JP2002153732A - 汚染物質分解方法及び装置 - Google Patents

汚染物質分解方法及び装置

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JP2002153732A
JP2002153732A JP2000354342A JP2000354342A JP2002153732A JP 2002153732 A JP2002153732 A JP 2002153732A JP 2000354342 A JP2000354342 A JP 2000354342A JP 2000354342 A JP2000354342 A JP 2000354342A JP 2002153732 A JP2002153732 A JP 2002153732A
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Akira Kuriyama
朗 栗山
Kinya Kato
欽也 加藤
Masahiro Kawaguchi
正浩 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡易で、より効率的な汚染物質の分解方
法及びそれに用いる汚染物質分解装置を提供すること。 【解決手段】 反応容器内に設けられた反応領域に、分
解対象物である汚染物質と、該汚染物質の光照射下での
分解のための物質とを導入し、光照射下でこれらを接触
させて該汚染物質を分解処理する際に、該反応領域への
前記気体の導入に応じて生じる前記反応容器からの排気
中での前記汚染物質の残存量を測定し、測定された残存
量に応じて、前記分解のための物質の前記反応領域での
分解反応を制御して、汚染物質の分解率を効果的に維持
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化脂肪族
炭化水素化合物などの環境汚染物質の分解処理方法及び
それに用いる分解処理用の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年までの産業技術の発展に伴い、ハロ
ゲン化脂肪族炭化水素化合物、例えば塩素化エチレン、
塩素化メタン等が膨大に使用され、その廃棄処理は深刻
な問題となってきている。また、使用済みのこれらの汚
染物質が自然環境を汚染するという環境問題が生じてお
り、その解決に多大な努力が払われている。
【0003】これらを処理する方法として、例えば、塩
素化エチレンを酸化剤や触媒を用いて分解する方法、具
体的には、オゾンで分解する方法(特開平3−3829
7号公報)、過酸化水素の存在下で紫外線を照射する方
法(特開昭63−218293号公報)等が知られてい
る。また、次亜塩素酸ナトリウムを酸化剤として用いる
ことも示唆されており(米国特許5525008号明細
書、同5611642号明細書)、次亜塩素酸ナトリウ
ムと紫外線照射とを組み合わせる手法も提案されている
(米国特許5582741号明細書)。更には、酸化チ
タン等の酸化物半導体微粒子からなる光触媒と液状の塩
素化エチレンとをアルカリ条件下で懸濁して、光照射に
より分解する方法も知られている(特開平7−1441
37号公報)。
【0004】また上記以外にも、酸化剤を用いずに気相
で紫外線を照射する光分解法が既に試みられている。例
えば、有機ハロゲン化合物を含む排ガスを紫外線照射処
理して酸性の分解ガスとした後、アルカリで洗浄して無
害化処理する方法(特開昭62−191025号公
報)、有機ハロゲン化合物を含有する排水を曝気処理
し、排出されるガスを紫外線照射した後、アルカリ洗浄
する装置(特開昭62−191095号公報)等が提案
されている。また、鉄粉による塩素化エチレンの分解も
知られており(特開平8−257570号公報)、この
場合、おそらく還元分解が生じていると推測されてい
る。また、シリコン微粒子を用いたテトラクロロエチレ
ン(以下、PCEと略記)の分解については還元分解も
報告されている。
【0005】また、トリクロロエチレン(以下、TCE
と略記)やPCEなどの塩素化脂肪族炭化水素は、微生
物により好気的あるいは嫌気的に分解されることが知ら
れており、このような工程を利用して、分解あるいは浄
化を行うことも試みられている。
【0006】一方、水の電気分解によって得られる機能
水(例えば酸性水)が殺菌作用(特開平1−18029
3号公報)や、半導体ウエハー上の汚染物の洗浄効果
(特開平7−51675号公報)を有することが報告さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
従来より種々の有機塩素化合物の分解方法が提案されて
いるが、本発明者らの検討によれば、分解の為の複雑な
装置が必要であったり、分解生成物の更なる無害化処理
等が必要である場合が多く、より問題点が少なく環境に
優しい、汚染物質(有機塩素化合物等)の分解のための
技術が必要であるとの結論に至った。
【0008】すなわち、本発明の目的は、より簡易で、
より効率的な汚染物質の分解方法及びそれに用いる汚染
物質分解装置を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、活性炭や微生物によ
る処理を必要とせず、塩素を含んだ空気を使用すること
により、効率的で、しかも2次汚染の問題なく、また排
水量の少ない汚染物質の分解ができる分解方法及び該方
法を用いた効率的な汚染物質分解装置を提供することに
ある。
【0010】本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意
検討を行なったところ、殺菌効果や、半導体ウエハー上
の汚染物の洗浄効果を有することが報告されている水の
電気分解によって得られる機能水(例えば酸性水)を曝
気することで塩素を含む空気を生成し、これを有機塩素
化合物等の分解対象物質を含む空気と混合して、光照射
を行うと優れた分解能を奏するという新たな知見を得
た。
【0011】また、その後さらにかかる分解処理方法の
応用について検討を加え、詳細な実験を進めるうちに、
より簡易で効率的な分解を実現する為には、曝気途中若
しくは曝気後の機能水廃液に対して電気分解を行ない、
再び塩素供給源として使い得る機能水を生成させ、これ
を再利用し分解を行なうことが非常に有効で、大幅に排
水量と添加電解質を削減できることを見出した。
【0012】そして、本発明者らは光照射下に機能水中
あるいは機能水を空気曝気して得られる塩素を含有する
気体中で汚染物質を分解するための方法及び装置を提案
した(特願平11−175653号及び特願2000−
181636号)。更に、この機能水を再利用する際の
制御をより制度高くすることで、更に効率的な分解処理
が可能となる点を見出した。本発明は、これらの知見に
基づき、さらに応用してなされたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の汚染
物質の分解処理方法は、反応容器内に設けられた反応領
域に、汚染物質と該汚染物質の光照射下での分解に利用
される分解のための物質とを導入し、光照射下でこれら
を接触させて該汚染物質を分解処理する汚染物質の分解
方法であって、前記汚染物質及び前記分解のための物質
の少なくとも一方を、気体中に含有させて前記反応領域
に導入する工程と、該反応領域への前記気体の導入に応
じて生じる前記反応容器からの排気中での前記汚染物質
の残存量を測定する工程と、該残存量に応じて、前記分
解のための物質の前記反応領域での分解を制御する工程
と、を有することを特徴とするものである。
【0014】また、本発明にかかる汚染分解処理用の装
置は、反応領域を構成する反応容器と、該反応領域内に
汚染物質を導入するための汚染物質導入手段と、該反応
領域内に該汚染物質の光照射下での分解に利用される分
解のための物質を導入する分解用物質導入手段と、該反
応領域に光を照射するための光照射手段とを有する該汚
染物質分解処理用の装置であって、前記汚染物質導入手
段及び前記分解用物質導入手段の少なくとも一方が、前
記汚染物質及び前記分解のための物質を気体中に含有さ
せて前記反応領域に導入する気体導入手段と、該反応領
域への前記気体の導入に応じて生じる前記反応容器から
の排気中における前記汚染物質の残存量を測定する測定
手段と、該測定手段によって測定された汚染物質の残存
