JP2001259664A - 汚染水および汚染ガスの浄化方法および装置 - Google Patents

汚染水および汚染ガスの浄化方法および装置

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JP2001259664A JP2000080027A JP2000080027A JP2001259664A JP 2001259664 A JP2001259664 A JP 2001259664A JP 2000080027 A JP2000080027 A JP 2000080027A JP 2000080027 A JP2000080027 A JP 2000080027A JP 2001259664 A JP2001259664 A JP 2001259664A
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Katsumi Okada
克己 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汚染された土壌から発生する汚染水および汚
染ガスを、効率よく、かつ安全に処理できる汚染水およ
び汚染ガスの浄化方法および装置を提供すること。 【解決手段】 汚染水6aを一旦貯留する処理槽2と、処
理槽2内の汚染水6aにオゾン含有気体を供給するオゾン
発生器3およびオゾン発生器3と処理槽2をつなぐ気体供
給管8と、気体供給管8を介して汚染水6a中に供給された
オゾン含有気体を微細気泡化する微細気泡発生器4と、
汚染水6aに波長の少なくとも一部が240nm〜320nmの範囲
の紫外線を照射する光源5と、汚染ガス6b中の汚染物質
を気相で光触媒分解させる光触媒を励起させる光源なら
びに光触媒担持体を内部に設けた光触媒処理器22を備
え、汚染水6a中の有害物質をオゾン-光複合酸化分解す
ると共に、汚染ガス6b中の有害物質を気相で光触媒分解
させ、汚染水6aと汚染ガス6bを同時に浄化できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トリクロロエチ
レン、テトラクロロエチレン等の有機ハロゲン化合物、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物などの
有害物質を含有した汚染水および汚染ガスを浄化する方
法および装置に関する。特に液相における紫外線と微細
気泡化されたオゾン含有気体によるオゾン-光複合酸化
分解と、気相における光触媒分解を併用した汚染水およ
び汚染ガスの浄化方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、有機ハロゲン化合物、芳香族化合
物などにより汚染された土壌や地下水を浄化するには、
土壌から有害物質を含むガスを吸引する方法、有害物質
を含む地下水を揚水する方法が挙げられている。また、
これら二つの方法を組合せ、汚染水と汚染ガスとを同時
に吸引する二重吸引法あるいは二重抽出法と呼ばれる効
果的な浄化法も検討されている。しかし、これらの汚染
水と汚染ガスの浄化には、発生した汚染水および/また
は汚染ガス中の有害物質を、活性炭等を用いて吸着除去
する方法が採用されている。
【0003】これに対し、汚染水中の有害物質を化学反応に
よって無害化して浄化する試みもなされている。この方
法としては、オゾン酸化や紫外線照射による光酸化によ
る方法などがある。オゾン酸化あるいは紫外線照射によ
る光酸化は、これらを単独で用いても汚染水に含まれる
有害物質を分解することは可能であるが、いずれも単独
で実施した場合には、効率の悪いことは周知のとおりで
ある。特に、オゾン酸化による方法は、分解力が不十分
で、有機ハロゲン化合物などを含む汚染水を分解処理す
ると、副生成物が多く生成するという問題点が指摘され
ている。
【0004】これに対して、オゾン酸化と紫外線照射による
光酸化を組合せた併用系では、これらの相乗効果によっ
て比較的効率よく有害物質を分解処理できることが知ら
れている。そのため、より効率的に処理できるように工
夫された様々な汚染水処理方法が提案されている。
【0005】例えば、オゾン発生器からオゾン含有ガスの供
給に際して、羽根車の回転を利用して液中に微細気泡と
してオゾン含有ガスを分散させ、このオゾン含有ガスに
紫外線を照射する方法(特公昭55-7299号公報)、微細気
