JP4423783B2 - シールド掘進機の掘削管理方法 - Google Patents

シールド掘進機の掘削管理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、地盤の沈下・隆起を抑えるシールド掘進機の掘削管理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド掘進機は、筒体状のシールドフレーム内を前後に仕切る隔壁に設けられたカッタによって地山を掘削し、その掘削土砂を隔壁の前方のカッタ室内に一旦取り込み、そのカッタ室内の土砂を切羽の土圧を保ちつつスクリューコンベヤ等によって隔壁の後方に搬送し、掘削穴の内周面にシールドフレーム内にてセグメントを組み立て、その既設セグメントに反力を取るシールドジャッキによってシールドフレームを前進させ、地山にトンネルを構築するものである。
【0003】
従来、かかるシールド掘進機の掘削を管理して地盤の沈下・隆起を抑える手法として、▲1▼カッタ前方の切羽の土圧を基準土圧とすべく、スクリューコンベヤの回転速度やその排土ゲートの開度やシールドジャッキの伸長速度を調節する手法、▲2▼掘削土砂の排土量をシールド掘進機の掘進量に応じてバランスを取るべく、スクリューコンベヤの回転速度やその排土ゲートの開度やシールドジャッキの伸長速度を調節する手法等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、▲1▼の土圧管理による手法においては、その基準土圧には掘進速度を稼ぎつつ且つカッタトルクが過大にならないような土圧(工期を短縮する土圧)が採用されており、切羽を安定させる理想的な土圧が採用されているわけではないため、地山の土質によっては地盤の沈下や隆起を招く可能性がある。また、▲2▼の排土量管理による手法においては、複合地盤など均一な土層でない場合には、取込過多によって切羽が緩み、地盤の沈下を招く可能性がある。
【0005】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、地盤の沈下・隆起を的確に抑えるシールド掘進機の掘削管理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく創案された請求項1に係るシールド掘進機の掘削管理方法は、所定のトライアル区間の地山に、地盤の沈下・隆起を検出する変位測定器をシールド掘進機の前方および上方に位置付けて複数配置した状態でシールド掘進機を掘進させ、そのときの上記変位測定器の出力に基づき地盤の沈下・隆起を抑制し得る目標土圧を求めると共に、その目標土圧となるシールド掘進機のスクリューコンベヤおよびシールドジャッキの運転条件を求めておき、上記トライアル区間の先の地山を掘進する際に、上記運転条件と同一条件でシールド掘進機のスクリューコンベヤおよびシールドジャッキを運転するものである。
【0007】
請求項2に係るシールド掘進機の掘削管理方法は、所定のトライアル区間の地山に、地盤の沈下・隆起を検出する変位測定器をシールド掘進機の前方および上方に位置付けて複数配置した状態でシールド掘進機を掘進させ、そのときの上記変位測定器の出力に基づき地盤の沈下・隆起を抑制し得る目標排土量を求めると共に、その目標排土量となるシールド掘進機の排土量制御装置、スクリューコンベヤおよびシールドジャッキの運転条件を求めておき、上記トライアル区間の先の地山を掘進する際に、上記運転条件と同一条件でシールド掘進機の排土量制御装置、スクリューコンベヤおよびシールドジャッキを運転するものである。
【0008】
本発明によれば、トライアル区間31の土質とそれ以降の土質とが同様である限り、掘進上方の地盤の沈下量・傾斜量を所定の範囲に収めることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0011】
図1に示すように、シールド掘進機1は、筒体状のシールドフレーム2と、シールドフレーム2内を前後に仕切る隔壁3と、隔壁3に設けられたカッタ4と、隔壁3に設けられた排土用のスクリューコンベヤ5と、シールドフレーム2に設けられた推進用のシールドジャッキ6とを備えており、発進用の立坑7から水平方向に掘進する。
【0012】
