JPH0222179Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 本考案は、ワークを自動的に反転するワーク反
転装置に関するものである。

＜従来の技術＞ 自動車のボデーに組付けられる部品のスプリン
グサポートにはシーラを貼付する作業を行つてい
る。このシーラ貼付作業は第６図で示すように、
取り出し台１に吊り下げられたワークＷを１個づ
つ取り出し、シーラを貼付する面が上向きとなる
よう反転してセツト台２の治具３にセツトしてい
る。

＜考案が解決しようとする問題点＞ 上記取り出し台１からワークＷを取り出し、反
転してセツト台２の治具３へセツトする作業は、
従来では全て作業員による手作業で行つている。
従つて、作業員はワークＷの取り出し、反転、セ
ツト台２へのセツトの他にシーラ貼布を行う多く
の作業を必要としている。

＜問題点を解決するための手段＞ 本考案は、上記従来の問題点に鑑み、ワークの
取り出し、反転、セツトを自動化したものであ
り、その構成は、昇降用シリンダ並びに進退用シ
リンダで昇降動並びに水平移動するフレームに回
転プレートを水平軸線回りに反転可能に枢支し、
この回転プレートの一端にはワークを位置決め支
持するワーク支持部を備え、他端には両端にウエ
イトを取り付けたアームを長穴によつて重心位置
を変更並びに回転可能に軸支し、前記フレームに
は、その一側方に前記回転プレートの回転戻り端
で水平方向に位置決め規制する固定ストツパと、
他側方に回転プレートの回転中心線を挟んで前記
固定ストツパとは反対位置で前記回転戻り端に規
制されている回転プレートの反転を規制し、かつ
許容する可動ストツパとを設け、前記回転プレー
トには前記アームの重量を回転プレートのワーク
支持部側に付与する傾倒姿勢で保持させるアーム
ストツパを有し、ワークの反転セツト台上にはフ
レームの水平移動並びに上昇動により回転プレー
トを反転位置より反転戻り端に反転戻しを行うた
めのカムプレートを備え、フレームに前記カムプ
レートで案内される反転戻しローラを設けたもの
である。

＜作用＞ 本考案は、回転プレートの一端のワーク支持部
によりワークを取り出し支持させ、ワーク並びに
アームのウエイトの重量によつて回転プレートを
反転し、セツト台へ自動的にセツトするものであ
る。また反転した回転プレートは、原位置戻しの
フレームの水平移動並びに上昇動に基づいてセツ
ト台に設置したカムプレートにより反転戻しを自
動的に行うものである。

＜実施例＞ 以下本考案の実施例を第１図乃至第５図に基づ
いて説明する。第１図において、１は多数のワー
クＷが吊り下げられている取り出し台、２は反転
したワークＷがセツトされるセツト台、３は治具
である。４は本考案による反転装置である。この
反転装置４は、前記取り出し台１とセツト台２と
の間を往復移動し、かつ昇降動並びに水平移動さ
れる。その構成は、天井に配置されたガイドレー
ル５に走行用シリンダ７によつて作動される移動
体６が案内され、この移動体６に昇降用シリンダ
８が鉛直軸線方向に設けられている。昇降用シリ
ンダ８の下端には支持体２７が設けられ、この支
持体２７に反転装置４を構成するフレーム９が水
平方向に移動可能に支持され、支持体２７に進退
用シリンダ１０が固設され、この進退用シリンダ
１０にてフレーム９を水平方向に進退移動するよ
うにした構造である。

次に上記反転装置４の主要構造を第２図及び第
３図によつて説明する。前記フレーム９に回転プ
レート１１が回転軸１２を介して反転可能に枢支
されている。この回転プレート１１の一端にはワ
ークＷを位置決め支持するワーク支持部が備えら
れている。このワーク支持部は、位置決めピン１
３と電磁マグネツト１４によつて構成されてい
る。前記電磁マグネツト１４は、ワーク支持部に
支持されたワークＷを検出する近接スイツチ２６
により通電制御され磁力を発生してワークＷを吸
着するものである。

回転プレート１１の他端には、両端にウエイト
１６を取り付けたアーム１５が長穴１７によつて
重心位置を変更並びに回転可能に回転可能に軸１
８で支持している。

さらに、フレーム９には回転プレート１１の回
転戻り端で水平方向に位置決め規制するための固
定ストツパ１９が固設され、回転フレーム１１側
には前記固定ストツパ１９に当接する軸部材２０
が固着されている。尚、この軸部材２０の端部に
は後述するカムプレート２８のカム溝２９に案内
される反転戻しローラ２４が固設されている。

また、回転プレート１１のアーム１５側の他端
には当接部材２１が固定され、フレーム９には前
記当接部材２１に当接して回転プレート１１を反
転戻し端にてロツクし、反転ロツクシリンダ２３
による後退移動によりロツクを解除する可動スト
ツパ２２が設けられている。

さらに、回転プレート１１にはアーム１５の重
量を回転プレート１１のワーク支持部材側に付与
するよう傾倒姿勢を保持させるアームストツパ２
５が固定されている。

また、セツト台２上には第１図及び第５図で示
すように回転プレート１１を反転位置より反転戻
り端に反転戻しを行わせるためのカムプレート２
８が固定されている。このカムプレート２８には
前記回転プレート１１に固設されている反転戻し
ローラ２９を案内するカム溝２９を備えている。