泡化したオゾン含有液に波長の異なる紫外線を順次照射
し、オゾンから発生する活性酸素を効率よく反応に用い
る方法(特開平10-155887号公報)等が提案されている。
【0006】一方、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ
レン等の揮発性の高い有害物質を含んだ汚染土壌の浄化
方法としては、ガス吸引処理を行い、有害物質を気相中
に追い出したのち、分解処理する方法が近年注目されて
いる。気相中に追い出した有害物質の分解方式として
は、紫外線処理によるもの(例えば、水環境学会誌、第1
7巻第4号、P270〜275)、光触媒によるもの(例えば、特
開平9-155260号公報)等が提案されている。
【0007】しかしながら、気相中における紫外線照射分解
では、毒性の強い副生成物が生成する場合が多く、例え
ば、トリクロロエチレンの場合、毒性の強いジクロロ酢
酸やトリクロロ酢酸、また、反応条件によってはホスゲ
ンが副生することが知られている。
【0008】一方、光触媒方式では、酸化チタン等の光励起
によって生じる酸化力が極めて強いという利点を有して
いる。一般に、光触媒分解は、光触媒の比表面積が活性
炭などに比べて極めて低いため、微量の処理に適してい
るが、高濃度あるいは大容量の処理には問題がある。
【0009】しかしながら、汚染土壌から吸引された汚染ガ
スに加え、汚染水を曝気して気相に追い出した有害物質
は、単独で光触媒処理するには極めて高濃度となるの
で、光触媒分解のみによって環境基準値レベルにまで有
害物質濃度を低下させるには、反応面積、つまり光照射
面積を大きくする必要がある。このため、光触媒反応器
が大きくなり、その内部構造も複雑になる等の問題を有
している。
【0010】また、他の方法としては、紫外線照射と微生物
活性炭処理とを組合せ、汚染水と汚染ガスを化学的に無
害化処理する方法('99地球環境保護 土壌・地下水浄化
技術セミナー、P30〜P34、(社)土壌環境センター、日本
工業新聞社主催)が開示されている。
【0011】この方法では、汚染水の処理が過酸化水素を添
加したのち微生物処理により無害化するものである。こ
れと同時に、汚染ガス中の有害物質を紫外線照射により
分解し、つぎに残存する有害物質を吸収装置で水酸化ナ
トリウム水溶液等の吸収液中に吸収濃縮させ、汚染水の
処理と同様に微生物処理により無害化する。
【0012】しかしながら、この方法では、汚染水、汚染ガ
ス中の有害物質の処理に際し、微生物、活性炭を用いる
ため、処理日数の経過とともに微生物の繁殖維持、微生
物の寿命、吸着飽和した活性炭の再生や廃棄処理が必要
となる。これらはメンテナンス性を低下させ、ランニン
グコストがかかるという問題があるばかりでなく、二次
的な汚染を引き起こす可能性が危惧される。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、有機ハ
ロゲン化合物や芳香族化合物により汚染された土壌や地
下水を浄化するための技術を構築すべく、上記従来技術
で述べたガス吸引法や、地下水揚水法のみならず、二重
吸引法にも対応できる汚染水と汚染ガスの両者を化学的
に無害化処理する方法について、種々の試験研究を重ね
た。その結果、オゾン-紫外線照射による複合酸化技術
を用いることにより、汚染水中に含有される有機ハロゲ
ン化合物や芳香族化合物等の有害物質を、比較的効率よ
く分解できることを確認した。
【0014】一方、ガス吸引や曝気処理により発生する汚染
ガスを処理するには、液相にガスを導入する方法と、気
相に新たに紫外線照射用ランプを設けて無害化する方法
が考えられる。しかしながら、汚染ガスを液相に導入し
て浄化するには、汚染ガス中の有害物質を効果的に液相
に溶解させるために生じる汚染ガス供給速度の制限、反
応槽の大規模化、さらにそれに伴って生じる有害物質の
濃度、量の増大、紫外線照射用ランプの数、オゾン発生
速度の増加等の諸条件を決定することが極めて困難であ
った。また、気相に新たに紫外線照射用ランプを設けた
場合には、従来技術で述べたように、毒性の強い副生成
物が発生という問題が生じる。
【0015】この発明の目的は、上記従来技術および今回知
見した汚染水および汚染ガス処理方法や汚染水および汚
染ガス処理装置における問題点を解消し、有機ハロゲン
化合物や芳香族化合物等の有害物質により汚染された土
