JPH09293630A - 電力用コンデンサ装置 - Google Patents
電力用コンデンサ装置Info
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- JPH09293630A JPH09293630A JP13124096A JP13124096A JPH09293630A JP H09293630 A JPH09293630 A JP H09293630A JP 13124096 A JP13124096 A JP 13124096A JP 13124096 A JP13124096 A JP 13124096A JP H09293630 A JPH09293630 A JP H09293630A
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- Japan
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- electrode
- capacitor
- capacitor element
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- Fixed Capacitors And Capacitor Manufacturing Machines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 電力用コンデンサにリアクトル機能を付与す
ることにより力率調整用の電力用コンデンサ設備の小型
化を図る。 【構成】 帯状の電極薄板1,3と絶縁シート2,4と
を重ねて、さらに2重に積層した積層帯状物Aを所定回
数筒状に巻回するとともに、積層帯状物Aの1層の電極
薄板1の巻始端部Sと他層の電極薄板3の巻終端部Eに
電極端子5,6を取り付けたコンデンサ素子10を、ギ
ャップ付鉄心50に嵌装し、電極端子5,6を3相結線
し、電力用コンデンサにリアクトルの機能を付与する。
ることにより力率調整用の電力用コンデンサ設備の小型
化を図る。 【構成】 帯状の電極薄板1,3と絶縁シート2,4と
を重ねて、さらに2重に積層した積層帯状物Aを所定回
数筒状に巻回するとともに、積層帯状物Aの1層の電極
薄板1の巻始端部Sと他層の電極薄板3の巻終端部Eに
電極端子5,6を取り付けたコンデンサ素子10を、ギ
ャップ付鉄心50に嵌装し、電極端子5,6を3相結線
し、電力用コンデンサにリアクトルの機能を付与する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電力需要家において負
荷力率改善や高調波吸収フィルターに使用される電力用
コンデンサにリアクトル機能を付与した電力用コンデン
サ装置に関する。
荷力率改善や高調波吸収フィルターに使用される電力用
コンデンサにリアクトル機能を付与した電力用コンデン
サ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より電力需要家においては、電力を
有効に利用して経済効率を高めるとともに、省エネルギ
ーをはかるような点から図7のように、電力用コンデン
サ301(以後、コンデンサという)を配電系統に設置
し力率を改善している。そして、負荷変動に応じ遮断器
を介して配電系統にコンデンサの投入,開放をするた
め、通常直列リアクトル302(以後、リアクトルとい
う)をコンデンサに直列に接続し、コンデンサ301を
配電系統に投入するときの突入電流を制限したり、開放
するときの前記遮断器の再点弧を防止していた。なお配
電系統の電源電圧が高調波を含んでいると、高調波電流
が流入してコンデンサ301が加熱したり、系統の電圧
や電流の波形の歪を助長する場合があるので、第5調波
を共振させて波形の歪みを防止するためこのリアクトル
302はコンデンサ301のオーム数に対し6%のもの
が一般的に用いられる。
有効に利用して経済効率を高めるとともに、省エネルギ
ーをはかるような点から図7のように、電力用コンデン
サ301(以後、コンデンサという)を配電系統に設置
し力率を改善している。そして、負荷変動に応じ遮断器
を介して配電系統にコンデンサの投入,開放をするた
め、通常直列リアクトル302(以後、リアクトルとい
