JP2001240559A - 有機塩素化合物の分解方法及びそれに用いる分解装置 - Google Patents

有機塩素化合物の分解方法及びそれに用いる分解装置

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JP2001240559A
JP2001240559A JP2000181170A JP2000181170A JP2001240559A JP 2001240559 A JP2001240559 A JP 2001240559A JP 2000181170 A JP2000181170 A JP 2000181170A JP 2000181170 A JP2000181170 A JP 2000181170A JP 2001240559 A JP2001240559 A JP 2001240559A
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organic chlorine
decomposition
functional water
compound
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JP2000181170A
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Akira Kuriyama
朗 栗山
Kinya Kato
欽也 加藤
Masahiro Kawaguchi
正浩 川口
Yasutsugu Yamada
康嗣 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温常圧下で、より環境に優しく、経済的か
つ安全で安定した分解が可能で、更には分解に伴って種
々の複雑な制御が必要ない有機塩素化合物の分解方法及
びそれに用いる装置を提供する。 【解決手段】 水素イオン濃度(pH値)が1以上4以
下、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電
極:銀−塩化銀電極)が800〜1500mV、かつ塩
素濃度が5〜150mg/lである機能水を、波長30
0nm以上、光強度10mW/cm2 以下の光の照射下
で有機塩素化合物と0.01〜0.1%の過酸化水素水
とトルマリンと接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機塩素化合物の分
解方法及びそれに用いる分解装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年までの産業技術の発展に伴いハロゲ
ン化脂肪族炭化水素化合物(例えば塩素化エチレン、塩
素化メタン等)が膨大に使用され、その廃棄処理は深刻
な問題となってきている。また、使用済みのこれらの気
体が、自然環境を汚染するなどの環境問題がおこってお
り、その解決に多大な努力が払われている。具体的な処
理方法を述べると、例えば塩素化エチレンを酸化剤や触
媒を用いて分解する方法として、オゾンで分解する方法
(特開平3−38297号公報)あるいは過酸化水素の
存在下で紫外線を照射する方法(特開昭63−2182
93号公報)等が知られている。また、次亜塩素酸ナト
リウムを酸化剤として用いることも示唆されている(米
国特許第5525008号,米国特許第5611642
号)。また次亜塩素酸ナトリウムと紫外線照射と組み合
わせる手法も提案されている(米国特許5582741
号)。更には酸化チタンなどの酸化物半導体微粒子から
なる光触媒と液状の塩素化エチレンをアルカリ条件下で
懸濁して光照射により分解する方法も知られている(特
開平7−144137号公報)。
【0003】上記以外にも、酸化剤を用いずに気相で紫
外線を照射させる光分解法がすでに試みられている。例
えば、有機ハロゲン化合物を含む排ガスを紫外線照射処
理して酸性の分解ガスとしたのち、アルカリで洗浄して
無害化処理する方法(特開昭62−191025号公
報)、有機ハロゲン化物を含有する排水を曝気処理し、
排出されるガスを紫外線照射したのちアルカリ洗浄する
装置(特開昭62−191095号公報)等が提案され
ている。また、恐らく還元分解と推測されている例とし
て鉄粉による塩素化エチレンの分解も知られている(特
開平8−257570号公報)。シリコン微粒子を用い
たテトラクロロエチレン(以下、PCEと略記)の分解
については還元分解も報告されている。
【0004】トリクロロエチレン(以下、TCEと略
記)やPCEなどの塩素化脂肪族炭化水素は微生物によ
り好気的あるいは嫌気的に分解されることが知られてお
り、このような工程を利用して分解あるいは浄化を行う
ことが試みられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この様にこれまで種々
の有機塩素化合物の分解方法が提案されてきているが、
本発明者らの検討によれば、分解の為の複雑な装置が必
要であったり、分解生成物の更なる無害化処理等が必要
である場合が多く、より問題点が少なく、環境に優しい
有機塩素化合物の分解のための技術が必要であるとの結
論に至った。
【0006】本発明は、本発明者らによる新たな知見に
基づきなされたものであり、その目的はより環境に優し
く、分解によって生成する化合物が新たな環境汚染をひ
きおこしてしまう可能性がより低い有機塩素化合物の効
率的な分解方法及びそれに用いる装置を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記のような課題の達成
を目的として検討を行なったところ、殺菌効果(特開平
1−180293号公報)や半導体ウエハー上の汚染物
の洗浄効果(特開平7−51675号公報)を有するこ
とが報告されている水の電気分解によって得られる機能
水、例えば酸性水や、次亜塩素酸を含む機能水が、光の
照射をおこなうことで有機塩素化合物の分解能が著しく
促進され、さらに過酸化水素水とトルマリンが反応系に
存在すると分解生成物も除去される事実を見出し本発明
に至った。
【0008】更に、水の電気分解によって得られる機能
水、例えば酸性水や、次亜塩素酸を含む機能水を通気す
る事によって得られる塩素を含む気体と有機塩素化合物
を含む気体の混合気体に光の照射をおこなうことで有機
塩素化合物の分解能が著しく促進され、さらに過酸化水
素水とトルマリンが反応系に存在すると分解生成物も除
去される事実を見出し本発明に至った。
【0009】本発明の第一の発明は、下記の有機塩素化
合物の分解方法である。即ち、本発明の一実施態様に係
る有機塩素化合物の分解方法は、電解質を含む水の電気
分解によって生成する機能水と有機塩素化合物若しくは
有機塩素化合物を含む媒体とを接触反応させる工程を有
する有機塩素化合物の分解方法において、該機能水と有
機塩素化合物若しくは有機塩素化合物を含む媒体との接
触反応時若しくは接触反応後に過酸化水素水およびトル
マリンと接触させることを特徴とするものである。
【0010】また、本発明の一実施態様に係る有機塩素
化合物の分解方法は、有機塩素化合物を含む気体と塩素
を含む気体との混合気体を光照射下で接触させることに
よって該有機塩素化合物を分解する方法であって、電解
質を含む水の電気分解によって生成する機能水に通気す
ることによって塩素を含む気体を発生させる工程と、該
塩素を含む気体と有機塩素化合物を含む気体とを混合し
て混合気体を形成する工程と、該混合気体を処理槽内の
処理領域に導入し該混合気体に光照射して、該混合気体
内の有機塩素化合物を分解する工程と該分解処理された
混合気体を該処理領域から排気する工程と、該分解処理
された混合気体を過酸化水素水およびトルマリンと接触
させる工程とを有することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の一実施態様に係る有機塩素
化合物の分解方法は、次亜塩素酸を含む機能水と有機塩
素化合物若しくは有機塩素化合物を含む媒体とを接触さ
せる工程を有する有機塩素化合物の分解方法において、
該機能水と有機塩素化合物若しくは有機塩素化合物を含
む媒体との接触反応時若しくは接触反応後に過酸化水素
水およびトルマリンと接触させることを特徴とするもの
である。
【0012】また、本発明の一実施態様に係る有機塩素
化合物の分解方法は、有機塩素化合物を含む気体と塩素
を含む気体との混合気体を光照射下で接触させることに
よって該有機塩素化合物を分解する方法であって、次亜
塩素酸を含む機能水に通気することによって塩素を含む
気体を発生させる工程と、該塩素を含む気体と有機塩素
化合物を含む気体とを混合して混合気体を形成する工程
と、該混合気体を処理槽内の処理領域に導入し該混合気
体に光照射して該混合気体内の有機塩素化合物を分解す
る工程と、該分解処理された混合気体を該処理領域から
排気する工程と、該分解処理された混合気体を過酸化水
素水およびトルマリンと接触させる工程とを有すること
を特徴とするものである。
【0013】また、本発明の一実施態様に係る有機塩素
化合物の分解方法は、有機塩素化合物若しくは有機塩素
化合物を含む媒体を含有する水溶液と過酸化水素水とを
トルマリンの存在下で接触させる工程を有することを特
徴とするものである。
【0014】該過酸化水素水の添加量が反応水溶液に対
してH22 として0.001〜1%の範囲であるのが
好ましい。該トルマリンの添加量は反応水溶液に対する
重量比が0.1〜20%の範囲であるのが好ましい。該
トルマリンの添加量は反応水溶液に対する重量比が1〜
10%の範囲であるのが好ましい。該トルマリンの粒径
が1μm〜10mmの範囲であるのが好ましい。
【0015】該機能水が電解質を含む水の電気分解によ
り、陽極近傍に生成する酸性水であるのが好ましい。該
電解質が塩化ナトリウム及び塩化カリウムの少なくとも
一方であるのが好ましい。該次亜塩素酸を含む機能水が
次亜塩素酸塩水溶液であるのが好ましい。該次亜塩素酸
塩が次亜塩素塩酸ナトリウム及び次亜塩素塩酸カリウム
の少なくとも一方であるのが好ましい。該機能水の塩素
濃度が2〜2000mg/lであるのが好ましい。該機
能水が更に無機酸または有機酸を含むのが好ましい。該
無機酸または有機酸が塩酸、フッ酸、シュウ酸、硫酸、
リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、りんご酸及びクエン酸か
ら選ばれる少なくとも一つであるのが好ましい。
【0016】該機能水が水素イオン濃度(pH値)1〜
4、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電
極:銀−塩化銀電極)800〜1500mV、及び塩素
濃度が5〜150mg/lなる特性を有するのが好まし
い。該機能水が水素イオン濃度(pH値)4〜10、酸
化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電極:銀−
塩化銀電極)300〜1100mV、及び塩素濃度2〜
100mg/lなる特性を有するのが好ましい。
【0017】該接触させる工程を光照射下で行うのが好
ましい。該光が、波長300〜500nmの波長域の光
を含む光であるのが好ましい。該光が、波長350〜4
50nmの波長域の光であるのが好ましい。該光の照射
量が10μW/cm2 〜10mW/cm2 であるのが好