壌から発生する汚染水および汚染ガスを、効率よく、か
つ安全に処理できる汚染水および汚染ガスの浄化方法お
よび装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明の汚染水および
汚染ガスの浄化方法は、液相中へのオゾン含有気体の微
細気泡での供給と紫外線照射によって、有害物質をオゾ
ン-光複合酸化分解させると共に、汚染ガス中の有害物
質あるいは汚染ガス中の有害物質と処理漕内の汚染水中
の有害物質のオゾン-光複合酸化分解過程で気相中に移
行した副生成物とを、気相中で光触媒分解させ、汚染水
と汚染ガスを同時に浄化することを特徴とする。
【0017】この発明の汚染水および汚染ガスの浄化方法
は、上記のようにすることによって、汚染水中に含まれ
る有害物質を効率よくオゾン-光複合酸化分解できる。
また、汚染ガス中の有害物質あるいは汚染ガス中の有害
物質と前記オゾン-光複合酸化分解過程で気相中に移行
した副生成物は、光触媒によって気相分解し、無害化す
ることができる。
【0018】また、この発明の汚染水および汚染ガスの浄化
装置は、汚染水を一旦貯留する処理槽と、この処理槽内
の汚染水にオゾン含有気体を供給するオゾン発生器およ
びオゾン発生器と処理槽をつなぐ気体供給管と、この気
体供給管を介して汚染水中に供給されたオゾン含有気体
を微細気泡化する汚染水内に浸漬した微細気泡発生器
と、前記汚染水に波長の少なくとも一部が240nm〜320nm
の範囲の紫外線を照射する光源と、汚染源から吸引した
汚染ガス中の有害物質を気相で光触媒分解させる光触媒
を励起させる光源ならびに光触媒担持体を内部に設けた
光触媒処理器を備えたことを特徴とする。
【0019】この発明の汚染水および汚染ガスの浄化装置
は、上記のように構成することによって、汚染水中に含
まれる有害物質を効率よくオゾン-光複合酸化分解で
き、また、汚染ガス中の有害物質あるいは汚染ガス中の
有害物質と前記オゾン-光複合酸化分解過程で気相中に
移行した副生成物は、光触媒によって気相分解し、無害
化することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明における浄化処理は、有
害物質の液相分解と気相分解の2工程からなり、汚染水
および汚染ガス中に含有される有害物質を、効率よく、
かつ安全に処理するにはいずれの工程も必須である。
【0021】先ず汚染水に含有される有害物質の液相分解の
方法および装置について説明する。処理槽への汚染水の
供給は、直接汚染源から、あるいは一旦汚染水を貯蔵し
たタンクから必要に応じて送液ポンプなどで行う。ま
た、汚染源から汚染水を吸引、特に二重吸引等で引き上
げたときは、一旦気液分離装置等で汚染ガスと汚染水を
分離しなければならない。
【0022】このとき分離した汚染水は、処理槽に供給し、
汚染ガスは、気相処理装置、あるいは気相処理装置とオ
ゾン含有気体と同様に微細化して処理槽内の液相中との
両方に供給する。処理槽に供給された汚染水は、槽内に
設けた微細気泡発生器により微細気泡化されたオゾン含
有気体と、槽内への紫外線ランプによる照射を受け、含
有する有害物質が効率よく酸化分解される。
【0023】オゾン含有気体を微細気泡化するには、オゾン
を汚染水中に加圧溶存させる方法、回転式の羽根車等に
よって発生した渦流撹拌やその剪断力を利用する方法な
どがあるが、この発明ではオゾン含有気体を微細気泡化
できるものであればよく、どのような方法も採用するこ
とができる。
【0024】処理槽におけるオゾン含有気体の微細気泡の供
給位置は、基本的には水圧の影響を受けてより気泡が微
細化され、さらに汚染水との接触時間が長くなる処理槽
底部が好ましい。処理槽内の汚染水の撹拌方法として
は、オゾン含有気体をジェット噴流として供給したり、
微細気泡化のための羽根車の渦流を利用したり、磁気撹
拌、インペラー撹拌等の強制撹拌を行うことができる。
【0025】処理槽内への紫外線照射には、少なくとも240n
m〜320nmの紫外線を照射可能な光源を、液相に照射でき
るよう設置して用いる必要がある。その理由は、この波
長の光によってオゾンが活性化され、有害物質の分解に
必要なOHラジカルを与えるからである。また、上記の波
長範囲に加えて185nm〜200nmの低波長の紫外線を照射可
能な光源を利用すれば、液中に溶存した酸素のオゾン化
や有害物質の直接酸化分解が可能となるため、より効果
