JP3134791B2 - 粒状半導体封止材料、及びその製造方法、及びその材料を用いた半導体装置 - Google Patents

粒状半導体封止材料、及びその製造方法、及びその材料を用いた半導体装置

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JP3134791B2
JP3134791B2 JP08276149A JP27614996A JP3134791B2 JP 3134791 B2 JP3134791 B2 JP 3134791B2 JP 08276149 A JP08276149 A JP 08276149A JP 27614996 A JP27614996 A JP 27614996A JP 3134791 B2 JP3134791 B2 JP 3134791B2
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granular semiconductor
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granular
liquid
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明夫 小林
洋介 小畑
博則 池田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスファー成
形により半導体装置を封止する封止材料及びその製造方
法及びその封止材料を用いた半導体装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】半導体装置等の封止方法として、エポキ
シ樹脂等の封止材料を用いてトランスファー成形により
封止する方法が汎用されている。このトランスファー成
形に用いる封止材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂、硬化剤及び無機充填材等を配合した後、ロール
又は押し出し機等で加熱しながら混練し、その混練物を
シート状に伸ばして冷却した後粉砕したり、混練物を線
状に押し出して冷却しながら切断して封止材料の粉砕物
を形成し、その粉砕物を所定の重量又は体積計量した
後、円柱状の穴があいた金型に挿入し、加圧することに
よって内部の空気を抜きながら円柱状に成形して製造す
るタブレット状の封止材料を用いることが一般に行われ
ている。
【0003】そして、トランスファー成形する際には、
そのタブレット状の封止材料をトランスファー成形機に
取り付けられた金型に備えたポットに装填し、加熱して
溶融させた後、プランジャーで加圧して、前記金型が備
えるランナー及びゲートを経由して、半導体素子等が配
置された樹脂成形用のキャビティーに封止材料が送ら
れ、更に加熱することにより封止材料を硬化させて封止
する方法が行われている。
【0004】なお、生産性向上のために、一つのポット
から複数のキャビティーに封止材料を送るようランナー
等を形成し、一度の封止で複数の半導体装置等となる部
分を封止する、1ポット方式と呼ばれる方法が従来より
一般に行われている。
【0005】近年、半導体装置の信頼性向上のために、
複数のポットを並べて形成することにより、一つのポッ
トと接続するキャビティーの数を減らし、溶融した封止
材料が送られるランナーの長さを短く形成したマルチポ
ット方式と呼ばれる方法が検討されている。このマルチ
ポット方式の場合、溶融した封止材料が送られるランナ
ーの長さを短く設計することができるため、高粘度の封
止材料まで安定して封止が可能となり、品質が安定した
半導体装置が得られるという効果があり増加しつつあ
る。
【0006】しかし、マルチポット方式で封止する際に
用いるタブレット状の封止材料は、従来の1ポット方式
と比較して大きさが小さく、同じ数の半導体装置を封止
しようとするとタブレット状の封止材料の数を増やす必
要があり、用いる封止材料の価格が高くなるという問題
があった。
【0007】そのため、タブレット状の封止材料を用い
ずに、封止材料の粉砕物を用いて、所定量計量してポッ
トに装填し、封止する方法が検討されている。しかし、
封止材料の粉砕物を用いてポットに装填しようとする
と、ホッパーブリッジ等の配管詰まりが発生して計量ば
らつきが発生し、封止して得られる半導体装置が不良と
なる場合があった。
【0008】この配管詰まりが発生する原因としては、
封止材料の粉砕物中に、大きな固まりや微粉末が混在
し、これらが引っ掛かることによって配管等が詰まるこ
とが原因の一つであると考えられている。そのため、大
きな固まりや微粉末を篩分けして除き、配管詰まりを発
生しにくくした封止材料が検討されている。しかし、一
般に微粉末は大きなものに付着しやすいため、篩分けで
はその付着したものが十分には除かれにくく、篩分けし
て微粉末を除いたものであっても、移送中に封止材料ど
うしが衝突したり、振動が与えられたりすると、微粉末
が分離する場合があり、この分離した微粉末が配管詰ま
りを起こす場合があった。そのため振動等を与えた場合
であっても、微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料
が求められている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を改善するために成されたもので、その目的とするとこ
ろは、樹脂成分及び無機充填材を混練した後、粉砕して
得られる粉砕物を用いた粒状半導体封止材料であって、
振動等を与えた場合であっても、微粉末の発生が少ない
粒状半導体封止材料を提供することにある。
【0010】また、振動等を与えた場合であっても、微
粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料の製造方法を提
供することにある。またこの粒状半導体封止材料を用い
た封止工程の生産性が優れた半導体装置を提供すること
にある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
粒状半導体封止材料は、樹脂成分及び無機充填材を混練
した後、粉砕して得られる粉砕物表面の、樹脂成分を加
熱溶融して、攪拌造粒してなることを特徴とする。
【0012】本発明の請求項2に係る粒状半導体封止材
料は、樹脂成分及び無機充填材を混練した後、粉砕して
得られる粉砕物に、液状物を添加して、攪拌造粒してな
ることを特徴とする。
【0013】本発明の請求項3に係る粒状半導体封止材
料は、請求項2記載の粒状半導体封止材料において、液
状物が、溶剤、エポキシ樹脂、硬化剤、離型剤、界面活
性剤からなる群の中から選ばれた少なくとも1種である
ことを特徴とする。
【0014】本発明の請求項4に係る粒状半導体封止材
料は、請求項2記載の粒状半導体封止材料において、液
状物が、水であることを特徴とする。
【0015】本発明の請求項5に係る粒状半導体封止材
料は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の粒状半
導体封止材料において、樹脂成分が、エポキシ樹脂、硬
化剤及び離型剤を含有することを特徴とする。
【0016】本発明の請求項6に係る粒状半導体封止材
料は、請求項1から請求項5のいずれかに記載の粒状半
導体封止材料において、粒状半導体封止材料の安息角が
20〜40°であることを特徴とする。
【0017】本発明の請求項7に係る粒状半導体封止材
料は、請求項1から請求項6のいずれかに記載の粒状半
導体封止材料において、粒状半導体封止材料の表面に、
離型剤の層が形成されていることを特徴とする。
【0018】本発明の請求項8に係る粒状半導体封止材
料は、請求項1から請求項7のいずれかに記載の粒状半
導体封止材料において、粒状半導体封止材料100重量
部中に、粒径が0.1〜5mmの粒状半導体封止材料
を、80〜100重量部含有することを特徴とする。
【0019】本発明の請求項9に係る粒状半導体封止材
料の製造方法は、請求項1記載の粒状半導体封止材料の
製造方法であって、樹脂成分と無機充填材を配合した
後、混練し、次いでその混練物を粉砕して粉砕物を得る
工程と、粉砕物を運動状態で加熱することにより、粉砕