ましい。該光の照射量が50μW/cm2 〜5mW/c
2 であるのが好ましい。
【0018】電解質を含む水の電気分解によって陽極近
傍に生成する機能水を分解処理槽に供給する工程、該分
解処理槽に有機塩素化合物若しくは有機塩素化合物を含
む媒体を供給する工程、該分解処理槽に過酸化水素水を
含む溶液を供給する工程、該分解処理槽中にトルマリン
を供給する工程、及び該分解処理槽に対して光を照射す
る工程を有するのが好ましい。
【0019】該有機塩素化合物がクロロエチレン、1,
1−ジクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロエチ
レン、tras−1,2−ジクロロエチレン、トリクロ
ロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロメタン、ジ
クロロメタン、トリクロロメタン、クロロ酢酸、ジクロ
ロ酢酸、トリクロロ酢酸から選ばれた1種類または2種
以上の混合物であるのが好ましい。
【0020】該有機塩素化合物が、機能水とクロロエチ
レン、1,1−ジクロロエチレン、cis−1,2−ジ
クロロエチレン、tras−1,2−ジクロロエチレ
ン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロ
ロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタンから選ば
れた1種類または2種以上の混合物を含む媒体とを光照
射下で接触させる工程を有する有機塩素化合物の分解方
法において生成する分解生成物であるのが好ましい。
【0021】該有機塩素化合物が、塩素を含む気体とク
ロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、cis−
1,2−ジクロロエチレン、tras−1,2−ジクロ
ロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ン、クロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタン
から選ばれた1種類または2種以上の混合物を含む気体
との混合気体とを光照射下で接触させる工程を有する有
機塩素化合物の分解方法において生成する分解生成物で
あるのが好ましい。該分解生成物が、クロロ酢酸、ジク
ロロ酢酸、トリクロロ酢酸から選ばれた1種類または2
種以上の混合物であるのが好ましい。
【0022】本発明の第二の発明は、下記の有機塩素化
合物の分解装置である。即ち、本発明の一実施態様に係
る有機塩素化合物の分解装置は、機能水と有機塩素化合
物若しくは有機塩素化合物を含む媒体との接触反応時若
しくは接触反応後に過酸化水素水およびトルマリンと接
触させて有機塩素化合物を分解する分解処理槽、該機能
水を該分解処理槽に供給する手段、該分解されるべき有
機塩素化合物を該分解処理槽に供給する手段、該過酸化
水素水を該分解処理槽に供給する手段と、該トルマリン
を該分解処理槽に配する手段及び該分解処理槽に光を照
射する手段を有することを特徴とするものである。
【0023】また、本発明の一実施態様に係る有機塩素
化合物の分解装置は、有機塩素化合物を含む気体と塩素
を含む気体との混合気体を光照射下で接触させることに
よって該有機塩素化合物を分解する有機塩素化合物の分
解装置であって、機能水に通気することによって塩素を
含む気体を発生させる手段と、有機塩素化合物若しくは
有機塩素化合物を含む媒体が気体でない場合、該有機塩
素化合物若しくは有機塩素化合物を含む媒体に通気する
ことによって有機塩素化合物を含む気体を発生させる手
段と、該有機塩素化合物を含む気体と塩素を含む気体と
を混合して混合気体を形成する手段と、該混合気体を処
理槽内の処理領域に導入し、該混合気体に光照射して該
混合気体内の有機塩素化合物を分解する手段と、該分解
処理された混合気体を該処理領域から排気する手段と、
該分解処理された混合気体を過酸化水素水およびトルマ
リンと接触させる手段とを有することを特徴とするもの
である。
【0024】該機能水が水の電気分解によって生成する
水であるのが好ましい。該水の電気分解によって生成す
る機能水を分解処理槽に供給する手段が、水の電気分解
によって陽極近傍に生成する機能水を分解処理槽に供給
する手段であるのが好ましい。
【0025】該機能水が次亜塩素酸を含む機能水である
のが好ましい。該次亜塩素酸を含む機能水が次亜塩素酸
塩水溶液であるのが好ましい。無機酸または有機酸を含
む溶液を供給する手段を具備するのが好ましい。該分解
処理槽が攪拌手段を具備しているのが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の一実施態様に係る有機塩
素化合物の分解方法は、水の電気分解によって生成する
機能水と分解されるべき有機塩素化合物とを光照射下
で、過酸化水素水とトルマリンと接触させる工程を有す
る点に一つの特徴を有し、また次亜塩素酸を含む水溶液
と有機塩素化合物若しくは有機塩素化合物を含む媒体と
を光照射下で、過酸化水素水とトルマリンと接触させる
工程を有する点に一つの特徴を有している。
【0027】即ち、電解質を含む水の電気分解によって
生成する機能水と有機塩素化合物若しくは有機塩素化合
物を含む媒体とを接触させる工程を有する有機塩素化合
物の分解方法において、該反応場、若しくは反応液に過
酸化水素水とトルマリン含む有機塩素化合物の分解方法
である。
【0028】また、次亜塩素酸を含む機能水と有機塩素
化合物若しくは有機塩素化合物を含む媒体とを接触させ
る工程を有する有機塩素化合物の分解方法において、該
反応場、若しくは反応液に過酸化水素水とトルマリンを
含む有機塩素化合物の分解方法である。
【0029】本発明の別の一実施態様に係る有機塩素化
合物の分解方法は、水の電気分解によって生成する機能
水を通気して得られる塩素を含む気体と分解されるべき
有機塩素化合物を含む気体との混合気体に光照射を行
い、分解反生成物若しくは機能水溶液中で、過酸化水素
水とトルマリンとを光照射下で接触させる工程を有する
点に一つの特徴を有し、また次亜塩素酸を含む水溶液に
通気して得られる塩素を含む気体と分解されるべき有機
塩素化合物を含む気体との混合気体に光照射を行い、分
解生成物若しくは機能水溶液中で、過酸化水素水とトル
マリンとを光照射下で接触させる工程を有する点に一つ
の特徴を有している。
【0030】即ち、電解質を含む水の電気分解によって
生成する機能水を通気して得られる塩素を含む気体と有
機塩素化合物を含む気体との混合気体とを接触させる工
程を有する有機塩素化合物の分解方法において、該反応
場、若しくは反応液に過酸化水素水とトルマリン含む有
機塩素化合物の分解方法である。
【0031】また、次亜塩素酸を含む機能水を通気して
得られる塩素を含む気体と有機塩素化合物を含む気体と
の混合気体とを接触させる工程を有する有機塩素化合物
の分解方法において、該反応場、若しくは反応液に過酸
化水素水とトルマリン含む有機塩素化合物の分解方法で
ある。
【0032】また、有機塩素化合物若しくは有機塩素化
合物を含む水溶液に過酸化水素水とトルマリン含む有機
塩素化合物の分解方法である。
【0033】また、本発明の一実施態様に係る有機塩素
化合物の分解装置は、分解処理槽、機能水を該分解処理
槽に供給する手段、分解されるべき有機塩素化合物を該
分解処理槽に供給する手段、過酸化水素水を該分解処理
槽に供給する手段、トルマリンを該分解処理槽に配する
手段及び該分解処理槽に光を照射する手段を有する有機
塩素化合物の分解装置である。
【0034】また、本発明の一実施態様に係る有機塩素
化合物の分解装置は、分解処理槽、機能水を該分解処理
槽に供給する手段、機能水を通気して塩素を含む気体を
生成させる手段、分解されるべき有機塩素化合物を含む
気体を該分解処理槽に供給し有機塩素化合物を含む気体
と塩素を含む気体とを混合して混合気体を形成する手
段、過酸化水素水を該分解処理槽に供給する手段、トル
マリンを該分解処理槽に配する手段及び該分解処理槽に
光を照射する手段を有する有機塩素化合物の分解装置で
ある。
【0035】本発明による有機塩素化合物の分解過程の
詳細は明らかでないが、例えば電解質として塩化ナトリ
ウム等を含む水の電気分解によって陽極近傍に生成する
機能水等は次亜塩素酸もしくは次亜塩素酸イオンを含
み、この次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸含む水は酸性を
帯びているため塩素の存在比が増すと考えられる。この
溶液に、光が照射されることよっておそらく塩素ラジカ
ルなどが誘起され、有機塩素化合物の分解反応が進むと
考えられる。
【0036】また、機能水溶液に通気を行うことで、機
能水中の塩素は気相部に移行する。塩素と有機塩素化合
物は気相においても混合される。この混合気体に、光が
照射されることよって塩素ラジカルなどが誘起され、有
機塩素化合物の分解反応が進むと考えられる。このため
分解の多くは液相より気相で進行している推察される。
【0037】気相の分解で生じた分解生成物は液中でク
ロロ酢酸類を形成する。これは液相での分解で生じるク
ロロ酢酸類と同様に、溶液中に共存するトルマリン、過
酸化水素水等との反応で分解されると推定される。
【0038】(機能水−電解酸性水)水の電気分解によ
って生成する機能水とは、例えば電解質(例えば、塩化
ナトリウムや塩化カリウムなど)を原水に溶解し、この
水を一対の電極を有する水槽内で電気分解を行なうこと
によってその陽極近傍で得ることができる、水素イオン
濃度(pH値)が1以上4以下、作用電極をプラチナ電
極とし参照電極を銀−塩化銀としたときの酸化還元電位
が800mV以上1500mV以下、かつ塩素濃度が5
mg/l以上150mg/l以下の性状をもつ水を指
す。
【0039】上記したような特性の機能水を製造する場
合、電解前の原水中の電解質の濃度は例えば塩化ナトリ
ウムでは20mg/l〜2000mg/lが望ましく、
そのときの電解電流値は2A〜20Aとするのが望まし
い。そしてこのような機能水を得る手段としては、市販
の強酸性電解水生成器(例えば、商品名:オアシスバイ
オハーフ;旭硝子エンジニアリング(株)社製、商品
名:強電解水生成器(Model FW−200;アマ
ノ(株)社製等)を利用することができる。
【0040】またこのとき一対の電極間に隔膜を配置し
た場合、陽極近傍に生成される電解酸性水と陰極近傍に
て生成する電解アルカリ性の水との混合を防ぐことがで
き、有機塩素化合物の分解をより効率的に行なう事がで
きる酸性水を得ることができる。該隔膜としては例えば
イオン交換膜等が好適に用いられる。
【0041】(合成機能水)また上記した電気分解によ
って生成する機能水とほぼ同等の有機塩素化合物分解能
を奏する機能水は、電解によってばかりでなく原水に種
々の試薬を溶解して調製することも可能である。例え
ば、塩酸0.001mol/l〜0.1mol/l、塩
化ナトリウム0.005mol/l〜0.02mol/
l、および次亜塩素酸ナトリウム0.0001mol/
l〜0.1mol/lとすることにより得ることができ
る。また、pH4以上の機能水も電解によってばかりで
なく原水に種々の試薬を溶解して調製することも可能で
ある。例えば、塩酸0.001mol/l〜0.1mo
l/l、水酸化ナトリウム0.001mol/l〜0.