的に液相分解を進行できることもある。なお、使用でき
る光源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、中圧水銀
灯、低圧水銀灯、メタルハライド灯、キセノン灯等を挙
げることができる。
【0026】液相処理方式としては、汚染水処理量に応じた
大きさ、容量を持つ単一の処理槽あるいは複数の処理槽
で行うこともでき、オゾン含有気体と汚染水中の有害物
質との接触を高めるための筒状の反応器を利用すること
もできる。また、処理槽や反応器を複数カスケード式に
配置したものについては、それらの数を任意に変えるこ
とによって、オゾン-光複合酸化分解過程の途中におけ
る副生成物の生成をコントロールでき、好適に用いるこ
とができる。
【0027】液相処理におけるオゾン濃度や紫外線照射量
(光源出力)は、汚染水の処理量、汚染水に含まれる有害
物質の濃度に対する液相処理における分解能力を勘案し
て決定すればよい。
【0028】液相処理後の処理排水は、必要に応じて中和処
理などの後処理を行うこともできる。
【0029】次に、汚染ガスを気相処理する光触媒による気
相分解の方法と装置について説明する。汚染ガスは、汚
染源を通じて自発的あるいは吸引機を利用して気体供給
管を介して光触媒処理器に導入される。また、処理槽か
ら光触媒処理器にガスを移行させる場合についても同様
である。汚染ガスには、汚染水に含まれる有害物質が気
化したものが含有される。また、処理槽から光触媒処理
器にガスを移行させた場合は、有害物質、液相処理の際
の副生成物と未反応のオゾンなどが含まれる場合があ
る。
【0030】光触媒処理器に送られる汚染ガスあるいは汚染
ガスと処理槽から移行したガスの供給速度は、汚染源か
ら自発的あるいは吸引機を利用して気体供給管から送ら
れる供給速度で供給することができる。また、汚染ガス
中の有害物質濃度に応じて供給速度を調整することもで
きる。
【0031】光触媒処理には、酸素の供給が不可欠であり、
汚染源、光触媒処理器、処理槽の構造によって酸素濃度
が十分でない場合は、空気あるいは純酸素などの供給が
必要である。この場合は、光触媒処理器の前に外気導入
口を設置し、気相処理の限界を超えることがないように
空気あるいは純酸素などを送り込めばよい。
【0032】光触媒処理器の構造は、汚染ガス中の有害物質
や処理槽から送られる有害物質、その副生成物などを光
触媒分解できるものであればよく、特に限定されない
が、光触媒薄膜を固定化した担持体や、光触媒の粉末を
石英、ガラス、ステンレス鋼等を材質とする管などに充
填したもの等を処理器内部に、光触媒表面と汚染ガスの
接触が起こり易いように配置するのが望ましい。ガラス
管等を利用した場合は、それ自体を光触媒処理器として
利用することもできる。
【0033】なお、光触媒処理器は、基本的にコンパクトで
内部も単純な構造でよく、液相処理装置の能力とバラン
スを取りながら構造やランプの本数を決めればよい。光
触媒として例えば酸化チタンを使用する場合は、ブラッ
クライト、水銀灯、冷陰極線ランプ、熱陰極線ランプ等
が利用できる。
【0034】光触媒としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化
タングステン、酸化ジルコニウム、酸化鉄、酸化ビスマ
ス等公知の半導体光触媒を単一または二種類以上を組合
せて用いる。また、光触媒作用を持たない物質、例え
ば、シリカ、アルミナ、ゼオライトなどの物質上に光触
媒を担持したものも使用できる。酸化チタンは、活性が
比較的高く、安全性にも優れ、また入手も容易であるこ
とから、この発明における光触媒として好ましい。
【0035】この発明の汚染水および汚染ガスの浄化方法や
装置を適用できる汚染媒体としては、トリクロロエチレ
ン、テトラクロロエチレン、1,1,1-トリクロロエタン、
四塩化炭素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロ
ホルム、ポリ塩化ビフェニール(PCB)等の有機ハロゲン
化合物、BTX、フェノール等の芳香族化合物、さらには
有機溶剤、農薬、界面活性剤、色素、細菌微生物等によ
る汚染水あるいはこれらが揮発してできる汚染ガスを挙
げることができる。その中でも揮発性の高い有機ハロゲ
ン化合物やBTXを含んだものが最も効果的に処理でき
る。
【0036】気相処理後の排ガスは、必要に応じて中和処理
