JP3135457B2 - 変圧器 - Google Patents

変圧器

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JP3135457B2
JP3135457B2 JP06136145A JP13614594A JP3135457B2 JP 3135457 B2 JP3135457 B2 JP 3135457B2 JP 06136145 A JP06136145 A JP 06136145A JP 13614594 A JP13614594 A JP 13614594A JP 3135457 B2 JP3135457 B2 JP 3135457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は変圧器に係り、詳しくは
一次側コイルの励磁により発生する磁束の一部を漏洩磁
束として一次側コイルに直接戻して二次側コイルと交差
させないようにした漏洩型の変圧器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、二次側コイルに流れる電流が増加
しようとしたとき、二次側コイルの誘導起電力を減少さ
せて電流の増加を抑制する漏洩形の3相変圧器がある。
この変圧器には漏洩磁路が形成され、この漏洩磁路に磁
束の一部を漏洩磁束として強制的に流し(誘導し)てい
る。そのため、二次側コイルと交差する磁束数の減少に
より誘導起電力が減少して電流の増加が抑制される。
【0003】この変圧器の構成を図15に示す。変圧器
81の鉄心82は薄いケイ素鋼板を積層して形成したも
のである。この鉄心82は第1〜第3の脚(レグ)83
a〜83cと、該第1〜第3のレグ83a〜83cの両
側を接続する継鉄(ヨーク)84a,84bとから構成
されている。又、第1〜第3のレグ83a〜83cとヨ
ーク84a,84bによって第1及び第2の鉄心窓85
a,85bが形成されている。
【0004】前記第1〜第3のレグ83a〜83cの上
部側には、U相用の一次側コイル86a、V相用の一次
側コイル86b、W相用の一次側コイル86cがそれぞ
れ巻き付けられている。又、第1〜第3のレグ83a〜
83cの下部側には、U相用の二次側コイル87a、V
相用の二次側コイル87b、W相用の二次側コイル87
cがそれぞれ巻き付けられている。尚、U,V,W相の
各一次側コイル86a,86b,86cはスター結線さ
れており、同じくU,V,W相の各二次側コイル87
a,87b,87cもスター結線されている。
【0005】一次側コイル86a,86bと二次側コイ
ル87a,87bとの間における第1の鉄心窓85aに
はブロックパスコア89aが配設されている。又、一次
側コイル86b,86cと二次側コイル87b,87c
との間における第2の鉄心窓85bにはブロックパスコ
ア89bが配設されている。ブロックパスコア89a,
89bは薄いけい素鋼板が積層されて直方体形状となっ
ている。尚、ブロックパスコア89a,89bは図示し
ない接着剤によって第1〜第3のレグ83a〜83cに
固定されている。
【0006】次に、上記のように構成された変圧器81
の動作について説明する。尚、実際には、一次側コイル
86a,86b,86cが励磁されて発生する磁束は複
雑に鉄心82に流れるため、理解し易いように展開して
説明する。
【0007】図16に示すように、U相の一次側コイル
86aが励磁されると、磁束Φu が発生する。このとき
発生する磁束数を便宜上、20本とする。この磁束Φu
は第1のレグ83aからヨーク84a側に流れる。この
磁束Φu は第2のレグ83bと第3のレグ83cとに分
かれて流れる。そして、第2のレグ83bに流れる磁束
をΦu1とし、第3のレグ83cに流れる磁束をΦu2とす
る。このとき、基本的には磁束Φu1,Φu2の磁束数はそ
れぞれ10本となる。そして、磁束Φu1は第2のレグ8
3b及びヨーク84bを介して第1のレグ83aに流れ
ようとするが、磁束Φu1の一部の磁束が漏洩磁束Φura
となってブロックパスコア89aに流れる。このときの
漏洩磁束数を3本とする。従って、この3本の漏洩磁束
Φura が二次側コイル87aと交差せず直接一次側コイ
ル86aに戻され、7本の磁束Φu1が二次側コイル87
aと交差してから一次側コイル86aに戻される。
【0008】又、磁束Φu2は第3のレグ83c及びヨー
ク84bを介して第1のレグ83aに流れようとする
が、磁束Φu2の一部の磁束が漏洩磁束Φurb となってブ
ロックパスコア89b に流れる。しかし、漏洩磁束Φur
b がブロックパスコア89bを流れたとしても第2のレ
グ83bに到達するだけで、直接一次側コイル86aに
戻ることはできない。又、一般に電気的特性上、漏洩磁
束Φurb は殆ど流れず、10本の磁束Φu2が二次側コイ
ル87aと交差してから一次側コイル86aに戻され
る。従って、一次側コイル86aに戻される漏洩磁束数
は3本で、二次側コイル87aと交差する磁束数は17
本となる。尚、一次側コイル86cを励磁したとき、第
1のレグ83aに流れる磁束Φw1の一部となる漏洩磁束
Φwrb もブロックパスコア89aを流れて一次側コイル
86cに直接戻されないので、一次側コイル86cに戻
される漏洩磁束数は3本、二次側コイル87cと交差す
る磁束数は17本となる。
【0009】そして、図17に示すように、V相の一次
側コイル86bが励磁されると、磁束Φv が発生する。
このとき発生する磁束数も20本である。この磁束Φv
は第2のレグ83bからヨーク84aを介して第1及び
第3のレグ83a,83cに分かれて流れる。そして、
第1のレグ83aに流れる磁束をΦv1とし、第3のレグ
83cに流れる磁束をΦv2とする。このとき、基本的に