かかるシールド掘進機1は、図示しないエレクタによりシールドフレーム2内にて組み立てたセグメント8にシールドジャッキ6を押圧させてシールドフレーム2を前進させ、同時にカッタ4によって切羽9を掘削し、その掘削土砂をカッタ室10内に一旦取り込み、その土砂をスクリューコンベヤ5によって切羽9の土圧を保ちつつ隔壁3の後方に搬送し、地山にトンネルを構築する。
【0013】
隔壁3には、切羽9の土圧を計測する土圧センサ11が設けられている。シールドジャッキ6には、その伸長速度すなわちシールド掘進機1の掘進速度を検出するジャッキセンサ12が設けられている。スクリューコンベヤ5には、その回転速度を検出するスクリューセンサ13が設けられている。なお、スクリューコンベヤ5の排土口に、そのゲート開度を検出するゲートセンサ等を追加してもよい。
【0014】
これら土圧センサ11、ジャッキセンサ12およびスクリューセンサ13は、後方台車14に設けられた地下コンピュータ15に接続されている。後方台車14は、シールド掘進機1の掘進に伴ってトンネル内に敷設されたレール16上を走行する。地下コンピュータ15は、上記各センサ11、12、13からの出力を受け、シールドジャッキ6の伸長速度およびスクリュージャッキ5の回転速度(さらにゲートセンサを設けた場合にはスクリューコンベヤの排土口のゲート開度)を後述の如く変更する。
【0015】
シールド掘進機1の前方および上方の地山17には、図2にも示すように、地盤の沈下・隆起を検出する変位測定器18が複数配置されている。変位測定器18には、層別沈下計18a、埋設型傾斜計18b、歪み計、間隙水圧計等が用いられる。これらは、全て用いる必要はなく、適宜選択されて用いられる。本実施形態では、層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bを用いている。
【0016】
層別沈下計18aは、地表19から地盤に略垂直に形成された細長い収納穴内に挿入された細長いセンサ本体20と、そのセンサ本体20を収納穴に固定すべく本体の長手方向に所定間隔を隔てて設けられたアンカ21とを備え、各アンカ21間のセンサ本体20の伸びを検出することで地盤の層別の沈下量を検出する。かかる層別沈下計18aは、図1および図2に示すように、シールド掘進機1の上方に、その経路に沿って所定間隔を隔てて配置される。
【0017】
埋設型傾斜計18bは、地表19から地盤に略垂直に形成された細長い収納穴内に中間パイプ22で連結された複数の傾斜計23を垂らし込み、その後、収容穴を砂等で埋め戻して傾斜計23を収容穴と一体化したものであり、地盤の傾斜に伴う収容穴の傾斜を各傾斜計23によって地盤の層別に検出する。かかる埋設型傾斜計18bは、図2に示すように、シールド掘進機1の両側部に、その経路に沿って所定間隔を隔てて配置される。
【0018】
層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bの出力は、図1に示すように、地上管理室24内の地上コンピュータ25に接続されている。地上コンピュータ25と地下コンピュータ15とは、地上の電話回線26、地上配線27、立坑配線28、トンネル配線29等を介して接続される。これらコンピュータ15、25は、特許請求の範囲の制御部を構成する。なお、層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bと地上コンピュータ25とは無線接続でもよく、土圧センサ11、ジャッキセンサ12およびスクリューセンサ13と地下コンピュータ15とは無線接続でもよい。
【0019】
また、上記層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bは、図3に示すように、シールド掘進機1によるトンネル構築計画線30上の全てではなく、所定のトライアル区間31にのみ設けられる。すなわち、図3のトンネル構築計画線30においては、電車の線路32近傍における地盤の沈下を防止しなければならないが、その線路32近傍においては地上建設物等の存在により上記変位測定器が設けられない。
【0020】
