JP3129738B2 - 検査用貼付剤および検査方法 - Google Patents

検査用貼付剤および検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は、各種機能を兼ね備え、特に乳癌またはアト
ピー性皮膚炎検査用に好適に用いられる検査用貼付剤お
よび該貼付剤を用いた乳癌またはアトピー性皮膚炎検査
方法に関する。
[背景技術] 従来、病気の検査または診断法には種々の方法が使用
されている。例えば生化学および生物学的な検査では、
侵襲性に採血し、血液成分、各種検査マーカー、細胞等
で診断し、病理検査においては侵襲性に癌組織等の生検
や細胞レベルの異常の有無を検討し、また、その他、
尿、便、唾液等では採尿、採便、蓄尿等により検査され
ている。これらの方法は、医師、看護婦、臨床検査技師
が注射器で血液等採取したり、鋭利なメスにて生体組織
(患部)を切り取ったり、また特殊容器等に検査または
診断対象物を医師が患者の協力を得て採取しているのが
現状である。
特に乳癌は増加傾向にある主要な癌の一つでありなが
ら、早期発見の難しい癌として知られている。乳癌検査
においては、医師による内診、触診、マンモグラフィ
(X線)、腫瘍マーカー[癌胎児性抗原(CEA)、α−
胎児性蛋白(AFP)、癌抗原(CA15−3)、各種糖鎖抗
原]、超音波等が使用されているが、その検査効率は必
ずしも高くない。例えば無腫瘤性の癌においては、病気
の初期の痛みはなく、自覚症状も殆どないため、患者そ
のものが異常に気づかないケースが多い。また、CEA、C
A15−3やAFPに代表される腫瘍マーカーは、現在、放射
線免疫検定法(RIA法)や酵素免疫測定法(EIA法)によ
り血中濃度を測定しているのが現状である。しかし、血
中での腫瘍マーカーの測定はかなり進行した癌やリンパ
節転移した癌等の予後や治療効果の指標に用いられてい
るが、早期癌での陽性率は極めて低いため、原発性の乳
癌の早期診断のためには極めて困難である。
そのため、発見時には癌が進行していたり、リンパ節
等に転移を起こしている症例が多く、やむをえず乳房切
除等の治療を必要とする場合が多かった。
従って、乳癌の早期診断には腫瘍マーカーの血中濃度
測定は殆ど使われず、もっぱら触診や問診に頼ってい
る。また、X線(例えばマンモグラフィ)はかなり強い
線量であり、またその判読にはかなりの経験と技術が要
求される。また、細胞診を実施するには疑わしき部位を
限定する必要があるが、現在の技術においては簡便に極
微小の疾患部位を早期診断することは難しい。
さらに、血清、血液、生検サンプル等に含まれる特異
的物質の測定は、通常物理化学的方法、生化学的方法、
免疫測定法、病理組織検査法等を用いて測定されてい
る。従って、上記生体サンプルは、一般に医療現場では
測定できず、検査設備のある施設に依頼したり、特殊技
術者のもとに検査委託するため、測定結果が判明するま
で日数がかかり、緊急を要する場合等は特に問題があ
る。
一方、近年アトピー性皮膚炎疾患は、生活環境の変
化、生体側の対応力の減少、免疫力の低下等により増加
の一途にあり、社会的にも大きな問題となりつつある。
特に、アトピー性疾患は、我が国において総患者数また
は潜在患者数は10人に1人とも2人ともいわれる程多い
疾患である。しかし、この原因は充分解明されておら
ず、その検査または治療は医師の肉眼的または経験的な
感に頼っているところが多い。
患者側からみた問題点として、採血や生検は注射針、
注射器、鋭利なメスまたは放射線等を使用するため、大
なり小なりの恐怖心や痛みを与え、適切な施設に出向く
必要がある。また、尿や便等の検査では、尿や便を採取
する場所や行動が限定される欠点がある。
一方、従来技術における貼付剤として、サリチル酸
系の消炎鎮痛剤やニトログリセリン等の狭心症治療剤等
の医薬品を含有する医療用貼付剤、刺激性試験のための
パッチテストやアレルギー性皮膚炎等の感作物質を特定
するためのアレルゲン検出用貼付剤(いずれも貼付剤よ
り薬物やその他の物質を放出するシステム)、ガー
ゼ、傷用パッド、または生理用ナプキン等の生体から分
泌する血液、浸出液等の止血、捕獲の目的や傷等の抗菌
を目的とするパッド類は、存在していたが、皮膚または
粘膜等から浸出する物質や液体を効率的にトラップし、
同一貼付剤の同一平面上で検査する検査用貼付剤は全く
存在しなかった。ことに皮膚や乳頭を含む乳房に直接貼
付し、同一貼付剤上で検査をするという概念は知られて
いなかった。
また、従来、皮膚または粘膜から生体成分のあらゆる
ものが分泌されるらしいということは解っていたが、通
常皮膚から分泌する測定目的物質が極微量であること
や、従来の測定法では分泌液として一旦ピペット等に採
取して次の測定法に移る操作であるため、現実的には皮
膚上で液体を採取するのが難しく、的確に定性的にまた
は定量的にこれを測定する方法がなかった。
乳頭においても、乳頭分泌異常症のように、分泌液や
分泌物が出ているらしいことは知られていたが、分泌液
の採取測定に問題があった。稲治等の[医学の歩み、13
4、575、1985]において、乳頭分泌液をピペットにて採
取し、その分泌液中のCEA量を、免疫測定法により測定
した結果、CEAが癌の検査に有用であることを報告して
いる。
一方、持田等は、特開平1−250069号公報、特開平2
−176466号公報、特開平2−280061号公報にて、微量の
乳頭分泌液を採取し、CEA等の腫瘍関連抗原に対する特
異的な抗体を固相化した液体不透過性のシート上に分泌
液を滴下すると、CEA等が半定性、定量できることを報
告している。しかし、これは乳頭分泌液をピペット等で
一旦採取し、液体不透過性のシート状固相に塗布する必
要があり、そのために少なくとも乳頭分泌液が0.2〜50
μl程度ある乳頭分泌異常症の患者しか検査できない等
の問題がある。また、これらの公報には、CEA特異的な
抗体を固相化したシート状固相に乳頭を接触させてCEA
を検査するという漠然とした概念はあるものの、これを
具体的に解決するための技術手段または方法においては
何ら具体的に示唆されておらず、しかも、検査用貼付剤
における液体透過性の吸着担体および吸水吸着部材を用
いた検査用貼付剤を貼付することにより、少なくとも肉