は磁束Φv1,Φv2の磁束数はそれぞれ10本となる。そ
して、磁束Φv1は第1のレグ83a及びヨーク84bを
介して第2のレグ83bに流れようとするが、磁束Φv1
の一部の磁束が漏洩磁束Φvra となってブロックパスコ
ア89aに流れる。このときの漏洩磁束数を3本とす
る。従って、この3本の漏洩磁束Φvra が二次側コイル
87bと交差せず直接一次側コイル86bに戻され、7
本の磁束Φv1が二次側コイル87bと交差してから一次
側コイル86bに戻される。
【0010】同様に、磁束Φv2は第3のレグ83c及び
ヨーク84bを介して第2のレグ83bに流れようとす
るが、磁束Φv2の一部の磁束が漏洩磁束Φvrb となって
ブロックパスコア89bに流れる。このときの漏洩磁束
数を3本とする。従って、この3本の漏洩磁束Φvrb が
二次側コイル87bと交差せず直接一次側コイル86b
に戻され、7本の磁束Φv2が二次側コイル87b と交差
してから一次側コイル86bに戻される。
【0011】従って、第1及び第2の鉄心窓85a,8
5bにブロックパスコア89a,89bを配設すること
により、漏洩磁路を形成することができる。この漏洩磁
路に漏洩磁束を流して二次側コイル87a,87b,8
7cの誘導起電力を調整し、電流の増減を調整してい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一次側
コイル86aが励磁されたとき、ブロックパスコア89
bによって漏洩磁束Φurb を一次側コイル86aに戻す
ことができない。同様に、一次側コイル86cが励磁さ
れたとき、ブロックパスコア89aによって漏洩磁束Φ
wrb を一次側コイル86cに戻すことができない。とこ
ろが、一次側コイル86bが励磁されたときには、第1
及び第3のレグ83a,83bを流れる磁束Φv1,Φv2
の一部が漏洩磁束Φvra ,Φvrb となってブロックパス
89a,89bを流れ、直接一次側コイル86bに戻さ
れる。従って、一次側コイル86a,86cに直接戻さ
れる漏洩磁束数が3本に対し、二次コイル86bに直接
戻される漏洩磁束数は6本となる。
【0013】そのため、二次側コイル87a,87cと
交差する磁束数は17本となり、二次側コイル87bと
交差する磁束数は14本となる。従って、二次側コイル
87a,87cに発生する電流が二次側コイル87bに
発生する電流より高くなってしまい、電流が不均一とな
るという問題がある。実際には、負荷の接続状態、変圧
器81の結線状態、変圧器81の電気的特性により必ず
しも二次側コイル87a,87cが同じ電流値となるこ
とはあまりない。
【0014】各二次側コイル87a,87b,87cに
発生する電流値が不均一となると、その電流値の内最も
高い電流値に基づいて変圧器81を設計するので、定格
容量が安易に大きくなってしまうという問題がある。
【0015】又、変圧器81の形状もできるだけコンパ
クト化を図ったり、部品点数を削減したりしたいという
要望もある。本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであって、第1の目的は、各二次側コイルに発
生する電流の電流値を均一にし、その電流値に適した変
圧器の定格容量に設計して安易に大容量とならないよう
にした。
【0016】第2の目的は、第1の目的に加え、部品点
数を抑えるとともに、変圧器の形状をコンパクト化し、
変圧器材料の低減及びコストダウンができるようにし
た。第3の目的は、第2の目的に加え、漏洩磁束を確実
に一次側コイルに直接戻し、二次側コイルに発生する電
流が均一となるようにした。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
め、請求項1記載の発明は、鉄心を、第1〜第3の脚
と、前記第1〜第3の脚を接続する継鉄と、前記第1〜
第3の脚と継鉄との接続により形成される第1及び第2
の鉄心窓とから構成し、前記第1〜第3の脚には一次側
及び二次側コイルをそれぞれ巻付けることにより構成さ
れる変圧器において、前記第1〜第3の脚の上部側に巻
付けられた一次側コイル及び前記第1〜第3の脚の下部
側に巻付けられた二次側コイルの間には、前記第1の脚
と第2の脚との間、及び前記第2の脚と第3の脚との
間、並びに前記第1の脚と第3の脚との間を漏洩磁束の
流れる漏洩磁路が形成されるように磁気回路的に接続す
るパスコアを前記第1〜第3の脚との間にそれぞれ電気
的絶縁を確保した状態で配設し、各一次側コイルの励磁
に基づいて第1〜第3の脚に流れる磁束の一部をパスコ
アを介して当該一次側コイルに誘導するようにしたこと
をその要旨とする。
【0018】請求項2記載の発明は、パスコアは一対の
突出部と、前記一対の突出部の基端を接続する接続部と
から構成される平面コ字状とし、前記一対の突出部の先
端が第1及び第2の鉄心窓に挿入されていることをその
要旨とする。
【0019】請求項3記載の発明は、第1及び第2の鉄
心窓に挿入される一対の突出部と、第1及び第3の脚と
は電気的絶縁を確保してそれぞれ接続されていることを
その要旨とする。
【0020】
【作用】請求項1記載の発明によれば、第1の脚に巻付
けられた一次側コイルの励磁に基づいて第1〜第3の脚
には磁束が流れる。このとき、第2の脚に流れる磁束の
一部は漏洩磁束となってパスコアを流れ、直接第1の脚
の一次側コイルに戻される。同様に、第3の脚に流れる
磁束の一部も漏洩磁束となってパスコアを流れ、直接第
1の脚の一次側コイルに戻される。又、第2の脚に巻付
けられた一次側コイルの励磁に基づいて第1〜第3の脚
には磁束が流れる。そして、第1の脚に流れる磁束の一
部は漏洩磁束となってパスコアを流れ、直接第2の脚の
