JP3136555B2 - 現像剤補給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、静電複写機、レー
ザプリンタの如き画像生成機に装備される現像装置に、
現像剤としてのトナーを補給するための現像剤補給装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】画像生成機においては、一般に画像生成
に伴って消費されるトナーを補給するように構成されて
いる。現像装置へ供給する現像剤を収納するための現像
剤収容筐に収容されたトナーが消費されると、現像剤収
容筐のカバーを開け、補給トナーを収納した補給現像剤
収容容器のキャップを外し、該補給現像剤収容容器に収
納されたトナーを現像剤収容筐に補給する。このトナー
補給の際に現像剤収容筐のカバーが開放されていると、
補給現像剤収容容器から現像剤収容筐に注入されたトナ
ーが舞い上がり周囲に飛散する。このトナー補給時にお
けるトナーの飛散を防止するための提案が、例えば特開
昭６０ー９１３７１号公報、特開昭６１ー５５６７２号
公報に開示されている。特開昭６０ー９１３７１号公報
に開示された技術は、現像剤収容筐の開口部に遮蔽部材
としてのファスナーを取着し、該ファスナーに上記補給
トナーを収納した補給現像剤収容容器の口頸部を嵌合す
る注入口を設けた移動板を挟持せしめ、該移動板に設け
られた注入口に現像剤収容容器の口頸部を挿通し補給現
像剤収容容器を移動させつつ現像剤収容筐内にトナーを
注入するようにしたものである。また、特開昭６１ー５
５６７２号公報に開示された技術は、現像剤収容筐の開
口部にゴム等の弾性材からなる２枚のシール部材を装着
し、この２枚のシール部材の互いに接合する部分に補給
現像剤収容容器の口頸部を挿通し該補給現像剤収容容器
を移動させつつ現像剤収容筐内にトナーを注入するよう
にしたものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記各公報
に記載されたものにおいては、補給現像剤収容容器の口
頸部を上記注入口ないし上記シール部材に挿入する際
に、補給現像剤収容容器の注出口からトナーが溢れ出て
シール部材上に飛散するという問題がある。また、トナ
ー補給終了時に補給現像剤収容容器の口頸部を上記注入
口ないし上記シール部材から引き抜く際に、補給現像剤
収容容器内にトナーが残っていると残留しているトナー
が上記ファスナーないし上記シール部材上に溢れてしま
うという問題がある。

【０００４】本発明は上記事実に鑑みてなされたもので
あり、その主たる技術的課題は、補給現像剤収容容器の
注出部には仮キャップが装着されており、該仮キャップ
を現像剤収容筐の所定位置に嵌合して補給現像剤収容容
器を所定方向に移動させるることによって上記仮キャッ
プがはずれるようにし、トナー補給終了時には再び補給
現像剤収容容器の注出部に仮キャップを装着してから補
給現像剤収容容器を抜き取るように構成することによ
り、補給現像剤収容容器のセット時および抜き取り時に
おけるトナーの溢れを防止することができる現像剤補給
装置および現像剤補給用の仮キャップを提供することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記主たる技術的課題を
解決するために、本発明によれば、現像装置へ供給する
現像剤を収納するための現像剤収容筐と、該現像剤収容
筐に補給する補給用現像剤を収納した補給現像剤収容容
器と、該補給現像剤収容容器の口頸部に着脱可能に装着
される装着部と該装着部と接続して形成され現像剤を注
出する注出口を有する注出部を備えたアダプタと、該ア
ダプタの該注出部に着脱可能に装着され該注出口を閉塞
する仮キャップとを具備し、該現像剤収容筐は上部を覆
う遮蔽板を具備し、該遮蔽板には一端部に形成され該仮
キャップが嵌合するキャップ嵌合部と該キャップ嵌合部
に連通して形成され該キャップ嵌合部より小さく該アダ
プタの該注出部が挿通可能な幅寸法を有するアダプタ案
内部とを備えた案内穴が設けられており、該仮キャップ
は天面壁と該天面壁の外周縁から垂下して形成されたス
カート壁とを有し、該スカート壁は両側壁と後壁とによ
って構成され前部に該アダプタの該注出部が挿通可能な
開口を備え、該スカート壁の両側壁には該キャップ嵌合
部に該仮キャップを嵌合した状態で所定の位置に係止す
る係止手段が設けられており、該係止手段は該スカート
壁の両側壁に設けられ該キャップ嵌合部を形成する該遮
蔽板の上面に係合する係止突部と、該スカート壁の両側
壁における天面壁側に一端が各々接続されスカート壁に
沿って垂下して延びる屈曲可能な係止舌片とからなり、
該係止舌片には該キャップ嵌合部を形成する該遮蔽板の
下面に係合する係止爪が設けられている、ことを特徴と
する現像剤補給装置が提供される。

