JP2002059155A - 有害物質の分解方法 - Google Patents

有害物質の分解方法

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JP2002059155A
JP2002059155A JP2000253528A JP2000253528A JP2002059155A JP 2002059155 A JP2002059155 A JP 2002059155A JP 2000253528 A JP2000253528 A JP 2000253528A JP 2000253528 A JP2000253528 A JP 2000253528A JP 2002059155 A JP2002059155 A JP 2002059155A
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慶一 傳
Atsushi Miyayasu
淳 宮保
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雅哲 黒本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害な有機物質を含有する大量の地下水や土
壌、焼却灰などを短時間で効率良くかつ低コストで浄化
することができる方法を提供する。 【解決手段】 有害物質を含有する水溶液に超音波を照
射すると同時に磁力を作用させる。超音波の照射によ
り、水分子からHラジカルとOHラジカルとが互いに弱
く結合したラジカル対を生成させ、磁力の作用により、
ラジカル対を三重項状態へ転換させるとともに三重項状
態を保持させる。三重項状態のラジカル対は再結合する
ことができず、ラジカル対が解離してOHラジカル等の
フリーな活性ラジカル種となりやすく、OHラジカル等
の活性ラジカル種の作用により有害物質の分解を促進さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、地下水や土壌中
などに含まれる有害な有機物質を分解して除去する有害
物質の分解方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、地下水や土壌中に含まれる各種の
有機塩素化合物やPCB、油等による環境汚染、焼却灰
や焼却場周辺の土壌に含有されるダイオキシン類による
環境汚染などが、大きな社会問題として認識されてい
る。特に、ダイオキシン類は、低濃度であっても生体に
重大な影響を及ぼすものであると指摘されており、その
効率的な除去・無害化方法の一刻も早い確立が望まれて
いる。
【0003】地下水や土壌中に含まれている有害な有機
物質を分解する方法としては、微生物の機能を利用する
生物化学的方法、および、化学酸化分解法、光化学分解
法、超臨界水酸化分解法などの物理化学的方法が知られ
ている。
【0004】しかしながら、生物化学的方法は、低コス
トで大量の処理が可能である一方、処理に長い期間を要
し、また、微生物により分解することができる物質の種
類に制約があるなどの問題点を有している。また、物理
化学的方法のうちの化学酸化分解法では、処理にオゾン
や過酸化水素などの薬品を使用する必要があり、処理コ
ストが高くなるといった問題点がある。また、光化学分
解法では、薬品の使用は不要であるが、処理の目的を達
成するためには長時間を要するといった問題点を有して
いる。さらに、超臨界水酸化分解法については、処理装
置の構成や材質に解決すべき課題を未だ残しており、こ
の方法は大量の土壌や廃水の連続的な処理には適さな
い。
【0005】そこで、以上の方法に代わる方法として、
超音波を利用して有害な有機物質を分解する方法が提案
されている。
【0006】一般に、超音波を水に対して照射すると、
超音波の伝播に伴う圧力変化によって水中の微小な領域
で真空状態の空洞現象(以下、「キャビテーション」と
称することもある)を生じ、そのキャビテーションが崩
壊する際に、数千℃、数百気圧以上という極限状態の反
応場がマイクロ秒オーダーの寿命で出現すると言われて
いる。有害物質の分解には、そのようにして出現した極
限状態の反応場が関与しており、有害物質は、極限状態
の反応場での熱分解あるいは燃焼によって分解される。
それと同時に、有害物質は、極限状態の高エネルギーに