眼的に液として検知できない分泌液をも補足してCEA等
の目的物質を固相化し、検出するという概念は全く示唆
されていない。
[発明の開示] 本発明の目的は、これら従来技術の課題を解決するも
ので、短時間かつ簡便に、非侵襲性に、検査場所を限定
することなく、特に乳癌またはアトピー性皮膚炎を検査
することができる検査用貼付剤およびその検査方法を提
供することを目的とする。
すなわち、この目的をさらに詳述すると次の通りであ
る。
(1)患者の体内に侵入することなく、また体液の場合
には特殊なピペット等を使わずに検査サンプルを採取す
ることにより、患者に対して恐怖心、痛み、不快感を与
えず、かつ大量のサンプルを検査判断できる乳癌または
アトピー性皮膚炎検査用貼付剤を提供すること。
(2)検査用貼付剤は、貼付したり剥離したりする場所
は限定されず、測定者および測定場所も限定されず、さ
らに、測定結果は短時間に明示され、医師や看護婦等が
その医療現場で直接判定または検査できる迅速で簡便な
乳癌またはアトピー性皮膚炎検査方法を提供すること。
(3)検査用貼付剤を用いることにより、乳頭由来の分
泌物質、特に腫瘍マーカーを特異的に測定でき、無腫瘤
性または腫瘤性の乳癌を検査する補助手段としての乳癌
検査方法を提供すること。
(4)検査用貼付剤を用いることにより、皮膚由来のsI
gAを測定でき、検査する補助手段としてのアトピー性皮
膚炎検査方法を提供すること。
上記目的は、液体透過性の吸着担体を少なくとも有す
る検査用貼付剤を作製することにより達成される。
さらに少なくとも肉眼的に液体として認識できない液
量(当然ピペット等で採取できない液量)以上の液量中
に含まれる極微量の検査上有用な乳頭分泌物質を当該検
査用貼付剤を用いて、吸着固定し、測定することによ
り、乳癌の検査が達成される。
また、少なくとも肉眼的に液体として認識できない液
量(当然ピペット等で採取できない液量)以上の液量中
に含まれる極微量の皮膚から分泌する分泌型免疫グロブ
リンA分泌物を当該検査用貼付剤を用いて、吸着固定
し、免疫学的に測定することにより、アトピー性皮膚炎
の検査が達成される。
すなわち、本発明の検査用貼付剤は、生体内から分泌
する分泌物質(乳癌検査の場合は、乳頭から分泌する乳
頭分泌物質、アトピー性皮膚炎の場合は、皮膚から分泌
する微量の分泌型免疫グロブリンA分泌物)を吸着する
吸着担体とを少なくとも有することを特徴とし、特に乳
癌またはアトピー性皮膚炎検査用に好適に用いられる。
さらに、本発明の検査方法は、上記検査用貼付剤を用い
て、目的とする診断上有用な生体内から分泌する分泌物
質を測定することを特徴とする。
以下、本発明の検査用貼付剤を詳細に説明する。
本発明に用いられる支持体としては、紙、布、ポリエ
ステル樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレ
ン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化
ビニル等の各種樹脂からなる非伸縮性または伸縮性のフ
ィルム、アルミニウム箔等の単独もしくはそれらの複合
体が挙げられる。その中でも特に半透明または透明の支
持体が貼付時における正確な貼付位置や患部の確認およ
び検査時の検査手段の簡便性等の点で望ましい。
また、粘着剤としては、人体に貼付するうえで皮膚に
影響のない粘着性または接着性を有する物質であり、検
査用貼付剤の貼付剥離後の一連の検査手段は同一貼付剤
上で通常実施するため、他の固定器具への再付着性機能
を有する物質であること、粘着剤により目的とする特定
物質の吸着担体への吸着が阻害されないこと、最終検査
や反応中での阻害がない素材であること、また、検査用
貼付剤の貼付部位の確認のため支持体との組み合わせは
半透明または透明の素材であることが望ましく、通常、
粘着剤成分と粘着付与剤、軟化剤等の各添加剤を配合し
たものとして用いられる。なお、粘着剤は支持体の表面
の全部または一部分あるいは部分的において展延され
る。以下に粘着剤を構成する各成分のの具体例を挙げる
が、これらは一例に過ぎずこれらに特定されるものでは
ない。
まず粘着剤成分としては、天然ゴム、ポリイソブチレ
ンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコンゴム、ポリイソ
プレンゴム、スチレン−イソプロピレン−スチレンブロ
ック共重合体(以下、SISと略記する)、アクリル酸エ
ステル共重合体樹脂等の天然または合成樹脂等が挙げら
れる。また、これらの粘着剤成分を1種または2種以上
用いることができる。配合量としては、粘着剤中、10〜
50重量%、好ましくは15〜45重量%、より好ましくは20
〜40重量%の範囲において使用される。
また、粘着性の調整のため粘着剤成分の粘着付与剤と
してロジン、水添ロジンおよびそのエステル、ポリテル
ペン樹脂、石油樹脂、エステルガム等を1種または2種
以上用いることができる。配合量としては、粘着剤中、
40重量%以下、好ましくは5〜35重量%、より好ましく
は15〜30重量%の範囲において使用される。
また、流動パラフィン、ポリブテン、液状ポリイソブ
チレン、動植物油等の軟化剤を1種または2種以上用い
ることができる。配合量としては、粘着剤中、5〜60重
量%、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは25〜45
重量%の範囲において使用される。
また、必要に応じて二酸化チタン、合成ケイ酸アルミ
ニウム、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、アクリル酸デンプ
ン、シリカ類等の充填剤を1種または2種以上用いるこ
とができる。配合量としては、粘着剤中、5重量%以
下、好ましくは0.1〜4重量%、より好ましくは1〜3
重量%の範囲において使用される。
また、粘着剤中には吸水性およびカブレ防止等の目的
で、ポリアクリル酸塩、デンプン−アクリル酸ブラフト
共重合体等の吸収性高分子が1種以上配合され、具体的
にはサンウェットIM−300、IM−1000、IM−1000MPS等
(三洋化成製、商品名)、アクアキープ4S、4SH(製鉄
