JP3130404B2 - 金網保持装置 - Google Patents

金網保持装置

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JP3130404B2
JP3130404B2 JP05102575A JP10257593A JP3130404B2 JP 3130404 B2 JP3130404 B2 JP 3130404B2 JP 05102575 A JP05102575 A JP 05102575A JP 10257593 A JP10257593 A JP 10257593A JP 3130404 B2 JP3130404 B2 JP 3130404B2
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茂 高島
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、引込みクレーン等のツ
ールとして用いられる金網保持装置、特に金網溶接作業
に有用な金網保持装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】暗渠ブロック,U字溝ブロック,擁壁ブ
ロック等の各種コンクリートブロックにはこれらブロッ
ク形状に合致した角筒状,U字状,L字状等の金網が補
強材として内設されている。これらの補強用金網は、一
般に主筋及び配力筋を格子状に溶接して形成した矩形状
金網を型を利用して上記形状に屈曲するか(筒状の場合
はコ状に屈曲したものを組み合わせて溶接)、或いは主
筋及び配力筋を上記形状になるように組み付けながら溶
接して形成されている。
【0003】ところで、上記補強用金網には剛性強化を
図るために補助金網が更に組み付け溶接される。例え
ば、暗渠ブロック用金網の場合は、角筒状の金網本体の
内側に矩形状の補助金網を斜向状態で挿入し、これを本
体一内面と平行に向き合わせた後、同姿勢を維持しなが
らその側縁を本体側に溶接し、これらの作業を残りの一
内面或いは三内面に対し施して2重構造物を得ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来で
は、上記補助金網の挿入,位置合わせ及び姿勢維持の全
てが人手によって行われているため、溶接作業者を含め
2名以上の作業人員が必要で、また補助金網自体が重量
物であることから作業負担が大きく、時間ロスや位置ず
れ等の作業ミスを生じ易い難点がある。
【0005】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、金網溶接作業を高効率且
つ高精度で実現できる金網保持装置を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1では、引込みクレーン等の運搬機械の可動
部先端に取り付けて使用される金網保持装置を、軸受を
内蔵した取付ベースと、取付ベースの軸受に回動自在に
軸支され両端を取付ベースから突出するシャフトと、シ
ャフトの一端側に設けられたハンドルと、シャフトを回
動位置で停止する停止手段と、シャフトの他端側に直交
配置された支承板と、金網を支承板に沿う姿勢で保持す
る保持手段とから構成している。
【0007】請求項2では、請求項1の保持手段を、接
近動作により支承板との協働で金網の一端部を挟持可能
な第1挟持部材と、第1挟持部材を直線駆動する駆動手
段と、支承板との協働で金網の他端部を挟持するバネ性
の第2挟持部材とから構成している。
【0008】請求項3では、請求項1の保持手段を、支
承板に間隔をおいて配置され閉動作により金網を把持可
能な複数の2爪チャックと、各チャックを同期して開閉
駆動する駆動手段とから構成している。
【0009】請求項4では、請求項1の保持手段を、支
承板に間隔をおいて配置され所定方向の回動により該支