量に応じて前記分解領域中での前記汚染物質の分解反応
を制御する制御手段と、を有することを特徴とするもの
である。
【0015】本発明によれば、反応領域からの排気中に
含まれる分解反応の分解率の判定に利用できる成分を検
出し、その検出シグナルを利用して反応領域での汚染物
質の分解率を制御するので、高精度で、より効率的な分
解処理が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、分解対象の汚染物質として
ハロゲン化脂肪族炭化水素化合物を、汚染物質の分解の
ための物質として塩素を用いる場合を例として、本発明
について図面を参照して説明する。なお、ハロゲン化脂
肪族炭化水素化合物と塩素と組合せと同様の分解処理が
可能である物質の組合せを本発明に係る分解処理方法及
びそのための装置に適用することができる。
【0017】なお、以下の説明における機能水(I)及
び(II)は通気により塩素を含む空気を発生し得るも
のである。機能水(I)はその形成用溶液に機能水廃液
や中和用のアルカリ性水溶液などの追加がないものであ
り、該機能水(II)はその形成用溶液の少なくとも一
部が機能水廃液に置換されたものや、中和用のアルカリ
性水溶液などが添加されたもので再利用のための処理を
経たものである。 [実施形態1]図1は本発明にかかる汚染物質の分解処
理用の装置の一例を示す図であり、ガス状の汚染物質を
分解する装置、すなわち反応処理領域が少なくとも気相
を有する構成の装置の実施形態の基本構成が示されてい
る。
【0018】図1に示す装置において、102は電気分
解槽であり、その内部には陰極103と陽極104が配
置されている。101は底部に貯留した機能水を曝気す
るための散気手段107を備えた分解処理槽であり、光
照射手段106から照射される光によって分解処理槽1
01内の液相中および気相中の分解対象物質が分解され
る。分解後の機能水廃液は、一部又は全部が電気分解槽
102に還流され、再び機能水(II)として再生利用
される。
【0019】この装置では、分解処理槽101が反応容
器であり、反応領域は主に分解処理槽101内の気相領
域から構成されている。なお、底部の液相内でも分解反
応は進行するので、この装置では反応領域は気相と液相
を含む。 (1)バッチ式での運転 まず、この装置を用いたバッチ式分解の場合から説明す
る。 =準備モード、機能水送水モード= 電気分解槽102に満たされた原水は、電解質溶液供給
装置105から供給された高濃度の電解質溶液と混合さ
れ、所定の濃度の電解質水溶液となる。特に図示してい
ないが、電気分解槽102に攪拌機を設置し、原水を撹
拌すると短時間で均一な濃度の電解質水溶液が作れるの
でなお良い。この状態で陰極103と陽極104を直流
電源装置110に接続して一定時間電気分解を行い、機
能水(I)を得る。これを一度に全量、コントローラ1
11で制御されたポンプ114で分解処理槽101に送
水する。
【0020】機能水(I)は、電気分解に因らず次亜塩
素酸等を水に添加することによっても作ることができる
が、この場合は電気分解槽102に満たされた原水に、
必要な試薬を添加して機能水(I)にした上で一度に全
量分解処理槽101に送水してもよいし、直接分解処理
槽101底部に原水を送水した上で(送水手段は不図
示)必要な試薬を添加して機能水(I)にしてもかまわ
ない。 =分解モード= 分解処理槽101に送水された機能水(I)は分解処理
槽101底部に設置された曝気手段107によって曝気
され、分解処理槽101内に塩素を含む空気が充満す
る。この時、曝気手段107に送気される空気は、分解
対象物質を含まない空気で分解対象物質を含む空気は別
途分解処理槽101に送気されるようにしても良い。し
かしながら、分解対象物質を含む空気を曝気用の空気と
して曝気手段107に送気すれば、液相中に分解対象物
質を溶解した機能水(I)を、また、気相中に塩素及び
分解対象物質の両方を含む空気を直接形成でき、操作効
率及び装置構成の簡略化の点で有利である。
【0021】そして、この分解対象物質を溶解した機能
水(I)及び混合空気に対して光照射手段106から光
を所望の対流時間照射し、これにより分解対象物質を分
解する。
【0022】分解処理槽101からの排気ガス中の分解
対象物濃度は、PIDやFIDなどのガス状有機化合物
を検出するセンサ120で連続的または定期的に監視さ
れる。 =機能水還流モード= 排気ガス中の分解対象物濃度が一定値以上、例えば許容
限界を超えたときに、コントローラ111の制御で光照
射手段106が消灯し、電磁弁116が閉められ曝気が
止まり分解が中断し、分解処理槽101内の機能水廃液
は全量ポンプ117で分解処理槽101から廃液管10
8を通って排出される。そして、この機能水廃液の一部
若しくは全部を機能水廃液還流管109を通して電気分
解槽102に還流する。また必要に応じて機能水廃液還
流管109の途中に貯蔵槽を設けて、機能水廃液を一時
的に貯留してもよい。
【0023】全量還流せず一部を放流する場合は、放流
量に相当する原水を新たに電気分解槽102に追加する
必要がある。
【0024】また、この実施形態の機能水廃液は、元々
の機能水のpHや分解対象物質の供給量にもよるが、p
Hが4近くになることもある。この廃液をそのまま、電
気分解槽に還流して電気分解し機能水(II)を作成し
てもよいが、中和した後電気分解してもよい。また、排
水する場合は中和処理した方が望ましいであろう。中和
用のアルカリ性水溶液としては水酸化ナトリウムなどの
アルカリ試薬の水溶液などを用いてもよい。図示しない
が廃液管108の途中にpHをモニタしながら、アルカ
リ試薬を機能水廃液に混合する手段を追加することもで
きる。 =機能水再生モード= 電気分解槽102に還流された機能水廃液はここで一定
時間電気分解された後、機能水(II)となり再び塩素
を含む空気の供給源として再生され、コントローラ11
1で制御されたポンプ114で分解処理槽101に送水
され、送水完了と同時にコントローラ111で制御され
た光照射手段106が点灯し電磁弁116が開いて曝気
(分解対象物質の供給)が行われ、分解が再開される。
【0025】この直後、センサ120で測定した排気ガ
ス中の汚染物質濃度が一定値以下で有ればそのまま一定
値以上になるまで曝気分解を続けるが、汚染物質濃度が
一定値以上になった場合は、機能水(II)が十分に再
生されていないと判断して、再びコントローラ111の
制御で光照射手段106が消灯し、電磁弁116が閉め
られ曝気が止まり分解が中断し、分解処理槽101内の
機能水廃液は全量ポンプ115で分解処理槽101から
廃液管108、機能水廃液還流管109を通して電気分
解槽102に還流される。この時、電磁弁117は閉じ
ており、放流は行われない。
【0026】電気分解槽102に満たされた原水は、還
流時にコントローラ111で制御された電磁弁(または
ポンプ)114によって電解質溶液供給装置105から
供給された高濃度の電解質溶液と混合され、所定の濃度
の電解質水溶液となる。特に図示していないが、電気分
解槽102に攪拌機を設置し、原水を撹拌すると短時間
で均一な濃度の電解質水溶液が作れるのでなお良い。
【0027】そして、この電気分解槽102内へ供給し
た機能水廃液を電気分解することにより、再び分解に供
し得る機能水(II)を生成する。更に、この機能水
(II)を分解処理槽101内に供給し、先の機能水
(I)の場合と同様の手順で曝気し塩素を含む空気を発
生させ、再び分解対象物質との分解対象物質を溶解した
機能水(II)及び混合空気を作り光照射下で分解を行
なう。
【0028】以下、このような電気分解槽102内での
機能水(II)生成工程と、光照射による分解処理槽1
01内での分解対象物質分解工程を排気ガスの濃度を監
視しながら繰り返し、機能水再生の為の電気分解を行っ
ても分解能が回復しない場合は、電解質を追加して祭殿
解することにより、総排水量と電解質添加量を大幅に削
減することが可能となる。
【0029】以上説明したバッチ式の場合のフローチャ
ートを図2に示す。
【0030】(2)連続式での運転 次に、連続式の分解の場合を説明する。
【0031】電気分解槽102に満たされた原水は、バ
ッチ式の場合と同様に電気分解されるか電気分解槽10
2に満たされた原水に必要な試薬を添加して機能水