1mol/l、および次亜塩素酸ナトリウム0.000
1mol/l〜0.01mol/lとすることにより得
ることができるし、次亜塩素酸塩のみ、例えば次亜塩素
酸ナトリウム0.0001mol/l〜0.1mol/
lとすることでも得られる。塩酸と次亜塩素酸塩でpH
が4.0以下で有効塩素濃度が8mg/l以上の機能水
を調整することもできる。
【0042】上記の塩酸の代りに他の無機酸または有機
酸を使用することができる。無機酸としては例えば、フ
ッ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などが、有機酸としては酢
酸、ぎ酸、りんご酸、クエン酸、シュウ酸などが利用で
きる。また、弱酸性水粉末生成剤(例えば、商品名キノ
ーサン21X(クリーンケミカル株式会社製))として
市販されているN33 3 NaCl2 等を用いても機
能水を製造することができる。これら薬品調合による機
能水も、実施例から明らかなように分解能力に差はある
ものの光を照射することで電解による機能水の場合と同
様に有機塩素化合物を分解する能力を有す。ここで原水
とは水道水、河川水、海水等が挙げられる。これらの水
のpHは通常6〜8の間にあり、塩素濃度は最大でも1
mg/リットル未満であり、このような原水は当然のこ
とながら上記したような有機塩素化合物の分解能は有さ
ない。上記の各種機能水混合液はすべて光を照射によっ
て分解がすすむ。
【0043】電気分解によって陽極近傍に生成する機能
水による有機塩素化合物の分解に寄与していると考えら
れる機能水中の次亜塩素酸の量は、pHと塩素濃度から
求めることができる。更にまた電解によって生成する機
能水を例えば純水等によって希釈したものを、有機塩素
化合物の分解に供することもできる。
【0044】(塩素を含む気体)または上記の各種機能
水混合液から生成する塩素を含む気体を用いても、光照
射下でガス状の有機塩素化合物を分解することができ
る。機能水から塩素を含む気体を生成させる手段として
は、機能水をノズルから噴射する方法や機能水を通気す
る方法などがある。特には、機能水を空気若しくは処理
対象物を含む気体で曝気する方法が有効である。
【0045】反応槽でのガス状の処理対象物と塩素を含
む気体との混合割合に関して、気体中の塩素濃度が、5
ppm以上1000ppm以下となるように調整するこ
とが好ましく、処理対象物の濃度によって異なるが、特
には、混合気体中の塩素濃度が20ppmから500p
pmの間、更には80ppmから300ppmとした場
合、処理対象物の分解効率は特に顕著なものとなる。
【0046】本発明では塩素を含む水に気体を通し分解
に必要な塩素を含む気体を発生させている。塩素を含む
水に気体を通す部分は、基本的に分解に必要な塩素の供
給の役割を担っている。これに続く反応槽での気相反応
が分解反応の主場となっている。このため図1から3に
示した如き塩素の生成と分解反応が一体化している場合
には、気相部と液相部の比率は分解能力に大きな影響を
与える。即ち、塩素を含む水の容積が増せば、供給でき
る塩素の量は増えるが、気相部が減り分解の反応領域が
減少する。また、逆に気相部が増えれば反応場が増し分
解反応は素早く進行するが、液相部が減少するため塩素
の供給がへる。曝気の速さ、塩素を含む水の供給スピー
ドなど様々な因子があるが、塩素を含む気体の生成と分
解反応の領域(反応領域)が一体化している場合には、
処理槽における液相の比率を5%〜30%、望ましくは
10%から20%にすると良い。また一体化されていな
い場合においても塩素を含む気体を発生させる槽の容積
と分解反応を行う槽の容積の比率は概ね1:2〜1:9
が望ましい。
【0047】(分解生成物)上記の如く、機能水または
塩素を含む気体と光の照射で有機塩素化合物は分解され
るが、一部の有機塩素化合物、例えば、トリクロロエチ
レンでは分解生成物としてジクロロ酢酸の生成が検出さ
れた。ジクロロ酢酸は自然界で比較的分解されやすく、
微生物で分解されることが知られているが、より簡便に
効果的に処理されることが望ましい。
【0048】機能水または塩素を含む気体と光の照射で
有機塩素化合物が分解される系に過酸化水素水及びトル
マリンを共存させると実施例からも明らかなように、分
解生成物は速やかに除去される。また共存させること
で、機能水と光の照射による有機塩素化合物の分解を阻
害することはない。
【0049】過酸化水素水及びトルマリンは機能水によ
る分解反応と共存させても良いし、機能水との分解後の
反応溶液に過酸化水素水及びトルマリンを接触させても
良い。また、過酸化水素水及びトルマリンは機能水に溶
解または懸濁させた状態で通気して塩素を含む気体を生
成させても良いし、塩素を含む気体と有機塩素化合物と
の分解後の反応気体に過酸化水素水及びトルマリンを接
触させても良い。分解生成物の分解等は、光照射を必ず
しも必要としないが、所望の光の照射を行うことが望ま
しい。
【0050】(分解対象有機塩素化合物)ここで分解対
象となる有機塩素化合物としては例えば、塩素化エチレ
ン、塩素化メタン等が挙げられる。具体的には塩素化エ
チレンとしては、エチレンの1〜4塩素置換体、即ちク
ロロエチレン、ジクロロエチレン(以下、DCEと略
記)、トリクロロエチレンと、テトラクロロエチレンが
挙げられる。更にジクロロエチレンとしては、例えば
1,1−ジクロロエチレン(塩化ビニリデン)、cis
−1,2−ジクロロエチレン、tras−1,2−ジク
ロロエチレンを挙げることができる。また塩素化メタン
としては、メタンの塩素置換体、例えばクロロメタン、
ジクロロメタン、トリクロロメタン等が挙げられる。ま
たハロ酢酸としてはクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリク
ロロ酢酸等が挙げられる。
【0051】また、機能水とクロロエチレン、1,1−
ジクロロエチレン(塩化ビニリデン)、cis−1,2
−ジクロロエチレン、tras−1,2−ジクロロエチ
レン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ク
ロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタンの内の
いずれか1種類または2種以上の混合物を含む媒体とを
光照射下で接触させる工程を有する分解方法において、
生成する分解生成物が挙げられる。
【0052】また、塩素を含む気体とクロロエチレン、
1,1−ジクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロ
エチレン、tras−1,2−ジクロロエチレン、トリ
クロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロメタ
ン、ジクロロメタン、トリクロロメタンから選ばれた1
種類または2種以上の混合物を含む気体との混合気体と
を光照射下で接触させる工程を有する分解方法におい
て、生成する分解生成物が挙げられる。
【0053】これらの有機塩素化合物の多くは、比較的
蒸気圧が高く、また水に対して難溶性または微溶性であ
る。従って、これらの物質を水溶液中反応で分解するの
は、通常、非常に時間がかかり、非効率であると考えら
れる。
【0054】光照射下で機能水とを接触させ分解しうる
汚染物質ならガス状、液状にかかわらず、いかなる形態
ものでも本発明は適用できるが、特に揮発性の化合物が
好適である。分解対象となる有機塩素化合物の含有量
は、1mg/l〜10g/lが好ましい。
【0055】(光源)機能水による有機塩素化合物の分
解の際に照射する光としては、例えば、波長300〜5
00nm、特には350〜450nmの光が有機塩素化
合物または芳香族化合物の分解には特に好ましい。上記
の波長は、分解に寄与していると考えられる波長であ
り、実際の分解反応時に他の波長域の光が混入すること
は何ら問題とならない。また機能水と分解対象有機塩素
化合物との混合物に対する光照射強度は分解効率という
観点から、10μW/cm2 〜10mW/cm2 、特に
は50μW/cm2 〜5mW/cm2 が好ましい。具体
的には、例えば波長365nmにピークを持つ光源では
数百μW/cm2 (300nm〜400nm間を測定)
の強度で実用上十分の分解が進む。
【0056】そしてこの様な光の光源としては自然光
(例えば、太陽光等)または人工光(水銀ランプ、ブラ
ックライト、カラー蛍光ランプ等)を用いることができ
る。
【0057】機能水と有機塩素化合物等との混合物に対
する光の照射は、混合物に直接行ってもよく、或いはガ
ラスやプラスティック等でできている透明な容器を介し
て行なってもよい。また本実施態様においては、光とし
て人体に影響の大きい250nm付近の紫外光を用いる
必要がない。このため反応槽としてガラスやプラスティ
ック等の使用が可能である。
【0058】なお、光照射時の温度は、分解対象物の種
類、照射する光の種類などに応じて設定されるが、たと
えば4から50℃、好ましくは10から40℃の範囲か
ら選択して用いるのが好ましい。
【0059】(トルマリン)トルマリンは(TOURM
ALINE)は電気石とも呼ばれ、焦電性を持つことで
知られる結晶鉱物である。基本的には、硼素を含む珪酸
塩鉱物でCa,K,Na,Al,Cr,Fe,Li,M
g,Mn,Siを含んでいる。三方または六方異極反面
像族に属し、上下非対象の晶系の異極像結を示す。本発
明で用いるトルマリンはいかなる物でもよいが、粉末化
したものが望ましく、その粒径は1μm〜10mmがよ
い。このようなトルマリン粉末は市販されており、例え
ば新素材開発株式会社などから入手できる。なお、粒径
とはメッシュ等により測定した値を示す。
【0060】トルマリンの反応における添加量は反応水
溶液に対する重量比で0.1%〜20%加えれば良く、
望ましくは1%から10%の範囲が良い。