【０００６】また、本発明によれば、上記係止手段の係
止舌片が上記スカート壁の両側壁における長手方向中央
より何れか一方に偏った位置に形成されており、上記案
内穴を構成するキャップ嵌合部の両側縁辺には長手方向
中央より偏った位置に形成され上記係止舌片と対応する
逃げ凹部が設けられている現像剤補給装置が提供され
る。

【０００７】また、本発明によれば、現像剤収容筐に補
給する補給用現像剤を収納した補給現像剤収容容器の口
頸部に着脱可能に装着されるアダプタの注出部に着脱可
能に装着される現像剤補給用の仮キャップであって、該
仮キャップは天面壁と該天面壁の外周縁から垂下して形
成されたスカート壁とを有し、該スカート壁は両側壁と
後壁とによって構成され前部に該アダプタの該注出部が
挿通可能な開口を備え、該スカート壁の両側壁には該現
像剤収容筐の上部を覆う遮蔽板の一端部に形成されたキ
ャップ嵌合部に嵌合した状態で所定の位置に係止する係
止手段が設けられており、該係止手段は該スカート壁の
両側壁に設けられ該キャップ嵌合部を形成する該遮蔽板
の上面に係合する係止突部と、該スカート壁の両側壁に
おける天面壁側に一端が各々接続されスカート壁に沿っ
て垂下して延びる屈曲可能な係止舌片とからなり、該係
止舌片には該キャップ嵌合部を形成する該遮蔽板の下面
に係合する係止爪が設けられている、ことを特徴とする
現像剤補給用の仮キャップが提供される。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明に従って構成された
現像剤補給装置および現像剤補給用の仮キャップの好適
実施例を図示している添付図面を参照して、更に詳述す
る。

【０００９】図１乃至図１０は本発明に従って構成され
た現像剤補給装置の一実施例を示すもので、図１は現像
剤補給装置を構成する現像剤収容筐の一部を破断して示
す斜視図である。図１に示す現像剤収容筐２は、図示し
ない画像生成機に装備される現像装置の現像ハウジング
と一体的に形成され、または現像ハウジングに装着され
る合成樹脂によって形成された収容筐体２１を具備して
いる。この収容筐体２１の下端にはトナー供給口２１１
が設けられている。収容筐体２１には上記トナー供給口
２１１の上側にトナー供給ローラ２２が配設されてお
り、該トナー供給ローラ２２が図示しない適宜の駆動手
段によって駆動されることにより、収容筐体２１内に収
納されたトナーが図示しない現像装置へ供給される。