化学製、商品名)、スミカゲルSP−520、N−100等(住
友化学製、商品名)、アラソーブ800、800F等(荒川化
学製、商品名)が用いられる。
また、シブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤を
必要に応じて粘着剤中に3重量%以下の割合で適量配合
される。
さらに、かぶれ防止等の目的で抗ヒスタミン剤または
抗アレルギー剤等の薬物を粘着剤中に必要に応じて適量
配合できる。
これら表面に粘着剤を展延された支持体(以下、粘着
テープという)は、皮膚との高い密着性を有し、検査用
貼付剤は皮膚に確実に貼付される。
次に本発明でいう吸着担体とは、構造的には上記した
粘着剤上に直接貼着もしくは粘着剤中に粉末状として配
合、または吸水吸着部材に接着剤を介して接着させ間接
的に粘着剤に貼着されるものであり、機能的には生体、
特に皮膚、粘膜および乳頭等から分泌する液体中の分泌
物質を効率的に吸着できるものである。従って、吸着担
体の素材は実質的には液体透過性の素材の1種または2
種類以上から構成されるものである。なお、粘着剤中ま
たはその上に1種配合または貼着された場合には、この
吸着担体は以下にいう吸水、乾水機能を有することが必
要である。
吸着担体は、セルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセ
ルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エ
チルヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、硝
酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロースフタレート等のセルロース誘導
体、またはポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、ポ
リアクリル酸およびポリビニルアルコール−ポリアクリ
ル酸複合体等の多孔質ゲル、またはポリウレタン、ポリ
エステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリフッ化
ビニリデン、ナイロン等の繊維マトリックス、または紙
(例えば不織紙、濾紙)、布(例えばスフ、綿、絹、合
成繊維)またはシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニ
ア、セリア等の多孔質セラミック等が1種または2種以
上の組み合わせでもって使用されるが、上記機能を有す
るものであればこの限りでない。なお、好ましくは前記
したセルロース誘導体が吸着担体として望ましい。
この吸着担体の現実的な使い方は、通常の皮膚等のよ
うに少なくとも肉眼的に液体として分泌液が認識できな
い場合、発汗時や乳頭分泌異常症の乳頭等のように小量
の液体として認識できる場合、尿や出血時の様に比較的
多量の液体として認識できる場合がそれぞれあり、この
いずれにも検査用貼付剤として対応できる必要があるこ
とから、実質的には液体透過性である。
また、吸着担体は上記の種々条件下でもできるだけ全
部の目的とする分泌物質を吸着する必要があるが、これ
を達成するにはポア(空孔もしくは空隙)をもつ素材ま
たはマトリックス状の素材(以下、ポアをもつものと総
称する)である。すなわち、実質的には吸着担体の表面
積が大きいものであるほうが好ましい。また、一旦吸着
した目的とする分泌物質は検査過程において離脱しない
ことも必要である。
さらに、吸着担体のポアの大きさは、検査用貼付剤を
貼付時の分泌物質の吸着能力、分泌液体の透過性および
検査の評価判定に影響を及ぼすが、そのポアサイズは0.
01〜100μmで、好ましくは0.01〜5μm、より好まし
くは0.01〜30μmである。すなわち、ポアサイズが、非
常に小さい場合には吸着担体の目詰まりが発生し、非常
に大きい場合には吸着量が少なかったり、判定時の困難
さを伴うようになるため、ポアサイズは本発明の検査用
貼付剤にとって大変重要な因子の一つである。上記した
吸着担体の中でセルロース誘導体におけるポアサイズは
0.01〜50μm、好ましくは0.01〜30μmの範囲内にある
ことが特に望ましい。
また、本発明でいう吸水吸着部材とは、構造的には上
記した粘着剤中に粉末状として配合されるか、直接粘着
剤上に貼着されるか、または吸着担体に接着剤を介して
接着させ直接粘着剤上に貼着されるもので、機能的には
上記吸着担体により目的とする分泌物質が吸着された後
の余分な(検査上不必要な)分泌液あるいは分泌物質の
吸水および吸着、貼付剤型の安定性の維持、通気性をも
たせ皮膚刺激の緩和、染色性の安定化、外層における吸
着担体(例えば一部のセルロース誘導体系担体を使用す
る場合)がコワレ易い場合の破砕防止機能を有する等の
目的として重要である。
この吸水吸着部材の現実的な使い方は、通常の皮膚等
のように少なくとも肉眼的に液体として分泌液が認識採
取できない場合には吸引的な原動力となり、微量〜多量
の液体として認識できる場合には余分の液体や測定目的
以外の物質の処理に用いることから、実質的には吸水
性、保水性を有し、かつ物質吸着性を有するものである
ことが好ましい。
吸水吸着部材は実質的には吸水保水機能および/また
は吸着機能を有する部材から構成されるものであり、上
記液体透過性の吸着担体に加えて、高吸水性樹脂が挙げ
られる。具体的には、ポリアクリル酸またはその塩、イ
ソブチレン−マレイン酸共重合体系、デンプン−アクリ
ル酸グラフト共重合体系、ポリエチレンオキサイド系、
酢酸ビニル−不飽和ジカルボン酸系モノマー共重合体ケ
ン化物、カルボキシメチルセルロース系、デンプン−ア
クリル酸グラフト共重合体ケン化物、アルギネート系等
の吸収性高分子、セルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチル
セルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、
エチルヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、
