JP3130867B2 - 液体中の微粒子計測装置 - Google Patents

液体中の微粒子計測装置

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JP3130867B2 JP10177302A JP17730298A JP3130867B2 JP 3130867 B2 JP3130867 B2 JP 3130867B2 JP 10177302 A JP10177302 A JP 10177302A JP 17730298 A JP17730298 A JP 17730298A JP 3130867 B2 JP3130867 B2 JP 3130867B2
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真也 橋本
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板洗浄工
程で使用される純水や薬液中の微粒子をカウントする計
測装置において、計測の誤差となる気泡の分離機能を備
えた微粒子計測装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に半導体基板洗浄工程では、例えば
エッチング等の化学処理工程では、水洗・洗浄等の処理
液として種々の薬液や純水が使用される。しかしなが
ら、これらの薬液や純水(以下、試料液と称する)中に
鉄酸化物,CaやNa塩類等の無機成分からなる微粒子
や微生物の死骸等の有機物の微粒子が存在していると、
液処理によってこれらの微粒子が半導体基板表面に付着
し、その部分の液処理効果が低下されて半導体素子の性
能が劣化され、更には半導体素子としての機能を果さな
くなることが起こる。したがって、半導体装置を安定に
かつ高信頼度で製造するためには、試料液の純度が高い
ことも必要であるが、その液中に含まれる微粒子をある
濃度以下に維持管理することが要求される。
【0003】このため試料液中に含まれる微粒子を計測
してこれを管理することが必要となっている。そのた
め、レーザ光を試料液に投射させ試料液中に含まれてい
る微粒子によるレ―ザ光の散乱光を検出することにより
微粒子の計測を行なう装置が実用化されている。しかし
ながら、この装置では試料液中に気泡(例:酸素や炭酸
ガス等)が含まれているとこの気泡がレーザ光を散乱さ
せてしまい、これを微粒子として誤検出するおそれがあ
る。
【0004】試料液中の気泡を除去し微粒子濃度を計測
する技術として、特開昭60−61011号公報(以
下、第1の従来技術という)には、気泡を含んだ試料液
の通路一部に密封状の圧力容器を設け、減圧して試料液
中の気泡を脱泡して除去し、さらに減圧で除去できなか
った気泡は加圧して試料液に溶解させ、微粒子を測定す
る技術が開示されている。実開平1―142842号の
マイクロフィルム(以下、第2の従来技術という)に
は、試料液の流入路に超音波振動子を有する除泡装置を
設け、超音波振動によって試料液中の気泡を除去する技
術が開示されている。
【0005】また、特開平7−140058号公報(以
下、第3の従来技術という)にはフィルターにより試料
液中の気泡と微粒子を分離して微粒子を測定する装置が
開示されている。図2はこの微粒子測定装置のブロック
図であり、図3はその気液分離器の断面図である。液槽
24から試料液をポンプ25と輸送管26によって気液
分離器(三方管)20に輸送すると、気液分離器20内
で試料液がフィルター30に接触する。試料液は、平均
気孔径1〜6μmのフィルター30によって気泡が阻止
されて一方の分岐管21に向かう清流と、フィルター3
0を通過せずに気泡を含んだまま他方の分岐管22に向
かう濁流とに分け、気泡が除去された清流を計測器23
にて測定することにより、微粒子が測定される。なお、
気泡は圧力弁27によって気液分離器20の圧力が調整
され、フィルターを通過しないようにされる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術には、
次のような問題点がある。上記の第1の従来技術におい
ては、真空装置や加圧装置が必要であり、装置が複雑で
高価になり、また加圧で一旦試料液中に溶解した気泡が
微粒子濃度計測の際、圧力が低下するために再び試料液
中に気泡となり微粒子に付着して微粒子の濃度の測定誤
差となることである。
【0007】上記の第2の従来技術においては、微粒子
に付着している気泡を超音波振動で除去しようとするも
のであるが、微粒子から完全に気泡を除去することが難
しい。また、上記の第3の従来技術においては、気泡の
大きさによって微粒子から分離が難しく、また、フィル
ターが目詰まりしやすく、微粒子を計測できなくなるこ
とである。
【0008】本発明の目的は、試料液から微粒子と気泡
ガスを効率よく分離できる試料液中の微粒子計測装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の液体中の微粒子
計測装置は、試料液貯溜槽と、該試料液貯溜槽の上方に
設けられた第1の気液分離手段と、前記試料液貯溜槽中
に設けられた第2の気液分離手段と、前記試料液貯溜槽
の前記試料液表面部に隣接して設けられた第3の気液分
離手段と、前記試料液貯溜槽に接続された配管経路に設
けられレーザ光の散乱度から微粒子濃度を計測する計測
手段とから構成されたことを特徴とする。
【0010】前記第1の気液分離手段としては、じゃま
板が使用され、前記試料液のじゃま板との接触により物
理的に気液分離ができる。
【0011】前記第2の気液分離手段としては、多孔質
コイル状配管から不活性ガスを吹き出し前記試料液を攪
拌し前記不活性ガスの試料液中の分圧を高め試料液中の
気泡を脱泡法する方法を使用できる。
【0012】前記第3の気液分離手段としては、前記試
料液貯溜の前記試料液のオーバフロー部に設けられ、前
記不活性ガスの吹き出しにより前記試料液表面に浮上し
気泡の付着した前記微粒子を捕捉して気泡を除去するト
ラップ槽を使用できる。
【0013】本発明では上記のように第1〜第3の気液
分離手段を設け、試料液中から気泡の除去効率が向上で
き、試料液中の微粒子濃度の計測精度を向上できる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を参照して説明する。
【0015】図1は本発明の実施の形態の液体中の微粒
子計測装置のブロック図である。図中、符号1は試料液
中から気泡を分離するための気液分離器であり、この気
液分離器1は、円錐状の試料液貯溜槽2と、試料液中に
He等の不活性ガスを導入して攪拌するための多孔質コ
イル状配管3(第2の気液分離手段)と、試料液貯溜槽
2の試料液オーバフロー部に設けられ試料液中の気泡が
付着して試料液表面に浮上した微粒子を捕捉するととも
に微粒子と気泡を分離させるトラップ槽5(第3の気液
分離手段)と、試料液貯溜槽2の上部から試料液を導入
する際に試料液を衝突させ、予備的に試料液中の気泡を
脱泡させるためのじゃま板4(第2の気液分離手段)か
ら構成されている。
【0016】じゃま板4の材質はポリエチレンやフッ素
高分子(PTFE)が使用でき、また、じゃま板4との
水平方向との角度は10〜30度に調整される。この角
度が10度より小さいと空気が巻き込まれやすくまた3
0度を越えると試料液中の気泡の除去効率が悪くなる。
【0017】試料液貯溜槽2の材質は、上記のじゃま板
4と同じ様なポリエチレンやPTFEやその他ポリプロ
ピレンのようなプラスチック材料を使用できる。また、
多孔質コイル状配管3の材質には内径20〜40mmの
チューブ状のPTFEが適当であり、レーザビーム照射
により不活性ガス吹き出し用の直径5〜10μmの微小
孔を形成する。
【0018】トラップ槽5で気泡が除去された試料液は
配管8aと循環ポンプ6によって試料液貯溜槽2に戻さ
れる。符号7はサンプリングポンプであり、試料液貯溜
槽2から配管8bを通して試料液をサンプリングし、レ
ーザ光の散乱度から微粒子濃度を計測する計測部12に
送出し、再び試料液貯溜槽2に試料液を戻す。計測部1
2は、レーザ光源9、受光部10、演算部11から構成
される。
【0019】次に、上記の本発明の実施の形態の動作に
ついて、図1を参照して詳細に説明する。まず、所定量
の試料液をじゃま板2に接触させながら気液分離器1の
試料液貯溜槽2に流入する。ここで、試料液をじゃま板
2と物理的接触させることにより試料液に含まれる気泡
はある程度除去される。試料液貯溜槽2に溜まった試料
液中に多孔質コイル状配管3からHe等の不活性ガスを
10〜100ml/分で吹き出し試料液を攪拌すると、
試料液中の酸素や炭酸ガスは脱泡される。気泡が付着し
た微粒子は浮遊して試料液とともにトラップ槽に入り気
泡が除去される。
【0020】トラップ槽5に流入した試料液バルクと微
粒子に付着していた気泡が除かれ、再び循環ポンプ6に
より試料液貯溜槽2に戻される。サンプリングポンプ7
でサンプリングされた試料液は計測部に導かれ、レーザ
光の散乱度を受光部10で検出して演算部11で濃度に
変換される。その濃度の値が安定した値を試料液の微粒
子濃度として求める。
【0021】
【発明の効果】本発明の効果は、試料液中の気泡が試料
液貯溜槽上に設けたじゃま板と試料液貯溜槽の試料液の
オーバフロー経路に設けたトラップ槽と不活性ガスによ
る攪拌により試料液から除くことができるために試料液
中の微粒子濃度の計測を精度よくできることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の液体中の微粒子計測装置
のブロック図である。
【図2】従来の微粒子測定装置のブロック図である。
【図3】図2の気液分離器の断面図である。
【符号の説明】
1 気液分離器 4 じゃま板 2 試料液貯溜槽 3 多孔質コイル状配管 5 トラップ槽 6 循環ポンプ 7 サンプリングポンプ 8a,8b 配管 9 レーザ光源 10 受光部 11 演算部 12 計測部 20 気液分離器 21,22 分岐管 23 計測器 24 液槽 25 ポンプ 26 輸送管 27 圧力弁 30 フィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 15/00 - 15/14 G01N 21/49