一次側コイルに戻される。同様に、第3の脚に流れる磁
束の一部も漏洩磁束となってパスコアを流れ、直接第2
の脚の一次側コイルに戻される。更に、第3の脚に巻付
けられた一次側コイルの励磁に基づいて第1〜第3の脚
には磁束が流れる。そして、第1の脚に流れる磁束の一
部は漏洩磁束となってパスコアを流れ、直接第3の脚の
一次側コイルに戻される。同様に、第2の脚に流れる磁
束の一部も漏洩磁束となってパスコアを流れ、直接第3
の脚の一次側コイルに戻される。
【0021】従って、各脚の一次側コイルに直接戻され
る漏洩磁束数がパスコアによって常に一定になる。その
ため、各脚の二次側コイルを通過する磁束数が一定とな
り、各二次コイルに発生する誘導電圧及び誘導電流を一
定にすることが可能となる。
【0022】請求項2記載の発明によれば、第1の脚に
巻付けられた一次側コイルの励磁に基づいて第1〜第3
の脚には磁束が流れる。このとき、第2の脚に流れる磁
束の一部は漏洩磁束となって第1の鉄心窓に挿入される
パスコアの突出部に流れ、直接第1の脚の一次側コイル
に戻される。同様に、第3の脚に流れる磁束の一部は漏
洩磁束となって第2の鉄心窓に挿入されるパスコアの突
出部、接続部及び第1の鉄心窓に挿入される突出部を流
れ、直接第1の脚の一次側コイルに戻される。又、第2
の脚に巻付けられた一次側コイルの励磁に基づいて第1
〜第3の脚には磁束が流れる。このとき、第1の脚に流
れる磁束の一部は漏洩磁束となって第1の鉄心窓に挿入
されるパスコアの突出部に流れ、直接第2の脚の一次側
コイルに戻される。同様に、第3の脚に流れる磁束の一
部は漏洩磁束となって第2の鉄心窓に挿入されるパスコ
アの突出部を流れ、直接第2の脚の一次側に戻される。
【0023】更に、第3の脚に巻付けられた一次側コイ
ルの励磁に基づいて第1〜第3の脚には磁束が流れる。
このとき、第1の脚に流れる磁束の一部は漏洩磁束とな
って第1の鉄心窓に挿入されるパスコアの突出部、接続
部及び第2の鉄心窓に挿入されるパスコアの突出部を流
れ、直接第3の脚の一次側コイルに戻される。同様に、
第2の脚に流れる磁束の一部は漏洩磁束となって第2の
鉄心窓に挿入されるパスコアの突出部を流れ、直接第3
の脚の一次側コイルに戻される。
【0024】従って、各脚の一次側コイルにはパスコア
によって戻される漏洩磁束数が常に一定となる。そのた
め、各脚の二次側コイルを通過する磁束数が一定とな
り、各二次コイルに発生する誘導電圧及び誘導電流を一
定にすることが可能となる。
【0025】又、パスコアを構成する一対の突出部を第
1及び第2の鉄心窓に挿入したことにより、パスコアを
鉄心からできるだけ突出させないようにし、変圧器のコ
ンパクト化を図ることが可能となる。更に、第1及び第
2の鉄心窓にコ字状となるパスコアの突出部を挿入した
ことにより、第1及び第2の鉄心窓に別部材となるブロ
ックパスコアを配設する必要がなくなり、部品点数を少
なくすることが可能となる。
【0026】請求項3記載の発明によれば、パスコアの
突出部が第1及び第3の脚に対して電気的絶縁を確保し
た状態で接続されている。そのため、第1の脚から第3
の脚の一次側コイルに漏洩磁束を戻したり、第3の脚か
ら第1の脚の一次側コイルに漏洩磁束を戻したりするこ
とをパスコアによって確実に行われる。従って、各一次
側コイルに直接戻される漏洩磁束数が一定となり、各脚
の二次側コイルに流れる誘導電圧や誘導電流を一定にす
ることが可能となる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を4kVAの容量となる3相変
圧器に具体化した一実施例を図1〜図9に従って説明す
る。
【0028】図1,図2に示すように、漏洩形の変圧器
1を構成する鉄心2は薄いけい素鋼板を積層して形成さ
れている。前記鉄心2は3本の第1〜第3のレグ3a〜
3cと、前記第1〜第3のレグ3a〜3cをそれぞれ接
続するヨーク4a,4bとから構成されている。前記第
1〜第3のレグ3a〜3cとヨーク4a,4bとにより
四角形状を成す第1及び第2の鉄心窓5a,5bが形成
されている。第1〜第3のレグ3a〜3cの上部側には
U,V,W相用の一次側コイル6a〜6cが巻付けられ
ている。同様に、第1〜第3のレグ3a〜3cの下部側
にはU,V,W相用の二次側コイル7a〜7cが巻き付
けられている。尚、図3に示すように、一次側コイル6
a〜6cはスター結線されており、二次側コイル7a〜
7cもスター結線されている。
【0029】前記第1の鉄心窓5a内における第1のレ
グ3aの側面と、第2の鉄心窓5b内における第3のレ
グ3cの側面とを磁気回路的に接続するパスコア8が変
圧器1に設けられている。前記パスコア8は一対の突出
部9a,9bと、該突出部9a,9bの一端を接続する
接続部10とから構成されている。従って、パスコア8
は平面コ字状に形成されている。又、パスコア8は鉄心
2と同様に、薄いけい素鋼反を積層して形成したもので
ある。
【0030】前記パスコア8の突出部9aが一次側コイ
ル6a,6bと二次側コイル7a,7bとの間における
第1の鉄心窓5aに配設されている。同様に、パスコア
8の突出部9bが一次側コイル6b,6cと二次側コイ
ル7b,7cとの間における第2の鉄心窓5bに配設さ
れている。そして、突出部9aの側面と第1のレグ3a
との間、突出部9bの側面と第3のレグ3cとの間には
それぞれ空隙ギャップ12が形成されている。この空隙
ギャップ12は1mm以下となっている。又、パスコア
8の一対の突出部9a,9bと接続部10によって第2
のレグ3bの三方が囲まれ、その囲まれた部分にも空隙
ギャップ13,15が形成されている。この空隙ギャッ
プ13は6.8mm、空隙ギャップ15は10mmとな
っている。そして、空隙ギャップ12,13,15によ
