JP2000325971A - 汚染水浄化方法及びその装置 - Google Patents

汚染水浄化方法及びその装置

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JP2000325971A
JP2000325971A JP11137947A JP13794799A JP2000325971A JP 2000325971 A JP2000325971 A JP 2000325971A JP 11137947 A JP11137947 A JP 11137947A JP 13794799 A JP13794799 A JP 13794799A JP 2000325971 A JP2000325971 A JP 2000325971A
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contaminated water
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treatment tank
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Osamu Shiozaki
修 塩▲崎▼
Yasuhiro Masaki
康浩 正木
Jun Okano
純 岡野
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Kyodo Oxygen Co Ltd
Nippon Steel Corp
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KYODO SANSO
Kyodo Oxygen Co Ltd
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染水を、効率よくかつ安全に処理すること
ができる工業的な汚染水処理方法及びこの方法を実施す
る装置を提供すること。 【解決手段】 汚染水6を一旦貯留する処理槽2と、処
理槽2内の汚染水6にオゾン含有気体を供給するオゾン
発生器7及びこのオゾン発生器7と処理槽2をつなぐ気
体供給管8と、気体供給管8を介して汚染水6に供給さ
れたオゾン含有気体を微細気泡化する微細気泡発生器9
と、汚染水6に波長の少なくとも一部が240〜320
nmの範囲にある紫外線を照射する紫外線光源10と、
処理槽2内における気相部分のガスを気相中で光触媒分
解させる光触媒処理器12を備えた構成である。 【効果】 汚染水中に含まれる有害物を効率よくオゾン
−光複合酸化分解でき、オゾン−光複合酸化分解過程に
おいて気化した有害物や副生成物は、光触媒によって気
相分解し、無害化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリクロロエチレ
ンやテトラクロロエチレン、または、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン(以下、ベンゼン、トルエン、キシレンを
略して「BTX」という)等の芳香族化合物などの有害
物質を含有した汚染水を浄化する方法及びその装置に関
し、特に液相中における紫外線と微細気泡化されたオゾ
ン含有気体によるオゾン−光複合酸化分解と、さらに、
気相部における光触媒分解を併用した汚染水の浄化方法
及びこの浄化方法を実施する装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、有機ハロゲン、BTX等を含
む地下水や工業廃水などの汚染水を分解処理する方法と
しては、オゾン酸化や紫外線照射による光酸化による方
法などがある。いずれも単独で汚染水に含まれる有害物
を分解することは可能であるが、いずれも単独で実施し
た場合には効率が悪いことは周知の通りである。特にオ
ゾン酸化による方法では分解力が不十分で、有機ハロゲ
ン化合物などを含む汚染水を分解処理した場合には、副
生成物が多く生成されるといった問題点が指摘されてき
た。
【0003】これに対して、両者を組み合わせた併用系
では、相乗効果によって比較的効率良く有害物を分解処
理できる事が知られている。そこで、より効果的に処理
ができるように工夫された様々な汚染水処理方法が従来
より提案されている。
【0004】例えば特公昭55−7299号では、オゾ
ン発生器からオゾン含有ガスの供給に際して、羽根車の
回転を利用して液中に微小泡状の気泡としてオゾンを分
