JP2001062469A - 汚染物質の分解方法、汚染物質の分解装置、地下水の浄化装置および地下水の浄化方法 - Google Patents

汚染物質の分解方法、汚染物質の分解装置、地下水の浄化装置および地下水の浄化方法

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JP2001062469A JP36558599A JP36558599A JP2001062469A JP 2001062469 A JP2001062469 A JP 2001062469A JP 36558599 A JP36558599 A JP 36558599A JP 36558599 A JP36558599 A JP 36558599A JP 2001062469 A JP2001062469 A JP 2001062469A
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acid
groundwater
decomposition
contaminant
concentration
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Kinya Kato
欽也 加藤
Masahiro Kawaguchi
正浩 川口
Shinya Furusaki
眞也 古崎
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    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染物質特に有機塩素化合物分解のための複
雑な装置や分解生成物の更なる無害化処理等が不要で、
環境に優しい分解技術と、汚染された地下水のin-situ
における、常温・常圧下において非生物的に効果的に浄
化できる汚染地下水浄化装置および該装置を用いる浄化
方法への該技術の応用を提供する。 【解決手段】 汚染物質若しくは汚染物質を含む媒体
に、次亜塩素酸を含む溶液及び無機酸または有機酸を含
む溶液を加えることで汚染機能水を得る工程と、該汚染
機能水に光を照射することにより分解反応を始動させ該
汚染物質を分解する工程とを有する汚染物質分解方法、
及び該分解方法を適用し、地下水層に到達する井戸を構
築する工程、該井戸内の地下水中に次亜塩素酸塩を含む
薬剤を供給する工程、該井戸内の地下水に光を照射する
工程、の各工程を有する汚染地下水浄化方法、並びにそ
れらの方法に用いられる装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は汚染物質、例えば有
機塩素化合物の分解方法、及びそれに用いる装置に関す
るものである。また本発明は汚染された地下水の浄化装
置および汚染された地下水の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年までの産業技術の発展に伴いハロゲ
ン化脂肪族炭化水素化合物(例えば塩素化エチレン、塩
素化メタン等)が膨大に使用され、その廃棄処理は深刻
な問題となってきている。また、使用済みのこれらの気
体が、自然環境を汚染するなどの環境問題を引き起こし
ているため、その解決に多大な努力が払われている。
【0003】具体的な処理方法を述べると、例えば塩素
化エチレンを酸化剤や触媒を用いて分解する方法とし
て、オゾンで分解する方法(特開平3-38 297号公
報)あるいは過酸化水素の存在下で紫外線を照射する方
法(特開昭63-218 293号公報)等が知られてい
る。
【0004】また、次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤とし
て用いることも示唆されている(米国特許5 525 0
08、5 611 642)。また次亜塩素酸ナトリウム
と紫外線照射と組み合わせる手法も提案されている(米
国特許5 582 741)。
【0005】更には酸化チタンなどの酸化物半導体微粒
子からなる光触媒と液状の塩素化エチレンをアルカリ条
件下で懸濁して光照射により分解する方法も知られてい
る(特開平7-144 137号公報)。
【0006】上記以外にも、酸化剤を用いずに気相で紫
外線を照射させる光分解法がすでに試みられている。例
えば、有機ハロゲン化合物を含む排ガスを紫外線照射処
理して酸性の分解ガスとしたのち、アルカリで洗浄して
無害化処理する方法(特開昭62-191 025号公
報)、有機ハロゲン化物を含有する排水を曝気処理し、
排出されるガスを紫外線照射したのちアルカリ洗浄する
装置(特開昭62-191095号公報)等が提案されて
いる。
【0007】また、恐らく還元分解と推測されている例
として鉄粉による塩素化エチレンの分解も知られている
(特開平8-257 570号公報)。シリコン微粒子を用
いたテトラクロロエチレン(以下、PCEと略記)の分解
については還元分解も報告されている。
【0008】トリクロロエチレン(以下、TCEと略記)
やPCEなどの塩素化脂肪族炭化水素は微生物により好
気的あるいは嫌気的に分解されることが知られており、
このような工程を利用して分解あるいは浄化を行なうこ
とが試みられている。
【0009】しかしながら何れの方法も、分解効率や処
理に必要な装置構成等に於いて十分実用的なものとは言
えず、より簡便な装置構成で効率良く有機塩素化合物を
分解する方法が求められている。
【0010】また、有機塩素化合物による環境汚染物質
の多くは土壌中に浸透し、分解されずに、序々に地下水
に溶け地下水を通じて汚染領域を拡大する。これらの深
刻な環境汚染の再発を防止すると共に、すでに汚染され
てしまった環境を浄化し、もとの状態にもどしていく技
術の確立が強く望まれている。
【0011】この環境修復技術の例としては、汚染土壌
を掘り上げ、加熱することにより汚染物質を除去もしく
は分解する方法がある。しかし特に高濃度で、局部的な
汚染の場合はこれらの物理化学的処理が有効となること
もあるが、汚染が広範囲であるときはコストが膨大なも
のとなる。
【0012】また、汚染土壌にボーリング穴を設け、真
空で汚染物質を吸引する真空抽出という方法は、in-sit
uでの土壌の物理的浄化方法として良く用いられている
が、汚染濃度が低くなった場合の浄化速度の低下や、土
壌の構造・性質上から汚染物質の吸引できない部位が存
在するといった問題がある。
【0013】これら物理化学的処理の問題を解決できる
方法として、微生物による生物学的処理が検討されてい
る。しかしながら、汚染土壌中に一定の粒径を有する微
生物を行なき亙らせることは困難であり、土壌をスラリ
ーにして微生物を混合する方法をとった場合は、微生物
処理のメリットである低コストの維持ができなくなるこ
と、スラリー化した土壌の後処理が困難であること、等
の問題が生じていた。
【0014】一方、地下水のみを浄化対象とした場合
は、土壌そのものを浄化していないために浄化期間が長
期化するという問題があるが、土壌に大規模な変質を生
じさせずに短期的には低コストで地下水の使用が可能に
なったり、あるいは汚染物質の拡散が防止できる、とい
った長所がある。
【0015】地下水の浄化方法としては、汚染された地
下水を汲み上げ、on-siteで浄化を行なうという方法が
ある。しかし、地下水の流量が多い場合には揚水するた
めのコストがかかること、一度揚水した地下水を再び地
下水層に戻すことに規制があることから、地盤沈下や下
流域での地下水資源の枯渇等の問題が生じる。そのため
このような問題が生じる場合にはin-situでの地下水の
浄化が求められている。
【0016】in-situでの地下水の浄化方法としては、
地下水層に活性炭を投入し、活性炭に汚染物質を吸着さ
せることにより地下水の浄化を行なうという方法が行な
われている。しかし活性炭により汚染物質を吸着できて
も、これをさらに無害化するための処理が必要となる問
題を有していた。
【0017】in-situで汚染物質を分解する方法として
は、地下水層に汚染物質分解微生物を注入したり、担体
に固定した微生物を導入するといった微生物処理が提案
されている(Biotreatment News:Vol.3,No.9,A
ugust 1993, p1、Soil &Groundwater Cleanup :D
ecember 1995, p36-43、特開平7-96 289号公報
等参照)。
【0018】地下水層に微生物を注入する場合には、微
生物による二次汚染の問題がある。微生物を担体に固定
した場合には地下水に微生物が混入するという問題は回
避されるが、分解活性が経時的に減少していくため、そ
のままの状態では分解能力が持続せず、分解活性の再賦
活化の操作が必要になることや、固定した微生物が死滅
して溶菌した場合に微生物菌体成分が地下水に漏洩する
という若干の問題があった。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】この様にこれまで種々
の有機塩素化合物の分解方法が提案されてきているが、
本発明者らの検討によれば、分解の為の複雑な装置が必
要であったり、分解生成物の更なる無害化処理等が必要
である場合が多い。そのため、より問題点が少なく、環
境に優しい有機塩素化合物の分解のための技術が必要で
あるとの結論に至った。
【0020】本発明は、本発明者らによる新たな知見に
基づきなされたものであり、その目的はより効率よく環
境に優しく、分解によって生成する化合物が新たな環境
汚染を引き起こしてしまう可能性がより低い有機塩素化
合物の効率的な分解方法及びそれに用いる装置を提供す
ることを目的とする。
【0021】また、in-situでの地下水の浄化方法とし
ては、あまり多くの技術が検討されておらず、また検討
されてきた方法にも実用上問題がある。本発明は上記に
鑑みなされたものであって、本発明の目的は、より実用
的で効率的な汚染地下水のin-situ浄化装置および該浄
化装置を用いる浄化方法を提供することにある。
【0022】上記のような課題の達成を目的として検討
を行なったところ、殺菌効果(特開平1-180 293
号公報)や半導体ウエハー上の汚染物の洗浄効果(特開平
7-51 675号公報))を有することが報告されている
水の電気分解によって得られる機能水、例えば酸性水
が、光の照射を行なうことで優れた有機塩素化合物の分
解能を有しているという新たな知見を得た。
【0023】その後さらに実用に即した形態について検
討を加え、詳細な実験を進めるうちにより簡易で、効率
的な分解には、汚染水に次亜塩素酸を含む溶液及び無機
酸または有機酸を含む溶液加え分解反応を始動させる形
態、または反応中若しくは反応終了後に反応液に次亜塩
素酸を含む溶液を加え、再び分解に供しうる機能水を生
成する形態が望ましいことを見出し本発明に至った。
【0024】また、機能水と同様の能力を発揮するよう
薬剤を汚染地下水中に投与し、そこに光の照射を行なう
ことによりin-situにおいて地下水を浄化できる事実を
見出し本発明に至った。
【0025】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、汚
染物質若しくは汚染物質を含む媒体に、次亜塩素酸を含
む溶液及び無機酸または有機酸を含む溶液を加えること
で汚染機能水を得る工程(a)と、該汚染機能水に光を照
射することにより分解反応を始動させ該汚染物質を分解
する工程(b)とを有する汚染物質分解方法についてのも
のであり、好ましくは、該分解反応途上若しくは終了後
の混合液に次亜塩素酸を含む溶液を加えることで、該混
合液を光照射下での該汚染物質の分解能力を回復させた
再強化機能混合液に変換する工程(c)を有するものであ
る。
【0026】また、汚染物質若しくは汚染物質を含む媒
