JP3133772B2 - インバータ装置 - Google Patents

インバータ装置

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JP3133772B2
JP3133772B2 JP03051150A JP5115091A JP3133772B2 JP 3133772 B2 JP3133772 B2 JP 3133772B2 JP 03051150 A JP03051150 A JP 03051150A JP 5115091 A JP5115091 A JP 5115091A JP 3133772 B2 JP3133772 B2 JP 3133772B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、インバータ装置に関
し、特に複数台のインバータの並列運転、或は複数台の
インバータと商用電源の並列運転を安定に行うように補
助する並列運転補助用インバータを有するインバータ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インバータを他のインバータ、或
は商用電源と並列運転する場合、有効電力と無効電力に
着目してインバータの出力電圧を制御することにより、
インバータ間の横流、或はインバータと交流電源の横流
を抑制し、負荷の分担を行っていた。図5は例えば、文
献「Conference Record of the 1986 IEEE Industry Ap
pli-cations Society Annual Meeting Part 1」 p.544に
示された従来のインバータ装置のブロック図である。図
において、1はインバータ、2、3は交流出力フィルタ
を構成するリアクトルとコンデンサであり、これらリア
クトル2、コンデンサ3はそれぞれインダクタンスL
s、静電容量Cpを有する。4はインバータ1に接続さ
れた直流電源、5は負荷6の接続された負荷母線であ
る。100は負荷電流ILを検出する電流センサ、10
1はインバータ1の出力電流I1を検出する電流セン
サ、102はコンデンサ3の電圧を検出する電圧センサ
である。200はインバータ1が分担すべき負荷電流を
求める回路であり、ここでは同容量のインバータがn台
並列運転しているものとし、インバータ1が分担すべき
負荷電流はIL/nとなる。201は分担すべき負荷電
流とインバータ1の出力電流の差△Iを求める回路、2
02は差△Iに含まれる無効電流分△Qの制御回路、2
03は差△Iに含まれる有効電流分△Pの制御回路、2
04は電圧制御回路(VC)、205は位相制御回路
(PLL)、206は発振器(OSC)、207はPW
M変調回路、300は加減算器、301は加算器であ
る。
【0003】次に、動作について説明する。インバータ
1は直流電源4の電圧を矩形波状の交流電圧に変換し、
この交流電圧はリアクトル2とコンデンサ3により高調
波が除去され、正弦波状の電圧が得られる。負荷母線5
にはn台のインバータが接続され、負荷6に給電してい
る。回路200、201より求めた、インバータ1の分
担すべき負荷電流と出力電流の差△Iが定常的に零にな
れば、インバータ1は安定に並列運転を行っていること
になる。差△Iは有効分と無効分に分解して、無効分は
電圧の振幅を、有効分は位相を操作することにより制御
できる。この原理自体はこの発明に直接関係ないので説
明を省略する。制御回路202は、差△Iの無効分に応
じて電圧指令値補正信号Vqを出力する比例積分型の制
御回路である。その出力Vqは加減算器300において
電圧指令値Vxに加算され、電圧指令値を操作するよう
にふるまう。電圧制御回路204はフィードバック電圧
VfがVx+Vqと等しくなるように動作する。制御回
路203は、差△Iの有効分に応じて位相補正信号θp
を出力する比例積分型の制御回路である。位相制御回路
205は位相補正信号θpを入力とし、インバータ1の
出力電圧が負荷母線5の電圧より位相補正信号θpだけ
進み位相となるような周波数補正信号fPを出力する。
周波数補正信号fPは加算器301においてインバータ
の基本波出力周波数fOと加算され、発振器206に入
力される。発振器206の周波数指令と電圧制御回路2
04の電圧振幅指令により、PWM変調回路207はイ
ンバータ1が指令値に基ずいた基本波を含む矩形波状の
交流電圧を発生するようパルス幅変調を行う。従って、
インバータ1の出力電圧は、差△Iの無効分が零になる
よう振幅を操作されると共に、差△Iの有効分が零にな
るよう位相も操作されるので、定常的に△Iは零とな
り、安定に並列運転が行われる。
【0004】図6は上記の並列運転用制回路を持つイン
バータを2台並列運転している場合の回路図である。1
A、1Bは矩形波状の交流電圧を発生するインバータ、
7は配線のインダクタンス(その値L)、8は配線の抵
抗(その値R)である。ここで、リアクトル2A、2B
のインダクタンス値LSA,LSBを0.15PU、コンデン
サ3A、3Bのキャパシタンス値CPA、CPBを0.