う)をコンデンサに直列に接続し、コンデンサ301を
配電系統に投入するときの突入電流を制限したり、開放
するときの前記遮断器の再点弧を防止していた。なお配
電系統の電源電圧が高調波を含んでいると、高調波電流
が流入してコンデンサ301が加熱したり、系統の電圧
や電流の波形の歪を助長する場合があるので、第5調波
を共振させて波形の歪みを防止するためこのリアクトル
302はコンデンサ301のオーム数に対し6%のもの
が一般的に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】力率改善のためコンデ
ンサを配電系統に接続するときは、通常リアクトルも付
属して接続されており、今日より30年程前までは、リ
アクトルの大きさはコンデンサの1/10程度で全体に
バランスのとれたコンデンサ設備であった。しかし、そ
の後コンデンサはオールフィルム化を始めとする技術改
善により大幅な小形化,低損失化が進んだ。
ンサを配電系統に接続するときは、通常リアクトルも付
属して接続されており、今日より30年程前までは、リ
アクトルの大きさはコンデンサの1/10程度で全体に
バランスのとれたコンデンサ設備であった。しかし、そ
の後コンデンサはオールフィルム化を始めとする技術改
善により大幅な小形化,低損失化が進んだ。
【0004】それに対し、リアクトルは小形化すること
があまりできず、図7に示す6.6kV,200kVA
のコンデンサ設備例を見ると、付属品であるリアクトル
が本体であるコンデンサの3倍程度の大きさ(容積,重
量)であり、コンデンサ設備の改善が必要で、特にコン
デンサ設備の小形化は、このコンデンサ設備をキュービ
クル内に収納する場合に重要な要件となっている。
があまりできず、図7に示す6.6kV,200kVA
のコンデンサ設備例を見ると、付属品であるリアクトル
が本体であるコンデンサの3倍程度の大きさ(容積,重
量)であり、コンデンサ設備の改善が必要で、特にコン
デンサ設備の小形化は、このコンデンサ設備をキュービ
クル内に収納する場合に重要な要件となっている。
【0005】本発明は、前記の問題点に鑑み、コンデン
サにリアクトル機能を付与して小形化をはかるようにし
た電力用コンデンサ装置を提供することを目的とする。
サにリアクトル機能を付与して小形化をはかるようにし
た電力用コンデンサ装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するため、請求項1に記載の構成については、帯状
の電極薄板と絶縁シートとを重ね合せて、これを2層に
積層した積層帯状物を所定回数筒状に巻回するととも
に、前記積層帯状物の電極薄板の電極端子を1層におい
ては巻始端部に、他層においては巻終端部にそれぞれ接
続してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を
鉄心脚に所定のギャップを具備した鉄心に嵌装し、前記
コンデンサ素子の電極端子を3相結線としたことを特徴
としている。
解決するため、請求項1に記載の構成については、帯状
の電極薄板と絶縁シートとを重ね合せて、これを2層に
積層した積層帯状物を所定回数筒状に巻回するととも
に、前記積層帯状物の電極薄板の電極端子を1層におい
ては巻始端部に、他層においては巻終端部にそれぞれ接
続してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を
鉄心脚に所定のギャップを具備した鉄心に嵌装し、前記
コンデンサ素子の電極端子を3相結線としたことを特徴
としている。
【0007】請求項2に記載の構成については、帯状の
電極薄板と絶縁シートとを重ね合せて、これを2層に積
層した積層帯状物を分割して所定回数筒状に巻回すると
ともに、前記分割した各積層帯状物の電極薄板の電極端
子を1層においては巻始端部に、他層においては巻終端
部にそれぞれ接続してコンデンサ素子を形成し、更に、
巻始端部の電極端子と、巻終端部の電極端子を各々1括
接続するとともに、このコンデンサ素子を鉄心脚に所定
のギャップを具備した鉄心に嵌装し、前記1括接続した
コンデンサ素子の電極端子を3相結線としたことを特徴
としている。
電極薄板と絶縁シートとを重ね合せて、これを2層に積
層した積層帯状物を分割して所定回数筒状に巻回すると