(I)にされ、一定流量で、コントローラ111で制御
されたポンプ114で分解処理槽101に送水される。
分解処理槽101に送水された機能水(I)が一定量に
なった時点で、コントローラ111で制御された電磁弁
116が開きバッチ式の場合と同様に曝気手段107に
よって曝気され、この分解対象物質を溶解した機能水
(I)及び混合空気に対して光照射手段106から光を
所望の滞留時間照射し、分解対象物質の分解操作を行
う。
【0032】バッチ式と違って連続式の場合は、分解操
作時にも電気分解槽102は原水または還流してきた機
能水廃液で満たされており、電極103、104には常
に電圧がかかっていて連続的に電気分解が行われ、生成
されてた機能水はポンプ114を介して連続的に分解処
理槽101に送られ、また機能水廃液はポンプ115で
分解処理槽101から廃液管108を通って排出され
る。そして、この機能水廃液の一部若しくは全部を機能
水廃液還流管109を通して電気分解槽102に還流さ
れ、電気分解されて機能水(II)として再生される。
【0033】分解処理槽101からの排気ガス中の分解
対象物濃度は、バッチ式の場合と同様にセンサ120で
監視される。その濃度が一定値以上になると、コントロ
ーラ111の制御で電磁弁(またはポンプ)113が開
けられ、電気分解槽102中で再生中の機能水廃液に一
定量の電解質が追加され、機能水の分解能低下を防ぐ。
【0034】連続式の場合のフローチャートを図3に示
す。 (3)その他の態様 図1の分解処理槽101の底部を、機能水を曝気する部
分が機能水曝気槽として独立させ、ここで生成した塩素
を含む空気と分解対象物質を含む空気との混合空気を分
解処理槽に送って光を照射する、という構成としてもよ
い。図1からの変更部分のみ図4に示す。
【0035】更に、図示しないが、上記構成の分解処理
槽に直接分解対象物質を含む空気を送り、曝気手段に分
解対象物質を含まない空気を送気して塩素を含む空気を
生成させて、両者の分解対象物質を溶解した機能水
(I)及び混合空気を作って光照射下で分解するという
構成でもよい。
【0036】[実施形態2]図1の装置における電気分
解槽の部分を図5の構成のものとすることで、ガス状の
汚染物質分解装置の別の実施形態の基本構成を得ること
ができる。この図5に示す装置は電気分解槽102内に
隔膜301を具備するものである。この装置では電解質
溶液供給装置105および機能水廃液還流管109の先
端が隔膜301の上部に設置して、機能水廃液および電
解質溶液が陽極・陰極どちら側にも均等に供給されるよ
うにしている。更に、電気分解槽102内の陰極103
側と、廃液管108の機能水廃液還流管109との接合
部よりも手前の側とが、管302により連通している構
成でも良い。図1からの変更部分のみ図5に示す。
【0037】このような構成の場合は、隔膜のメィンテ
ナンスが必要となり、また装置構成が複雑になる。しか
し、このような構成により、陽極104近傍に生成され
る酸性水と陰極103近傍にて生成するアルカリ性の水
との混合を防ぐことができ、溶存塩素濃度がより高く大
量の塩素ガスを発生させる機能水を得ることができる。
【0038】また、この実施形態の機能水廃液は、分解
対象物質の供給量にもよるが、pHが1近くになること
もある。この廃液をそのまま、電気分解槽に還流して電
気分解し機能水(II)を作成してもよいが、中和した
後電気分解してもよい。また、排水する場合は中和処理
した方が望ましいであろう。中和用のアルカリ性水溶液
としては水酸化ナトリウムなどのアルカリ試薬の水溶液
などを用いてもよいが、酸性水を作る際に陰極側にでき
るアルカリ性水を用いると、新たにアルカリ試薬やそれ
を供給する装置を用いる必要がないのでなおよい。
【0039】また、このアルカリ性の水は廃液管108
の機能水廃液に送水され混合されることで中和に利用で
きる。
【0040】実施形態2の場合でも実施形態1と分解の
基本的な構成、手順は同じである。また、実施形態2の
場合でも実施形態1と同様に、分解処理槽と機能水曝気
槽を分離したり、機能水を分解対象物質を含まない空気
で曝気して塩素を含む空気を発生させる構成にしてもよ
い。
【0041】これらの工程は、実施形態1と同様にバッ
チ式、連続式どちらでもかまわない。
【0042】以上説明した実施形態1、2共に、分解対
象物は汚染土壌から真空抽出した分解対象物質を含む空
気や、揚水した地下水を曝気して得た分解対象物質を含
む空気であるが、汚染土壌から揚水した地下水のように
分解対象物質を溶解した水に、直接塩酸・塩化ナトリウ
ム・次亜塩素酸ナトリウムを添加して機能水(I)にし
た上で曝気して、分解対象物質と塩素との分解対象物質
を溶解した機能水(I)及び混合空気を作り光照射下で
分解するという構成でもよい。
【0043】更に図示しないが、実施形態1、2共に排
水に排水基準以上の濃度の分解対象物質を含有する場合
は、排水にも光照射を行って分解してもよい。
【0044】[実施形態3]図6に、水溶液状の汚染物
質分解装置、すなわち主に反応領域が液相からなるの分
解装置の実施形態の基本構成が示されている。図6にお
いて、102は電気分解槽であり、その内部には陰極1
03と陽極104が配置されている。101は汚染水送
水管401を持った分解処理槽であり、内部で汚染水と
機能水が混合され光照射手段106から照射される光に
よって分解処理槽101内の液相中および気相中の分解
対象物質が分解される。分解後の汚染水と機能水廃液の
混合液は、一部が電気分解槽102に還流され、再び機
能水(II)として再生される。
【0045】分解処理槽101中の汚染水の中の分解対
象物濃度は、101上部の気相部分に取り付けられたP
IDやFIDなどのガス状有機化合物を検出するセンサ
120で定期的に監視され、液中濃度に換算される。
【0046】バッチ式の場合のフローチャートを図7
に、連続式の場合を図8に示す。
【0047】[実施形態4]実施形態3の電気分解槽を
実施形態2のように隔膜を持つものに変更することで他
の態様を有する分解装置を得ることができる。
【0048】以上説明した実施形態3、4共に、分解対
象物は染土壌から揚水した地下水のように分解対象物質
を溶解した水であるが、汚染土壌から真空抽出した分解
対象物質を含む空気を通水して水溶液にしたものでもよ
い。
【0049】また、分解処理槽101には、槽内の液を
均一にするためのプロペラ、液循環用ポンプまたはガス
循環用ポンプなどの撹拌手段(不図示)を設けるとなお
良い。また分解処理槽101底部に水溶液状の汚染物質
と機能水の混合溶液を曝気するための散気手段107を
備え液を撹拌すると共に、実施形態1のように気相の反
応場を設けてもよい。
【0050】さらに、分解対象物を溶解した水に、直接
塩酸・塩化ナトリウム・次亜塩素酸ナトリウムを添加し
て機能水(I)にして装置の運転を始めるという構成で
もよい。
【0051】以下、本発明における分解処理及びその装
置に適用される物質などについて説明する。
【0052】(機能水について)本発明に用いることので
きる塩素溶液としての機能水は、例えば水素イオン濃度
(pH値)が1以上4以下、好ましくは2以上3以下、残
留塩素濃度が5mg/L以上 300mg/L以下、好ましくは 3
0mg/L以上 120mg/L以下の性状をもつと良い。
【0053】電解質(例えば、塩化ナトリウムや塩化カ
リウムなど)を原水に溶解し、この水を一対の電極を有
する水槽内で電気分解を行なうことによって、陽極側よ
り上記の如きの性状の機能水を得ることができる。電解
前の原水中の電解質の濃度は例えば塩化ナトリウムでは
20mg/L〜2000mg/Lが望ましく、より好ましくは 200
mg/L以上 1000mg/L以下とするのがよい。また、この
とき一対の電極間に図5に示す隔膜301を配置した場
合、陽極近傍に生成される酸性の水と陰極近傍にて生成
するアルカリ性の水との混合を防ぐことができる。
【0054】隔膜としては例えばイオン交換膜等が好適
に用いられる。そしてこのような機能水を得る手段とし
ては、市販の強酸性電解水生成器(例えば、商品名:オア
シスバイオハーフ;旭硝子エンジニアリング(株)社製、
商品名:強電解水生成器(Model FW-200;アマノ(株)社
製等)を利用することができる。
【0055】この溶液は、電解水、電解機能水、機能水
等と呼ばれ、除菌目的で使用されている。