【００１０】上記収容筐体２１の上端開口には板金によ
って形成された遮蔽板２３が装着されている。この遮蔽
板２３には収容筐体２１の長手方向に延設された案内穴
２３０が形成されている。該案内穴２３０は、図示の実
施例においては遮蔽板２３の一端部に設けられたキャッ
プ嵌合部２３１と、該キャップ嵌合部２３１に連通して
形成されたアダプタ案内部２３２とを有している。キャ
ップ嵌合部２３１は後述する仮キャップが嵌合可能な幅
寸法（Ｌ１）に形成されており、該キャップ嵌合部２３
１の両側縁辺にはその長手方向中央より偏った位置（図
示の実施形態においてはアダプタ案内部２３２側に偏っ
ている）に逃げ凹部２３１ａ、２３１ａが設けられてい
る。アダプタ案内部２３２はキャップ嵌合部２３１の幅
より小さく後述するアダプタのトナー注出部が挿通可能
な幅寸法（Ｌ２）に形成されている。遮蔽板２３の上面
には、案内穴２３０のアダプタ案内部２３２を覆うシー
ル手段２４が配設されている。このシール手段２４は、
図示の実施形態においては例えばポリエチレンテレフタ
レート（ＰＥＴＰ）樹脂フィルム等の弾性的に屈曲可能
な２枚の合成樹脂薄板２４１および２４２からなってい
る。２枚の合成樹脂薄板２４１および２４２は、アダプ
タ案内部２３２に沿って互いに対向する内縁が該アダプ
タ案内部上に位置するように並設されており、各々外縁
部が接着剤或いは両面接着テープによって該遮蔽板２３
に固着されている。なお、図示の実施形態においては、
２枚の合成樹脂薄板２４１および２４２の各々対向する
内縁部には、端縁に達する複数個のスリット２４１ａお
よび２４２ａが等間隔で、かつ、互いに対向した位置に
各々設けられている。また、２枚の合成樹脂薄板２４１
および２４２の各々対向する内縁部は、互いに重合する
ように構成されている。

【００１１】図２は現像剤補給装置を構成する補給現像
剤収容容器および該補給現像剤収容容器に装着されたア
ダプタの斜視図、図３はアダプタの断面図である。図２
に示す補給現像剤収容容器３は、通常用いられている合
成樹脂によって形成されたトナーボトルで、その口頸部
３１には雄螺子条が形成されており、保管時には口頸部
３１に図示しないキャップが装着されている。図２およ
び図３に示すアダプタ４はトナー補給時に補給現像剤収
容容器３の口頸部３１に装着されているキャップを外し
た後に、口頸部３１に装着される。このアダプタ４は合
成樹脂によって一体成形されており、その一端部は円筒
状に構成され、その内面に上記口頸部３１に形成された
た雄螺子条と螺合する雌螺子条４１１が形成され装着部
４１をなしている。アダプタ４の他端部は楕円筒状に構
成され、トナー注出部４２をなしており、このトナー注
出部４２と上記装着部４１とは接続部４３によって接続
されている。上記トナー注出部４２の外側面幅（Ｌ３）
は、上記アダプタ案内部２３２の幅（Ｌ２）より若干小
さく構成されている。アダプタ４の他端には矩形状の第
１のフランジ４４が形成されている。この第１のフラン
ジ４４の端面にはシール装着部４４１が形成されてお
り、該シール装着部４４１に上記トナー注出部４２の注
出口４２０と対応する穴４５０を備えたシール部材４５
が装着されている。また、上記トナー注出部４２の外側
面には、上記第１のフランジ４４と所定の間隔をおいて
第２のフランジ４６、４６が各々形成されている。上記
第１のフランジ４４と第２のフランジ４６、４６との間
隔は、上記遮蔽板２３の板厚より大きい寸法に構成され
ている。この第２のフランジ４６、４６の外側面幅（Ｌ
４）は上記アダプタ案内部２３２の幅（Ｌ２）より大き
く構成されている。なお、アダプタ４のトナー注出部４
２における前端面には、前方に向けて収斂する傾斜面を
備えた案内突起４２３が設けられている。

【００１２】図４は現像剤補給装置を構成する仮キャッ
プの斜視図、図５は仮キャップの側面図、図６は図４お
よび図５に示す仮キャップをアダプタに装着した状態を
示す断面図、図７は現像剤収容筐の遮蔽板に形成された
案内穴とアダプタおよび仮キャップの位置関係を示す平
面図である。図示の実施形態による仮キャップ５は、天
面壁５１と、該天面壁５１から垂下して形成されたスカ
ート壁５２とを有し、合成樹脂によって一体成形されて
いる。スカート壁５２は、両側壁５２１、５２２と、後
壁５２３とによって構成され、前部に開口５２４を備え
ている。仮キャップ５の平面形状は、遮蔽板２３に設け
られた案内穴２３０のキャップ嵌合部２３１と対応した
形状に構成されている。スカート壁５２を構成する両側
壁５２１、５２２の内側面幅（Ｌ５）は、上記アダプタ
４のトナー注出部４２に設けられた第２のフランジ４
６、４６の外側面幅（Ｌ４）より僅かに大きく構成され
ている。上記天面壁５１の開口５２４側端部には、内面
から外面に向けて広がる傾斜案内面５１ａが形成されて
いる。スカート壁５２の両側壁５２１、５２２における
先端部の内側面には、上記第２のフランジ４６、４６と
係合する係合突起５２５、５２５が各々設けられてい
る。この係合突起５２５、５２５の内側面幅（Ｌ６）
は、上記アダプタ４のトナー注出部４２の外側面幅（Ｌ
３）より僅かに大きく構成されている。

