JP3129997B2 - 粉砕機 - Google Patents

粉砕機

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JP3129997B2
JP3129997B2 JP09187945A JP18794597A JP3129997B2 JP 3129997 B2 JP3129997 B2 JP 3129997B2 JP 09187945 A JP09187945 A JP 09187945A JP 18794597 A JP18794597 A JP 18794597A JP 3129997 B2 JP3129997 B2 JP 3129997B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原料粉体を粉砕す
る粉砕室内に、回転軸芯を中心に駆動回転可能な回転盤
と、当該回転盤と同軸芯状で、前記回転盤の外周部を取
り囲むライナとを有し、前記ライナとの間に隙間が存在
する状態に、前記回転盤の一方面の外周部に、多数の粉
砕刃を周方向に互いに間隔を設けて並設し、前記粉砕刃
と前記ライナとの隙間に、前記回転盤の他方面側から前
記一方面側に空気を通過させ、前記粉砕室内の原料粉体
を、前記隙間に供給すると共に、前記空気の通過方向と
同方向に誘導しつつ前記原料粉体を粉砕する粉砕機に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来の粉砕機においては、前記粉砕刃、
および、前記ライナの溝部は、前記回転軸芯の延出方向
と等しく上下方向に沿うように構成されていた。従来の
粉砕機においては、粉砕する原料粉体は、粉砕刃とライ
ナとの間を下方から上方に通過させ、両部材の間で衝突
を繰り返すことで粉砕する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、前記粉砕
刃と前記ライナとの間で、粉体が往来して粉砕のために
衝突する頻度が高いものとなる。その後、前記粉砕刃で
打撃粉砕され原料粉体は前記ライナの溝部に対して略垂
直に衝突することとなるが、原料粉体が比較的軟らかい
ものである場合には、粉体が前記溝部の表面に打ちつけ
られ、その衝撃で高温となって融着することがあった。
この結果、溝部の機能が損なわれるばかりでなく、溝部
が閉塞されて原料粉体の通過そのものが不可能になる場
合があった。また、前記溝部が閉塞されると、前記空気
の流れが阻害され、粉砕機内での空気の圧損が大きくな
って、ブロワの容量が小さい場合には、空気が停滞する
こととなる。このことは、前記粉砕刃および溝部の高温
化を促進させ、原料粉体がさらに融着し易い状態とな
る。さらに、原料粉体が溝部等に融着すると、前記回転
盤を回転させるための動力損失が大きくなることから、
駆動装置に余剰の駆動力を持たせる必要が生じる等の不
都合が生じていた。
【0004】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、粉砕刃とライナの溝部とにおいて原料粉体
が融着し難い粉砕機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成を、図1から図2に示した例を参考
に説明する。
【0006】(構成1) 本発明の粉砕機は、請求項1に記載したごとく、粉砕室
2内の原料粉体7を前記粉砕刃Aどうしの間を介して前
記隙間6に供給し、前記空気8の通過方向と同方向に誘
導する際に、前記原料粉体7および空気8を前記回転盤
3の回転方向下手側に誘導する複数の溝部5を、ライナ
4の内周面に形成した点に特徴を有する。 (作用・効果) 通常、原料粉体は、回転する粉砕刃によって回転盤の回
転平面内の外方に打ち出される。しかし、前記溝部は前
記回転方向下手側に傾斜しているから、溝部を形成する
衝突面に衝突した原料粉体は、入射方向に対して上方に
