JP3133444B2 - トランクリッドロック装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は自動車のトランクリッド
ロック装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、トランクリッドロック装置は、図
７，図８に示すように、車体１に形成されたトランクル
ームを蓋するトランクリッド２に設けられている。トラ
ンクリッド２は、外板３とインナーパネル４からなって
いる。トランクリッド２の外板３にはプッシュ式のシリ
ンダ錠５が取り付けられ、インナーパネル４にはシリン
ダ錠５に対して左右方向に偏心した位置にロック装置６
が取り付けられ、外板３とインナーパネル４の間の空間
にはシリンダ錠５とロック装置６とを連結するロッド７
が略水平に設けられている。このトランクリッドロック
装置では、キー操作によりアンロック位置に回動したシ
リンダ錠５を押し込むことにより、ロッド７を介してロ
ック装置６を作動させ、当該ロック装置６と車体１側の
ストライカ１ａとの係合を解除して、トランクを開放で
きるようになっている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このような従来のトラ
ンクリッドロック装置の組み付けは、まずシリンダ錠５
にロッド７の一端を連結して、そのロッド７を外板３の
図示しないシリンダ錠取付穴から差し込むようにしてシ
リンダ錠５を外板３に取り付ける。一方、ロック装置６
をそのクローレバー８が内部に突入するようにしてイン
ナーパネル４に取り付ける。この後、インナーパネル４
に設けたパネル開口部９から手を差し込んで、ロッド７
とクローレバー８を連結する。ところが、パネル開口部
９は、インナーパネル４の強度確保のため大きくするこ
とはできず、指が入る程度の最小限の穴となっているた
め、ロッド７とクローレバー８の連結は大変困難な作業
となっていた。本発明はかかる問題点を解決することを
課題とし、ロッドとロック装置の組み付け作業が容易な
トランクリッドロック装置を提供することを目的とする
ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、前後方向に摺動可能にホルダ内に収容さ
れ、キー操作によりロック位置及びアンロック位置に回
動可能で、かつ、スプリングの付勢力に抗して押し込み
可能であり、トランクリッドの外板に取り付けられたシ
リンダ錠と、該シリンダ錠のホルダに枢支され、アンロ
ック位置にあるシリンダ錠の押し込みに応動して水平方
向に回動する第１レバーと、該第１レバーに枢支され、
上下方向に回動する第２レバーと、前記外板の内側に設
けられたインナーパネルに、前記シリンダ錠より左右方
向に偏心した位置に取り付けられ、車体側のストライカ
に係脱するロック装置と、前記外板とインナーパネルの
間の空間に位置し、一端が前記第２レバーに連結され、
他端がインナーパネルに形成されたパネル開口部より内
側に突入するロック装置のクローレバーに連結されたロ
ッドとからなり、インナーパネルのパネル開口部から垂
下するロッドの端部とロック装置のクローレバーとを連
結した後、ロッドを水平に移動させつつ、ロック装置を
インナーパネルに取り付けることができるようにした。

【０００５】

【作用】前記構成において、シリンダ錠に第１レバー，
第２レバー及びロッドを連結し、そのシリンダ錠を外板
に取り付けた状態では、ロッドの自重により第２レバー
が回動してロッドが垂下し、そのロッドの先端がインナ
ーパネルのパネル開口部から下方に突出している。した
がって、インナーパネルより外側に突出するロッドの先
端にロック装置のクローレバーを連結した後、ロッドを
水平に移動させてロック装置をインナーパネルに取り付
ける。このように、ロッドとロック装置の連結をインナ
ーパネルの外側で行えるため、作業が容易である。

【０００６】

【実施例】次に、本発明の実施例を図面に従って説明す
る。図１において、１は車体、２はトランクリッドであ
って、外側の外板３と、内側のインナーパネル４とから
なっている。このトランクリッド２には、シリンダ錠１
０と、第１レバー１１と、第２レバー１２と、ロック装
置１３と、ロッド１４とからなるトランクリッドロック
装置が取り付けられている。