体と、光照射下で該汚染物質を分解しうる分解反応始動
用の機能水とを、反応場に導入し接触させて混合液を得
る工程(a')と、該混合液に光を照射することにより分解
反応を始動させ該汚染物質を分解する工程(b')とを有す
る汚染物質分解方法において、該分解反応途上若しくは
終了後の混合液に次亜塩素酸を含む溶液を加えること
で、該混合液を光照射下での該汚染物質の分解能力を回
復させた再強化機能混合液に変換する工程(c)を有する
ことを特徴とする、汚染物質分解方法についてのもので
ある。
【0027】さらに、本発明は、前記分解方法を適用す
ることを特徴とする、汚染物質で汚染された地下水の浄
化方法についてのものであり、好ましくは地下水層に到
達する井戸を構築する工程、該井戸内の地下水中に次亜
塩素酸塩を含む薬剤を供給する工程、該井戸内の地下水
に光を照射する工程、の各工程を有するものである。
【0028】また、本発明は、液体を収納する容器を内
装し、汚染物質若しくは汚染物質を含む媒体を該容器に
導入する手段と、次亜塩素酸を含む溶液及び無機酸また
は有機酸を含む溶液を該容器に導入する手段と光を照射
することにより分解反応を始動させ該汚染物質を分解す
る手段とを有することを特徴とする汚染物質分解装置に
ついてのものであり、好ましくは、分解反応途上若しく
は終了後の混合液に次亜塩素酸を含む溶液を加えること
で光照射下で該汚染物質を分解する能力を回復させた再
強化機能混合液を生成する手段を有するものである。
【0029】さらに、液体を収納する容器を内装し、汚
染物質若しくは汚染物質を含む媒体を該容器に導入する
手段と、光照射下で該汚染物質を分解しうる分解反応始
動用の機能水を該容器に導入する手段と、光を照射する
ことにより分解反応を始動させ該汚染物質を分解する手
段とを有する、汚染物質分解装置において、該分解反応
途上若しくは終了後の混合液に次亜塩素酸を含む溶液を
加えることで光照射下で該汚染物質を分解する能力を回
復させた再強化機能混合液を生成する手段を有すること
を特徴とする汚染物質分解装置についてのものである。
【0030】また、本発明は、有機化合物の汚染物質で
汚染された地下水を浄化する装置において、地下水層に
到達する井戸、該井戸内の地下水中に次亜塩素酸塩を含
む薬剤を供給する手段、該井戸内の地下水に光を照射す
る手段、を有することを特徴とする汚染された地下水の
浄化装置についてのものである。
【0031】さらに、本発明は、有機化合物の汚染物質
で汚染された地下水を浄化する方法において、地下水層
に到達する井戸を構築する工程、該井戸内の地下水中に
次亜塩素酸塩を含む薬剤を連続的に供給する工程、該井
戸内の地下水に光を照射する工程、の各工程を有するこ
とを特徴とする、汚染地下水浄化方法についてのもので
ある。
【0032】
【発明の実施の形態】上記のように次亜塩素酸塩の添加
と光の照射によって有機化合物が分解される理由は明ら
かでないが、次亜塩素酸あるいは次亜塩素酸イオンが光
の作用によって塩素ラジカルや水酸基ラジカルやスーパ
ーオキサイドを誘起し、分解に作用するものと考えられ
る。
【0033】なお、次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤とし
てハロゲン化脂肪族炭化水素化合物の分解に用いる方法
が提案されているが(USP 5 611 642)、光を
照射し分解を進めることについて記載されておらず、さ
らにこの方法によってハロゲン化脂肪族炭化水素化合物
や芳香族化合物の汚染地下水をin-situで浄化すること
も記述されていない。
【0034】以下、図を用いて本発明についてより具体
的に説明する。
【0035】本発明に係る分解装置の一実施態様の基本
構成について図7に基づき以下に説明する。図7に於い
て、21は反応装置であり、22は光照射下で有機塩素
化合物を分解しうる機能水と分解されるべき液体状有機
塩素化合物とを混合して収納した容器であり、反応装置
21内に内装されている。
【0036】24は次亜塩素酸を含む溶液を供給する手
段である。25は塩素濃度を一定範囲に保つため前記手
段24からの溶液投入量を制御する手段であって、塩素
濃度検知手段25aと溶液投入量制御手段25bからな
る。
【0037】26は有機酸または無機酸を含む溶液を供
給する手段である。27はpH値を一定範囲に保つため
前記手段26からの溶液投入量を制御する手段であっ
て、pH値検知手段27aと溶液投入量制御手段27bか
らなる。
【0038】28は該汚染物質濃度を一定範囲に保つた
め前記手段23からの汚染物質の投入量を制御する手段
であって、汚染物質濃度検知手段28aと汚染物質投入
量制御手段28bからなる。また、検知手段28aでの検
知データに基づいて、前記次亜塩素酸含有溶液投入量制
御手段25bを介して前記次亜塩素酸を含む溶液を供給
する手段24を制御することも可能である。29は機能
水供給手段である。
【0039】また、容器22は、分解されるべき液体状
有機塩素化合物と次亜塩素酸を含む溶液を供給する手段
24及び有機酸または無機酸を含む溶液を供給する手段
26を用いて、溶液を混合し汚染機能水を生成し収納し
た容器である。
【0040】光照射手段30によって反応装置21内に
所定の時間光を照射することで、分解対象物が分解され
る。分解されるべき液体状有機塩素化合物は分解対象物
質供給手段23から供給される。
【0041】手段25a及び28aはいかなるものでも良
い。図では、反応溶液中に各々を検知する手段を配して
いるが、気相部に検知する手段を配して気相部の測定値
を用いる構成をとっても構わない。
【0042】次に、この基本構成によって得られる作用
を説明する。
【0043】反応装置21に分解対象物質供給手段23
から分解対象物質が供給され、機能水供給手段29に機
能水が供給され、容器22内で混合され分解用の混合液
が調製される。
【0044】また、他の分解の始動では、反応装置21
に分解対象物質供給手段23から分解対象物質が供給さ
れ、次亜塩素酸を含む溶液を供給する手段24及び有機
酸または無機酸を含む溶液を供給する手段26を用い
て、次亜塩素酸を含む溶液及び有機酸または無機酸を含
む溶液が供給され、容器22内で混合され分解用の混合
液(汚染機能水)が調製される。
【0045】反応装置21内の容器22には光照射手段
30によって反応装置21内に光を所定の時間照射し、
分解対象物は分解される。この過程において、汚染物質
濃度は前記汚染物質検知手段28aで監視されている。
【0046】ここで、検知手段28aで検知された汚染
物質濃度の低下の度合いが小さくなり、若しくは全く低
下が認められない場合は、次亜塩素酸を含む溶液を供給
する手段24から所定量の次亜塩素酸を含む溶液を投入
する。これにより混合液は再強化機能混合液となり、汚
染物質の分解が再び活発になり、汚染物質濃度の低下が
進む。
【0047】また、次亜塩素酸を含む溶液を供給する手
段24と塩素濃度を一定範囲に保つため前記手段24か
らの溶液投入量を制御する手段25によって所定量の次
亜塩素酸を含む溶液が投入されることで再強化機能混合
液が生成され、汚染物質の分解が再び活発になる構成と
しても良い。
【0048】所定量の次亜塩素酸を含む溶液が投入され
たとき、次亜塩素酸の添加によりpHが所望の値を超えた
場合は、有機酸または無機酸含む溶液を供給する手段2
6とpH値を一定範囲に保つため前記手段26からの溶
液投入量を制御する手段によって所定量の有機酸または
無機酸を含む溶液が投入される構成を付加しても良い。
有機塩素化合物は、分解されて有機酸を生成する場合が
多く、これを利用すれば、有機酸または無機酸を敢えて
投入する必要はない。いずれにしろpHがある範囲以下
に維持されることで再強化機能混合液が生成され、汚染
物質の分解が再び促進される。
【0049】また、汚染濃度の低下が順調に進む場合
は、分解対象物質供給手段23からさらに分解対象物質
を供給してもよい。分解対象物質、次亜塩素酸を含む溶
液、有機酸または無機酸を含む溶液、機能水等を供給す
るポンプをマイクロコンピューターなどにより制御し
て、適用する供給量などをコントロールすることもでき
る。
【0050】以上の工程を繰り返し行なってもよいし、
第1回の反応で所望の分解結果が得られたら、反応を終
了しても良い。また場合に依っては、すべての手段を用
いて分解反応を行なわなくても良い。例えば、塩素濃度
検知手段25aを取り除き塩素濃度のデータでなく、汚
染濃度検知手段28aの汚染濃度のデータから次亜塩素
酸の投入量を決めても良い。
【0051】図8、9に一実施態様の処理の流れを2つ
示す。
【0052】[分解反応始動用の混合溶液・再強化機能
混合液の性状]本発明の分解方法においては、特に再び
分解を行ないうる再強化機能混合液を生成するため、再
強化機能混合液のpHを所望の範囲とするよう有機酸ま
たは無機酸を投入を行ない、また、塩素濃度を所望の範
囲とするよう次亜塩素酸を含む溶液の投入を行なってい
る。
【0053】また分解反応始動用の混合溶液として、分
解対象物質と機能水と混合する形態と、分解対象物質に
次亜塩素酸を含む溶液及び有機酸または無機酸を含む溶
液と混合する形態がある。後者の形態による混合溶液を
汚染機能水とする。
【0054】前者(分解対象物質と機能水と混合する形
態)に於ける機能水の作成の方法は、電気分解によりも
のと、次亜塩素酸を含む溶液及び有機酸または無機酸を
含む溶液と混合する方法がある。
【0055】ここで再強化機能混合液とは、反応の進ん
だ混合液をベースとし、かつ分解反応始動用機能水もし
くは分解反応始動時の混合液と同様の分解機能成分(塩
素など)を含み同等の分解反応性をもつものを指す。な
お、次亜塩素酸を含む溶液を投入する時の混合液の状態
は、分解機能成分が完全に消費された状態でも、分解機
能成分がいくらか残存していてもよく、また、汚染物質
が完全に分解された濃度ゼロの状態でも、汚染物質がい
くらか残存していてもよい。
【0056】以下に分解反応始動用の機能水、分解反応
始動用の汚染機能水、再強化機能混合液の所望のpH、
塩素濃度の範囲等をさらには分解反応始動用の機能水に
ついて示す。
【0057】即ち、分解反応始動用の汚染機能水及び再
強化機能混合液の性状としては、有効塩素濃度が 2〜20
00 mg/L であり、より好ましくは水素イオン濃度(pH
値)が1以上4以下、かつ塩素濃度が 5 mg/L 以上 200
mg/L 以下の性状をもつ水溶液が良い。
【0058】有効塩素濃度が 2 mg/L 以上 2000 mg/L
以下の分解反応始動用の汚染機能水及び再強化機能混
合液を得るには次亜塩素酸を含む溶液を投入すると良
い。次亜塩素酸を含む溶液としては、次亜塩素酸ナトリ
ウム及び次亜塩素酸カリウム等の次亜塩素酸塩溶液が良
い。また、その濃度は、例えば次亜塩素酸ナトリウムの
場合、最終濃度が 0.001〜1.0 %、特に 0.005〜0.05
%の範囲が望ましい。
【0059】分解反応始動用の汚染機能水及び再強化機
能混合液の水素イオン濃度(pH値)を1以上4以下の範
囲にするためには有機酸または無機酸を共存させると良
い。有機塩素化合物は、分解されて有機酸を生成する場
合が多く、特に再強化機能混合液の場合pHが所望の範
囲に保たれていれば新たに有機酸または無機酸を投入す
る必要はない。
【0060】有機酸または無機酸を投入する場合の有機
酸または無機酸としては、塩酸、フッ酸、シュウ酸、硫
酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、りんご酸及びクエン
酸から選ばれる少なくとも一つなどがある。投入する有
機酸または無機酸の量はその種類によって異なる。むし
ろpHを4.0以下にする量とすることが望ましいが、例
えば、塩酸の場合、最終濃度が 0.005〜0.1%、特に 0.