【0061】(過酸化水素水)また、トルマリンととも
に本発明で使用する過酸化水素水は通常のものでよい。
過酸化水素水の反応における添加量は、反応水溶液に対
してH22 として0.001〜1.0%、望ましくは
0.01%〜0.1%が良い。
【0062】以下に機能水を用いた有機塩素化合物の分
解に用い得る有機塩素化合物の分解装置について説明す
る。本実施態様において光照射下での機能水と有機塩素
化合物との接触は、常温常圧下で行なえばよく、特殊な
設備や環境は不要である。例えば機能水を貯留した容器
に有機塩素化合物或いは有機塩素化合物を含む媒体を導
入し、過酸化水素水及びトルマリンと接触させ、光を照
射すれば良く、有機塩素化合物の分解装置の構成として
は例えば下記の構成が挙げられる。
【0063】図1は本発明の有機塩素化合物の分解装置
の一実施態様を示す概略図である。機能水生成装置1に
よって陽極側に形成される機能水は、所望の流量で連続
的に分解処理槽10にポンプ2及びパイプ3を介して供
給される。過酸化水素水はタンク4からポンプ5及びパ
イプ6を介して分解処理槽10に供給される。有機塩素
化合物、例えばガス化した塩素化脂肪族炭化水素は供給
管7及びポンプ8を介して所望の流量で連続的に分解処
理槽10に供給されるとともに、光照射装置9により分
解処理槽10内部を光照射する。分解処理槽10にはト
ルマリン粉末11が満たされている。分解処理槽10で
塩素化脂肪族炭化水素、機能水、トルマリンと過酸化水
素が接触し、光照射により分解処理が促進される。処理
で使われた機能水は分解処理槽10から廃液タンク12
に排出される。浄化されたガスは排出管13から排出さ
れる。
【0064】また、図2は有機塩素化合物の分解装置の
他の実施態様を示す概略図であり、機能水生成装置1で
形成された機能水がポンプ2及びパイプ3を介して分解
処理槽10に供給される。過酸化水素水溶液はタンク4
からポンプ5及びパイプ6を介して分解処理槽10供給
される。一方、液状の有機塩素化合物もしくは有機塩素
化合物が溶解している液状媒体が貯蔵されている貯蔵タ
ンク14からはポンプ8及びパイプ7を介して有機塩素
化合物が分解処理槽10に供給される。分解処理槽10
にはトルマリン粉末11が満たされている。そして分解
処理槽内は攪拌装置15によって攪拌されるとともに、
光照射装置9により分解処理槽内を光照射する。これに
より有機塩素化合物と機能水とトルマリンと過酸化水素
が接触し、光照射により有機塩素化合物の分解が促進さ
れる。分解処理槽10に係る攪拌手段を設けることで、
有機塩素化合物と機能水とトルマリンと過酸化水素の接
触効率を向上させ、有機塩素化合物の分解効率のより一
層の改善を図ることができる。
【0065】図3は有機塩素化合物の分解装置の他の実
施態様を示す概略図であり、分解対象の有機塩素化合物
が気体状である場合に用いる装置である。図3において
1は機能水生成装置、17はカラム状の有機塩素化合物
の分解処理槽、9は分解処理槽を光照射するための光照
射装置、2、3は機能水生成装置1にて得られた機能水
を分解処理槽17に供給するためのポンプ及びパイプを
表す。過酸化水素水溶液はタンク4からポンプ5及びパ
イプ6を介して分解処理槽17に供給される。有機塩素
化合物、例えばガス化した塩素化脂肪族炭化水素は供給
管7及びポンプ8を介して所望の流量で連続的に分解処
理槽17に供給されるとともに、光照射装置9により分
解処理槽17の内部を光照射する。分解処理槽17には
トルマリン粉末11が満たされている。分解処理槽17
で塩素化脂肪族炭化水素、機能水、トルマリンと過酸化
水素が接触し、光照射により分解処理が促進される。処
理で使われた機能水は分解処理槽17から排出管16を
介して排出される。浄化されたガスは排出管13から排
出される。
【0066】分解処理槽17における分解は先に述べた
ように分解処理槽17内の気相部、液相部の両方で生じ
ていると考えられる。即ち、気相部では機能水から発生
した塩素ガスと分解対象物質であるガス化した塩素化脂
肪族炭化水素に光照射されることで分解反応が生じ、液
相部では、光照射下で、ガス化した塩素化脂肪族炭化水
素と機能水が接触し、分解反応が進む。
【0067】分解による生成物(分解対象物質がトリク
ロロエチレンであった場合、ジクロロ酢酸等)は液層部
でトルマリン、過酸化水素水等と接触し分解される。こ
れは気相の分解反応による分解生成物においても同様で
ある。
【0068】図6は有機塩素化合物の分解装置の他の実
施態様を示す概略図であり、分解処理槽17内の機能水
量が違うことを除けば、図3と同じである。このよう
に、より気相部の体積を大きくすることによって、少な
い機能水供給量で効率的に分解を行うことも可能であ
る。
【0069】図7は有機塩素化合物の分解装置の他の実
施態様を示す概略図であり、分解対象の有機塩素化合物
が気体状である場合に用いる装置である。図6における
分解処理槽17を機能水曝気槽41、分解処理槽43、
トルマリン槽44の3つの部分に分けたものである。機
能水生成装置1からポンプ2Aで供給された機能水は機
能水曝気槽41内で曝気されて塩素を含む気体を生成す
る。この塩素を含む気体はカラム状の有機塩素化合物の
分解処理槽43に送られ、同時に供給管7及びポンプ8
を介して所望の流量で連続的に供給される有機塩素化合
物、例えばガス化した塩素化脂肪族炭化水素と混合さ
れ、光照射装置9Aにより光を照射される。また、分解
処理槽43に係る攪拌手段を設けることで、塩素を含む
気体と有機塩素化合物との混合を促進させ、有機塩素化
合物の分解効率のより一層の改善を図ることができる。
【0070】分解処理後、ミスト状の分解生成物を含む
排気は次にトルマリン槽44に送られる。このトルマリ
ン槽44には過酸化水素水溶液がタンク4からポンプ5
及びパイプ6を介して供給されており、トルマリン粉末
11が満たされている。このトルマリン槽内で分解生成
物、例えばトリクロロエチレンの分解生成物としてジク
ロロ酢酸、トルマリンと過酸化水素が接触し、光照射に
より分解処理が促進される。処理で使われた過酸化水素
水はトルマリン槽44から排出管16を介して排出され
る。浄化されたガスは排出管13から排出される。
【0071】また、分解槽を直列につなぎ、分解されな
かった有機塩素化合物は順次下流側の分解槽にてさらな
る分解を図ることができる。尚連結する分解槽の数は濃
度や分解され易さ等によって適宜選択することができ
る。
【0072】図1〜3、6、7において、機能水生成装
置1から供給される機能水は陽極側で得られる電解酸性
水でも良いし、陽極側で得られる電解酸性水と陰極側で
得られる電解アルカリ性水を混合した混合水のどちらで
もかまわない。
【0073】また、図1〜3、6、7において、機能水
生成装置1を、次亜塩素酸水溶液若しくは次亜塩素酸塩
水溶液の供給装置に代えても良い。これに無機酸または
有機酸が含まれる溶液を加えると良い。
【0074】以上、機能水と光照射を用いた有機塩素化
合物の分解に用いる有機塩素化合物の分解装置について
説明したが、分解能力より装置構成をより簡易にする観
点から、槽内のイオン交換膜等の隔膜を取り除いた構成
をとることもできる。即ち、隔膜をもたない装置から生
成された機能水も以上述べられてきた有機塩素化合物の
分解に用いることができる。
【0075】例えば、本発明の分解装置は、土壌や地下
水の汚染浄化のため、真空抽出したガス、揚水した地下
水、または揚水した地下水を曝気したガスの浄化に使用
できる。即ち、汚染ガス、汚染水を直接本発明の分解装
置に導入するだけで良い。また、真空抽出したガス、揚
水した地下水、または揚水した地下水を曝気したガス
を、一旦活性炭などに吸着させその脱着物を本発明の分
解装置で分解してもよい。
【0076】また、本発明の分解装置は、工場、プラン
ト、ゴミ焼却炉、ドライクリーニングなどからの排気ガ
ス排液、さらには、一般の排気ガス(自動車の排気ガス
等)の処理にも利用することもできる。
【0077】以上、本発明にかかる種々の実施態様につ
いて具体的に説明したが、本発明はこれら実施態様に限
定されるものでないことはいうまでもない。
【0078】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0079】実施例1 強酸性機能水生成装置(商品名:強電解水生成器(Mo
del FW−200;アマノ(株)社製)を用いて機
能水を調製した。なお陽極及び陰極の間には隔膜が配置
されている。この装置を用いるとともに、電解する水の
電解質濃度、電解時間を種々変化させて、その結果陽極
側で得られる酸性の機能水のpHおよび酸化還元電位を
pHメーター((株)東興化学研究所、TCX−90i
およびKP900−2N)および導電率メーター
((株)東興化学研究所、TCX−90iおよびKM9
00−2N)で、また塩素濃度を塩素試験紙(アドバン
テック)により測定した。その結果、電解質である塩化
ナトリウムの濃度(標準濃度は1000mg/l)、電
解電流値、電解時間などによってこの機能水のpHは
1.0〜4.0、酸化還元電位は800mV〜1500
mV、また塩素濃度は5mg/l〜150mg/lに変
化した。そこで本実施例では有機塩素化合物の分解実験
に用いる機能水としてpH2.3、酸化還元電位115
0mV、残留塩素濃度60mg/lの機能水を用意し
た。なお機能水は電解質(塩化ナトリウム)濃度を10
00mg/l、電解時間を電解時間11分間とすること
によって得られた。
【0080】次に、27.5ml容のガラスバイアル瓶
を複数本用意し、機能水を20mlづつ入れ、さらに、
トリクロロエチレン(TCE)を全溶解で1000mg
/lとなるよう加えた。これに30%の過酸化水素水
(和光)を0.5ml(H22として約0.15g)加
え、さらにトルマリン粉末(42メッシュ、95%パ