【０００７】シリンダ錠１０は、インナーロータ１０ａ
とアウターシリンダ１０ｂとからなり、前後方向に摺動
可能に円筒状のホルダ１５内に収容されて、図示しない
スプリングの付勢力に抗して外方から押し込み可能にな
っており、トランクリッド２の外板３に外方から取り付
けられている。このシリンダ錠１０のインナーロータ１
０ａの先端には、図２に示すように、押圧部１６と位置
検出部１７とからなる駆動レバー１８が固着されてい
る。また、アウターシリンダ１０ｂの先端には、図３に
示すように、位置検出スイッチ１９を支持する支持板２
０が固着されている。このシリンダ錠１０は、キー操作
によりインナーロータ１０ａがロック位置及びアンロッ
ク位置に回動可能になっている。ロック位置では、駆動
レバー１８は図２中反時計回り方向に回動して押圧部１
６が後述する第１レバー１１の押込受部２３と対向しな
いようになっており、またアンロック位置では時計回り
方向に回動して第１レバー１１の押込受部２３と対向す
るようになっている。シリンダ錠１０のロック位置とア
ンロック位置は、駆動レバー１８の位置検出部１７が位
置検出スイッチ１９をオン，オフさせることにより、検
出されるようになっている。

【０００８】第１レバー１１は、逆Ｌ字形状を有し、そ
の水平部１１ａが前記シリンダ錠１０のホルダ１５から
延在する突出部１５ａに支軸２１によって枢支され、水
平方向に回動可能になっている。この第１レバー１１の
垂直部１１ｂの下端側面より前方にストッパー２２が突
設され、また側方斜め下に向かって押圧受部２３が突設
されている。そして、アンロック位置にあるシリンダ錠
１０が押し込まれた際に、押圧受部２３が駆動レバー１
８の押圧部１６に押圧されることにより、支軸２１を中
心に水平方向に回動するようになっている。第２レバー
１２は、逆Ｌ字形状を有し、その垂直部１２ｂが前記第
１レバー１１の垂直部１１ｂに支軸２４によって枢支さ
れ、上下方向に回動可能になっている。この第２レバー
１２の垂直部１２ｂには、図２に示すように水平部１２
ａが上方に位置した時に、それ以上の時計回りの回動が
阻止されるように、前記ストッパー２２に係合する切欠
き部２５が形成されている

【０００９】ロック装置１３は、図２に示すように、前
記インナーパネル４に前記シリンダ錠５より左右方向に
偏心した位置に取り付けられている。このロック装置１
３は、図１に示すように、車体１側に取り付けられたス
トライカ１ａに係脱する図示しないラッチと、該ラッチ
とストライカ１ａの係合を解除又は維持するクローレバ
ー２６とから構成されている。クローレバー２６の先端
はインナーパネル４に形成したパネル開口部２７よりイ
ンナーパネル４の内部に突入している。パネル開口部２
７は、図２に示すように、第２レバー１２の真下の位置
まで延設されている。ロッド１４は、前記外板３とイン
ナーパネル４の間の空間に位置し、図２に示すように、
一端が前記第２レバー１２の水平部１２ａに連結され、
他端が前記ロック装置１３のクローレバー２６に連結さ
れている。

【００１０】以上の構成からなるトランクリッドロック
装置の組み付けは、以下のように行われる。まず、第１
レバー１１と第２レバー１２をシリンダ錠１０のホルダ
１５に予め取り付けておく。そして、このシリンダ錠１
０の第２レバー１２にロッド１４の一端を連結してか
ら、そのロッド１４を外板３の図示しないシリンダ錠取
付穴に差し込むようにしてシリンダ錠１０を外板３に取
り付ける。この状態では、図５中実線で示すように、第
２レバー１２に取り付けられたロッド１４は、当該第２
レバー１２が上下方向に回動可能であるため、自重によ
り下方に垂下してパネル開口部２７より突出している。

【００１１】次に、ロック装置１３のクローレバー２６
と前記パネル開口部２７より突出するロッド１４とを連
結した後、ロック装置１３を図において左斜め上方の所
定の位置に向かって持ち上げてゆく。これに伴い、ロッ
ド１４が第２レバー１２とともに支軸２４を中心に図中
時計回り（矢印Ｃ方向）に回動し、パネル開口部２７か
らインナーパネル４の内部に入って水平に状態になる。
そして、この状態で、ロック装置１３をインナーパネル
４に取り付けることにより、組み付けが完了する。前述
のように、ロック装置１３とロッド１４との連結は、ロ
ック装置６をインナーパネル４に取り付ける前に、イン
ナーパネル４のパネル開口部９の外側で行えるので、連
結作業が容易である。