などの後処理を行うこともできる。
【0037】また、この発明の汚染水および汚染ガスの浄化
方法では、汚染ガスと汚染水に含まれる有害物質の割
合、濃度、処理量等に応じて、気相処理と液相処理の処
理効率や装置性能を勘案し、処理バランスを適正化する
のが好ましい。
【0038】
【実施例】実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1に基づい
て説明する。図1はこの発明の汚染水および汚染ガス浄
化処理装置の概略系統図である。
【0039】図1において、1はこの発明の汚染水浄化処理装
置で、処理槽2、オゾン発生器3、羽根車4aと液中回転駆
動機4bからなる微細気泡発生器4、処理槽2の例えば液中
に配置された二本の紫外線光源5、5からなる。処理槽2
は、オーバフロー用の堰2aによって分解槽2bと二次槽2c
に分割されている。処理槽2の分解槽2bは、汚染水6aお
よび汚染ガス6bを含む汚染源6から配管7により送られて
きた汚染水6aを一旦貯留すると共に、液相分解するもの
である。
【0040】オゾン発生器3で発生したオゾン含有気体は、
気体供給管8を介して、例えば分解槽2bの底部から微細
気泡発生器4の羽根車4a下部近傍に供給される。気体供
給管8を介して羽根車4a下部近傍に供給されたオゾン含
有気体は、羽根車4aによって形成される渦流と、その剪
断力によって微細気泡化され、分解槽2b中の汚染水6a中
に分散する。なお、羽根車4aと液中回転駆動機4bからな
る微細気泡発生器4を用いた場合は、分解槽2b内の汚染
水6aの撹拌は羽根車4aの渦流によって行われるため、分
解槽2b内の汚染水6aの撹拌装置を設ける必要はない。
【0041】一方、二本の紫外線光源5、5は、分解槽2b内の
汚染水6aに波長240〜320nmの紫外線を照射する。分解槽
2b内の汚染水6a中の有害物質は、微細気泡化されたオゾ
ン含有気体と紫外線光源5、5からの紫外線の照射により
オゾン-光複合酸化分解され、汚染水6aは浄化される。
浄化された処理水9は、堰2aを越えて二次槽2cにオーバ
フローし、排水管10を介して放流される。なお、処理水
9は、二次槽2cを用いなくても、そのままオーバフロー
によって放流することもできる。
【0042】汚染源6から発生した汚染ガス6bは、気体供給
管21を介して光触媒処理器22に導入される。また、処理
槽2の上部空隙部に発生した有害物質、分解途中の副反
応生成物および未反応オゾンのいずれか1種以上を含む
ガス23は、気体供給管24を介して光触媒処理器22に導入
される。なお、気体供給管21と24は、個別に光触媒処理
器22に連結されているが、気体供給管21と24を合流させ
たのち、光触媒処理器22に連結することもできる。
【0043】気体供給管21および24から導入される汚染ガス
6bおよびガス23中にミストが多く含まれる場合は、気体
供給管21および24にデミスタを設置し、予め汚染ガス6b
およびガス23中のミストを除去するのが好ましい。ただ
し、デミスタからのドレイン液は、再度処理槽2の分解
槽2bに戻すことが望ましい。
【0044】光触媒処理器22の構造は、特に限定されるもの
ではないが、例えば、酸化チタン光触媒を内面に塗布し
たパイレックス(登録商標)ガラス管の内部中央位置
に、光触媒を励起できるブラックライト光源を配置した
構造のもの、酸化チタン光触媒を塗布した板状、繊維状
のものを内周面に設置し、光触媒を励起できるブラック
ライト光源を内部中央位置に配置した構造のものを採用
できる。
【0045】光触媒処理器22で有害物質が光触媒分解処理さ
れて浄化された排ガスは、排気管25を介して大気中に放
出する。なお、光触媒処理器22によりトリクロロエチレ
ン等の塩素含有ガスを処理した場合は、炭酸ガス、塩化
水素等の酸性ガスが生成するため、排ガスをアルカリ槽
等に導入して中和したのち、大気中に放出するのが環境
保全の面から望ましい。
【0046】実施例2 前記実施例1の図1に示した構造の汚染水および汚染ガス
浄化処理装置を用い、この発明の汚染水および汚染ガス
浄化方法によって、有害物質としてトリクロロエチレン
を含有する汚染水および汚染ガスの連続浄化試験を行っ
た。その結果を表1に示す。