ス、新素材開発株式会社)を2g加え、テフロン(登録
商標)ライナー付ブチルゴム栓とアルミシールで密閉し
た。また、比較検討用に表1に示した過酸化水素水、ト
ルマリンを含まないサンプル、トルマリンを含まないサ
ンプルを用意した。
【0081】すべてのサンプルに、ブラックライト蛍光
ランプ(商品名:FL10BLB、;株式会社東芝製、
10W)の光(照射光0.4〜0.6mW/cm2)を
照射した。各々のグループのガラスバイアル瓶中の気相
部分のTCE濃度の測定は、気相部分をガスタイトシリ
ンジでサンプリングし、TCE濃度をガスクロマトグラ
フィー(商品名:GC−14B(FID検出器付);島
津製作所(株)社製、カラムはJ&W社製DB−62
4)で測定した。各々のグループのガラスバイアル瓶中
の液相部分のTCE濃度の測定は、ECDガスクロマト
グラフィー(商品名:GC−14B;島津製作所(株)
社製、)で測定した。この気相TCE濃度と液相TCE
濃度の合計よりガラスバイアル瓶の中のすべてのTCE
がすべて機能水に溶解したときのTCE濃度を経時的に
求めた。その結果を下記の表1に示す。
【0082】
【表1】
【0083】表1の結果より、7時間でおおよそ分解は
終了しており、分解率は「機能水+H22+トルマリ
ン」が一番高かった。
【0084】また、機能水、光による分解生成物を液体
クロマトグラフィーで測定したところ、ジクロロ酢酸が
562mg/l検出された。「機能水+H22+トルマ
リン」では分解率が高かったにもかかわらず、検出され
たジクロロ酢酸の濃度は53.6mg/lであった。
【0085】さらに、pH、酸化還元電位、および残留
塩素濃度が異なる機能水、異なる濃度のH22、異なる
濃度のトルマリンについてトリクロロエチレン分解を評
価したところ、いずれも経時的なトリクロロエチレンの
濃度低下が観測され、「機能水+H22+トルマリン」
と光照射によるトリクロロエチレン分解が確認された。
【0086】実施例2 「機能水+H22+トルマリン」のジクロロ酢酸(DC
A)分解能を知るため、表2に示す実験をおこなった。
【0087】実施例1と同様にして機能水を調製した。
先ず、27.5ml容のガラスバイアル瓶を複数本用意
し、機能水を10mlづつ入れ、さらに、DCAを50
mg/lとなるよう加えた。これに30%の過酸化水素
水(和光)を0.25ml(H22として約0.075
g)加え、さらにトルマリン粉末(42.メッシュ、9
5%パス、新素材開発株式会社)を1 g加え、テフロ
ンライナー付ブチルゴム栓とアルミシールで密閉した。
【0088】また、比較検討用に表2に示した組み合わ
せのサンプルを用意した。すべてのサンプルに、ブラッ
クライト蛍光ランプ(商品名:FL10BLB;株式会
社東芝製、10W) の光(照射光0.4〜0.6mW
/cm2)を照射した。
【0089】各々のグループのガラスバイアル瓶中のD
CA濃度の測定は、液相クロマトトグラフィー(Wat
ers600、カラムはBio−Rad社製、Amin
exHPX−87H)で測定した。DCA濃度の経時変
化の結果を下記の表2に示す。
【0090】
【表2】
【0091】表2の結果より、ジクロロ酢酸(DCA)
分解に対し「H22+トルマリン」と光照射は有効であ
ることが確認できた。
【0092】実施例3 次に、水溶液中で、光照射を行わない条件における「H
22+トルマリン」の分解能力を検討した。
【0093】ガラスバイアル瓶(27.5ml容)を複
数本用意し、水道水を20mlづつ入れ、さらに、TC
Eを全溶解で10mg/lとなるよう加えた。これに3
0%の過酸化水素水(和光)を0.5ml(H22とし
て約0.15g)加え、さらにトルマリン粉末(42.
メッシュ、95%パス、新素材開発株式会社)を2g加
え、テフロンライナー付ブチルゴム栓とアルミシールで
密閉した。
【0094】また、比較検討用に表3に示したサンプル
を用意した。鉄粉のサンプルは鉄分(0.2g、関東化
学)をトルマリンの代りに加えた。
【0095】すべてのサンプルを遮光し光が当たらない
ようにした。各々のグループのガラスバイアル瓶中の気
相部分のTCE濃度の測定は、気相部分をガスタイトシ
リンジでサンプリングし、TCE濃度をガスクロマトグ
ラフィー(商品名:GC−14B(FID検出器付);
島津製作所(株)社製、カラムはJ&W社製DB−62
4)で測定した。各々のグループのガラスバイアル瓶中
の液相部分のTCE濃度の測定は、ECDガスクロマト
グラフィー(商品名:GC−14B;島津製作所(株)
社製、)で測定した。この気相TCE濃度と液相TCE
濃度の合計よりガラスバイアル瓶の中のすべてのTCE
がすべて機能水に溶解したときのTCE濃度を経時的に
求めた。その結果を下記の表3に示す。
【0096】
【表3】
【0097】実施例4 機能水中で、光照射を行わない条件における「H22
トルマリン」の分解能力を検討した。
【0098】ガラスバイアル瓶(27.5ml容)を複
数本用意し、実施例1と同様の機能水を20mlづつ入
れ、さらに、TCEを全溶解で1 2mg/lとなるよ
う加えた。これに30%の過酸化水素水(和光)を0.
5ml(H22として約0.15g)加え、さらにトル
マリン粉末(42.メッシュ、95%パス、新素材開発
株式会社)を2g加え、テフロンライナー付ブチルゴム
栓とアルミシールで密閉した。また、比較検討用に表4
に示した過酸化水素水を加えないサンプルを用意した。
【0099】すべてのサンプルを光照射を行わないよう
にした。各々のグループのガラスバイアル瓶中の気相部
分のTCE濃度の測定は、気相部分をガスタイトシリン
ジでサンプリングし、TCE濃度をガスクロマトグラフ
ィー(商品名:GC−14B(FID検出器付);島津
製作所(株)社製、カラムはJ&W社製DB−624)
で測定した。各々のグループのガラスバイアル瓶中の液
相部分のTCE濃度の測定は、ECDガスクロマトグラ
フィー(商品名:GC−14B;島津製作所(株)社
製、)で測定した。この気相TCE濃度と液相TCE濃
度の合計よりガラスバイアル瓶の中のすべてのTCEが
すべて機能水に溶解したときのTCE濃度を求めた。そ
の結果を下記の表4に示す。
【0100】
【表4】
【0101】実施例5 トルマリンの再使用をおこなった。実施例1と同様の実
験を「機能水+H22+トルマリン」の組み合わせで行
った。使用したトルマリンを再度分解に用いたが分解能
力の減少は見られなかった。このトルマリンを合計10
回、再使用を行ったが分解率の低下は5%以下であっ
た。
【0102】実施例6 電気分解で得た機能水と光照射によるテトラクロロエチ
レンの分解 TCEをテトラクロロエチレン(PCE)に変え、初期
濃度を900mg/lとした以外は実施例1と同様にし
て、「機能水+H22+トルマリン」と光照射によるP
CEの分解特性を評価した。その結果、PCEは97%
以上分解していた。これより「機能水+H22+トルマ
リン」と光照射によりPCEを分解できることがわかっ
た。また、pH、酸化還元電位、および残留塩素濃度が
異なる機能水、異なる濃度のH22、異なる濃度のトル
マリンについてPCE分解を評価したところ、いずれも
経時的なPCEの濃度低下が観測され、「機能水+H2
2+トルマリン」と光照射によるPCE分解が確認さ
れた。さらに光と機能水による分解生成物であるトリク
ロロ酢酸の分解も確認された。
【0103】実施例7 電気分解で得た機能水と光照射によるクロロホルムの分
解 TCEに代えてクロロホルムを用い、また初期濃度を7
8ppmとした以外は実施例1と同様にして、「機能水
+H22+トルマリン」と光照射によるクロロホルムの
分解特性を評価した。その結果99%以上分解してお
り、「機能水+H 22+トルマリン」と光照射によりク
ロロホルムを分解できることがわかった。さらに、p
H、酸化還元電位、および残留塩素濃度が異なる機能
水、異なる濃度のH22、異なる濃度のトルマリンにつ
いてクロロホルム分解を評価したところ、いずれも経時
的なクロロホルムの濃度低下が観測され、「機能水+H
22+トルマリン」と光照射によるクロロホルム分解が
確認された。
【0104】実施例8 TCEに代えてTCEとPCEとcis−1,2−ジク
ロロエチレン、tras−1,2−ジクロロエチレンの
混合物(DCE)の混合物を用いた以外は実施例1と同
様にして、「機能水+H22+トルマリン」と光照射に
よるTCEとPCEとDCEの混合物の分解特性を評価
した。なお初期TCE、PCEおよびDCE濃度が各々
300ppmとなるようにガラスバイアル瓶に添加し
た。その結果90%以上分解しており、「機能水+H2
2+トルマリン」と光照射によりTCE、PCEおよ
びDCEを分解できることがわかった。さらに、pH、
酸化還元電位、および残留塩素濃度が異なる機能水、異
なる濃度のH22、異なる濃度のトルマリンについてT
CE、PCEおよびDCE分解を評価したところ、いず
れも経時的な濃度低下が観測され、「機能水+H22
トルマリン」と光照射によるTCE、PCEおよびDC
E分解が確認された。
【0105】さらに光と機能水によるTCE、PCEお
よびDCE分解生成物であるジクロロ酢酸、トリクロロ
酢酸の分解も確認された。
【0106】実施例9 図2に示す分解装置を用いて有機塩素化合物の分解実験
を行なった。強酸性機能水生成装置1としては、商品
名:オアシスバイオハーフ;旭硝子エンジニアリング
(株)社製を用い、その陽極側で得られるpH2.1、
酸化還元電位1150mV、残留塩素濃度50mg/l
を有する機能水をポンプ2を用いて45ml/minの
流量で連続的に分解処理槽10に供給した。また汚染液
貯蔵タンク14には下記に示す組成の合成汚染液を入
れ、該合成汚染液を汚染液貯蔵タンク14から5ml/
minの流量で連続的に分解処理槽10に供給した。
【0107】過酸化水素水溶液はタンク4からポンプ5
及びパイプ6を介して分解処理槽10に最終濃度が0.