硝酸セルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロースフタレート等のセルロース誘
導体、またはポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、
ポリアクリル酸およびポリビニルアルコール−ポリアク
リル酸複合体等の多孔質ゲル、またはポリウレタン、ポ
リエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル等の繊維マ
トリックスまたは濾紙、または布が1種以上選択される
が、本機能を有するものであればこの限りではない。ま
た、吸着担体と吸水吸着部材が同一素材から構成される
場合には、その量、ポアサイズ、厚みや前処理施工を適
宜組み合わせることによっても可能である。
また、接着剤は吸着担体と吸水吸着部材を別々のシー
ト状素材として検査用貼付剤を作成する場合に、その両
シート間に介在するもので、それらの全面的な接着ある
いは部分的接着からなるものである。この接着剤に関し
ては、接着性を有する物質であり、判定に影響を及ぼさ
ないものであれば特に限定されない。
特に好ましいのは親水性を有する物質であり、例えば
カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒド
ロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス等の水溶性セルロース誘導体、アルギン酸、グアーガ
ム、アラビアガム、トラガントガム、タマリンド種子等
の多糖類、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸
塩、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、イ
ソブチレン−無水マレイン酸共重合体、メトキシエチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、水溶性エポキシ樹脂、水
溶性アクリル樹脂、水溶性ポリエステル等の天然または
合成高分子等が挙げられる。この親水性接着剤を用いる
ことは吸着担体にて吸着された余分の水分をさらに吸水
吸着部材に吸水する上で、また製造上からも好ましいも
のである。
また、剥離被覆材としては吸着担体層を保護可能なも
のであれば特に限定されないが、好ましいものとしては
剥離処理を施した剥離紙、セロファン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタ
レート等の高分子フィルム等が挙げられる。
本発明の検査用貼付剤の形態としては、長方形、丸
形、楕円形、正方形、ハート形、ヒシ形等が挙げられる
が、実用性に伴う形であれば特に限定されない。また、
大きさおよび色等においても実用性に伴うものであれば
特に限定されない。
異常部位の限定の目的には、本発明の検査用貼付剤
は、粘着テープとして半透明または透明であり、かつ支
持体に識別用表示が施されていることが望ましい。ここ
でいう識別用表示とは、例えば左右の乳房または皮膚の
上下を識別するために、貼付剤表面の支持体に上下左右
の表示または記号を印刷または刻印または着色すること
である。
このような本発明の検査用貼付剤の類型(形状および
構成)の概略断面図を図1(a)〜(d)に示す。同図
において、1は支持体、2は粘着剤、3は吸水吸着部
材、4は接着剤、5は吸着担体、6は剥離被覆材をそれ
ぞれ示す。同図において、(a)および(b)は二層構
造、(c)は一層構造、(d)は配合構造である。ここ
でいう2層構造とは、吸着担体5が粘着剤2上に設けら
れ、さらにその上に吸水吸着部材3を有するものであ
る。この二層構造は、吸着担体5と吸水吸着部材3の間
に接着剤4を介在させる接着型(同図(a))と吸着担
体5と吸水吸着部材3の間に接着剤を介在させない分離
型(同図(b))に大別される。また、一層構造とは、
吸着担体5が粘着剤2上に設けられものをいう。さら
に、配合構造とは、粘着剤2中に微粉状の吸着担体5を
含有するものをいう。
次に、本発明による乳癌またはアトピー性皮膚炎検査
方法について説明する。
まず本発明の乳癌検査方法は、上記した乳癌検査用貼
付剤を、人体の乳頭を含む乳房に貼付し、乳頭分泌物質
を吸着担体にて吸着ならびに固相化し、該乳頭分泌物質
を測定することを特徴とする。
例えば、本発明の乳癌検査用貼付剤の特徴は、貼付以
外の接触方法に比較し、患部に所望する時間確実に接触
固定される、少なくとも肉眼的に分泌液量がなくても検
出できる、早期乳癌(特に無腫瘤性)の場合原発部位の
予測ができることが挙げられる。
本発明では、乳癌検査用貼付剤は人体の乳頭に吸着担
体が中心となるように一定時間貼付する。そして、乳頭
より極微量分泌する乳頭分泌物質を、貼付剤の吸着担体
にて吸着ならびに固相化する。ここでいう乳頭分泌物質
とは、上述したように乳頭から分泌する特定物質または
蛋白またはその構成ペプチドである。
この固相化された乳頭分泌物質について、種々の腫瘍
関連抗原または腫瘍マーカーが選択される。例えば、癌
胎児性抗原(Carcinoembryonic抗原 以下CEA)、メラ
ノーマ細胞、メラノーママーカー(NKI/C3)、メラノー
ママーカー(PAL−M1)、神経芽腫(CE7)、神経芽種
(AD2)、マリグニン、α−胎児性蛋白(α−fetoprote
in)、ペプシノーゲン、塩基性胎児蛋白(Basic fetop
rotein)、膵癌胎児性抗原、胎児性プレアルブミン、炭
水化物抗原(Carbohydrate Antigen CA19−9)、膵
癌関連抗原(CA50)、癌抗原(CSLEX−1)、膵癌関連
抗原(シリアルSSEA−1 SLX)、膵癌関連抗原(Du−p
an−2)、癌抗原(erbB2)、癌抗原(NCC−ST−43
9)、炭水化物抗原(シリアルTn STN)、癌抗原(CA72
−4)、癌抗原(KM−01)、膵癌関連抗原(Span−
1)、炭水化物抗原(CA125)、癌抗原(CA15−3)、
偏平細胞癌(SCC)、セミノプロテイン(γ−Sn)、前
立腺特異抗原(PA)、フェリチン、組織ポリペプチド抗
原(TPA)、免疫酸性蛋白(IAP)、免疫抑制酸性蛋白、