物表面の樹脂成分を溶融させて造粒し、次いで運動状態
で冷却することにより粉砕物表面の樹脂成分を固化する
工程とを有することを特徴とする。
【0020】本発明の請求項10に係る粒状半導体封止
材料の製造方法は、請求項9記載の粒状半導体封止材料
の製造方法において、粉砕物を運動状態で加熱する方法
が、粉砕物を撹拌することにより運動させながら、その
運動により摩擦熱を発生し、その摩擦熱で加熱する方法
であることを特徴とする。
【0021】本発明の請求項11に係る粒状半導体封止
材料の製造方法は、請求項9記載の粒状半導体封止材料
の製造方法において、粉砕物を運動状態で加熱する方法
が、粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形成し
て運動させながら、加熱する方法であることを特徴とす
る。
【0022】本発明の請求項12に係る粒状半導体封止
材料の製造方法は、請求項2又は請求項3記載の粒状半
導体封止材料の製造方法であって、樹脂成分と無機充填
材を配合した後、混練し、次いでその混練物を粉砕して
粉砕物を得る工程と、運動状態の粉砕物に液状物を添加
することにより粉砕物表面の樹脂成分を湿潤化させて造
粒し、次いで運動状態で乾燥することにより粉砕物表面
の湿潤化した樹脂成分を固化する工程とを有することを
特徴とする。
【0023】本発明の請求項13に係る粒状半導体封止
材料の製造方法は、請求項2又は請求項3記載の粒状半
導体封止材料の製造方法であって、樹脂成分と無機充填
材を配合した後、混練し、次いでその混練物を粉砕して
粉砕物を得る工程と、運動状態の粉砕物に液状物を添加
することにより粉砕物表面を覆って造粒する工程とを有
することを特徴とする。
【0024】本発明の請求項14に係る粒状半導体封止
材料の製造方法は、請求項2又は請求項4記載の粒状半
導体封止材料の製造方法であって、樹脂成分と無機充填
材を配合した後、混練し、次いでその混練物を粉砕して
粉砕物を得る工程と、運動状態の粉砕物に液状物を添加
することにより粉砕物を凝集すると共に、その凝集物を
衝突させて造粒する工程とを有することを特徴とする。
【0025】本発明の請求項15に係る粒状半導体封止
材料の製造方法は、請求項12から請求項14のいずれ
かに記載の粒状半導体封止材料の製造方法において、運
動状態の粉砕物に液状物を添加する方法が、粉砕物を撹
拌することにより運動させながら、液状物を添加する方
法であることを特徴とする。
【0026】本発明の請求項16に係る粒状半導体封止
材料の製造方法は、請求項12から請求項14のいずれ
かに記載の粒状半導体封止材料の製造方法において、運
動状態の粉砕物に液状物を添加する方法が、粉砕物を気
体に浮かべることにより流動層を形成して運動させなが
ら、液状物を添加する方法であることを特徴とする。
【0027】本発明の請求項17に係る半導体装置は、
請求項1から請求項8のいずれかに記載の粒状半導体封
止材料を用いて、半導体素子を封止してなる。
【0028】本発明の請求項1に係る粒状半導体封止材
料は、粉砕物表面の樹脂成分を加熱溶融して、攪拌造粒
してなる粒状半導体封止材料であるため、粉砕物中の微
粉末は、他の粉砕物に取り込まれて大型化して微粉末の
量が減少しており、振動等を与えた場合であっても、微
粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料となる。
【0029】また、本発明の請求項2に係る粒状半導体
封止材料は、粉砕物に液状物を添加して、攪拌造粒して
なる粒状半導体封止材料であるため、粉砕物中の微粉末
は、他の粉砕物に取り込まれて大型化して微粉末の量が
減少しており、振動等を与えた場合であっても、微粉末
の発生が少ない粒状半導体封止材料となる。
【0030】また、本発明の請求項17に係る半導体装
置は、振動等を与えた場合であっても、微粉末の発生が
少ない粒状半導体封止材料を用いて封止しているため、
配管詰まり等が発生しにくく、封止工程の生産性が優れ
た半導体装置となる。
【0031】
【発明の実施の形態】[本発明の請求項1に係る粒状半
導体封止材料]本発明の請求項1に係る粒状半導体封止
材料は、樹脂成分及び無機充填材を混練した後、粉砕し
て得られる粉砕物表面の、樹脂成分を加熱溶融して、
造粒してなる粒状半導体封止材料である。
【0032】樹脂成分は、熱硬化性樹脂を必須として含
有し、必要に応じてその熱硬化性樹脂の硬化剤、硬化促
進剤、シランカップリング剤、離型剤、着色剤、低応力
化剤、界面活性剤及び難燃剤等を配合したものである。
なおエポキシ樹脂等のように自己硬化性の低い熱硬化性
樹脂は、その樹脂を硬化するための硬化剤等も含有する
ことが必要である。
【0033】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポ
リイミド樹脂、フェノール樹脂、シリコン樹脂、不飽和
ポリエステル樹脂等が挙げられるが、エポキシ樹脂を用
いた樹脂成分の場合、電気特性及び価格のバランスが優
れ好ましい。エポキシ樹脂としては特に限定するもので
はなく、例えばオルソクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビフェニル型
エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、
線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環
式エポキシ樹脂等が挙げられ、これらを単独で用いて
も、2種類以上を併用してもよい。
【0034】また、このエポキシ樹脂系の樹脂成分に含
有する硬化剤としては、例えばフェノールノボラック樹
脂及びその誘導体、クレゾールノボラック樹脂及びその
誘導体、モノまたはジヒドロキシナフタレンノボラック
樹脂及びその誘導体、フェノール類やナフトール類とp
−キシレンの縮合体、ジシクロペンタジエンとフェノー
ルの共重合体等のフェノール系硬化剤や、アミン系硬化
剤や、酸無水物等が挙げられる。これらの硬化剤は、単
独で用いても、2種類以上を併用してもよい。なお、フ
ェノールノボラック樹脂を用いた場合、樹脂硬化物の吸
湿率を低下することができ好ましい。その配合量として
は、通常エポキシ樹脂に対して、当量比で0.1〜10
の範囲で配合される。
【0035】また、上記エポキシ樹脂系の樹脂成分に含
有することができる硬化促進剤としては、例えば、1,
8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、
トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン等の三
級アミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル
−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾー
ル、2−フェニル−4−メチルイミダゾール等のイミダ
ゾール化合物、トリフェニルホスフィン、トリブチルホ
スフィン等の有機ホスフィン化合物等が挙げられる。
【0036】また、樹脂成分に含有することができるシ
ランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のエポキシシランや、N−フェ
ニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミ
ノシラン等が挙げられる。
【0037】また、樹脂成分に含有することができる離
型剤としては、ステアリン酸、モンタン酸、パルミチン
酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸、その脂肪酸の
カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、亜鉛
塩等の塩、その脂肪酸のアミド、リン酸エステル、ポリ
エチレン、ビスアマイド、カルボキシル基含有ポリオレ
フィン及び天然カルナバ等が挙げられる。なお、エポキ
シ樹脂系の樹脂成分に離型剤を含有すると、封止しよう
とする半導体素子やリードフレームとの密着性の高いエ
ポキシ樹脂を使用した場合であっても、トランスファー