ともに、前記分割した各積層帯状物の電極薄板の電極端
子を1層においては巻始端部に、他層においては巻終端
部にそれぞれ接続してコンデンサ素子を形成し、更に、
巻始端部の電極端子と、巻終端部の電極端子を各々1括
接続するとともに、このコンデンサ素子を鉄心脚に所定
のギャップを具備した鉄心に嵌装し、前記1括接続した
コンデンサ素子の電極端子を3相結線としたことを特徴
としている。
【0008】
【作用】請求項1の発明では、帯状の電極薄板に絶縁シ
ートを重ね合わせてこれを2層に積層することにより、
この積層帯状物の電極薄板において、1層の電極薄板の
長手方向の端部に接続された入力用電極端子に交流電圧
を印加すると、この電極薄板には、通電側の端部から長
手方向の他端部に向かって電流が流れる。この時、他層
の電極薄板においては、前記入力用の電極端子に対し長
手方向の他の端部に接続された出力用の電極端子に向か
って、電極端子の接続されていない長手方向の端部から
電流が流れるので、この積層帯状物の電極薄板では全体
として長手方向にかつ、同方向で電流が流れることにな
る。そして、この積層帯状物をギャップ付鉄心に巻回す
ることにより、鉄心が飽和しない範囲の電流に対してリ
アクタンスを一定に保つことができる。
ートを重ね合わせてこれを2層に積層することにより、
この積層帯状物の電極薄板において、1層の電極薄板の
長手方向の端部に接続された入力用電極端子に交流電圧
を印加すると、この電極薄板には、通電側の端部から長
手方向の他端部に向かって電流が流れる。この時、他層
の電極薄板においては、前記入力用の電極端子に対し長
手方向の他の端部に接続された出力用の電極端子に向か
って、電極端子の接続されていない長手方向の端部から
電流が流れるので、この積層帯状物の電極薄板では全体
として長手方向にかつ、同方向で電流が流れることにな
る。そして、この積層帯状物をギャップ付鉄心に巻回す
ることにより、鉄心が飽和しない範囲の電流に対してリ
アクタンスを一定に保つことができる。
【0009】請求項2の発明では、所定の静電容量を有
す積層帯状物をギャップ付鉄心に巻回すると、静電容量
によっては巻回数が多くなりリアクタンスが過剰となる
ので、それを防ぐため積層帯状物を分割してギャップ付
鉄心に巻回している。この場合、積層帯状物を分割して
ギャップ付鉄心に巻回し、分割された積層帯状物を並列
接続すると、巻回された各積層帯状物のリアクタンス
が、ギャップ付鉄心に対し並列回路となるので、全体と
してリアクタンスを減らすことができる。そのため、積
層帯状物の分割数やギャップ付鉄心のギャップ長を調節
することにより所定の静電容量を保ったまま、過剰なリ
アクタンスを所定の値まで減少することができる。
す積層帯状物をギャップ付鉄心に巻回すると、静電容量
によっては巻回数が多くなりリアクタンスが過剰となる
ので、それを防ぐため積層帯状物を分割してギャップ付
鉄心に巻回している。この場合、積層帯状物を分割して
ギャップ付鉄心に巻回し、分割された積層帯状物を並列
接続すると、巻回された各積層帯状物のリアクタンス
が、ギャップ付鉄心に対し並列回路となるので、全体と
してリアクタンスを減らすことができる。そのため、積
層帯状物の分割数やギャップ付鉄心のギャップ長を調節
することにより所定の静電容量を保ったまま、過剰なリ
アクタンスを所定の値まで減少することができる。
【0010】
【実施例】本発明の第1実施例を、図1ないし4に示
す。図4に示す電力用コンデンサ装置100は、図1に
示すように、帯状のアルミニウム等非磁性薄板から成る
電極薄板1,3と、帯状の絶縁紙や絶縁フィルムから成
る絶縁シート2,4とを図1(a)に示すように重ね合
せ、これを、更に2層に積層して構成した積層帯状物A
を、絶縁筒7を巻芯として、図示しない巻線機を用いて
図1(b)に示すように筒状に所定回数巻回するととも
に、この積層帯状物Aの電極薄板1においては巻始端部
Sに、電極薄板3においては巻終端部Eに、それぞれ図
1(c)のように、電極端子5,6を冷間圧着等の手段
により止着して設けたコンデンサ素子10と、図3に示
すように、けい素鋼板を3脚鉄心構造に積層するととも
に、前記コンデンサ装置10を嵌装する各鉄心脚51に
ギャップ54を形成した3脚鉄心構造のギャップ付鉄心
50とからなる。
す。図4に示す電力用コンデンサ装置100は、図1に