前立腺酸性蛋白(PAP)、ニュウロン特異エノラーゼ(N
SE)または血液、酵素(特にPOD、ALP)およびアミノ酸
(特にAla、Glu)、粘液物質、その他各種ホルモン等が
挙げられる。
そして、本発明では、これらの腫瘍関連抗原または腫
瘍マーカーを、特異的な抗体を用いた抗原抗体反応、化
学反応または酵素反応等により定量、半定量または定性
的に測定できる。
腫瘍関連抗原または腫瘍マーカーの中で、例えばCEA
を代表例として説明する。CEAは668個のアミノ酸で約50
%の糖を含む糖蛋白であるが、臨床上有用な癌胎児性腫
瘍関連抗原の一つである。血中CEAは、大腸癌やその他
の癌において高くなり、癌の進行度に対応するといわれ
ている。しかし、CEAが癌組織から血中に移行するとき
には、癌はかなり進行して術後の経過や約薬物の治療効
果を確認することが従来においては主であった。そこ
で、癌組織由来のCEAが血中やリンパに移行する前や血
中CEAの測定限界以下の段階(いわゆる無腫瘤性で早期
癌)で、癌局所のCEA値を測定できるならば臨床的意義
は大きいと考えられる。他のマーカーにおいても同様な
ことが考えられる。そこで、本発明は前述した乳癌検査
用貼付剤を乳頭部分に貼付し、CEAを測定するものであ
る。
CEAの測定は、特異性や感度を考慮し、抗CEAモノクロ
ーナル抗体やポリクローナル抗体を用いることができ
る。この抗体は、CEAに対して感度および特異性の高い
抗体であれば良い。患部に貼付し一定時間後に剥離した
乳癌検査用貼付剤は、この抗体を用いて、EIA法、免疫
クロマト法、ラテックス結合抗体を用いた免疫測定法、
金コロイド結合抗体を用いた免疫測定法および蛍光また
は発光免疫測定法により測定できる。その結果、乳頭よ
り分泌するCEAは、癌の原発部位に対応した部分にドッ
ト(スポット)状やびまん状に濃い染色像として検出で
きる。
判定は、染色された濃さ、大きさ、部位により、疾病
の進行度、範囲、どの乳腺由来のものかが、肉眼、顕微
鏡、デンシトグラフ等により、定性、半定量および定量
的に行うことができる。
次に、本発明のアトピー性皮膚炎検査方法について説
明する。
本発明のアトピー性皮膚炎検査方法は、上記したアト
ピー性皮膚炎検査用貼付剤を、人体の皮膚、粘膜または
疾患部に貼付し、分泌物を吸着担体にて吸着ならびに固
相化し、sIgA分泌物を免疫測定法により測定することを
特徴とする。
本発明では、アトピー性皮膚炎検査用貼付剤を、人体
の皮膚、粘膜または疾患部に一定時間、例えば1分〜30
時間貼付する。そして、分泌物を貼付剤の吸着担体にて
吸着ならびに固相化する。ここでいう分泌物とは、汗腺
に沿って分泌する肉眼的に液として認識できない液体量
または認識できる液体量を指し、その中に含まれるsIgA
を包含するものである。そして、本発明では、このsIgA
分泌物を免疫測定法により選択的に測定する。結果は、
皮膚の汗腺に相当すると思われる部位にドット状に強い
染色像が認められる。
[図面の簡単な説明] 図1は、本発明の検査用貼付剤における形状および構
成を具体的に示す概略断面図。
[発明を実施するための最良形態] 以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
但し、以下より、最終的な形態を検査用貼付剤、支持
体と粘着剤よりなる形態を粘着テープ、吸着担体および
吸水吸着部材が接着されているものを二層性の吸着担体
(接着型)、吸着担体および吸水吸着部材が分離して接
触しているものを二層性の吸着担体(分離型)、吸着担
体が直接粘着剤に貼着されているものを一層性の吸着担
体、粘着剤中に少なくとも粉末状の吸着担体が配合され
ているものを吸着担体配合と定義する。また、表1中の
粘着剤の各成分の配合数値(部)は、重量基準である。
実施例1 二層性の吸着担体(接着型)からなる検査用
貼付剤 支持体として伸縮性軟質ポリ塩化ビニルフィルム、お
よび粘着剤としてSIS、ポリイソブチレン、エステルガ
ム、流動パラフィン(配合比20重量部:10重量部:35重量
部:35重量部)を配合したものを展延し、3cm×4cmの楕
円形の粘着テープを作製した。
吸水吸着部材にセルロースエステルのマイクロポーラ
スポリマー(ポアサイズ:0.6μm ミリポア製)と吸着
担体に硝酸セルロース/酢酸セルロース(ポアサイズ:
0.45μm ミリポア製)をポリアクリル酸エステル共重
合体により接着し、二層性吸着担体を作製した。それ
を、直径1.5cmの円形に切断し、吸水吸着部材を介して
粘着テープに貼着し、吸着担体側をポリエチレンテレフ
タレートフィルムにより被覆し、検査用貼付剤を作製し
た。
実施例2 二層性の吸着担体(分離型)からなる検査用
貼付剤 支持体として伸縮性軟質ポリ塩化ビニルフィルム、お
よび粘着剤としてSIS、ポリイソブチレン、エステルガ
ム、流動パラフィン(配合比20重量部:10重量部:35重量
部:35重量部)を配合したものを展延し、直径3cmの円形
の粘着テープを作製した。
粘着テープ上に吸水吸着部材として1.5cm×1.8cmの長
方形のセルロースエステルのマイクロポーラポリマー
(ポアサイズ:0.6μm ミリポア製)と貼着し、さらに
その上に吸着担体として1.8cm×1.8cmの正方形の硝酸セ
ルロース/酢酸セルロース(ポアサイズ:0.45μm ミ
リポア製)を貼着した。最上部をポリエチレンテレフタ
レートフィルムにより被覆し、検査用貼付剤を作製し
た。
実施例3 一層性の吸着担体からなる検査用貼付剤 支持体として伸縮性軟質ポリ塩化ビニルフィルムおよ
び粘着剤としてSIS、ポリイソブチレン、エステルガ
ム、流動パラフィン、アクリル酸デンプン(配合比22重
量部:8重量部:33重量部:35部:2重量部)を配合したもの
を展延し、直径4cmの円形粘着テープを作製した。
次に、粘着テープ上に吸着担体として、直径2cmの円
形の硝酸セルロース/酢酸セルロース(ポアサイズ:1μ
m ミリポア製)を貼着し、ポリエチレンテレフタレー
トフィルムにより被覆した。
実施例4 粘着剤に吸着担体を配合した検査用貼付剤 支持体として、直径2cm円形の伸縮性軟質ポリ塩化ビ
ニルフィルムに、SIS、エステルガム、流動パラフィ
ン、ケイ酸アルミニウムおよび粉状のセルロース粉末