そこで、変位測定器18(層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18b)をトライアル区間31にのみ設け、トライアル区間31における実地試験によって地盤の沈下変動の少ないシールド掘進機1の運転条件を掴み、その運転条件と同一条件で線路32近傍を掘進すれば、トライアル区間31の土質と線路32近傍の土質とが同様である限り、線路32近傍における地盤の沈下も抑制できるのである。トライアル区間31は線路32近傍に近い方が好ましい。土質が変化しないことが条件となるためである。
【0021】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0022】
図4に示すように、先ず、ブロックB1にて、層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bにて検出される地盤の沈下量および傾斜量の許容範囲を設定する。設定は、図1に示す地上・地下コンピュータ15、25のいずれかでなされる。本実施形態では、図3に示すように線路32の下方を掘進するため、上記許容範囲は線路32に悪影響を与えない極めて小さい範囲に設定される。そして、ブロックB2にて、切羽9の目標土圧が設定される。目標土圧は、地盤の沈下量および傾斜量が許容範囲内に収まる土圧であり、その初期値としては計算による概略値や経験値が用いられる。この設定は、地上・地下コンピュータ15、25のいずれかでなされる。
【0023】
そして、ブロックB3にて、図1に示す掘進中のシールド掘進機1において、スクリューセンサ13によってスクリューコンベヤ5の回転速度が検出され、ジャッキセンサ12によってシールドジャッキ6の伸長速度が検出され、土圧センサ11によって実際の切羽9の土圧が検出され、(さらにゲートセンサを設けた場合にはスクリューコンベヤ5の排土口のゲート開度がそのセンサで検出され)、それらが地下コンピュータ15に送られる。そして、地下コンピュータ15は、スクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と(ゲート開度と)を、実際土圧が目標土圧に合致するように調節する。
【0024】
例えば、目標土圧に比べて実際土圧が低い場合には、スクリューコンベヤの回転速度を低くしてカッタ室10内に土砂を停滞気味させて土圧を高くしたり、シールドジャッキ6の伸長速度を高くしてカッタ4および隔壁3の切羽9に対する押付力を高めて土圧を高くしたり、(ゲート開度を閉じ気味にして土圧を高くしたり)する。逆に、目標土圧に比べて実際土圧が高い場合には、スクリューコンベヤ5の回転速度を高くしてカッタ室10内の土砂を速やかに抜いて土圧を低くしたり、シールドジャッキ6の伸長速度を低くしてカッタ4および隔壁3の切羽9に対する押付力を弱めて土圧を低くしたり、(ゲート開度を開き気味にして土圧を低くしたり)する。
【0025】
そして、ブロックB4にて、そのときの実際の土圧が図1に示す土圧センサ11によってリアルタイムで検出され、地下コンピュータ15に送られる。地下コンピュータ15は、実際土圧と目標土圧との差分をとり、それが少なくなるように(零でなくともよい)ブロックB3にてスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と(ゲート開度と)を前述のように制御する。かかるフィードバック制御は、実際土圧と目標土圧との差分が所定範囲となるまで繰り返される。
【0026】
そして、ブロックB5にて、図1に示す層別沈下計18aによってそのときの実際の地盤の沈下量がリアルタイムで検出されると共に、埋設型傾斜計18bによってそのときの実際の地盤の傾斜がリアルタイムで検出され、それぞれ地上コンピュータ25に送られる。ここで、地盤の実際の沈下量・傾斜量を検出する層別沈下計18aと埋設型傾斜計18bとは、図1および図2に示すシールド掘進機1の掘進の影響を受ける範囲(カッタ4の前方且つ上方のクロスハッチ部分33)に位置するものが用いられる。
【0027】
層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bによって検出された検出値(地盤の実際の沈下量・傾斜量)は、地上コンピュータ25から電話回線26等を介して地下コンピュータ15に送られ、初めにブロックB1にて設定した沈下量・傾斜量の許容範囲と対比される。そして、実際の沈下量・傾斜量が許容範囲なら目標土圧を変更することなくそのまま継続して用いて掘進を行い、許容範囲を越えたなら許容範囲とするように目標土圧を変更して設定し直し掘進する(ブロックB2)。