【００１３】上記のように構成された仮キャップ５は、
上記アダプタ４のトナー注出部４２に装着される。仮キ
ャップ５をトナー注出部４２に装着するに際しては、仮
キャップ５を図４の状態から上下を逆にして開口５２４
からアダプタ４のトナー注出部４２に摺動しつつ嵌合し
て装着する。このとき、上記天面壁５１に形成された傾
斜案内面５１ａがその摺動を案内する。そして、仮キャ
ップ５がトナー注出部４２に装着された図６に示す状態
においては、上記第２のフランジ４６、４６と係合突起
５２５、５２５との係合により、アダプタ４のシール装
着部４４１に装着されたシール部材４５が仮キャップ５
を構成する天面壁５１の内面にに押圧されて、トナー注
出部４２の注出口４２０を閉塞する。なお、仮キャップ
５はアダプタ４のトナー注出部４２に予め装着されてい
る。上記スカート壁５２を構成する両側壁５２１、５２
２の外側面には、係止手段を構成する係止突部としての
係止突条５２６、５２６が各々設けられている。この係
止突条５２６、５２６の外側面幅（Ｌ７）は、上記遮蔽
板２３に形成された案内穴２３０のキャップ嵌合部２３
１の幅寸法（Ｌ１）より大きい寸法に形成されている。
従って、この仮キャップ５は、天面壁５１側を下にして
上記案内穴２３０のキャップ嵌合部２３１に嵌合したと
き、係止突条５２６、５２６が遮蔽板２３の上面に係合
して下方への落下が規制される。なお、天面壁５１の外
面から係止突条５２６、５２６の当接面までの高さ（Ｈ
１）は、仮キャップ５がアダプタ４のトナー注出部４２
に装着され上記案内穴２３０のキャップ嵌合部２３１に
嵌合したときの状態で、アダプタ４のトナー注出部４２
に設けられた第１のフランジ４４と第２のフランジ４
６、４６間に上記遮蔽板２３が位置する寸法関係となる
ように構成されている。

【００１４】また、図示の実施形態においては係止突条
５２６、５２６には中央より開口５２４側に切欠部５２
６ａ、５２６ａが各々設けられている。上記スカート壁
５２の両側壁５２１、５２２における長手方向中央より
開口５２４側、即ち上記係止突条５２６、５２６に設け
られた切欠部５２６ａ、５２６ａに対応する位置に係止
手段を構成する係止舌片５２８、５２８が各々一体成形
されている。係止舌片５２８、５２８の各々一端はスカ
ート壁５２の両側壁５２１、５２２における天面壁５１
側に接続して設けられている。この係止舌片５２８、５
２８はスカート壁５２の両側壁５２１、５２２から各々
外方に延びる水平部５２８ａ、５２８ａと、該水平部５
２８ａ、５２８ａから略直角に屈曲して形成され両側壁
５２１、５２２と略平行に垂下して延びる把手部５２８
ｂ、５２８ｂとからなっており、把手部５２８ｂ、５２
８ｂの他端がスカート壁５２の先端より突出して形成さ
れている。このように、係止舌片５２８、５２８は一端
がスカート壁５２の両側壁５２１、５２２に接続され他
端が自由端となっているので、図５において左右方向に
弾性的に屈曲可能に構成されている。なお、係止舌片５
２８、５２８を構成する把手部５２８ｂ、５２８ｂの外
面は、図示の実施形態においては上記係止突条５２６、
５２６の外端面と面一になるように形成されている。係
止舌片５２８、５２８を構成する把手部５２８ｂ、５２
８ｂの各々外面には係止爪５２８ｃ、５２８ｃが各々設
けられている。この係止爪５２８ｃ、５２８ｃは、上記
係止突条５２６、５２６より天面壁５１側に設けられて
おり、係止爪５２８ｃ、５２８ｃと係止突条５２６、５
２６との間隔は上記遮蔽板２３の板厚より僅かに大きく
構成されている。