【0056】上記の特性を有する塩素溶液すなわち機能
水は、次亜塩素酸などを用いて試薬から調製することも
可能である。例えば、塩酸 0.001mol/L〜0.1mol/L、
塩化ナトリウム 0.005mol/L〜0.02mol/L、及び次亜塩
素酸ナトリウム 0.0001mol/L〜0.01mol/Lとすること
により得ることができる。
【0057】また、塩酸と次亜塩素酸塩でpHが4.0以
下で塩素濃度が2mg/L以上の 2000mg/Lの機能水を調
製することもできる。例えば、塩酸 0.001mol/L〜0.1
mol/L及び次亜塩素酸ナトリウム 0.0001mol/L〜0.01
mol/Lとすることにより得ることができる。
【0058】上記の塩酸の代りに他の無機酸または有機
酸を使用することができる。無機酸としては例えば、フ
ッ酸、硫酸、リン酸、ホウ酸などが、有機酸としては酢
酸、ぎ酸、りんご酸、クエン酸、シュウ酸などが利用で
きる。また、弱酸性水粉末生成剤(例えば、商品名キノ
ーサン21X(クリーンケミカル株式会社製))として市
販されているN333NaCl2等を用いても機能水を製
造することができる。
【0059】ここで機能水調製に用いる原水としては水
道水、河川水、海水等が挙げられる。これらの水のpH
は通常6〜8の間にあり、塩素濃度は最大でも1mg/L
未満であり、このような原水は当然のことながら上記し
たような有機塩素化合物の分解能は有さない。
【0060】(塩素ガスの濃度及び塩素ガス発生手段)上
記の塩素溶液すなわち機能水から光照射を利用した分解
に必要な物質である塩素ガスを発生させることが可能で
ある。塩素ガスを含む気体として、例えば機能水に空気
を通すことによって得られる塩素ガスを含有する空気を
用いることもできる。これと汚染物質を混合し光照射を
行なうことで汚染物質を分解することができる。
【0061】また、機能水に空気を通すかわりに汚染物
質を含む空気を通すことで、汚染物質と塩素ガスとを含
む気体を得ても良い。この場合は比較的高濃度の塩素を
含む気体を得ることができる。
【0062】そして、汚染物質と塩素を含む気体中にお
ける塩素ガスの初期濃度は、20ppmV〜500ppmV以下とな
るように調整することが好ましく、汚染物質濃度によっ
て異なるが、気体中の塩素ガス濃度を、特には 50ppmV
から 200ppmVとした場合、汚染物質の分解効率は特に顕
著なものとなる。
【0063】(機能水に通気する手段)機能水に汚染物質
を含む気体及び/または曝気用の気体を通気する場合、
散気装置(バブラ)を用いることができる。散気装置は、
液体に気体を吹き込むために用いられる通常の装置でか
まわないが、気泡の大きさが塩素の気散に十分な表面積
になるように選定されることが望ましい。
【0064】また、散気装置の材質は、機能水の成分と
反応しない素材が選定されていることが望ましい。例え
ば、焼結ガラス、多孔質セラミックス、焼結SUS31
6、繊維状のSUS316 で織った網等で作られた多孔質
散気板や、ガラスまたはSUS316 等のパイプで作られ
たスパージャーなどを用いることができる。
【0065】曝気の速さ、機能水の供給スピードなど様
々な因子があるが、塩素を含む空気の生成と分解反応の
領域(反応領域)が一体化している場合には、処理槽にお
ける液相の比率を5%〜30%望ましくは10%から2
0%にすると良い。また一体化されていない場合におい
ても塩素を含む空気を発生させる槽の容積と分解反応を
行なう槽の容積の比率は概ね1:2〜1:9が望ましい。
【0066】(分解対象物質)ここで分解対象となる汚染
物質は、光照射下で分解のための物質の作用によって分
解反応が始動するもので、例えば、上述したように分解
のための物質として塩素を用いる場合には、有機塩素化
合物、なかでもハロゲン化脂肪族炭化水素化合物を分解
対象物質とすることができる。ハロゲン化脂肪族炭化水
素化合物の具体例としては、例えば、塩素化エチレン、
塩素化メタン等が挙げられる。具体的には塩素化エチレ
ンとしては、エチレンの1〜4塩素置換体、即ちクロロ
エチレン、ジクロロエチレン(DCE)、トリクロロエチ
レン(TCE)、テトラクロロエチレン(PCE)が挙げら
れる。更にジクロロエチレンとしては、例えば1,1-ジ
クロロエチレン(塩化ビニリデン)、cis-1,2-ジクロロ
エチレン、trans-1,2-ジクロロエチレンを挙げること
ができる。また塩素化メタンとしては、メタンの塩素置
換体、例えばクロロメタン、ジクロロメタン、トリクロ
ロメタン等が挙げられる。
【0067】分解対象とする有機塩素化合物を含有する
汚染物質には特に制限はなく、塗装工場やドライクリー
ニング工場の排水、排ガス、上記汚染物質で汚染された
土壌や地下水の浄化に適用することができる。例えば、
エアーストリッピングの際に発生するガスや汚染された
土壌からの真空抽出ガス等に含まれる汚染物質の除去に
本発明を用いることができる。
【0068】(光照射手段)本発明に用いることのできる
光照射手段としては、例えば、波長 300〜500nmの光が
好ましく、350〜450nmの光を用いるのがより好まし
い。また塩素ガスと分解対象物に対する光照射強度とし
ては、例えば波長360nm近辺にピークを持つ光源では数
百μW/cm2(300nm〜400nm間を測定)の強度で実用上十
分の分解が進む。
【0069】本発明では光として人体に影響の大きい25
0nm付近若しくはそれ以下の波長の紫外光を用いる必要
が全くないため反応槽としてガラスやプラスティック等
の使用が可能である。
【0070】そしてこの様な光の光源としては自然光
(例えば、太陽光等)または人工光(水銀ランプ、ブラッ
クライト、カラー蛍光ランプ、短波長(500nm以下)発光
ダイオード等、)を用いることができる。
【0071】(分解反応機構)本発明者らは塩素ガスの存
在下で光照射すると有機塩素化合物の分解が進むことを
既に見出しているが、その反応機構については不明の部
分が多かった。しかし、塩素が特定範囲の波長の光を受
けると解離してラジカルを生じることが既に知られてい
る。本発明においても光照射により塩素ラジカルが発生
し、分解対象物質と反応することでその結合を切断して
いると考えられる。
【0072】また、本願発明の反応では酸素が必須であ
るが、これは塩素と水の分解により生じる酸素ラジカル
や空気中の通常の酸素の存在があれば十分である。
【0073】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、こ
れらは本発明を何ら限定するものではない。
【0074】[実施例1]ガス、隔膜無し、一体型分解
処理槽のバッチ運転 図1の分解装置を準備した。分解処理槽101は底部に
散気装置116および水位センサ121を設置した容積
500mLのガラス製密封容器である。あらかじめ、こ
のガラスの透過光の波長を測定したところ、300nm
以下の紫外線は透過しなかった。電気分解槽102は、
約50mLの容積で水位センサ122を設置し、白金電
極103、104で電気分解できるようにした。また、
コントローラ111として図2のようなフローチャート
の制御プログラムを走らせたパソコンを用意し、このパ
ソコンに内蔵したADコンバータ入力端子に、センサ1
20を構成するPID検出器付きガスクロマトグラフィ
(HMU社製GC−311)のペンプロッタ用アナログ
電圧出力端子およびサーミスタ温度計の出力端子、水位
センサ121の電極および水位センサ122の電極とを
つなぎ、更にこのパソコンに内蔵した制御ボードに電磁
弁やポンプをつないで装置全体の制御を行った。
【0075】センサ120は、サンプリング管の先端を
分解処理槽101の排気口付近に設置し、ガスクロマト
グラフィは1分ごとにサンプリングして測定するするモ
ードにした。コントローラ111は、あらかじめTCE
およびPCEのピーク出現時間(R.T.)と、分解処
理槽内温度を考慮してガスクロマトグラフィが出力する
信号のピーク面積から槽内液相濃度を算出するプログラ
ムを入力し、コントローラ111の側でTCEおよびP
CEの濃度が廃液の排出基準値0.03mg/Lの半分
に当たる0.015mg/Lと平衡になる気相濃度を越
えると機能水の能力が低下したと判断して、分解モード
から機能水還流モードに切り替わる仕組みにした。
【0076】まず、電気分解槽102を用いて機能水