01〜0.03 %が望ましい。
【0061】さらに分解反応始動用の機能水としては、
水の電気分解によって生成する機能水、例えば電解質
(例えば、塩化ナトリウムや塩化カリウムなど)を原水に
溶解し、この水を一対の電極を有する水槽内で電気分解
を行なうことによってその陽極近傍で得ることができ
る、塩素濃度が 2〜200 mg/L 、好ましくは水素イオン
濃度(pH値)が1以上4以下、作用電極をプラチナ電極
とし参照電極を銀-塩化銀としたときの酸化還元電位が
800 mV以上 1500 mV以下、かつ塩素濃度が 5 mg/L
以上 200 mg/L 以下の性状をもつ水溶液が望ましい。
【0062】上記したような特性の分解反応始動用の機
能水を製造する場合、電解前の原水中の電解質の濃度は
例えば塩化ナトリウムでは 20 mg/L 〜2000 mg/L が
望ましく、そのときの電解電流値は2A〜20Aとする
のが望ましい。そしてこのような分解反応始動用の機能
水を得る手段としては、市販の強酸性電解水生成器(例
えば、商品名:オアシスバイオハーフ;旭硝子エンジニア
リング(株)社製、商品名:強電解水生成器(Model FW-
200;アマノ(株)社製等)を利用することができる。
【0063】またこのとき一対の電極間に隔膜を配置し
た場合、陽極近傍に生成される酸性水と陰極近傍にて生
成するアルカリ性の水との混合を防ぐことができ、有機
塩素化合物の分解をより効率的に行なう事ができる酸性
水を得ることができる。該隔膜としては例えばイオン交
換膜等が好適に用いられる。
【0064】また上記した電気分解によって生成する分
解反応始動用の機能水とほぼ同等の有機塩素化合物分解
能を奏する分解反応始動用の機能水は、電解によってば
かりでなく原水に種々の試薬を溶解して調製することも
可能である。例えば、塩酸 0.001〜0.1 mol/L(0.001〜
0.1Nより算出)、塩化ナトリウム 0.005〜0.02 mol/L
(0.005〜0.02Nより算出)、および次亜塩素酸ナトリウ
ム 0.0001〜0.1 mol/Lとすることにより得ることがで
きる。
【0065】また、pH4以上10以下、好ましくは酸
化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電極:銀-塩化
銀電極) 300〜1100 mV、及び塩素濃度 2〜100 mg/L
の分解反応始動用の機能水も電解によってばかりでなく
原水に種々の試薬を溶解して調製することも可能であ
る。例えば、塩酸 0.001〜0.1 mol/L(0.001〜0.1Nよ
り算出)、水酸化ナトリウム 0.001〜0.1 mol/L(0.001
〜0.1Nより算出)、および次亜塩素酸ナトリウム 0.000
1〜0.01 mol/Lとすることにより得ることができるし、
次亜塩素酸塩のみを用いて、例えば次亜塩素酸ナトリウ
ム 0.0001〜0.1mol/L とすることでも得られる。
【0066】なお、これら分解反応始動用の汚染機能
水、機能水の調製もしくは再生のために投入される次亜
塩素酸塩としては、他に次亜塩素酸カリウムも好適に用
いられる。
【0067】塩酸と次亜塩素酸塩でpHが4.0以下で塩
素濃度が2mg/L 以上の分解反応始動用の機能水を調製
することもできる。上記の塩酸の代りに他の無機酸また
は有機酸を使用することができる。無機酸としては例え
ば、フッ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などが、有機酸とし
ては酢酸、ぎ酸、りんご酸、クエン酸、シュウ酸などが
利用できる。また、弱酸性水粉末生成剤(例えば、商品
名キノーサン21X(クリーンケミカル株式会社製))と
して市販されているN333NaCl2等を用いても機能
水を製造することができる。
【0068】これら薬品調合による分解反応始動用の汚
染機能水、分解反応始動用の機能水も、実施例から明ら
かなように分解能力に差はあるものの光を照射すること
で電解による分解反応始動用の機能水の場合と同様に有
機塩素化合物を分解する能力を有する。ここで原水とは
水道水、河川水、海水等が挙げられる。これらの水のp
Hは通常6〜8の間にあり、塩素濃度は最大でも1mg/
リットル未満であり、このような原水は当然のことなが
ら上記したような有機塩素化合物の分解能は有さない。
【0069】(分解対象有機塩素化合物)ここで分解対象
となる有機塩素化合物としては、光照射下で機能水で分
解可能な有機塩素化合物なら良く、例えば、塩素化エチ
レン、塩素化メタン等が挙げられる。
【0070】具体的には塩素化エチレンとしては、エチ
レンの1〜4塩素置換体、即ちクロロエチレン、ジクロ
ロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレ
ンが挙げられる。更にジクロロエチレンとしては、例え
ば1,1-ジクロロエチレン(塩化ビニリデン)、cis-1,
2-ジクロロエチレン、trans-1,2-ジクロロエチレン
メタンを挙げることができる。
【0071】また塩素化メタンとしては、メタンの塩素
置換体、例えばクロロメタン、ジクロロメタン、トリク
ロロメタン等が挙げられる。
【0072】ビフェニル化合物の例としてはPCBが挙
げれられる。
【0073】分解対象化合物の濃度はいかなる濃度でも
分解可能ならば構わなく、また分解対象化合物の種類に
よって濃度は異なるが、本発明の一例は分解総量として
反応溶液あたり 0.1g/L 以上 5.0 g/L 以下の高度処理
の有機塩素化合物の分解に利用することができる。例え
ば回収溶剤の分解等に最適である。
【0074】(光源について)機能水による有機塩素化合
物の分解の際に照射する光としては、例えば、波長30
0〜500nm、特には350〜450nmの光が有機塩
素化合物または芳香族化合物の分解には特に好ましい。
また次亜塩素酸と分解対象有機塩素化合物とを含む反応
用混合液に対する光照射強度は分解効率という観点か
ら、10μW/cm2〜10mW/cm2、特には50μW/c
2〜5mW/cm2が好ましい。具体的には、例えば波長
360〜380nmにピークを持つ光源では数百μW/c
2(300nm〜400nm間を測定)の強度で実用上十
分の分解が進む。
【0075】そしてこの様な光の光源としては自然光
(例えば、太陽光等)または人工光(水銀ランプ、ブラッ
クライト、カラー蛍光ランプ等)を用いることができ
る。
【0076】次亜塩素酸と分解対象有機塩素化合物とを
含む反応用混合液に対する光の照射は、機能水に対して
直接行なってもよく、或いはガラスやプラスティック等
でできている透明な容器を介して行なってもよい。また
機能水を生成する過程で光照射を行なってもよいし、生
成後に照射してもよい。いずれにしろ、分解を著しく促
進するには、機能水と有機塩素化合物の接触時に光照射
を行なうのが望ましい。また機能水若しくは再強化機能
混合液を用いる本実施態様においては、光として人体に
影響の大きい250nm近辺若しくはそれ以下の紫外光
を用いる必要がない。
【0077】次に汚染地下水浄化に関する本発明の実施
態様を図面に基づいて具体的に説明する。
【0078】まず本発明では汚染地下水に到達する井戸
を構築する。井戸の掘削方法に関しては通常用いられて
いる方法でよい。井戸の直径は太い方が好ましいが、ボ
ーリング技術とコストの面から適宜選択される。細い直
径の井戸を使用するときは、本数を多くする等によって
対応する。複数の井戸を設置する場合、地上から見て汚
染地下水層帯を横断するように配置すると効果的であ
る。
【0079】井戸壁面は井戸内への地下水の流入を妨げ
ないことが望まれ、井戸の構造強度が保たれる範囲で井
戸内への地下水の透水速度が本来の地下水の流速にでき
る限り近いことが望ましい。そのため井戸壁面は小穴が
多数個存在するなど、透水性の材料で構成する。また、
井戸内が土砂で埋まるのを防ぐために透水性の壁面は地
下水層と接触する部分だけに限定することも可能であれ
ば望ましい。
【0080】本発明では汚染地下水に次亜塩素酸を含む
薬剤を溶解させるが、地下水は連続的に井戸内に流入し
てくるため、薬剤を連続的に井戸内の地下水に供給する
必要がある。
【0081】本発明の次亜塩素酸を含む薬剤は、次亜塩
素塩酸ナトリウムまたは次亜塩素塩酸カリウムもしくは
それらの混合物といった次亜塩素酸塩を用いればよい。
またこれに加えて、塩酸、フッ酸、シュウ酸、硫酸、リ
ン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、りんご酸及びクエン酸もし
くはそれら二種類以上の混合物といった無機酸または有
機酸を含有させることによってより分解能力を高めるこ
とができる。さらにこれに加えて塩化ナトリウムまたは
塩化カリウムもしくはそれらの混合物を含有させてもよ
い。
【0082】また、本薬剤としては市販品を用いること
も可能であり、弱酸性水粉末生成剤として市販されてい
る商品名キノーサン21X(クリーンケミカル株式会社
製)等を用いてもよい。
【0083】井戸内の地下水中の薬剤濃度としては、井
戸内の地下水の性状がpH1〜9の範囲、作用電極をプ
ラチナ電極とし参照電極を銀-塩化銀としたときの酸化
還元電位が 300〜1500 mVの範囲、且つ塩素濃度が 5
〜150 mg/L の範囲であるようにすればよく、次亜塩素
酸塩は 0.0001〜0.01 mol/L、無機酸は0.001〜0.1N、
塩化ナトリウムや塩化カリウムは 0.001〜0.1 mol/L
(0.001〜0.1Nより算出)とすればよい。
【0084】井戸内の地下水に薬剤を供給する方法とし
てはどのような方法でも支障なく、固体状の薬剤を直接
井戸内に投与してもよいが、高濃度の薬剤溶液を送液ポ
ンプによって供給する方法であってもよい。
【0085】なお地下水流入速度によっては井戸内の地
下水中の薬剤濃度が変動し、場合によっては地下水中の
有機化合物を分解できるだけの濃度が維持できない場合
もある。したがって井戸内の地下水中の薬剤濃度をモニ
タリングすることによって供給する薬剤量を上記の範囲
に制御してもよい。
【0086】供給した薬剤と有機化合物との接触頻度が
大きいほうが分解効率は高まるため、井戸内の地下水を
攪拌することは効果的である。攪拌手段としては攪拌翼
等をモーターによって回転させる等、いかなる方法を採
用してもよいが、コスト、設備削減のために特に外部か
ら動力を導入しなくても地下水流を用いて攪拌する方法
を採ってもよい。例えば該分解槽内に複数の棒状の杭を
設置したり、地下水の上流側に開口した、断面がU字型
の杭を設置することにより分解槽内を流れる地下水流に
乱流を起こし、それによって攪拌を行なうことも可能で
ある。
【0087】地下水の流動速度や地下水中の汚染物質の
濃度が変化することにより分解率が低下することが考え
られるが、地下水中の汚染物質や薬剤の濃度をモニタリ
ングし、これに応じて薬剤を供給する速度や光の照射強
度を制御することにより電解質や電力にかかるコスト低
く抑えながらある程度分解効率を維持することが可能に
なる。
【0088】図1に基づいて、本発明にかかる汚染地下
水のin-situ浄化装置の一実施態様について説明する。
【0089】図1において地下水1が矢印の方向に流れ
ており、その地下水層に到達するように井戸2を構築す
る。地下水1は井戸2の外壁に空けられた孔隙から連続
的に井戸内の地下水貯留部分8に供給される。
【0090】井戸内の地下水貯留部分8は設置した攪拌
装置10によって攪拌される。この井戸内の地下水貯留
部分8に井戸内の地下水中の薬剤濃度が所定の範囲にな
るように薬剤の高濃度溶液をポンプ7によってパイプ6
を通して供給する。薬剤は攪拌装置10によって井戸内
の地下水と混合される。それと同時に井戸2に設置した
光源9により井戸内の地下水貯留部分8に光を照射す
る。これによって井戸内の地下水中に含まれる有機化合
物は分解される。浄化が終了した地下水は、井戸外壁に
空けられた孔隙から井戸2外の地下水層に排出される。
【0091】また、井戸内の地下水をサンプリングする
チューブ11およびポンプ12を設置し、それによって
井戸内の地下水中の薬剤濃度または汚染物質の濃度をモ
ニタリングする。地下水の流動速度の上昇によって井戸
内の薬剤濃度が減少し、地下水中の汚染物質を分解する
のに必要な能力の機能水を作成することができなくなっ
た場合は、薬剤の供給速度を上げる。
【0092】また、地下水の流動速度の上昇や、地下水
中の汚染物質の濃度が上昇し、汚染物質の処理負荷が高
まったときは、電解質を供給する速度や電極に供給する
電圧もしくは光の照射強度を上げることにより機能水の
分解能力を高め、分解効率の低下をある程度抑える。