(配合比24重量部:35重量部:35重量部:2重量部:4重量
部)を配合した粘着剤を展延し、吸着能力をもつ粘着テ
ープを作製した。粘着テープをポリエチレンテレフタレ
ートイルムにより被覆し、検査用貼付剤を作製した。
実施例5〜35 表1に示す各成分(支持体、粘着剤、吸水吸着部材、
吸着担体、接着剤、剥離被覆材)を用い、実施例1〜4
と同様にして検査用貼付剤を作成した。
実施例36 貼付部位の確定 実施例1で作製した検査用貼付剤(粘着テープは3cm
×4cmの楕円、吸着担体は直径1.5cmの円形)の2枚にそ
れぞれ“L"、“R"を印字した。その印字された検査用貼
付剤を、健常女性10人に各自で乳頭に貼付させたとこ
ろ、全ての人が“L"と印刷された検査用貼付剤を左に、
“R"と印刷された検査用貼付剤を右に貼付した。
また、実施例1で作製した検査用貼付剤に、上下の区
別をするために“上”、“下”を印字した。健常人男性
10人の上腕内側に各自で貼付させたところ全ての人が、
“上”を上向きに“下”を下向きに貼付した。
以上のことより、検査用貼付剤の印字により貼付部位
の確定ができることが証明された。
実施例37 粘着テープの着色 支持体に、肌色に着色した軟質ポリ塩化ビニル、半透
明および透明の軟質ポリ塩化ビニルを用いて実施例4で
示した材料で、検査用貼付剤を作製した。健常人男性10
人の上腕内側に印をつけ、それを目標に各自で上腕内側
に貼付させたところ、半透明または透明のほうがより正
しく目標部位に貼付することができた。このことによ
り、半透明または透明の支持体の方がより正確に貼付で
きることが証明された。
実験例1 実施例1〜35で作製した検査用貼付剤(粘着テープは
直径3cmの円、吸着担体は直径1.2cmの円形に統一)につ
いて以下の項目を評価した。その結果を表2に示す。
親水性:1気圧、25℃において、吸着担体を水に1分間
浸漬させ漏れ性を評価した。
(評価基準) +:濡れた ±:わずかに濡れた −:全く濡れなかった 吸着量:濃度が異なるウシ血清アルブミン(BSA)を
吸着担体に滴下、乾燥し固相化した。
抗BSA抗体を用い免疫染色を行い、吸着担体の吸着量
について評価した。
(評価基準) ++:100μg/cm2以上 + :50〜100μg/cm2 ± :0〜50μg/cm2 − :0 非特異性 バックグランド:上記記載の吸着量の実験と同時に、
蛋白以外の非特異的な発色についても評価した。
皮脂の影響:健常人男性10人の上腕内側に検査用貼付
剤を24時間貼付させ、剥離後検査用貼付剤を抗sIgA抗体
を用いた免疫染色に供した。
(評価基準) ++:発色あり + :軽度の発色あり ± :ごく軽度の発色あり − :発色なし 刺激性:健常人男性10人の上腕内側に、検査用貼付剤
を24時間貼付した。
剥離後、検査用貼付剤の刺激性について評価した。
(評価基準) +:軽度の紅斑あり ±:ごく軽度の紅斑あり −:紅斑なし 表2に示されるように、蛋白吸着量とポアサイズの関
係と、蛋白吸着量と液体透過性の関係を評価した。
検査用貼付剤の蛋白吸着量とポアサイズの関係は、ポ
アサイズが一般的に小さい程良いが、あまり小さいとBS
Aや液の目詰まりをおこし、また、大きいと免疫染色の
発色がルーズとなり肉眼的判定は弱かった。従って、ポ
アサイズとして0.01〜100μmが使用可能であり、特に
0.01〜50μmの範囲内のものが好ましてい結果を得た。
検査用貼付剤の蛋白吸着量と液体透過性の関係を調べ
た結果、吸着担体として完全な液体不透過性のポリエス
テルペーパー(商品名:プアリー2025FL、阿波製紙社
製)を用いた貼付剤(比較として作製)はBSAを吸着で
きず、染色性は認められなかった。一方、軽度(±)か
ら(+)での液体透過性の吸着担体は、BSA吸着量およ
び免疫染色性も良かった。従って、検査用貼付剤の吸着
担体としては、液体透過性を有することが好ましい。
この表2の結果から、以下のことが判明した。
粘着剤は、人体に影響ないもの、反応系を阻害しない
もの、再付着性があるものが望ましい。
吸水吸着部材には、吸水保水性および吸着機能を有す
るものが望ましい。
吸着担体は、吸着機能が高く、ポア(表面積を大きく
する)を有するもので、液体透過性のものが好ましい。
接着剤には、水分透過性のものが好ましい。
実験例2 定性および半定量的測定について (方法) 実施例1〜3、5、7、15、22、31で得られた検査用
貼付剤(粘着テープ;直径5cm、吸着担体;直径2cmの円
形に統一)について0〜10μg/mlのCEAを1μlずつ滴
下した。乳蛋白質でブロッキングした後、抗CEA抗体を
反応させた。次にビオチン標識抗マウスIg、パーオキシ
ダーゼ標識アビジン溶液を反応させた後、ジアミノベン
ジジン、過酸化水素で発色させた。発色は2モル硫酸で
停止した。発色したCEAは肉眼的(定性、半定量)、デ
ンシトグラフ(定量)により測定した。結果を表3に示
す。
表3の結果からCEAは濃度依存的な発色を示した。ま
た、その観察は定性、半定量および定量的にも行えるこ
とが確認できた。
実験例3 健常人の染色結果 (方法) 実施例6(粘着テープ:3cm×4cm 楕円形、吸着担
体:直径2cm、円形)の検査用貼付剤を健康成人既婚女
性(32、40才)2名の両乳頭に貼付し、5分、1時間、
24時間および48時間後に剥離した。剥離した貼付剤を実
験例2により定性、半定量的に測定した。結果を表4に
示す。
表4に示されるように、2人の健康成人女性には、乳
頭分泌由来のCEAは検出できなかった。
実験例4 乳癌患者の染色結果 (方法) 右側の乳房が乳癌であると診断された患者A(49才)
の両乳頭に実施例1で得られた検査用貼付剤を24時間貼
付した。24時間後に剥離した検体および検量線としてCE
Aを固相化した検査用貼付剤を、乳蛋白質でブロッキン
グした後、抗CEA抗体を反応させた。次にパーオキシダ
ーゼ標識抗マウスIgを反応させた後、ジアミノベンジジ
ン、過酸化水素で発色させた。発色は2M硫酸で停止し
た。染色した検体を定性、半定量および定量により観察
した。結果を表5に示す。
表5に示されるように、右側の乳頭に貼付した検査用
貼付剤はびまん状の濃い茶色に発色した。一方、左側に
貼付した乳癌検査用貼付剤は全く発色しなかった。
実験例5 健康成人、乳腺症および乳癌患者における評
