JP3138449B2 - メチルフェノールよりなるオゾン反応触媒 - Google Patents
メチルフェノールよりなるオゾン反応触媒Info
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Description
散気して水中の有害成分、臭気成分、着色成分を除去す
る処理において、オゾンの反応速度を向上させる技術に
関する。
ており、特に生活に密接に関係する水に対する人々の関
心は特に大きいものである。下水二次処理水、し尿二次
処理水、産業排水およびその二次処理水、上水、簡易水
道、専用水道水、工業用水、中水道などの他、養魚池、
養殖池などからの排水中には、有機成分、アンモニア等
の有害物質もしくは臭気、着色などの原因となる物質が
含まれている。このため、水の処理において高度の処理
が要求されており、各種の水処理方法が検討されてい
る。特に河川においてのフェノール系の有機物による汚
染が懸念されている。これは界面活性剤等に含まれる化
学物質が河川において分解される過程に生成するもので
あり、該フェノール系の有機物はベンゼン環を有するた
め、加熱等では容易に分解するものではなく、塩素添加
で分解することが可能であるが、塩素添加により分解さ
れた場合には塩化物が生成するため、適当ではない。
を用いる水処理方法が知られており、水中の有害成分、
臭気成分、着色成分などの酸化分解による除去、および
殺菌などに広く用いられている。また、オゾンの反応速
度を上げ、該オゾンによる被処理水中の有害物質の分解
速度の向上させ、被処理水の処理解速度を増すために、
例えば特開昭52−8650号に示されるごとく、界面
活性剤を添加して該添加された界面活性剤により汚水と
オゾンとの接触量を増す方法が知られている。
応は、オゾン分子の直接反応とオゾンの自己分解によっ
て生じるヒドロキシラジカル(OH・)とヒドロペルオ
キシラジカル(HO2 ・)によることは知られている。
特にヒドロキシラジカル(OH・)はオゾンより強い酸
化力を示すことから、これを増加させる事が反応の効率
化につながる。この反応の促進する方法には、次のよう
なものが知られている。被処理水のpHを上げる方法、
過酸化水素を添加する方法、紫外線を照射する方法、放
射線を照射する方法、超音波を照射する方法、金属イオ
ンや金属酸化物などの触媒を使用する方法、等である。
また、フェノール、安息香酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸を触媒として、該触媒存在下において汚水をオゾン
処理する方法が知られている。例えば特開平6−233
77号に示されるものである。
おいて、オゾンが比較的高価であり、オゾンによる酸化
分解速度が遅く、被処理水を大きな反応槽に導入し、該
反応槽において被処理水中にオゾンを散気するだけで
は、効率のよい水処理を行うことが困難である。また、
前記特開昭52−8650号に示されるごとく、界面活
性剤を添加した場合においては、反応面積を大きくする
ことにより、反応を促進するものであり、被処理水中に
多量の有機物が存在する場合には、前記界面活性剤が被
処理水中の有機物に吸着し、起泡力が低下する場合があ
る。また、該界面活性剤による起泡力の低下を回避する
ために、界面活性剤の量を増やす場合には処理において
泡の発生が多くなり、作業上において問題が発生する可
能性がある。前記特開平6−23377号に示されるご
とく、フェノール、安息香酸、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸を触媒として、該触媒存在下において汚水をオゾン
処理する方法においても十分な効力を発生させるのは困
難である。
よる被処理水中の有害物質の分解についての研究を続け
てきた。その結果、被処理水中の有害物質をオゾンによ
り分解する際に少量のメチルフェノールの存在が該有機
物のオゾンによる酸化分解の促進に大きな影響を与える
ことを知見し、本発明を完成させるに至った。本発明