【0093】本発明において、汚染機能水、最強化機能
混合液を得るため加える次亜塩素酸溶液、または井戸内
の地下水に供給する次亜塩素酸を含む薬剤の有効塩素濃
度は、投与後、先に記述した範囲にあれば特に限定しな
いが、0.5%〜20%の間であることが望ましい。
【0094】また、本発明において、汚染機能水、最強
化機能混合液を得るため加える無機酸または有機酸溶
液、または井戸内の地下水に供給する無機酸または有機
酸溶液を含む薬剤の濃度は、投与後、先に記述した範囲
にあれば特に限定しないが、1%〜40%の間であるこ
とが望ましい。
【0095】以上、本発明にかかる種々の実施態様につ
いて具体的に説明したが、本発明はこれら実施態様に限
定されるものでないことはいうまでもない。
【0096】
【実施例】以下、本発明の詳細を実施例により図面に基
づいて説明するが、本発明がこれらによってなんら限定
されるものではない。
【0097】[実施例1](トリクロロエチレンの浄化試
験) [実施例1-A] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウム、塩酸、塩化ナトリウム
を用いたときのトリクロロエチレンの浄化試験) (試験に用いた装置の説明)図2(試験装置の全体図)に示
すような幅100cm、奥行なき20cm、高さ50cm
の密閉できるステンレス製の槽51に図のように両端か
ら5cmの部分にステンレス製の仕切り板52を設け
た。この仕切り板の底部から30cmの部分には孔径3
mmの孔が開いている。槽の一端には底部から30cm
の高さにドレイン53を設け、ドレインのついた槽の壁
と仕切り板で区切られた空間をモデル地下水の排出室5
4、反対側の槽の壁と仕切り板で区切られた空間をモデ
ル地下水の供給室55とした。槽の中央に直径10cm
のステンレス管2本を並べて設置し、これをモデル井戸
56とした。
【0098】このモデル井戸56の底部から30cmの
部分には孔径3mmの孔が開いている。2枚の仕切り板
52の間のモデル井戸の周りに粒径約5mmの砂利を一
杯に詰め、モデル地下水層とした。チューブポンプによ
って地下水供給室55にモデル地下水として純水を注入
すると、モデル地下水はモデル地下水層、モデル井戸5
6内および地下水排出室54に浸透し、水位を上げてや
がて地下水排出室のドレイン53から排出される。
【0099】モデル地下水がドレイン53から排出され
るようになると地下水供給室55に注水したモデル地下
水は層流となってモデル地下水層を通過し、面状に地下
水排出室54に排出されるようになる。以上によって地
盤中の地下水の移動およびそれに設けられた井戸をモデ
ル化した。
【0100】次に槽を横から拡大した図3(モデル井戸
の拡大図)を示す。槽には砂利68が充填され、底から
30cmまでモデル地下水67が満たされている。モデ
ル地下水67は井戸壁面の孔からモデル井戸56内に浸
入する。モデル井戸56内にチューブポンプ65によっ
て高濃度の薬剤溶液を滴下するチューブ64を、供給す
る薬剤の種類に応じた数だけ設置した。
【0101】また、井戸内の地下水中に攪拌器62によ
って回転する攪拌翼61を設置し、さらに井戸内の地下
水液面全体を照らすように地下水面上5cmの位置にブ
ラックライト蛍光ランプ(商品名:EFD15BLB;株
式会社東芝製,15W,波長300〜400nm)63を設
置した。そして電源69からブラックライト蛍光ランプ
63に電力を供給するようにした。また、井戸内の地下
水をサンプリングするためのテフロン製のチューブ81
およびポンプ82を設置した。
【0102】(地下水中の薬剤濃度の確認)純水を用いた
地下水の流動速度を2cm/hr とし、1%の次亜塩素酸
ナトリウム、1.2%の塩酸、5%の塩化ナトリウムを
含む薬剤を、光照射を行なわない場合の井戸内の地下水
中の濃度として各々 0.0001〜0.01 mol/L、0.001〜0.1
mol/L(0.001〜0.1Nより算出)、0.001〜0.1 mol/L(0.
001〜0.1Nより算出)になるように供給し、井戸内の地
下水を60rpmで攪拌した。このように薬剤の組成およ
び濃度を様々に変えたところ、井戸内の水のpHは1.0
〜4.0、酸化還元電位は 300〜1500 mV、塩素濃度は
5〜150 mg/L の範囲に変化した。
【0103】(浄化試験)5ppmのトリクロロエチレンを
含有した地下水の流動速度を2日おきに2cm/hr から
4cm/hr まで1cm/hr ごとに上昇させた。その間、上
記の薬剤を10mL/hr の速度で供給し、井戸内の地下
水を60rpmで攪拌した。井戸内の地下水を60rpmで
攪拌しながら、電極に電圧をかけ、5Aの電流を流すよ
うにした。さらにブラックライト蛍光ランプによって光
を照射した。このとき地下水面上の照射光量を0.2m
W/cm2となるように蛍光ランプに与える電圧を調整し
た。
【0104】その後24時間ごとに地下水中のトリクロ
ロエチレン濃度を測定した。トリクロロエチレン濃度は
井戸内の地下水を1mL サンプリングし、直ちに10m
L の n-ヘキサンの入った容器に入れ、3分間攪拌した
後 n-ヘキサン層を分取し、ECDガスクロマトグラフ
ィーにてトリクロロエチレン濃度を測定した。その結果
を図4に示す。
【0105】また、薬剤を供給しない場合、塩化ナトリ
ウム、光照射を行なわない場合を対照試験として同様の
試験を行なったところ、トリクロロエチレンの分解は観
測されなかった。光照射を行なわなかった場合(対照試
験)の結果を合わせて図4に示す。
【0106】この試験により、塩酸、塩化ナトリウム、
および次亜塩素酸ナトリウムの投与と光照射により、地
下水中のトリクロロエチレンの分解が可能であることが
わかる。
【0107】[実施例1-B]24時間ごとに井戸内の地
下水をサンプリングし、そのサンプル中の次亜塩素酸ナ
トリウムから生成した塩素の濃度を測定することによっ
て井戸内の地下水中の薬剤濃度をモニタリングした。塩
素濃度は塩素濃度計によって測定し、地下水中の塩素濃
度が 0.07 %となるように薬剤の供給速度を変化させた
他は、実施例1-Aと同様の試験を行なった。その結果
を図4に示す。
【0108】この試験により、地下水中の薬剤濃度を計
測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度を制御する
ことにより、地下水中のトリクロロエチレンの分解効率
が向上することがわかる。
【0109】[実施例1-C]モニタリングした井戸内の
地下水中のトリクロロエチレン濃度が前回の測定時より
10%以上上昇した場合に薬剤の供給速度をそれまでの
2倍にした他は、実施例1-Aと同様の試験を行なっ
た。その結果を図4に示す。
【0110】この試験により、地下水中のトリクロロエ
チレン濃度を計測し、その濃度に応じて薬剤を供給する
速度を制御することにより、地下水中のトリクロロエチ
レンの分解効率が向上することがわかる。
【0111】[実施例1-D]モニタリングした井戸内の
地下水中のトリクロロエチレン濃度が前回の測定時より
10%以上上昇した場合に蛍光ランプに供給する電圧を
上げ、地下水面上の照射光量としてそれまでより 0.15
mW/cm2上げた他は、実施例1-Aと同様の試験を行な
った。その結果を図4に示す。
【0112】この試験により、地下水中のトリクロロエ
チレン濃度を計測し、その濃度に応じて光の照射強度を
制御することにより、地下水中のトリクロロエチレンの
分解効率が向上することがわかる。
【0113】[実施例1-E] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウム、硫酸を用いたときのト
リクロロエチレンの浄化試験)地下水の流動速度を2cm
/hr に固定し、投与する薬剤を次亜塩素酸ナトリウムお
よび硫酸とし、各々の井戸内の地下水中の濃度として
0.002 mol/L、0.003mol/L(0.006Nより算出)となるよ
うにした以外は、実施例1-Aと同様の試験を行なっ
た。このとき井戸内の地下水のpHは2.0、酸化還元電
位は 1200 mV、また残留塩素濃度は 120 mg/L とな
り、トリクロロエチレンの残留濃度は 0.03 ppm以下と
なった。これより、硫酸および次亜塩素酸ナトリウムの
投与と光照射により、トリクロロエチレンを完全に分解
できることがわかる。
【0114】また、次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸の
供給量を変化させ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化
還元電位、および残留塩素濃度にすることによっても、
トリクロロエチレンが分解することを確かめた。
【0115】さらに、次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸
は供給するが、光照射はしない対照試験では、トリクロ
ロエチレンの分解は観測されず、トリクロロエチレンの
分解が次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸の投与と光照射
によるものであることを確認した。
【0116】[実施例1-F] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウムを用いたときのトリクロ
ロエチレンの浄化試験)地下水の流動速度を2cm/hrに
固定し、投与する薬剤を次亜塩素酸ナトリウム単独と
し、井戸内の地下水中の濃度として 0.002 mol/L とな
るようにした以外は実施例1-Aと同様の試験を行なっ
た。このとき井戸内の地下水のpHは9.1、酸化還元電
位は 543 mV、また残留塩素濃度は 165 mg/L とな
り、トリクロロエチレンの残留濃度は 0.08 ppmとなっ
た。これより、硫酸、および次亜塩素酸ナトリウムによ
り調製された機能水と光照射により、トリクロロエチレ
ンを分解できることがわかる。
【0117】また、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を変
化させ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化還元電位、
および残留塩素濃度にすることによっても、トリクロロ
エチレンが分解することを確かめた。
【0118】さらに、次亜塩素酸ナトリウムは供給する
が、光照射はしない対照試験では、トリクロロエチレン
の分解は観測されず、トリクロロエチレンの分解が次亜
塩素酸ナトリウムの投与と光照射によるものであること
を確認した。
【0119】[実施例1-G] (薬剤にキノーサン21Xを用いたときのトリクロロエ
チレンの浄化試験)地下水の流動速度を2cm/hrに固定
し、投与する薬剤をキノーサン21X(クリーンケミカ
ル株式会社製,主成分はN333NaCl2)とし、井戸内
の地下水中の濃度として 175 mg/L となるようにした
以外は、実施例1-Aと同様の試験を行なった。
【0120】このとき井戸内の地下水のpHは4.9、酸
化還元電位は 780 mV、また残留塩素濃度は 65 mg/L
となり、トリクロロエチレンの残留濃度は 0.53 ppm
となった。これより、キノーサン21Xの投与と光照射
により、トリクロロエチレンを分解できることがわか
る。
【0121】また、キノーサン21Xの供給量を変化さ
せ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化還元電位、およ
び残留塩素濃度にすることによっても、トリクロロエチ
レンが分解することを確かめた。さらに、キノーサン2
1Xは供給するが、光照射しない対照試験では、トリク
ロロエチレンの分解は観測されず、トリクロロエチレン
の分解がキノーサン21Xの投与と光照射によるもので
あることを確認した。
【0122】[実施例2](テトラクロロエチレンの浄化
試験) [実施例2-A] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウム、塩酸、塩化ナトリウム
を用いたときのテトラクロロエチレンの浄化試験)地下
水中の汚染物質を5ppmのテトラクロロエチレンにした
以外は、実施例1-Aと同様の試験を行なった。結果を
図5に示す。
【0123】また、薬剤を供給しなかった場合、光照射
を行なわなかった場合、を対照試験として同様の試験を
行なったところ、テトラクロロエチレンの分解は観測さ
れなかった。この試験により、塩酸、塩化ナトリウム、
および次亜塩素酸ナトリウムの投与と光照射により、地
