従来のいわゆる路外駐車場6は、一般に屋外の駐車場であって、コンクリートもしくはアスファルトの舗装6aをして、乗り入れ用の導入路7に面して白線で確保して多数の自動車の駐車区画8が並列されている。これらの路外駐車場6は上記のように舗装されている結果、駐車区画8及び導入路7の路面7aが平滑であるので、自動車の出し入れ時に砂塵が立ったり、がたつくこともなく、さらに雨天の際にぬかるみを生じることもないなどの多くの利点を有する。しかし、近年は特に環境に配慮して都市部に限らず郊外でも、無機質な景観のコンクリートやアスファルトからなる構築物に代えて、土壌面を有する構築物とすることにより、植物により緑化した景観とし、さらにこれらの植物により炭酸ガスを吸収して温暖化の要因のヒートアイランド現象を緩和するなどの工夫が図られるようになってきている。
このような環境に配慮するものとして、路外駐車場6やビルの屋上に設けられた駐車場において、従来のコンクリートやアスファルトの舗装6aの駐車場において、緑化を図るために、これらの駐車場のコンクリートやアスファルトの舗装6aを除去して土壌4を出し、あるいは、屋上の場合はコンクリートやアスファルトの舗装6aの上に土壌4を積んで、その土壌面4aに芝などの緑草を植栽することが考えられる。しかし、たとえこのように緑化芝5を植栽して緑化しても、植栽した緑化芝5が駐車する自動車のタイヤに踏まれると、これらの緑化芝5の葉や茎5aが直ぐに傷んで、終には根や根茎5bが枯れて消失してしまう。また、たとえ枯れなくとも病気が発生し易くなる。このように植栽した緑化芝5が弱ったり枯れた時に、その部分を補修するため、弱ったり枯れた緑化芝5を植え代える必要がある。しかし、これらの植え代えを行っても簡単には根付かせることはできず、直ちに駐車場として使用することができない。このように緑化芝5をただ植えただけでは、駐車場としての管理が十分にできない問題があった。
そこで、自動車の左右の車輪のタイヤの載る部分の面を少し余裕の幅を設けて、この部分のみをコンクリートやアスファルトの舗装6aの面とし、これらの左右の舗装6aの面の間の部分のみに緑化芝5を植栽して緑化する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし、このように駐車区画8の左右のタイヤの間の部分のみに緑化芝5を植栽して緑化を図っても、駐車区画8へ自動車を駐車のため乗り入れる時には、たいていの場合、導出入路7から直角に折れて乗り入れる構造となっている。したがって、駐車区画8に前進で乗り入れるにしても、後進で乗り入れるにしても、芝を植栽した部分に斜めに乗り入れ、さらに切り返しを行って駐車するなどの方法が行われ、また、駐車区画8から出るときも、往々にして斜めに曲がりながら導出入路7へ出ることが行われている。このために駐車区画8の左右のタイヤ部分の間の緑化用芝5の植栽された部分はタイヤで踏みつけられることとなり、植栽された緑化用芝5が直ぐに枯れるという問題があった。さらに、駐車場の駐車区域以外の周囲の部分を植生するものや輪止めとその後方を植生によるものとするものが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、これらのものはその緑化率が低いものであった。
特開2007−195455号公報
特開2006−333858号公報
本考案が解決しようとする課題は、路外駐車場やビルの屋上の駐車場など(以下、「路外駐車場」という。)において、自動車を駐車させる駐車区画8をコンクリートやアスファルトの舗装6aなどの舗装面とすることなく、ヒートアイランド現象を防止して温暖化を阻止する一役を担いうる緑化用芝5を植栽した駐車区画8とし、かつ、自動車のタイヤに踏まれても植栽した緑化用芝5が直にタイヤにより踏まれることを防止して格別に傷まないものとし、仮に緑化用芝5が傷んだとしても、その傷んだ緑化用芝5を直ちに新しい緑化用芝5に取り代えて容易に更新できるものとするために、路外駐車場6の緑化用芝5を取代え可能に植栽して有するグリーンパッド支持枠体1を提供することである。