成形時、樹脂硬化物とプランジャーや金型との離型性が
優れるため作業性が向上し好ましい。
【0038】また、樹脂成分に含有することができる着
色剤としては、例えば、カーボンブラック、酸化チタン
等が挙げられる。また、樹脂成分に含有することができ
る低応力化剤としては、例えば、シリコーンゲル、シリ
コーンゴム、シリコーンオイル等が挙げられる。また、
樹脂成分に含有することができる界面活性剤としては例
えば、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ソルビ
タン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド等が挙げら
れる。また、樹脂成分に含有することができる難燃剤と
しては、例えば、三酸化アンチモン、ハロゲン化合物、
リン化合物等が挙げられる。
【0039】これらの硬化促進剤、シランカップリング
剤、離型剤、着色剤、低応力化剤、界面活性剤及び難燃
剤等は2種類以上を併用することもできる。
【0040】また、本発明で使用する無機充填材として
は特に限定するものではなく、例えば結晶シリカ、溶融
シリカ、アルミナ、マグネシア、酸化チタン、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、窒化ケイ素、タルク、ケイ
酸カルシウム等が挙げられる。上記無機充填材は、単独
で用いても、2種類以上を併用してもよい。なお、無機
充填材として結晶シリカ又は溶融シリカ等のシリカを用
いた場合、樹脂硬化物の線膨張係数が小さくなり、半導
体素子の線膨張係数に近づくため好ましい。なお、無機
充填材を、樹脂成分と無機充填材の合計100重量部中
に、60〜95重量部含有する場合、樹脂硬化物の吸湿
量が低下し、吸湿ハンダ耐熱性が優れ好ましい。なお、
本発明で使用する無機充填材は、造粒するのに適した大
きさ(例えば平均粒径0.5〜50μm)の無機充填材
を使用する。
【0041】そして、粒状半導体封止材料の製造にあた
っては、上記樹脂成分及び無機充填材を配合して混練し
た後、粉砕して粉砕物を製造する。この混練及び粉砕す
る条件としては特に限定するものではなく、例えば、ヘ
ンシェルミキサー等で樹脂成分及び無機充填材を予備混
合した後、熱ロール、二軸ニーダー、押し出し機等で樹
脂成分が軟化する程度に加熱しながら混練を行う。混練
する時間としては、樹脂成分の硬化があまり進まない程
度で、かつ、樹脂成分と無機充填材の馴染みが良好とな
る程度に混練を行う。次いで冷却しながら、混練物をシ
ート状に伸ばしたり、混練物を線状に押し出した後、ロ
ータリーカッター、ローラーミル、ハンマーミル等を用
いて粉砕して粉砕物を製造する。
【0042】次いで、粉砕物表面の樹脂成分を加熱溶融
して、攪拌造粒して(実質的に無加圧状態で造粒して)
粒状半導体封止材料を製造する。なお、本発明の実質的
に無加圧状態で造粒するとは、タブレットを形成する場
合のように、高い圧力を印加して粒状に形成する場合を
除くことを意味するものである。
【0043】この粉砕物表面の樹脂成分を加熱溶融し
て、実質的に無加圧状態で造粒する方法としては、例え
ば、 ・粉砕物を撹拌することにより運動させながら、その運
動により摩擦熱を発生し、その摩擦熱で加熱することに
より、粉砕物表面の樹脂成分を溶融させて造粒し、次い
で撹拌した状態で冷却することにより粉砕物表面の樹脂
成分を固化する方法(以下造粒方法Aと記す)や、 ・加熱した容器内で粉砕物を撹拌することにより運動さ
せながら、加熱した容器から供給される熱で、粉砕物表
面の樹脂成分を溶融させて造粒し、次いで撹拌した状態
で冷却することにより粉砕物表面の樹脂成分を固化する
方法(以下造粒方法Bと記す)や、 ・粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形成して
運動させながら熱を供給し、その供給した熱で、粉砕物
表面の樹脂成分を溶融させて造粒し、次いで流動層を形
成した状態で冷却することにより粉砕物表面の樹脂成分
を固化する方法(以下造粒方法Cと記す)が挙げられ
る。
【0044】なお、造粒の前に粉砕物を篩分けして、特
に大きな粉砕物や小さな粉砕物を分別した後、造粒して
もよい。
【0045】(造粒方法A)造粒方法Aの具体的方法と
しては、例えば図1に示すような、モーター12と接続
された撹拌用の撹拌羽根11を、ミキサー本体13内部
に形成した開放系のミキサー10を用いて、粉砕物1を
ミキサー本体13内部に供給した後、モーター12を回
転させて撹拌羽根11を回転させる。すると、粉砕物1
どうしの衝突や、粉砕物1と撹拌羽根11の衝突によっ
て摩擦熱が発生する。
【0046】撹拌羽根11の回転数を高くすると、摩擦
熱が増加して粉砕物1の温度が上昇する。そして粉砕物
1中の樹脂成分のうち、最も融点が低い物質が溶融する
温度以上まで上昇すると、粉砕物1の表面から溶融が始
まる。この溶融した状態の粉砕物1どうしが撹拌により
衝突すると、溶融した部分で接着して造粒が行われる。
なお、この接着したものがある大きさ以上に大きくなる
と、撹拌羽根11の剪断の力により分解し、適度な大き
さの粒子となる。
【0047】次いで撹拌羽根11の回転数を低下させる
と、粉砕物1の温度が低下して溶融した部分が固体化し
て粒状半導体封止材料が得られる。これらの工程中で粉
砕物1に含まれる微粉末は、他の粉砕物1に取り込まれ
て大型化して微粉末の量が減少し、振動等を与えた場合
であっても、微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料
となる。なおこの造粒方法Aの場合、得られる粒状半導
体封止材料中に発生する、特に大きな封止材料の固まり
が少なくなり好ましい。
【0048】なお、開放系のミキサー10とは、ミキサ
ー本体13の一部に開口部を有するミキサー10に限定
するものではなく、ミキサー本体13に混合物1を完全
充填して自由に動く空間がない場合や、ミキサー本体1
3に加圧した気体を封入する場合等、混合物1が自由に
動けない場合を除くことを意味するものである。
【0049】この造粒方法Aに用いるミキサー10とし
ては、ヘンシェルミキサー、ユニバーサルミキサー等が
挙げられる。
【0050】なお、この撹拌羽根11の回転数を低下さ
せて粉砕物1の温度を低下させるときに、上記樹脂成分
として含有することができる離型材と同じ離型材を添加
して粒状半導体封止材料の表面に離型剤の層を形成する
と、トランスファー成形時、樹脂硬化物とプランジャー
や金型との離型性が優れるため、トランスファー成形の
作業性が向上し好ましい。なお、この表面を覆う離型材
の層は、粒状半導体封止材料の全面を覆うものに限定す
るものではなく、部分的に覆ったものであってもよく、
また、表面付近の樹脂成分と溶解・混合して、表面に樹
脂比率の高い離型材層を形成したものでもよい。これら
の部分的に覆ったものや、樹脂比率の高い離型材層を形
成したもの場合であっても、離型性が向上し好ましい。
【0051】(造粒方法B)造粒方法Bの具体的方法と
しては、例えば図1に示すような、モーター12と接続
された撹拌用の撹拌羽根11をミキサー本体13内部に
形成し、ミキサー本体13を壁面内にヒーター(図示せ
ず)等を埋め込んで形成して加熱可能に形成した開放系
のミキサー10を用いて、粉砕物1をミキサー本体13
内部に供給した後、モーター12を回転させて撹拌羽根
11を回転させる。
【0052】ミキサー本体13を加熱すると粉砕物1の
温度が上昇し、そして粉砕物1中の樹脂成分のうち、最
も融点が低い物質が溶融する温度以上まで上昇すると、
粉砕物1の表面から溶融が始まる。この溶融した状態の
粉砕物1どうしが撹拌により衝突すると、溶融した部分
で接着して造粒が行われる。なお、この接着したものが
ある大きさ以上に大きくなると、撹拌羽根11の剪断の
力により分解し、適度な大きさの粒子となる。
【0053】次いでミキサー本体13の加熱を中止する
と、粉砕物1の温度が低下して溶融した部分が固体化し
て粒状半導体封止材料が得られる。これらの工程中で粉
砕物1に含まれる微粉末は、他の粉砕物1に取り込まれ
て大型化して微粉末の量が減少し、振動等を与えた場合