下水中のテトラクロロエチレンの分解が可能であること
がわかる。
【0124】[実施例2-B]24時間ごとに井戸内の地
下水をサンプリングし、そのサンプル中の次亜塩素酸ナ
トリウムから生成した塩素の濃度を測定することによっ
て井戸内の地下水中の薬剤濃度をモニタリングした。塩
素濃度は塩素濃度計によって測定し、地下水中の塩素濃
度が 0.07 %となるように薬剤の供給速度を変化させた
他は、実施例2-Aと同様の試験を行なった。その結果
を図5に示す。
【0125】この試験により、地下水中の薬剤の濃度を
計測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度を制御す
ることにより、地下水中のテトラクロロエチレンの分解
効率が向上することがわかる。
【0126】[実施例2-C]モニタリングした井戸内の
地下水中のテトラクロロエチレン濃度が前回の測定時よ
り10%以上上昇した場合に、薬剤の供給速度をそれま
での2倍にした他は、実施例2-Aと同様の試験を行な
った。その結果を図5に示す。
【0127】この試験により、地下水中のテトラクロロ
エチレン濃度を計測し、その濃度に応じて薬剤を供給す
る速度を制御することにより、地下水中のテトラクロロ
エチレンの分解効率が向上することがわかる。
【0128】[実施例2-D]モニタリングした井戸内の
地下水中のテトラクロロエチレン濃度が前回の測定時よ
り10%以上上昇した場合に蛍光ランプに供給する電圧
を上げ、地下水面上の照射光量としてそれまでより 0.1
5 mW/cm2上げた他は、実施例2-Aと同様の試験を行
なった。その結果を図5に示す。
【0129】この試験により、地下水中のテトラクロロ
エチレン濃度を計測し、その濃度に応じて光の照射強度
を制御することにより、地下水中のテトラクロロエチレ
ンの分解効率が向上することがわかる。
【0130】[実施例2-E] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウム、硫酸を用いたときのテ
トラクロロエチレンの浄化試験)地下水の流動速度を2c
m/hr に固定し、投与する薬剤を次亜塩素酸ナトリウム
および硫酸とし、各々の井戸内の地下水中の濃度として
0.002 mol/L、0.003mol/L(0.006Nより算出)となる
ようにした以外は、実施例2-Aと同様の試験を行なっ
た。
【0131】このとき井戸内の地下水のpHは2.0、酸
化還元電位は 1200 mV、また残留塩素濃度は 120 mg
/L となり、テトラクロロエチレンの残留濃度は 0.03 p
pm以下となった。これより、硫酸、および次亜塩素酸
ナトリウムにより調製された機能水と光照射により、テ
トラクロロエチレンを完全に分解できることがわかる。
【0132】また、次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸の
供給量を変化させ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化
還元電位、および残留塩素濃度にすることによっても、
テトラクロロエチレンが分解することを確かめた。
【0133】さらに、次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸
は供給するが、光照射はしない対照試験では、テトラク
ロロエチレンの分解は観測されず、テトラクロロエチレ
ンの分解が次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸の投与と光
照射によるものであることを確認した。
【0134】[実施例2-F] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウムを用いたときのテトラク
ロロエチレンの浄化試験)地下水の流動速度を2cm/hr
に固定し、投与する薬剤を次亜塩素酸ナトリウム単独と
し、井戸内の地下水中の濃度として 0.002 mol/L とな
るようにした以外は、実施例2-Aと同様の試験を行な
った。
【0135】このとき井戸内の地下水のpHは9.1、酸
化還元電位は 543 mV、また残留塩素濃度は 165 mg/
L となり、テトラクロロエチレンの残留濃度は 0.12 pp
mとなった。これより、硫酸、および次亜塩素酸ナトリ
ウムにより調製された機能水と光照射により、テトラク
ロロエチレンを分解できることがわかる。
【0136】また、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を変
化させ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化還元電位、
および残留塩素濃度にすることによっても、テトラクロ
ロエチレンが分解することを確かめた。
【0137】さらに、次亜塩素酸ナトリウムは供給する
が、光照射はしない対照試験では、テトラクロロエチレ
ンの分解は観測されず、テトラクロロエチレンの分解が
次亜塩素酸ナトリウムの投与と光照射によるものである
ことを確認した。
【0138】[実施例2-G] (薬剤にキノーサン21Xを用いたときのテトラクロロ
エチレンの浄化試験)地下水の流動速度を2cm/hr に固
定し、投与する薬剤をキノーサン21X(クリーンケミ
カル株式会社製、主成分はN333NaCl2)とし、井
戸内の地下水中の濃度として 175 mg/L となるように
した以外は、実施例2-Aと同様の試験を行なった。こ
のとき井戸内の地下水のpHは4.9、酸化還元電位は 7
80 mV、また残留塩素濃度は 65 mg/L となり、テト
ラクロロエチレンの残留濃度は 0.80 ppmとなった。こ
れより、キノーサン21Xの投与と光照射により、テト
ラクロロエチレンを分解できることがわかる。
【0139】また、キノーサン21Xの供給量を変化さ
せ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化還元電位、およ
び残留塩素濃度にすることによっても、テトラクロロエ
チレンが分解することを確かめた。
【0140】さらに、キノーサン21Xは供給するが、
光照射はしない対照試験では、テトラクロロエチレンの
分解は観測されず、テトラクロロエチレンの分解がキノ
ーサン21Xの投与と光照射によるものであることを確
認した。
【0141】[実施例3](PCBの浄化試験) [実施例3-A] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウム、塩酸、塩化ナトリウム
を用いたときのPCBの浄化試験)地下水中の汚染物質
を5ppmのテトラクロロエチレンにした以外は、実施例
1-Aと同様の試験を行なった。結果を図6に示す。ま
た、薬剤を供給しなかった場合、光照射を行なわなかっ
た場合を対照試験として同様の試験を行なったところ、
テトラクロロエチレンの分解は観測されなかった。この
試験により、塩酸、塩化ナトリウム、および次亜塩素酸
ナトリウムの投与と光照射により、地下水中のPCBの
分解が可能であることがわかる。
【0142】[実施例3-B]24時間ごとに井戸内の地
下水をサンプリングし、そのサンプル中の次亜塩素酸ナ
トリウムから生成した塩素の濃度を測定することによっ
て井戸内の地下水中の薬剤濃度をモニタリングした。塩
素濃度は塩素濃度計によって測定し、地下水中の塩素濃
度が 0.07 %となるように薬剤の供給速度を変化させた
他は、実施例3-Aと同様の試験を行なった。その結果
を図6に示す。
【0143】この試験により、地下水中の薬剤の濃度を
計測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度を制御す
ることにより、地下水中のPCBの分解効率が向上する
ことがわかる。
【0144】[実施例3-C]モニタリングした井戸内の
地下水中のPCB濃度が前回の測定時より10%以上上
昇した場合に、薬剤の供給速度をそれまでの2倍にした
他は、実施例3-Aと同様の試験を行なった。その結果
を図6に示す。この試験により、地下水中のPCB濃度
を計測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度を制御
することにより、地下水中のPCBの分解効率が向上す
ることがわかる。
【0145】[実施例3-D]モニタリングした井戸内の
地下水中のPCB濃度が前回の測定時より10%以上上
昇した場合に、蛍光ランプに供給する電圧を上げ、地下
水面上の照射光量としてそれまでより 0.15 mW/cm2
上げた他は、実施例3-Aと同様の試験を行なった。そ
の結果を図6に示す。この試験により、地下水中のPC
B濃度を計測し、その濃度に応じて光の照射強度を制御
することにより、地下水中のPCBの分解効率が向上す
ることがわかる。
【0146】[実施例3-E] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウム、硫酸を用いたときのP
CBの浄化試験)地下水の流動速度を2cm/hr に固定
し、投与する薬剤を次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸と
し、各々の井戸内の地下水中の濃度として 0.002 mol/
L、0.003mol/L(0.006Nより算出)となるようにした以
外は、実施例3-Aと同様の試験を行なった。このとき
井戸内の地下水のpHは2.0、酸化還元電位は 1200 m
V、また残留塩素濃度は 120 mg/L となり、PCBの
残留濃度は 0.12 ppmとなった。これより、硫酸、およ
び次亜塩素酸ナトリウムにより調製された機能水と光照
射により、PCBを分解できることがわかる。
【0147】また、次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸の
供給量を変化させ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化
還元電位、および残留塩素濃度にすることによっても、
PCBが分解することを確かめた。
【0148】さらに、次亜塩素酸ナトリウムおよび硫酸
は供給するが、光照射しない対照試験では、PCBの分
解は観測されず、PCBの分解が次亜塩素酸ナトリウム
および硫酸の投与と光照射によるものであることを確認
した。
【0149】[実施例3-F] (薬剤に次亜塩素酸ナトリウムを用いたときのPCBの
浄化試験)地下水の流動速度を2cm/hr に固定し、投与
する薬剤を次亜塩素酸ナトリウム単独とし、井戸内の地
下水中の濃度として 0.002 mol/L となるようにした以
外は、実施例3-Aと同様の試験を行なった。このとき
井戸内の地下水のpHは9.1、酸化還元電位は 543 m
V、また残留塩素濃度は 165 mg/L となり、PCBの
残留濃度は 0.38 ppmとなった。これより、硫酸、およ
び次亜塩素酸ナトリウムにより調製された機能水と光照
射により、PCBを分解できることがわかる。
【0150】また、次亜塩素酸ナトリウムの供給量を変
化させ、井戸内の地下水を異なるpH、酸化還元電位、
および残留塩素濃度にすることによっても、PCBが分
解することを確かめた。
【0151】さらに次亜塩素酸ナトリウムは供給する
が、光照射しない対照試験ではPCBの分解は観測され
ず、PCBの分解が、次亜塩素酸ナトリウムの投与と光
照射によるものであることを確認した。
【0152】[実施例3-G] (薬剤にキノーサン21Xを用いたときのPCBの浄化
試験)地下水の流動速度を2cm/hr に固定し、投与する
薬剤をキノーサン21X(クリーンケミカル株式会社製,
主成分はN333NaCl2)とし、井戸内の地下水中の
濃度として 175 mg/L となるようにした以外は、実施
例3-Aと同様の試験を行なった。このとき井戸内の地
下水のpHは4.9、酸化還元電位は 780 mV、また残
留塩素濃度は 65 mg/L となり、PCBの残留濃度は
1.32 ppmとなった。
【0153】これにより、キノーサン21Xの投与と光
照射によりPCBを分解できることがわかる。また、キ
ノーサン21Xの供給量を変化させ、井戸内の地下水を
異なるpH、酸化還元電位、および残留塩素濃度にする
ことによってもPCBが分解することを確かめた。
【0154】さらに、キノーサン21Xは供給するが、
光照射はしない対照試験では、PCBの分解は観測され
ず、PCBの分解がキノーサン21Xの投与と光照射に
よるものであることを確認した。
【0155】[実施例4]強酸性機能水生成装置(商品名:
強酸性電解水生成器(オアシスバイオハーフ(ADE-6