示すように、帯状のアルミニウム等非磁性薄板から成る
電極薄板1,3と、帯状の絶縁紙や絶縁フィルムから成
る絶縁シート2,4とを図1(a)に示すように重ね合
せ、これを、更に2層に積層して構成した積層帯状物A
を、絶縁筒7を巻芯として、図示しない巻線機を用いて
図1(b)に示すように筒状に所定回数巻回するととも
に、この積層帯状物Aの電極薄板1においては巻始端部
Sに、電極薄板3においては巻終端部Eに、それぞれ図
1(c)のように、電極端子5,6を冷間圧着等の手段
により止着して設けたコンデンサ素子10と、図3に示
すように、けい素鋼板を3脚鉄心構造に積層するととも
に、前記コンデンサ装置10を嵌装する各鉄心脚51に
ギャップ54を形成した3脚鉄心構造のギャップ付鉄心
50とからなる。
【0011】そして、前記ギャップ付鉄心50の各鉄心
脚51にコンデンサ素子10をそれぞれ嵌装して、これ
を図4で示すように、絶縁油104を満たした密封容器
200に収容設置し、更に、コンデンサ素子10から導
出した電極端子5,6をそれぞれ3相結線処理して電力
用コンデンサ装置100を構成するもので、図4中20
3は密封容器200の蓋体201に取付けたブッシング
である。
脚51にコンデンサ素子10をそれぞれ嵌装して、これ
を図4で示すように、絶縁油104を満たした密封容器
200に収容設置し、更に、コンデンサ素子10から導
出した電極端子5,6をそれぞれ3相結線処理して電力
用コンデンサ装置100を構成するもので、図4中20
3は密封容器200の蓋体201に取付けたブッシング
である。
【0012】次に、前述したコンデンサ素子10の構成
を詳述する。最初に積層帯状物Aは、図1(a)に示す
ように、電極薄板1、絶縁シート2、電極薄板3、絶縁
シート4の順序で積層することにより構成されている。
そして、前記積層帯状物Aを構成する絶縁シート2,4
は、帯状の絶縁紙や絶縁フィルムからなり、また、電極
薄板1,3は、アルミニウム,銅等非磁性薄板を用いて
いる。更に、積層帯状物Aの巻芯となる絶縁筒7は、絶
縁紙やプレスボードからなるシート状の絶縁物を脚鉄心
51の形状に合せて巻回して形成する。電極端子5,6
は、電極薄板1,3の長手方向の1方の端部にアルミニ
ウムや銅の線又は条を用いて冷間圧着等により電気的に
接続する。前記積層帯状物Aは絶縁筒7に巻回後、その
外周に接着剤を塗布した絶縁テープ8を巻回してコンデ
ンサ素子10を形成するものである。
を詳述する。最初に積層帯状物Aは、図1(a)に示す
ように、電極薄板1、絶縁シート2、電極薄板3、絶縁
シート4の順序で積層することにより構成されている。
そして、前記積層帯状物Aを構成する絶縁シート2,4
は、帯状の絶縁紙や絶縁フィルムからなり、また、電極
薄板1,3は、アルミニウム,銅等非磁性薄板を用いて
いる。更に、積層帯状物Aの巻芯となる絶縁筒7は、絶
縁紙やプレスボードからなるシート状の絶縁物を脚鉄心
51の形状に合せて巻回して形成する。電極端子5,6
は、電極薄板1,3の長手方向の1方の端部にアルミニ
ウムや銅の線又は条を用いて冷間圧着等により電気的に
接続する。前記積層帯状物Aは絶縁筒7に巻回後、その
外周に接着剤を塗布した絶縁テープ8を巻回してコンデ
ンサ素子10を形成するものである。
【0013】ギャップ付鉄心50はけい素鋼板を積層し
た3脚鉄心からなり、鉄心脚51には、一つまたは複数
のギャップ54が形成されており、このギャップ54
は、振動や騒音を防止するため、フェノール樹脂積層
板、あるいは、プレスボードなどの図示しない間隔片を
ギャップ54に挿入して鉄心脚51と間隔片の相互間を
接着剤で強固に接着固定する。
た3脚鉄心からなり、鉄心脚51には、一つまたは複数
のギャップ54が形成されており、このギャップ54
は、振動や騒音を防止するため、フェノール樹脂積層
板、あるいは、プレスボードなどの図示しない間隔片を
ギャップ54に挿入して鉄心脚51と間隔片の相互間を
接着剤で強固に接着固定する。
【0014】ギャップ付鉄心50は、図3のように、各
鉄心脚51にコンデンサ素子10を嵌装後、鉄心脚51
に上部ヨーク鉄心52を接合させて閉磁路を構成してい
る。
鉄心脚51にコンデンサ素子10を嵌装後、鉄心脚51
に上部ヨーク鉄心52を接合させて閉磁路を構成してい
る。