PU、配線のインダクタンス7の値Lと抵抗8の値Rを
それぞれ0.01PUと仮定する。これらの定数は、イン
バータ1がパワートランジスタ等で構成され、1〜2k
Hz程度のスイッチング周波数で動作している場合に用
いられる実用的なものである。このとき、コンデンサ3
A、3Bと配線のインダクタンス7、抵抗8によって形
成される回路は、共振次数が高く振動的である。簡単に
求めるため、リアクトル2A、2Bを省略した図7の回
路にて、伝達関数を求める。リアクトル2A、2Bのイ
ンダクタンス値LSA、LSBは配線のインダクタンス7の
値Lの15倍であるので、コンデンサ間の共振現象を検
討するには図7で十分である。伝達関数は、(1)式と
なる。
【0005】
【数1】
【0006】また、固有周波数ωと減衰係数ζは次のよ
うになる。 ω=1/(L・CP1/2=15.8 ζ=(1/2)・R・(CP/L)1/2=0.03 (1)式より、図7の回路は15次付近で振動的である
ことがわかる。従って、インバータ1A、1Bの出力電
圧に15次付近の高調波成分が含まれていた場合は、コ
ンデンサ3A、3B間に共振電流が流れ、負荷母線5の
電圧が歪む。また、この共振電流は発散し、インバータ
装置の過負荷保護が動作し負荷への給電を停止する。こ
の共振現象を避けるためには、インバータ1A、1Bの
出力電圧が、同一の矩形波状電圧を出力し、リアクトル
2A、2Bのインダクタンス値LSA、LSB、コンデンサ
3A、3Bのキャパシタンス値CPA、CPBを揃え、15
次付近の高調波成分が互いに打ち消し合うようにする必
要があった。この共振に関しては、インバータとインバ
ータの並列運転だけでなく、インバータと商用電源の並
列運転時にも、商用電源電圧が歪んでおり、15次程度
の高調波成分を含む場合は、同様の現象が起きる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来のインバータ装置
は以上のように構成されているので、インバータを他の
インバータと並列運転する場合は、フィルタ用コンデン
サ間の共振現象を避けるために、同一の矩形波状電圧を
出力し、主回路定数を等しくする必要があった。即ち、
同種のインバータ装置は並列運転可能であるが、主回路
構成、主回路定数、直流電圧、PWM制御方法等が異な
るインバータを並列運転することは容易でなかった。ま
た、電圧波形が歪んでいる商用電源とインバータの並列
運転も、共振現象を起こすという問題点があった。この
発明は上記のような問題点を解決するためになされたも
ので、主回路構成、主回路定数、直流電圧、PWM制御
方法等が異なるインバータの並列運転、電圧波形が歪ん
でいる商用電源とインバータの並列運転を共振現象を起
こさずに安定に行うことができるインバータ装置を得る
ことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係るインバ
ータ装置は、第1および第2のインバータが共通の負荷
母線に対し並列運転し、負荷電力を分担して供給する変
換器システムにおいて、上記第1および第2のインバー
タ間に流れる高調波横流電流を検出する検出手段と、上
記高調波横流電流を入力とする増幅回路のゲインを上記
高調波横流電流と許容値との差に応じて調整する調整手
段と、上記増幅回路の出力信号に応じて電圧を発生す
る、上記第1および第2のインバーとは別のインバータ
とを備え、上記別のインバータの出力電圧を変圧器を介
して上記並列運転インバータ間に供給するようにしたも
のである。第2の発明に係るインバータ装置は、出力に
並列にコンデンサを設けた第1および第2のインバータ
が共通の負荷母線に対し並列運転し、負荷電力を分担し
て供給する変換器システムにおいて、上記第1および第
のインバータ間に流れる高調波横流電流を検出する検
出手段と、上記高調波横流電流を入力とする増幅回路の
ゲインを上記高調波横流電流と許容値との差に応じて調
整する調整手段と、上記増幅回路の出力信号に応じて電
圧を発生する、上記第1および第2のインバーとは別の
インバータとを備え、上記別のインバータの出力電圧を
変圧器を介して上記並列運転インバータに設けられたコ
ンデンサに供給するようにしたものである。第3の発明
に係るインバータ装置は、出力に並列にコンデンサを設
けた第1および第2のインバータが共通の負荷母線に対
し並列運転し、負荷電力を分担して供給する変換器シス