05%(H22として約0.05%)になるように供給
される。分解処理槽10にはトルマリン粉末(新素材開
発株式会社、黒トルマリン、平均粒径約0.1mm)1
1が処理槽中の反応液に対する重量比で10%導入され
ている。さらに光照射手段9(ブラックライト蛍光ラン
プ(東芝製、FL10BLB, 10W)で水槽10内
の照射を行なった。光照射量は0.4〜0.6mW/c
2とした。
【0108】合成汚染液組成; TCE・・・・・600mg PCE・・・・・600mg クロロホルム・・・30mg 水・・・・・・1リットル
【0109】分解処理槽10は容積約6000mlと
し、合成汚染液の平均滞留時間は2時間であった。ま
た、分解処理槽10中には合成汚染液と機能水の接触を
促進させるために攪拌器15設置されている。分解処理
槽10の出口から排出された廃液はタンク12に貯留
し、その廃液中に含まれるTCE、PCE、クロロホル
ム濃度を測定したところすべて0.1ppm以下であ
り、また、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸も数ppm以
下であった。機能水等を用いた装置により塩素化脂肪族
炭化水素及び分解生成物を高度に分解除去できることが
わかった。
【0110】実施例10 機能水によるトリクロロエチレン,テトラクロロエチレ
ンの連続分解 図3に示す分解装置を用いてTCE、PCEの分解実験
を行なった。強酸性機能水生成装置1としては実施例1
0に用いたものと同じ装置を用い、その陽極側で得られ
るpH2.1、酸化還元電位1150mV、残留塩素濃
度54mg/lを有する機能水をポンプ2を用いて10
0ml/minの流量で連続的に分解カラム17に供給
した。分解カラム17の容積はおよそ1200mlとし
た。
【0111】過酸化水素水溶液はタンク4からポンプ5
及びパイプ6を介して分解カラム10に最終濃度が0.
05%(H22として0.05%)になるように供給さ
れる。分解カラム17にはトルマリン粉末11(平均粒
径約0.1mm)が分解カラム中の溶液に対し重量比で
10%量入っている。また光照射手段9として、ブラッ
クライト蛍光ランプ(商品名:FL10BLB;株式会
社東芝製、10W)を用いて、各々の分解カラムに光照
射を行なった。光照射量は0.4〜0.6mW/cm2
であった。
【0112】また、気相濃度で各々1200ppmのT
CE、PCEを含む空気をガス供給装置(標準ガス発生
装置、ガステック、PD−1B)(不図示)から供給管
7及びポンプ8を介して100ml/minの流量で連
続的に分解カラム17のカラム下部に供給した。分解カ
ラム17の排出管16から排出される機能水及び、排出
管13から排出されるガス中のTCE、PCE濃度をガ
スクロマトグラフィーで測定した。その結果、排出ガス
中のTCE、PCE濃度は常に0.1ppm以下であ
り、また、24時間稼動した後の排出管16から排出さ
れる排出液中のジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸の濃度は
数ppm以下であった。この装置によってガス状のTC
E、PCE及び機能水による分解生成物を高度に、また
連続的に分解除去できることがわかった。
【0113】実施例11 塩酸および次亜塩素酸ナトリウムで調製した機能水と光
照射によるトリクロロエチレンの分解 純水に塩酸0.001mol/l〜0.1mol/l、
および次亜塩素酸ナトリウム0.0001mol/l〜
0.01mol/lとなるように調製した水溶液につい
て、pH、酸化還元電位、および残留塩素濃度を測定し
たところ、pHは1.0〜4.0、酸化還元電位は80
0mV〜1500mV、また残留塩素濃度は5mg/l
〜150mg/lに変化し、実施例1と同様な性状をも
つ機能水が得られた。ここで、塩酸0.006mol/
l、塩化ナトリウム0.014mol/l、および次亜
塩素酸ナトリウム0.002mol/lとしたとき、p
H2.3、酸化還元電位1180mV、残留塩素濃度1
05mg/lとなり、この機能水を実験に供した。実験
方法については、実施例1と同様に行なった。その結果
を下記の表5に示す。
【0114】
【表5】
【0115】表5の結果より、塩酸、塩化ナトリウム、
および次亜塩素酸ナトリウムにより調製された機能水+
「H22+トルマリン」と光照射によりTCEを完全に
分解できることがわかった。また、同様にして調製した
異なるpH、酸化還元電位、および残留塩素濃度をもつ
機能水、異なる濃度の過酸化水素水、トルマリンについ
ても光照射によりTCEが分解することを確かめた。
【0116】実施例12 本発明を汚染土壌修復装置に用いた例について説明す
る。図4は、本発明の一実施形態である汚染土壌修復装
置の概略図である。本実施例の汚染土壌修復装置21の
縦坑22の開口を囲む壁体には、縦坑22内の空気を吸
引する真空ポンプ23が配設されている。さらに、真空
ポンプ23は、ブロアー24を介して、汚染物質を分解
する能力を有する機能水を含有する機能水リアクター2
6が内部に設置された処理槽25の下部へ連結されてい
る。真空ポンプ23により吸引された空気はブロアー2
4によって該処理槽25下部から処理槽25内に吹き込
まれる。
【0117】図5は機能水リアクター26の一形態を示
したものである。機能水リアクター26には機能水と過
酸化水素水を供給するパイプ27が連結されている。2
8のガス供給口からブロアー24から送られてきた汚染
空気が処理槽25に供給される。処理槽25にはトルマ
リン粉末34が溶液量に対する重量比で10%量存在す
るようにした。汚染空気は気泡として機能水中に噴出さ
れ汚染物質とトルマリン粉末34との接触が促進され
る。29は汚染物質と機能水に光を照射する光照射手段
であり、例えばブラックライトなどを用いてもよい。3
0は浄化された汚染空気を排出する排気管であり、31
は機能水の排出手段である。
【0118】なお、真空ポンプ23を用いた汚染物質抽
出装置の一例として、公知の二重真空抽出装置等を用い
てもよい。TCEとPCEで汚染された現場サイトで、
本発明の汚染土壌修復装置の効果を確かめた。
【0119】TCEとPCEで汚染された土壌から公知
の方法に従い土壌吸引(真空抽出法)をおこなったとこ
ろTCEの初期濃度は700〜900ppm、PCEの
初期濃度は300〜700ppmであった。この汚染空
気を機能水リアクタの処理槽の下部から処理槽へ吹き込
み、機能水リアクター内の機能水と光照射下で接触し、
空気中に気体状態で存在するTCEとPCEの分解・除
去をおこなった。
【0120】リアクタ内には機能水として、次亜塩素酸
を含む溶液(塩酸0.006mol/l、塩化ナトリウ
ム0.01mol/l、および次亜塩素酸ナトリウム
0.002mol/l、pH2.3、酸化還元電位11
80mV)が500ml/minで供給され、同時に過
酸化水素水を濃度が0.7%となるように供給する。汚
染空気は100ml/minで機能水中に気泡が最小と
なるようメッシュを介して噴出をおこなった。光照射は
ブラックライト蛍光ランプ(東芝製、FLl0BLB,
10W)でおこなった。照射エネルギーはおおよそ0.