よって水分子から生成したOHラジカル等のフリーな活
性ラジカル種の作用により分解される。
【0007】ところが、OHラジカル等のフリーな活性
ラジカル種の作用によって有害物質の分解が行われる場
合において、活性ラジカル種の寿命は非常に短く、生成
とほぼ同時に再結合して失活するため、超音波を利用す
る方法では、必ずしも有害物質を効率良く分解すること
はできなかった。これは、水溶液に超音波を照射する
と、水分子からHラジカルとOHラジカルとが互いに弱
く結合したラジカル対が生成するが、そのラジカル対
は、通常の超音波を用いる方法では一重項の状態にある
ことが多い、といったことによる。そのような一重項状
態のラジカル対からもOHラジカル等のフリーな活性ラ
ジカル種は発生するが、ラジカル対が一重項であれば、
ラジカル対は再結合して元の水分子に戻りやすく、水溶
液中に十分な量の活性ラジカル種を生成させることがで
きなかった。
【0008】この問題を解決するため、従来から、有害
物質を含有する水溶液に過酸化水素やオゾン、酸素、触
媒などを添加して、OHラジカル等のフリーな活性ラジ
カル種の生成量を増大させ、有害物質の分解効率の向上
を図る試みがなされている。
【0009】例えば、特開平8−89975号公報に
は、金属洗浄あるいはクリーニングなどの排水のように
テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン等の有機ハ
ロゲン化合物を含有する水溶液に超音波を照射して有機
ハロゲン化合物を分解する方法において、有機ハロゲン
化合物含有水溶液に酸化剤として過酸化水素を添加する
と共に触媒として鉄または鉄塩を添加することにより、
有機ハロゲン化合物の分解効率を高める方法が開示され
ている。
【0010】また、上記した従来の生物化学的方法や物
理化学的方法に代わる別の方法として、磁力を利用して
有害な有機物質を分解する方法が提案されている。例え
ば、特開昭54−45955号公報には、酸素含有ガス
(オゾン含有空気)の気泡を含む廃水に磁力を作用させ
るとともに、廃水中において磁力の変化によって振動子
を振動させて廃水中に空洞現象を生じさせることによ
り、廃水中に含まれる汚濁物質の保有する電子を励起さ
せて、汚濁物質を酸化分解する廃水の連続浄化方法が開
示されている。また、特開昭56−45791号公報に
は、廃水中に酸素含有ガス(オゾン含有空気)を導入
し、廃水中の磁束密度を変化させて誘導起電力を生じさ
せ、かつ空洞現象を生じさせることにより、廃水中に含
まれる汚濁物質が保有する電子を励起させて、汚濁物質
を酸化分解する廃水の連続浄化方法が開示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
8−89975号公報等に開示されているように、有害
物質を含有する水溶液に過酸化水素やオゾン、酸素、触
媒などの薬剤を添加し、超音波を照射して、OHラジカ
ルの生成量を増大させ、有害物質の分解効率を向上させ
る方法では、薬品等の添加に伴う処理コストの上昇が避
けられないといった問題点があり、このことが実用上の
大きな障害となっている。
【0012】また、特開昭54−45955号公報や特
開昭56−45791号公報などに開示されている方法
は、酸素含有ガス(オゾン含有空気)と磁力と磁力の変
化等による空洞現象とを組み合わせて用いることによ
り、汚濁物質を酸化分解するものであるが、この方法で
も、廃水中への酸素含有ガスの混入が必要であり、処理
コストの上昇が問題となる。また、この方法では、超音
波の照射に代えて、磁力の変化に基づく振動子の振動に
より、あるいは、回転子の回転による廃水の、オゾン含
有空気との分散撹拌により、廃水中に空洞現象を発生さ
せるようにしているが、それでは空洞現象の発生が不十
分となり、廃水の完全な浄化を行うことは困難であると
考えられる。
【0013】この発明は、以上のような事情に鑑みてな
されたものであり、有害な有機物質を含有する大量の地
下水や土壌、焼却灰などを、短時間で効率良く、かつ、
処理コストを低く抑えて浄化することができる有害物質
の分解方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
有害物質を含有する水溶液に超音波を照射して活性ラジ