は、処理水中に含まれる有機物をオゾンにより分解無害
化する処理において、オゾンの反応を促進方法として用
いることができる。
害成分、臭気成分、着色成分を除去する方法において、
該処理水にメチルフェノールよりなる触媒を添加する。
該触媒に低級アルコールもしくはアセトンのいずれか一
方もしくは両方を添加する。塩素の存在下において該触
媒を添加し、オゾンを散気する。メチルフェノールとし
てパラ−メチルフェノールを用いた触媒とする。触媒と
してメチルフェノールを用いる。
は、被処理水の状態によりその最適量が異なるが、重量
分率として約0.01ppm前後である。本発明において
用いられるメチルフェノールとしては、オルト、メタ、
パラ位のものが考えられるが、取り分けパラ位のものが
好ましく、オゾンによる有機物の分解を促進する効果が
高いと認められた。
を被処理水に可溶化するために、該メチルフェノールを
アセトンともに、該被処理水に添加するものである。ま
た、低級アルコールを用いることも可能である。該低級
アルコールには消泡作用があり、メチルフェノールと共
にアセトンを添加することも可能である。該メチルフェ
ノールの添加方法としては上記の限りではなく、該メチ
ルフェノールを被処理水に可溶せしめ、オゾンの反応を
阻害しないものであれば良く、その他溶剤もしくは界面
活性剤を用いることが可能である。また、被処理水に界
面活性剤を添加することにより、被処理水に散気された
オゾンを泡により保持し、被処理水とオゾンの接触面積
を拡大可能であり、これにより反応速度を向上すること
も可能である。
反応系においてどのような作用をするか、その作用機構
自体は明らかでない。しかしながら、本発明においてオ
ゾン、もしくはオゾンより酸化力の高いヒドロキシラジ
カルが生成されることにより被処理中の有機物が酸化分
解されると推察される。オゾンの水中における自己分解
反応において、図1に示すようにオゾン分子が水酸化物
イオンに反応し、超酸化水素および超酸化物イオンが生
成され、該超酸化水素がオゾン分子とさらに反応するこ
とにより、酸素とヒドロキシラジカルが生成する。これ
に対して、水中にオゾンの自己分解促進物がある場合の
ヒドロキシラジカルの生成反応は、図1に示すごとく、
オゾン分子が自己分解促進物Xに接触することにより、
ヒドロキシラジカルが生成するものと、前記の如く、オ
ゾン分子が水酸化物イオンに反応し、超酸化水素および
超酸化物イオンが生成され、該超酸化水素がオゾン分子
とさらに反応することにより、酸素とヒドロキシラジカ
ルが生成する。上記ヒドロキシラジカルが被処理水中の
有機物と反応し、該被処理水中の有機物が分解されるも
のである。本発明において、メチルフェノール(クレゾ
ール)は還元触媒としてオゾンの分解反応を促進してい
ると考えられる。オゾンは純水に10ppm程度しか溶解
しないが、メチルフェノールが100ppb含まれること
により、オゾンが純水に6000ppm反応した。
フェノール系物質の濃度を測定した後に、該採取した河
川の水I、Nおよび純水をそれぞれ500ml入れ、本発
明の標準試薬を添加した後にオゾンを散気した。標準試
薬は採取した水1Lに対して100μg添加された。こ
の後に、該採取した河川の水および下水の処理水に含ま
れるフェノール系物質の量を測定した。また、上記の処
理は室温で行った。河川の水Iにおいて予め含まれてい
るフェノール系の物質の濃度は0.1(μg/L)であ
り、河川の水Nにおいて予め含まれているフェノール系
の物質の濃度は5.1(μg/L)であった。また純水
に含まれるフェノール系の物質の濃度は0.1(μg/
L)以下であった。オゾンの注入量はそれぞれ河川の水
Iに対して8.5g注入時間は40分であり、注入ガス
量は1Nml/min、オゾンの吸収量は3.9gである。
河川の水Nに対して6.3g注入時間は30分であり、
注入ガス量は1Nml/min、オゾンの吸収量は3.3g
である。純水に対して6.0g注入時間は30分であ
り、注入ガス量は1Nml/min、オゾンの吸収量は3.