1);旭硝子エンジニアリング(株)社製)を用いて分解反
応始動用の機能水を調製した。なお陽極及び陰極の間に
は隔膜が配置されている。
【0156】この装置を用いるとともに、電解する水の
電解質濃度、電解時間を種々変化さて、その結果陽極側
で得られる酸性の機能水のpHおよび酸化還元電位をpH
メーター((株)東興化学研究所、TCX-90iおよびK
P900-2N)および導電率メーター((株)東興化学研
究所、TCX-90iおよびKM900-2N)で、また塩
素濃度を塩素試験紙(メルク社)により測定した。
【0157】その結果、電解質である塩化ナトリウムの
濃度(標準濃度は 1000 mg/L)などによってこの分解反
応始動用の機能水のpHは1.0〜4.0、酸化還元電位
は 800 mV〜1500 mV、また塩素濃度は 5 mg/L〜15
0 mg/L に変化した。そこで本実施例ではハロゲン化脂
肪族炭化水素化合物または芳香族化合物の分解実験に用
いる分解反応始動用の機能水としてpH2.1、酸化還元
電位 1150 mV、残留塩素濃度 54 mg/L の分解反応始
動用の機能水を用意した。
【0158】次に68mL 容のガラスバイアル瓶を複数
本用意し、各々のガラスバイアル瓶に機能水を14mL
、トリクロロエチレン(TCE)を75μL ずつ加え、
テフロンライナー付 ブチルゴム栓とアルミシールで密
閉した。よく攪拌した後、ブラックライト蛍光ランプ
(商品名:FL10BLB;株式会社東芝製、10W)の光
を照射した。照射光量は0.4〜0.7mW/cm2とし
た。
【0159】なおガラスバイアル瓶中のTCEの量は気
相部分のTCE濃度から算出した。気相部分のTCE濃
度の測定は、ガラスバイアル瓶の気相部分をガスタイト
シリンジでサンプリングし、TCE濃度をガスクロマト
グラフィー(商品名:GC-14B(FID検出器付);島津
製作所(株)社製、カラムはJ&W社製DB-624)で測
定した。
【0160】1時間の光照射後各々のガラスバイアル瓶
中のTCE量を測定したところ、2.23 mg〜4.33 mg
であった。
【0161】その後、ガラスバイアル瓶を2つのグルー
プに分け、そのまま光照射を続けるグループをA、次亜
塩素酸を加え、光照射を行なうグループをBとした。次
亜塩素酸として次亜塩素酸ナトリウムを加え最終濃度が
0.01%となるようにした。各々のグループにさらに1
時間光照射を行なったところ、そのまま光照射を続けた
グループAの各々のガラスバイアル瓶中のTCE量は殆
ど変化がなかったが、次亜塩素酸を加え、光照射を行な
ったグループBの各々のガラスバイアル瓶中のTCE量
は 0.28 mg〜0.37 mg と減少していた。
【0162】反応済みの混合液に次亜塩素酸を追加し光
照射を行なうことにより、さらにTCEを分解できるこ
とがわかった。また、pHおよび残留塩素濃度の条件の
異なった複数の反応済みの混合液のサンプルに対し、次
亜塩素酸の添加濃度をさらに変化させ、様々な条件下で
TCEが分解できることを確かめた。
【0163】[実施例5]実施例4のグループAと同様に
して作成した複数のサンプルに次亜塩素酸の添加量を変
化させpH2.0〜9.0のサンプルを各種作成し、光照
射を行なった。pH2.0〜4.0のサンプルにおけるガ
ラスバイアル瓶中のTCE量はいずれも5%以下になっ
た。pH5.0〜9.0のガラスバイアル瓶中のTCE量
はすべて15%以上残留していた。
【0164】[実施例6]実施例5のpH5.0〜9.0の
サンプルを2つのグループに分け一つのグループには塩
酸を加えpH2.2〜2.7とし、光照射を行なった。他
のグループは塩酸を加えず光照射を行なった。
【0165】塩酸を加えたガラスバイアル瓶中の残留T
CEは5%以下であった。一方、塩酸を加えなかったサ
ンプルのTCE量は殆ど変化がなかった。
【0166】また、塩酸を加える量を変化させ異なるp
Hをもつ再強化機能混合液について検討したところpH
1.0〜4.0のとき十分分解が生じることを確かめた。
【0167】[実施例7]加えるTCE量を40μL とし
た以外は実施例4と同様にして得られたグループAの光
照射後の塩素濃度、残留TCE量を測定した。塩素濃度
は5〜11mg/L、残留TCE量は8〜12μL であっ
た。そこでこのグループAにTCE5μL を加え光照射
を行なったところ各々のガラスバイアル瓶中のTCE量
は38〜72μL であった。
【0168】[実施例8]図7の分解装置を用いて分解実
験を行なった。
【0169】反応装置21に分解対象物質供給手段23
から分解対象物質であるトリクロロエチレン(TCE)が
供給され、分解反応始動用の機能水供給手段29に機能
水が10L 供給される。この機能水は、実施例4で使用
した分解反応始動用の機能水と同様のものである。
【0170】トリクロロエチレン(TCE)80g と分解
反応始動用の機能水10L は容器22内で混合される。
反応装置21内の容器22には光照射手段30であるブ
ラックライト(ブラックライト蛍光ランプ(商品名:FL
10BLB;株式会社東芝製、10W)10本で反応装置
内に1時間光照射を行なった。
【0171】この過程において、TCE濃度は汚染物質
検知手段28aで監視されている。汚染物質検知手段2
8aにはTCE分析用に適した、オートサンプリング機
構のついたガスクロマトグラフィ(HNU Systems社
Model 311)を用いた。
【0172】1時間の照射の間TCEの濃度は、残留T
CEで8.2gまで低下したがその後1時間はほぼ分解が
停止したので、これを検知し溶液供給手段24から 12
%次亜塩素酸ナトリウム溶液を5mL 供給した。光照射
を続けたところ分解が進みTCE濃度は減少した。さら
に分解が停止したところでさらに同量の 12 %次亜塩素
酸ナトリウム溶液を供給した。最終的に 96.7 %分解さ
れたところで排水を行なった。
【0173】度重なる、次亜塩素酸ナトリウムの添加に
よりpHが3.0の値を超えた場合は、塩酸を含む溶液を
供給する手段26からpHが3.0以下となるまで塩酸を
含む溶液を供給した。一回の供給量は3.5%塩酸を5
0mL として、pHをその都度測定するようにした。
【0174】[実施例9]純水に塩酸 0.001〜0.1 mol/L
(0.001〜0.1Nより算出)、塩化ナトリウム 0.005〜0.02
mol/L(0.005〜0.02Nより算出)、および次亜塩素酸ナ
トリウム 0.0001〜0.01 mol/L となるように調製した
水溶液について、pH、酸化還元電位、および塩素濃度
を測定したところ、pHは1.0〜4.0、酸化還元電位
は 800 mV〜1500 mV、また塩素濃度は 5 mg/L〜15
0 mg/L に変化し、実施例4と同様な性状をもつ分解反
応始動用の機能水が得られた。
【0175】ここで、塩酸 0.006 mol/L(0.006Nより
算出)、塩化ナトリウム 0.014 mol/L(0.014Nより算
出)、および次亜塩素酸ナトリウム 0.002 mol/L とし
たとき、pH2.3、酸化還元電位 1180 mV、塩素濃度
105 mg/L となり、この分解反応始動用の機能水を実
験に供した。実験方法については、実施例4と同様に行
なった。
【0176】1時間の光照射後各々のガラスバイアル瓶
中のTCE量を測定したところ、2.01 mg〜3.53 mg
であった。
【0177】その後、ガラスバイアル瓶を2つのグルー
プに分け、そのまま光照射を続けるグループをA、次亜
塩素酸を加え、光照射を行なうグループをBとした。次
亜塩素酸として次亜塩素酸ナトリウムを加え最終濃度が
0.01 %となるようにした。各々のグループにさらに1
時間光照射を行なったところ、そのまま光照射を続けた
グループAの各々のガラスバイアル瓶中のTCE量は殆
ど変化がなかったが、次亜塩素酸を加え、光照射を行な
ったグループBの各々のガラスバイアル瓶中のTCE量
は 0.26 mg〜0.39 mg と減少していた。
【0178】反応済みの混合液に次亜塩素酸を追加し光
照射を行なうことにより、さらにTCEを分解できるこ
とがわかった。また、pHおよび塩素濃度の条件の異な
った複数の反応済みの混合液のサンプルに対し、次亜塩
素酸の添加濃度をさらに変化させ、様々な条件下でTC
Eが分解できることを確かめた。
【0179】[実施例10]分解対象物質をテトラクロロ
エチレンとジクロロエチレンの等量の混合物とし、投入
量を5g とした以外実施例9と同様の実験を行なった。
【0180】その結果、光照射1時間後の各々のガラス
バイアル瓶中のテトラクロロエチレンとジクロロエチレ
ン量を測定したところ、合計で 2.03 mg〜4.31mg で
あった。
【0181】その後、ガラスバイアル瓶を2つのグルー
プに分け、そのまま光照射を続けるグループをA、次亜
塩素酸を加え、光照射を行なうグループをBとした。次
亜塩素酸として次亜塩素酸ナトリウムを加え最終濃度が
0.01%となるようにした。
【0182】各々のグループにさらに1時間光照射を行
なったところ、そのまま光照射を続けたグループAの各
々のガラスバイアル瓶中のテトラクロロエチレンとジク
ロロエチレンの合計量は殆ど変化がなかったが、次亜塩
素酸を加え、光照射を行なったグループBの各々のガラ
スバイアル瓶中のテトラクロロエチレンとジクロロエチ
レンの合計量は 0.32 mg〜0.46 mg と減少していた。
【0183】反応済みの混合液に次亜塩素酸を追加し光
照射を行なうことにより、さらにテトラクロロエチレン
とジクロロエチレンを分解できることがわかった。ま
た、pHおよび塩素濃度の条件の異なった複数の反応済み
の混合液のサンプルに対し、次亜塩素酸の添加濃度をさ
らに変化させ、様々な条件下でテトラクロロエチレンと
ジクロロエチレンが分解できることを確かめた。
【0184】[実施例11]トリクロロエチレン汚染土壌
から真空抽出、活性炭吸着、水蒸気脱着の工程を経て得
られたトリクロロエチレン水溶液を用いて分解実験を行
なった。 125 mL容のガラスバイアル瓶を複数本用意
し、各々のガラスバイアル瓶に 100 mg/Lのトリクロロ
エチレン水溶液を50mL 加えた。次亜塩素酸ナトリウ
ム溶液(キシダ化学、製造時含量約12%)を60μL 加
えたのちA,Bの2つのグループに分け塩酸(35%)を
Aに30μL 量加えた。Bには塩酸をくわえなかった。
グループAのpH、および残留塩素濃度を測定したとこ
ろ、pHは2.3、残留塩素濃度は 65 mg/L であった。
BのpHは7.9、残留塩素濃度は 65 mg/L であった。
テフロンライナー付 ブチルゴム栓とアルミシールで密
閉した。よく攪拌した後、ブラックライト蛍光ランプ
(商品名:FL10BLB;株式会社東芝製、10W)の光
を照射した。照射光量は 0.4〜0.7 mW/cm2とした。
【0185】なおガラスバイアル瓶中のTCEの量は気
相部分のTCE濃度から算出した。気相部分のTCE濃
度の測定は、ガラスバイアル瓶の気相部分をガスタイト
シリンジでサンプリングし、TCE濃度をガスクロマト
グラフィー(商品名:GC-14B(FID検出器付);島津
製作所(株)社製、カラムはJ&W社製DB-624)で測
定した。
【0186】1時間の光照射後、グループAの残留トリ
クロロエチレン濃度は0.1mg/L以下となっていたが、
グループBは平均で37mg/L 残留していた。その後、
グループBには、塩酸(35%)を30μL 量添加した
後、光照射を再び1時間行なったところ残留トリクロロ
エチレン濃度は0.1mg/L となっていた。
【0187】[実施例12]図7の分解装置を用いて分解
実験を行なった。
【0188】反応装置21に分解対象物質供給手段23
から分解対象物質である活性炭からの脱着水が供給さ
る。この活性炭には有機塩素化合物による土壌汚染から
真空抽出法で抽出した汚染ガスの汚染物質が吸着してお
り、下表に示した汚染物質が脱着水に含まれていた。
【0189】この脱着水を、反応装置内に10L 導入し
た。TCE濃度は汚染物質検知手段28aで監視されて
いる。汚染物質検知手段28aにはTCE分析用に適し
た、オートサンプリング機構のついたガスクロマトグラ
フィ(HNU Systems社 Model 311)を用いてい
る。分解が生じない初期過程において、これを検知し溶
液供給手段24から12%次亜塩素酸ナトリウム溶液
(キシダ化学、製造時含量約12%、有効塩素:min 5
%)を12mL 供給した。次に、pHが3.0の値を超え
た場合を検知し、塩酸を含む溶液を供給する手段26か
らpHが3.0以下となるまで塩酸を含む溶液を供給し
た。この実施例では35%塩酸を6mL 供給された。
【0190】反応装置21内の容器22には光照射手段