散させ、このオゾンに紫外線を照射する方法が開示され
ている。また、同じく微細気泡化したオゾン含有液に波
長の異なる紫外線を順次照射し、オゾンから派生する活
性酸素を効率よく反応に用いる方法が特開平10−15
5887号に開示されている。
【0005】一方、近年、トリクロロエチレンやテトラ
クロロエチレンなどの揮発性の高い有害物を含んだ汚染
水の処理方法として、積極的に曝気処理や吸引処理を行
い、汚染物を気相中に追い出した後、分解処理する方法
が検討されている。この方法は、曝気後、活性炭により
吸着処理されていた従来法に変わる新しい処理法として
注目されている。そして、その分解方式としては、紫外
線照射によるもの(例えば水環境学会誌、第17巻、第4
号、P270-275 )や、光触媒によるもの(例えば特開平
9−155160号)がある。
【0006】しかしながら、気相中における紫外線照射
分解では、毒性の強い副生成物が生成されることが多
い。例えばトリクロロエチレンの場合、毒性の強いジク
ロロ酢酸やトリクロロ酢酸、また、反応条件によっては
ホスゲンが副生する事が知られている。
【0007】一方、光触媒方式では、酸化チタン等の光
励起によって生じる酸化力が極めて強いという利点を有
している。一般に、光触媒分解は、光触媒の比表面積が
活性炭などに比べて圧倒的に低いため、微量の処理に適
していると言われている。しかしながら、汚染水から気
相中に追い出された有害物は光触媒にとっては極めて多
量となるので、光触媒分解のみによって環境基準値レベ
ルにまで有害物濃度を抑えるためには、反応面積つまり
光照射面積を大きくする必要がある。このため、光触媒
反応器が大きくなり、その内部構造も複雑になる等の問
題点があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはオゾン−
紫外線照射によって、有機ハロゲン化合物やBTXの汚
染水の処理を行ったところ、液相では比較的効率よく有
害物を分解できることを確認した。しかし、その際、処
理槽の気相部分の分析を行うと、汚染水中の有害物や、
分解が途中の副生成物の気化物が高濃度に存在すること
が判明した。
【0009】これは、酸素が大部分となるオゾン含有ガ
スを汚染水に供給するので、それが気相中に開放される
時に、未反応の有害物或いは分解が中途の副生成物など
を同伴するためであった。また、汚染水に含まれる有害
物の種類によっては、オゾン−紫外線照射法では分解が
あまり起こらず、気相部に有害物が少しずつ蓄積され、
気相濃度が徐々に高くなる場合もあった。周知の通り、
有機ハロゲン化合物やベンゼンなどは、大気汚染に係わ
る環境基準値がppbオーダーときわめて低いことか
ら、処理槽の気相部を介してこれらを大気に放出するこ
とは環境保全上許されない。
【0010】これらの解決策としては、気相ガスをオゾ
ン分解器等を通した後、処理槽に戻す方法が考えられ
る。しかし、この手法では、汚染物の分解によって生成
した、より揮発性の高い副生成物の分解が起こりにく
く、また、装置全体としても連続処理には向かないとい
う問題点がある。さらに、気相部に移行した有害物を活
性炭などを用いて吸着処理する方法も考えられるが、こ
の方法では、吸着飽和した吸着剤の再生や廃棄処理が必
要となる。これはメンテナンス性を低下させ、ランニン
グコストがかかるばかりでなく、二次的な汚染を引き起
こす可能性が危惧される。
【0011】本発明では、以上説明したような従来及び
今回知見した汚染水処理方法や汚染水処理装置にあった
問題点を解決しようとして成されたものであり、トリク
ロロエチレンやベンゼンなどの有害物を含有した汚染水
を、効率よくかつ安全に処理することができる工業的な
汚染水処理方法及びこの方法を実施する装置を提供する
ことを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の汚染水浄化方法は、液相中でオゾン含
有気体の微細気泡による供給と紫外線照射により、汚染
物をオゾン−光複合酸化分解すると共に、気相中に移行
した有害物や副生成物を気相中で光触媒分解させること
としている。
【0013】また、本発明の汚染水浄化装置は、汚染水
を一旦貯留する処理槽内の汚染水に、オゾン発生器で発
生させたオゾン含有気体を供給し、このオゾン含有気体
を微細気泡発生器によって微細気泡化すると共に、汚染
水に波長の少なくとも一部が240〜320nmの範囲
にある紫外線を照射し、かつ、光触媒処理器で処理槽内