カル種を発生させ、その活性ラジカル種により前記有害
物質を分解する有害物質の分解方法において、前記水溶
液への超音波の照射と同時に水溶液に磁力を作用させ
て、超音波の照射により生成したラジカル対を、三重項
のスピン状態を有する三重項ラジカル対へ転換させると
ともに、その三重項ラジカル対の状態を保持させて、フ
リーな活性ラジカル種の生成量を増加させることを特徴
とする。
【0015】請求項2に係る発明は、請求項1記載の方
法において、超音波が照射されると同時に磁力が作用す
る水溶液から、その水溶液中に溶解しまたは内在する気
体を除去することを特徴とする。
【0016】請求項1に係る発明の方法によると、水溶
液に超音波を照射することにより、水分子におけるHと
OHとの結合が切断され、不対電子を持ったHラジカル
とOHラジカルとが互いに弱く結合したラジカル対が生
成する。ここで、ラジカル対は2個の電子スピンを持つ
ため、一重項と三重項のスピン状態をとることができ
る。
【0017】このとき、HラジカルとOHラジカルとの
ラジカル対が一重項状態であれば、2つのスピンは互い
に反平行となっている。このような一重項状態のラジカ
ル対からも、OHラジカル等のフリーな活性ラジカル種
は生成し得るが、一重項状態のラジカル対は再結合しや
すく、ラジカル対は元の水分子に戻りやすい。このた
め、通常は、一重項状態のラジカル対からフリーな活性
ラジカル種は生成しにくい。
【0018】これに対し、請求項1に係る発明の方法で
は、水溶液への超音波の照射と同時に外部から水溶液に
磁場がかけられるため、一重項状態にあったラジカル対
の電子スピンが反転し、ラジカル対が三重項状態へ転換
する。また、水溶液に磁場がかけられていることによ
り、三重項状態から一重項状態へのラジカル対の転換速
度が遅くなって、結果的に三重項ラジカル対の状態が保
持されることになる。
【0019】ラジカル対が三重項状態になると、2つの
不対電子のスピンも三重項状態となって、二つのスピン
は平行となる。この状態では、ラジカル対は再結合する
ことができず、結果的にラジカル対が解離して、2つの
フリーな活性ラジカル種となり、活性ラジカル種が水溶
液中に拡散する。
【0020】このように、磁力の作用により、三重項ラ
ジカル対の量を増大させるとともに、三重項ラジカル対
から一重項ラジカル対への転換速度を遅くさせて三重項
ラジカル対の状態を保持させる。これにより、結果的
に、OHラジカル等のフリーな活性ラジカル種の生成量
が増大する。このため、過酸化水素やオゾンなどの薬剤
を水溶液に添加しなくても、水溶液中に含有される有害
物質が短時間で効率良く分解されることになる。
【0021】請求項2に係る発明の方法によると、水溶
液に超音波を照射し磁力を作用させる際に、水溶液から
気体が除去されるので、水溶液に超音波を照射したとき
に、超音波が伝播する過程で超音波のエネルギーが気体
に吸収されて消失する程度が緩和されて、キャビテーシ
ョンの発生が十分に行われる。また、キャビテーション
の真空度が高まって、OHラジカル等のフリーな活性ラ
ジカル種の生成が促進される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について説明する。
【0023】この発明に係る有害物質の分解方法は、人
体や環境に有害な有機物質を含有する水溶液に超音波を
照射すると同時に磁場をかけて磁力を作用させることを
要旨とする。
【0024】有害物質が地下水に含まれている場合のよ
うに、水溶液に有害物質が溶解しまたは分散している場
合には、水溶液に超音波を照射すると同時に磁場をかけ
て、直接その水溶液を処理する。また、有害物質が土壌
や焼却灰等の固形物に含まれている場合には、その固形
物を一旦水に分散させまたは溶解させて水溶液としてか
ら、その水溶液に超音波を照射すると同時に磁場をかけ
て処理することができる。水溶液に超音波を照射する
と、キャビテーションを生じ、そのキャビテーションが
崩壊する際に放出される高エネルギーによって水分子に
おけるHとOHとの結合が切断され、不対電子を持った
HラジカルとOHラジカルとが互いに弱く結合したラジ
カル対が生成する。このとき、ラジカル対が一重項状態
であれば、ラジカル対は元の水分子に戻りやすく、フリ
ーな活性ラジカル種は生成しにくい。ところが、この発
明に係る方法では、水溶液への超音波の照射と同時に外