って第1〜第3のレグ3a〜3cとパスコア8との電気
的絶縁が確保されている。そして、前記ギャップ12,
13にはそれぞれ絶縁性の接着剤14が充填され、この
接着剤14によってパスコア8が第1〜第3のレグ3a
〜3cに取付固定されている。
【0031】次に、上記のように構成された変圧器1の
作用について説明する。尚、実際には、一次側コイル6
a〜6cが励磁されて発生する磁束は複雑に鉄心2に流
れるため、従来技術と同様に、理解し易いように展開し
て説明する。
【0032】図4に示すように、一次側コイル6aが励
磁されると、磁束Φu が発生する。このとき発生する磁
束数を便宜上、20本とする。この磁束Φu は第1のレ
グ3aからヨーク4a側に流れる。この磁束Φu は第2
のレグ3bと第3のレグ3cとに分岐して流れる。そし
て、第2のレグ3bに流れる磁束をΦu1とし、第3のレ
グ3cに流れる磁束をΦu2とする。このとき、基本的に
磁束Φu1,Φu2の磁束数はそれぞれ10本となる。そし
て、磁束Φu1は第2のレグ3b及びヨーク4bを介して
第1のレグ3aに流れようとするが、磁束Φu1の一部の
磁束が漏洩磁束Φura となってブロックパスコア8の突
出部9aに流れ、この漏洩磁束Φura は第1のレグ3a
を介して一次側コイル6aに流れる。このときの漏洩磁
束数を3本とする。従って、この3本の漏洩磁束Φura
が二次側コイル7aと交差せず直接一次側コイル6aに
戻され、7本の磁束Φu1が二次側コイル7aと交差して
から一次側コイル6aに戻される。
【0033】又、磁束Φu2は第3のレグ3c及びヨーク
4bを介して第1のレグ3aに流れようとするが、磁束
Φu2の一部の磁束が漏洩磁束Φurb となってブロックパ
スコア8の突出部9bに流れる。突出部9bに流れる漏
洩磁束Φurb は接続部10、突出部9a及び第1のレグ
3aを介して一次側コイル6aに流れる。このときの漏
洩磁束数を3本とする。この3本の漏洩磁束Φurb が二
次側コイル7aと交差せず直接一次側コイル6aに戻さ
れ、7本の磁束Φu2が二次側コイル7aと交差してから
一次側コイル6aに戻される。従って、コ字状となるパ
スコア8によって第3のレグ3cに流れる磁束Φu2の一
部を漏洩磁束Φurb として一次側コイル6aに直接戻す
ことができる。そのため、6本の漏洩磁束Φura ,Φur
b が二次側コイル7aと交差せず直接一次側コイル6a
に戻され、14本の磁束Φu1,Φu2が二次側コイル7a
と交差する。
【0034】図5に示すように、一次側コイル6cが励
磁されると、磁束Φw が発生する。このとき発生する磁
束数も便宜上、20本とする。この磁束Φw は第1のレ
グ3c からヨーク4a側に流れる。この磁束Φw は第2
のレグ3bと第1のレグ3aとに分岐して流れる。そし
て、第2のレグ3bに流れる磁束をΦw1とし、第1のレ
グ3aに流れる磁束をΦw2とする。このとき、基本的に
磁束Φw1,Φw2の磁束数はそれぞれ10本となる。そし
て、磁束Φw1は第2のレグ3b及びヨーク4bを介して
第3のレグ3cに流れようとするが、磁束Φw1の一部の
磁束が漏洩磁束Φwra となってブロックパスコア8の突
出部9bに流れ、この漏洩磁束Φwra は第3のレグ3c
を介して一次側コイル6cに流れる。このときの漏洩磁
束数を3本とする。従って、この3本の漏洩磁束Φwra
が二次側コイル7cと交差せず直接一次側コイル6cに
戻され、7本の磁束Φw1が二次側コイル7cと交差して
から一次側コイル6aに戻される。
【0035】又、磁束Φw2は第1のレグ3a及びヨーク
4bを介して第3のレグ3cに流れようとするが、磁束
Φw2の一部の磁束が漏洩磁束Φwrb となってブロックパ
スコア8の突出部9aに流れる。突出部9aに流れる漏
洩磁束Φwrb は接続部10、突出部9b及び第3のレグ
3cを介して一次側コイル6cに流れる。このときの漏
洩磁束数を3本とする。この3本の漏洩磁束Φwrb が二
次側コイル7cと交差せず直接一次側コイル6cに戻さ
れ、7本の磁束Φw2が二次側コイル7cと交差してから
一次側コイル6cに戻される。従って、コ字状となるパ
スコア8によって第1のレグ3aに流れる磁束Φw2の一
部を漏洩磁束Φwrb として一次側コイル6cに直接戻す
ことができる。そのため、6本の漏洩磁束Φwra ,Φwr
b が二次側コイル7cと交差せず直接一次側コイル6c
に戻され、14本の磁束Φw1,Φw2が二次側コイル7c
と交差する。
【0036】図6に示すように、一次側コイル6bが励
磁されると、磁束Φv が発生する。このとき発生する磁
束数も便宜上、20本とする。この磁束Φv は第2のレ
グ3b からヨーク4a側に流れる。この磁束Φv は第1
のレグ3aと第3のレグ3cとに分岐して流れる。そし
て、第1のレグ3aに流れる磁束をΦv1とし、第3のレ
グ3cに流れる磁束をΦv2とする。このとき、基本的に
磁束Φv1,Φv2の磁束数はそれぞれ10本となる。そし
て、磁束Φv1は第1のレグ3a及びヨーク4bを介して
第2のレグ3bに流れようとするが、磁束Φv1の一部の
磁束が漏洩磁束Φvra となってブロックパスコア8の突
出部9aに流れ、この漏洩磁束Φvra は第2のレグ3b
を介して一次側コイル6bに流れる。このときの漏洩磁
束数を3本とする。従って、この3本の漏洩磁束Φvra
が二次側コイル7bと交差せず直接一次側コイル6bに
戻され、7本の磁束Φv1が二次側コイル7bと交差して
から一次側コイル6bに戻される。
【0037】又、磁束Φv2は第3のレグ3c及びヨーク
4bを介して第2のレグ3bに流れようとするが、磁束
Φv2の一部の磁束が漏洩磁束Φvrb となってブロックパ
スコア8の突出部9bに流れ、この漏洩磁束Φvrb は第