本考案は、緑化用芝5を枠穴2bに植栽したグリーンパッド支持枠体1を路外駐車場6の駐車区画8の緑化用芝5の取り代え用として形成するものである。このグリーンパッド支持枠体1自体は駐車区画8で自動車のタイヤに踏まれても、自動車の重さに耐える強度の支持枠壁2を有するものとする。そこで、この取り代え用のグリーンパッド支持枠体1を形成するために、先ず、グリーンパッド支持枠体1の枠穴2bの上端2aより低い位置の内部に植栽用の基礎肥料を有する土壌4を入れる。この場合、支持枠壁2の枠穴2bの上端2aよりも土壌面4aを10〜20mm低くし、この土壌4に緑化用芝5の種を蒔いて緑化用芝5の葉や茎5aをグリーンパッド支持枠体1の枠穴2bの内部に育成する。一方、路外駐車場6の駐車区画8の部分に、駐車区画8への導入路7の路面7aから上記のグリーンパッド支持枠体1の高さ分及びその下面に敷く砕石分だけ低く掘り下げて穴9を形成する。この設けた穴9に、駐車区画8の張り芝の形成に使用する緑化用芝5を植栽したグリーンパッド支持枠体1を載置するものとする。すなわち、本考案は、路外駐車場6に敷設するための緑化用芝5を植栽して有するグリーンパッド支持枠体1である。
そこで、上記の課題を解決するための本考案の手段は、第1の考案の手段では、路外駐車場6の駐車区画8に開口の穴9を駐車区画8への導入路7の路面7aより低く形成し、この穴9に挿入載置して駐車区画8の張り芝の形成に使用するものとし、かつ、自動車の重さに耐え得る強度の支持枠壁2を有するもののとしたグリーンパッド支持枠体1からなり、この支持枠壁2の枠穴2b内の上端2aより低い位置の土壌面4aに緑化用芝5を植栽して有するグリーンパッド支持枠体1からなることを特徴とする路外駐車場6に敷設する緑化用芝5を植栽して有するグリーンパッド支持枠体1である。
第2の考案の手段では、グリーンパッド支持枠体1はその内部に内部支持枠体1aを有する二重の枠体からなり、この内部支持枠体1aに1個の枠穴2bのみを管理可能に有し、この枠穴2bに緑化用芝5を植栽して有することを特徴とする請求項1の手段における路外駐車場6に敷設する緑化用芝5を植栽して有するグリーンパッド支持枠体1である。
第3の考案の手段では、グリーンパッド支持枠体1は一重の枠体からなり、この枠体に複数個の枠穴2bを管理可能に有し、これらの枠穴2bに緑化用芝5を植栽し有することを特徴とする請求項1の手段における路外駐車場6に敷設する緑化用芝5を植栽して有するグリーンパッド支持枠体1である。
第4の考案の手段では、緑化用芝5を植栽した枠穴2bは緑化用芝5を直接植栽したものに代えて緑化用芝5を植栽したポット3を挿着して有するものからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項の手段における路外駐車場6に敷設する緑化用芝5を植栽して有するグリーンパッド支持枠体1である。
本考案の緑化用芝を枠穴に植栽したグリーンパッド支持枠体は、路外駐車場の自動車の駐車区画をその導入路面よりグリーンパッド支持枠体の高さ分及び必要によりその下部に敷く砕石分だけ掘り下げて形成した穴面に、載置するのみで構築することができ、しかも、グリーンパッド支持枠体はその支持枠壁が自動車の重量で凹むことなくタイヤを支持し得るものであるので、その枠体上端の高さを導入路面の高さと同一として敷設するとき、自動車をスムーズに駐車区画に乗り入れて駐車できる。さらに、グリーンパッド支持枠体は、その支持枠壁の上端より低下した位置に緑化用芝を植栽して有するので、駐車区画に乗り入れた自動車のタイヤにより植栽した緑化用芝の根や根茎が踏まれることはなく、さらに、植栽した緑化用芝が病気などで弱った場合には、弱った緑化用芝を有するグリーンパッド支持枠体に取り代えて、別途、圃場で育てた健康な緑化用芝を有するグリーンパッド支持枠体を駐車区画の穴面に載置するのみで、健康な緑化用芝を有するグリーンパッド支持枠体とできるので、駐車区画における緑化用芝の取り代えが短時間で簡単に実施でき、取り代えのために駐車区画を閉鎖する必要がない。さらにグリーンパッド支持枠体は、1個の枠穴を有するものとするものでは、個別の管理が容易にでき、さらにグリーンパッド支持枠体の内部を複数個の枠穴に区画して各枠穴に緑化芝を有するものとするときは、大面積の駐車区画をグリーンパッド支持枠体ごと取り代えることで効率よく緑化して管理できる。さらにグリーンパッド支持枠体の枠穴に緑化用芝を植栽したポットを挿着して有するものとしたものでは、傷んだ緑化用芝を有する枠穴のみ個別に取り代えることで緑化用芝の無駄を減少できるなど、本考案は従来にない優れた効果を奏するものである。
