JP3135745B2 - 小口径管推進機の排土制御装置 - Google Patents

小口径管推進機の排土制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は小口径管を地中へ埋設
する小口径管推進機の排土制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来小口径管を地中へ埋設する小口径管
推進機は、発進立坑内に推進装置が設置されていて、こ
の推進装置により先端に先導管の装着された小口径管を
地中へ推進させて、小口径管の埋設を行うようになって
いる。
【0003】また先導管の先端には、カッタヘッドが設
けられていて、このカッタヘッドが掘削した土砂はスク
リュウコンベヤにより発進立坑内へ排出されるようにな
っており、先導管内のスクリュウコンベヤには、制御弁
が設けられていて、発進立坑内に排出される土砂の状況
を見ながらこの制御弁を開閉することにより、排土量を
調整している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上記従来の小口
径管推進機のように、発進立坑内に排出される排土状況
を見ながら制御弁を調整する方法では、先導管から発進
立坑までの距離が長い場合、掘削状態が発進立坑内に排
土状況として現れるまでに時間遅れがあるため、掘削土
質が急に変化したような場合、土砂の取込み過多により
先導管の方向制御不良や地盤沈下が発生したり、取込み
過少により掘削効率が低下するなどの不具合があった。
この発明はかかる不具合を改善するためになされたもの
で、常に最適な量の土砂が取込まれるようにした小口径
管推進機の排土制御装置を提供することを目的とするも
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために、先端に先導管の装着された小口径管を、
発進立坑内に設置された推進装置により地中へ推進さ
せ、また先導管の先端に設けられたカッタヘッドが掘削
した土砂を小口径管内に設けたスクリュウコンベヤによ
り発進立坑側へ搬送するようにした小口径管推進機にお
いて、先導管内のスクリュウコンベヤに、エア圧により
開閉される制御弁を設け、かつこの制御弁の圧力室内の
圧力を圧力検出器で検出することにより、制御弁より前
方のケーシング内に取込まれた土砂の充満量を検出する
と共に、得られた情報を基にスクリュウコンベヤの回転
を制御するようにしたものである。
【0006】
【作用】上記構成により、制御弁より前方のケーシング
内には、常に一定した量の土砂が充満されるため、取込
み土砂の過大、過少による不具合を解消することができ
る。
【0007】
【実施例】この発明の一実施例を図面を参照して詳述す
る。図1は小口径管推進機を示すもので、1は小口径管
2の先端に装着された先導管、3は発進立坑4内に設置
された推進装置で、上記小口径管2を地中へ推進させる
推進ジャッキ5と、小口径管2内に設けられたスクリュ
ウコンベヤ6のスクリュウ軸6aを回転駆動する駆動装
置7を有している。上記先導管1は先端部にカッタヘッ
ド8が回転自在に支承されている。このカッタヘッド8
はスクリュウコンベヤ6のスクリュウ軸6a先端に接続
されていて、駆動装置7によりスクリュウ軸6aを介し
て回転されるようになっており、前面に回転自在に取付
けられたディスクカッタ9により切羽を掘削するように
構成されている。
【0008】また掘削された土砂は先導管1内のスクリ
ュウコンベヤ6に取込まれた後スクリュウ軸6aの回転
とともに、ケーシング6b内を後方へ搬送され、発進立
坑4内へ排出されると共に、先導管1内のスクリュウコ
ンベヤ6には、排土量を調整する制御弁10が設けられ
ている。上記制御弁10は図2に示すように、エアによ
り膨張、収縮するゴムなどの弾性体よりなる筒状の弁体
10aを有していて、この弁体10aの外周側に設けら
れた圧力室10bに、エア源12のエアが調圧弁13に
より調圧された後、管路14を介して供給されるように
なっている。
【0009】一方スクリュウコンベヤ6のスクリュウ軸
6aを駆動する駆動装置7は、減速機15を介してスク
リュウ軸6aに接続された油圧モータ16を有してい
て、この油圧モータ16に、電動機17により駆動され
る油圧ポンプ18より電磁弁よりなる操作弁19を介し
て油圧が供給されるようになっている。上記操作弁19
のソレノイド信号は演算器22に入力されている。
【0010】上記演算器22には、制御弁10へエアを
供給する管路14の途中に設けられた圧力検出器23に
より弁室10b内の圧力が検出されて、電気信号として
入力されていると共に、演算器22には管路14内の圧
力Pを表示する表示計24と、スクリュウコンベヤ6の
回転時及び停止時の差圧ΔPを表示する表示計25が接
続されている。
【0011】次に図3ないし図8を参照して作用を説明
する。いま図6に示すフローチャートのステップ101
で、駆動装置7によりスクリュウコンベヤ6及びカッタ
ヘッド8を回転させながら、発進立坑4内の推進装置3
により小口径管2を地中へ推進させる。また制御弁10
の圧力室10bへ調圧弁13により調圧された一定圧P
のエアを供給して、図3に示すように弁体10aを膨張
させ、ケーシング6b内へ土砂を充満させる。ケーシン
グ6b内に土砂が充満すると、土砂の一部が弁体10a
を押し開けて後方へ移動しようとするため、弁室10b
内の圧力Pが上昇する。
【0012】この圧力上昇を圧力検出器23が検出して
演算器22へ送ると共に、演算器22は、設定圧Pと上
昇圧の差圧ΔPをステップ102で演算して、得られた