【0028】
例えば、実際の沈下量が許容範囲を越えて大きい場合には、目標土圧を上方修正して、沈下を抑えるようにする。また、実際の隆起量が許容範囲を越えて大きい場合には、目標土圧を下方修正して、隆起を抑えるようにする。そして、ブロックB3にて、修正された目標土圧に合わせてスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と(ゲート開度と)が、既述の如く制御される。
【0029】
かかる制御は、シールド掘進機1が図3に示すトライアル区間31を掘進する間継続して行われる。なお、使用する層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bは、図1および図2に示すシールド掘進機1の掘進に伴ってその影響を受ける範囲(クロスハッチ部分33)が前方に移動するに応じて、順次前方の層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bに切り換えられる。
【0030】
このようなトライアル区間31の掘進により、地盤の沈下量・傾斜量がブロック1Bで定めた所定の範囲に収まる目標土圧が得られる。何故なら、トライアル区間31の土質が一定であれば、その地盤の沈下量・傾斜量を少なくするための目標土圧がブロックB2にて一意に収束すると考えられるからである。そして、その土圧に基きブロックB3にてそのときのスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度(とゲート開度)も得られる。
【0031】
よって、図3に示すトライアル区間31の掘進が終了した以降、その目標土圧、スクリューコンベヤ5の回転速度、シールドジャッキ6の伸長速度(およびゲート開度)を用いて掘進を継続することにより、トライアル区間31の土質とそれ以降の土質とが同様である限り、掘進上方の地盤の沈下量・傾斜量をブロックB1で定めた所定の範囲に収めることができる。
【0032】
また、ブロックB5にて、実際の沈下量・傾斜量を検出した後、コンピュータ15、25によって、地盤の沈下量・傾斜量の傾向を予測し、ブロックB3におけるスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と(ゲート開度と)のいずれを調節したならばより的確に地盤の沈下・傾斜を抑制できるか分析し、その効果が大きいと思われる順でそれら回転速度、伸長速度および(ゲート開度)をリアルタイムで制御するようにしてもよい。
【0033】
本実施形態によれば、従来結果でしかなかった地盤の沈下量・隆起量を制御入力として取り入れ、その沈下量・隆起量に応じてその変動幅が小さくなるようにシールド掘進機1の土圧をリアルタイムで制御しているので、地盤の沈下・隆起を的確に抑えることができる。特に、前段で述べたように沈下・隆起抑制効果のある順にスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と(ゲート開度と)を制御して土圧を管理すれば、地盤の沈下・隆起を速やかに抑えることができる。
【0034】
また、コンピュータ15、25は、層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bの出力の時間変動に応じて地盤の沈下・隆起を抑制し得る目標土圧を適宜更新し、その変更された目標土圧に応じてシールド掘進機1の運転をリアルタイムで制御するので、地盤の沈下量・隆起量を抑制し得る目標土圧を得ることができる。また、コンピュータ15、25は、目標土圧に応じてシールド掘進機1のスクリューコンベヤ5、シールドジャッキ6(およびゲート開度)をリアルタイムで制御するので、地盤の沈下量・隆起量を抑制し得るスクリューコンベヤ5の回転速度、シールドジャッキ6の伸長速度(およびゲート開度)を得ることができる。
【0035】
なお、本実施形態には土圧式シールドを例示したが、本発明はこれに限らず泥水式シールドでも適用でき、その場合、スクリューコンベヤ5の代りに送泥管および排泥管が設けられる。そして、送・排泥管に切羽の土圧を調節する弁やポンプが介設され、スクリューセンサ13の代りにそれら弁やポンプの作動状態を検出するセンサが設けられる。