承板との協働で金網を挟持可能な複数の係止レバーと、
各係止レバーを同期して回転駆動する駆動手段とから構
成している。
【0010】請求項5では、請求項1の保持手段を、支
承板に設けられ金網を吸着可能な磁石から構成してい
る。
【0011】
【作用】請求項1乃至5の金網保持装置は、引込みクレ
ーン等の運搬機械の可動部先端に取付ベースを固着して
取り付けられる。この金網保持装置は、シャフトに設け
られた保持手段により金網を支承板に沿って保持するこ
とが可能であり、ハンドル操作により金網をシャフトを
中心として回動させ、またシャフト停止手段によって金
網を所定の回動位置に停止することができる。
【0012】請求項2の金網保持装置では、第1挟持部
材と支承板との間に金網端部の主筋等を挿入した後に駆
動手段によって第1挟持部材を支承板に接近させ、また
バネ性の第2挟持部材と支承板との間に金網他端部の主
筋等を挿入すれば、両支持部材と支承板で金網が挟み込
まれ、該金網が支承板に沿って保持される。
【0013】請求項3の金網保持装置では、開放状態に
ある2爪チャック内に金網の主筋等を挿入した後に駆動
手段によって2爪チャックを閉鎖すれば、該2爪チャッ
クに金網が把持され、該金網が支承板に沿って保持され
る。
【0014】請求項4の金網保持装置では、開放状態に
ある係止レバーの内側に金網の主筋等を挿入した後に駆
動手段によって係止レバーを閉鎖方向に回動すれば、該
係止レバーと支承板で金網が挟み込まれ、該金網が支承
板に沿って保持される。
【0015】請求項5記載の金網保持装置では、磁石に
よって金網の主筋等を吸着すれば、該金網を支承板に沿
って保持される。
【0016】
【実施例】図1乃至図6は本発明の一実施例を示すもの
で、図1は金網保持装置が装着された引込みクレーンの
側面図、図2は金網保持装置の斜視図、図3は補助金網
の斜視図、図4は金網保持操作を示す図、図5はシャフ
ト停止操作を示す図、図6は溶接作業の説明図である。
【0017】本実施例の金網保持装置1は図3に示す金
網、つまり主筋Za及び配力筋Zbを格子状に溶接して
形成された補助金網Zを保持対象とするもので、図1に
示す引込みクレーン(lebel luffing c
rane)Cの可動部先端に取り付けて使用される。
【0018】引込みクレーンCは従来周知のダブルリン
ク式のもので、可動ベッドC1と、可動ベッドC1上に
立設された支柱C2と、支柱C2上端に配置された旋回
フレームC3と、旋回フレームC3に取り付けられたリ
ンク機構C4と、リンク機構C4の後部に設けられたバ
ランスウェイトC5と、リンク機構C4の先端に設けら
れた旋回テーブルCを具備している。この引込みクレ
ーンCはリンク機構C4を微小な外力で変位させて旋回
テーブルCを水平に移動することができ、全ての移動
位置で旋回テーブルCを水平回動できる。金網保持装
置1が取り付けられる引込みクレーンCは図示のダブル
リンク式に限らず、同機能を有するスイングレバー式や
ロープバランス式のものであってもよい。
【0019】金網保持装置1は図1及び図2に示すよう
に、取付ベース2,シャフト3,ハンドル4,シャフト
ロック機構5,1対の支承板6,金網保持機構7及び挟
持片8とから成り、取付ベース2を引込みクレーンCの
旋回テーブルC6にボルト等で固着される。
【0020】取付ベース2は上面4隅にボルト挿着孔2
aを有し、その内部に上面と平行に並ぶ複数のボール軸
受2bを有している。シャフト3は取付ベース2のボー
ル軸受2bに回動自在に軸支され、一端を短く他端を長
く取付ベース2から突出している。このシャフト3は取
付ベース2を旋回テーブルC6に取り付けた状態で水平
となり、旋回テーブルC6と共に水平回動する。ハンド
ル4はシャフト3を回動するためのものでシャフト3の
短突出端に固着されている。