差圧ΔPによりケーシング6b内の土砂の充満状況を感
知する。そして土砂粒度や被水圧などの土質条件により
予め設定された管理限界幅内となるようにスクリュウコ
ンベヤ6の回転を制御する。
【0013】すなわち図4に示すようにケーシング6b
内に土砂が充満されていない場合は、制御弁10の弁体
10aを押す力は小さく、このため、弁室10b内の圧
力は設定値Pに近い値を示す。この状態では制御弁10
を閉じてケーシング6b内へ土砂を充満させる。また図
5に示すようにケーシング6b内に土砂が充満される
と、弁体10aを押す力が大きくなって弁室10b内の
圧力が上昇する。
【0014】圧力の上昇はケーシング6b内に充満され
た土砂の土質によっても変化するので、予め図8に示す
ような管理限界幅hを設定し、差圧ΔPがこの管理限界
幅h内となるようにスクリュウコンベヤ6の回転を制御
する。
【0015】いまステップ102で検出した差圧ΔPが
管理限界の上限P2 を越えた場合は、ステップ103で
油圧ポンプ18の斜板角度調整による吐出量を制御して
駆動装置3の油圧モータ16へ供給する油量を減少さ
せ、スクリュウ軸6aの回転を減速する。また逆に管理
限界の下限P1 より低い場合は、ステップ104でスク
リュウ軸6aの回転を上げて、差圧ΔPが常に管理限界
幅h内に入るように制御するもので、これによって掘削
土砂の土質が変化しても、制御弁10より前方のケーシ
ング6b内には常に一定量の土砂が充満されているよう
になるため、土砂の取込み過多や過少が未然に防止でき
るようになる。また取込み土砂の土質によってケーシン
グ6b内にプラグが形成されにくい場合は、ステップ1
05で土砂のスランプ値を判定して、スランプ値が高い
場合はステップ106で加泥剤の注入量を減らし、スラ
ンプ値が低い場合はステップ107で注入量を増やすよ
うにする。
【0016】なお図9に示すように圧力検出器を制御弁
10の近くに設けることにより、管路14の途中でエア
漏れが発生しても、この影響を受けることが少ないた
め、精度の高い制御が可能になると共に、調圧弁13に
サーボモータ27を接続して、このサーボモータ27を
制御器22−1で制御することにより、調圧弁13の設
定圧を自動的に可変することもできる。また図10に示
すように、演算器22により油圧ポンプ16の吐出量を
制御することにより、スクリュウコンベヤ6の回転速度
を制御するようにしてもよい。
【0017】
【発明の効果】この発明は以上詳述したように、先導管
内のスクリュウコンベヤに、エア圧により開閉する制御
弁を設けて、この制御弁の圧力室内の圧力により制御弁
より前方のケーシング内に取込まれた土砂の充満度を検
出し、充満度が一定となるようにスクリュウコンベヤの
回転を制御するようにしたことから、掘削中に切羽の土
質が変化しても、土砂の取込み過大や過少が発生するこ
とがない。これによって土砂の取込み過大による先導管
の方向制御不良や地盤沈下などが確実に防止できると共
に、取込み過少による掘削能率の低下も防止することが
できる。また制御弁より前方に土砂のプラグが形成され
るため、噴発などが防止できると共に、制御弁を利用し
て土砂の充満度を検出するようにしたことから、充満度
を検出するための手段を別に設ける必要がないため経済
的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例になる排土制御装置を採用
した小口径管推進機の構成図である。
【図2】この発明の一実施例になる小口径管推進機の排
土制御装置を示す構成図である。
【図3】この発明の一実施例になる小口径管推進機の排
土装置の作用を示す説明図である。
【図4】この発明の一実施例になる小口径管推進機の排
土装置の作用を示す説明図である。
【図5】この発明の一実施例になる小口径管推進機の排
土装置の作用を示す説明図である。
【図6】この発明の一実施例になる小口径管推進機の排
土装置の作用を示すフローチャートである。
【図7】この発明の一実施例になる小口径管推進機の排
土装置の作用を示す線図である。
【図8】この発明の一実施例になる小口径管推進機の排
土装置の作用を示す線図である。
【図9】この発明の他の実施例になる小口径管推進機の
排土制御装置を示す構成図である。
【図10】この発明の他の実施例になる小口径管推進機
の排土制御装置を示す構成図である。
【符号の説明】
1 先導管 2 小口径管 3 推進装置 4 発進立坑 6 スクリュウコンベヤ 6b ケーシング 10 制御弁 10b 圧力室 23 圧力検出器

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端に先導管1の装着された小口径管2
    を、発進立坑4内に設置された推進装置3により地中へ
    推進させ、また先導管1の先端に設けられたカッタヘッ
    ド8が掘削した土砂を小口径管1内に設けたスクリュウ
    コンベヤ6により発進立坑4側へ搬送するようにした小
    口径管推進機において、先導管1内のスクリュウコンベ
    ヤ6に、エア圧により開閉される制御弁10を設け、か
    つこの制御弁10の圧力室10b内の圧力を圧力検出器
    23で検出することにより、制御弁10より前方のケー
    シング6b内に取込まれた土砂の充満量を検出すると共
    に、得られた情報を基にスクリュウコンベヤ6の回転を
    制御することを特徴とする小口径管推進機の排土制御装
    置。
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