における気相部分のガスを気相中で光触媒分解させる構
成としている。
【0014】そして、このようにすることで、汚染水中
に含まれる有害物を効率よくオゾン−光複合酸化分解で
き、また、オゾン−光複合酸化分解過程において気化し
た有害物や副生成物は、光触媒によって気相分解し、無
害化することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明者らは、前記した従来の汚
染水処理方法や汚染水処理装置にあった問題を解決する
ために鋭意検討した結果、液相中でオゾン含有気体の微
細気泡による供給と紫外線照射を行うのと同時に、気相
中で光触媒反応を行えば、 液相だけでなく、気相中に移行した有害物までも
が、効率よく分解処理できる事、 処理後の液相及び気相には副生成物及び残留オゾンな
どが極めて少ない事、 装置として、液相部と気相部の処理負担割合を任意に
変えられるので、汚染物の種類、濃度などに応じて、全
体の処理効率、安全性を高めるためのプロセス最適化が
行いやすい事、 装置はコンパクトとなり、且つ、連続処理が可能であ
る事、を見いだし、以下の本発明を完成させた。
【0016】すなわち、本発明の汚染水浄化方法は、オ
ゾンを含有する気体を微細気泡として汚染水に供給しな
がらこの汚染水に紫外線を照射することによって、液相
中で汚染水中に含まれる有害物をオゾン−光複合酸化分
解すると共に、気相中に移行した未反応の有害物や副生
成物などを光触媒分解させるものである。
【0017】つまり、本発明の汚染水浄化方法は、有害
物の液相処理と気相処理の二つの工程からなっている。
このうち液相処理は、微細気泡化したオゾン含有気体を
処理槽内の汚染水に供給すると共に、処理槽内に設けた
紫外線ランプより前記汚染水に紫外線を照射することに
よって、汚染水中に含まれる有害物を効率よくオゾン−
光複合酸化分解する。
【0018】本発明において、オゾン含有気体を微細気
泡化するのは、その気泡表面積を高めると共に、浮力を
抑えることによってオゾンを汚染水に溶解させ易くする
ためである。
【0019】但し、このオゾン−光複合酸化分解過程に
おいては、前述したように汚染水に含まれていた有害物
や副生成物が不可避的に気相中に移行する。そこで、本
発明の汚染水浄化方法では、前記したオゾン−光複合酸
化分解過程において気化した有害物や副生成物を、光触
媒によって気相分解し、無害化する。また、光触媒処理
は活性炭に比べて、手間、ランニングコストがほとんど
かからず、二次汚染の虞もない。すなわち、本発明の汚
染水浄化方法では、二つの分解工程を駆使する事によっ
て、汚染水を効率よくかつ安全に処理する事が可能とな
る。
【0020】また、このような本発明の汚染水浄化方法
における気相処理、すなわち、光触媒分解過程では、従
来の光触媒分解処理方式と比較して以下の利点を有す
る。 1) 汚染水に含まれる有害物が液相分解されるので、光
触媒が負うべき分解量が少なくなり、光触媒反応の本来
の使用方法に合致する。従って、反応器もコンパクトで
よく、かつ、その構造も比較的単純化しやすくなる。
【0021】2) 液相部分から気化したガスには汚染物
以外に未反応の微量のオゾンが含まれることが多い。微
量のオゾンの存在は汚染物の光触媒分解作用を促進する
効果があり反応効率が向上するので、本発明ではガス中
の微量オゾンを光触媒作用の促進のために使用してい
る。オゾンは人体に対して有害であるから、通常は、残
留オゾンの処理工程が必要となるが、本発明方法のよう
に使用した場合、最終的には分解され無害化されるの
で、残留オゾンの処理工程が不要となる。
【0022】3) 光触媒は、処理中にゴミ、塵、金属な
どによって被毒され、徐々に光触媒活性が低下すること
が多い。そのため、従来から有害ガスの光触媒分解処理
では、光触媒活性の低下を防ぐため、プレフィルターな
どを設けている。一方、本発明方法では、有害ガスは一
旦液相中に供給された後気相中に移行したものであるた
め、分解対象となる汚染物以外はほとんど含んでいな
い。従って、光触媒表面が被毒することはなく、光触媒
性能は常に安定しており、プレフィルターなどを設ける
必要はなくなって、メンテナンス性に優れる。
【0023】このように、本発明の汚染水浄化方法は、
この光触媒分解方式と微細気泡化オゾンと紫外線照射に
よる複合分解方式を組み合わせることによって、汚染水
を効果的にかつ安全に処理できる特徴を有している。
【0024】本発明の汚染水浄化装置は、上記した構成