【0021】シャフトロック機構5はシャフト3を所望
の回動位置で停止するためのもので、取付ベース2の側
面に固着されたブラケット5aと、ブラケット5a上に
略中間部を回動自在に軸支されたロックアーム5bと、
ロックアーム5bの一端に設けられたコ字形のロック爪
5cと、一端をロックアーム5bの他端に回動自在に連
結されブラケット5a上のガイドブッシュ5dによって
直線案内される作動ロッド5eと、作動ロッド5eの他
端に設けられた円弧状のロックレバー5fと、シャフト
3に嵌着された歯車5gとから構成されている。
【0022】このシャフトロック機構5は図5に示すよ
うに、ロックレバー5fをハンドル4側に引き寄せるこ
とで、ロックアーム5bを図中反時計回り方向に回動さ
せてその先端のロック爪5cを歯車5gに歯合させ、シ
ャフト3を該歯合位置で固定することができる。勿論、
ロックレバー5fを押し込んで復帰させれば、ロック爪
5cを歯車5gから離反させてシャフト3の回動を許容
できる。
【0023】両支承板6は同一形状の横長平板状を成
し、下部中央に連設された取付台6aをシャフト3に嵌
合され、シャフト3と直交する方向で且つ互いが平行に
なるように配置されている。取付ベース2寄りの取付台
6a(支承板6)はシャフト3に固定されているが、前
方の取付台6a(支承板6)は図示省略のキー溝構造に
より平行状態を維持したまま摺動可能であり、保持対象
となる補助金網Zの長さに応じてその位置を調整するこ
とができる。
【0024】金網保持機構7は取付ベース2寄りの支承
板6との協働で補助金網Zの端部を挟持するためのもの
で、取付台6a内のガイドブッシュ6bに直線案内され
る1対の昇降ロッド7aと、昇降ロッド7aの上端に固
着された横長のスライダ7bと、スライダ7bの前面両
端にシャフト3と平行に突設された1対の挟持アーム7
cと、取付台6a及びシャフト3に貫通して螺合され一
端をスライダ7bに回動自在に連結された作動ロッド7
dと、作動ロッド7dの他端に設けられた挟持ハンドル
7eとから構成されている。
【0025】この金網保持機構7は図4に示すように、
挟持ハンドル7eの正逆回動によって作動ロッド7d及
びスライダ7bを昇降させ、これにより挟持アーム7c
を支承板6から離反・接近させることができる。つま
り、離反状態にある挟持アーム7cと支承板6との間に
金網Zの端部を挿入し、挟持ハンドル7eを回して挟持
アーム7cを支承板6に接近させれば、該挟持アーム7
cと支承板6とで端部位置の主筋Zaを挟持することが
できる。
【0026】挟持片8は図4に示すように前方の支承板
6との協働で金網Zの反側の端部を挟持するためのも
ので、バネ性を有するL字形部材から成り、下部に連設
された取付筒8aをシャフト3に嵌合されている。図示
を省略したが取付筒8aはキー溝構造により摺動可能
で、挟持片8は図示の姿勢を維持したままシャフト3に
沿って移動できる。
【0027】以下に、暗渠ブロック用の角筒状金網本体
Kに補助金網Zを溶接する場合を例に挙げ、上述の金網
保持装置1による金網溶接作業について説明する。
【0028】まず、ロックレバー5fをハンドル4側に
引き寄せて支承板6が水平となる位置でシャフト3を固
定し、引込みクレーンCのリンク機構C4を変位させて
金網保持装置1を補助金網Zの積載場所、或いは補助金
網搬送用のベルトコンベア(図示省略)の近傍に移動さ
せる。次に、補助金網Zを両支承板6上に乗せ、端部位
置の主筋Zaを挟持アーム7cと支承板6の間に挿入す
る。そして、挟持ハンドル7eを回動して挟持アーム7
cを支承板6に接近させ、該挟持アーム7cと支承板6
で主筋Zaを挟持する。続いて、取付筒8aを移動して
補助金網Zの反対側端部位置の主筋Zaに挟持片8を係
合させ、該挟持片8と支承板6で主筋Zaを挟持する。
これにより補助金網Zが両支承板6に沿ってシャフト3
と平行な姿勢で保持される。