【0015】コンデンサ素子10を嵌装したギャップ付
鉄心50は、図4に示すように、ギャップ付鉄心50を
固定するクランプ101,102において、上部クラン
プ101と蓋体201間を連結するスタッド103を介
して、蓋体201に垂設されている。また、コンデンサ
素子10の電極端子5,6においては、図4の3相Y結
線例の場合、巻始端部Sの電極端子5は、印加側として
蓋体201に取り付けたブッシング203に接続され、
更に、電極端子6は中性点側として3相を1括接続され
ている。
鉄心50は、図4に示すように、ギャップ付鉄心50を
固定するクランプ101,102において、上部クラン
プ101と蓋体201間を連結するスタッド103を介
して、蓋体201に垂設されている。また、コンデンサ
素子10の電極端子5,6においては、図4の3相Y結
線例の場合、巻始端部Sの電極端子5は、印加側として
蓋体201に取り付けたブッシング203に接続され、
更に、電極端子6は中性点側として3相を1括接続され
ている。
【0016】次に動作について説明する。本発明の電力
用コンデンサ100装置において、コンデンサ素子10
の等価回路は図2(b)で示すように、コンデンサ5a
を多数並列接続させたものとなる。そのため、このコン
デンサ素子10の電極端子5,6間に交流電圧を印加す
ると、このコンデンサ素子10の電極薄板上をオーム損
失(I2 R損)として、電流iが流れるので、この電流
iの流れのようすを、コンデンサ素子10の等価回路と
して示す図2(b)中に矢印で示した。この電流の電極
薄板1,3上での密度分布は図2(c)に示す通りで、
積層帯状物Aを流れる電流は、図2(c)において、
(1)と(2)を合計した(3)で示される密度分布が
一様な電流とみなすことができる。
用コンデンサ100装置において、コンデンサ素子10
の等価回路は図2(b)で示すように、コンデンサ5a
を多数並列接続させたものとなる。そのため、このコン
デンサ素子10の電極端子5,6間に交流電圧を印加す
ると、このコンデンサ素子10の電極薄板上をオーム損
失(I2 R損)として、電流iが流れるので、この電流
iの流れのようすを、コンデンサ素子10の等価回路と
して示す図2(b)中に矢印で示した。この電流の電極
薄板1,3上での密度分布は図2(c)に示す通りで、
積層帯状物Aを流れる電流は、図2(c)において、
(1)と(2)を合計した(3)で示される密度分布が
一様な電流とみなすことができる。
【0017】この電流により、積層帯状物Aを巻回した
コンデンサ素子10は、その巻芯部に発生する磁束によ
りリアクタンスを生じるので、この磁束を巻芯部に設置
したギャップ付鉄心50の各鉄心脚51に通すことによ
り、前記鉄心50自体が飽和しない範囲の電流に対しリ
アクタンスを一定に保つことができる。この結果、所定
の静電容量を有す帯状積層物Aの巻回数や、コンデンサ
素子10を嵌装するギャップ付鉄心50のギャップ長5
4を任意調整することにより、所定のリアクタンスを有
すことが可能となり、この結果、電力用コンデンサにリ
アクトル機能を容易に付与することができる。
コンデンサ素子10は、その巻芯部に発生する磁束によ
りリアクタンスを生じるので、この磁束を巻芯部に設置
したギャップ付鉄心50の各鉄心脚51に通すことによ
り、前記鉄心50自体が飽和しない範囲の電流に対しリ
アクタンスを一定に保つことができる。この結果、所定
の静電容量を有す帯状積層物Aの巻回数や、コンデンサ
素子10を嵌装するギャップ付鉄心50のギャップ長5
4を任意調整することにより、所定のリアクタンスを有
すことが可能となり、この結果、電力用コンデンサにリ
アクトル機能を容易に付与することができる。
【0018】次に、第2実施例は積層帯状物Aを分割し
た場合で、その説明図を図5に示す。同図に示したコン
デンサ素子20は、積層帯状物Aを長手方向に対し垂直
方向で分割(図面では2分割)し積層帯状物B1,B2
とし、それらを絶縁筒17を巻芯として積層帯状物B1
を巻回後、続けて積層帯状物B2を巻回するとともに、
積層帯状物B1,B2において、各々巻始端部Sと巻終
端部Eには、第1実施例と同じ配置で電極端子15,1
6,15’,16’を止着している。なお、積層帯状物
B2は、積層帯状物B1を巻回後、その上に続けて巻回
するが、この時電極端子15と電極端子15’、および