(I)を以下の通り調製した。電解質として塩化ナトリ
ウムを含む水の電解質濃度、電解電流値、電解時間等を
種々変化させて、その結果陽極側で得られる酸性の機能
水のpHをpHメーター(TCX−90i)により測定
し、また液中の溶存塩素濃度を簡易型反射式光度計(R
Qフレックス、メルク社。試験紙はリフレクトクァント
塩素テスト)により測定した。この測定の結果、塩化ナ
トリウムの濃度(標準濃度は1000mg/L)、電解
電流値、電解時間などによって、この機能水のpHは
4.0〜10.0、また溶存塩素濃度は2mg/L〜70
mg/Lに変化することが確認された。
【0077】そこで、本実施例で用いる機能水(I)と
しては、pH7.9、溶存塩素濃度15mg/Lのもの
を使用することにした。この機能水(I)は、電気分解
槽102に50mLの蒸留水を入れ、これに電磁弁11
3を開いて電解質溶液供給装置105から20%(25
0g/L)の濃度の塩化ナトリウム水溶液を0.2mL
添加して約1000mg/Lの塩化ナトリウム水溶液と
した後、12分間電気分解をすることにより得たもので
ある。
【0078】次に、ポンプ114を作動して容積500
mLのガラス製分解処理槽101の中に、機能水(I)
を50mL全量を送水した。
【0079】事前の実験で、図1の分解処理槽101に
この機能水(I)を入れ、エアポンプで曝気装置107
に300mL/minの流量で送気した。この時、分解
処理槽101内の気相中の塩素濃度を検知管(ガステッ
ク社製、No.8H)で数回測定したところ、およそ8
0ppm〜300ppmの範囲内であった。
【0080】この分解処理槽101に光照射手段106
であるブラックライト蛍光ランプ((株)東芝製FL1
0BLB、10W)により光を照射した。この照射光量
は、0.4〜0.7mW/cm2とした。
【0081】光の照射と同時に、分解処理槽101底部
の曝気装置107から、パーミエータ(ガステック社
製)で生成した汚染土壌から真空吸引した汚染空気に見
立てた100ppmの濃度のTCEとPCE含有空気を
300mL/minの流量で送気した。
【0082】この装置の運転を開始してから約40分
間、分解処理槽101からの排気空気中のTCE及びP
CE濃度をセンサ120で1分ごとに測定し液相濃度を
計算したところ0.015mg/L以下で分解モードで
あったが、その後PCEの濃度が0.015mg/Lを
越えた。
【0083】そこで、コントローラ111の指示で自動
的に電磁弁116を閉じ、ブラックライト蛍光ランプを
消灯して分解を中断すると共に、ポンプ115を作動し
て分解処理槽101底部の機能水廃液をすべて引き抜き
機能水廃液還流管109を介して電気分解槽102に還
流した。
【0084】水位センサ122で電気分解槽102が満
水になったのを検知して、コントローラ111の指示で
直流電源110をONにし、再び12分間電気分解した
ところ、pH2.3、溶存塩素濃度27mg/Lの機能
水(II)が生成した。
【0085】次に、ポンプ114を作動して、この機能
水(II)を分解処理槽101に送水し、再びブラック
ライト蛍光ランプを点灯すると同時に電磁弁116を開
いてTCE及びPCEを含む空気で曝気した。
【0086】この時も約40分間、常にセンサ120で
1分ごとに測定した分解処理槽101からの排気ガス中
のTCE及びPCE液相換算濃度は0.015mg/L
以下であったが、その後PCE濃度が上昇し、再び自動
的に分解を中断して機能水廃液を機能水(II)に再生
した。
【0087】この操作を6回行ったが、7回目にはブラ
ックライト蛍光ランプ点灯1分後および2分後の排気ガ
スの液相換算濃度が0.015mg/Lを越えていた。
このため一度分解を中止し、機能水廃液をポンプ115
で電気分解槽102に戻すと同時に電磁弁113を開い
て電解質溶液供給装置105から0.2mLの塩化ナト
リウム水溶液を添加した上で再度12分間電気分解を行
った。その後、再び機能水(II)をポンプ114で分
解処理槽101に送り直してランプ106を点灯し電磁
弁116を開いて曝気を行ったところ、TCE及びPC
Eは再び0.015mg/L以下になった。
【0088】このことから、図1のような装置を図2の
ようなフローチャートで制御すれば、機能水を用いてT
CE及びPCEを分解する事ができ、分解能が低下して
も、自動的に機能水廃液を再電解して再生し、それでも
分解能が回復しない場合は、電解質を添加して再電解す
ることで分解能を回復させ続けられ、機能水排水を毎回
排出するより遙かに少ない排水量と電解質投入量で装置
を運転できることが確かめられた。
【0089】[実施例2]ガス、隔膜無し、一体型分解
処理槽の連続運転 コントローラ111のプログラムが図3のフローチャー
トで、電磁弁113をポンプに交換した以外は、実施例
1と同様の分解装置を準備した。
【0090】まず、電気分解槽102に原水を50mL
入れて実施例1と同様の機能水(I)を調製した。次に
ポンプ114でその機能水(I)を全量分解反応槽10
1に送水し、再び電気分解槽102に原水を50mL入
れて同じ条件で機能水(I)を調整した。次に、ポンプ
115を4mL/minの流量で動かして分解処理槽1
01と電気分解槽102の間で機能水を循環させ、直流
電源110をONにして分解処理槽101から還流して
きた機能水廃液の連続再電解も開始すると同時にとポン
プ114を流量4mL/minの流量で動かして準備完
了とした。
【0091】この分解処理槽101に光照射手段106
であるブラックライト蛍光ランプにより光を照射した。
この照射光量は、0.4〜0.7mW/cm2とした。
【0092】光の照射と同時に、実施例1と同様に分解
処理槽101底部の曝気装置107から、パーミエータ
で生成した汚染土壌から真空吸引した汚染空気に見立て
た100ppmの濃度のTCEとPCE含有空気を30
0mL/minの流量で送気した。
【0093】この装置の運転を開始してから約40分
間、分解処理槽101からの排気空気中のTCE及びP
CE濃度は0.015mg/L以下で分解モードであっ
たが、その後PCEの濃度が0.015mg/Lを越え
た。
【0094】この装置の運転を開始してから約4.5時
間の間、分解処理槽101からの排気空気中のTCE及
びPCE液相換算濃度は0.015mg/L以下であっ
た。
【0095】しかしその後、排気空気中のTCE及びP
CE液相換算濃度が0.015mg/Lを越えたのでポ
ンプ113を作動して電解質溶液供給装置105から2
0%(250g/L)の濃度の塩化ナトリウム水溶液を
電気分解槽102に添加したところ、TCE及びPCE
は再び0.015mg/L以下になった。塩化ナトリウ
ム水溶液は合計0.4mLを約30分かけて徐々に電気
分解槽102に添加した。
【0096】この後、4〜5時間おきに排気空気中のT
CE及びPCE濃度が0.015mg/Lを越えポンプ
113が作動した。
【0097】このことから、機能水廃液を連続的に還流
する際、分解能が低下するたびに電解質を添加すれば、
曝気し終わった機能水廃液を電解して機能水(II)に
再生して、TCE及びPCEを分解し続けられ、機能水
排水を毎回排出するより遙かに少ない排水量と電解質投
入量で装置を運転できることが確かめられた。
【0098】[実施例3]ガス、隔膜無し、分離型分解
処理槽のバッチ運転 図1の分解処理槽底部を図4のように機能水曝気槽20
1が分解処理槽101から分離している他は実施例1と
同様の装置を用い、実施例1と同様の実験を行った。こ
の時、機能水曝気槽201の容積は70mLで機能水を
50mL入れた。また分解処理槽101の容積は450
mLだった。
【0099】その結果、実施例1と全く同じ結果になっ
た。
【0100】このことから、機能水曝気槽と分解処理槽
101から分離していても、実施例1と同様の制御でT
CE及びPCEを分解し続けられ、機能水を全量新しく
作るよりも遙かに少ない排水量と電解質投入量で装置を
運転できることが確かめられた。
【0101】[実施例4]ガス、隔膜無し、分解対象物
質を含まない空気による曝気型分解処理槽のバッチ運転 パーミエータからの汚染空気を分解処理槽101に直接
送気し、分解処理槽101底部の曝気装置107にはエ
アポンプで分解対象物質を含まない空気を300mL/
minの流量で送った他は図1の装置を用い実施例1と
同様の実験を行った。
【0102】その結果、実施例1と全く同じ結果になっ