【0029】次に、金網保持後の金網保持装置1を金網
本体Kの開口近傍に移動し、ロックレバー5fを押し込
んでロックを解除してからハンドル4を操作して補助金
網Zを約45°斜向させ、図6に示すように同状態のま
ま補助金網Zを金網本体K内に挿入する。挿入後は図中
2点鎖線で示すように補助金網Zの主筋Zaの一端を金
網本体Kに差し込み、補助金網Zを水平戻しながら他
端を金網本体Kに差し込み、該補助金網Zを金網本体K
の内側上面と平行に向き合わせる。そしてロックレバー
5fをハンドル4側に引き込んでロック爪5cを歯車
に歯合させ、シャフト3を固定、つまり補助金網Zを
金網本体Kの内側上面と平行に向き合った水平状態で固
定する。
【0030】次に、補助金網Zと金網本体Kが交差する
部分を溶接する。溶接後は挟持ハンドル7eを逆方向に
回動して挟持アーム7cによる挟持を解除し、また取付
筒8aを移動して挟持片8による挟持を解除する。
【0031】次に、金網保持装置1を金網本体Kから抜
き出し、該装置1を補助金網Zの搭載位置に復帰させ
る。これ以降は上記と同手順で補助金網Zの保持,搬
送,挿入及び溶接を行い、補助金網Zを金網本体Kの他
の三面に夫々溶接する。
【0032】このように、上述の金網保持装置1を利用
すれば補助金網Zの挿入,位置合わせ及び姿勢維持に係
わる作業負担を大幅に軽減して、補助金網Zの溶接を短
時間で且つ高精度に実施でき、また溶接に係わる一連の
作業を1人で行うことも可能で省力化に大きく貢献でき
る。
【0033】図7及び図8はシャフトロック機構の他の
実施例を示すもので、図7は金網保持装置の要部上面
図、図8は図7のA−A線断面図である。
【0034】同図に示したシャフトロック機構15は、
ハンドル4の背面側に設けられたブラケット15と、
ブラケット15に略中間部を回動自在に軸支されたロ
ックレバー15と、ロックレバー15bを図中時計回
り方向に付勢する巻きバネ15cと、ロックレバー15
bの端部に回動自在に軸支された円弧状のブレーキ板1
5dと、ブレーキ板15dの内側に固着されたブレーキ
シュー15eと、シャフト3に嵌合され且つ取付ベース
2に固着されたブレーキドラム15fとから構成されて
いる。
【0035】このシャフトロック機構15では、巻きバ
ネ15cの付勢力によりブレーキシュー15eをブレー
キドラム15fに押し付けて、シャフト3を同位置で固
定することができる。一方、ロックレバー15をハン
ドル4側に引き込みロックレバー15bを図中反時計回
り方向に回動させれば、ブレーキシュー15eをブレー
キドラム15fから離反してシャフト3の回動を許容で
きる。尚、上記のブレーキドラム15fを円板状に形成
し該ドラム板をブレーキシューで挟み込むような構造を
採用しても同様のロック機能が得られる。
【0036】図9及び図10はシャフトロック機構の他
の実施例を示すもので、図9は金網保持装置の要部縦断
図、図10は図9のB−B線断面図である。
【0037】同図に示したシャフトロック機構25は、
取付ベース2の前面に固着された円筒状のボールガイド
25aと、ボールガイド25aの前面に180°対向し
て穿設された2つのボール支持孔25bと、各支持孔2
5b夫々にコイルバネ25cを介して挿入配置されたボ
ール25dと、ボール径よりも小さな孔25eを周方向
に有しシャフト3に固着されたロック板25fとから構
成されている。上記孔25eはロック板25fの周方向
に計9個設けられており、夫々の角度間隔θ1〜θ9は
順に45°,45°,45°,45°,22.5°,4
5°,45°,45°,22.5°である。
【0038】このシャフトロック機構25では、ボール
抵抗に抗しハンドル4を回動操作することでシャフト3
を正逆回動させることが可能で、また少なくとも1方の
ボール25dが孔25eに嵌入したところでシャフト3