2〜0.6mW/cm2であった。排出されるガス中の
TCE,PCE濃度をFID検出器付ガスクロマトグラ
フィー(商品名:GC−14B;島津製作所(株)社
製、カラムはJ&W社製DB−624)で測定した。そ
の結果、排出ガス中のTCE,PCE濃度は2ppm以
下であり、また、分解産物であるジクロロ酢酸、トリク
ロロ酢酸等をECDで測定したところ90%以上分解し
ていた。本発明による装置によりTCE,PCEを高度
に分解除去でき、さらにその分解産物も分解し得ること
がわかった。
【0121】実施例13 電気分解で生成した機能水から生成した塩素を含む気体
によるトリクロロエチレン(TCE),テトラクロロエ
チレン(PCE)の連続分解 図6に示す分解装置を用いてTCE、PCEの分解実験
を行なった。強酸性機能水生成装置1としては実施例1
に用いたものと同じ装置を用い、その陽極側で得られる
pH2.1、酸化還元電位1150mV、残留塩素濃度
54mg/Lを有する機能水をポンプ2を用いて50m
l/minの流量で連続的に分解カラム17に供給し
た。分解カラム17の容積はおよそ1200mlとし、
機能水量は常にカラム体積の8から12%となるように
した。
【0122】事前の実験で、図6の分解処理槽17にこ
の機能水を入れ、分解処理槽内に供給管7及びポンプ8
を介して有機塩素化合物を含まない気体を100ml/
minの流量で送気した。この時、分解処理槽17内の
気相中の塩素濃度を検知管(ガステック社製、No.8
H)で数回測定したところ、およそ80ppm〜300
ppmの範囲内であった。
【0123】この分解カラム17に実施例10と同様
に、過酸化水素水溶液およびトルマリン粉末11を入
れ、光照射手段9としてブラックライト蛍光ランプを用
いて光照射を行なった。
【0124】更に、実施例10と同様に、気相濃度で各
々1200ppmのTCE、PCEを含む空気を連続的
に分解カラム17のカラム下部に供給し、分解カラム1
7の排出管16から排出される機能水及び、排出管13
から排出されるガス中のTCE、PCE濃度をガスクロ
マトグラフィーで測定した。
【0125】その結果、排出ガス中のTCE、PCE濃
度は常に0.1ppm以下であり、また、24時間稼動
した後の排出管16から排出される排出液中のジクロロ
酢酸、トリクロロ酢酸の濃度は数ppm以下であった。
この装置によってガス状のTCE、PCE及び塩素を含
む気体による分解生成物を高度に、また連続的に分解除
去できることがわかった。
【0126】実施例14 次亜塩素酸を含む機能水から生成した塩素を含む気体に
よるトリクロロエチレン,テトラクロロエチレンの連続
分解電気分解で生成した機能水の代わりに、次亜塩素酸
を含む機能水を用いた以外には実施例13と同様の実験
を行った。機能水は実施例11と同様の濃度になるよう
に調整した。この時、機能水はpH2.3、酸化還元電
位1180mV、残留塩素濃度105mg/Lであっ
た。
【0127】事前の実験で、図6の分解処理槽17にこ
の機能水を入れ、分解処理槽内に供給管7及びポンプ8
を介して有機塩素化合物を含まない気体を100ml/
minの流量で送気した。この時、分解処理槽17内の
気相中の塩素濃度を検知管(ガステック社製、No.8
H)で数回測定したところ、およそ80ppm〜300
ppmの範囲内であった。
【0128】実験の結果、排出ガス中のTCE、PCE
濃度は常に0.1ppm以下であり、また、24時間稼
動した後の排出管16から排出される排出液中のジクロ
ロ酢酸、トリクロロ酢酸の濃度は数ppm以下であっ
た。この装置によってガス状のTCE、PCE及び塩素
を含む気体による分解生成物を高度に、また連続的に分
解除去できることがわかった。
【0129】実施例15 機能水曝気槽、ガス反応槽、トルマリン槽分離型分解装
置によるトリクロロエチレン(TCE),テトラクロロ
エチレン(PCE)の連続分解 図7に示す分解装置を用いてTCE、PCEの分解実験
を行なった。強酸性機能水生成装置1としては実施例1
に用いたものと同じ装置を用い、その陽極側で得られる
pH2.1、酸化還元電位1150mV、残留塩素濃度
54mg/Lの機能水をポンプ2A,Bを用いて50m
l/minの流量で連続的に機能水曝気槽41に供給し
た。機能水曝気槽41内の機能水量はポンプA,Bの流
量を同じにすることで常に槽内に120mLの機能水が
滞留するようにした。この機能水曝気カラム41内の機
能水をポンプ42で50ml/minの流量で曝気し、
発生した塩素を含む気体を分解カラム43に送気した。
この時、送気される気相中の塩素濃度を検知管(ガステ
ック社製、No.8H)で数回測定したところ、およそ
80ppm〜300ppmの範囲内であった。
【0130】次に、容積およそ1200mLの分解カラ
ム43に、実施例10と同じ各々1200ppmのTC
E、PCEを含む空気をポンプ8で50ml/minの
流量で送気し、分解カラム内で機能水曝気カラム41か
ら送気された塩素を含む気体と混合して、光照射手段9
Aであるブラックライト蛍光ランプで光照射を行った。
光照射量は、0.4〜0.6mw/cm2 であった。
【0131】更に、この分解カラムの排気をトルマリン
カラム44に導入した。トルマリンカラム44内には、
タンク4からポンプ5及びパイプ6を介して供給された
濃度0.05%(H22 として0.05%)の過酸化
水素水溶液120mLが貯留され、10mL/minの
流速で更新されている。また、トルマリンカラム44に
はトルマリン粉末11(平均粒径約0.1mm)がカラ
ム中の溶液に対し重量比で10%量入っている。このト
ルマリン粉末を含む過酸化水素水溶液を分解カラム43
からの排気で曝気しながら、光照射手段9Bであるブラ
ックライト蛍光ランプ(東芝製、FL4BLB,4W)
で光照射を行った。光照射量は、0.4〜0.6mw/
cm2 であった。
【0132】トルマリンカラム44の排出管16から排
出される機能水及び、排出管13から排出されるガス中
のTCE、PCE濃度をガスクロマトグラフィーで測定
した。その結果、排出ガス中のTCE、PCE濃度は常
に0.1ppm以下であり、また、24時間稼動した後
の排出管16から排出される排出液中のジクロロ酢酸、
トリクロロ酢酸の濃度は数ppm以下であった。この装
置によってガス状のTCE、PCE及び塩素を含む気体
による分解生成物を高度に、また連続的に分解除去でき
ることがわかった。
【0133】実施例16 本発明を汚染土壌修復装置に用いた例について説明す
る。図4の機能水リアクター26の部分が、図5とは違
って排出手段31の取り付け位置が低く、内部の機能水
量が処理槽25の容積の10%程度であり、機能水供給
量が半分の250mL/minであること以外は、実施
例12と同様に汚染土壌修復装置で同様の実験を行っ
た。
【0134】事前の実験で、ガス供給口28から汚染物
質を含まない空気を100ml/minの流量で送気し
た。この時、分解処理槽25内の気相中の塩素濃度を検
知管(ガステック社製、No.8H)で数回測定したと
ころ、およそ80ppm〜300ppmの範囲内であっ
た。
【0135】実験の結果、排出ガス中のTCE,PCE
濃度は2ppm以下であり、また、分解産物であるジク
ロロ酢酸、トリクロロ酢酸等をECDガスクロマトグラ
フィーで測定したところ90%以上分解していた。本発
明による装置によりTCE,PCEを高度に分解除去で
き、さらにその分解産物も分解し得ることがわかった。
【0136】
【発明の効果】以上説明したように本発明の有機塩素化
合物の分解方法及び分解装置によれば、常温常圧下で経
済的かつ安全で安定した有機塩素化合物を分解すること
ができ、さらにその分解生成物の分解を行なうことがで
きる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様にかかる有機塩素化合物の
分解装置を示す概略図である。
【図2】本発明の他の実施態様にかかる有機塩素化合物
の分解装置を示す概略図である。
【図3】本発明の他の実施態様に係る有機塩素化合物の
分解装置を示す概略図である。
【図4】本発明の一実施形態である汚染土壌修復装置を
示す概略図である。
【図5】機能水リアクターの一形態を示す概略図であ
る。
【図6】本発明の他の実施態様に係る有機塩素化合物の
分解装置を示す概略図である。
【図7】本発明の他の実施態様に係る有機塩素化合物の
分解装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 機能水生成装置 2、2A、2B、5、8、42 ポンプ 3、6 パイプ 4 過酸化水素水タンク 7 供給管 9、9A、9B 光照射装置 10 分解処理槽 11 トルマリン 12 廃液タンク 13 排出管 14 有機塩素化合物含有液体貯蔵タンク 15 攪拌装置 16 排出管 17 分解処理槽(分解カラム) 21 汚染土壌修復装置 22 縦坑 23 真空ポンプ 24 ブロアー 25 処理槽 26 機能水リアクター 27 パイプ 28 ガス供給口 29 光照射手段 30 排気管 31 排出手段 34 トルマリン粉末 41 機能水曝気槽(機能水曝気カラム) 43 分解処理槽(分解カラム) 44 トルマリン槽(トルマリンカラム)
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07C 21/04 C07C 21/10 21/10 21/12 21/12 53/16 53/16 B01D 53/34 134E // B09C 1/02 B09B 3/00 304K 1/08 (72)発明者 川口 正浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山田 康嗣 神奈川県横浜市港南区芹が谷4丁目27番33 号 Fターム(参考) 2E191 BA15 BB01 BC01 BC05 BD13 BD17 4D002 AA21 AC04 AC10 BA05 BA09 CA20 DA19 DA26 DA37 DA47 DA52 DA53 EA02 GA01 GB09 GB12 GB20 4D004 AA41 AB06 AC07 CA34 CA43 CA44 CC11 4D038 AA02 AB14 BB07 BB10 4H006 AA02 AC24 BA06 BA09 BA14 BA16 BA31 BA33 BA68 BA95 BE32 BE53

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質を含む水の電気分解によって生成
    する機能水と有機塩素化合物若しくは有機塩素化合物を
    含む媒体とを接触反応させる工程を有する有機塩素化合
    物の分解方法において、該機能水と有機塩素化合物若し
    くは有機塩素化合物を含む媒体との接触反応時若しくは
    接触反応後に過酸化水素水およびトルマリンと接触させ
    ることを特徴とする有機塩素化合物の分解方法。
  2. 【請求項2】 有機塩素化合物を含む気体と塩素を含む
    気体との混合気体を光照射下で接触させることによって
    該有機塩素化合物を分解する方法であって、電解質を含
    む水の電気分解によって生成する機能水に通気すること
    によって塩素を含む気体を発生させる工程と、該塩素を
    含む気体と有機塩素化合物を含む気体とを混合して混合
    気体を形成する工程と、該混合気体を処理槽内の処理領
    域に導入し該混合気体に光照射して、該混合気体内の有
    機塩素化合物を分解する工程と該分解処理された混合気
    体を該処理領域から排気する工程と、該分解処理された