であっても、微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料
となる。なおこの造粒方法Bの場合も、得られる粒状半
導体封止材料中に発生する、特に大きな封止材料の固ま
りが少なくなり好ましい。
【0054】なお、造粒方法Aの場合と同様にして粒状
半導体封止材料の表面に離型剤の層を形成すると、トラ
ンスファー成形の作業性が向上し好ましい。なお、この
造粒方法Bに用いるミキサー10としては、造粒方法A
の方法の場合と同様のものが挙げられる。
【0055】(造粒方法C)造粒方法Cの具体的方法と
しては、例えば図2に示すような、送風機21から吹き
出した空気をヒーター22で加熱した後、乾燥機本体2
3の下部より上に向けて吹き出すように形成した乾燥機
20を用いる。そして、粉砕物1を乾燥機本体23内部
に供給した後、送風機21を運転させて乾燥機本体23
の下部から上部に空気を吹き出して粉砕物1を空気に浮
かべる。すると、乾燥機本体23内部に、流動化した粉
砕物1の層である流動層が発生する。
【0056】この状態で乾燥機本体23の下部から上部
に吹き出す空気の温度をヒーター22で加温すると、粉
砕物1の温度が上昇し、粉砕物1内の樹脂成分のうち、
最も融点が低い物質が溶融する温度以上まで上昇する
と、粉砕物1の表面から溶融が始まる。この溶融した状
態の粉砕物1が空気の流れによって加圧されて衝突する
と、溶融した部分で接着して造粒が行われる。
【0057】次いでヒーター22の温度を低下させる
と、粉砕物1の温度が低下して溶融した部分が固体化し
て粒状半導体封止材料が得られる。これらの工程中で粉
砕物1中の微粉末は、他の粉砕物1に取り込まれて大型
化して微粉末の量が減少し、振動等を与えた場合であっ
ても、微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料とな
る。なお、送風機21から吹き出した空気により流動層
を形成しているため、流動層内に残る微粉末は吹き出し
た空気により流動層から除去される効果も得られ、特に
微粉末の少ない粒状半導体封止材料が得られる。
【0058】なお、このヒーター22の温度を低下させ
て粉砕物1の温度を低下させるときに、上記樹脂成分と
して含有することができる離型材と同じ離型材を添加し
て表面に離型剤の層を形成すると、トランスファー成形
時、樹脂硬化物とプランジャーや金型との離型性が優れ
る封止材料となるため、トランスファー成形の作業性が
向上し好ましい。
【0059】なお、この乾燥機20の上部には、粉砕物
1を捉えるフィルター24が設けられており、外部に粉
砕物1を噴出させず、かつ、回収して再利用可能に形成
している。なお、上部から吹き出した空気を送風機21
に戻して再度吹き出すようにすると、ヒーター22の加
熱能力が小さくても加熱することができ好ましい。
【0060】なお、この造粒方法Cに用いる乾燥機20
としては、流動層型乾燥機、遠心流動層型乾燥機、遠心
転動型乾燥機、遠心流動型乾燥機、スパイラフロー等が
挙げられる。
【0061】(本発明の請求項1に係る粒状半導体封止
材料共通)本発明の請求項1に係る粒状半導体封止材料
は、このように、粉砕物表面の樹脂成分を加熱溶融し
て、実質的に無加圧状態で造粒してなる粒状半導体封止
材料であるため、粉砕物中の微粉末は、他の粉砕物に取
り込まれて大型化して微粉末の量が減少し、振動等を与
えた場合であっても、微粉末の発生が少ない粒状半導体
封止材料となる。
【0062】なお、粉砕物表面の樹脂成分を加熱溶融し
て、実質的に無加圧状態で造粒する方法としては、上記
造粒方法A〜造粒方法Cに示した方法に限定するもので
はなく、これらの方法を組み合わせた方法等、粉砕物表
面の樹脂成分を加熱溶融して実質的に無加圧状態で運動
させて造粒する方法であれば、各種の方法が適用でき
る。なお、造粒方法A及び造粒方法Bの場合のように、
粉砕物を撹拌することにより運動させて造粒し、次いで
運動状態で冷却することにより製造する方法の場合、運
動状態で冷却する工程は、流動層を形成して冷却を行っ
てもよい。この場合、冷却する効率が高まるため造粒す
る生産性が向上し好ましい。
【0063】なお、得られる粒状半導体封止材料の安息
角が20〜40°となるように造粒すると好ましい。4
0°を越える場合は、この封止材料の流動性が低下して
計量の安定性が低下する場合がある。また、20°未満
の封止材料を作ろうとすると生産性が悪く実用的でな
い。
【0064】また、得られる粒状半導体封止材料の10
0重量部中に、粒径が0.1〜5mmの粒状半導体封止
材料を80〜100重量部、より好ましくは95〜10
0重量部含有するように造粒すると好ましい。粒径が
0.1〜5mmの粒状半導体封止材料を80〜100重
量部含有する場合は、この粒状半導体封止材料をポット
に装填したとき、配管詰まりが起こりにくいこと、及
び、粒状半導体封止材料と粒状半導体封止材料の間に生
じる隙間が過度に大きくならないため、粒状半導体封止
材料のポットへの充填性が高いことのバランスが優れ好
ましい。
【0065】[本発明の請求項2に係る粒状半導体封止
材料]本発明の請求項2に係る粒状半導体封止材料は、
樹脂成分及び無機充填材を混練した後、粉砕して得られ
る粉砕物に、液状物を添加して、実質的に無加圧状態で
造粒してなる粒状半導体封止材料である。
【0066】樹脂成分及び無機充填材としては、請求項
1に係る粒状半導体封止材料の場合と同様のものが挙げ
られる。また、混練及び粉砕する条件としても請求項1
に係る粒状半導体封止材料の場合と同様の方法が適用で
きる。
【0067】また粉砕物に、液状物を添加して、実質的
に無加圧状態で造粒する方法としては、例えば、 ・粉砕物を撹拌することにより運動させた運動状態の粉
砕物に、液状物を添加することにより粉砕物表面の樹脂
成分を湿潤化させて造粒し、次いで運動状態で乾燥する
ことにより粉砕物表面の湿潤化した樹脂成分を固化する
方法(以下造粒方法Dと記す)や、 ・粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形成して
運動させた運動状態の粉砕物に、液状物を添加すること
により粉砕物表面の樹脂成分を湿潤化させて造粒し、次
いで運動状態で乾燥することにより粉砕物表面の湿潤化
した樹脂成分を固化する方法(以下造粒方法Eと記す)
や、 ・粉砕物を撹拌することにより運動させた運動状態の粉
砕物に、液状物を添加することにより粉砕物表面を覆っ
て造粒する方法(以下造粒方法Fと記す)や、 ・粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形成して
運動させた運動状態の粉砕物に、液状物を添加すること
により粉砕物表面を覆って造粒する方法(以下造粒方法
Gと記す)や、 ・粉砕物を撹拌することにより運動させた運動状態の粉
砕物に、液状物を添加することにより粉砕物を凝集する
と共に、その凝集物を衝突させて造粒し、次いで運動状
態で乾燥することにより液状物を除去する方法(以下造
粒方法Hと記す)や、 ・粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形成して
運動させた運動状態の粉砕物に、液状物を添加すること
により粉砕物を凝集すると共に、その凝集物を衝突させ
て造粒し、次いで運動状態で乾燥することにより液状物
を除去する方法(以下造粒方法Iと記す)が挙げられ
る。
【0068】(造粒方法D)造粒方法Dの具体的方法と
しては、例えば図1に示すような、モーター12と接続
された撹拌用の撹拌羽根11を、ミキサー本体13内部
に形成した開放系のミキサー10を用いて、粉砕物1を
ミキサー本体13内部に供給した後、モーター12を回
転させて撹拌羽根11を回転して、粉砕物1を撹拌す
る。そして、ミキサー本体13に設けられた液状物供給
部14より液状物として、アセトン、メタノール、キシ
レン、トルエン、ヘキサン、メチルエチルケトン、酢酸
エチル、シクロヘキサン、イソプロパノール、ベンゼ
ン、メチルアセトン、無水エタノール等の溶剤の1種類
又は複数種類を供給する。なお液状物の供給は、1回に
まとめて供給してもよく、複数回に分けて供給してもよ
い。
【0069】すると、撹拌羽根11の回転により撹拌さ