テムにおいて、上記第1および第2のインバータ間に流
れる高調波横流電流を検出する検出手段と、上記第1お
よび第2のインバータとは別の電流制御ループを有する
インバータとを備え、上記高調波横流電流と逆位相の信
号を電流制御ループの指令値として与えることにより、
高調波横流電流と逆位相の電流を上記別のインバータが
発生し、この電流を上記並列運転インバータに設けられ
たコンデンサに供給するようにしたものである。第4の
発明に係るインバータ装置は、上記第1および第2のイ
ンバータの少なくとも一つが商用電源であるとしたもの
である。
【0009】
【作用】第1の発明においては、検出手段で並列運転し
ている複数台のインバータ間の高調波横流電流を検出
し、調整手段で高調波横流電流が許容値以内となるよう
に、複数台のインバータとは別のインバータが高調波横
流電流に応じて発生する電圧を調整し、この調整した電
圧を変圧器を介して並列運転インバータ間に供給する。
これにより、並列運転を共振現象を起こさずに安定に行
う。第2の発明においては、検出手段で並列運転してい
る複数台のインバータ間の高調波横流電流を検出し、調
整手段で高調波横流電流が許容値以内となるように、複
数台のインバータとは別のインバータが高調波横流電流
に応じて発生する電圧を調整し、この調整した電圧を変
圧器を介して並列運転インバータに設けられたコンデン
サに供給する。これにより、並列運転を共振現象を起こ
さずに安定に行う。第3の発明においては、検出手段で
並列運転している複数台のインバータ間の高調波横流電
流を検出し、逆位相電流発生手段で複数台のインバータ
に高調波横流電流と逆位相の電流を発生させ、この電流
を並列運転インバータに設けられたコンデンサに供給す
る。これにより、並列運転を共振現象を起こさずに安定
に行う。第4の発明においては、第1ないし第3の発明
において、複数台のインバータの少なくとも一つを商用
電源となし、これにより電圧波形が歪んでいる商用電源
とインバータの並列運転を共振現象を起こさずに安定に
行う。
【0010】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの発明の一実施例を示す回路構成図であ
り、図において、図5〜図7と対応する部分には同一符
号を付し、その詳細説明は省略する。ここで、並列運転
補助用インバータに関する主回路構成要素は500番
台、制御回路構成要素は600番以降の番号として区別
している。図1において、500は並列運転補助用のイ
ンバータ、501、502はインバータ500に接続さ
れ、交流フィルタを構成するリアクトルとコンデンサ、
503は1次側が上記交流フィルタに接続され、2次側
がインバータ1A及び1B間に挿入された変圧器、50
4はインバータ500に接続された直流電源、600は
負荷電流ILを検出する電流センサ、601はインバー
タ1Aの出力電流I1を検出する電流センサである。7
00はインバータ1Aが分担すべき負荷電流を求める回
路であり、ここでは同容量のインバータが2台並列運転
しているものとし、インバータ1Aが分担すべき負荷電
流はIL/2となる。701は減算器800を介して回
路700に接続された高域通過フィルタ、702は高域
通過フィルタ701に接続され、ゲインKを持つ増幅回
路、703は増幅回路702に接続され、そのPWM出
力をインバータ500に供給するPWM変調回路、70
4は高域通過フィルタ701に接続され、その出力側に
得られる高調波横流の実効値を検出する実効値検出回
路、705は実効値検出回路704に接続され、その出
力よりリップル分を除去する低域通過フィルタ、706
は低域通過フィルタ705と増幅回路702の間に接続
され、ゲインを選択するゲイン選択回路である。
【0011】次に、図1に示したこの発明の一実施例の
動作について説明する。インバータ1Aが分担すべき負
荷電流IL/2からインバータ1Aの出力電流I1を減算
器800で減じた信号△I1を求め、これを高域通過フ
ィルタ701に入力し、信号△I1Hを得る。信号△I1H
はインバータ1Aと1B間に流れる高調波横流である。
信号△I1Hを増幅回路702にてK倍し、信号K・△I
1HをPWM変調回路703に与える。PWM変調回路7
03は信号K・△I1Hに基ずいてパルス幅変調を行い、
そのPWM出力をインバータ500に供給する。インバ