    混合気体を過酸化水素水およびトルマリンと接触させる
    工程とを有することを特徴とする有機塩素化合物の分解
    方法。
  3. 【請求項3】 次亜塩素酸を含む機能水と有機塩素化合
    物若しくは有機塩素化合物を含む媒体とを接触させる工
    程を有する有機塩素化合物の分解方法において、該機能
    水と有機塩素化合物若しくは有機塩素化合物を含む媒体
    との接触反応時若しくは接触反応後に過酸化水素水およ
    びトルマリンと接触させることを特徴とする有機塩素化
    合物の分解方法。
  4. 【請求項4】 有機塩素化合物を含む気体と塩素を含む
    気体との混合気体を光照射下で接触させることによって
    該有機塩素化合物を分解する方法であって、次亜塩素酸
    を含む機能水に通気することによって塩素を含む気体を
    発生させる工程と、該塩素を含む気体と有機塩素化合物
    を含む気体とを混合して混合気体を形成する工程と、該
    混合気体を処理槽内の処理領域に導入し該混合気体に光
    照射して該混合気体内の有機塩素化合物を分解する工程
    と、該分解処理された混合気体を該処理領域から排気す
    る工程と、該分解処理された混合気体を過酸化水素水お
    よびトルマリンと接触させる工程とを有することを特徴
    とする有機塩素化合物の分解方法。
  5. 【請求項5】 有機塩素化合物若しくは有機塩素化合物
    を含む媒体を含有する水溶液と過酸化水素水とをトルマ
    リンの存在下で接触させる工程を有することを特徴とす
    る有機塩素化合物の分解方法。
  6. 【請求項6】 該過酸化水素水の添加量が反応水溶液に
    対してH22 として0.001〜1%の範囲である請
    求項1乃至5のいずれかの項に記載の有機塩素化合物の
    分解方法。
  7. 【請求項7】 該トルマリンの添加量は反応水溶液に対
    する重量比が0.1〜20%の範囲である請求項1乃至
    5のいずれかの項に記載の有機塩素化合物の分解方法。
  8. 【請求項8】 該トルマリンの添加量は反応水溶液に対
    する重量比が1〜10%の範囲である請求項7記載の有
    機塩素化合物の分解方法。
  9. 【請求項9】 該トルマリンの粒径が1μm〜10mm
    の範囲である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の有
    機塩素化合物の分解方法。
  10. 【請求項10】 該機能水が電解質を含む水の電気分解
    により、陽極近傍に生成する酸性水である請求項1乃至
    4のいずれかの項に記載の有機塩素化合物の分解方法。
  11. 【請求項11】 該電解質が塩化ナトリウム及び塩化カ
    リウムの少なくとも一方である請求項10記載の有機塩
    素化合物の分解方法。
  12. 【請求項12】 該次亜塩素酸を含む機能水が次亜塩素
    酸塩水溶液である請求項3または4記載の有機塩素化合
    物の分解方法。
  13. 【請求項13】 該次亜塩素酸塩が次亜塩素塩酸ナトリ
    ウム及び次亜塩素塩酸カリウムの少なくとも一方である
    請求項12記載の有機塩素化合物の分解方法。
  14. 【請求項14】 該機能水の塩素濃度が2〜2000m
    g/lである請求項1乃至4のいずれかの項に記載の有
    機塩素化合物の分解方法。
  15. 【請求項15】 該機能水が更に無機酸または有機酸を
    含む請求項3または4または12記載の有機塩素化合物
    の分解方法。
  16. 【請求項16】 該無機酸または有機酸が塩酸、フッ
    酸、シュウ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、り
    んご酸及びクエン酸から選ばれる少なくとも一つである
    請求項15記載の有機塩素化合物の分解方法。
  17. 【請求項17】 該機能水が水素イオン濃度(pH値)
    1〜4、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照
    電極:銀−塩化銀電極)800〜1500mV、及び塩
    素濃度が5〜150mg/lなる特性を有する請求項1
    乃至4のいずれかの項に記載の有機塩素化合物の分解方
    法。
  18. 【請求項18】 該機能水が水素イオン濃度(pH値)
    4〜10、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参
    照電極:銀−塩化銀電極)300〜1100mV、及び
    塩素濃度2〜100mg/lなる特性を有する請求項1
    乃至4のいずれかの項に記載の有機塩素化合物の分解方
    法。
  19. 【請求項19】 該接触させる工程を光照射下で行うこ
    とを特徴とする請求項1乃至5のいずれかの項に記載の
    有機塩素化合物の分解方法。
  20. 【請求項20】 該光が、波長300〜500nmの波
    長域の光を含む光である請求項19記載の有機塩素化合
    物の分解方法。
  21. 【請求項21】 該光が、波長350〜450nmの波
    長域の光である請求項20記載の有機塩素化合物の分解
    方法。
  22. 【請求項22】 該光の照射量が10μW/cm2 〜1
    0mW/cm2 である請求項19記載の有機塩素化合物
    の分解方法。
  23. 【請求項23】 該光の照射量が50μW/cm2 〜5
    mW/cm2 である請求項22記載の有機塩素化合物の
    分解方法。
  24. 【請求項24】 電解質を含む水の電気分解によって陽
    極近傍に生成する機能水を分解処理槽に供給する工程、
    該分解処理槽に有機塩素化合物若しくは有機塩素化合物
    を含む媒体を供給する工程、該分解処理槽に過酸化水素
    水を含む溶液を供給する工程、該分解処理槽中にトルマ
    リンを供給する工程、及び該分解処理槽に対して光を照
    射する工程を有する請求項1乃至5のいずれかの項に記
    載の有機塩素化合物の分解方法。
  25. 【請求項25】 該有機塩素化合物がクロロエチレン、
    1,1−ジクロロエチレン、cis−1,2−ジクロロ
    エチレン、tras−1,2−ジクロロエチレン、トリ
    クロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロメタ
    ン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、クロロ酢酸、
    ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸から選ばれた1種類また
    は2種以上の混合物である請求項1乃至5のいずれかの
    項に記載の有機塩素化合物の分解方法。
  26. 【請求項26】 該有機塩素化合物が、機能水とクロロ
    エチレン、1,1−ジクロロエチレン、cis−1,2
    −ジクロロエチレン、tras−1,2−ジクロロエチ
    レン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、ク
    ロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタンから選
    ばれた1種類または2種以上の混合物を含む媒体とを光
    照射下で接触させる工程を有する有機塩素化合物の分解
    方法において生成する分解生成物である請求項1乃至5
    のいずれかの項に記載の有機塩素化合物の分解方法。
  27. 【請求項27】 該有機塩素化合物が、塩素を含む気体
    とクロロエチレン、1,1−ジクロロエチレン、cis
    −1,2−ジクロロエチレン、tras−1,2−ジク
    ロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ
    レン、クロロメタン、ジクロロメタン、トリクロロメタ
    ンから選ばれた1種類または2種以上の混合物を含む気
    体との混合気体とを光照射下で接触させる工程を有する
    有機塩素化合物の分解方法において生成する分解生成物
    である請求項1乃至5のいずれかの項に記載の有機塩素
    化合物の分解方法。
  28. 【請求項28】 該分解生成物が、クロロ酢酸、ジクロ
    ロ酢酸、トリクロロ酢酸から選ばれた1種類または2種
    以上の混合物である請求項26または27記載の有機塩
    素化合物の分解方法。
  29. 【請求項29】 機能水と有機塩素化合物若しくは有機
    塩素化合物を含む媒体との接触反応時若しくは接触反応
    後に過酸化水素水およびトルマリンと接触させて有機塩
    素化合物を分解する分解処理槽、該機能水を該分解処理
    槽に供給する手段、該分解されるべき有機塩素化合物を
    該分解処理槽に供給する手段、該過酸化水素水を該分解
    処理槽に供給する手段と、該トルマリンを該分解処理槽
    に配する手段及び該分解処理槽に光を照射する手段を有
    することを特徴とする有機塩素化合物の分解装置。
  30. 【請求項30】 有機塩素化合物を含む気体と塩素を含
    む気体との混合気体を光照射下で接触させることによっ
    て該有機塩素化合物を分解する有機塩素化合物の分解装
    置であって、機能水に通気することによって塩素を含む
    気体を発生させる手段と、有機塩素化合物若しくは有機
    塩素化合物を含む媒体が気体でない場合、該有機塩素化
    合物若しくは有機塩素化合物を含む媒体に通気すること
    によって有機塩素化合物を含む気体を発生させる手段
    と、該有機塩素化合物を含む気体と塩素を含む気体とを
    混合して混合気体を形成する手段と、該混合気体を処理
    槽内の処理領域に導入し、該混合気体に光照射して該混
    合気体内の有機塩素化合物を分解する手段と、該分解処
    理された混合気体を該処理領域から排気する手段と、該
    分解処理された混合気体を過酸化水素水およびトルマリ
    ンと接触させる手段とを有することを特徴とする有機塩
    素化合物の分解装置。
  31. 【請求項31】 該機能水が水の電気分解によって生成
    する水である請求項29または30記載の有機塩素化合
    物の分解装置。
  32. 【請求項32】 該水の電気分解によって生成する機能
    水を分解処理槽に供給する手段が、水の電気分解によっ
    て陽極近傍に生成する機能水を分解処理槽に供給する手
    段である請求項31記載の有機塩素化合物の分解装置。
  33. 【請求項33】 該機能水が次亜塩素酸を含む機能水で
    ある請求項29または30記載の有機塩素化合物の分解
    装置。
  34. 【請求項34】 該次亜塩素酸を含む機能水が次亜塩素
    酸塩水溶液である請求項33記載の有機塩素化合物の分
    解装置。
  35. 【請求項35】 無機酸または有機酸を含む溶液を供給
    する手段を具備する請求項29、30または34記載の
    有機塩素化合物の分解装置。
  36. 【請求項36】 該分解処理槽が攪拌手段を具備してい
    る請求項29または30記載の有機塩素化合物の分解装
    置。
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