を固定することができる。孔25eの角度間隔θ1〜θ
9が上記値の場合はシャフト3を22.5°間隔で固定
することができる。尚、ロック板に設ける孔数を増やせ
ば、シャフトを上記よりも狭い角度間隔で固定すること
が可能である。また、ボールをシャフト側に埋設しボー
ル固定用の孔を取付ベースに固着された上記のボールガ
イド等に設けるようにしても同様の停止作用を得ること
ができる。
【0039】図11乃至図14は金網保持機構の他の実
施例を示すもので、図11は金網保持装置の斜視図、図
12は金網保持装置の要部側面図、図13は金網保持装
置の要部上面図、図14は金網保持操作を示す図であ
る。
【0040】同図に示した金網保持機構17は、各支承
板16の両端に立設されたブラケット17aと、各ブラ
ケット17aにその爪部を下方に突出して軸支された2
爪チャック17bと、2爪チャック17bの一方の操作
端に回動自在に連結されたワイヤ固定金具17cと、2
爪チャック17bの他方の操作端に回動自在に連結され
たケーブル支持金具17dと、シャフト3のハンドル近
傍に設けられたブラケット17eと、ブラケット17e
に回動自在に軸支された開放レバー17fと、一端部を
各ケーブル支持金具17dに支持され他端をブラケット
17eに支持された計4本のワイヤ内蔵ケーブルWと、
一端を各ワイヤ固定金具17cに固着され他端を一括し
て開放レバー17fに固着されたワイヤWaと、ワイヤ
固定金具17cとケーブル支持金具17dの間に配置さ
れたコイルスプリング17gとから構成されている。ケ
ーブル支持金具17dはワイヤ長さ調節ネジ17d1 と
そのロックナット17d2 を具備しており、調節ネジ1
7d1 によってチャック開閉位置の微調整を行えるよう
になっている。また、各ケーブルWはシャフト3内に挿
通され、シャフト3の所定位置に設けられた孔3aから
2爪チャック17b及び開放レバー17f夫々に向かっ
て引き出されている。更に、両支承板16は取付筒16
aをシャフト3にキー溝構造で嵌合しており、平行状態
を維持したまま摺動可能である。
【0041】この金網保持機構17では、コイルスプリ
ング17gの付勢力に抗して開放レバー17fをハンド
ル側に引く寄せることにより、全てのワイヤWaを同時
に引き込んで図14に示すように4個の2爪チャック1
7bを同期して開放することができる。つまり、開放状
態にある2爪チャック17b内に補助金網Zの主筋Za
を挿入した後に開放レバー17fから手を離して2爪チ
ャック17bを閉鎖させれば、該2爪チャック17bに
よって補助金網Zを把持して該補助金網Zを支承板16
に沿ってシャフト3と平行な姿勢で保持することができ
る。また、操作レバー17fを再びハンドル側に引き寄
せて2爪チャック17bを開放すれば上記の把持を解い
て補助金網Zを解放することができる。尚、補助金網が
大きい場合には支承板上の2爪チャックの個数を増加し
てもよい。また、開放レバー及びブラケットはハンドル
に配置してもよい。
【0042】図15乃至図18は金網保持機構の他の実
施例を示すもので、図15は金網保持装置の一部省略斜
視図、図16は金網保持機構の要部分解斜視図、図17
は金網保持機構の要部断面図、図18は金網保持操作を
示す図である。
【0043】同図に示した金網保持機構27は、シャフ
ト3に直交して固着された各支承板26の一側縁に間隔
をおいて設けられたブッシュ27aと、各支承板26
ブッシュ27aに支承板26と平行に且つ回動自在に軸
支された作動ロッド27bと、各作動ロッド27bの両
端に固着されたフック状の係止レバー27cと、各作動
ロッド27bの中央に設けられた長孔付きの作動レバー
27dと、シャフト3内に摺動自在に挿通された駆動ロ
ッド27eと、駆動ロッド27eに間隔をおいて突設さ
れ作動レバー27dの長孔夫々に摺動自在に嵌合した駆
動ピン27fと、駆動ロッド27eをシャフト3内で前