本考案を実施するための形態について説明する。第1の実施の形態は、緑化用芝5を枠穴2bに植栽したグリーンパッド支持枠体1であり、このグリーンパッド支持枠体1は硬質塩ビ製とする。この硬質塩ビ製のグリーンパッド支持枠体1は路外駐車場6の駐車区画8を緑化するために、緑化用芝5の取り代え用として設置するものとして形成されている。このグリーンパッド支持枠体1を駐車区画8に設置した場合、グリーンパッド支持枠体1が自動車のタイヤで踏まれても、その重さに耐え得る強度の支持枠壁2を有する。この緑化用芝5を植栽したグリーンパッド支持枠体1を形成するためには、先ず、グリーンパッド支持枠体1の枠穴2b内に植栽用の基礎肥料を有する土壌4を入れる。この場合、上記の支持枠壁2の上端2aよりも枠穴2b内の土壌面4aを10〜20mm低くし、この土壌4に緑化用芝5の種を蒔いて緑化用芝5の葉や茎5aをグリーンパッド支持枠体1の枠穴2b内に育成する。一方、路外駐車場6の駐車区画8を緑化するために、駐車区画8への導入路7の路面7aより駐車区画8の部分をグリーンパッド支持枠体1の高さ分とその下に敷く砕石分だけ低く掘り下げて穴面9を形成する。上記で育成した緑化用芝5を枠穴2b内に有する本考案のグリーンパッド支持枠体1を駐車区画8の掘り下げた穴面9に載置して駐車区画8の張り芝の形成に使用する。このように本考案の第1の実施の形態は、路外駐車場6に張り芝するための緑化用芝5有するグリーンパッド支持枠体1である。
次いで、本考案の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。第2の実施の形態である1個の枠穴2bを有する筒体のグリーンパッド支持枠体1を図1に示す。この第2の実施の形態におけるグリーンパッド支持枠体1は内側に透水性の内部支持枠体1aを有する二重の枠体からなり、グリーンパッド支持枠体1と内部支持枠体1aの間に路盤材などの砕石あるいは透水シートなどの透水性素材1bを入れて水捌けを良好としている。グリーンパッド支持枠体1の大きさは、例えば、内部支持枠体1aの枠穴2bの深さが100〜200mmで、さらに内部支持枠体1aの内径が100〜200mmである。グリーンパッド支持枠体1は肉厚が5mmである硬質塩ビ製の筒体から形成されており、一方、透水性の内部支持枠体1aは肉厚が1〜2mmの透水シートなどからなっている。この内部支持枠体1aの底面には底面からの水捌けを良好とするために約3mm厚の吸水マット2cを配設している。
このグリーンパッド支持枠体1に緑化芝5を育成するために、先ず、グリーンパッド支持枠体1の内部支持枠体1aの底面の吸水マット2cの上に内部の水捌けを良好とする単粒砕石や粒調砕石やRC砕石などからなる砕石2gを半ば高さまで入れ、その上にさらに小径の細粒土及びダストの混合物2hを内部支持枠体1aの高さの1/4程度まで入れる。さらに、それらの上に3mm厚の吸水マット2cを介在させて土壌4として肥料分を含む肥土を約10mmの高さ入れ、その肥土の土壌面4aを内部支持枠体1aの支持枠壁2の上端2aの高さより約10〜20mm低い位置とする。この内部支持枠体1aの土壌面4aに緑化用芝5を育成するために、土壌4に西洋芝の種子、例えばバーミューダグラス・リビエラとケンタッキーブルーグラスとの混合種子を蒔いて、この種子を蒔いた多数のグリーンパッド支持体1を並べて育苗する。このようにして育苗した西洋芝である緑化用芝5を有する筒体のグリーンパッド支持体1は本考案の第2の実施形態とされる。この第2の実施形態の筒体のグリーンパッド支持枠体1は、路外駐車場6の駐車区画8に掘り下げた穴面9に載置して使用するために上記のように準備される。
上記の土壌4として使用する肥土は真砂土に烏龍茶の茶殻からなる肥料を混合した用土からなり、ダストは砕石の粉末である。さらに、上記の砕石2gは25〜50mm径の単粒からなる。第2の実施の形態の筒体のグリーンパッド支持枠体1を路外駐車場6の駐車区画8に使用するとき、筒体が円形である場合は、その緑化率は約48%とすることができる。