【0047】なお、試験条件は下記のとおおりである。 汚染水中トリクロロエチレン濃度:1ppm 汚染水流量:1m3/hr オゾン含有気体(オゾン濃度2%)供給量:4.0リットル/min 紫外線光源:低圧水銀灯(30W)2本 汚染ガス中トリクロロエチレン濃度:10ppm 汚染ガス流量:200リットル/min 光触媒を励起させる光源:ブラックライト(40W)18本 光触媒処理器:500mm×500mm×500mm 酸化チタン光触媒:酸化チタンを塗布したガラス板(450m
m×50mm×3mm、酸化チタン膜厚:約500nm)を40枚(試験N
o.1、2、4、5)、酸化チタンを塗布したガラスウール(試
験No.3)
【0048】
【表1】
【0049】なお、表1中の排水中濃度(ppm)は、排水中トリ
クロロエチレン濃度を、排ガス中濃度(ppm)は、排ガス
中トリクロロエチレン濃度を示す。また、試験No.4〜6
は、この発明の規定範囲から外れる。試験No.6の排ガス
中濃度は、処理槽2の気体供給管24入口で採取した値で
ある。
【0050】表1に示すように、この発明の汚染水および汚
染ガス浄化装置を用い、処理槽2と光触媒処理器22とを
連結する気体供給管24を設けなかった試験No.1では、排
水中トリクロロエチレン濃度は定常的に0.02ppm以下と
なり、排ガス中トリクロロエチレン濃度は定常的に0.1p
pm以下であった。また、処理槽2と光触媒処理器22とを
連結する気体供給管24を設けた以外は試験No.1と同条件
の試験No.2では、排水中トリクロロエチレン濃度は定常
的に0.01ppm以下となり、排ガス中トリクロロエチレン
濃度は定常的に0.2ppm以下であった。酸化チタンを塗布
したガラスウールを光触媒処理器22内に設置した試験N
o.3では、酸化チタン塗布ガラス板を光触媒処理器22内
に設置した試験No.1、2に比較し、排ガス中トリクロロ
エチレン濃度はさらに低下している。
【0051】一方、比較のため、オゾン発生器3と微細気泡
発生器4を停止した試験No.4や、紫外線照射用の低圧水
銀灯を停止した試験No.5の場合は、排水中トリクロロエ
チレン濃度および排ガス中トリクロロエチレン濃度が極
端に高くなっている。また、光触媒処理器22を外した試
験No.6は、処理槽2と光触媒処理器22とを連結する気体
供給管24入口の排ガス中トリクロロエチレン濃度が11.1
ppmで、環境保全上、そのままで大気に放出することは
できなかった。
【0052】
【発明の効果】この発明の汚染水および汚染ガス浄化方
法によれば、汚染水中に含まれる有害物質を効率よくオ
ゾン-光複合酸化分解できる。また、汚染ガス中の有害
物質あるいは汚染ガス中の有害物質と前記オゾン-光複
合酸化分解過程で気相中に移行した副生成物は、光触媒
によって気相分解し、無害化することができる。
【0053】また、この発明の汚染水および汚染ガス浄化装
置は、比較的安価で、メンテナンス性に優れるという特
徴を有し、汚染された地下水や工場排水ならびに汚染さ
れた土壌や工場敷地等の浄化装置として最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の汚染水および汚染ガス浄化処理装置
の概略系統図である。
【符号の説明】
1 汚染水浄化処理装置 2 処理槽 2a 堰 2b 分解槽 2c 二次槽 3 オゾン発生器 4 微細気泡発生器 4a 羽根車 4b 液中回転駆動機 5 紫外線光源 6 汚染源 6a 汚染水 6b 汚染ガス 7 配管 8、21、24 気体供給管 9 処理水 10 排水管 22 光触媒処理器 23 ガス 25 排気管
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年3月31日(2000.3.3
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/32 ZAB B01D 53/36 G 1/78 ZABJ (72)発明者 岡田 克己 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (72)発明者 正木 康浩 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 Fターム(参考) 2E191 BA12 BA15 BB01 BD11 BD13 BD17 4D037 AA11 AB14 AB16 BA18 CA12 4D048 AA11 AA17 AB03 AC07 BB05 CA01 CC38 CC61 CC63 EA01 4D050 AA12 AB12 AB19 BB02 BC04 BC09 BD03 BD06 4G069 AA03 BA04A BA04B BA05A BA14B BA48A BB04A BC25A BC35A BC60A BC66A BE38A BE38B CA04 CA05 CA10 CA19 DA02 EA06 GA10 GA13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汚染水と汚染ガスからなる汚染媒体の処