【0036】
図5および図6に別の実施形態を示す。
【0037】
図示するように、この実施形態は、前実施形態と同一の構成要素を多数有するので、同一の構成要素には同一の符号を付してその説明を省略し、相違点のみを説明する。
【0038】
に示すように、シールド掘進機1のシールドジャッキ6には、その伸長速度すなわちシールド掘進機1の掘進速度を検出するジャッキセンサ12が設けられている。スクリューコンベヤ5には、その回転速度を検出するスクリューセンサ13が設けられている。スクリューコンベヤ5の排土口には、排土量を調節する排土量制御装置(圧送ポンプ34)が設けられている。圧送ポンプ34は、プランジャを往復動させて土砂を間欠的に圧送するものである。圧送ポンプ34には、その圧送回数を検出する圧送回数測定カウンタ35が設けられている。これらジャッキセンサ12、スクリューセンサ13およびカウンタ35の出力は、後方台車14に設けられた地下コンピュータ15に送信される。
【0039】
圧送ポンプ34から排出された土砂は、ポンプ34に接続された圧送管36を介してズリトロ37に移送される。ここで、移送される土砂の重量は、圧送回数測定カウンタ35のカウント数に基いて算出される。よって、このカウンタ35が重量センサ38を構成することになる。重量センサ38の出力は、既述のように地下コンピュータ15に送信される。地下コンピュータ15は、重量センサ38の出力とジャッキセンサ12の出力とに基いて、単位掘進量(m)当たりの排土量(Kg/掘進量)を算出する。地下コンピュータ15は、その算出した排土量と各センサ12、13、35の出力値とに応じて、後述するようにシールドジャッキ6とスクリューコンベヤ5と圧送ポンプ34とを制御する。また、ズリトロ37の載せられた土砂は、トンネル入口側に移送される。
【0040】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0041】
図6に示すように、先ず、ブロックb1にて、層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bにて検出される地盤の沈下量および傾斜量の許容範囲を設定する。設定は、図5に示す地上・地下コンピュータ15、25のいずれかでなされる。本実施形態では、図3に示すように線路32の下方を掘進するため、上記許容範囲は線路32に悪影響を与えない極めて小さい範囲に設定される。
【0042】
そして、ブロックb2にて、目標排土量(Kg/掘進量)が設定される。目標排土量(Kg/掘進量)は、地盤の沈下量および傾斜量が許容範囲内に収まる排土量であり、その初期値としては計算による概略値や経験値が用いられる。この設定は、地上・地下コンピュータ15、25のいずれかでなされる。
【0043】
そして、ブロックb3にて、図5に示す掘進中のシールド掘進機1において、スクリューセンサ13によってスクリューコンベヤ5の回転速度が検出され、ジャッキセンサ12によってシールドジャッキ6の伸長速度が検出され、重量センサ38によって実際の排土量(Kg)が検出され、それらが地下コンピュータ15に送られる。そして、地下コンピュータ15は、単位掘進量(m)当たりの実際の排土量(Kg/掘進量)を算出し、実際排土量が目標排土量に合致するように、スクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と圧送ポンプ34の運転状態とを調節する。
【0044】
例えば、目標排土量に比べて実際排土量が多い場合には、スクリューコンベヤ5の回転速度を低くしたり、シールドジャッキ6の伸長速度を低くしたり、圧送ポンプ34(排土量制御装置)の運転を抑えたりする。逆に、目標排土量に比べて実際排土量が少ない場合には、スクリューコンベヤ5の回転速度を高くしたり、シールドジャッキ6の伸長速度を高くしたり、圧送ポンプ34の運転を高めたりする。
【0045】
そして、ブロックb4にて、そのときの実際の排土量(Kg/掘進量)が、図5に示す重量センサ38およびジャッキセンサ6の出力が地下コンピュータ15に送られ、リアルタイムで算出される。地下コンピュータ15は、実際排土量と目標排土量との差分をとり、それが少なくなるように(零でなくともよい)ブロックb3にてスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と圧送ポンプ34の運転とを制御する。かかるフィードバック制御は、実際排土量と目標排土量との差分が所定範囲となるまで繰り返される。