れて、液状物は粉砕物1の表面に付着して広がり、粉砕
物1表面の樹脂成分のうち、その液状物に溶解可能成分
が湿潤化する。この表面が湿潤化した状態の粉砕物1が
撹拌により衝突すると、湿潤化した部分で接着して造粒
が行われる。なお、この接着したものがある大きさ以上
に大きくなると、撹拌羽根11の剪断の力により分解
し、適度な大きさの粒子となる。
【0070】次いで粉砕物1に送風して、又は加熱して
湿潤化した部分から液状物を除去すると、粉砕物1の湿
潤化した部分が固体化して粒状半導体封止材料が得られ
る。これらの工程中で粉砕物1中の微粉末は、他の粉砕
物1に取り込まれて大型化して微粉末の量が減少し、振
動等を与えた場合であっても、微粉末の発生が少ない粒
状半導体封止材料となる。なおこの方法の場合、粉砕物
1が熱溶融しない温度で造粒が可能なため、封止材料の
硬化が進む恐れがなく好ましく、かつ、得られる粒状半
導体封止材料中に発生する、特に大きな封止材料の固ま
りが少なくなり好ましい。
【0071】なお、供給する液状物の量は、粉砕物10
0重量部に対して0.1〜5重量部の場合、造粒の生産
性及び乾燥の生産性のバランスがよく好ましい。なお、
湿潤化した部分から液状物を除去するときに、上記樹脂
成分として含有することができる離型材と同じ離型材を
添加して表面に離型剤の層を形成すると、トランスファ
ー成形時、樹脂硬化物とプランジャーや金型との離型性
が優れる封止材料となるため、トランスファー成形の作
業性が向上し好ましい。
【0072】なお、この造粒方法Dに用いるミキサー1
0としては、ヘンシェルミキサー、ユニバーサルミキサ
ー、ドラム型ミキサー、回転皿型ミキサー、円錐型ミキ
サー、パグミル等が挙げられる。
【0073】(造粒方法E)造粒方法Eの具体的方法と
しては、例えば図2に示すような、送風機21から吹き
出した空気をヒーター22で加熱した後、乾燥機本体2
3の下部より上に向けて吹き出すように形成した乾燥機
20を用いて、粉砕物1を乾燥機本体23内部に供給し
た後、送風機21を運転させて乾燥機本体23の下部か
ら上部に空気を吹き出して粉砕物1を空気に浮かべる。
すると、乾燥機本体23内部に、流動化した粉砕物1の
層である流動層が発生する。
【0074】この状態で流動層の部分に液状物として造
粒方法Dの方法の場合と同様の液状物を噴霧等により供
給すると、下部より供給される空気により撹拌されて、
液状物は粉砕物1の表面に付着して広がり、粉砕物1表
面の樹脂成分のうち、その液状物に溶解可能成分が湿潤
化する。この状態の粉砕物1が下部より供給される空気
による撹拌により衝突すると、湿潤化した部分で接着し
て造粒が行われる。
【0075】次いで下部より供給される空気により湿潤
化した部分から液状物を除去すると、粉砕物の湿潤化し
た部分が固体化して粒状半導体封止材料が得られる。な
おこのとき、ヒーター22で加熱した空気を下部より供
給すると、液状物を除去する時間が短くなり好ましい。
【0076】これらの工程中で粉砕物中の微粉末は、他
の粉砕物に取り込まれて大型化して微粉末の量が減少
し、振動等を与えた場合であっても、微粉末の発生が少
ない粒状半導体封止材料となる。なお、吹き出した空気
により流動層を形成しているため、流動層内に残る微粉
末は吹き出した空気により流動層から除去される効果も
得られ、特に微粉末の少ない粒状半導体封止材料が得ら
れる。またこの方法の場合も、粉砕物が熱溶融しない温
度で造粒が可能なため、封止材料の硬化が進む恐れがな
く好ましい。
【0077】なお、造粒方法Dの場合と同様にして粒状
半導体封止材料の表面に離型剤の層を形成すると、トラ
ンスファー成形の作業性が向上し好ましい。なお、この
造粒方法Eに用いる乾燥機としては、流動層型乾燥機、
遠心流動層型乾燥機、遠心転動型乾燥機、遠心流動型乾
燥機、スパイラフロー等が挙げられる。
【0078】(造粒方法F)造粒方法Fの具体的方法と
しては、例えば造粒方法Dの方法と同様にして、粉砕物
を撹拌羽根により撹拌する。次いで、液状物供給部よ
り、液状物として、樹脂成分として含有することができ
るエポキシ樹脂、硬化剤、離型剤、界面活性剤等と同様
のエポキシ樹脂、硬化剤、離型剤、界面活性剤等の液状
物を供給する。これらは2種類以上を併用することもで
きる。なお、これらは室温で液状のものに限定するもの
ではなく、加熱すると液状化するものを、その液状化す
る温度で用いる場合は、液状物として使用することがで
きる。また液状物の供給は、1回にまとめて供給しても
よく、複数回に分けて供給してもよい。
【0079】そして、撹拌羽根により撹拌すると、液状
物は粉砕物の表面に拡散して粉砕物表面を覆う。大きな
粉砕物の表面に微粉末が付着している場合は、その微粉
末も同時に覆われて大きな粉砕物中に取り込まれて微粉
末の量が減少し、振動等を与えた場合であっても、微粉
末の発生が少ない粒状半導体封止材料となる。またこの
方法の場合も、粉砕物が熱溶融しない温度で造粒が可能
なため、封止材料の硬化が進む恐れがなく好ましい。
【0080】なお、室温で固体の物質を加熱して液状物
として用いると、粉砕物の表面を覆った後放冷すると液
状物が固化するため作業性が優れ好ましい。また、液状
物として離型材を用いることにより、粒状半導体封止材
料の表面に離型剤の層を形成すると、トランスファー成
形の作業性が向上し好ましい。
【0081】なお、この造粒方法Fに用いるミキサーと
しては、造粒方法Dの方法の場合と同様のものが挙げら
れる。
【0082】(造粒方法G)造粒方法Gの具体的方法と
しては、例えば造粒方法Eの方法と同様にして、流動化
した粉砕物の層である流動層を発生させ、その流動層の
部分に樹脂成分として含有することができるエポキシ樹
脂、硬化剤、離型剤、界面活性剤等の液状物を供給す
る。
【0083】すると、下部より供給される空気により撹
拌されて、液状物は粉砕物の表面に拡散して粉砕物表面
を覆う。大きな粉砕物の表面に微粉末が付着している場
合は、その微粉末も同時に覆われて大きな粉砕物中に取
り込まれて微粉末の量が減少し、振動等を与えた場合で
あっても、微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料と
なる。またこの方法の場合も、粉砕物が熱溶融しない温
度で造粒が可能なため、封止材料の硬化が進む恐れがな
く好ましい。
【0084】なお、造粒方法Fの場合と同様に、室温で
固体の物質を加熱して液状物として用いると、作業性が
優れ好ましく、また、液状物として離型材を用いると、
トランスファー成形の作業性が向上し好ましい。
【0085】この造粒方法Gに用いる乾燥機としては、
造粒方法Eの方法の場合と同様のものが挙げられる。
【0086】(造粒方法H)造粒方法Hの具体的方法と
しては、例えば造粒方法Dの方法と同様にして、粉砕物
を撹拌羽根により撹拌する。次いで、液状物供給部よ
り、液状物として、水や樹脂成分を溶解しない溶剤等の
液状物を噴霧等により供給して粉砕物を凝集させる。な
お、これらの液状物は2種類以上を併用することもでき
る。また、液状物の供給は、1回にまとめて供給しても
よく、複数回に分けて供給してもよい。
【0087】凝集した凝集物は撹拌羽根により撹拌され
て衝突し、その衝突により複数の粉砕物が一体化して大
きさが大型化すると共に、微粉末の量が減少する。ま
た、その衝突によって、形状が略球状となる。そして、
液状物が乾燥して除去されると、振動等を与えた場合で
あっても、微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料と
なる。なお、この方法の場合、液状物が乾燥するとき蒸
発熱を奪うため、封止材料が撹拌により過度に加熱され
ず、封止材料の硬化が進む恐れがなく好ましい。
【0088】この造粒方法Hに用いるミキサーとして
は、造粒方法Dの方法の場合と同様のものが挙げられ
る。なお、供給する液状物の量は、粉砕物中の微粉末が
飛散しない程度の液状物を供給すればよいが、粉砕物1
00重量部に対して1〜100重量部、より好ましくは
2〜20重量部の場合、微粉末の飛散性、造粒の生産性
及び乾燥の生産性のバランスが優れ好ましい。
【0089】また、液状物としては、水を使用すると価
格面で特に好ましい。なお、上記樹脂成分として含有す