跳ね返る。このように、原料粉体の衝突方向と反撥方向
とが異なれば、前記原料粉体に加わる衝撃力が緩和さ
れ、衝撃に伴う発熱量も低減化される。即ち、原料粉体
を粉砕する衝撃力を原料粉体に与えながら、原料粉体が
前記衝突面で圧壊融着する頻度を減少させることができ
る。このため、前記溝部の目詰まりが抑制される。溝部
の目詰まりが抑制されると、回転盤を回転させるための
動力損失も低減する。このため、駆動装置に余剰の駆動
力を持たせておく必要がなく、粉砕機をコンパクトに構
成できるようになる。また、個々の溝部における空気の
流れに注目すると、溝部内の空気は、前記粉砕刃の回転
に伴い、粉砕刃によって絞り出されるように上方に移動
する。つまり、前記粉砕刃が空気を積極的に上方に流す
から、前記空気供給空間から供給される空気の流れが阻
害され難くなるのである。空気の円滑な流れが維持され
れば、前記粉砕刃およびライナの冷却効果が期待でき
る。このように、本構成の粉砕機は、特に、軟質で低融
点の原料粉体を微粉化する場合に、長時間に亘って安定
した粉砕機能を発揮するものである。
【0007】(構成2)本発明の粉砕機は、請求項2に
記載したごとく、前記複数の溝部5を、前記ライナ4の
下端面4bから上端面4aにかけて形成することができ
る。 (作用・効果)本構成のごとく、前記ライナの下端面か
ら上端面に亘って溝部を連通させることで、溝部の内部
空間を略直線状に形成することが可能となる。この結
果、粉砕刃とライナとの間に原料粉体等が流入する際の
抵抗を低減できると共に、粉砕刃およびライナ間からの
原料粉体等の排出を円滑に行わせることができるから、
溝部での原料粉体等の滞留を防止し、上記構成1の作用
効果をさらに向上させることができる。
【0008】(構成3)本発明の粉砕機は、請求項3に
記載したごとく、前記下端面4b及び前記上端面4aの
うち、前記原料粉体7および空気8が通過する下手側に
位置する端面の近傍における前記溝部5の深さd2およ
び幅w2を、前記溝部5の長手方向中央部における前記
溝部5の深さd1および幅w1よりも大きく構成するこ
とができる。 (作用・効果)本構成のごとく、溝部のうち原料粉体等
が排出される側の深さおよび幅を大きく構成すること
で、粉砕刃とライナとの間の原料粉体等が排出され易く
なり、原料粉体が、粉砕刃とライナとによって打撃され
る回数を若干減少させて原料粉体に与える衝撃力を緩和
する等、微粉化に伴う溝部への融着を抑制することがで
きる。
【0009】(構成4)本発明の粉砕機は、請求項4に
記載したごとく、回転盤3の回転軸芯Zの径方向Yから
前記ライナ4を見た場合の前記溝部5の傾斜角度βを1
0から60度に構成することができる。 (作用・効果)構成1で述べた、原料粉体を溝部等に融
着させることなく粉砕する効果と、溝部の内部を原料粉
体等が円滑に流れる効果とは、相反する関係にある。即
ち、溝部の傾斜が過大な場合、原料粉体に与える衝撃力
は低下するが、個々の溝部内部の空気を押し上げる効果
は増大して原料粉体等の流れは円滑になる。逆に、溝部
の傾斜を過少にすると、原料粉体に与える衝撃力は増大
するが、溝部内部の空気を押し上げる効果は低下して、
原料粉体等の流れが停滞する。ただし、溝部の適切な傾
斜角度は、粉砕する原料粉体の材料特性等によって多少
変動させる必要がある。本構成のごとく、傾斜角度を1
0から60度の範囲内で適宜選択することにより、各種
多様な原料粉体を微粉砕することができる。
【0010】(構成5)本発明の粉砕機は、請求項5に
記載したごとく、粉砕室2を有すると共に、当該粉砕室
2の内部に、粉砕が終了した粉体を取り出すための分級
ローター9を備えて構成することができる。 (作用・効果)本構成であれば、必要なサイズ等に粉砕
された粉体のみを取り出すことができる。本発明の粉砕
機では、ライナの溝部を傾斜させ、主に、原料粉体が当
該溝部に衝突する際の衝撃を緩和することで、溝部等へ
