ョンを付与して、乾式繊維ウェブの構成繊維相互間が含
浸またはスプレーにより付与された樹脂で結合されるよ
うにしたので、当該乾式繊維ウェブをニットまたはネッ
トから剥離するときに、同乾式繊維ウェブが損傷を受け
難くなり、剥がし易くなる。またこの方法により得られ
る接着芯地は、水流絡合による繊維相互の絡み合いと、
接着樹脂による繊維相互の結合とによって確保されてい
る接着芯地としての強度が、含浸またはスプレーにより
付与された樹脂による構成繊維相互の結合でさらに向上
し、取り扱い性の向上も計られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の接着芯地の要部を示した拡大断面図。
【図2】乾式繊維ウェブをニットまたはネットに積層し
た状態を示す拡大断面図。
【図3】乾式繊維ウェブをニットまたはネットに積層し
た状態で水流絡合処理を施した状態を示す拡大断面図。
【図4】乾式繊維ウェブ側に接着樹脂を付着させた状態
を示す拡大断面図。
【図5】乾式繊維ウェブをニットまたはネットから剥離
している状態を示す拡大断面図。
【符号の説明】
12・・・水流絡合不織布 13・・・接着樹脂 21・・・乾式繊維ウェブ 22・・・ニットまたはネット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D04H 1/00 - 18/00 A41D 27/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維長が20〜80mmの短繊維よりな
    り、目付が5〜25g/m2乾式繊維ウェブから形成
    した水流絡合不織布の構成繊維相互が、前記水流絡合不
    織布の一方面側に付着する接着樹脂によって結合してい
    ることを特徴とする接着芯地。
  2. 【請求項2】 水流絡合不織布の他方面側の剥離痕が起
    毛部分として現れていることを特徴とする請求項1記載
    の接着芯地。
  3. 【請求項3】 水流絡合不織布の構成繊維相互間が含浸
    またはスプレーにより付与された樹脂で結合されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の接着芯地。
  4. 【請求項4】 繊維長が20〜80mmの短繊維よりな
    り、目付が5〜25g/m2 の乾式繊維ウェブにニット
    またはネットを積層し、この状態で水流絡合処理を施し
    て前記乾式繊維ウェブの構成繊維をニットまたはネット
    に絡ませ、次いで、前記乾式繊維ウェブ側に接着樹脂を
    付着させ、この後乾式繊維ウェブをニットまたはネット
    から剥離することを特徴とする接着芯地の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記水流絡合処理を施した後、乾式繊維
    ウェブに樹脂エマルジョンを付与したことを特徴とする
    請求項4記載の接着芯地の製造方法。
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