ることができる離型剤、低応力化剤、界面活性剤、シラ
ンカップリング剤等と同様の液状物を含有する水溶液を
使用してもよい。界面活性剤、シランカップリング剤等
を含有する水溶液を使用した場合、粒状半導体封止材料
中に発生する静電気が少なくなり好ましく、離型剤を含
有する水溶液を使用した場合、半導体封止材料の表面に
離型剤の層が形成されるため、トランスファー成形の作
業性が向上し好ましい。
【0090】(造粒方法I)造粒方法Iの具体的方法と
しては、例えば造粒方法Eの方法と同様にして、流動化
した粉砕物の層である流動層を発生させる。そしてその
流動層の部分に液状物として、水や樹脂成分を溶解しな
い溶剤等の液状物を供給して粉砕物を凝集させる。な
お、液状物として水や、上記樹脂成分として含有するこ
とができる離型剤、低応力化剤、界面活性剤、シランカ
ップリング剤等と同様の液状物を含有する水溶液を使用
すると、造粒方法Hの方法の場合と同様に好ましい。
【0091】凝集した凝集物は下部より供給される空気
により撹拌されて衝突し、その衝突により複数の粉砕物
が一体化して大きさが大型化すると共に、微粉末の量が
減少する。また、その衝突によって、形状が略球状とな
る。そして、下部より供給される空気により液状物が乾
燥して除去されると、振動等を与えた場合であっても、
微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料となる。な
お、この方法の場合も、液状物が乾燥するとき蒸発熱を
奪うため、封止材料が衝突により過度に加熱されず、封
止材料の硬化が進む恐れがなく好ましい。
【0092】なお、供給する液状物の量は、粉砕物10
0重量部に対して1〜100重量部、より好ましくは2
〜20重量部の場合、微粉末の飛散性、造粒の生産性及
び乾燥の生産性のバランスが優れ好ましい。また、この
造粒方法Iに用いる乾燥機としては、造粒方法Eの方法
の場合と同様のものが挙げられる。
【0093】(本発明の請求項2に係る粒状半導体封止
材料共通)本発明の請求項2に係る粒状半導体封止材料
は、このように、粉砕物に液状物を添加して、攪拌造粒
してなる粒状半導体封止材料であるため、粉砕物中の微
粉末は、他の粉砕物に取り込まれて大型化して微粉末の
量が減少し、振動等を与えた場合であっても、微粉末の
発生が少ない粒状半導体封止材料となる。
【0094】なお、粉砕物に、液状物を添加して、攪拌
造粒する(実質的に無加圧状態で造粒する)方法として
は、上記造粒方法D〜造粒方法Iに示した方法に限定す
るものではなく、造粒方法Dと造粒方法Eを組み合わせ
て行う方法等、液状物を添加して実質的に無加圧状態で
運動させて造粒する方法であれば、各種の方法が適用で
きる。
【0095】例えば、造粒方法Dにより所望の粒径より
小さい粒径まで造粒した後、造粒方法Eで造粒を再度行
う場合のように、撹拌により造粒する方法と流動層を形
成して造粒する方法を組み合わせると、撹拌により造粒
する製造方法の場合は造粒の効率が高く、流動層を形成
して造粒する製造方法の場合は液状物の除去の効率が高
いため、全体の造粒する生産性が向上し好ましい。
【0096】また、造粒方法D及び造粒方法Hの場合の
ように、粉砕物を撹拌することにより運動させて造粒
し、次いで運動状態で乾燥することにより製造する方法
の場合、運動状態で乾燥する工程は、流動層を形成して
乾燥を行ってもよい。この場合も造粒する生産性が向上
し好ましい。
【0097】また、造粒方法Iの方法で供給する液状物
を水蒸気のように加熱した液状物を供給することにより
樹脂成分を溶融させ、造粒方法Iと造粒方法Cを同時に
進行させるようにしてもよい。この場合も造粒する生産
性が優れ好ましい。
【0098】なお、本発明の請求項1に係る粒状半導体
封止材料と同様に、得られる粒状半導体封止材料の安息
角が20〜40°となるように造粒すると好ましく、ま
た、得られる粒状半導体封止材料の100重量部中に、
粒径が0.1〜5mmの粒状半導体封止材料を、80〜
100重量部、より好ましくは95〜100重量部含有
するように造粒すると好ましい。
【0099】[本発明の請求項17に係る粒状半導体封
止材料]本発明の請求項17に係る半導体装置は、上記
で得られた粒状半導体封止材料を用いて、半導体素子等
をトランスファー成形して封止して得られる半導体装置
である。トランスファー成形する方法としては上記粒状
半導体封止材料を用いること以外は特に限定するもので
はなく、一般の方法で成形が可能である。
【0100】本発明の請求項17に係る半導体装置は、
振動等を与えた場合であっても、微粉末の発生が少ない
粒状半導体封止材料を用いて封止しているため、配管詰
まり等が発生しにくく、封止工程の生産性が優れた半導
体装置となる。
【0101】なおこの半導体装置を封止する封止装置に
は、粒状半導体封止材料を計量してプランジャーに送る
ように形成された封止装置を用いると、作業性が優れ好
ましい。
【0102】
【実施例】
(封止材料の粉砕物の製造)封止材料の原料として、下
記の2種類のエポキシ樹脂、硬化剤、無機充填材、2種
類の離型剤、カップリング剤、硬化促進剤、着色剤及び
難燃剤を下記の重量比で配合した。 ・エポキシ樹脂1:オルソクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂[住友化学工業社製、商品名ESCN195X
L]3重量部 ・エポキシ樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂[油化シ
ェルエポキシ社製、商品名YX4000H]3重量部 ・硬化剤:フェノール樹脂[荒川化学工業社製、商品名
タマノール752]5重量部 ・無機充填材:溶融シリカ[龍森社製、商品名RO8]
80重量部 ・離型剤1:ステアリン酸[大日本化学社製、商品名W
O2]0.3重量部 ・離型剤2:天然カルナバ[大日化学社製、商品名F−
1−100]0.3重量部 ・カップリング剤:γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン[東レダウコーニングシリコーン社製、商品
名SH6040]1重量部 ・硬化促進剤:2−フェニルイミダゾール 1重量部 ・着色剤:カーボンブラック 0.2重量部 ・難燃剤:三酸化アンチモン 5重量部。
【0103】上記の各原料を混合した後、二軸混練機を
用いて温度85℃で5分間混練し、次いで冷却した後、
カッターミルで粉砕して封止材料の粉砕物を得た。な
お、この粉砕物の融解温度を測定したところ、63℃で
あった。
【0104】(実施例1)粉砕物を、ヘンシェルミキサ
ー[三井鉱山社製]に50Kg投入し、造粒方法A(粉
砕物を撹拌することにより運動させながら、その運動に
より摩擦熱を発生し、その摩擦熱で加熱することによ
り、粉砕物表面の樹脂成分を溶融させて造粒し、次いで
撹拌した状態で冷却することにより粉砕物表面の樹脂成
分を固化する方法)で造粒した。その方法としては、ヘ
ンシェルミキサーの撹拌羽根を1500rpmで10分
間回転させて加熱することにより溶融させて造粒を行
い、次いで撹拌羽根の回転を400rpmに低下させて
冷却して、粒状半導体封止材料を得た。
【0105】(実施例2)粉砕物を、ヘンシェルミキサ
ー[三井鉱山社製]に50Kg投入し、造粒方法B(加
熱した容器内で粉砕物を撹拌することにより運動させな
がら、加熱した容器から供給される熱で、粉砕物表面の
樹脂成分を溶融させて造粒し、次いで撹拌した状態で冷
却することにより粉砕物表面の樹脂成分を固化する方
法)で造粒した。その方法としては、ヘンシェルミキサ
ーのミキサー本体を70℃に加温した状態で、撹拌羽根
を400rpmで10分間回転させて、ミキサー本体か
ら供給される熱で溶融させて造粒を行い、次いでミキサ
ー本体の加温を停止して冷却して、粒状半導体封止材料
を得た。
【0106】(実施例3)粉砕物を、流動層乾燥機[大
川原製作所社製]に50Kg投入し、造粒方法C(粉砕
物を気体に浮かべることにより流動層を形成して運動さ
せながら熱を供給し、その供給した熱で、粉砕物表面の
樹脂成分を溶融させて造粒し、次いで流動層を形成した
状態で冷却することにより粉砕物表面の樹脂成分を固化