の粉体の融着を防止している。つまり、本発明の粉砕機
では、原料粉体が溝部を一回通過する際の粉砕効果を低
下させてあるから、原料粉体を所定のサイズにまで粉砕
するには、前記溝部を通過させる回数を増やす必要があ
る。本構成のごとく、分級ローターを備えておけば、未
粉砕の粉体を粉砕室の内部に留めておくことができ、必
然的に上記通過回数を増加させて、原料粉体を確実に粉
砕することができる。
【0011】尚、上記課題を解決するための手段の説明
中、図面を参照し、図面との対照を便利にするために符
号を記すが、当該記入により本発明が添付図面の構成に
限定されるものではない。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。
【0013】(概要)本発明の粉砕機は、図1に示すご
とく、ケーシング1の内部に粉砕室2を有し、当該粉砕
室2の下部に回転盤3を配して構成してある。当該回転
盤3は、前記粉砕室2の中心位置であって上下方向の回
転軸芯Zを中心に駆動回転可能である。当該回転盤3の
一方面3aの外周部には、当該外周部の周方向に沿って
複数の粉砕刃Aを設けてある。この場合の、前記一方面
3aは回転盤3の上面のことをいう。前記ケーシング1
の内周壁であって前記粉砕刃Aと対向する位置には、ラ
イナ4を設けてある。当該ライナ4の内面には複数の溝
部5を形成してある。当該ライナ4と前記粉砕刃Aとの
間には所定間隔の隙間6を設けてある。つまり、粉砕刃
Aとライナ4との間に対して原料粉体7と空気8とを流
通させ、粉砕刃Aとライナ4との間で原料粉体7の衝突
・反撥を繰り返して行わせることで超微粉体を製造する
のである。前記粉砕室2の中央には、微粉砕された微粉
体のみを分別排出するための分級ローター9を設けてあ
る。分級ローター9の内部は、粉砕室2の外部に別途設
けた捕集装置10及び吸引装置10aに接続してあり、
ローターブレード9aの間から粉砕室2内の空気8を吸
引する。吸引の程度あるいは分級ローター9の回転数等
を適宜調節することにより、所定の粒径以下の微粉体の
みを分別排出することができる。前記分級ローター9を
設けておけば、未粉砕の原料粉体7は、何度も前記粉砕
室2の内部を循環することとなり、原料粉体7を確実に
所定のサイズにまで粉砕することができる。
【0014】前記粉砕室2に対する原料粉体7と空気8
との供給は以下のように行う。原料粉体7は、ケーシン
グ1の周壁部のうち前記粉砕刃Aの上方位置に設けた原
料投入口11から投入する。投入はフィーダ等を用いて
行い、当該原料投入口11からは併せて空気8を供給す
る。原料粉体7は、この空気8に混入させつつ供給す
る。一方、前記回転盤3の下方側からも空気8を供給す
る。前記回転盤3の下方空間には、ドーナッツ状の空気
供給空間12を設けてある。当該空気供給空間12を形
成するケーシング1の周壁部には空気供給口13を設け
てあり、この空気供給口13により所定量の空気8を供
給する。当該空気8は、例えばフィルタFで不純物等を
除去し、ブロワ14を用いて供給する。当該空気8は、
前記空気供給空間12に供給する直前に冷却装置Cで所
定の温度に冷却する。前記空気供給空間12に供給され
た空気8は、前記回転盤3の他方面3bに沿って回転盤
3の外周方向に流通し、粉砕刃Aとライナ4との間の隙
間6を下方から上方に通過して粉砕室2の内部に至る。
この場合の前記他方面3bは、前記回転盤3の下面をい
う。尚、空気供給口13に供給する空気8は、適宜、所
定の温度に冷却する。これにより、粉砕刃Aとライナ4
とで粉砕される原料粉体7からの発熱を吸収し、粉砕刃
Aとライナ4との昇温を抑制する。この結果、粉砕刃A
等での原料粉体7の融着を阻止することができる。勿
論、投入する原料粉体7そのものを冷却しておいてもよ
い。
【0015】(粉砕刃)前記回転盤3の外周部に、周方
向Xに等間隔をあけた状態で設けた粉砕刃Aは、図2に
示すごとく、下側粉砕刃A1と上側粉砕刃A2とからな