【0046】
そして、ブロックb5にて、図5に示す層別沈下計18aによってそのときの実際の地盤の沈下量がリアルタイムで検出されると共に、埋設型傾斜計18bによってそのときの実際の地盤の傾斜がリアルタイムで検出され、それぞれ地上コンピュータ25に送られる。ここで、地盤の実際の沈下量・傾斜量を検出する層別沈下計18aと埋設型傾斜計18bとは、図5および図2に示すシールド掘進機1の掘進の影響を受ける範囲(カッタ4の前方且つ上方のクロスハッチ部分33)に位置するものが用いられる。
【0047】
層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bによって検出された検出値(地盤の実際の沈下量・傾斜量)は、地上コンピュータ25から電話回線26等を介して地下コンピュータ15に送られ、始めにブロックb1にて設定した沈下量・傾斜量の許容範囲と対比される。そして、実際の沈下量・傾斜量が許容範囲なら目標排土量を変更することなくそのまま継続して用いて掘進を行い、許容範囲を越えたなら許容範囲とするように目標排土量を変更して設定し直し掘進する(ブロックb2)。
【0048】
例えば、実際の沈下量が許容範囲を越えて大きい場合には、目標排土量を下方修正して、沈下を抑えるようにする。また、実際の隆起量が許容範囲を越えて大きい場合には、目標排土量を上方修正して、隆起を抑えるようにする。そして、ブロックb3にて、修正された目標排土量に合わせてスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と圧送ポンプ34の運転とが、既述の如く制御される。
【0049】
かかる制御は、シールド掘進機1が図3に示すトライアル区間31を掘進する間継続して行われる。なお、使用する層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bは、図1および図2に示すシールド掘進機1の掘進に伴ってその影響を受ける範囲(クロスハッチ部分33)が前方に移動するに応じて、順次前方の層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bに切り換えられる。
【0050】
このようなトライアル区間31の掘進により、地盤の沈下量・傾斜量がブロック1bで定めた所定の範囲に収まる目標排土量が得られる。何故なら、トライアル区間31の土質が一定であれば、その地盤の沈下量・傾斜量を少なくするための目標排土量がブロックb2にて一意に収束すると考えられるからである。そして、その排土量に基きブロックb3にてそのときのスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と圧送ポンプ34の運転状態も得られる。
【0051】
よって、図3に示すトライアル区間31の掘進が終了した以降、その目標排土量、スクリューコンベヤ5の回転速度、シールドジャッキ6の伸長速度および圧送ポンプ34の運転状態を用いて掘進を継続することにより、トライアル区間31の土質とそれ以降の土質とが同様である限り、掘進上方の地盤の沈下量・傾斜量をブロックb1で定めた所定の範囲に収めることができる。
【0052】
また、ブロックb5にて、実際の沈下量・傾斜量を検出した後、コンピュータ15、25によって、地盤の沈下量・傾斜量の傾向を予測し、ブロックb3におけるスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と圧送ポンプ34の運転状態とのいずれを調節したならばより的確に地盤の沈下・傾斜を抑制できるか分析し、その効果が大きいと思われる順でそれら回転速度、伸長速度および運転状態をリアルタイムで制御するようにしてもよい。
【0053】
本実施形態によれば、従来結果でしかなかった地盤の沈下量・隆起量を制御入力として取り入れ、その沈下量・隆起量に応じてその変動幅が小さくなるようにシールド掘進機1の排土量をリアルタイムで制御しているので、地盤の沈下・隆起を的確に抑えることができる。特に、前段で述べたように沈下・隆起抑制効果のある順にスクリューコンベヤ5の回転速度とシールドジャッキ6の伸長速度と圧送ポンプ34の運転状態とを制御して排土量を管理すれば、地盤の沈下・隆起を速やかに抑えることができる。