2のレグ3bを介して一次側コイル6bに流れる。この
ときの漏洩磁束数を3本とする。この3本の漏洩磁束Φ
vrb が二次側コイル7bと交差せず直接一次側コイル6
bに戻され、7本の磁束Φv2が二次側コイル7bと交差
してから一次側コイル6bに戻される。従って、コ字状
となるパスコア8によって第1のレグ3aに流れる磁束
Φv2の一部を漏洩磁束Φvrb として一次側コイル6bに
直接戻すことができる。そのため、6本の漏洩磁束Φvr
a ,Φvrb が二次側コイル7bと交差せず直接一次側コ
イル6bに戻され、14本の磁束Φv1,Φv2が二次側コ
イル7bと交差する。
【0038】従って、コ字状にパスコア8を形成し、同
じ本数となる漏洩磁束Φura ,Φurb ,Φvra ,Φvrb
,Φwra ,Φwrb を直接一次側コイル6a〜6cに戻
すことができる。この結果、二次側コイル7a〜7cと
交差する磁束Φu1,Φu2,Φv1,Φv2,Φw1,Φw2の本
数を同じにすることができるので、二次側コイル7a〜
7cに発生する電流の電流値を均一にすることができ
る。
【0039】又、二次側コイル7a〜7cに発生する電
流の電流値が均一になることから、変圧器1の設計を行
いやすくすることができる。更に、電流値に格差がない
ので、変圧器1の容量設計を効率よく行うことができる
とともに、無駄な容量の大型化を防止することができ
る。
【0040】そして、本実施例においては、パスコア8
をコ字状に形成し、その突出部9a,9bを第1及び第
2の鉄心窓5a,5bに挿入した構成とした。この構成
により、従来の変圧器の鉄心窓に挿入されるブロックパ
スコアを無くして部品点数を少なくすることができ、し
かも二次側コイル7a〜7cに発生する電流の電流値を
均一にすることができる。
【0041】又、パスコア8の突出部9a,9bを第1
及び第3のレグ3a,3cと電気的絶縁を確保した上で
接続している。従って、第1及び第3のレグ3a,3c
に流れる磁束の一部を確実に突出部9a,9bに誘導
し、第1及び第3のレグ3a,3cに流して一次側コイ
ル6a,6cに直接戻すことができる。又、第1のレグ
3aと第2のレグ3bとは互いに隣接していることから
突出部9aが第1の鉄心窓5aに挿入されていれば漏洩
磁束はスムーズに流れる。同様に、第2のレグ3bと第
3のレグ3cとは互いに隣接していることから突出部9
cが第2の鉄心窓5aに挿入されていれば漏洩磁束はス
ムーズに流れる。この結果、二次側コイル7a〜7cと
交差する磁束の数を一定にし、発生する電流の電流値を
一層均一にすることができる。
【0042】又、突出部9a,9bと第1及び第3のレ
グ3a,3cとの間の空隙ギャップ12は1mm以下に
しなければ、第1及び第3のレグ3a,3cに流れる磁
束の一部を突出部9a,9bにスムーズに流すことがで
きなくなり、二次側コイル7a〜7cに発生する電流の
電流値にばらつきが発生する。逆に、空隙ギャップ12
は小さければ小さいほど好ましいが、突出部9a,9b
と第1及び第3のレグ3a,3cとの間に絶縁材を介在
させて電気的接続を回避しなければ、パスコア8に電流
が流れてしまい変圧器1の電気的特性が低下する。本実
施例においては、突出部9a,9bと第1及び第3のレ
グ3a,3cとをそれぞれ絶縁したが、いずれか一方を
絶縁し、他方は電気的に接続されていてもよい。
【0043】U,V,W相の漏れ磁束のバランスは空隙
ギャップ13,15の寸法とパスコア8の断面積との比
率又は寸法と断面積を別々に変えても調整を行うことが
できる。
【0044】本実施例においては、コ字状のパスコア8
としたが、必要に応じて、パスコア8を半円形状にした
り蒲鉾形状にすることも可能である。要は、第1及び第
3のレグ3a,3cに流れる磁束の一部を漏洩磁束とし
てパスコア8によってバイパスさせることができるよう
な形状であればよい。
【0045】次に、本実施例の変圧器1と従来の変圧器
とを比較するため電気的特性及び温度上昇特性の試験を
行った。図7は電気的特性及び温度上昇特性の比較試験
を行うための試験回路である。この試験回路に使用され
る変圧器1は従来の変圧器と同一の構成である。つま
り、パスコア8とブロックパスコア89a,89bとの
入替えによって従来の変圧器又は本発明の変圧器1に変
更することができるようになっている。又、この試験に
使用された変圧器1における一次側コイル6a〜6cの
巻数は136ターンとなっている。そして、二次側コイ
ル7a〜7cの巻数は43ターンとなっている。尚、二
次側コイル7a〜7cの途中にはタップ20a〜20c
が設けてあって、このタップ20a〜20cにより二次
側コイル7a〜7cの巻数を40ターンに切り換えるこ
とができる。
【0046】次に、試験回路の構成について簡単に説明
する。三相200V、周波数60Hzとなる電源21の
U相は交流電流計A1を介して一次側コイル6aに接続
されている。電源21のV相は交流電流計A2を介して
一次側コイル6bに接続されている。電源21のW相は
交流電流計A3を介して一次側コイル6cに接続されて
いる。尚、変圧器1の一次側のU相とW相との間には交
流電圧計V1が接続されている。
【0047】二次側コイル7aは交流電流計A4を介し
て三相ダイオードブリッジ22のダイオードD1とダイ
オードD2との間に接続されている。二次側コイル7b
は交流電流計A5を介して三相ダイオードブリッジ22
のダイオードD3とダイオードD4との間に接続されて
いる。二次側コイル7cは交流電流計A6を介して三相
ダイオードブリッジ22のダイオードD5とダイオード
D6との間に接続されている。そして、二次側コイル7
a〜7cの出力は三相ダイオードブリッジ22によって
直流に変換される。又、三相ダイオードブリッジ22は