る。
【0016】〈下側粉砕刃〉下側粉砕刃A1は、図2に
示すごとく、環状の下側粉砕刃本体15と、環状の天板
16とからなる。下側粉砕刃本体15の外周部には下側
粉砕刃片15aを多数形成してある。個々の下側粉砕刃
片15aは略矩形状の板部材であり、その板状面が前記
回転盤3の回転軸芯Zを含む平面内に位置する状態に立
設してある。当該下側粉砕刃片15aどうしの隙間は、
この隙間を原料粉体7および循環する空気8が円滑に通
過することができるように、回転軸芯Zと同方向視(以
下、「平面方向視」と称する)において略平行とする。
つまり、一枚の下側粉砕刃片15aの厚みは回転軸芯Z
の側ほど薄く形成してある。前記下側粉砕刃片15aの
上端に取付けた円環状の天板16は、隣接する二枚の下
側粉砕刃片15aとの間にトンネル状の空間を形成し、
後述するごとく、原料粉体7および空気8を前記粉砕刃
Aと前記ライナ4との間に誘導する。
【0017】〈上側粉砕刃〉前記天板16の上面16a
には、図2に示した形状の上側粉砕刃A2を取り付け
る。この上側粉砕刃A2は、上側粉砕刃本体17と上側
粉砕刃片17aとからなる。上側粉砕刃片17aは、上
側粉砕刃本体17の外周部に対し、周方向Xに沿って複
数設ける。上側粉砕刃片17aの枚数は、原則として前
記下側粉砕刃片15aの枚数と同じか、あるいは、下側
粉砕刃片15aよりも多くする。この上側粉砕刃A2を
下側粉砕刃A1に対して重ね合わせ、ネジ等を用いて上
側粉砕刃A2と下側粉砕刃A1とを接続する。
【0018】(ライナの溝部)前記ライナ4の平面方向
視における断面形状は、図2および図3に示すごとく、
その内面に台形状の凸部を多数有する状態に構成してあ
る。このため、回転軸芯Zの径方向Yからライナ4の内
面を見た場合には、複数の溝部5が見えることとなる。
この溝部5は、原料粉体7が、前記粉砕刃Aと前記ライ
ナ4との隙間6を通過する際に、前記原料粉体7を衝突
粉砕するための衝突面として機能すると共に、原料粉体
7が前記隙間6を通過する際の誘導部として機能する。
つまり、前記隙間6に供給された原料粉体7は、前記溝
部5を構成する各面の間で反射衝突を繰り返しながら、
前記隙間6を通過するのである。
【0019】図3に示すごとく、一つの前記溝部5は、
例えば、第1面F1と、第2面F2、第3面F3とで構
成される。平面方向視において、第1面F1は回転軸芯
Zの径方向Yに対して回転盤3の回転方向上手側に所定
の角度だけ傾斜している。第2面F2は、溝部5の奥部
から前記第1面F1に対して回転盤3の回転方向下手側
に所定の角度αだけ傾斜している。本構成であれば、粉
砕刃Aで打撃された原料粉体7が、平面方向視において
直角に近い角度で衝突することになるから、高い粉砕効
果を得ることができる。また、前記第2面F2で衝突反
撥した原料粉体7の一部は、引き続いて第1面F1に衝
突するからさらに高い粉砕効果を発揮させることができ
る。前記第1面F1と前記第2面F2とが交わる部分、
即ち、溝部5の底部は、図3に示すごとく曲面状に構成
してある。本構成により、当該底部の表面に沿った空気
の流れを形成することができて、当該底部での粉体の滞
留あるいは堆積を防止することができる。前記第1面F
1と前記第2面F2とが交わる部分のうち、前記ライナ
4の内周側の位置においては、第3面F3を構成してあ
る。当該第3面F3は、例えば、前記回転軸芯Zを中心
とした略円筒面として構成する。当該第3面F3を設け
ることで、使用に伴う粉砕機の能力変動が少なくなる。
即ち、仮に、前記第1面F1と第2面F2との交わり部
分がエッジ状に構成されている場合には、当該エッジ部
は長時間の使用の結果、原料粉体7の衝突によって磨耗
する。この結果、ライナ4の内径が拡大して、粉砕刃A
とライナ4との隙間6が拡大してしまうのである。しか
し、前述のごとく、当初より第3面F3を形成しておけ
ば、前記隙間6の拡大が抑制され、粉砕機の粉砕能力を