の本発明の汚染水浄化方法を実施する装置であって、汚
染水を一旦貯留する処理槽と、この処理槽内の汚染水に
オゾン含有気体を供給するオゾン発生器及びこのオゾン
発生器と処理槽をつなぐ気体供給管と、この気体供給管
を介して汚染水に供給されたオゾン含有気体を微細気泡
化する微細気泡発生器と、前記汚染水に波長の少なくと
も一部が240〜320nmの範囲にある紫外線を照射
する光源と、前記処理槽内における気相部分のガスを気
相中で光触媒分解させる光触媒処理器を備えたものであ
る。
【0025】先ず、本発明における第一工程となる液相
分解を実施するための装置構成について詳細に説明す
る。本発明における液相分解の処理操作は、回分式操業
や混合流通式操業などで行うことが可能である。この
際、連続処理を行う場合は、処理量、流量に応じた大き
さ、容量を有する単一の処理槽を使用するか、或いは、
並列又は直列に並べた複数の処理槽を用いた回分式や、
混合型の流通式等で行う。また、一旦排水した処理液の
少なくとも一部を処理槽に戻し、再度分解処理を行って
も良い。
【0026】処理槽への汚染水の供給は、直接汚染源か
ら、或いは、一旦汚染水を貯蔵したタンクなどから、必
要に応じて送液ポンプなどを用いて、汚染液の水底部か
ら行う。但し、処理槽内の攪拌が十分であれば、汚染水
の送液は水面付近を含めたどの場所から行っても良い。
また、汚染源からは汚染水を吸引、特に二重吸引等で引
き上げた時は、一旦気液分離器等で汚染ガスと汚染水を
分離しなければならないことがある。この時は、汚染水
は処理槽に供給し、ガス部分は処理槽内の液相中にオゾ
ン含有気体と同様微細化して、或いは、直接吹き込んで
液相処理を施せば良い。また、汚染ガスは、直接光触媒
処理器に送り込んでも良い。処理槽内の攪拌は、処理効
率の向上の点からは適度に行うことが望ましい。この場
合、攪拌方法としてはオゾン含有気体をジェット噴流と
して供給したり、微細気泡化のための羽根車の渦流を利
用しても良い。また、磁気やインペラを用いて強制攪拌
しても良い。
【0027】オゾン含有気体を供給する手段について
は、処理槽外部に設けた市販のオゾン発生器を用いて行
うことができる。この際、処理槽におけるオゾン含有気
体の供給位置については、基本的には、水圧の影響を受
け、微細気泡発生器によってより気泡が微細化され、さ
らに、液体との接触時間が長くなる処理槽底部が好まし
い。
【0028】また、オゾン含有気体を微細化する微細気
泡発生器としては、オゾンを水中に加圧溶存させるも
の、回転式の羽根車等によって発生した渦流攪拌やその
剪断力を利用するものなどがあり、どのような構成のも
のを採用しても良い。
【0029】本発明において、波長が少なくとも240
〜320nmの紫外線を照射可能な光源を使用するの
は、この波長の光により、下記の化学式1に示すように
オゾンは活性化され、水との反応によって、有害物の分
解に有効なOHラジカルを与えるからである。
【0030】
【化1】O3 +紫外線(240〜320nm)→ O2
+O( 原子状酸素) O+H2 O → 2OH・
【0031】また、波長の少なくとも一部が240〜3
20nmの範囲にある紫外線というのは、この範囲に少
なくとも1本の輝線を持つ紫外線でも良いし、この範囲
の中に連続波長を持つ紫外線のいずれでも良い。なお、
利用できる光源としては、滅菌灯、超高圧水銀灯、高圧
水銀灯、中圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライド灯、
キセノン灯等がある。
【0032】汚染水に紫外線を照射する光源として、さ
らに、低圧水銀灯など波長が185〜200nmの、よ
り低波長の紫外線を照射する光源を備え、この波長が1
85〜200nmの紫外線を照射すれば、液中に溶存し
た酸素のオゾン化や有害物の直接酸化分解が可能となる
ため、より効果的に液相分解を進めることができるよう
になる。
【0033】本発明の汚染水浄化装置を用いて汚染水を
浄化する場合、オゾン濃度(供給量)や紫外線照射量
(光源出力)は、汚染水の処理量、汚染物の濃度、種類
などに対する液相中での分解能力と、後に続く気相部で
の光触媒の処理能力とのバランスを勘案して決定すれば
よい。このとき、前述したように光触媒分解は大量の処
理には不適当であるので、汚染水に含まれる有害物の大
部分を液相で分解する方が好ましい。
【0034】なお、オゾン−紫外線複合酸化分解を受け
た処理液は、液面よりオーバーフローさせたり、ポンプ