【００１５】図示の実施形態による現像剤補給装置は以
上のように構成され、以下その作用について図８乃至図
１０をも参照して説明する。上記現像剤収容筐２１内に
収納されたトナーが消費され、現像剤収容筐２１に補給
用トナーを補給する場合は、補給現像剤収容容器３の口
頸部３１に装着されているキャップを外し、口頸部３１
に上記のように仮キャップ５が予め装着されたアダプタ
４を装着する。このアダプタ４の装着は、アダプタ４の
装着部４１に形成された雌螺子条４１１を補給現像剤収
容容器３の口頸部３１に形成された雄螺子条に螺合する
ことにより達成できる。このようにして、アダプタ４が
装着された補給現像剤収容容器３を上下逆にして、アダ
プタ４のトナー注出部４２および該トナー注出部４２に
装着された仮キャップ５を図７に示すように上記現像剤
収容筐２の遮蔽板２３に設けられた案内穴２３０のキャ
ップ嵌合部２３１に上方から嵌合する。なお、このとき
仮キャップ５の開口５２４をアダプタ案内部２３２側に
して嵌合する。図示の実施形態においては遮蔽板２３に
設けられたキャップ嵌合部２３１の両側縁辺にはその中
央よりアダプタ案内部２３２側に偏った位置に逃げ凹部
２３１ａ、２３１ａが形成されており、一方、仮キャッ
プ５に設けられた係止舌片５２８、５２８が中央より開
口５２４側に形成されているので、この係止舌片５２
８、５２８を上記逃げ凹部２３１ａ、２３１ａに対応さ
せないと、係止舌片５２８、５２８がキャップ嵌合部２
３１の両側縁辺に干渉して嵌合することができない。従
って、仮キャップ５をキャップ嵌合部２３１に装着する
際に、上記係止舌片５２８、５２８を上記逃げ凹部２３
１ａ、２３１ａに対応させることにより、正しい装着位
置関係であることが保証される。この仮キャップ５の嵌
合時において、係止舌片５２８、５２８を構成する把手
部５２８ｂ、５２８ｂに設けられた係止爪５２８ｃ、５
２８ｃがキャップ嵌合部２３１のに形成された逃げ凹部
２３１ａ、２３１ａの縁辺を通過するときに把手部５２
８ｂ、５２８ｂが各々内方に屈曲せしめられる。なお、
把手部５２８ｂ、５２８ｂに設けられた係止爪５２８
ｃ、５２８ｃの上記通過をより円滑にするためには、把
手部５２８ｂ、５２８ｂの先端部を指で互いに内方に屈
曲させつつ嵌合すればよい。この状態が図７におけるＡ
ーＡ断面で示す図８のとおりである。

【００１６】以上のようにして、アダプタ４のトナー注
出部４２および仮キャップ５を遮蔽板２３に設けられた
案内穴２３０のキャップ嵌合部２３１に嵌合した状態で
は、係止突条５２６、５２６が遮蔽板２３の上面に係合
し、上記係止爪５２１ｃ、５２１ｃが遮蔽板２３の下面
に係合して仮キャップ５の上方および下方への移動が規
制される。そして、アダプタ４のトナー注出部４２に設
けられた第１のフランジ４４と第２のフランジ４６、４
６間が上記遮蔽板２３と対向する位置に位置付けられ
る。この状態から、補給現像剤収容容器３およびアダプ
タ４を図７において右方に摺動すると、仮キャップ５は
キャップ嵌合部２３１とアダプタ案内部２３２との肩部
２３３に当接してその移動が規制され、補給現像剤収容
容器３およびアダプタ４が図７において右方に移動す
る。このとき、アダプタ４のトナー注出部４２に設けら
れた第１のフランジ４４と第２のフランジ４６、４６間
に遮蔽板２３のアダプタ案内部２３２を形成する縁辺部
が嵌入された状態となる。従って、補給現像剤収容容器
３およびアダプタ４は上下方向への移動が規制されつつ
遮蔽板２３のアダプタ案内部２３２を形成する縁辺に沿
って移動される。そして、図７において２点鎖線で示す
位置でアダプタ４が仮キャップ５から離脱する。この状
態が図７におけるＢーＢ断面で示す図９のとおりであ
る。