直流電流計A7を介して負荷となる可変抵抗23に接続
されている。更に、負荷23には平滑用のコンデンサ2
4が並列に接続されている。又、三相ダイオードブリッ
ジ22には直流電圧計V2が接続されている。
【0048】まず、従来の変圧器の電気的特性を得るた
め、ブロックパスコア89a,89bを変圧器1に装着
した後、二次側コイル7a〜7cの巻数を43ターンに
設定する。そして、三相200Vの電圧を変圧器1の一
次側コイル6a〜6cに印加する。その後、負荷23の
抵抗値を変化させて負荷電流を47Aと負荷電流23A
とに設定したとき、各電流計A1〜A7及び電圧計V2
の値を計測した。
【0049】次に、コ字状のパスコアを変圧器1に装着
した後、二次側コイル7a〜7cの巻数を40ターンに
切り換える。これは、変圧器1の出力特性を同じにする
ためである。そして、三相200Vの電圧を変圧器1の
一次側コイル6a〜6cに印加する。その後、負荷23
の抵抗値を変化させて負荷電流を47Aと負荷電流23
Aとに設定したとき、各電流計A1〜A7及び電圧計V
2の値を計測した。
【0050】これらの電気的特性を次の表1に示す。
【0051】
【表1】
【0052】次に、負荷電流が47A及び23Aのと
き、変圧器1の一次側コイル6a〜6cに流れる電流の
アンバランスの割合を見る。尚、二次側コイル7a〜7
cに流れる電流に基づいてアンバランスの割合を見ても
同じである。この場合、アンバランスの割合は、各相の
内、最も大きい電流値を最も小さい電流値で割って求め
たものである。この結果を次の表2に示す。
【0053】
【表2】
【0054】この表2から見ても分かるように、ブロッ
クパスコア89a,89bを装着したときのアンバラン
スの割合は、1.47、1.42となったことに対し、
パスコア8を装着したときのアンバランスの割合は1.
17、1.14となった。従って、パスコア8を装着し
たときの方が特性がよい。この結果、コ字形のパスコア
8により一次側コイル6a〜6cに直接戻される漏洩磁
束の本数が一定していると考えられる。又、パスコア8
の断面積を大きくし、突出部9a,9bと第1及び第3
のレグ3a,3cとの空隙ギャップ12をできるだけ小
さくすれば、アンバランスの割合を1.17や1.14
を1.00付近まで近づけることができる。
【0055】そして、ブロックパスコア89a,89b
を装着して負荷電流を47Aとしたとき、一次側コイル
6cに流れる電流が14.0Aと最も高い。又、パスコ
ア8を装着して負荷電流47Aとしたとき、一次側コイ
ル6cに流れる電流が11.3Aとなって最も高い。そ
の割合率は(11.3A/14.0A)×100=8
0.7%となる。従って、変圧器1の出力特性が同じで
あるにも拘わらず、電流を従来より約20%抑えること
ができる。この結果、ブロックパスコア89a,89b
をパスコア8に変更すれば、変圧器1の容量を約20%
小さくすることができる。しかも、容量を20%小さく
することができれば、その分変圧器1の重量や形状も小
さくできるので、変圧器1のコンパクト化を図ることが
できる。この結果、変圧器材料の低減及びコストダウン
を図ることができる。
【0056】又、ブロックパスコア89a,89bを装
着して負荷電流を47Aとしたとき、二次側コイル7c
に流れる電流が44.3Aと最も高い。そして、パスコ
ア8を装着して負荷電流を47Aとしたとき、二次側コ
イル7cに流れる電流が38.4Aと最も高い。その割
合率は(38.4A/44.3A)×100=86.7
%となる。従って、ダイオードD1〜D6に流れる電流
を少なくすることができるので、その分、ダイオードD
1〜D6を小容量化することができ、三相ダイオードブ
リッジ22のコンパクト化を図ることができる。又、ダ
イオードD1〜D6に流れる電流を抑えれるので、ダイ
オードD1〜D6の温度上昇を抑えることができる。
【0057】次に、従来の変圧器と本発明の変圧器1と
の温度特性の比較試験を行った。これは、一次側コイル
6a,6c、二次側コイル7a〜7cに熱電対を予め巻
き込んで測定した。
【0058】温度特性を得るため、次のような手順によ
って試験を行った。負荷電流を47Aにして1時間通電
した後、負荷電流を45Aに下げて1時間通電し、その
後、更に負荷電流を41Aに下げて1時間通電したとき
の温度上昇を測定した。その結果を図8,図9に示す。
【0059】図8は変圧器1にブロックパスコア89
a,89bを装着し、巻数を43ターンに設定したとき
の温度特性である。この場合、W相に該当する一次側及
び二次側コイル6c,7cの温度上昇が高く、一次側コ
イル6a、二次側コイル7a,7bの温度上昇が低い。
これは、各コイル6a〜6c,7a〜7cに流れる電流
の電流値が不均一のため、一次側及び二次側コイル6
c,7cのみが極端に発熱したと考えられる。
【0060】図9は変圧器1にパスコア8を装着し、巻
数を40ターンに設定したときの温度特性である。この
場合、各コイル6a,6c、7a〜7cに流れる電流の
電流値が均一となっているため、温度上昇のばらつきが
少ない。又、図8の一次側コイル6a、二次側コイル7
a,7bの温度上昇に比べ、図9の一次側コイル6a、
二次側コイル7a,7bの温度上昇は若干高くなってい
る。これは、各コイル6a〜6c、7a〜7cに流れる
電流の電流値が平均化されたためである。
【0061】この結果、ブロックパスコア89a,89
bからパスコア8に変更することにより、各コイル6a
〜6c、7a〜7cの温度上昇を平均化することができ
る。又、極端に発熱するコイルが無くなるので、変圧器
1の温度上昇を考慮した設計を容易にすることができ
る。
【0062】本実施例の変圧器1の一次側コイル6a〜