図2は、第3の実施の形態である複数個の枠穴2bを有する矩形体のグリーンパッド支持枠体1を示す図である。この場合、1個のグリーンパッド支持枠体1は育苗トレイ式で複数個の枠穴2bに緑化用芝5を育成して有している。例えば大きさ330mm×550mmの矩形状のグリーンパッド支持枠体1からなり、これは上部枠体1cと下部枠体1dからなる二重の枠体からなる。これらからなる長方形のグリーンパッド支持枠体1は硬質塩ビ製からなり、その深さは例えば65mmからなっている。このグリーンパッド支持枠体1は垂直仕切壁2eで65mmの間隔に仕切って縦5個、横8個の計40個の1辺63mmの正方形からなる枠穴2bを有する。各枠穴2b、すなわち40個の枠穴2bには、それぞれ緑化用芝5が育成されている。このグリーンパッド支持枠体1はその上端周枠2dを肉厚5mmとし、これらの上端周枠2dの横辺は肉厚2mmの垂直仕切枠2eの7本で仕切られて8列に分割され、さらに上端周枠2dの縦辺は厚さ2mmの垂直仕切枠2eの4本で仕切られて5列に分割されて、計40個の枠穴2bが形成されている。さらに、このグリーンパッド支持枠体1の上部枠体1cと下部枠体1dからなる二重の枠体の枠穴2bの深さ65mmのうち、支持枠壁2の上端2aから50mmの深さの位置には、上部枠体1aの底部である水平仕切枠2fが設けられている。この水平仕切枠2fから下方の下部枠体1bの底面2jまでの深さ15mmの空間には、単粒砕石や粒調砕石やRC砕石などの砕石2gを入れ、底部からの水捌けを良好なものとしている。これらのグリーンパッド支持枠体1の垂直仕切枠2e及び水平仕切枠2fには、それぞれ水捌けを良好とするために間隙が設けられている。グリーンパッド支持枠体1の枠穴2bの上部枠体1cの底面である水平仕切枠2fの上側では、支持枠壁2の上端2aから深さ10mmを土壌面4aとし、これより下部の40mmの部分に肥土からなる土壌4を有し、緑化用芝5が育成されて第3の実施の形態のグリーンパッド支持枠体1となっている。この第3の実施の形態の矩形体のグリーンパッド支持枠体1を路外駐車場6の駐車区画8の掘り下げた穴面9に載置することで駐車区画8の緑化率は60%以上とすることができる。
さらに第4の実施の形態におけるグリーンパッド支持枠体1について説明する。このグリーンパッド支持枠体1は、枠穴2bに図3に示すポリエチレン製のポット3を内蔵するもので、このポット3の器壁及び底には水捌け用の孔3aが多数開孔されている。このポット3の中に緑化用芝5を育成する。このポット3は、例えば、上記の第2の実施の形態の筒体のグリーンパッド支持枠体1の枠穴2bに挿着して使用するものでは、その深さと径はいずれもはその枠孔2bの大きさの100〜200mmからなるものとする。一方、上記の第3の実施の形態のグリーンパッド支持枠体1の枠穴2bに使用するものでは、深さは50mmで、径は63mmからなり、これらのポット3をそれぞれの枠穴2bに挿着して用いる。これらのポット3には、上端から10mm低下した位置を土壌面4aとする土壌4を有する。この土壌4は肥料分を含む肥土からなっており、この土壌4に緑化用芝5の西洋芝として、例えばバーミューダグラス・リビエラとケンタッキーブルーグラスとの混合種子が蒔かれて育苗されている。育苗された緑化用芝5を有するポット3はグリーンパッド支持枠体1の枠穴2bに挿着することで本考案の第4の実施形態とされる。
上記の緑化用芝5として用いられる西洋芝は、そのうちのバーミューダグラス・リビエラが休眠する冬でも、一方のケンタッキーブルーグラスは緑を保つことができる。したがって、このように混植して育成することで年間を通じて緑化ができ、さらにケンタッキーブルーグラスが緑を保つて葉や茎が伸びて休眠中のバーミューダグラス・リビエラの根や根茎を覆うことで、その損傷が保護される。