【００１７】このようにして、アダプタ４が仮キャップ
５から離脱したら補給現像剤収容容器３およびアダプタ
４を遮蔽板２３に設けられた案内穴２３０のアダプタ案
内部２３２に沿って移動させることにより、補給現像剤
収容容器３に収納された補給トナーをアダプタ４のトナ
ー注出部４２の先端に形成されたトナー注出口４２０か
ら現像剤収容筐２に供給することができる。上記補給現
像剤収容容器３およびアダプタ４の移動時において、遮
蔽板２３の設けられた案内穴２３０のアダプタ案内部２
３２を覆うシール手段２４を構成する２枚の合成樹脂薄
板２４１および２４２は、図９および図１０に示すよう
にアダプタ案内部２３２を移動するアダプタ４のトナー
注出部４２によって押し上げられつつ開口し、その内端
部がアダプタ４の接続部４３に接触する。なお、アダプ
タ４によってシール手段２４を構成する２枚の合成樹脂
薄板２４１および２４２が押し上げられつつ開口すると
き、アダプタ４の注出部４２の端面には案内突起４２３
が形成されているので、合成樹脂薄板２４１および２４
２を容易に押し広げることができ、補給現像剤収容容器
３およびアダプタ４の移動を円滑にすることができる。
また、図示の実施例においては、上記２枚の合成樹脂薄
板２４１および２４２の内縁部には、端縁に達する複数
個のスリット２４１ａおよび２４２ａが各々設けられて
いるので、アダプタ４が位置するスリット間だけが弾性
変形して押し広げられ、他の部分は元の状態に戻される
ため、開口部を可及的に小さくすることができる。従っ
て、現像剤収容筐２内に落下して舞い上げられたトナー
の飛散を極力抑えることができる。また、シール手段２
４を構成する２枚の薄板２４１および２４２は、合成樹
脂によって構成されているので摩擦係数が小さいため、
上記補給現像剤収容容器３およびアダプタ４の移動時に
おける摩擦抵抗が小さく、従って、補給現像剤収容容器
３およびアダプタ４の移動を円滑に行うことができる。

【００１８】上記のようにして、補給現像剤収容容器３
に収納された補給トナーが現像剤収容筐２に排出された
ならば、補給現像剤収容容器３およびアダプタ４を図７
において左方に移動し、キャップ嵌合部２３１に嵌合し
ている仮キャップ５をアダプタ４のトナー注出部４２に
装着する。アダプタ４のトナー注出部４２に再び仮キャ
ップ５が装着されたならば、係止舌片５２８、５２８を
構成する把手部５２８ｂ、５２８ｂを指で各々内方に屈
曲させ係止爪５２８ｃ、５２８ｃを逃げ凹部２３１ａ、
２３１ａの縁辺より各々内方に位置付けつつ補給現像剤
収容容器３およびアダプタ４を上方に引き上げることに
より、トナー補給作業が完了する。このように、補給現
像剤収容容器３およびアダプタ４は、上記案内穴２３０
のキャップ嵌合部２３１以外では遮蔽板２３の上方に引
き上げることはできず、キャップ嵌合部２３１に戻され
たならばアダプタ４のトナー注出部４２には仮キャップ
５が装着されるので、たとえ、補給現像剤収容容器３に
残留トナーが存在していても遮蔽板２３上に残留トナー
が溢れる心配はない。なお、遮蔽板２３に設けられた案
内穴２３０を構成するキャップ嵌合部２３１にはシール
手段が施されていないが、トナー補給時には仮キャップ
５が嵌合されるので、トナー補給時に現像剤収容筐２内
に落下して舞い上げられたトナーがキャップ嵌合部２３
１を通して飛散することはない。