た。
【0103】このことから、機能水を分解対象物質を含
まない空気で曝気して塩素を含む空気を生成して分解処
理槽101内で分解対象物質との混合しても、実施例1
と同様の制御でTCE及びPCEを分解し続けられ、機
能水排水を毎回排出するより遙かに少ない排水量と電解
質投入量で装置を運転できることが確かめられた。
【0104】[実施例5]ガス、隔膜有り、一体型分解
処理槽のバッチ運転 図5の様に図1の電気分解槽102に隔膜301を取り
付け、機能水廃液還流管109および電解質溶液供給装
置105の流出口の取り付け位置を変更し、陰極側にア
ルカリ性水管302を設けた装置を用いて実験を行っ
た。実施例1と同様に電解質として塩化ナトリウムを含
む水の電解質濃度、電解電流値、電解時間を種々変化さ
せて、その結果陽極側で得られる酸性の機能水のpHお
よび溶存塩素濃度を測定した。
【0105】この測定の結果、塩化ナトリウムの濃度
(標準濃度は1000mg/L)、電解電流値、電解時
間などによって、この機能水のpHは1.0〜4.0、ま
た溶存塩素濃度は5mg/L〜150mg/Lに変化す
ることが確認された。
【0106】そこで、本実施例で用いる機能水(I)と
しては、pH2.1、溶存塩素濃度60mg/Lのもの
を使用することにした。この機能水(I)は、電気分解
槽102に100mLの蒸留水を入れ、これに電解質溶
液供給装置105から20%(250g/L)の濃度の
塩化ナトリウム水溶液を0.4mL添加して約1000
mg/Lの塩化ナトリウム水溶液とした後、12分間電
気分解を行い、陽極104側で得られた酸性電解水の5
0mLである。
【0107】この機能水(I)を実施例1と同様に分解
処理槽101に送り、TCE及びPCE含有空気の濃度
を倍の200ppmにした他は実施例1と同様の実験を
行った。ただし、機能水廃液は、電気分解槽102の陰
極103側にできたアルカリ性水50mLをアルカリ性
水管112より送水して機能水廃液還流管109中で中
和した上で、貯留槽110中に一時貯留し、再び電気分
解槽102に還流した。このとき、中和される前の機能
水廃液のpHは2.3であったが、中和後は6.8であ
った。
【0108】その結果、実施例1と全く同じ結果になっ
た。
【0109】このことから、図5のような隔膜のある電
気分解槽で生成した機能水を用い、図2のようなフロー
チャートで制御すれば、機能水を用いてTCE及びPC
Eを分解する事ができ、分解能が低下しても、自動的に
機能水廃液を再電解して再生し、それでも分解能が回復
しない場合は、電解質を添加して再電解することで分解
能を回復させ続けられ、機能水排水を毎回排出するより
遙かに少ない排水量と電解質投入量で装置を運転できる
ことが確かめられた。
【0110】[実施例6]ガス、次亜塩素酸添加機能
水、一体型分解処理槽のバッチ運転 実験開始時に分解処理槽101に塩酸・塩化ナトリウム
・次亜塩素酸ナトリウムを添加して作成した機能水
(I)を50mL入れた他は、実施例5と同様の実験を
行った。
【0111】機能水(I)は蒸留水に塩酸0.006m
ol/L、塩化ナトリウム0.01mol/L、及び次
亜塩素酸ナトリウム0.002mol/Lの濃度になる
ように調整した。この時、機能水(I)はpH2.3、
溶存塩素濃度110mg/Lであった。
【0112】この機能水(I)を実施例5と同様に分解
処理槽101に送り、還流した機能水廃液に電解質溶液
供給槽105から塩化ナトリウムを添加して濃度を10
00mg/Lにした後に電気分解を行って機能水(I
I)とした以外は実施例5と全く同じ実験を行った。
【0113】その結果、機能水廃液を8回還流して再電
解した後の機能水(II)を用いると、排気空気中のT
CE及びPCE液相換算濃度が0.015mg/Lを越
えた以外は実施例1と全く同じ結果になった。
【0114】このことから、次亜塩素酸添加機能水を用
い、図2のようなフローチャートで制御すれば、機能水
を用いてTCE及びPCEを分解する事ができ、分解能
が低下しても、自動的に機能水廃液を再電解して再生
し、それでも分解能が回復しない場合は、電解質を添加
して再電解することで分解能を回復させ続けられ、機能
水排水を毎回排出するより遙かに少ない排水量と電解質
投入量で装置を運転できることが確かめられた。
【0115】[実施例7]液、隔膜無し、一体型分解処
理槽のバッチ運転 図6の分解処理槽底部を用いて実施例1と同様の実験を
行った。
【0116】あらかじめ分解処理槽排気吸気用電磁弁4
03を開いた上で、まず汚染水送水管401から分解処
理槽101に、汚染土壌から揚水した汚染地下水に見立
てた10mg/Lの濃度のTCEとPCE含有水を50
mL入れ、全量を電気分解槽102へ送水し、電磁弁1
13を開いて電解質溶液供給装置105から20%(2
50g/L)の濃度の塩化ナトリウム水溶液を0.2m
L添加して約1000mg/Lの塩化ナトリウム水溶液
とした後、12分間電気分解し、pH7.9、溶存塩素
濃度15mg/Lの機能水(I)を生成し、送水ポンプ
114を用いて再び50mL全量を分解処理槽101に
送水した。
【0117】同時に分解処理槽101に50mLの汚染
水を入れ、汚染水と機能水(I)の混合液100mLを
作成した。
【0118】電磁弁403を閉じた上で、この分解処理
槽101に光照射手段106であるブラックライト蛍光
ランプ((株)東芝製FL10BLB、10W)により
光を照射した。この照射光量は、0.4〜0.7mW/c
2とした。
【0119】この装置の運転を開始してから50分間、
分解処理槽101上部の空気中のTCE及びPCE濃度
をセンサ120で1分ごとに測定し計算したところ、液
相換算濃度は0.015mg/L以上であったので分解
モードのままであったが、その後TCEおよびPCEの
濃度が共に0.015mg/Lを下回った。
【0120】そこで、汚染水の処理が終了したと判断し
て、コントローラ111の指示で、ブラックライト蛍光
ランプを消灯すると共に、電磁弁403を開き、ポンプ
115を作動して分解処理槽101底部の機能水廃液を
すべて排水し、機能水廃液還流管109を介して電気分
解槽102に還流した。水位センサ122で電気分解槽
102が満水になったのを検知した後、電磁弁117を
開き残りの処理済み水50mLを放流した。同時に、直
流電源110をONにし、再び12分間電気分解したと
ころ、pH2.3、溶存塩素濃度27mg/Lの機能水
(II)が生成した。
【0121】次に、分解処理槽101に新たな汚染水5
0mLを送水すると同時に、ポンプ114を作動して、
この機能水(II)を分解処理槽101に送水し、再び
ブラックライト蛍光ランプを点灯した。
【0122】この時も約50分間、常にセンサ120で
1分ごとに分解処理槽101上部の空気中のTCE及び
PCE液相換算濃度は0.015mg/L以上であった
が、その後TCEおよびPCEの濃度が共に0.015
mg/Lを下回り、分解が終了しため、再び排水の50
mLを電気分解槽に送水して、機能水(II)として再
生した。
【0123】この操作を6回行ったが、7回目には1時
間たっても分解処理槽101上部の空気中のTCE及び
PCEの液相換算濃度が0.015mg/Lを越えてい
た。このため分解を中止し、蛍光ランプを消灯し、機能
水廃液を50mLだけポンプ115で電気分解槽102
に戻すと同時に電磁弁113を開いて電解質溶液供給装
置105から0.2mLの塩化ナトリウム水溶液を添加
した上で再度12分間電気分解を行った。その後、再び
機能水(II)をポンプ114で分解処理槽101に送
り直してランプ106を点灯し電磁弁116を開いて曝
気を行ったところ、50分で分解処理槽101上部の空
気中のTCE及びPCE液相換算濃度は再び0.015
mg/L以下になった。
【0124】また、この実験の間中また、電磁弁117
から放流される排水中のTCE及びPCEは常に排水基
準の0.03mg/L以下であった。
【0125】このことから、図6のような装置を図7の
ようなフローチャートで制御すれば、機能水を用いてT
CE及びPCEを分解する事ができ、一定時間たっても
分解対象物濃度が一定値以下にならず分解能が低下して
も、自動的に電解質を添加して再電解することで分解能
を回復させ続けられ、機能水排水を毎回排出するより遙
かに少ない排水量と電解質投入量で装置を運転できるこ
とが確かめられた。