長期に亘って一定に維持することができる。
【0020】図4に示すごとく、本発明に係る溝部5
は、原料粉体7および空気8の通過する方向に沿って、
回転盤3の回転方向下手側に傾斜させてある。即ち、回
転軸芯Zの径方向Yから前記溝部5を見た場合に、回転
軸芯Zと溝部とは所定角度βだけ傾斜させてある。本構
成であれば、前記隙間6を通過する原料粉体7は、回転
盤3と同じ方向に螺旋運動しながら上方に吹き上げられ
ることになる。尚、溝部5の上下方向の長さは、前記粉
砕刃Aの上下方向の長さよりも長く形成しておき、前記
粉砕刃Aの下端側よりも下方側から、前記粉砕刃Aの上
端側よりも上方側にかけて位置するように配置する。本
構成であれば、前記粉砕刃Aの全長を有効に利用するこ
とができる。さらに、前記溝部5は、前記ライナ4の上
端面から下端面にかけて、前記ライナ4の高さ方向の全
幅に亘って設ける。本構成であれば、後述するごとく、
当該溝部5を流れる原料粉体7および空気8の流れる方
向を変化させることがなく、原料粉体7および空気8が
円滑に溝部5を通過することとなる。
【0021】(その他の構成)図1に示すごとく、前記
粉砕室2の外周部分には冷却用の水冷ジャケット18を
設けてある。これにより、粉砕室2の内部およびライナ
4を冷却して、原料粉体7の粉砕によって発生する熱を
吸収するから、原料粉体7が溝部5に融着するのをより
効果的に抑制することができる。前記回転盤3は、粉砕
機の下方に設けたプーリ19を介して図示省略の駆動装
置により駆動回転させる。一方、前記分級ローター9
は、粉砕機の上方に設けたプーリ20を介し、図示省略
の駆動装置により駆動回転する。分級ローター9とケー
シング1との間にはエアーシール21を設けてある。当
該エアーシール21により、未粉砕の原料粉体が、ケー
シング1と分級ローター9との隙間から分級排出経路側
に流入するのを防止する。
【0022】(原料粉体・空気の循環および原料粉体の
粉砕)前記粉砕室2の内部において、空気8は粉砕室2
の周壁部1aの内面に沿って上昇し、天井部1b、粉砕
室2の中央に設けた分級ローター9の外周部を介して再
び回転盤3の上面3a近傍に下降する。回転盤3の上面
3a近傍にまで降下した空気8および原料粉体7は、回
転盤3の上面3aに沿って回転盤3の外周側に循環し、
前記下側粉砕刃片15aの間を通過して、前記粉砕刃A
と前記ライナ4との隙間6に供給される。この結果、前
記粉砕刃Aと前記ライナ4との間で衝突粉砕が行われ
る。原料粉体7等を前記粉砕刃Aと前記ライナ4との間
に供給する際には、前記天板16が有効に機能する。即
ち、前記下側粉砕刃A1の外周部分において、隣接する
下側粉砕刃片15aと天板16とによってトンネルが形
成されるから、当該空間に循環してきた原料粉体7と空
気8とが確実に前記隙間6に誘導されるのである。
【0023】前記隙間6に対しては、前記空気供給空間
12から空気8が吹き上げ供給されており、隙間6に誘
導された原料粉体7は、当該下方からの空気8によって
上方に誘導される。原料粉体7は、螺旋上昇する際に、
対向する第1面F1および第2面F2の間で何度も反射
往復して粉砕されるが、前記溝部5が前記回転方向下手
側に傾斜している結果、前記第1面F1および第2面F
2に衝突した原料粉体7は、入射方向に対して上方に跳
ね返る。このように、原料粉体7の衝突方向と反撥方向
とが異なれば、前記原料粉体7に加わる衝撃力が緩和さ
れる。即ち、原料粉体7を完全に圧壊させない程度であ
りながら、原料粉体7を確実に粉砕できる衝撃力を発生
させるのである。この結果、原料粉体7が、前記第1面
F1および第2面F2において過度の衝撃によって圧壊
する頻度が減少し、当該圧壊に伴う発熱も低下する。よ
って、前記第1面F1および第2面F2への原料粉体7
の融着が防止され、前記溝部5の目詰まりを抑制するこ
とができる。
【0024】また、前記溝部5を螺旋状に形成すること