【００１２】このように組み付けられたトランクリッド
ロック装置では、トランク閉鎖状態で、キー操作により
シリンダ錠１０をロック位置にすると、図２において駆
動レバー１８が反時計回りに回動して、押圧部１６が第
１レバー１１の押圧受部２３との対向位置から退避する
ので、シリンダ錠１０を押し込み操作しても、シリンダ
錠１０は第２レバー１２の押圧受部２３を押圧すること
ができず、トランクリッドは開放されない。また、キー
操作によりシリンダ錠１０をアンロック位置にすると、
図２において駆動レバー１８は時計回りに回動して、押
圧部１６が第１レバー１１の押圧受部２３と対向する。
したがって、シリンダ錠１０を図３に示す状態から図４
に示すように押し込み操作すれば、駆動レバー１８の押
圧部１６が第１レバー１１の押圧受部２３を押圧する結
果、第１レバー１１が支軸２１を中心に第２レバー１２
とともに図４において時計回り方向に回動し、ロッド１
４が同図において左方に移動する。これにより、ロック
装置１３のクローレバー２６が図２中１点鎖線で示すよ
うに回動し、図示しないラッチとストライカ１ａとの係
合が解除され、トランクリッドは開放される。

【００１３】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、インナーパネルのパネル開口部から垂下する
ロッドの端部とロック装置のクローレバーとを連結した
後、ロッドを水平に移動させながらロック装置をインナ
ーパネルに取り付けることができるようにしたため、ロ
ッドとロック装置の連結作業がインナーパネルの外側
で、迅速簡単に行えるという効果を有している。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るトランクリッドロック装置の側
面図である。

【図２】 図１に示す装置のＡ方向矢視図である。

【図３】 図１に示す装置のシリンダ錠の非押し込み時
の状態を示すＢ方向矢視図である。

【図４】 図１に示す装置のシリンダ錠の押し込み時の
状態を示すＢ方向矢視図である。

【図５】 図１に示す装置の組み付け時の状態を示すＡ
方向矢視図である。

【図６】 図１に示す装置の組み付け時の状態を示すＢ
方向矢視図である。

【図７】 従来のトランクリッドロック装置の正面図で
ある。

【図８】 図８のＩ−Ｉ線断面図である。

【符号の説明】

１…車体、 １ａ…ストライカ、 ２…ト
ランクリッド、 ３…外板、 ４…インナーパネル、 １０…シ
リンダ錠、 １１…第１レバー、 １２…第２レバー、 １３…
ロック装置、 １４…ロッド、 １５…ホルダ、 ２６…
クローレバー、 ２７…パネル開口部。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 前後方向に摺動可能にホルダ内に収容さ
   れ、キー操作によりロック位置及びアンロック位置に回
   動可能で、かつ、スプリングの付勢力に抗して押し込み
   可能であり、トランクリッドの外板に取り付けられたシ
   リンダ錠と、 該シリンダ錠のホルダに枢支され、アンロック位置にあ
   るシリンダ錠の押し込みに応動して水平方向に回動する
   第１レバーと、 該第１レバーに枢支され、上下方向に回動する第２レバ
   ーと、 前記外板の内側に設けられたインナーパネルに、前記シ
   リンダ錠より左右方向に偏心した位置に取り付けられ、
   車体側のストライカに係脱するロック装置と、 前記外板とインナーパネルの間の空間に位置し、一端が
   前記第２レバーに連結され、他端がインナーパネルに形
   成されたパネル開口部より内側に突入するロック装置の
   クローレバーに連結されたロッドとからなり、 インナーパネルのパネル開口部から垂下するロッドの端
   部とロック装置のクローレバーとを連結した後、ロッド
   を水平に移動させつつ、ロック装置をインナーパネルに
   取り付けることができるようにしたことを特徴とするト
   ランクリッドロック装置。