【0126】[実施例8]液、隔膜無し、一体型分解処
理槽の連続運転 コントローラ111のプログラムが図8のフローチャー
トで、電磁弁113をポンプに交換した以外は、実施例
7と同様の分解装置を準備した。
【0127】あらかじめ分解処理槽排気吸気用電磁弁4
03を開いた上で、まず汚染水送水管401からポンプ
402を用いて分解処理槽101に実施例7と同様に汚
染水を50mL入れた。次にポンプ115をONにして
この汚染水を全量電気分解槽102に送水し、電解質を
添加し実施例1と同様の機能水(I)を調製した。次に
ポンプ114でその機能水(I)を流量4mL/min
で分解反応槽101に送水し、分解処理槽内に汚染水と
機能水の混合液を作成した。
【0128】次に直流電源110をONにして分解処理
槽101から還流してきた機能水廃液の連続再電解も開
始し準備完了とした。
【0129】この分解処理槽101に光照射手段106
であるブラックライト蛍光ランプにより光を照射した。
この照射光量は、0.4〜0.7mW/cm2とした。同
時に、汚染水送水管401から分解処理槽101に流量
4mL/minで連続送水した。
【0130】この装置の運転を開始してから約40分
間、分解処理槽101上部の空気中のTCE及びPCE
液相換算濃度は0.015mg/L以下で分解モードで
あったが、その後PCEの濃度が0.015mg/Lを
越えた。
【0131】この装置の運転を開始してから約4.5時
間の間、分解処理槽101の上部気相中のTCE及びP
CE液相換算濃度は0.015mg/L以下であった。
しかしその後、排気空気中のTCE及びPCE液相換算
濃度が0.015mg/Lを越えたのでポンプ113を
作動して電解質溶液供給装置105から20%(250
g/L)の濃度の塩化ナトリウム水溶液を電気分解槽1
02に添加したところ、TCE及びPCEは再び0.0
15mg/L以下になった。塩化ナトリウム水溶液は合
計0.4mLを約30分かけて徐々に電気分解槽102
に添加した。
【0132】この後、4〜5時間おきに分解処理槽10
1上部の空気中のTCE及びPCE液相換算濃度が0.
015mg/Lを越えポンプ113が作動した。
【0133】また、この実験の間中また、電磁弁117
から放流される排水中のTCE及びPCEは常に排水基
準の0.03mg/L以下であった。
【0134】このことから、汚染水と機能水廃液の混合
液を連続的に還流する際、分解能が低下するたびに電解
質を添加すれば、TCE及びPCEを分解し続けられ、
機能水を全量新しく作るよりも遙かに少ない排水量と電
解質投入量で装置を運転できることが確かめられた。
【0135】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
反応領域中での光照射下における分解ための物質の存在
下で汚染物質を分解する装置を、分解されずに残存した
汚染物質を反応領域からの排気中に含有させる構成と
し、排気中の汚染物質の残存量をモニターして残存量が
一定以上、例えば許容限界を超えた場合に分解反応を制
御するので、排気中の汚染物質量を所定の範囲内に抑え
ることができ、高精度かつ高効率の分解処理を行なうこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態の基本構成を説明する為の概略
図である。
【図2】ガス分解の場合のバッチ式分解方法のフローチ
ャートである。
【図3】ガス分解の場合の連続式分解方法のフローチャ
ートである。
【図4】第一の実施形態の基本構成に、変更を施した例
について説明する為の概略図、変更部分である。
【図5】第二の実施形態の基本構成を説明する為の概略
図の、変更部分である。
【図6】第三の実施形態の基本構成を説明する為の概略
図である。
【図7】水溶液分解の場合のバッチ式分解方法のフロー
チャートである。
【図8】水溶液分解の場合の連続式分解方法のフローチ
ャートである。
【符号の説明】
101 分解処理槽 102 電気分解槽 103 陰極 104 陽極 105 電解質溶液供給装置 106 光照射手段 107 曝気手段 108 機能水廃液管 109 機能水廃液還流管 110 電気分解用直流電源 111 コントローラ 113 電解質溶液供給用電磁弁 114 機能水供給用ポンプ 115 機能水廃液排水用ポンプ 116 曝気ガス用電磁弁 117 排水調整用電磁弁 120 分解対象物濃度測定用センサ 121 分解処理槽水位測定用センサ 120 電気分解槽水位測定用センサ 201 機能水曝気槽 301 隔膜 302 アルカリ性水管 401 汚染水送水管 402 汚染水送水ポンプ 403 分解処理槽排気吸気用電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07B 35/06 B01D 53/34 120D 37/06 ZAB (72)発明者 川口 正浩 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 4D002 AA21 AC10 BA05 BA09 DA53 EA06 GA01 GA02 GA03 GB02 GB06 GB20 4D037 AA05 AA11 AB14 BA18 CA04 4D050 AA02 AA12 AB19 BB05 BC09 4D061 DA02 DA08 DB07 DB10 DB19 DC08 EA03 EB01 EB02 EB12 EB14 EB37 EB39 ED17 GA30 GC20 4H006 AA02 AC13 AC26

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に設けられた反応領域に、分
    解対象物である汚染物質と、該汚染物質の光照射下での
    分解のための物質とを導入し、光照射下でこれらを接触
    させて該汚染物質を分解処理する汚染物質の分解方法で
    あって、 前記汚染物質及び前記分解のための物質の少なくとも一
    方を、気体中に含有させて前記反応領域に導入する工程
    と、 該反応領域への前記気体の導入に応じて生じる前記反応
    容器からの排気中での前記汚染物質の残存量を測定する
    工程と、 該残存量に応じて、前記分解のための物質の前記反応領
    域での分解反応を制御する工程と、を有することを特徴
    とする汚染物質の分解方法。
  2. 【請求項2】 前記反応領域が前記反応容器内に設けら
    れた気体相領域を含む請求項1に記載の汚染物質の分解
    方法。
  3. 【請求項3】 前記反応領域が前記反応容器内に設けら
    れた液相領域を含む請求項2または3に記載の分解方
    法。
  4. 【請求項4】 前記排気中の残存汚染物質量を連続的
    に、あるいは定期的に測定し、測定された残存汚染物量
    が許容限度を超えた時点で、前記分解のための物質の前
    記反応領域中への導入量を増加させる請求項1〜3のい
    ずれかに記載の分解方法。
  5. 【請求項5】 前記分解のための物質が、機能水から得
    られる塩素である請求項1〜4のいずれかに記載の分解
    方法。
  6. 【請求項6】 該機能水が次亜塩素酸イオンを含有する
    請求項5に記載の分解方法。
  7. 【請求項7】 該機能水が電解質を含む水の電気分解に
    より陽極近傍に生成する酸性水である請求項5に記載の
    分解方法。
  8. 【請求項8】 該機能水が電解質を含む水の電気分解に
    より陽極近傍に生成する酸性水と陰極近傍に生成するア
    ルカリ性水との混合水である請求項5に記載の分解方
    法。
  9. 【請求項9】 該混合水が該酸性水とアルカリ性水とを
    1:1以下の割合で混合したものである請求項8に記載
    の分解方法。
  10. 【請求項10】 該電解質が塩化ナトリウム及び塩化カ
    リウムの少なくとも一方である請求項7〜9のいずれか
    に記載の分解方法。
  11. 【請求項11】 該機能水が次亜塩素酸塩水溶液である
    請求項5に記載の分解方法。
  12. 【請求項12】 該次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウ
    ム及び次亜塩素酸カリウムの少なくとも一方である請求
    項11に記載の分解方法。