以下に、本考案の各実施形態のグリーンパッド支持枠体1を従来の路外駐車場6に適用する使用例について説明する。先ず、第1の実施の形態のグリーンパッド支持枠体1について説明すると、路外駐車場6がコンクリートあるいはアスファルトの舗装6aを有する場合、自動車の導入出路7の部分を除いた駐車区画8の部分を、緑化部分としてレイアウトして確保する。次いで、この確保した部分の舗装6aに適宜間隔を設けて縦横にグリーンパッド支持枠体1の深さの穴面9を掘り下げて空ける。この開けた穴面9の下部に水捌けを良好とする砕石をいれ、その上に緑化用芝を枠穴2に育成したグリーンパッド支持枠体1を載置して駐車区画8の高さを得て、駐車区画8を緑化する。一方、これらのグリーンパッド支持枠体1を敷設した穴面9の間には、隣接の穴面9同士の水捌けを良好とするために、細溝を設けて互いを連絡するものとし、細溝の端部は適宜に駐車場の側部の側溝に流して下水に排水可能としておく。
このようにして設けた緑化用芝5を有するグリーンパッド支持枠体1の枠穴2b内の土壌面4aは、芝の育成により例えばゴルフ場のフェアウエーやグリーのように靴で歩くことができる硬さを有するものとなる。しかし、必要により、各駐車区画8の境界部分には自動車に乗降するための領域としてコンクリートあるいはアスファルトの舗装6aを残して置くこともできる。グリーンパッド支持枠体1はその素材は硬質塩ビ製で、その支持枠壁2の上端2aは肉厚を5mmとするので、このグリーンパッド支持枠体1を敷設した駐車区画8に自動車が乗り入れても、その重みでグリーンパッド支持枠体1の支持枠壁2が破損されることはなく、自動車の重みに十分に耐えることができる。さらにその内部に生育された緑化用芝5はグリーンパッド支持枠体1の支持枠壁2より約10mm下がった位置の土壌面4aから生えて芝の葉や茎の部分があるので、葉や茎の部分が直接タイヤに踏まれることがあっても、その根や根茎はタイヤに踏まれることがない。したがって、これらの根や根茎は痛みにくい。仮に芝の根や根茎の部分が傷んだ場合は、グリーンパッド支持枠体1ごと新しく生育した緑化用芝5を有するグリーンパッド支持枠体1と取り代えることで、短時間で緑化用芝5を更新できるので、駐車区画8を補修のために閉鎖する必要はない。
第2の実施の形態の筒型のグリーンパッド支持枠体1を適用する使用例について図4により説明する。第1の実施の形態と同様に、路外駐車場6にコンクリートあるいはアスファルトの舗装6aがされている場合、自動車の導入路7の部分を除いた駐車区画8の部分を緑化する部分としてレイアウトして確保する。この確保した部分の舗装6aに適宜間隔を設けて縦横に筒体のグリーンパッド支持枠体1の深さとその下部に敷く砕石の厚さ分の深さを有する穴9を適宜間隔を空けて複数個を開口する。この開口した穴9に緑化用芝を枠穴2に育成した筒型のグリーンパッド支持枠体1をそれぞれ1個ずつ載置して駐車区画8の部分を緑化する。一方、これらの筒体のグリーンパッド支持枠体1を載置した穴9の間には、隣接の穴9同士の水捌けを良好とするために、適宜に細溝を設けて互いを連絡し、細溝の端部を適宜に駐車場の側部の側溝に流して下水に排水可能とする。この筒型のグリーンパッド支持枠体1は、内径が100〜200mmであり、その素材は硬質塩ビ製で、支持枠壁2の肉厚は5mmあるので、この筒体のグリーンパッド支持枠体1を載置した駐車区画8に自動車が乗り入れても、その重みでグリーンパッド支持枠体1の支持枠壁2が破損されることなく、自動車の重みに十分に耐えることができる。さらに、内部に生育された緑化用芝5は、グリーンパッド支持枠体1の支持枠壁2より約10〜20mm下がった位置の土壌面4aから生えた芝の葉や茎の部分が存在するものとしているので、葉や茎の部分は直接タイヤに踏まれることがあっても、その根や根茎はタイヤに踏まれることはない。したがって根や根茎は痛みにくい。仮にこれらの根や根茎が傷んだ場合には、筒体のグリーンパッド支持枠体1ごと取り代えて新しく生育した緑化用芝5を有するグリーンパッド支持枠体1と取り代えることで、短時間で緑化用芝5を更新できるので、駐車区画8を補修のために閉鎖する必要はない。駐車区画8の後部には輪止め10が設けられている。