価 (方法) 健常人9人および患者8人に、実施例31で作製した検
査用貼付剤を左右乳頭上に24時間貼付した。剥離後、実
験例2の方法で染色した。結果は染色性の強さで表示
し、表6に示した。
表6の結果より、乳癌では患部において中〜強陽性反
応が確認され、乳腺症においても軽度な陽性例が散見さ
れた。
実験例6 ラテックス標識免疫測定法 (方法) 2%ブルーラテックス(粒径0.2μm)を抗ヒトCEAモ
ノクローナル抗体(マウスIgG1)溶液中に添加し、37℃
で反応させ、ブルーラテックス標識抗ヒトCEAモノクロ
ーナル抗体を作製した。健康成人女性(36才)および無
腫瘤性の乳癌患者(左乳癌、45才)1名に本発明実施例
7の検査用貼付剤を24時間乳頭に貼付して得たサンプル
をこのラテックス標識抗CEAモノクローナル抗体溶液に
直接浸透させた。結果を表7に示す。
表7の結果から、サンプルを抗体溶液に浸してから約
1分後から、乳癌患者の検査用貼付剤の左側のみにブル
ーのドット状のスポットが認められた。
実験例7 金コロイド標識免疫測定法 (方法) 20nmの金コロイド10mlに至適抗ヒトCEAモノクローナ
ル抗体を1時間反応させた。1%牛血清アルブミンでブ
ロッキングした後、8000g、1時間遠心分離操作によ
り、抗体感作金コロイド粒子を得た。緩衝液によりOD53
0nmで3.0の感作コロイド液に調製した。
本コロイド液を用いて、実施例23で作製し、実験例6
で実施した患者を用いて評価した。結果を表8に示す。
表8の結果より、Bの患者は左乳房外側部に癌が認め
られるが、本検査用貼付剤の貼付により、左乳房外側部
に限局して3個のスポットが認められた。これは臨床症
状と合致するものであった。以上のことより、本方法は
有用であることが確認された。
実験例8 その他のマーカーによる検出 (方法) 実施例1で得られた検査用貼付剤(粘着テープ;3cm×
4cmの楕円形、吸着担体;直径1.5cmの円形)を健康成人
既婚女性(40才、A)と乳癌患者(左乳癌45才、B)の
両乳頭に24時間貼付し、剥離した後、以下のマーカーに
よる観察を行った。結果を表9に示す。
・AFP、CA15−3、erbB2に対するモノクローナル抗体
を用いた抗原抗体反応 ・ニンヒドリン反応によるアミノ酸の検出 ・グアヤック法による潜血反応(ヘモグロビンの検
出) ・酵素反応によるパーオキシダーゼ(POD)およびア
ルカリフォスファターゼ(ALP)の検出 表9の結果から明らかなように、本発明用貼付剤の使
用により、種々の有用なマーカーが検出できることが判
明した。
実験例9 検査用貼付剤の有用性 (方法) 実施例1の検査用貼付剤を乳頭分泌液を伴う乳癌患者
(40才、左;乳癌)の左の乳頭と乳頭分泌液を伴わない
乳癌患者(45才、左;乳癌)の左の乳頭に各自で24時間
を目標に貼付させた。さらに、上記同患者に同様にして
抗CEA抗体を固相化した液体不透過性シート(マンモテ
ック)を各自で24時間を目標に接触させた。
評価は、貼付または接触時間および免疫染色を用いた
CEAの検出を行なった。結果を表10に示した。
(同表中、1分または2分とは患部にずれないように接
触できた時間) 表10の結果から、検査用貼付剤は、貼付位置がずれな
いように24時間の貼付が可能であり、癌が存在すると思
われる乳癌の位置の予測が可能であった。また、長時間
(24時間)の貼付が可能であったため、乳頭分泌液を伴
わない乳癌患者でもCEAの検出が可能であった。
これに対し、液体不透過シートは、24時間の接触は不
可能であり、2人の乳癌患者とも1もしくは2分以内に
接触位置がずれた。また、乳頭分泌液を伴う乳癌患者の
CEAの検出は可能であったが、乳頭分泌液を伴わない乳
癌患者のCEAの検出は不可能であった。
実験例10 貼付方法 (方法) 実施例1で示した検査用貼付剤を、健康成人男女5名
の額、胸、上腕内側、手掌に貼付し、10分、6時間およ
び24時間後に剥離した。剥離したサンプルを酵素標識免
疫測定法で定性的に測定した。なお、貼付面積は部位に
より各種用いた。結果を表11に示す。
表11の結果から、何れの貼付部位および時間において
も、sIgAの分泌が認められた。また、吸着担体の貼付面
積は数mm2から10cm2においても十分測定でき、面積およ
び貼付時間に限定されないことが判明した。
実験例11 定性的測定法−酵素標識免疫測定法 (方法) 健康成人男子に貼付した実施例2の検査用貼付剤サン
プルに、抗ヒトsIgAモノクローナル抗体(マウスIgG1)
を20時間反応させた。次に牛血清アルブミンでブロッキ
ング後、パーオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体(ウサ
ギ)を反応させた。発色は、0.25mg/mlのジアミノベン
チジン溶液および0.0125%の過酸化水素溶液を1:1(vol
/vol)に混合して添加した。3分後に2モルの硫酸溶液
を添加し反応を停止した。
その結果、汗腺に沿って分泌されたと思われる茶色の
ドット状スポットが認められた。
実験例12 定量的測定法−酵素標識免疫測定法 (方法) 健康成人男子4名に貼付した実施例1の検査用貼付剤
サンプルに、抗ヒトsIgAモノクローナル抗体(マウスIg
G1)を2時間反応させた。次に牛血清アルブミンでブロ
ッキング後、パーオキシダーゼ標識抗マウスIgG抗体
(ウサギ)を反応させた。発色は、1.5mg/mlのオルトフ
ェニレンジアミン溶液および1%の過酸化水素溶液を1:
1(vol/vol)に混合して添加した。3分後に1%硫酸溶
液を添加し反応を停止させ、分光光度計により490nmの
吸収を定量的に測定した。標準sIgAの検量線を表12に健
康成人男子の皮膚sIgA分泌量を表13に示す。
表12の検量線から、本発明貼付剤のsIgAの定量化が可
能になった。
実験例13 定性的測定法−ラテックス免疫測定法 (方法) 2%ブルーラテックス(粒径0.2μm)を抗ヒトsIgA
モノクローナル抗体(マウスIgG1)溶液中に添加し、37
℃で反応させ、ブルーラテックス標識抗ヒトsIgAモノク
ローナル抗体を作製した。健康成人2名およびアトピー
皮膚炎患者並びに感染症患者各1名に本発明の実施例1
の検査用貼付剤(粘着テープ;直径3cm、吸着担体1.5cm