で強制的に排水させる。但し、オーバーフローによって
排水を行う際、有害物の気化物を含んだガスが巻き込ま
れ、系外に排出されることがあるので、この場合は排水
管の径を調節したり、液溜めを設置する等によって、ガ
スの流出を抑えたり、或いは、ガスを光触媒処理器に誘
導する等の必要がある。排水は必要に応じて中和などの
後処理を行って放流する。
【0035】次に第二行程となる光触媒による気相分解
を実施するための装置構成について詳細に説明する。光
触媒処理器は液相処理を行う処理槽の内部、或いは、外
部のいずれに配置しても良い。
【0036】処理槽からの光触媒処理器へ移行するガス
には、汚染物、その分解中途生成物と未反応のオゾンな
どの有害物が含まれている。このガスの光触媒処理器へ
の供給は、例えば処理槽内の空隙の部分に配管された送
気管を通じて行う。この際、送気については、オゾン発
生器からのオゾン含有ガスには、オゾン以外に酸素、窒
素などが含まれており、処理槽部の系内の空隙部分は正
圧となるため、送気自体は自発的に行われる。
【0037】但し、液相処理行程において、オーバーフ
ローで処理槽から排水する際は、アスピレーション効果
によって系内は送気できるほどの圧力がない場合がある
ので、その時は光触媒処理器に吸引ポンプなどを設け、
有害ガスを光触媒処理器に誘導すればよい。
【0038】光触媒処理器に送られる有害ガスの供給速
度については、基本的にはオゾン発生器からのオゾン含
有気体のそれにほぼ一致する。但し、光触媒の種類、光
触媒処理器の構造、有害物、副生成物の濃度、種類によ
っては、空気などを補うことによってガスの供給速度を
高める方が全体として処理効率が高まり、また、副生成
物等の有害物の生成を抑制できる場合がある。すなわ
ち、本処理方法の特徴の一つであるが、液相部と気相部
の処理負担比率を比較的任意に変えることによって、気
相処理の限界を逸脱しない範囲で、効率よく、かつ、経
済的で安全な処理が可能となる。この際は、空気或いは
純酸素等を処理槽の空隙部に、或いは、汚染液中に直接
バブリングする事によって送り込んでも良い。
【0039】光触媒処理器の構造は、気相中に移行した
未反応の有害物や副生成物などを光触媒分解できるもの
であれば特に限定されないが、光触媒薄膜を固定した担
持体や、光触媒の粉末を石英、ガラス、ステンレス等を
材質とする管などに充填したもの等を処理器内部に、光
触媒表面とガスとの接触が起こり易いように配置したも
のが望ましい。ガラス管等を利用した場合はそれ自体を
光触媒処理器として利用することもできる。なお、光触
媒処理器は、前述のように有害物の処理量が少ないた
め、基本的にはコンパクトで内部も比較的単純な構造で
よいが、液相部での分解処理力を勘案して、光触媒処理
器の構造や光源の数(出力)等を適宜決定すると良い。
光源としては、使用する光触媒を励起する波長の光を照
射できるものを用いる。光触媒として例えば酸化チタン
を使用する場合は、ブラックライト、高圧水銀灯、冷陰
極線ランプ、熱陰極線ランプ等が利用できる。
【0040】光触媒としては、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ビ
スマスなどの公知の半導体光触媒を単一または二種類以
上を組み合わせて用いればよい。また、光触媒作用を持
たない物質、例えばシリカ、アルミナ、ゼオライトなど
の物質上に担持した物でも良い。酸化チタンは、活性が
比較的高く、安全性にも優れ、また、入手も容易である
ことから、本発明における光触媒として好ましい。
【0041】本発明の汚染水処理方法や汚染水処理装置
が適用できる汚染水としては、トリクロロエチレン、テ
トラクロロエチレン、1.1.1 −トリクロロエタン、四塩
化炭素、ジクロロメタン、クロロホルム、PCB等の有
機ハロゲン化合物、BTX、フェノール等の芳香族化合
物、さらには、有機溶剤、農薬、界面活性剤、色素、細
菌、微生物等による汚染水が挙げられる。その中でも揮
発性の高い有機ハロゲン化合物やBTXを含んだものが
もっとも効果的に処理できる。
【0042】
【実施例】以下、本発明を図1に示す一実施例に基づい
て説明する。図1は本発明の汚染水浄化装置の概略構成
図である。
【0043】図1において、1は本発明の汚染水浄化装
置で、以下のような構成である。2は処理槽で、汚染水
貯蔵タンク3より送液ポンプ4によって送液管5を介し
て送られてきた汚染水6を一旦貯留するものである。
【0044】7は前記処理槽2内の汚染水6にオゾン含