で次のような効果も期待できる。即ち、個々の溝部5に
おける空気8の流れに注目すると、当該空気8は、前記
粉砕刃Aの回転に伴い、粉砕刃Aによって絞り出される
ように上方に移動する。このように、前記粉砕刃Aが空
気8を積極的に上方に流す結果、前記空気供給空間12
から供給される空気8の流れが阻害され難くなる。
【0025】さらに、空気8の流れを阻害しないという
点に関しては、次の構成も有効に寄与していると考えら
れる。即ち、本発明の溝部5は、溝部5の内部の空間を
できるだけ直線状に延出させるよう、ライナ4の下端面
4bから上端面4aまで、ライナ4の高さ方向の全幅に
亘って形成してある。本構成であれば、粉砕刃Aとライ
ナ4との間に原料粉体等7が流入する際の抵抗を低減す
ることができ、粉砕刃Aおよびライナ4間からの原料粉
体等7の排出を円滑に行わせることができる。
【0026】この他の効果として、溝部5を傾斜させる
ことで、前記第2面F2等に衝突した原料粉体7は上方
に反撥するため、空気供給空間12から供給された空気
8が前記隙間6を通過する際の抵抗が緩和される。前記
隙間6での空気8の流速が維持できれば、空気8による
前記粉砕刃Aおよびライナ4の冷却効果も期待できる。
この場合には、空気8を供給するためのブロワ14の必
要能力等も縮小化でき、粉砕装置のコンパクト化を図る
ことができる。
【0027】(実施例)以下においては、2mmのふる
いを通したカサ密度0.5g/ccのトナーを粉砕する
場合の実施例を示す。粉砕刃Aの外径は400mm、粉
砕刃Aは約150枚、隣接する粉砕刃Aどうしの隙間は
約5mmに設定した。平面方向視における粉砕刃Aの外
周端部の断面形状は矩形状である。ライナ4の溝部5の
形状は、第1面F1と第2面F2との角度αを40度と
し、回転軸芯Zの径方向Yにおける第1面F1の深さを
3mmとした。また、回転軸芯Zの径方向視において、
前記溝部5の傾斜角度βは、回転軸芯Zに対して30度
とした。当該傾斜角度βは、10〜60度の範囲で適宜
変更可能であるが、30〜40度に設定した場合に最も
原料粉体7の融着程度が少なかった。前記隙間6、即
ち、ライナ4の第3面F3と粉砕刃Aとの間隔は約1m
mとした。上側粉砕刃A2、下側粉砕刃A1、ライナ4
は、何れもステンレス鋼で構成した。回転盤3の駆動装
置は、出力22kwのものを使用した。無負荷時の空運
転に必要な駆動負荷はおよそ6kwであったから、原料
粉体7の粉砕を行うために16kwの出力を利用するこ
とができた。回転盤3の回転数は約7000rpmであ
り、このとき回転盤3の周速度は約150m/secで
あった。原料投入口11からは5m3 /minの空気8
を供給し、一方、前記空気供給空間12からは−7℃の
空気8を15m3 /minで供給した。分級ローター9
からの吸気量は20m3 /minとした。定常運転時に
おいては、原料投入口11での気流温度は−5℃、分級
ローター9の出口の気流温度は28〜30℃に維持する
ことができ、およそ2時間の連続運転を行っても溝部5
等に対する原料粉体7の融着は認められなかった。以上
の運転条件による粉砕製品の平均粒径は約5μmであ
り、原料粉体7の粉砕処理能力は、およそ20kg/h
であった。
【0028】〔別実施形態〕 〈1〉 上記実施形態では、溝部5の深さおよび幅が略
一定の例を示したが、当該構成に限られるものではな
く、次のごとく構成することもできる。即ち、図5に示
すごとく、前記原料粉体7および空気8が通過する下手
側に位置する端面である前記上端面4aの近傍における
前記溝部5の深さd2と幅w2とを、前記溝部5の長手
方向中央部における前記溝部5の深さd1および幅w1
よりも深く、且つ、幅広に構成する。本構成であれば、
粉砕刃Aとライナ4との間の原料粉体7等が排出され易
くなり、原料粉体7が粉砕刃Aとライナ4とによって打
撃される回数を若干減少させて原料粉体7に与える衝撃
力を緩和する等、微粉化に伴う融着を抑制する効果を生