電極端子16と電極端子16’が各々、図5(c)に示
すような重なった位置関係となるように巻回されてい
る。巻回後、巻始端部Sの電極端子15,15’と巻終
端部Eの電極端子16,16’は各々、1括接続すると
ともに、各端子を1つの端子19,19’に溶接などで
止着して引き出している。このコンデンサ素子20は、
第1実施例と同様にギャップ付鉄心50に嵌装後、3相
結線し、ブッシング203に接続後、絶縁油104を満
たした密封容器200に収納されている。
た場合で、その説明図を図5に示す。同図に示したコン
デンサ素子20は、積層帯状物Aを長手方向に対し垂直
方向で分割(図面では2分割)し積層帯状物B1,B2
とし、それらを絶縁筒17を巻芯として積層帯状物B1
を巻回後、続けて積層帯状物B2を巻回するとともに、
積層帯状物B1,B2において、各々巻始端部Sと巻終
端部Eには、第1実施例と同じ配置で電極端子15,1
6,15’,16’を止着している。なお、積層帯状物
B2は、積層帯状物B1を巻回後、その上に続けて巻回
するが、この時電極端子15と電極端子15’、および
電極端子16と電極端子16’が各々、図5(c)に示
すような重なった位置関係となるように巻回されてい
る。巻回後、巻始端部Sの電極端子15,15’と巻終
端部Eの電極端子16,16’は各々、1括接続すると
ともに、各端子を1つの端子19,19’に溶接などで
止着して引き出している。このコンデンサ素子20は、
第1実施例と同様にギャップ付鉄心50に嵌装後、3相
結線し、ブッシング203に接続後、絶縁油104を満
たした密封容器200に収納されている。
【0019】第3実施例は第2実施例の変形例でその説
明図を図6に示す。同図に示したコンデンサ素子30
は、第2実施例で用いた積層帯状物B1,B2に実施例
2と同様に電極端子15,15’,16,16’を止着
するとともに、積層帯状物B1に積層帯状物B2を積層
後、それらを絶縁筒27を巻芯として巻回している。巻
回後は第2実施例と同様、巻始端部Sの電極端子15,
15’および巻終端部Eの電極端子16,16’を各々
1括接続するとともに、各端子を1つの端子19,1
9’に溶接して引き出している。このコンデンサ素子3
0は、第1実施例と同様にギャップ付鉄心50に嵌装
後、3相結線し、ブッシング203に接続後絶縁油10
4を満たした密封容器200に収納されている。
明図を図6に示す。同図に示したコンデンサ素子30
は、第2実施例で用いた積層帯状物B1,B2に実施例
2と同様に電極端子15,15’,16,16’を止着
するとともに、積層帯状物B1に積層帯状物B2を積層
後、それらを絶縁筒27を巻芯として巻回している。巻
回後は第2実施例と同様、巻始端部Sの電極端子15,
15’および巻終端部Eの電極端子16,16’を各々
1括接続するとともに、各端子を1つの端子19,1
9’に溶接して引き出している。このコンデンサ素子3
0は、第1実施例と同様にギャップ付鉄心50に嵌装
後、3相結線し、ブッシング203に接続後絶縁油10
4を満たした密封容器200に収納されている。
【0020】コンデンサ素子10は、所定の静電容量を
得るために長尺状の積層帯状物Aを第1実施例のように
多数回、巻回している。そのため、第1実施例のように
積層帯状物Aを多数回、巻回したコンデンサ素子10を
ギャップ付鉄心50に嵌装し、リアクタンス機能を付与
すると、積層帯状物Aの巻回数によっては、高調波電流
の流入抑制に必要なリアクタンス(コンデンサのオーム
数の6%)以上となり過剰となることがある。
得るために長尺状の積層帯状物Aを第1実施例のように
多数回、巻回している。そのため、第1実施例のように
積層帯状物Aを多数回、巻回したコンデンサ素子10を
ギャップ付鉄心50に嵌装し、リアクタンス機能を付与
すると、積層帯状物Aの巻回数によっては、高調波電流
の流入抑制に必要なリアクタンス(コンデンサのオーム
数の6%)以上となり過剰となることがある。
【0021】それに対し、第2,第3実施例では、積層
帯状物を分割に巻回し並列接続としているので、第1実
施例と同じ静電容量を確保するとともに、分割に巻回す
ることにより積層帯状物は鉄心に対し並列回路となりリ
アクタンスを減ずることができるので、分割数を調整す
ることにより、所定のリアクタンスを得ることができ