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料液貯溜槽と、該試料液貯溜槽の上方
    に設けられた第1の気液分離手段と、前記試料液貯溜槽
    中に設けられた第2の気液分離手段と、前記試料液貯溜
    槽の前記試料液表面部に隣接して設けられた第3の気液
    分離手段と、前記試料液貯溜槽に接続された配管経路に
    設けられレーザ光の散乱度から微粒子濃度を計測する計
    測手段とから構成されたことを特徴とする液体中の微粒
    子計測装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の気液分離手段として物理的接
    触で気液に分離するじゃま板を使用した請求項1記載の
    液体中の微粒子計測装置。
  3. 【請求項3】 前記じゃま板と水平方向の角度が10〜
    30度である請求項2記載の液体中の微粒子計測装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の気液分離手段として多孔質コ
    イル状配管から不活性ガスを吹き出し、前記不活性ガス
    の試料液中の分圧を高めることによって試料液中の気泡
    を除去する方法を使用した請求項1,2または3記載の
    液体中の微粒子計測装置。
  5. 【請求項5】 前記不活性ガスとしてHeガスを使用し
    た請求項4記載の液体中の微粒子計測装置。
  6. 【請求項6】 前記第3の気液分離手段として前記試料
    液貯溜の前記試料液のオーバフロー部に設けられ、前記
    不活性ガスの吹き出しにより前記試料液表面に浮上し気
    泡の付着した前記微粒子を捕捉して気泡を除去するトラ
    ップ槽を使用した請求項4または5記載の液体中の微粒
    子計測装置。
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