  13. 【請求項13】 該機能水が更に無機酸または有機酸を
    含む請求項11または12のいずれかに記載の分解方
    法。
  14. 【請求項14】 該無機酸または有機酸が塩酸、フッ
    酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、りんご酸、ク
    エン酸及びシュウ酸から選ばれる少なくとも一つである
    請求項13記載の分解方法。
  15. 【請求項15】 該機能水が水素イオン濃度(pH値)1
    〜4、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電
    極:銀-塩化銀電極)800〜1500mV、及び塩素濃
    度が5〜150mg/Lである請求項5に記載の分解方
    法。
  16. 【請求項16】 該機能水が水素イオン濃度(pH値)4
    〜10、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電
    極:銀-塩化銀電極)300〜1100mV、及び塩素濃
    度2〜100mg/Lである請求項5に記載の分解方法。
  17. 【請求項17】 該光が、波長300〜500nmの波
    長域の光を含む光である請求項1〜16のいずれかに記
    載の分解方法。
  18. 【請求項18】 該光が、波長350〜450nmの波
    長域の光である請求項17に記載の分解方法。
  19. 【請求項19】 該光の照射量が10μW/cm2〜10
    mW/cm2である請求項1〜18のいずれかに記載の分
    解方法。
  20. 【請求項20】 該光の照射量が50μW/cm2〜5m
    W/cm2である請求項19に記載の分解方法。
  21. 【請求項21】 前記汚染物質がハロゲン化脂肪族炭化
    水素である請求項1〜20のいずれかに記載の分解方
    法。
  22. 【請求項22】 前記ハロゲン化脂肪族炭化水素が、塩
    素原子で置換されている脂肪族炭化水素である請求項2
    1に記載の分解方法。
  23. 【請求項23】 該ハロゲン化脂肪族炭化水素化合物が
    トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、ク
    ロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1-ジクロロ
    エチレン、cis-1,2-ジクロロエチレン、trans-1,2-
    ジクロロエチレン、トリクロロメタン(クロロホルム)及
    びジクロロメタンの中の少なくとも一つである請求項2
    2に記載の分解方法。
  24. 【請求項24】 反応領域を構成する反応容器と、該反
    応領域内に汚染物質を導入するための汚染物質導入手段
    と、該反応領域内に該汚染物質の光照射下での分解のた
    めの物質を導入する分解用物質導入手段と、該反応領域
    に光を照射するための光照射手段とを有する該汚染物質
    分解処理用の装置であって、 前記汚染物質導入手段及び前記分解用物質導入手段の少
    なくとも一方を、前記汚染物質及び前記分解のための物
    質を気体中に含有させて前記反応領域に導入する気体導
    入手段と、 該反応領域への前記気体の導入に応じて生じる前記反応
    容器からの排気中における前記汚染物質の残存量を測定
    する測定手段と、 該測定手段によって測定された汚染物質の残存量に応じ
    て前記分解領域中での前記汚染物質の分解反応を制御す
    る制御手段と、を有することを特徴とする汚染物質分解
    処理用の装置。
  25. 【請求項25】 前記反応領域が前記反応容器内に設け
    られた気体相領域を含む請求項24に記載の装置。
  26. 【請求項26】 前記反応領域が前記反応容器内に設け
    られた液相領域を含む請求項24または25に記載の装
    置。
  27. 【請求項27】 前記測定手段が前記排気中の残存汚染
    物質量を連続的に、あるいは定期的に測定する構成を有
    し、測定された残存汚染物量が許容限度を超えた時点
    で、前記分解のための物質の前記反応領域中への導入量
    を前記制御手段によって増加させる請求項24〜26の
    いずれかに記載の装置。
  28. 【請求項28】 前記分解のための物質が、機能水から
    得られる塩素である請求項24〜27のいずれかに記載
    の装置。
  29. 【請求項29】 該機能水が次亜塩素酸イオンを含有す
    る請求項28に記載の装置。
  30. 【請求項30】 該機能水が電解質を含む水の電気分解
    により陽極近傍に生成する酸性水である請求項28に記
    載の装置。
  31. 【請求項31】 該機能水が電解質を含む水の電気分解
    により陽極近傍に生成する酸性水と陰極近傍に生成する
    アルカリ性水との混合水である請求項28に記載の装
    置。
  32. 【請求項32】 該混合水が該酸性水とアルカリ性水と
    を1:1以下の割合で混合したものである請求項28に
    記載の装置。
  33. 【請求項33】 該電解質が塩化ナトリウム及び塩化カ
    リウムの少なくとも一方である請求項30〜32のいず
    れかに記載の装置。
  34. 【請求項34】 該機能水が次亜塩素酸塩水溶液である
    請求項28に記載の装置。
  35. 【請求項35】 該次亜塩素酸塩が次亜塩素酸ナトリウ
    ム及び次亜塩素酸カリウムの少なくとも一方である請求
    項34に記載の装置。
  36. 【請求項36】 該機能水が更に無機酸または有機酸を
    含む請求項33または35のいずれかに記載の装置。
  37. 【請求項37】 該無機酸または有機酸が塩酸、フッ
    酸、硫酸、リン酸、ホウ酸、酢酸、ぎ酸、りんご酸、ク
    エン酸及びシュウ酸から選ばれる少なくとも一つである
    請求項36記載の装置。
  38. 【請求項38】 該機能水が水素イオン濃度(pH値)1
    〜4、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電
    極:銀-塩化銀電極)800〜1500mV、及び塩素濃
    度が5〜150mg/Lである請求項28に記載の装置。
  39. 【請求項39】 該機能水が水素イオン濃度(pH値)4
    〜10、酸化還元電位(作用電極:プラチナ電極、参照電
    極:銀-塩化銀電極)300〜1100mV、及び塩素濃
    度2〜100mg/Lである請求項28に記載の装置。
  40. 【請求項40】 該光が、波長300〜500nmの波
    長域の光を含む光である請求項24〜39のいずれかに
    記載の装置。
  41. 【請求項41】 該光が、波長350〜450nmの波
    長域の光である請求項40に記載の装置。
  42. 【請求項42】 該光の照射量が10μW/cm2〜10
    mW/cm2である請求項24〜41のいずれかに記載の
    装置。
  43. 【請求項43】 該光の照射量が50μW/cm2〜5m
    W/cm2である請求項42に記載の装置。
  44. 【請求項44】 前記汚染物質がハロゲン化脂肪族炭化
    水素である請求項24〜43のいずれかに記載の装置。
  45. 【請求項45】 前記ハロゲン化脂肪族炭化水素が、塩
    素原子で置換されている脂肪族炭化水素である請求項4
    4に記載の装置。
  46. 【請求項46】 該ハロゲン化脂肪族炭化水素化合物が
    トリクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、ク
    ロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,1-ジクロロ
    エチレン、cis-1,2-ジクロロエチレン、trans-1,2-
    ジクロロエチレン、トリクロロメタン(クロロホルム)及
    びジクロロメタンの中の少なくとも一つである請求項4
    5に記載の装置。
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