方に付勢するコイルスプリング27gと、ハンドル4の
中央部内に配置されそのロッドを駆動ロッド27eに連
結された短ストロークのエアシリンダ27hと、電磁弁
27i及びスイーベル継手27jを介してエアシリンダ
27hに駆動エアを供給するエアホースHと、電磁弁用
のON・OFFスイッチ27kとから構成されている。
作動レバー27dの上部はシャフト3の支承板近傍に設
けられた長孔3bを通じてシャフト3内に入り込んでお
り、その長孔に駆動ピン27fを嵌合されナット27f
1 によって抜け落ちを防止されている。また、エアホー
スHにはエアコンプレッサ等のエア供給源が接続されて
いる。
【0044】この金網保持機構27では、エアシリンダ
27hを作動し駆動ロッド27eをコイルスプリング2
7gの付勢力に抗してハンドル4側に引き寄せることに
より、作動レバー27dを傾動して作動ロッド27bを
図中時計回り方向に回動させ、図18に示すように係止
レバー27cを支承板26に接近させることができる。
つまり、開放状態にある係止レバー27cの内側に補助
金網Zの主筋Zaを挿入した後にエアシリンダ27hを
作動させれば、該係止レバー27cと支承板26で主筋
Zaを挟持して補助金網Zを支承板26に沿ってシャフ
ト3と平行な姿勢で保持することができる。また、エア
シリンダ27hの作動を停止させ、駆動ロッド27eを
コイルスプリング27gの付勢力で復帰させて係止レバ
ー27cを支承板26から離反すれば上記の挟持を解い
て補助金網Zを解放することができる。尚、補助金網が
大きい場合には支承板上の係止レバーの個数を増加して
もよい。また、エアシリンダ作動用の電磁弁は手動で開
閉可能な手動弁であってもよい。
【0045】図19及び図20は金網保持機構の他の実
施例を示すもので、図19は金網保持装置の要部斜視
図、図20は金網保持装置の要部断面図である。
【0046】同図に示した金網保持機構37は、各支承
板36の下側に架設された断面矩形状のバー37aと、
下面中央部が窪んだコ字形を成し両端にN・S極を有す
る複数の永久磁石37bとから構成されている。各永久
磁石37bはバー37aよりも大形の貫通孔37b1 を
横向きに有しており、夫々の貫通孔37b1 をバー37
aに遊嵌され同一極が向き合うようにシャフト直交方向
に一列に並べられている。また、各永久磁石37bは両
下端中央に補助金網Zの主筋Zaと同一もしくはそれよ
りも曲率の大きな凹部37b2 を有している。更に、両
支承板36は取付筒36aをシャフト3にキー溝構造で
嵌合しており、平行状態を維持したまま摺動可能であ
る。
【0047】この金網保持装置37では、支承板36
下側に並設された永久磁石37bの凹部37b2 で補助
金網Zの主筋Zaを吸着し、該補助金網Zを支承板36
に沿ってシャフト3と平行な姿勢で保持することができ
る。また、吸着状態で永久磁石37bを補助金網Zから
強制的に離反させれば上記の吸着を解いて補助金網Zを
解放することができる。尚、上記の永久磁石は電磁石で
代用してもよく、該電磁石への給電を制御すれば吸着及
び解放を容易に行える。
【0048】図15乃至図18に示した金網保持機構2
7では駆動源としてエアシリンダ27hを使用した例を
示したが、該エアシリンダは油圧シリンダや他のアクチ
ュエータであってもよく、また他に例示した手動式の金
網保持機構の操作レバーをエアシリンダ等で構成しても
よい。
【0049】また、暗渠ブロック用の角筒状金網本体に
補助金網を溶接する場合をもって説明したが、U字溝ブ
ロック,擁壁ブロック等の他のコンクリートブロックに
使用される金網本体に補助金網の溶接する場合でも同様
の作用,効果を得ることができる。
【0050】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1乃至5の
金網保持装置を利用すれば金網の挿入,位置合わせ及び