ータ500は15次程度の電圧を瞬時に発生できるよう
な高周波スイッチング素子で構成され、信号K・△I1H
を瞬時に発生し、リアクトル501、コンデンサ502
から構成される交流フィルタにて、スイッチング周波数
の成分のみ除去し、変圧器503にてK・△I1Hの電圧
をインバータ1Aとインバータ1Bの間に供給する。従
って、変圧器503の発生電圧は、高調波横流には抵抗
値Kとして、基本波には抵抗値零として動作する。よっ
て、コンデンサ3A、3B(キャパスタンス値CPA、C
PB)と配線のインダクタンス7(値L)、抵抗8(値
R)によって形成される回路の伝達関数は高周波領域で
は(2)式となる。
【0012】
【数2】
【0013】また、固有周波数ωと減衰係数ζは次のよ
うになる。 ω=1/(L・CP1/2=15.8 ζ=(1/2)・(R+K)・(CP/L)1/2 K=0.22とすると、ζ=0.7となる。 しかし、一般に配線のインダクタンス値、抵抗値は並列
運転するインバータの設置状況によって大きく異なり、
すべてのケースに対して、K=0.22となるわけでは
ない。配線のインダクタンス値が0.01PU以上であれ
ば、Kを大きくしなければ共振現象は抑制できない。ま
た、配線のインダクタンス値が0.01PU以下であれ
ば、Kを小さくすることができる。Kを小さくすると、
並列運転補助用インバータの出力電圧が小さくすむの
で、損失を少なくでき、インバータの出力容量を小さく
し、コストを低くできる等の利点がある。従って、ゲイ
ンKを最適値に選定することは重要である。そこで、本
実施例では高調波横流△I1Hの実効値が許容値を越える
ことなく、また、許容値よりも極度に小さくならないよ
うな最適ゲインKを調整手段を構成する実効値検出回路
704、低域通過フィルタ705及びゲイン選択回路7
06によって求めている。まず、高調波横流△I1Hの実
効値を実効値検出回路704にて検出し、これを数サイ
クル以上の時定数を持つ低域通過フィルタ705にて、
リップル分を除去し、ゲイン選択回路706に入力す
る。ゲイン選択回路706では、図2に示すように、許
容値I1H*と低域通過フィルタ705の出力I1H(rms)
との差を減算器706aにて演算し、この差を積分器7
06bにて積分する。積分器706bの出力K1は、配
線のインダクタンス値と抵抗値をそれぞれ0.01PU
して設計した場合のゲインK0と加算器706cにて加
算され、この加算器706cの出力をゲインKの値とす
る。従って、ゲインKは、ゲイン選択回路706の積分
器706bにより高調波横流が許容値以上の場合は大き
く、許容値以下の場合は小さく調整される。よって、並
列運転インバータの交流出力フィルタ用コンデンサと配
線のインピーダンスからなる回路は、高周波領域では制
動的となり、インバータ1Aとインバータ1Bの主回路
構成、主回路定数、直流電圧、PWM制御方法等が異な
っても、共振現象を起こさずに安定に並列運転を行うこ
とができる。
【0014】図3はこの発明の他の実施例を示す回路構
成図であって、図3において、図1と対応する部分には
同一符号を付し、その詳細説明は省略する。本実施例で
は変圧器503の2次側を交流出力フィルタ用コンデン
サ3Aに直列に接続する。そして、図1同様インバータ
500にて発生した信号をリアクトル501、コンデン
サ502から構成される交流フィルタにてスイッチング
周波数の成分のみ除去し、変圧器503を介してインバ
ータ1Aの交流出力フィルタ用コンデンサ3Aに供給す
る。その他の動作は図1と同様である。よって、本実施
例でも並列運転インバータの交流出力フィルタ用コンデ
ンサと配線のインピーダンスからなる回路は、高周波領
域では制動的となり、インバータ1Aとインバータ1B
の主回路構成、主回路定数、直流電圧、PWM制御方法
等が異なっても、共振現象を起こさずに安定に並列運転
を行うことができる。
【0015】図4はこの発明の更に他の実施例を示す回
路構成図であって、図4において、図1と対応する部分
には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。本実施
例ではインバータ500の出力側をリアクトル501を
介してリアクトル2Aとコンデンサ3Aの接続点に接続
する。又、PWM変調回路703の前に電流制御回路7
02Aを設け、この電流制御回路702Aと高域通過フ
ィルタ701との間に減算器801を設け、この減算器