部から水溶液に磁場がかけられることにより、一重項状
態にあったラジカル対の電子スピンが反転し、ラジカル
対が三重項状態へ転換する。三重項状態では、ラジカル
対は再結合することができず、結果的にラジカル対が解
離して、2つのフリーな活性ラジカル種となり、活性ラ
ジカル種が水溶液中に拡散する。すなわち、水溶液に磁
場をかけることにより、三重項ラジカル対の量が増大す
るとともに、三重項ラジカル対から一重項ラジカル対へ
の転換速度を遅くさせて三重項ラジカル対の状態を保持
させることが可能になる。この結果、OHラジカル等の
活性ラジカル種の生成量が飛躍的に増大し、活性ラジカ
ル種の作用によって水溶液中の有害物質の分解が効率良
く行われて、水溶液中から有害物質が除去される。そし
て、従来においては困難であった土壌や焼却灰中に含ま
れていた有害物質の分解も可能になる。また、この処理
の過程で水溶液に過酸化水素やオゾン等の薬剤を添加す
ることは不要になる。
【0025】また、水溶液への超音波の照射を行う際
に、水溶液中に溶解しまたは内在する気体を水溶液から
除去(脱気)するようにしてもよい。このようにしたと
きは、水溶液へ超音波を照射したときに、超音波が伝播
する過程でのエネルギー損失が緩和されて、キャビテー
ションが十分に発生する。また、キャビテーションの真
空度が高まって、OHラジカル等の活性ラジカル種の生
成が促進される。この結果、OHラジカル等による有害
物質の分解の効率が、より向上することになる。脱気の
方法や程度は、特に限定されないが、脱気の程度が進む
ほど、OHラジカル等の生成が促進されることになり、
より短時間でより効率良く有害物質を分解することがで
きる。
【0026】水溶液に照射する超音波の振動数や出力
は、特に限定されないが、好ましくは振動数20kHz
〜10,000kHz、出力10W/cm〜10,0
00W/cmであり、より好ましくは振動数20kH
z〜1,000kHz、出力10W/cm〜1,00
0W/cmである。
【0027】超音波の振動数や出力は、上記範囲内で大
きいほど好ましい。超音波の振動数が20kHz未満、
出力が10W/cm未満である条件では、活性ラジカ
ル種の生成が不十分となり、水溶液中の有害物質を短時
間で効率良く分解することができない。
【0028】また、水溶液にかける磁場の強度は、特に
限定されないが、好ましくは磁束密度が0.1テスラ〜
100テスラ、より好ましくは0.1テスラ〜50テス
ラである。磁場の強度は、前記範囲内で大きいほど好ま
しい。磁場の強度が0.1テスラ未満である条件では、
OHラジカル等の発生量の飛躍的な増大を図ることがで
きず、水溶液中の有害物質を短時間で効率良く分解する
ことができなくなる。
【0029】処理される水溶液の温度は、0℃〜60℃
であることが好ましく、0℃〜40℃であることがより
好適である。水溶液の温度は、前記範囲内で低いほど好
ましい。水溶液の温度が60℃を超えると、キャビテー
ションの真空度が低下し、OHラジカル等の生成が阻害
される。
【0030】
【実施例】次に、この発明のより具体的な実施例につい
て説明する。但し、以下の内容にこの発明の範囲が限定
されることはない。
【0031】〔実施例1、2〕分解対象物質として、2
−クロロフェノールを用いた。この対象物質を水で希釈
し、濃度が1.00×10−3mol/lである試料1
0mlを得た。得られた試料を十分に脱気し、5テスラ
の定常磁場の存在下で試料に対し17W/cm の超音
波を照射した。試料の温度は、5℃で一定とした。
【0032】超音波照射後の試料に、1.00×10
−3mol/lの濃度でフェノールを含むクロロホルム
溶液を2ml添加し、クロロホルム層をガスクロマトグ
ラフ分析した。そして、2−クロロフェノールとフェノ
ールとの各ピーク面積を比較することにより、2−クロ
ロフェノールの減少量を追跡した。
【0033】〔実施例3〕磁場および超音波を印加する
際の試料の温度を40℃で一定とした。それ以外の条件
は、上記した実施例1、2と同一にして、2−クロロフ
ェノールの減少量を追跡した。
【0034】〔実施例4〕試料の脱気を行わなかった。
それ以外の条件は、上記した実施例1、2と同一にし
て、2−クロロフェノールの減少量を追跡した。
【0035】〔実施例5〕分解対象物質として、2,