30であるブラックライト(ブラックライト蛍光ランプ
(商品名:FL10BLB;株式会社東芝製、10W)10
本で反応装置内に1時間光照射を行なった。光照射を続
けたところ分解が進み汚染物質の濃度は減少した。その
結果を下の表に示す。
【0191】
【表1】 さらなる次亜塩素酸の添加を必要としないと判断し反応
を終了した。
【0192】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、常
温常圧下で効率的に安全に有機塩素化合物の分解を行な
うことができる。
【0193】また、本発明により、有機化合物、特にテ
トラクロロエチレン、トリクロロエチレンと等のハロゲ
ン化脂肪族炭化水素化合物、ならびにPCB等により汚
染された地下水を、in-situで、常温・常圧下において、
非生物的に、効果的に浄化することのできる地下水浄化
装置および該装置を用いる浄化方法が提供され顕著な効
果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる汚染地下水のin-situ浄化装置
の一実施態様の概要を示す模式説明図。
【図2】本発明における試験装置全体の概要を示す模式
説明図。
【図3】本発明におけるモデル井戸の概要を示す模式拡
大説明図。
【図4】本発明の実施例1-A〜1-D(トリクロロエチ
レンの浄化試験)における試験結果を示すグラフ図。
【図5】本発明の実施例2-A〜2-D(テトラクロロエ
チレンの浄化試験)における試験結果を示すグラフ図。
【図6】本発明の実施例3-A〜3-D(PCBの浄化試
験)における試験結果を示すグラフ図。
【図7】本発明の一実施態様にかかる有機塩素化合物の
分解装置の概略図である。
【図8】本発明の一実施例の処理の流れを示す概略図で
ある。
【図9】本発明の一実施例の処理の流れを示す概略図で
ある。
【符号の説明】
1 地下水 2 井戸 5 電源 6 滴下パイプ 7 滴下ポンプ 8 地下水貯留部分 9 光源 10 攪拌装置 11 サンプリングチューブ 12 ポンプ 21 反応装置 22 容器 23 分解対象物質供給手段 24 次亜塩素酸含有溶液供給手段 25 塩素濃度制御手段 25a 塩素濃度検知手段 25b 溶液投入量制御手段 26 酸含有溶液供給手段 27 pH制御手段 27a pH値検知手段 27b 溶液投入量制御手段 28 分解対象物質濃度制御手段 28a 汚染物質濃度検知手段 28b 汚染物質投入量制御手段 29 機能水供給手段 30 光照射手段 51 ステンレス槽 52 仕切り板 53 ドレイン 54 排出室 55 供給室 56 モデル井戸 61 攪拌翼 62 攪拌器 63 蛍光ランプ 64 滴下チューブ 65 チューブポンプ 67 モデル地下水 68 砂利 69 電源 81 サンプリング用テフロン製チューブ 82 ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古崎 眞也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4D037 AA01 AB14 BA18 BA23 BB01 BB02 BB04 BB07 BB08 BB09 CA01 CA04 CA11 CA14 4D038 AA02 AB14 BA02 BA06 BB03 BB06 BB07 BB10 BB13 BB16 4D050 AA02 AB19 BB06 BB08 BB20 BC09 BD02 BD03 BD04 BD08 CA03 CA06 CA10 CA13 CA20

Claims (92)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】汚染物質若しくは汚染物質を含む媒体に、
    次亜塩素酸を含む溶液及び無機酸または有機酸を含む溶
    液を加えることで汚染機能水を得る工程(a)と、該汚染
    機能水に光を照射することにより分解反応を始動させ該
    汚染物質を分解する工程(b)とを有する汚染物質の分解
    方法。
  2. 【請求項2】該汚染物質分解方法において、 該分解反応途上若しくは終了後の混合液に次亜塩素酸を
    含む溶液を加えることで、該混合液を光照射下での該汚
    染物質の分解能力を回復させた再強化機能混合液に変換
    する工程(c)を有する請求項1に記載の分解方法。
  3. 【請求項3】 汚染物質若しくは汚染物質を含む媒体
    と、光照射下で該汚染物質を分解しうる分解反応始動用
    の機能水とを、反応場に導入し接触させて混合液を得る
    工程(a')と、該混合液に光を照射することにより分解反
    応を始動させ該汚染物質を分解する工程(b')とを有する
    汚染物質分解方法において、 該分解反応途上若しくは終了後の混合液に次亜塩素酸を
    含む溶液を加えることで、該混合液を光照射下での該汚
    染物質の分解能力を回復させた再強化機能混合液に変換
    する工程(c)を有することを特徴とする、汚染物質の分
    解方法。
  4. 【請求項4】 前記工程(c)において、該混合液の塩素
    濃度を測定することで該次亜塩素酸を含む溶液の添加量
    を制御する請求項2または3に記載の分解方法。
  5. 【請求項5】 前記工程(c)の後に、新たな汚染物質若
    しくは汚染物質を含む媒体を反応場に導入し該再強化機
    能混合液と接触させる工程(d)と、該再強化機能混合液
    を用いて該汚染物質若しくは汚染物質を含む媒体を分解
    する工程(e)を有する請求項2〜4のいずれかに記載の
    分解方法。
  6. 【請求項6】 前記工程(c)〜(e)を繰り返し行なう請求
    項5に記載の分解方法。
  7. 【請求項7】 前記工程(d)において、該混合液中に残
    存する汚染物質の濃度を測定することで、該新たな汚染
    物質若しくは汚染物質を含む媒体の導入量を制御する請
    求項5または6に記載の分解方法。
  8. 【請求項8】 前記工程(c)において、該混合液中に残
    存する汚染物質の濃度を測定することで該次亜塩素酸を
    含む溶液の添加量を制御する請求項3〜7のいずれかに
    記載の分解方法。
  9. 【請求項9】 該次亜塩素酸を含む溶液が次亜塩素酸塩
    水溶液である請求項1〜8のいずれかに記載の分解方
    法。
  10. 【請求項10】 該次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウ
    ム及び次亜塩素酸カリウムの少なくとも一方である請求
    項9に記載の分解方法。
  11. 【請求項11】 該分解反応始動用の機能水が電解質を
    含む溶液の電気分解により、陽極近傍に生成する酸性水
    である請求項3〜10のいずれかに記載の分解方法。
  12. 【請求項12】 該分解反応始動用の機能水が次亜塩素
    酸を含む機能水または次亜塩素酸塩水溶液である請求項
    3〜10のいずれかに記載の分解方法。
  13. 【請求項13】 該次亜塩素酸塩が次亜塩素塩酸ナトリ
    ウム及び次亜塩素塩酸カリウムの少なくとも一方である
    請求項12に記載の分解方法。
  14. 【請求項14】 該分解反応始動用の汚染機能水の有効
    塩素濃度が2〜2000mg/L である請求項1に記載の
    分解方法。
  15. 【請求項15】 該分解反応始動用の機能水の有効塩素
    濃度が2〜2000mg/L である請求項3〜13のいず
    れかに記載の分解方法。
  16. 【請求項16】 該再強化機能混合液の有効塩素濃度が
    2〜2000mg/Lである請求項3〜15のいずれかに
    記載の分解方法。
  17. 【請求項17】 該分解反応始動用の機能水または該再
    強化機能混合液が無機酸または有機酸を含む請求項2〜
    16のいずれかに記載の分解方法。
  18. 【請求項18】 該無機酸または有機酸が塩酸、フッ
    酸、シュウ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、り
    んご酸及びクエン酸から選ばれる少なくとも一つである
    請求項1または17に記載の分解方法。
  19. 【請求項19】 前記工程(a)または(c)において、該無
    機酸または有機酸を添加し、あるいは添加しないことに
    よりpHを調整する請求項1、17、18に記載の分解
    方法。
  20. 【請求項20】 前記工程(a)または(c)において、該混
    合液のpHを測定し、該無機酸または有機酸の添加量を
    制御する請求項19記載の分解方法。
  21. 【請求項21】 該分解反応始動用の汚染機能水または
    分解反応始動用の機能水または再強化機能混合液が水素
    イオン濃度(pH値)1〜4、酸化還元電位(作用電極:プ
    ラチナ電極、参照電極:銀-塩化銀電極)800〜150
    0mV、及び塩素濃度が5〜200mg/L なる特性を有
    する請求項1〜20のいずれかに記載の分解方法。
  22. 【請求項22】 該分解反応始動用の汚染機能水または
    該分解反応始動用の機能水が水素イオン濃度(pH値)4
    〜10、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電
    極:銀-塩化銀電極)300〜1100mV、及び塩素濃
    度2〜100mg/L なる特性を有する請求項1〜10お
    よび12〜20のいずれかに記載の分解方法。
  23. 【請求項23】 該光が、波長300〜500nmの波
    長域の光を含む光である請求項1〜22のいずれかに記
    載の分解方法。
  24. 【請求項24】 該光が、波長350〜450nmの波
    長域の光を含む光である請求項23に記載の分解方法。
  25. 【請求項25】 該光の照射強度が10μW/cm2〜1
    0mW/cm2である請求項1〜24のいずれかに記載の
    分解方法。
  26. 【請求項26】 該光の照射量が50μW/cm2〜5m
    W/cm2である請求項25記載の分解方法。
  27. 【請求項27】 前記汚染物質が有機塩素化合物である
    請求項1〜26のいずれかに記載の分解方法。
  28. 【請求項28】 該有機塩素化合物がクロロエチレン、
    1,1-ジクロロエチレン(塩化ビニリデン)、cis-1,2-
    ジクロロエチレン、trans-1,2-ジクロロエチレン、ト
    リクロロエチレン、テトラクロロエチレン、クロロメタ
    ン、ジクロロメタン及びトリクロロメタンのうち少なく
    とも1つである請求項24記載の分解方法。
  29. 【請求項29】 該分解対象汚染物質の量が反応容積あ
    たり0.1〜5.0g/L である請求項1〜28に記載の分
    解方法。
  30. 【請求項30】 前記加える次亜塩素酸溶液の有効塩素
    濃度が0.5%〜20%である請求項1〜3のいずれか
    に記載の分解方法。
  31. 【請求項31】 前記添加する無機酸または有機酸溶液
    の濃度が1%〜40%である請求項19に記載の分解方
    法。
  32. 【請求項32】 該汚染物質若しくは汚染物質を含む媒
    体が汚染物質で汚染された地下水である請求項1〜8の
    いずれかに記載の分解方法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の分解方法を適用す
    ることを特徴とする、汚染された地下水の浄化方法。
  34. 【請求項34】 地下水層に到達する井戸を構築する工
    程、該井戸内の地下水中に次亜塩素酸塩を含む薬剤を供
    給する工程、該井戸内の地下水に光を照射する工程、の
    各工程を有する請求項33に記載の汚染された地下水の
    浄化方法。
  35. 【請求項35】 前記井戸内の地下水中の汚染物質の濃
    度を計測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度、光
    の照射強度のうちの少なくとも一つを制御する請求項3
    4に記載の浄化方法。
  36. 【請求項36】 前記井戸内の地下水中の薬剤濃度を計
    測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度を制御する
    請求項34または35に記載の浄化方法。
  37. 【請求項37】 前記次亜塩素酸塩を、次亜塩素塩酸ナ