801の他方の入力端子(負の入力端子)に、インバー
タ500の出力側に設けられた電流センサ602で検出
したインバータ500の出力電流I2を供給するように
する。ここでは図1、図3で用いたような実効値検出回
路704、低域通過フィルタ705及びゲイン選択回路
706は不要である。
【0016】次に、動作について説明する。インバータ
1Aが分担すべき負荷電流IL/2からインバータ1A
の出力電流I1を減じた信号△I1を減算器800で求
め、これを高域通過フィルタ701に入力し、△I1H
得る。△I1Hは上述のごとくインバータ1Aとインバー
タ1B間に流れる高調波横流である。△I1HとI2との
差を減算器801にて求め、電流制御回路702Aはこ
の差を零とする電圧指令V*をPWM変回路703に与
える。PWM変調回路703は例えば電圧指令*と三
角波とを比較してその交点でインバータ500をスイッ
チングさせる。インバータ500は高周波スイッチング
素子で構成され、電流△I1Hを瞬時に発生し、リアクト
ル501を介して、交流出力フィルタ用コンデンサ3A
にこの電流を流す。従って、インバータ500は、高調
波横流と逆位相の電流を瞬時に交流出力フィルタ用コン
デンサ3Aに流すように動作するので、コンデンサ3A
には高調波横流が流れなくなる。つまり、コンデンサ間
の共振電流が抑制されるので、インバータ1Aとインバ
ータ1Bの主回路構成、主回路定数、直流電圧、PWM
制御方法等が異なっても、共振現象を起こさずに安定に
並列運転を行うことができる。
【0017】尚、上述の各実施例では、複数台のインバ
ータを並列運転する場合について説明したが、電圧波形
が歪んでいる商用電源とインバータを並列運転する場合
でも、上述の並列運転補助用インバータ等を用いること
によって、共振現象を起こさずに安定に運転することが
できる。
【0018】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、第1
および第2のインバータが共通の負荷母線に対し並列運
転し、負荷電力を分担して供給する変換器システムにお
いて、上記第1および第2のインバータ間に流れる高調
波横流電流を検出する検出手段と、上記高調波横流電流
を入力とする増幅回路のゲインを上記高調波横流電流と
許容値との差に応じて調整する調整手段と、上記増幅回
路の出力信号に応じて電圧を発生する、上記第1および
第2のインバーとは別のインバータとを備え、上記別の
インバータの出力電圧を変圧器を介して上記並列運転イ
ンバータ間に供給するようにしたので、高調波横流電流
を抑制し、共振現象を起こすことなく安定に並列運転を
行えるインバータ装置が得られる効果がある。又、第2
の発明によれば、出力に並列にコンデンサを設けた第1
および第2のインバータが共通の負荷母線に対し並列運
転し、負荷電力を分担して供給する変換器システムにお
いて、上記第1および第2のインバータ間に流れる高調
波横流電流を検出する検出手段と、上記高調波横流電流
を入力とする増幅回路のゲインを上記高調波横流電流と
許容値との差に応じて調整する調整手段と、上記増幅回
路の出力信号に応じて電圧を発生する、上記第1および
第2のインバーとは別のインバータとを備え、上記別の
インバータの出力電圧を変圧器を介して上記並列運転イ
ンバータに設けられたコンデンサに供給するようにした
ので、高調波横流電流を抑制し、共振現象を起こすこと
なく安定に並列運転を行えるインバータ装置が得られる
効果がある。又、第3の発明によれば、出力に並列にコ
ンデンサを設けた第1および第2のインバータが共通の
負荷母線に対し並列運転し、負荷電力を分担して供給す
る変換器システムにおいて、上記第1および第2のイン
バータ間に流れる高調波横流電流を検出する検出手段
と、上記第1および第2のインバータとは別の電流制御
ループを有するインバータとを備え、上記高調波横流電
流と逆位相の信号を電流制御ループの指令値として与え
ることにより、高調波横流電流と逆位相の電流を上記別
のインバータが発生し、この電流を上記並列運転インバ
ータに設けられたコンデンサに供給するようにしたの
で、高調波横流電流を抑制し、共振現象を起こすことな
く安定に並列運転を行えるインバータ装置が得られる効
果がある。又、第4の発明によれば、上記第1ないし第
3の発明において、上記第1および第2のインバータの