6cをデルタ結線して、変圧器1をデルタ−スター結線
にしたり、本実施例の変圧器1の二次側コイル7a〜7
cをデルタ結線して、変圧器1をスター−デルタ結線に
したり、変圧器1の一次側及び二次側コイル6a〜6
c,7a〜7cをデルタ結線してデルタ−デルタ結線に
してもよい。
【0063】又、図10に示すように、コ字状のパスコ
ア8の突出部9a,9bの先端を第1及び第3のレグ3
a,3cの前面又は背面側部に接続するように構成する
ことも可能である。この場合、突出部9a,9bの一方
は第1及び第3のレグ3a,3cと電気的に接続しても
よいが、突出部9a,9bの他方は電気的絶縁を確保す
るため空隙ギャップ30を形成する必要がある。尚、こ
の空隙ギャップ30は1mm以下とし、小さければ小さ
い程よい。又、第1及び第2の鉄心窓5a,5bには従
来と同じようにブロックパスコア31a,31bを配設
し、ブロックパスコア31aにより第1のレグ3aと第
2のレグ3bとの間に漏洩磁束を流す漏洩磁路を形成す
る必要がある。同様に、ブロックパスコア31bにより
第2のレグ3bと第3のレグ3cとの間に漏洩磁束を流
す漏洩磁路を形成する必要がある。又、第1及び第2の
鉄心窓5a,5b内に配設されるブロックパスコア31
a,31bはどの様な位置に配設されていても構わな
い。
【0064】この構成により、従来の変圧器に対してパ
スコア8を追加するだけで、既存の変圧器を設計変更す
ることなく上記実施例と同様の作用効果を得ることがで
きる。
【0065】図11は、図10の更に変更した別例であ
る。これは、パスコア8の突出部9a,9bの側面を第
1及び第3のレグ3a,3cの外側側面に接続したもの
である。この場合、突出部9a,9bと第1及び第3の
レグ3a,3cとの間には空隙ギャップ35が形成さ
れ、電気的絶縁が確保された状態で接続されている。
尚、接続は図示しない絶縁性の接着剤にて行われてい
る。この構成によっても、図10と同じ作用効果を得る
ことができる。
【0066】図12は、一対のコ字状のパスコア8a,
8bの突出部9a,9bを鉄心2の両側から第1及び第
2の鉄心窓5a,5bに挿入し、互いの突出部9a,9
bを突き合わせた別例である。そして、パスコア8a,
8bの突出部9aが互いに突き合った部分には電気的絶
縁を確保するための空隙ギャップ36が形成されてい
る。この空隙ギャップ36はパスコア8a,8bの突出
部9bが互いに突き合った部分に空隙ギャップ36を形
成してもよい。尚、パスコア8a,8bと第1及び第3
のレグ3a,3cとは電気的絶縁が確保されている。
【0067】この構成によれば、1つのパスコア8の断
面積より、一対のパスコア8a,8bのトータルの断面
積の方が大きくなるので、パスコア8a,8bの1つの
大きさを小さくすることができる。この結果、パスコア
8a,8bが鉄心2から突出する突出量を小さくするこ
とができるので、変圧器1の形状をコンパクト化するこ
とができる。
【0068】図13は、コ字状のパスコア8の突出部9
a,9bを長くし、第1及び第2の鉄心窓5a,5bを
挿通するようにパスコア8を鉄心2に装着する。そし
て、接続コア37によって突出部9a,9bの先端を接
続する。この場合、突出部9aと接続コア37との間に
は空隙ギャップ38が形成され、接続コア37とパスコ
ア8との電気的絶縁が確保されている。尚、パスコア8
と第1及び第3のレグ3a,3cとは電気的絶縁が確保
されている。この構成によっても、図12と同様の作用
効果を得ることができる。
【0069】本実施例においては、三相変圧器1に具体
化したが、図14に示すように、二次側コイル7a〜7
cの中間に中性点タップ41a〜41cを設け、中性点
タップ41a〜41cをそれぞれ接続し、二次側コイル
7a〜7aの両端を出力端子とすれば、入力3相、出力
6相となる変圧器1に変更することができる。同様に、
一次側コイル6a〜6cの中間に二点鎖線にて示すよう
に、中性点タップ42a〜42cを設け、中性点タップ
42a〜42cをそれぞれ接続する。そして、一次側コ
イル6a〜6cの両端を入力端子とすれば、入力6相、
出力3相となる変圧器1に変更することができる。更
に、一次側及び二次側コイル6a〜6c、7a〜7cに
それぞれ中性点タップ41a〜41c、42a〜42c
を設ければ、入力6相、出力6相となる変圧器1に変更
することもできる。
【0070】次に、上記実施例から把握される請求項以
外の技術思想を、その効果とともに以下に記載する。 (1)請求項1において、第1及び第2の鉄心窓にはそ
れぞれの脚を電気的に接続しないようにブロックパスコ
アをそれぞれ配設し、前記第1及び第3の脚を電気的に
接続しないように接続パスコアによって接続してもよ
い。
【0071】この構成により、従来の漏洩型変圧器は第
1及び第2の鉄心窓にブロックパスコアは設けられてい
る。そして、ブロックパスコア及び接続パスコアによっ
て第1〜第3の脚の各一次側コイルに戻される漏洩磁束
数を同じにすることができる。この結果、上記実施例と
同様、二次側コイルに流れる電流の大きさを同じにする
ことができ、既存の変圧器の設計変更を特別行うことな
く、接続パスコアの追加によって変圧器の特性を容易に
向上させることができる。
【0072】(2)請求項1において、パスコアは第1
及び第2の鉄心窓を挿通し、かつ、第2の脚を取り囲む
四角形状とし、パスコアと第2の脚との間に形成される
空隙ギャップを、パスコアと第1及び第3の脚との間に
形成される空隙ギャップより大きくし、更に、四角形状
となるパスコアの一部には閉ループを構成しない切断部
を形成してもよい。
【0073】この構成により、四角形状となるパスコア
の双方に磁束が流れる。この結果、コ字状のパスコアよ
り四角形状のパスコアの方の形状を小さくすることがで