る。
帯状物を分割に巻回し並列接続としているので、第1実
施例と同じ静電容量を確保するとともに、分割に巻回す
ることにより積層帯状物は鉄心に対し並列回路となりリ
アクタンスを減ずることができるので、分割数を調整す
ることにより、所定のリアクタンスを得ることができ
る。
【0022】第3実施例では、積層帯状物B1,B2を
積層して同時に巻回するので、巻回数を第2実施例の約
1/2に短縮できる。ただし積層厚が2倍となっている
ので巻回開始時は多少作業性が低いが、これは、作業者
が熟練すれば解消できる。
積層して同時に巻回するので、巻回数を第2実施例の約
1/2に短縮できる。ただし積層厚が2倍となっている
ので巻回開始時は多少作業性が低いが、これは、作業者
が熟練すれば解消できる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、コンデンサの電極とな
る電極薄板がリアクトルのコイルを兼ることによりコン
デンサにリアクトル機能を付与することができる。従っ
て、従来コンデンサとリアクトルで別々のタンクを必要
としていたものを一つにすることができる。
る電極薄板がリアクトルのコイルを兼ることによりコン
デンサにリアクトル機能を付与することができる。従っ
て、従来コンデンサとリアクトルで別々のタンクを必要
としていたものを一つにすることができる。
【0024】また、その結果として、ブッシングも、別
々のタンクの場合3相Y結線仕様で9本(リアクトルで
6本,コンデンサで3本),3相△結線仕様で12本
(リアクトルで6本,コンデンサで6本)必要であった
が、タンクが一つになったことにより、3相Y結線仕様
および3相△結線仕様のいずれも3本に減らすことがで
きる。そのため、調相設備として電力用コンデンサ装置
をキュービクルに収納する場合は、キュービクル自体も
その設置面積や体積および重量を軽減することができ
る。
々のタンクの場合3相Y結線仕様で9本(リアクトルで
6本,コンデンサで3本),3相△結線仕様で12本
(リアクトルで6本,コンデンサで6本)必要であった
が、タンクが一つになったことにより、3相Y結線仕様
および3相△結線仕様のいずれも3本に減らすことがで
きる。そのため、調相設備として電力用コンデンサ装置
をキュービクルに収納する場合は、キュービクル自体も
その設置面積や体積および重量を軽減することができ
る。
【0025】更に、キュービクルを建物内に設置すると
きはその専有面積が縮少され、建物の有効利用もできる
ので調相設備導入のトータルコストの低減を図れるとい
った効果が生じる。以上は調相設備について述べたが、
類似の構成である直列共振形の高調波吸収フィルタ等に
ついても同様である。
きはその専有面積が縮少され、建物の有効利用もできる
ので調相設備導入のトータルコストの低減を図れるとい
った効果が生じる。以上は調相設備について述べたが、
類似の構成である直列共振形の高調波吸収フィルタ等に
ついても同様である。
【図1】第1実施例のコンデンサ素子の説明図並びに斜
視図である。
視図である。
【図2】第1実施例のコンデンサ素子の説明図と等価回
路図並びに電極薄板の電流分布図である。
路図並びに電極薄板の電流分布図である。
【図3】ギャップ付鉄心の正面図である。
【図4】第1実施例の3相Y結線で使用される電力用コ
ンデンサ装置の断面図である。
ンデンサ装置の断面図である。
【図5】第2実施例のコンデンサ素子の説明図並びに斜
視図である。
視図である。
【図6】第3実施例のコンデンサ素子の説明図並びに斜
視図である。
視図である。
【図7】従来の3相Y結線で使用される電力用コンデン
サ装置の斜視図である。
サ装置の斜視図である。
1,3,11,13,11’,13’ 電極薄板 2,4,12,14,12’,14’ 絶縁シート 50 ギャップ付鉄心 52,53 ヨーク鉄心 55 接合部 101 上部クランプ 102 下部クランプ
Claims (2)
- 【請求項1】 帯状の電極薄板と絶縁シートとを重ね合
せて、これを2層に積層した積層帯状物を所定回数筒状
に巻回するとともに、前記積層帯状物の電極薄板の電極
端子を1層においては巻始端部に、他層においては巻終
端部にそれぞれ接続してコンデンサ素子を形成し、この
コンデンサ素子を鉄心脚に所定のギャップを具備した鉄