【００１９】

【発明の効果】本発明による現像剤補給装置は以上のよ
うに構成されており、補給現像剤収容容器の口頸部に装
着されるアダプタにはその注出部に仮キャップが装着さ
れ、アダプタが装着された補給現像剤収容容器を上下逆
にして、アダプタのトナー注出部およびトナー注出部に
装着された仮キャップを現像剤収容筐の遮蔽板に設けら
れた案内穴のキャップ嵌合部に上方から嵌合し、この状
態から補給現像剤収容容器およびアダプタをアダプタ案
内部側に摺動すると、仮キャップはキャップ嵌合部とア
ダプタ案内部との肩部に当接してその移動が規制され、
更に補給現像剤収容容器およびアダプタが移動するとア
ダプタが仮キャップから離脱するので、補給現像剤収容
容器のセット時におけるトナーの溢れを防止することが
できる。そして、上記仮キャップには上記キャップ嵌合
部に嵌合した状態で所定の位置に係止する係止手段が設
けられており、該係止手段によって仮キャップの上方お
よび下方への移動が規制されるので、アダプタの離脱時
および装着時に仮キャップが上下方向に変異してその作
業性を損ねることはない。

【００２０】また、本発明によれば、上記係止手段の係
止舌片は上記仮キャップを構成するスカート壁の両側壁
における長手方向中央より何れか一方に偏った位置に形
成されており、上記案内穴を構成するキャップ嵌合部の
両側縁辺には長手方向中央より偏った位置に形成され係
止舌片と対応する逃げ凹部が設けられているので、仮キ
ャップをキャップ嵌合部に装着する際に係止舌片を上記
逃げ凹部に対応させないと、係止舌片がキャップ嵌合部
の両側縁辺に干渉して嵌合することができない。従っ
て、仮キャップをキャップ嵌合部に装着する際に、上記
係止舌片を上記逃げ凹部に対応させることにより、正し
い装着位置関係であることが保証することができる。

【００２１】更に、本発明による現像剤補給用の仮キャ
ップは、スカート壁の両側壁に現像剤収容筐の上部を覆
う遮蔽板の一端部に形成されたキャップ嵌合部に嵌合し
た状態で所定の位置に係止する係止手段が設けられてお
り、該係止手段はスカート壁の両側壁に設けられキャッ
プ嵌合部を形成する遮蔽板の上面に係合する係止突部
と、スカート壁の両側壁における天面壁側に一端が各々
接続されスカート壁に沿って垂下して延びる屈曲可能な
係止舌片とからなり、係止舌片にはキャップ嵌合部を形
成する遮蔽板の下面に係合する係止爪が設けられている
ので、該係止手段によって仮キャップの上方および下方
への移動が規制されるため、アダプタの離脱時および装
着時に仮キャップが上下方向に変異してその作業性を損
ねることはない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による現像剤補給装置を構成する現像剤
収容筐の一実施の形態を示すもので、一部を破断して示
す斜視図