きるので、変圧器全体をコンパクト化することができ
る。
【0074】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の発
明によれば、第1の脚に流れる磁束の一部を漏洩磁束と
して第3の脚の一次側コイルに戻したり、第3の脚に流
れる磁束の一部を漏洩磁束として第1の脚の一次コイル
に戻したりすることをパスコアによって確実に行うこと
ができる。この結果、各脚の一次側コイルに戻される漏
洩磁束数を一定にすることができ、各脚の二次側コイル
を通過する磁束数が一定となり、各二次コイルに発生す
る誘導電圧及び誘導電流を一定にすることが可能とな
る。そのため、変圧器が安易に大容量とならず、効率の
よい変圧器の容量設計を行うことができるとともに、変
圧器の大型化を防止することができる。
【0075】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加え、パスコアを鉄心からできるだけ
突出させないようにすることができるので、変圧器のコ
ンパクト化を図ることができる。しかも、第1及び第2
の鉄心窓にパスコアの突出部を挿入しているので、第1
及び第2の鉄心窓に別部材となるブロックパスコアを配
設する必要がなくなり、部品点数を少なくすることがで
きる。
【0076】請求項3記載の発明によれば、請求項2記
載の発明の効果に加え、パスコアの突出部が第1及び第
3の脚に対して電気的絶縁を確保した状態で接続されて
いるので、第1の脚から第3の脚へ漏洩磁束を流した
り、第3の脚から第1の脚へ漏洩磁束を流すことを確実
にパスコアによって行うことができる。この結果、一層
各脚の二次側コイルに流れる電流を一定にして安定させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る漏洩型の変圧器を示す正面図であ
る。
【図2】図1におけるA−A線断面図である。
【図3】変圧器の電気的配線を示す電気回路図である。
【図4】一次側コイル6aが励磁されたときの変圧器の
動作を示す説明図である。
【図5】一次側コイル6cが励磁されたときの変圧器の
動作を示す説明図である。
【図6】一次側コイル6bが励磁されたときの変圧器の
動作を示す説明図である。
【図7】電気的特性、温度特性を得るための試験回路図
である。
【図8】従来の変圧器の温度特性図である。
【図9】本発明の変圧器の温度特性図である。
【図10】変圧器にパスコアを装着する別例を示す部分
断面図である。
【図11】変圧器にパスコアを装着する別例を示す部分
断面図である。
【図12】変圧器にパスコアを装着する別例を示す部分
断面図である。
【図13】変圧器にパスコアを装着する別例を示す部分
断面図である。
【図14】入力3相、出力3相となる変圧器を6相に変
更することができることを示す電気回路図である。
【図15】従来の漏洩型の変圧器である。
【図16】従来の変圧器の動作を説明する説明図であ
る。
【図17】従来の変圧器の動作を説明する説明図であ
る。
【符号の説明】
1…変圧器、2…鉄心、3a〜3c…第1〜第3のレグ
(脚)、4a,4b…継鉄(ヨーク)、5a,5b…第
1及び第2の鉄心窓、6a〜6c…一次側コイル、7a
〜7c…二次側コイル、8…パスコア、9a,9b…突
出部、10…接続部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白谷 博 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式 会社 豊田自動織機製作所 内 (72)発明者 猪飼 幸明 愛知県名古屋市熱田区沢上2丁目9番26 号 吉河エレックス 株式会社 内 (56)参考文献 特開 昭59−61912(JP,A) 実開 平2−22031(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 30/00 - 38/42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心を、第1〜第3の脚と、前記第1〜
    第3の脚を接続する継鉄と、前記第1〜第3の脚と継鉄
    との接続により形成される第1及び第2の鉄心窓とから
    構成し、前記第1〜第3の脚には一次側及び二次側コイ
    ルをそれぞれ巻付けることにより構成される変圧器にお
    いて、 前記第1〜第3の脚の上部側に巻付けられた一次側コイ
    及び前記第1〜第3の脚の下部側に巻付けられた二次
    側コイルの間には、前記第1の脚と第2の脚との間、及
    び前記第2の脚と第3の脚との間、並びに前記第1の脚
    と第3の脚との間を漏洩磁束の流れる漏洩磁路が形成さ
    れるように磁気回路的に接続するパスコアを前記第1〜
    第3の脚との間にそれぞれ電気的絶縁を確保した状態で
    配設し、各一次側コイルの励磁に基づいて第1〜第3の
    脚に流れる磁束の一部をパスコアを介して当該一次側コ
    イルに誘導するようにした変圧器。
  2. 【請求項2】 パスコアは一対の突出部と、前記一対の
    突出部の基端を接続する接続部とから構成される平面コ
    字状とし、前記一対の突出部の先端が第1及び第2の鉄
    心窓に挿入されている請求項1記載の変圧器。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の鉄心窓に挿入される一対
    の突出部と、第1及び第3の脚とは電気的絶縁を確保し
    てそれぞれ接続されている請求項2記載の変圧器。
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