    理方法であって、汚染水にオゾンを含有する気体を微細
    気泡として供給しながら紫外線を照射し、汚染水中の有
    害物質をオゾン-光複合酸化分解すると共に、汚染ガス
    中の有害物質を気相で光触媒分解させ、汚染水と汚染ガ
    スを同時に浄化することを特徴とする汚染水および汚染
    ガスの浄化方法。
  2. 【請求項2】 汚染水と汚染ガスからなる汚染媒体の処
    理方法であって、汚染水にオゾンを含有する気体を微細
    気泡として供給しながら紫外線を照射し、汚染水中の有
    害物質をオゾン-光複合酸化分解すると共に、汚染ガス
    中の有害物質および汚染水から気相に移行した有害物質
    や副生成物を気相で光触媒分解させ、汚染水と汚染ガス
    を同時に浄化することを特徴とする汚染水および汚染ガ
    スの浄化方法。
  3. 【請求項3】 汚染水および汚染ガスに含有される有害
    物質が有機ハロゲン化合物であることを特徴とする請求
    項1または2記載の汚染水および汚染ガスの浄化方法。
  4. 【請求項4】 汚染源から供給される汚染水を一旦貯留
    する処理槽と、この処理槽内の汚染水にオゾン含有気体
    を供給するオゾン発生器およびオゾン発生器と処理槽を
    つなぐ気体供給管と、この気体供給管を介して汚染水中
    に供給されたオゾン含有気体を微細気泡化する汚染水内
    に浸漬した微細気泡発生器と、前記汚染水に波長の少な
    くとも一部が240nm〜320nmの範囲の紫外線を照射する光
    源と、汚染源から吸引した汚染ガス中の有害物質を気相
    で光触媒分解させる光触媒を励起させる光源ならびに光
    触媒担持体を内部に設けた光触媒処理器を備えたことを
    特徴とする汚染水および汚染ガスの浄化装置。
  5. 【請求項5】 汚染源から供給される汚染水を一旦貯留
    する処理槽と、この処理槽内の汚染水にオゾン含有気体
    を供給するオゾン発生器およびオゾン発生器と処理槽を
    つなぐ気体供給管と、この気体供給管を介して汚染水中
    に供給されたオゾン含有気体を微細気泡化する処理漕内
    の汚染水内に浸漬した微細気泡発生器と、前記汚染水に
    波長の少なくとも一部が240nm〜320nmの範囲の紫外線を
    照射する光源と、汚染源から吸引した汚染ガス中の有害
    物質および前記処理槽内における気相部分の有害物質や
    副生成物を気相で光触媒分解させる光触媒を励起させる
    光源ならびに光触媒担持体を内部に設けた光触媒処理器
    と、前記処理槽内における気相部分と光触媒処理器つな
    ぐ気体供給管を備えたことを特徴とする汚染水および汚
    染ガスの浄化装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007090197A (ja) * 2005-09-28 2007-04-12 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 地下水・土壌の浄化方法
JP2008190753A (ja) * 2007-02-02 2008-08-21 Techno Ryowa Ltd 空調機及び純水製造システム
WO2012133006A1 (ja) * 2011-03-29 2012-10-04 公立大学法人大阪市立大学 有機ハロゲン化合物の処理法
CN111087110A (zh) * 2019-12-30 2020-05-01 广东省资源综合利用研究所 一种污水中持久性有机污染物的处理装置及处理方法
CN112079500A (zh) * 2020-08-27 2020-12-15 盐城工学院 基于三氧化钨光催化法处理工业废气废水的方法及系统

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