4,6−ジクロロフェノールを用いた。この対象物質を
300meshの海砂2gに付着させ、その海砂に脱気
した水10mlを添加して試料を調製した。試料中に含
まれる分解対象物質の濃度は、水1リットル当り1.0
0×10−3mol/lであった。それ以外の条件は、
上記した実施例1、2と同一にして、2,4,6−ジク
ロロフェノールの減少量を追跡した。
【0036】〔比較例1〜3〕磁場あるいは磁場および
超音波の印加を行わなかった。それ以外の条件は、上記
した実施例1、2と同一にして、2−クロロフェノール
の減少量を追跡した。
【0037】以上の実施例1〜5および比較例1〜3に
おける実験条件および結果を表1にまとめて示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示した結果より、以下のことが言え
る。
【0040】実施例1、2と比較例1〜3との両結果を
比較すると分かるように、試料に対する超音波と磁場の
同時印加により、対象物質を短時間で効率良く分解する
ことができる。
【0041】試料に対し超音波だけを照射する場合に比
べて、超音波照射と同時に磁場を印加することにより、
対象物質の分解速度は約2倍になる。
【0042】実施例2と実施例3との両結果を比較する
と分かるように、試料の温度の低い方が、対象物質の分
解には好適である。対象物質を短時間で効率良く分解す
るためには、試料の温度は40℃以下であることが望ま
しい。
【0043】実施例2と実施例4との両結果を比較する
と分かるように、試料を脱気した方が、対象物質の分解
には好適である。
【0044】実施例5と実施例2および比較例3との各
結果を比較すると分かるように、分解対象物質が固形分
に付着している場合であっても、超音波と磁場の同時印
加により、対象物質を短時間で効率良く分解することが
できる。また、分解対象物質が固形分に付着している場
合であっても、水中に溶解している場合であっても、対
象物質の分解速度はおおむね同等である。
【0045】
【発明の効果】請求項1に係る発明の方法によると、過
酸化水素やオゾンなどの薬剤を水溶液に添加しなくて
も、水溶液に含有される有害物質、すなわち、水溶液中
に溶解しもしくは分散した有害物質、または、水溶液中
に分散しもしくは溶解した固形物に付着しもしくは混在
していた有害物質が短時間で効率良く分解されるので、
有害な有機物質を含有する大量の地下水や土壌、焼却灰
などを、短時間で効率良く、かつ、処理コストを低く抑
えて浄化することができる。
【0046】請求項2に係る発明の方法によると、水中
でのキャビテーションの発生が十分に行われ、また、キ
ャビテーションの真空度が高まってOHラジカル等の生
成が促進されるので、水溶液に含有される有害物質をよ
り短時間で効率良く分解することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮保 淳 京都市下京区中堂寺南町17番地 株式会社 関西新技術研究所内 (72)発明者 黒本 雅哲 京都市下京区中堂寺南町17番地 株式会社 関西新技術研究所内 Fターム(参考) 4D037 AA01 AB06 AB14 BA26 BB01 CA05 4D061 DA01 DB19 DC01 DC08 EA18 EC02 ED15 FA03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有害物質を含有する水溶液に超音波を照
    射して活性ラジカル種を発生させ、その活性ラジカル種
    により前記有害物質を分解する有害物質の分解方法にお
    いて、 前記水溶液への超音波の照射と同時に水溶液に磁力を作
    用させて、超音波の照射により生成したラジカル対を、
    三重項のスピン状態を有する三重項ラジカル対へ転換さ
    せるとともに、その三重項ラジカル対の状態を保持させ
    て、フリーな活性ラジカル種の生成量を増加させること
    を特徴とする有害物質の分解方法。
  2. 【請求項2】 超音波が照射されると同時に磁力が作用
    する前記水溶液から、その水溶液中に溶解しまたは内在
    する気体を除去する請求項1記載の有害物質の分解方
    法。
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