じさせる。尚、図5には、前記原料粉体7および空気8
が流入する側である前記下端面4bの近傍においても、
溝部5の深さd3および幅w3を、前記中央部における
溝部5の深さd1および幅w1よりも深く幅広に構成し
た例を示している。本構成であれば、前記溝部5に対す
る原料粉体7等の供給量を増加させることができるか
ら、粉砕機の粉砕能力が向上することとなる。
【0029】〈2〉 上記実施形態においては、溝部5
の断面形状を略鋸刃状としたが、この構成に限られるも
のではない。例えば、その他の断面形状として、図6に
示すごとく略矩形状のものとしてもよいし、図7に示す
ごとく略円筒形状にしてもよい。要するに、溝部5の内
部を原料粉体7および空気8が円滑に上昇し得る形状で
あり、かつ、溝部5を構成する面において原料粉体7が
衝突粉砕できるものであれば、何れの形状であってもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】粉砕機の断面図
【図2】粉砕刃および溝部の外観形状を示す説明図
【図3】粉砕刃および溝部の詳細を示す横断面図
【図4】溝部の傾斜を示す説明図
【図5】別実施形態に係る溝部の形状を示す説明図
【図6】別実施形態に係る溝部の形状を示す説明図
【図7】別実施形態に係る溝部の形状を示す説明図
【符号の説明】
3 回転盤 3a 回転盤の一方面 3b 回転盤の他方面 4 ライナ 4b 下端面 4a 上端面 5 溝部 6 溝部と粉砕刃との隙間 7 原料粉体 8 空気 d1,d2 溝部の深さ w1,w2 溝部の幅 β 溝部の傾斜角度 A 粉砕刃 Z 回転軸芯
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 13/00 - 13/31 B02C 18/00 - 25/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料粉体を粉砕する粉砕室内に、回転軸
    芯を中心に駆動回転可能な回転盤と、当該回転盤と同軸
    芯状で、前記回転盤の外周部を取り囲むライナとを有
    し、 前記ライナとの間に隙間が存在する状態に、前記回転盤
    の一方面の外周部に、多数の粉砕刃を周方向に互いに間
    隔を設けて並設し、前記粉砕刃と前記ライナとの隙間に、前記回転板の他方
    面側から前記一方面側に空気を通過させ、 前記粉砕室内の原料粉体を、前記隙間に供給すると共
    に、前記空気の通過方向と同方向に誘導しつつ 前記原料
    粉体を粉砕する粉砕機であって、 前記粉砕室内の原料粉体を前記粉砕刃どうしの間を介し
    て前記隙間に供給し、前記空気の通過方向と同方向に誘
    導する際に、前記原料粉体および空気を前記回転盤の回
    転方向下手側に誘導する複数の溝部を、前記ライナの内
    周面に形成してある粉砕機。
  2. 【請求項2】 前記複数の溝部が、前記ライナの下端面
    から上端面にかけて形成してある請求項1に記載の粉砕
    機。
  3. 【請求項3】 前記下端面及び前記上端面のうち、前記
    原料粉体および空気が通過する下手側に位置する端面の
    近傍における前記溝部の深さおよび幅が、 前記溝部の長手方向中央部における前記溝部の深さおよ
    び幅よりも大きく構成してある請求項1又は2に記載の
    粉砕機。
  4. 【請求項4】 前記回転軸芯の径方向から前記ライナを
    見た場合の前記溝部の傾斜角度が10から60度である
    請求項1から3の何れかに記載の粉砕機。
  5. 【請求項5】 前記粉砕機が、粉砕室を有すると共に、
    当該粉砕室の内部に、粉砕が終了した粉体を取り出すた
    めの分級ローターを備えている請求項1から4の何れか
    に記載の粉砕機。
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