さらに第3の実施の形態の長方形の育苗トレイ式のグリーンパッド支持枠体1を適用する使用例について説明する。路外駐車場6にコンクリートあるいはアスファルトの舗装6aがされている場合、自動車の導入路7の部分を除いた駐車区画8の部分を、上記と同様に緑化する部分としてレイアウトして確保し、この確保した部分の舗装6aの全てを除去し、さらにグリーンパッド支持枠体1の深さ分を掘り下げる。この掘り下げた区域の下部に吸水性のマットを敷き並べ、その上に緑化用芝5を枠穴2に育成したグリーンパッド支持枠体1の複数個を配列して載置することで、駐車区画8の部分を一挙に緑化する。このグリーンパッド支持枠体1の素材も上記と同様に塩ビ製であり、その上端周枠の肉厚は5mmあり、かつ垂直仕切枠2eの肉厚は2mmあるのでタイヤで破損されることはなく、自動車の重みに十分に耐えることができる。その内部に生育された緑化用芝5は、グリーンパッド支持枠体1の支持枠壁2より約10mm下がった位置の土壌面4aから生えた芝の葉や茎の部分が存在するものとしているので、葉や茎の部分は直接タイヤに踏まれることがあっても、その根や根茎はタイヤに踏まれることはなく、したがって痛みにくい。仮に芝の根や根茎の部分が傷んだ場合には、グリーンパッド支持枠体1ごと取り代えて新しく生育した緑化用芝5を有するグリーンパッド支持枠体1とすることで、短時間で緑化用芝5を更新できるので、駐車区画8を補修のために閉鎖する必要はない。また、吸水性のマットの下に単粒の砕石を敷いて透水性を良好とし、さらに真砂土を入れることも適宜できる。これらの駐車区画8の隣接同士は互いの水捌けを良好とするために、細溝を設けて互いを連絡するものとし、細溝の端部は適宜に駐車場の側部の側溝に流して下水に排水可能としておく。この第3の実施の形態では、駐車区画8の大きな面積部分を一挙に長方形の育苗トレイ式のグリーンパッド支持枠体1で緑化することができるので効率に優れている。
さらに、第4の実施の形態におけるポット3を適用する使用例について説明する。この場合、グリーンパッド支持枠体1は枠穴2にポリエチレン製の水捌け用の間隙を有するポット3を有し、このポット3の中に緑化用芝5が育成されている。このポット3は、例えば上記の第2の実施の形態の筒型のグリーンパッド支持枠体1の枠穴2bに使用するものでは、ポット3の深さは10〜20mmからなり、あるいは、上記の第3の実施の形態の矩形状で中に複数の枠穴2bを有するグリーンパッド支持枠体1におけるポット3の枠穴2bに使用するものでは、その深さは50mmからなっている。これらのポット3はそれぞれの枠穴2bに挿着して使用される。そこで、このポット3は側壁及び底部に水捌けを良好とする間隙を有し、ポット3の上端から10mm低下した位置を土壌面4aとして土壌4を有する。この土壌4は肥料分を含む肥土からなっており、この土壌4に緑化用芝5の西洋芝として、例えばバーミューダグラス・リビエラとケンタッキーブルーグラスとの混合種子を蒔いて緑化用芝5を育てている。このようにして育てられた緑化用芝5を有するポット3は、上記の第1〜第3の実施の形態のグリーンパッド支持枠体1の枠穴2bに挿着されて緑化用芝5を有するグリーンパッド支持枠体1とされる。したがって、駐車区域8のグリーパッド支持枠体1の緑化用芝5が弱った場合、その取り代え用として緑化用芝5を植栽したポット3を必要な個別の枠穴2bに挿着することで、緑化用芝5の更新が容易にでき、個々に取り代えるので無駄がない。
上記のように駐車場に本発明の各実施の形態の手段を適用する場合、各駐車区画8の境界部分には、適宜に自動車に乗降するための領域としてコンクリートあるいはアスファルトの舗装6aで残して置くこともでき、別途、舗装6aに代えて煉瓦などを積んで乗降する際の通路を形成することもできる。さらに、上記の第2の実施の形態における筒体からなるグリーンパッド支持枠体1の緑化用芝5に代えて四季ごとに異なる草花を植栽し、この草花を植栽した筒体からなるグリーンパッド支持枠体1を駐車区画8以外の自動車の乗り入れの邪魔にならない駐車場の側部に穴9を設け、この穴9に挿着することで、駐車場の周囲を草花で装飾することもできる。
さらに、本考案のグリーンパッド支持枠体1は、駐車場以外にも広場や屋上やベランダなどに敷設することで、それらの箇所を芝で緑化した環境とすることが容易にでき、この緑化によってヒートアイランド現象を防止するためにも利用できるなど、その適用範囲は広い。