少なくとも一つが商用電源であるとしたので、電圧波形
が歪んでいる商用電源とインバータの並列運転の場合で
も、高調波横流電流を抑制し、共振現象を起こすことな
く安定に並列運転を行えるインバータ装置が得られる効
果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す回路構成図である。
【図2】この発明の要部を示す回路構成図である。
【図3】この発明の他の実施例を示す回路構成図であ
る。
【図4】この発明の更に他の実施例を示す回路構成図で
ある。
【図5】従来のインバータ装置を示すブロック図であ
る。
【図6】インバータの並列運転における共振現象を説明
するための回路図である。
【図7】インバータの並列運転における共振現象の伝達
関数を説明するための回路図である。
【符号の説明】
1A、1B インバータ 2A、2B、501 リアクトル 3A、3B、502 コンデンサ 5 負荷母線 6 負荷 500 並列運転補助用インバータ 503 変圧器 600、601、602 電流センサ 700 負荷電流検出回路 701 高域通過フィルタ 702 増幅回路 702A 電流制御回路 703 PWM変調回路 704 実効値検出回路 705 低域通過フィルタ 706 ゲイン選択回路 800、801 減算器

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1および第2のインバータが共通の負
    荷母線に対し並列運転し、負荷電力を分担して供給する
    変換器システムにおいて、 上記第1および第2のインバータ間に流れる高調波横流
    電流を検出する検出手段と、 上記高調波横流電流を入力とする増幅回路のゲインを上
    記高調波横流電流と許容値との差に応じて調整する調整
    手段と、 上記増幅回路の出力信号に応じて電圧を発生する、上記
    第1および第2のインバーとは別のインバータとを備
    え、上記別のインバータの出力電圧を変圧器を介して上
    記並列運転インバータ間に供給するようにしたことを特
    徴とするインバータ装置。
  2. 【請求項2】 出力に並列にコンデンサを設けた第1お
    よび第2のインバータが共通の負荷母線に対し並列運転
    し、負荷電力を分担して供給する変換器システムにおい
    て、 上記第1および第2のインバータ間に流れる高調波横流
    電流を検出する検出手段と、 上記高調波横流電流を入力とする増幅回路のゲインを上
    記高調波横流電流と許容値との差に応じて調整する調整
    手段と、 上記増幅回路の出力信号に応じて電圧を発生する、上記
    第1および第2のインバーとは別のインバータとを備
    え、上記別のインバータの出力電圧を変圧器を介して上
    記並列運転インバータに設けられたコンデンサに供給す
    るようにしたことを特徴とするインバータ装置。
  3. 【請求項3】 出力に並列にコンデンサを設けた第1お
    よび第2のインバータが共通の負荷母線に対し並列運転
    し、負荷電力を分担して供給する変換器システムにおい
    て、 上記第1および第2のインバータ間に流れる高調波横流
    電流を検出する検出手段と、 上記第1および第2のインバータとは別の電流制御ルー
    プを有するインバータとを備え、上記高調波横流電流と
    逆位相の信号を電流制御ループの指令値として与えるこ
    とにより、高調波横流電流と逆位相の電流を上記別のイ
    ンバータが発生し、この電流を上記並列運転インバータ
    に設けられたコンデンサに供給するようにしたことを特
    徴とするインバータ装置。
  4. 【請求項4】 上記第1および第2のインバータの少な
    くとも一つが商用電源である請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のインバータ装置。
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JPH02241328A (ja) * 1989-03-14 1990-09-26 Nichicon Corp 交流フィルタと電力用アクティブフィルタを併用した高調波抑制装置

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