0gである。標準試薬を添加し、オゾンを散気したのち
の河川の水I、Nおよび純水においてフェノール系物質
の量を測定した結果、図3に示すごとく、河川の水I、
Nおよび純水におけるフェノール系物質の測定量はいず
れも0.1(μg/L)以下であった。
剤の入った水性インクを滴下した溶液を500mlのビー
カーに入れ、溶液Aを調製した。該溶液A400ml内に
空気を散気した。結果この場合には、発泡現象は生じな
かった。こののち、図2に示すごとく、オゾン発生機3
により、溶液Aを入れたビーカー1内にパイプ2を介し
てオゾンを散気した。結果、オゾンを散気すると溶液A
において発泡現象が生じた。該発泡現象は約五分持続し
た。次に、o−メチルフェノール、m−メチルフェノー
ル、p−メチルフェノールについて10μg/Lと成る
ようにそれぞれアセトンで溶いた試薬を調製し、それぞ
れ1滴(約0.03ml)を前記溶液A400mlに滴下し
た。 o−メチルフェノールを添加した溶液Aにおいて発泡現
象が持続した。 m−メチルフェノールを添加した溶液Aにおいて発泡現
象が持続した。 p−メチルフェノールを添加した溶液Aにおいて発泡現
象が持続し、特に活発な発泡現象がみられた。
ml)が必要であり、塩素が無いと白色の泡で発泡現象が
持続する。塩素を入れると起泡される泡は赤色インクの
赤い色を呈した泡となり、オゾンのみでは消泡状態にな
る。メチルフェノールを入れると当初赤色の泡が発生す
るが、その後は白色泡となり、発泡現象が持続する。
オゾンの分解反応において、メチルフェノールを添加す
ることにより、該オゾンの分解反応を促進し、該オゾン
による有機物質の酸化分解反応を促進することが可能で
ある。実施例1において、試料にメチルフェノールを添
加し、オゾンを散気することにより、該試料内に含まれ
るフェノール系物質の濃度を低減でき、純水にメチル フ
ェノールを含む標準試薬を添加してオゾンにより処理し
た結果フェノール系の物質の検出濃度が0.1μg/L
であったことより、添加されたメチルフェノール自体も
該メチルフェノールの存在により生成されるヒドロキシ
ラジカルもしくは酸素ラジカルにより酸化分解される。
即ち、メチルフェノールの添加は、オゾンの分解反応を
促進するとともに、該オゾンもしくはヒドロキシラジカ
ルによる酸化分解反応を妨げない。このため、試料中に
含まれるフェノール系の有機物を試料中にメチルフェノ
ールの添加し、オゾンを散気することにより分解除去す
ることができるとともに、該メチルフェノールも系内に
残留する可能性が低い。また、上記の方法による有機物
の分解速度をメチルフェノールの添加により促進可能で
あるため、該オゾンの反応促進方法を水処理に利用した
場合、処理水の処理速度を向上可能であり、反応槽の容
量を減少した場合においても単位時間当たりの水の処理
量を効用できるため、処理施設の敷地面積を少なくする
ことができる。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 処理水にオゾンを散気して水中の有害成
分、臭気成分、着色成分を除去する際に添加されること
を特徴とするメチルフェノールよりなるオゾン反応触
媒。 - 【請求項2】 低級アルコールもしくはアセトンのいず
れか一方もしくは両方を溶剤として含むことを特徴とす
る請求項1記載のメチルフェノールよりなるオゾン反応
触媒。 - 【請求項3】 塩素の存在下において、添加することを
特徴とする請求項1もしくは2記載のメチルフェノール
よりなるオゾン反応触媒。 - 【請求項4】 メチルフェノールとしてパラ−メチルフ
ェノールを用いることを特徴とする請求項1、2もしく
は3記載のメチルフェノールよりなるオゾン反応触媒。
Priority Applications (6)
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US09/195,984 US6129849A (en) | 1998-10-23 | 1998-11-19 | Process for accelerating reaction of ozone with AM catalyst |
CA002254406A CA2254406C (en) | 1998-10-23 | 1998-11-24 | Process for accelerating reaction of ozone with am catalyst |
DE69816083T DE69816083T2 (de) | 1998-10-23 | 1998-11-24 | Verfahren zur Beschleunigung der Reaktion von Ozon und Abwasser mit Hilfe eines Katalysators |
EP98122302A EP0997440B1 (en) | 1998-10-23 | 1998-11-24 | Process for accelerating reaction of ozone and waste water with a catalyst |
RU98124077A RU2146656C1 (ru) | 1998-10-23 | 1998-12-25 | Способ ускорения реакции озона при очистке воды (варианты) |
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---|---|---|---|
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