【図２】本発明による現像剤補給装置を構成する補給現
像剤収容容器および該補給現像剤収容容器に装着された
アダプタの一実施形態を示す斜視図。

【図３】現像剤補給装置を構成するアダプタの断面図。

【図４】現像剤補給装置を構成する仮キャップの斜視
図。

【図５】現像剤補給装置を構成する仮キャップの側面
図。

【図６】仮キャップをアダプタに装着した状態を示す断
面図。

【図７】現像剤収容筐の遮蔽板に形成された案内穴とア
ダプタおよび仮キャップの位置関係を示す平面図。

【図８】図７におけるＡーＡ断面図。

【図９】図７におけるＢーＢ断面図。

【図１０】現像剤収容筐と補給現像剤収容容器およびア
ダプタと仮キャップからなる現像剤補給装置のトナー補
給状態を示す斜視図。

【符号の説明】

２：現像剤収容筐 ３：補給現像剤収容容器 ４：アダプタ ５：仮キャップ ２１：収容筐体 ２２：トナー供給ローラ ２３：遮蔽板 ２４：シール手段 ３１：補給現像剤収容容器の口頸部 ４１：アダプタの装着部 ４２：アダプタのトナー注出部 ４３：アダプタの接続部 ４４：第１のフランジ ４５：シール部材 ４６：第２のフランジ ５１：仮キャップの天面壁 ５２：仮キャップのスカート壁 ５４：仮キャップの開口 ２１１：トナー供給口 ２４１：合成樹脂薄板 ２４２：合成樹脂薄板 ２３０：案内穴 ２３１：キャップ嵌合部 ２３２：アダプタ案内部 ４２０：トナー注出部の注出口 ５２５：係合突起 ５２６：係止突条 ５２８：係止舌片

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 13/08 - 13/095 G03G 15/08 - 15/095

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 現像装置へ供給する現像剤を収納するた
   めの現像剤収容筐と、該現像剤収容筐に補給する補給用
   現像剤を収納した補給現像剤収容容器と、該補給現像剤
   収容容器の口頸部に着脱可能に装着される装着部と該装
   着部と接続して形成され現像剤を注出する注出口を有す
   る注出部を備えたアダプタと、該アダプタの該注出部に
   着脱可能に装着され該注出口を閉塞する仮キャップとを
   具備し、 該現像剤収容筐は上部を覆う遮蔽板を具備し、該遮蔽板
   には一端部に形成され該仮キャップが嵌合するキャップ
   嵌合部と該キャップ嵌合部に連通して形成され該キャッ
   プ嵌合部より小さく該アダプタの該注出部が挿通可能な
   幅寸法を有するアダプタ案内部とを備えた案内穴が設け
   られており、 該仮キャップは天面壁と該天面壁の外周縁から垂下して
   形成されたスカート壁とを有し、該スカート壁は両側壁
   と後壁とによって構成され前部に該アダプタの該注出部
   が挿通可能な開口を備え、該スカート壁の両側壁には該
   キャップ嵌合部に該仮キャップを嵌合した状態で所定の
   位置に係止する係止手段が設けられており、 該係止手段は該スカート壁の両側壁に設けられ該キャッ
   プ嵌合部を形成する該遮蔽板の上面に係合する係止突部
   と、該スカート壁の両側壁における天面壁側に一端が各
   々接続されスカート壁に沿って垂下して延びる屈曲可能
   な係止舌片とからなり、該係止舌片には該キャップ嵌合
   部を形成する該遮蔽板の下面に係合する係止爪が設けら
   れている、 ことを特徴とする現像剤補給装置。
2. 【請求項２】 該係止手段の該係止舌片は該スカート壁
   の両側壁における長手方向中央より何れか一方に偏った
   位置に形成されており、該案内穴を構成する該キャップ
   嵌合部の両側縁辺には長手方向中央より偏った位置に形
   成され該係止舌片と対応する逃げ凹部が設けられてい
   る、請求項１記載の現像剤補給装置。
3. 【請求項３】 現像剤収容筐に補給する補給用現像剤を
   収納した補給現像剤収容容器の口頸部に着脱可能に装着
   されるアダプタの注出部に着脱可能に装着される現像剤
   補給用の仮キャップであって、 該仮キャップは天面壁と該天面壁の外周縁から垂下して
   形成されたスカート壁とを有し、該スカート壁は両側壁
   と後壁とによって構成され前部に該アダプタの該注出部
   が挿通可能な開口を備え、該スカート壁の両側壁には該
   現像剤収容筐の上部を覆う遮蔽板の一端部に形成された
   キャップ嵌合部に嵌合した状態で所定の位置に係止する
   係止手段が設けられており、 該係止手段は該スカート壁の両側壁に設けられ該キャッ
   プ嵌合部を形成する該遮蔽板の上面に係合する係止突部
   と、該スカート壁の両側壁における天面壁側に一端が各
   々接続されスカート壁に沿って垂下して延びる屈曲可能
   な係止舌片とからなり、該係止舌片には該キャップ嵌合
   部を形成する該遮蔽板の下面に係合する係止爪が設けら
   れている、 ことを特徴とする現像剤補給用の仮キャップ。