する方法)で造粒した。その方法としては、下部から上
部に70℃に加温した空気が流れる流動層乾燥機内で流
動層を形成して10分間造粒を行い、下部から上部に流
れる空気の加温を停止させて冷却して、粒状半導体封止
材料を得た。
【0107】(実施例4)粉砕物を、ユニバーサルミキ
サー[月島機械社製]に50Kg投入し、造粒方法D
(粉砕物を撹拌することにより運動させた運動状態の粉
砕物に、液状物を添加することにより粉砕物表面の樹脂
成分を湿潤化させて造粒し、次いで運動状態で乾燥する
ことにより粉砕物表面の湿潤化した樹脂成分を固化する
方法)で造粒した。その方法としては、ユニバーサルミ
キサーを200rpmで回転させながら、アセトンを
0.5Kg添加し、次いで15分間回転させて造粒を行
った後、流動層乾燥機[大川原製作所社製]に移送し、
50℃で20分乾燥して、粒状半導体封止材料を得た。
【0108】(実施例5)粉砕物を、流動層乾燥機[大
川原製作所社製]に50Kg投入し、造粒方法E(粉砕
物を気体に浮かべることにより流動層を形成して運動さ
せた運動状態の粉砕物に、液状物を添加することにより
粉砕物表面の樹脂成分を湿潤化させて造粒し、次いで運
動状態で乾燥することにより粉砕物表面の湿潤化した樹
脂成分を固化する方法)で造粒した。その方法として
は、下部から上部に室温の空気が流れる流動層乾燥機内
で流動層を形成させた後、トルエンを0.5Kg添加
し、次いで10分間造粒を行った後、下部から上部に流
れる空気の温度を加温して40℃で60分乾燥して、粒
状半導体封止材料を得た。
【0109】(実施例6)粉砕物を、ユニバーサルミキ
サー[月島機械社製]に50Kg投入し、造粒方法F
(粉砕物を撹拌することにより運動させた運動状態の粉
砕物に、液状物を添加することにより粉砕物表面を覆っ
て造粒する方法)で造粒した。その方法としては、ユニ
バーサルミキサーを200rpmで回転させながら、液
状物として、樹脂成分中に配合した離型剤と同様のステ
アリン酸を70℃に加温して0.5Kg添加し、次いで
15分間回転させて造粒を行うと同時に添加したステア
リン酸を室温まで戻して、粒状半導体封止材料を得た。
【0110】(実施例7)液状物として、離型剤として
作用するステアリン酸トリグリセライド[大日本化学工
業社製、商品名 ダイワックスSTG]を用いたこと以
外は実施例6と同様にして粒状半導体封止材料を得た。
【0111】(実施例8)粉砕物を、ヘンシェルミキサ
ー[三井鉱山社製]に50Kg投入し、造粒方法H(粉
砕物を撹拌することにより運動させた運動状態の粉砕物
に、液状物を添加することにより粉砕物を凝集すると共
に、その凝集物を衝突させて造粒し、次いで運動状態で
乾燥することにより液状物を除去する方法)で造粒し
た。その方法としては、ヘンシェルミキサーの撹拌羽根
を400rpmで回転させながら純水を2Kg噴霧して
添加した後、20分間回転させて造粒すると共に、ヘン
シェルミキサー内に送風して純水の蒸発を行い粒状半導
体封止材料を得た。
【0112】(実施例9)粉砕物を、ヘンシェルミキサ
ー[三井鉱山社製]に50Kg投入し、造粒方法Hで造
粒した。その方法としては、ヘンシェルミキサーの撹拌
羽根を400rpmで回転させながら純水を2Kg噴霧
して添加した後、10分間回転させて純水を一部蒸発さ
せながら造粒を行い、引き続いて、流動層乾燥機[大川
原製作所社製]に移送した後、その流動層乾燥機の下部
から上部に80℃の空気が流れる流動層乾燥機内で10
分間、流動層を形成した状態で残る純水を蒸発させて粒
状半導体封止材料を得た。
【0113】(実施例10)粉砕物を、ヘンシェルミキ
サー[三井鉱山社製]に50Kg投入し、造粒方法Hで
造粒した。その方法としては、ヘンシェルミキサーの撹
拌羽根を800rpmで回転させながら純水を5Kg噴
霧して添加した後、10分間回転させて純水を一部蒸発
させながら造粒を行い、引き続いて、流動層乾燥機[大
川原製作所社製]に移送した後、その流動層乾燥機の下
部から上部に80℃の空気が流れる流動層乾燥機内で2
0分間、流動層を形成した状態で残る純水を蒸発させて
粒状半導体封止材料を得た。
【0114】(実施例11)粉砕物を、ヘンシェルミキ
サー[三井鉱山社製]に50Kg投入し、造粒方法Hで
造粒した。その方法としては、ヘンシェルミキサーの撹
拌羽根を400rpmで回転させながら水蒸気を約2K
g供給した後、10分間回転させて水分を一部蒸発させ
ながら造粒を行い、引き続いて、流動層乾燥機[大川原
製作所社製]に移送した後、その流動層乾燥機の下部か
ら上部に80℃の空気が流れる流動層乾燥機内で5分
間、流動層を形成した状態で残る水分を蒸発させて粒状
半導体封止材料を得た。
【0115】(実施例12)純水に代えて、離型剤とし
て作用するステアリン酸を0.1Kg含有する水溶液2
Kgを用いたこと以外は実施例9と同様にして粒状半導
体封止材料を得た。
【0116】(実施例13)純水に代えて、低応力化剤
として作用するシリコーンオイルを0.05Kg含有す
る水溶液2Kgを用いたこと以外は実施例9と同様にし
て粒状半導体封止材料を得た。
【0117】(実施例14)粉砕物を、流動層乾燥機
[大川原製作所社製]に50Kg投入し、造粒方法I
(粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形成して
運動させた運動状態の粉砕物に、液状物を添加すること
により粉砕物を凝集すると共に、その凝集物を衝突させ
て造粒し、次いで運動状態で乾燥することにより液状物
を除去する方法)で造粒した。その方法としては、下部
から上部に室温の空気が流れる流動層乾燥機内で流動層
を形成した状態で純水を2Kg噴霧して添加した後、3
0分間下部から上部に空気を流して流動層を保ちなが
ら、造粒すると共に、純水を蒸発させ粒状半導体封止材
料を得た。
【0118】(比較例1)粉砕物を、そのまま用いた。
【0119】(比較例2)粉砕物を、10及び42メッ
シュの篩にかけ、10メッシュの篩を通過し、42メッ
シュの篩は通過しないものを用いた。
【0120】(評価、結果)実施例1〜14で得られた
粒状半導体封止材料及び比較例1,2の粉砕物の、粒子
径の分布を測定した。その測定方法としては、JIS規
格K6911に従い、100gの試料をロータップ式振
とう機、JIS200φ標準篩で、ロータップ回転数2
90rpm、打撃数156回/分、全振幅28mmの条
件で10分間篩分けを行い、各篩上に残った粒子の有無
を調べて分布を求めた。
【0121】また、実施例8〜14で得られた粒状半導
体封止材料及び比較例1,2の粉砕物の安息角、ゲルタ
イム及び溶融粘度を測定した。
【0122】安息角の測定方法としては、厚さ30m
m、直径100mmのガラス製円台の中心から高さ10
0mmの位置にガラス製ロート(注ぎ口の直径50m
m、出口のガラス円筒は直径7mm、長さ7mmで、ロ
ート全体の高さは57mm)の出口を鉛直セットした
後、JIS規格K6911の試料採取方法に従い、約3
00gの試料(粒状半導体封止材料,粉砕物)を上記ロ
ートを通じて上記円台上に静かに注ぐ。試料がロートに
つまった場合は、直径2mmの銅製の棒を用いて出す。
そして、円台上に形成した山の高さh(mm)を測定
し、下記式(a)から安息角θ(°)を求めた。なお、
7回測定し、そのうち最大及び最小の値を除く5回の値
の平均を安息角とした。
【0123】
【数1】
【0124】ゲルタイムの測定方法としては、キュラス
トメーターを用いて、175℃の条件でトルクが0.1
kgfになるまでの時間を測定した。また、溶融粘度の
測定方法としては、高化式フローテスターを用いて、1
50℃の条件で測定した。
【0125】結果は表1に示したように、粒子径の分布
は、実施例1は1〜3mm、実施例2は1.5〜3m
m、実施例3は0.1〜2mm、実施例4は0.5〜3
mm、実施例5は0.1〜2mm、実施例6は1〜3m
m、実施例7は0.5〜3mm、実施例8は0.2〜
1.5mm、実施例9は0.2〜1.5mm、実施例1
0は0.2〜1.5mm、実施例11は0.2〜1.5
mm、実施例12は0.2〜1.5mm、実施例13は
0.15〜1.5mm、実施例14は0.15〜1.0
mm、比較例1は0.01〜2mm、比較例2は0.0