心に嵌装し、前記コンデンサ素子の電極端子を3相結線
としたことを特徴とする電力用コンデンサ装置。 - 【請求項2】 帯状の電極薄板と絶縁シートとを重ね合
せて、これを2層に積層した積層帯状物を分割して所定
回数筒状に巻回するとともに、前記分割した各積層帯状
物の電極薄板の電極端子を1層においては巻始端部に、
他層においては巻終端部にそれぞれ接続してコンデンサ
素子を形成し、更に、巻始端部の電極端子と、巻終端部
の電極端子を各々1括接続するとともに、このコンデン
サ素子を鉄心脚に所定のギャップを具備した鉄心に嵌装
し、前記1括接続したコンデンサ素子の電極端子を3相
結線としたことを特徴とする電力用コンデンサ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13124096A JPH09293630A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 電力用コンデンサ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13124096A JPH09293630A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 電力用コンデンサ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09293630A true JPH09293630A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=15053289
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13124096A Pending JPH09293630A (ja) | 1996-04-25 | 1996-04-25 | 電力用コンデンサ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09293630A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010080907A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-04-08 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リアクトル集合体 |
JP2010219254A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リアクトル集合体 |
CN104112585A (zh) * | 2014-01-04 | 2014-10-22 | 山东泰开高压开关有限公司 | 一种800kV断路器用新型并联电容器 |
US8933774B2 (en) | 2010-06-22 | 2015-01-13 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Reactor |
-
1996
- 1996-04-25 JP JP13124096A patent/JPH09293630A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010080907A (ja) * | 2008-08-27 | 2010-04-08 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リアクトル集合体 |
JP2010219254A (ja) * | 2009-03-16 | 2010-09-30 | Sumitomo Electric Ind Ltd | リアクトル集合体 |
US8933774B2 (en) | 2010-06-22 | 2015-01-13 | Sumitomo Electric Industries, Ltd. | Reactor |
CN104112585A (zh) * | 2014-01-04 | 2014-10-22 | 山东泰开高压开关有限公司 | 一种800kV断路器用新型并联电容器 |
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