    トリウムおよび次亜塩素塩酸カリウムの少なくとも一方
    とする請求項34〜36のいずれかに記載の浄化方法。
  38. 【請求項38】 前記工程に加え、薬剤として無機酸ま
    たは有機酸を含む薬剤を供給する工程を有する請求項3
    4〜37のいずれかに記載の浄化方法。
  39. 【請求項39】 前記無機酸または有機酸に、塩酸、フ
    ッ酸、シュウ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、
    りんご酸及びクエン酸から選ばれる少なくとも一つを用
    いる請求項38記載の浄化方法。
  40. 【請求項40】 前記薬剤に、塩化ナトリウムおよび塩
    化カリウムの少なくとも一方を用いる請求項34〜39
    のいずれかに記載の浄化方法。
  41. 【請求項41】 前記薬剤を供給した後の井戸内の地下
    水中の塩素濃度を、2〜200mg/L の範囲とする請求
    項34〜40のいずれかに記載の浄化方法。
  42. 【請求項42】 前記薬剤を供給した後の井戸内の地下
    水の、水素イオン濃度(pH値)を1〜9の範囲、酸化還
    元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電極:銀-塩化銀電
    極)を300〜1500mVの範囲、且つ塩素濃度を5
    〜1500mg/L の範囲とする請求項34〜40のいず
    れかに記載の浄化方法。
  43. 【請求項43】 前記光を、280〜540nmの波長
    域の光を含む光とする請求項34〜42のいずれかに記
    載の浄化方法。
  44. 【請求項44】 前記光の照射量を、1〜10mW/cm
    2とする請求項34〜43のいずれかに記載の浄化方
    法。
  45. 【請求項45】 前記光の光源としてブラックライトを
    用いる請求項34〜44のいずれかに記載の浄化方法。
  46. 【請求項46】 前記井戸の壁面の少なくとも地下水層
    と接する部分を、透水性にする請求項34〜45のいず
    れかに記載の浄化方法。
  47. 【請求項47】 前記井戸内にて、地下水を攪拌する手
    段を用いる請求項34〜46のいずれかに記載の浄化方
    法。
  48. 【請求項48】 前記汚染物質が、ハロゲン化脂肪族炭
    化水素化合物である請求項34〜46のいずれかに記載
    の浄化方法。
  49. 【請求項49】 前記ハロゲン化脂肪族炭化水素化合物
    が、テトラクロロエチレンおよびトリクロロエチレンの
    内の少なくとも一種である請求項48記載の浄化方法。
  50. 【請求項50】 前記汚染物質が、ビフェニル化合物で
    ある請求項34〜47のいずれかに記載の浄化方法。
  51. 【請求項51】 前記ビフェニル化合物が、PCBであ
    る請求項50記載の浄化方法。
  52. 【請求項52】 前記供給する次亜塩素酸を含む薬剤の
    有効塩素濃度が0.5%〜20%である請求項34記載
    の浄化方法。
  53. 【請求項53】 前記薬剤の無機酸または有機酸溶液の
    濃度が1%〜40%である請求項38記載の浄化方法。
  54. 【請求項54】 液体を収納する容器を内装し、汚染物
    質若しくは汚染物質を含む媒体を該容器に導入する手段
    と、次亜塩素酸を含む溶液及び無機酸または有機酸を含
    む溶液を該容器に導入する手段と光を照射することによ
    り分解反応を始動させ該汚染物質を分解する手段とを有
    することを特徴とする汚染物質分解装置。
  55. 【請求項55】 該汚染物質分解装置において、分解反
    応途上若しくは終了後の混合液に次亜塩素酸を含む溶液
    を加えることで光照射下で該汚染物質を分解する能力を
    回復させた再強化機能混合液を生成する手段を有する請
    求項54に記載の汚染物質分解装置。
  56. 【請求項56】 液体を収納する容器を内装し、汚染物
    質若しくは汚染物質を含む媒体を該容器に導入する手段
    と、光照射下で該汚染物質を分解しうる分解反応始動用
    の機能水を該容器に導入する手段と、光を照射すること
    により分解反応を始動させ該汚染物質を分解する手段と
    を有する、汚染物質分解装置において、該分解反応途上
    若しくは終了後の混合液に次亜塩素酸を含む溶液を加え
    ることで光照射下で該汚染物質を分解する能力を回復さ
    せた再強化機能混合液を生成する手段を有することを特
    徴とする汚染物質分解装置。
  57. 【請求項57】 該次亜塩素酸を含む溶液が次亜塩素酸
    塩水溶液である請求項56に記載の分解装置。
  58. 【請求項58】該汚染物質分解装置が攪拌する手段を具
    備する請求項54に記載の汚染物質分解装置。
  59. 【請求項59】 該次亜塩素酸塩が次亜塩素塩酸ナトリ
    ウム及び次亜塩素塩酸カリウムの少なくとも一方である
    請求項54〜57のいずれかに記載の分解装置。
  60. 【請求項60】 該混合液の塩素濃度を検知する手段
    と、それに基づいて該次亜塩素酸を含む溶液の添加量を
    制御する手段を有する請求項55〜57のいずれかに記
    載の汚染物質分解装置。
  61. 【請求項61】 該混合液中に残存する汚染物質の濃度
    を検知する手段と、それに基づく制御手段を有する請求
    項55〜57のいずれかに記載の汚染物質分解装置。
  62. 【請求項62】 前記汚染濃度に基づく制御手段として
    汚染物質若しくは汚染物質を含む媒体の導入量の制御手
    段を有する請求項61に記載の汚染物質分解装置。
  63. 【請求項63】 前記汚染濃度に基づく制御手段として
    該次亜塩素酸を含む溶液の添加量の制御手段を有する請
    求項61または62に記載の汚染物質分解装置。
  64. 【請求項64】 pHが所定の範囲となるようにpH値を
    検知しpH値によって有機酸または無機酸の投入量を制
    御する制御手段を具備している請求項55〜57のいず
    れかに記載の汚染物質分解装置。
  65. 【請求項65】 該無機酸または有機酸が塩酸、フッ
    酸、シュウ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、り
    んご酸及びクエン酸から選ばれる少なくとも一つである
    請求項64に記載の分解装置。
  66. 【請求項66】 該光を照射することにより分解反応を
    始動させ該汚染物質を分解する手段が、波長300〜5
    00nmの波長域の光を該容器中の照射強度が10μW/
    cm2〜10mW/cm2になるように照射する能力を有す
    る請求項65に記載の分解装置。
  67. 【請求項67】該液体を収納する容器内の液体内の気散
    成分を気相へ移動させることを促進する攪拌ユニットを
    具備する請求項54〜56に記載の分解装置。
  68. 【請求項68】 前記次亜塩素酸溶液の有効塩素濃度が
    0.5%〜20%である請求項54または56に記載の
    分解装置。
  69. 【請求項69】 前記添加する無機酸または有機酸溶液
    の濃度が1%〜40%である請求項54に記載の分解装
    置。
  70. 【請求項70】有機化合物の汚染物質で汚染された地下
    水を浄化する装置において、地下水層に到達する井戸、
    該井戸内の地下水中に次亜塩素酸塩を含む薬剤を供給す
    る手段、該井戸内の地下水に光を照射する手段、を有す
    ることを特徴とする汚染された地下水の浄化装置。
  71. 【請求項71】 前記井戸内の地下水中の汚染物質の濃
    度を計測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度、光
    の照射強度のうちの少なくとも一つを制御する請求項7
    0記載の浄化装置。
  72. 【請求項72】 前記井戸内の地下水中の薬剤濃度を計
    測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度を制御する
    請求項70または71記載の浄化装置。
  73. 【請求項73】 前記次亜塩素酸塩が、次亜塩素塩酸ナ
    トリウムおよび次亜塩素塩酸カリウムの少なくとも一方
    である請求項70〜72のいずれかに記載の浄化装置。
  74. 【請求項74】 前記手段に加え、薬剤として無機酸ま
    たは有機酸を含む薬剤を供給する手段を具備する請求項
    70に記載の浄化装置。
  75. 【請求項75】 前記無機酸または有機酸が、塩酸、フ
    ッ酸、シュウ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、
    りんご酸及びクエン酸から選ばれる少なくとも一種であ
    る請求項74記載の浄化装置。
  76. 【請求項76】 前記薬剤が、塩化ナトリウムおよび塩
    化カリウムの少なくとも一方を含む請求項70〜75の
    いずれかに記載の浄化装置。
  77. 【請求項77】 前記薬剤を供給した後の井戸内の地下
    水中の塩素濃度が、2〜200mg/L の範囲である請求
    項70〜76のいずれかに記載の浄化装置。
  78. 【請求項78】 前記薬剤を供給した後の井戸内の地下
    水の、水素イオン濃度(pH値)が1〜9の範囲、酸化還
    元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電極:銀-塩化銀電
    極)が300〜1500mVの範囲、且つ塩素濃度が5
    〜150mg/Lの範囲である請求項70〜76のいずれ
    かに記載の浄化装置。
  79. 【請求項79】 前記光が、280〜540nmの波長
    域の光を含む光である請求項70〜78のいずれかに記
    載の浄化装置。
  80. 【請求項80】 前記光の照射量が、1〜10mW/cm
    2である請求項70〜79のいずれかに記載の浄化装
    置。
  81. 【請求項81】 前記光の光源が、ブラックライトであ
    る請求項70〜80のいずれかに記載の浄化装置。
  82. 【請求項82】 前記井戸の壁面の少なくとも地下水層
    と接する部分が透水性を有する請求項70〜81のいず
    れかに記載の浄化装置。
  83. 【請求項83】 前記井戸内に、地下水を攪拌する手段
    を具備してなる、請求項70〜82のいずれかに記載の
    浄化装置。
  84. 【請求項84】 前記汚染物質が、ハロゲン化脂肪族炭
    化水素化合物である請求項70〜83のいずれかに記載
    の浄化装置。
  85. 【請求項85】 前記ハロゲン化脂肪族炭化水素化合物
    が、テトラクロロエチレンおよびトリクロロエチレンの
    内の少なくとも一種である請求項84記載の浄化装置。
  86. 【請求項86】 前記汚染物質が、ビフェニル化合物で
    ある請求項70〜83のいずれかに記載の浄化装置。
  87. 【請求項87】 前記ビフェニル化合物が、PCBであ
    る請求項86記載の浄化装置。
  88. 【請求項88】 有機化合物の汚染物質で汚染された地
    下水を浄化する方法において、地下水層に到達する井戸
    を構築する工程、該井戸内の地下水中に次亜塩素酸塩を
    含む薬剤を連続的に供給する工程、該井戸内の地下水に
    光を照射する工程、の各工程を有することを特徴とす
    る、汚染地下水浄化方法。
  89. 【請求項89】 前記井戸内の地下水中の汚染物質の濃
    度を計測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度、光
    の照射強度のうちの少なくとも一つを制御する、請求項
    88記載の浄化方法。
  90. 【請求項90】 前記井戸内の地下水中の薬剤濃度を計
    測し、その濃度に応じて薬剤を供給する速度を制御す
    る、請求項88または89記載の浄化方法。
  91. 【請求項91】 前記供給する次亜塩素酸溶液の有効塩
    素濃度が0.5%〜20%である請求項70記載の浄化
    装置。
  92. 【請求項92】 前記薬剤の無機酸または有機酸溶液の
    濃度が1%〜40%である請求項74記載の浄化装置。
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