【0054】
また、コンピュータ15、25(制御部)は、層別沈下計18aおよび埋設型傾斜計18bの出力の時間変動に応じて地盤の沈下・隆起を抑制し得る目標排土量を適宜更新し、その変更された目標排土量に応じてシールド掘進機1の運転を制御するので、地盤の沈下量・隆起量を抑制し得る目標排土量を得ることができる。また、コンピュータ15、25は、目標排土量に応じてシールド掘進機1のスクリューコンベヤ5、シールドジャッキ6および圧送ポンプ34を制御するので、地盤の沈下量・隆起量を抑制し得るスクリューコンベヤ5の回転速度、シールドジャッキ6の伸長速度および圧送ポンプ34の運転状態を得ることができる。
【0055】
なお、本実施形態には土圧式シールドを例示したが、本発明はこれに限らず泥水式シールドでも適用でき、その場合、スクリューコンベヤ5の代りに送泥管および排泥管が設けられる。そして、送・排泥管に切羽の土圧を調節する弁やポンプが介設され、スクリューセンサ13および圧送回数測定カウンタ35の代りにそれら弁やポンプの作動状態を検出するセンサが設けられる。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係るシールド掘進機の掘削管理方法によれば次の如き優れた効果を発揮できる。
(1)請求項1記載の発明によれば、地盤の沈下・隆起を的確に抑えることができる目標土圧が得られ、地盤の沈下・隆起を的確に抑えることができるスクリューコンベヤおよびシールドジャッキの運転状態を得られる。
(2)請求項2記載の発明によれば、地盤の沈下・隆起を的確に抑えることができる目標排土量を得られ、地盤の沈下・隆起を的確に抑えることができる排土量制御装置、スクリューコンベヤおよびシールドジャッキの運転状態を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態を示すシールド掘進機の掘削管理方法を実施する装置の概略図である。
【図2】 図1の正面図である。
【図3】 上記シールド掘進機のトンネル構築計画線を示す平面図である。
【図4】 本発明の掘削管理方法における制御を示すブロック図である。
【図5】 本発明の別実施形態を示すシールド掘進機の掘削管理方法を実施する装置の概略図である。
【図6】 本発明の別実施形態の掘削管理方法における制御を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 シールド掘進機
5 スクリューコンベヤ
6 シールドジャッキ
15 制御部としての地上コンピュータ
17 地山
18 変位測定器
18a 層別沈下計
18b 埋設型傾斜計
25 制御部としての地下コンピュータ
34 排土量制御装置としての圧送ポンプ

Claims (2)

  1. 所定のトライアル区間の地山に、地盤の沈下・隆起を検出する変位測定器をシールド掘進機の前方および上方に位置付けて複数配置した状態でシールド掘進機を掘進させ、
    そのときの上記変位測定器の出力に基づき地盤の沈下・隆起を抑制し得る目標土圧を求めると共に、その目標土圧となるシールド掘進機のスクリューコンベヤおよびシールドジャッキの運転条件を求めておき、
    上記トライアル区間の先の地山を掘進する際に、上記運転条件と同一条件でシールド掘進機のスクリューコンベヤおよびシールドジャッキを運転することを特徴とするシールド掘進機の掘削管理方法
  2. 所定のトライアル区間の地山に、地盤の沈下・隆起を検出する変位測定器をシールド掘進機の前方および上方に位置付けて複数配置した状態でシールド掘進機を掘進させ、
    そのときの上記変位測定器の出力に基づき地盤の沈下・隆起を抑制し得る目標排土量を求めると共に、その目標排土量となるシールド掘進機の排土量制御装置、スクリューコンベヤおよびシールドジャッキの運転条件を求めておき、
    上記トライアル区間の先の地山を掘進する際に、上記運転条件と同一条件でシールド掘進機の排土量制御装置、スクリューコンベヤおよびシールドジャッキを運転することを特徴とするシールド掘進機の掘削管理方法
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