有気体を供給するオゾン発生器で、このオゾン発生器7
で発生したオゾン含有気体は気体供給管8を介して、例
えば処理槽2の底部から後述する羽根車9b部に供給さ
れる。そして、この気体供給管8を介して処理槽2内に
供給されたオゾン含有気体は、例えば液中回転駆動機9
aによって羽根車9bを回転する構造の微細気泡発生器
9によって微細気泡化される。
【0045】すなわち、オゾン発生器7から気体供給管
8を介して送り込まれたオゾン含有気体は、微細気泡発
生器9の羽根車9bの下部より供給され、回転する羽根
車9bによって作られる渦流と、その剪断力によって微
細気泡化されて、汚染水6中に分散する。なお、本実施
例のような構造の微細気泡発生器9を採用した場合に
は、処理槽2内部の汚染液6の撹拌は、羽根車9bの渦
流によって賄れる。
【0046】10は処理槽2内に配置された紫外線光源
であり、例えば2本が汚染水6中に配置されている。そ
して、この紫外線光源10によって処理槽2内の汚染水
6に波長が240〜320nmの紫外線が照射される。
処理槽2内の汚染水6は、微細気泡化されたオゾンと紫
外線の照射によって分解処理され、処理槽2内に設けら
れたオーバーフロー用の壁2aを越えて、同じく処理槽
2内に設けられた二次槽2bに一旦移動し、配水口2c
を介して放流される。なお、排水は二次槽2bを用いな
くても、そのままオーバーフローによって行っても良
い。
【0047】11は処理槽2における汚染水6の上部に
位置する空隙部2dと、光触媒処理器12を連通する送
気管であり、前記空隙部2dに存在する、汚染物やその
中途分解物、或いは、未反応オゾンの気化物を含んだ有
害ガスを光触媒処理器12に導くものである。この際、
オゾン発生器7のガス供給量によって、ガス流速が十分
でない時や光触媒処理器12内の発熱が大きい場合、さ
らには気相処理の負荷を任意に高める場合には、例えば
光触媒処理器12の上部に配置した吸引用ブロワー13
を作動させる。
【0048】前記光触媒処理器12の構造は、特に限定
されるものではないが、例えば酸化チタン光触媒を内部
にコートしたパイレックスガラス管12aの内部中央位
置に、酸化チタン光触媒を光励起できるブラックライト
光源12bを配置した構造のものを採用する。
【0049】光触媒分解処理された有害ガスは、排気口
12cを介して放出される。なお、送気管11を介して
光触媒処理器12に導かれる有害ガス中に、ミストが多
く含まれる場合は、当該送気管11にデミスタを設置し
ても良い。但し、デミスタからのドレイン液は再度処理
槽2に戻すことが望ましい。
【0050】本発明の汚染水浄化装置は、上記した実施
例に限らないことは言うまでもない。例えば本実施例で
は、汚染水6は一旦汚染水貯蔵タンク3に蓄えられたも
のであるが、直接汚染源よりポンプを使って処理槽2に
送るものでも良い。また、微細気泡発生器9や光触媒処
理器12の構造も、本実施例で示した構造以外のもので
も良い。更に、240〜320nmの紫外線を照射可能
な紫外線光源10も、上記した実施例のものに加えて、
波長が185〜200nmの紫外線を照射する紫外線光
源を加えた場合には、汚染水6中に溶存した酸素のオゾ
ン化や有害物の直接酸化分解が可能となるため、より効
果的に液相分解を進めることができるようになる。
【0051】次に、上記した図1に示した構成の本発明
の汚染水浄化装置を用いて、本発明の汚染水浄化方法に
よってトリクロロエチレン汚染水の浄化連続試験を行っ
た結果について説明する。
【0052】実施条件は以下に示す通りである。 トリクロロエチレン濃度:1ppm 流量:0.5〜2m3 /時間 オゾン含有ガス(オゾン濃度約2%)供給量:4.0リ
ットル/分 低圧水銀灯(30W):2本 ブラックライト(40W):1本 酸化チタン光触媒コートガラス管:内径60mm、長さ
1.0m、本数1 酸化チタン膜厚:約500nm
【0053】結果を下記表1に示す。表1より明らかな
ように、本発明の汚染水浄化装置(試験No.1〜3)
を用いた場合、処理槽2の排水口2cでのトリクロロエ
チレン濃度は定常的に0.01ppm以下となってい
た。また、光触媒処理器12の排気口12cでの濃度は
定常的に0.02ppm以下となっており、分解中途生
成物やオゾンも検出されなかった。
【0054】一方、比較として、オゾン発生器7や微細
気泡発生器9、紫外線照射用の低圧水銀灯(10)、光
触媒処理器12のいずれかを省略して浄化試験を行っ
た。オゾン発生器7及び微細気泡発生器9(試験No.