姿勢維持に係わる作業負担を大幅に軽減して、金網の溶
接を短時間で且つ高精度に実施でき、また溶接に係わる
一連の作業を1人で行うことも可能で省力化に大きく貢
献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明適用の金網保持装置が装着された引込み
クレーンの側面図
【図2】金網保持装置の斜視図
【図3】補助金網の斜視図
【図4】金網保持操作を示す図
【図5】シャフト停止操作を示す図
【図6】溶接作業の説明図
【図7】シャフトロック機構の他の実施例を示す金網保
持装置の要部上面図
【図8】図7のA−A線断面図
【図9】シャフトロック機構の他の実施例を示す金網保
持装置の要部縦断面
【図10】図9のB−B線断面図
【図11】金網保持機構の他の実施例を示す金網保持装
置の斜視図
【図12】金網保持装置の要部側面図
【図13】金網保持装置の要部上面図
【図14】金網保持操作を示す図
【図15】金網保持機構の他の実施例を示す金網保持装
置の一無省略斜視図
【図16】金網保持機構の要部分解斜視図
【図17】金網保持機構の要部断面図
【図18】金網保持操作を示す図
【図19】金網保持機構の他の実施例を示す金網保持装
置の要部斜視図
【図20】金網保持装置の要部断面図
【符号の説明】
C…引込みクレーン、C6…旋回テーブル、1…金網保
持装置、2…取付ベース、3…シャフト、4…ハンド
ル、5…シャフトロック機構、6…支承板、7…金網保
持機構、7c…挟持アーム、7d…作動ロッド、7e…
挟持ハンドル、8…挟持片、15,25…シャフトロッ
ク機構、16…支承板、17…金網保持機構、17b…
2爪チャック、17f…開放レバー、W…ケーブル、W
a…ワイヤ、26…支承板、27…金網保持機構、27
b…作動ロッド、27c…係止レバー、27d…作動レ
バー、27e…駆動ロッド、27f…駆動ピン、27h
…エアシリンダ、36…支承板、37…金網保持機構、
37a…バー、37b…永久磁石。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引込みクレーン等の運搬機械の可動部先
    端に取り付けて使用される金網保持装置であって、 軸受を内蔵した取付ベースと、 取付ベースの軸受に回動自在に軸支され両端を取付ベー
    スから突出するシャフトと、 シャフトの一端側に設けられたハンドルと、 シャフトを回動位置で停止する停止手段と、 シャフトの他端側に直交配置された支承板と、 金網を支承板に沿う姿勢で保持する保持手段とを具備し
    た、 ことを特徴とする金網保持装置。
  2. 【請求項2】 上記保持手段が、接近動作により支承板
    との協働で金網の一端部を挟持可能な第1挟持部材と、
    第1挟持部材を直線駆動する駆動手段と、支承板との協
    働で金網の他端部を挟持するバネ性の第2挟持部材とか
    ら成る、 ことを特長とする請求項1記載の金網保持装置。
  3. 【請求項3】 上記保持手段が、支承板に間隔をおいて
    配置され閉動作により金網を把持可能な複数の2爪チャ
    ックと、各チャックを同期して開閉駆動する駆動手段と
    から成る、 ことを特長とする請求項1記載の金網保持装置。
  4. 【請求項4】 上記保持手段が、支承板に間隔をおいて
    配置され所定方向の回動により該支承板との協働で金網
    を挟持可能な複数の係止レバーと、各係止レバーを同期
    して回転駆動する駆動手段とから成る、 ことを特長とする請求項1記載の金網保持装置。
  5. 【請求項5】 上記保持手段が、支承板に設けられ金網
    を吸着可能な磁石から成る、 ことを特長とする請求項1記載の金網保持装置。
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