次に上記構成の動作について説明する。先ず反
転装置４の動きを第１図の矢印にて説明する。第
１図において反転装置４が左進して取り出し台１
よりワークＷを取り出す位置イを、とりあえず出
発点とすると、昇降用シリンダ８によつてロ点に
上昇動し、取り出し台１によりワークＷを引き上
げて取り出す。次いで、進退用シリンダ１０にて
ハ点に水平前進移動し、ハ点にて回転プレート１
１を反転し、セツト台２の方向へ走行用シリンダ
７によつて右進させる。セツト台２上の右進端ニ
で下降動し、下降端ホで反転したワークＷを治具
３にセツトする。その後、水平後退移動させ、水
平後退移動端へより上昇端トへ上昇し、さらに水
平前進端ニへ移動する。このヘ〜ト〜ニの移動過
程で回転プレート１１の反転戻しの作動が行われ
る。前記水平前進端ニからハ点に左進し、チ点に
下降させ、再びイ点に戻してサイクルを完了する
ものである。

次に各部の動作を説明する。前記イ点において
は、回転プレート１１のワーク支持部にワークＷ
が位置決めピン１３にて位置決めされ、近接スイ
ツチ２６によるワークＷの検出で電磁マグネツト
１４が励磁されてワークＷを吸着支持する。この
とき、第４図Ａで示すように回転プレート１１は
当接部材２１が可動ストツパ２２に当接し、反転
ロツク状態となつている。

ハ点において、反転ロツクシリンダ２３により
可動ストツパ２２を後退させ、反転ロツクを解除
する。これにより、回転プレート１１はアーム１
５の重量とワークＷの重量とによつて回転軸１２
を支点にして第４図Ｂで示すように反転旋回を始
める。この回転プレート１１の反転旋回に伴いア
ーム１５は長穴１７を滑動して第４図Ｃ，Ｄで示
すように重心位置を変更し、回転プレート１１が
反転したときには第４図Ｅ，Ｆで示すようにアー
ム１５は鉛直状態の姿勢に回転し、回転プレート
１１は反転水平状態でバランスされる。

ホ点では、回転プレート１１端のワークＷをセ
ツト台２の治具３にセツトし、これをリミツトス
イツチ３０で確認して電磁マグネツト１４の励磁
を解除する。従つて、ヘ点に水平後退移動するこ
とによりワークＷはセツト台２上に残して移動す
る。この水平後退移動で反転戻しローラ２４がセ
ツト台２上のカムプレート２８のカム溝２９に案
内され、ト点〜ニ点に移動する間に回転プレート
１１は反転戻し動作を行い、固定ストツパ１９に
て反転戻し端を規制し、反転ロツクシリンダ２３
による可動ストツパ２２の前進で当接部材２１が
可動ストツパ２２に当接して反転ロツクを行う。
また、回転プレート１１の反転戻し時にアーム１
５は、第４図Ｆ〜Ａの逆の順序で回転し、当初の
傾倒姿勢に戻されるのである。

＜考案の効果＞ 以上のように本考案によると、ワークの引き出
し、反転、セツト台上へのセツトを全自動的に行
うため、作業者の手作業が大幅に省略され、作業
者はワークに対しシーラを貼付するだけに省力化
される。また、回転プレートの反転は、ウエイト
を持つたアームとワークとの重力にて反転し、反
転戻しはカムプレートによるものであるため、専
用の動力装置を不要としている利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の全体斜視図、第２図及び
第３図は本考案装置の主要部の斜視図、第４図は
反転動作の説明図、第５図は反転戻し動作の説明
図、第６図は従来の作業の説明図である。 ８……昇降用シリンダ、９……フレーム、１０
……進退用シリンダ、１１……回転プレート、１
３……位置決めピン、１４……電磁マグネツト、
１５……アーム、１６……ウエイト、１７……長
穴、１９……固定ストツパ、２２……可動ストツ
パ、２４……反転戻しローラ、２５……アームス
トツパ、２８……カムプレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 昇降用シリンダ並びに進退用シリンダで昇降動
   並びに水平移動するフレームに回転プレートを水
   平軸線回りに反転可能に枢支し、この回転プレー
   トの一端にはワークを位置決す支持するワーク支
   持部を備え、他端には両端にウエイトを取り付け
   たアームを長穴によつて重心位置を変更並びに回
   転可能に軸支し、前記フレームには、その一側方
   に前記回転プレートの回転戻り端で水平方向に位
   置決め規制する固定ストツパと、他側方に回転プ
   レートの回転中心線を挟んで前記固定ストツパと
   は反対位置で前記回転戻り端に規制されている回
   転プレートの反転を規制し、かつ許容する可動ス
   トツパとを設け、前記回転プレートには前記アー
   ムの重量を回転プレートのワーク支持部側に付与
   する傾倒姿勢で保持させるアームストツパを有
   し、ワークの反転セツト台上にはフレームの水平
   移動並びに上昇動により回転プレートを反転位置
   より反転戻り端に反転戻しを行うためのカムプレ
   ートを備え、フレームに前記カムプレートで案内
   される反転戻しローラを設けたことを特徴とする
   ワーク反転装置。