4)や、紫外線照射用の低圧水銀灯(10)(試験N
o.5)を省略した場合には、排水口2cや排気口12
cにおけるトリクロロエチレンの濃度は極端に高くなっ
た。また、光触媒処理器12を除くと(試験No.
6)、送気管11からの排気ガスには、トリクロロエチ
レンが約12.5ppm含有され、環境保全上、このま
までは大気に放出することができない。加えて、送気管
11からの排気ガスには、多数の分解中途生成物と未反
応のオゾン(約200ppm)が確認された。
【0055】この結果から明らかなように、本発明で
は、液相処理における微細気泡化オゾン、紫外線照射、
気相処理における光触媒のいずれもが必須であり、これ
らを組み合わせることによって、効率よくかつ安全に汚
染水を処理できることが判明した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来方法や従来装置を実施した場合に比べて、有機ハロ
ゲンなどによって汚染された水を、効率よくかつ安全
に、しかも確実に処理することができる。また、その装
置は比較的安価で、メンテナンス性に優れるといった特
徴を有しており、汚染された地下水や工場排水等の浄化
装置として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染水浄化装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 汚染水浄化装置 2 処理槽 6 汚染水 7 オゾン発生器 8 気体供給管 9 微細気泡発生器 10 紫外線光源 12 光触媒処理器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正木 康浩 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 岡野 純 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA11 AA13 AB14 AB16 BA18 BB01 BB02 BB04 CA12 CA14 4D050 AA12 AA13 AB12 AB15 AB19 BB02 BC09 BD02 BD03 BD06 BD08 CA13 4G069 AA02 BA48A BB01A BB01B BD02A BD02B CA10 CA19

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オゾンを含有する気体を微細気泡として
    汚染水に供給しながらこの汚染水に紫外線を照射して、
    液相中で汚染物をオゾン−光複合酸化分解すると共に、
    気相中に移行した有害物や副生成物を気相中で光触媒分
    解させることを特徴とする汚染水浄化方法。
  2. 【請求項2】 汚染水に含まれる有害物質が有機ハロゲ
    ン化合物であることを特徴とする請求項1記載の汚染水
    浄化方法。
  3. 【請求項3】 汚染水を一旦貯留する処理槽と、この処
    理槽内の汚染水にオゾン含有気体を供給するオゾン発生
    器及びこのオゾン発生器と処理槽をつなぐ気体供給管
    と、この気体供給管を介して汚染水に供給されたオゾン
    含有気体を微細気泡化する微細気泡発生器と、前記汚染
    水に波長の少なくとも一部が240〜320nmの範囲
    にある紫外線を照射する光源と、前記処理槽内における
    気相部分のガスを気相中で光触媒分解させる光触媒処理
    器を備えたことを特徴とする汚染水浄化装置。
  4. 【請求項4】 汚染水に紫外線を照射する光源として、
    さらに波長の少なくとも一部が185〜200nmの範
    囲にある紫外線を照射する光源を備えたことを特徴とす
    る請求項3記載の汚染水浄化装置。
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