2〜1.5mmであり、各実施例は、各比較例と比較し
て粒子径が小さい微粉末の量が少ないことが確認され
た。
【0126】また、実施例8〜14で得られた粒状半導
体封止材料の安息角は表1に示したように、20〜40
°の範囲内であり、各比較例と比較して小さいことが確
認された。また、実施例8〜14で得られた粒状半導体
封止材料のゲルタイム及び溶融粘度は各比較例と同等で
あり、造粒中に封止材料の硬化がほとんど進行していな
いことが確認された。
【0127】
【表1】
【0128】
【発明の効果】本発明の請求項1に係る粒状半導体封止
材料は、粉砕物表面の樹脂成分を加熱溶融して、実質的
に無加圧状態で造粒してなる粒状半導体封止材料である
ため、粉砕物中の微粉末は、他の粉砕物に取り込まれて
大型化して微粉末の量が減少し、振動等を与えた場合で
あっても、微粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料と
なる。
【0129】本発明の請求項2に係る粒状半導体封止材
料は、粉砕物に液状物を添加して、実質的に無加圧状態
で造粒してなる粒状半導体封止材料であるため、粉砕物
中の微粉末は、他の粉砕物に取り込まれて大型化して微
粉末の量が減少し、振動等を与えた場合であっても、微
粉末の発生が少ない粒状半導体封止材料となる。
【0130】本発明の請求項17に係る半導体装置は、
振動等を与えた場合であっても、微粉末の発生が少ない
粒状半導体封止材料を用いて封止しているため、封止工
程の生産性が優れた半導体装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の粒状半導体封止材料の製造方法に係る
一実施の形態を説明する図である。
【図2】本発明の粒状半導体封止材料の製造方法に係る
他の実施の形態を説明する図である。
【符号の説明】 1 粉砕物 10 ミキサー 11 撹拌羽根 12 モーター 13 ミキサー本体 14 液状物供給部 20 乾燥機 21 送風機 22 ヒーター 23 乾燥機本体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 博則 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工 株式会社内 (56)参考文献 特開 昭50−10351(JP,A) 特開 昭49−18148(JP,A) 特開 平6−293024(JP,A) 特公 昭49−28263(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/56,23/29 B29B 7/00 - 9/16

Claims (17)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂成分及び無機充填材を混練した後、
    粉砕して得られる粉砕物表面の、樹脂成分を加熱溶融し
    て、攪拌造粒してなることを特徴とする粒状半導体封止
    材料。
  2. 【請求項2】 樹脂成分及び無機充填材を混練した後、
    粉砕して得られる粉砕物に、液状物を添加して、攪拌
    粒してなることを特徴とする粒状半導体封止材料。
  3. 【請求項3】 液状物が、溶剤、エポキシ樹脂、硬化
    剤、離型剤、界面活性剤からなる群の中から選ばれた少
    なくとも1種であることを特徴とする請求項2記載の粒
    状半導体封止材料。
  4. 【請求項4】 液状物が、水であることを特徴とする請
    求項2記載の粒状半導体封止材料。
  5. 【請求項5】 樹脂成分が、エポキシ樹脂、硬化剤及び
    離型剤を含有することを特徴とする請求項1から請求項
    4のいずれかに記載の粒状半導体封止材料。
  6. 【請求項6】 粒状半導体封止材料の安息角が20〜4
    0°であることを特徴とする請求項1から請求項5のい
    ずれかに記載の粒状半導体封止材料。
  7. 【請求項7】 粒状半導体封止材料の表面に、離型剤の
    層が形成されていることを特徴とする請求項1から請求
    項6のいずれかに記載の粒状半導体封止材料。
  8. 【請求項8】 粒状半導体封止材料100重量部中に、
    粒径が0.1〜5mmの粒状半導体封止材料を、80〜
    100重量部含有することを特徴とする請求項1から請
    求項7のいずれかに記載の粒状半導体封止材料。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の粒状半導体封止材料の製
    造方法であって、樹脂成分と無機充填材を配合した後、
    混練し、次いでその混練物を粉砕して粉砕物を得る工程
    と、粉砕物を運動状態で加熱することにより、粉砕物表
    面の樹脂成分を溶融させて造粒し、次いで運動状態で冷
    却することにより粉砕物表面の樹脂成分を固化する工程
    とを有することを特徴とする粒状半導体封止材料の製造
    方法。
  10. 【請求項10】 粉砕物を運動状態で加熱する方法が、
    粉砕物を撹拌することにより運動させながら、その運動
    により摩擦熱を発生し、その摩擦熱で加熱する方法であ
    ることを特徴とする請求項9記載の粒状半導体封止材料
    の製造方法。
  11. 【請求項11】 粉砕物を運動状態で加熱する方法が、
    粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形成して運
    動させながら、加熱する方法であることを特徴とする請
    求項9記載の粒状半導体封止材料の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項2又は請求項3記載の粒状半導
    体封止材料の製造方法であって、樹脂成分と無機充填材
    を配合した後、混練し、次いでその混練物を粉砕して粉
    砕物を得る工程と、運動状態の粉砕物に液状物を添加す
    ることにより粉砕物表面の樹脂成分を湿潤化させて造粒
    し、次いで運動状態で乾燥することにより粉砕物表面の
    湿潤化した樹脂成分を固化する工程とを有することを特
    徴とする粒状半導体封止材料の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項2又は請求項3記載の粒状半導
    体封止材料の製造方法であって、樹脂成分と無機充填材
    を配合した後、混練し、次いでその混練物を粉砕して粉
    砕物を得る工程と、運動状態の粉砕物に液状物を添加す
    ることにより粉砕物表面を覆って造粒する工程とを有す
    ることを特徴とする粒状半導体封止材料の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項2又は請求項4記載の粒状半導
    体封止材料の製造方法であって、樹脂成分と無機充填材
    を配合した後、混練し、次いでその混練物を粉砕して粉
    砕物を得る工程と、運動状態の粉砕物に液状物を添加す
    ることにより粉砕物を凝集すると共に、その凝集物を衝
    突させて造粒する工程とを有することを特徴とする粒状
    半導体封止材料の製造方法。
  15. 【請求項15】 運動状態の粉砕物に液状物を添加する
    方法が、粉砕物を撹拌することにより運動させながら、
    液状物を添加する方法であることを特徴とする請求項1
    2から請求項14のいずれかに記載の粒状半導体封止材
    料の製造方法。
  16. 【請求項16】 運動状態の粉砕物に液状物を添加する
    方法が、粉砕物を気体に浮かべることにより流動層を形
    成して運動させながら、液状物を添加する方法であるこ
    とを特徴とする請求項12から請求項14のいずれかに
    記載の粒状半導体封止材料の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項1から請求項8のいずれかに記
    載の粒状半導体封止材料を用いて、半導体素子を封止し
    てなる半導体装置。
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