正方形)を5分間胸部に貼付して得たサンプルをこのラ
テックス標識抗sIgAモノクローナル抗体溶液に直接浸透
させた。結果を表14に示す。
表14の結果から、サンプルを抗体溶液に浸してから約
1分後から吸着担体上に、ブルーのドット状のスポット
が認められた。この結果は実験例11で認められたスポッ
トと同様であり再現性が認められた。
実験例14 測定法−ラテックス免疫クロマトグラフィ法 (方法) 予め1%牛血清アルブミンでブロッキングしたニトロ
セルロース膜の一部に、実験例13で作製したブルーラテ
ックス標識抗ヒトsIgAモノクローナル抗体を固相化し
た。その上からさらにブロッキングした。抗体固相化部
位のみをテープで保持し、さらにその上から、ニトロセ
ルロース膜全部を保持用テープで保持し、診断用貼付剤
を作製した。本貼付剤を20分間実験例13の健常人および
患者の胸部に貼付した。貼付剤剥離後、抗体標識部を下
にし、生理食塩水に付けた。結果を表15に示す。
表15の結果から、2分後からブルーのスポットが出現
し、結果は実験例13とほぼ同等であった。
実験例15 健常人およびアトピー皮膚炎患者における評
価 (方法) 健常人19人およびアトピー性皮膚炎患者19人に、本発
明の実施例2の検査用貼付剤を前腕内側に24時間貼付し
た。剥離後、実験例12の方法で染色した。結果を表16に
示す。
表16の結果から、アトピー患者は健常人に対して、明
らかにsIgAの分泌量は少ないことが判明した。従って、
本方法により、皮膚におけるsIgA量の測定によりアトピ
ー性皮膚炎の検査が出来るようになった。
[産業上の利用性] 以上のような本発明においては、下記に示す効果を奏
する。
(1)本発明の検査用貼付剤は、非侵襲性に、短時間に
また簡便に場所を限定せず貼付できる。また、皮膚に対
する長時間貼付において、刺激性またはかぶれ等の副作
用も少なく、極めて安全性の高い貼付剤である。
(2)本発明の検査用貼付剤は、従来、液として採取で
きなかった乳頭から分泌する極微量の腫瘍マーカーをト
ラップできる。トラップされたマーカーは特異的にかつ
簡便に定量または定性的に測定できることから、多項目
測定ができる。
CEAを代表例とする定性的測定においては貼付剤の剥
離から数分で目視により判定できるようになることか
ら、医療現場において迅速にまた簡便に測定できる。ま
た、CEAまたは腫瘍マーカーの測定は、乳癌の検査に有
用であり、特に無腫瘤性で早期乳癌のマススクリーニン
グや集団検診が可能となる。さらに、貼付剤の位置によ
り、乳癌の原発巣の予測が可能となる。この結果、乳癌
の検査効率の上昇が見込める。
(3)本発明の検査用貼付剤は、従来液として採取でき
なかった皮膚から分泌するsIgA量を特異的に、かつ簡便
に定量または定性的に測定できる。特にsIgAの定性的測
定においては貼付剤の剥離から数分で目視により判定で
きるようになることから、医療現場において迅速にまた
簡便に測定できる。この結果、本発明のアトピー性皮膚
炎検査用貼付剤を用いたsIgAの測定はアトピー性皮膚炎
の検査に有用である。
従って、本発明の乳癌またはアトピー性皮膚炎検査用
貼付剤および検査方法は乳癌またはアトピー性皮膚炎の
検査に際して好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 米村 圭史 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光 製薬株式会社内 (72)発明者 迎 瑞恵 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光 製薬株式会社内 (72)発明者 岡山 晃 佐賀県鳥栖市田代大官町408番地 久光 製薬株式会社内 (72)発明者 今山 修平 福岡県福岡市西区小戸5丁目7番1―51 (56)参考文献 特開 平1−250069(JP,A) 特開 平2−176466(JP,A) 国際公開92/3731(WO,A1) 飯倉洋治ほか”アトピー性皮膚炎の免 疫学的背景”PROGRESS IN MEDICINE,第9巻,第6号, (1989),p1803−1807 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/48 A61B 10/00 103 G01N 33/50 G01N 33/543 521 BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS)

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体(1)と、前記支持体(1)の表面
    に展延された粘着剤(2)と、該粘着剤(2)上に貼着
    され、生体内から分泌する分泌物質を吸着する液体透過
    性吸着担体(5)とを少なくとも有する検査用貼付剤に
    おいて、前記吸着担体(5)が0.01〜100μmのポアサ
    イズを有することを特徴とする検査用貼付剤。
  2. 【請求項2】支持体(1)と、前記支持体(1)の表面
    に展延された粘着剤(2)と、該粘着剤(2)中に配合
    され、生体内から分泌する分泌物質を吸着する液体透過
    性吸着担体(5)とを少なくとも有する検査用貼付剤に
    おいて、前記吸着担体(5)が0.01〜100μmのポアサ
    イズを有することを特徴とする検査用貼付剤。
  3. 【請求項3】支持体(1)と、前記支持体(1)の表面
    に展延された粘着剤(2)と、該粘着剤(2)上に貼着
    された給水吸着部材(3)と、該給水吸着部材層(3)
    上に付着した接着剤(4)と、該接着剤(4)上に接着
    され、生体内から分泌する分泌物質を吸着する液体透過
    性吸着担体(5)とを具備する検査用貼付剤において、
    前記吸着担体(5)が0.01〜100μmのポアサイズを有
    することを特徴とする検査用貼付剤。
  4. 【請求項4】支持体(1)と、前記支持体(1)の表面
    に展延された粘着剤(2)と、該粘着剤(2)上に貼着
    された吸水吸着部材(3)と、該給水吸着部材層(3)
    上に積層され、生体内から分泌する分泌物質を吸着する
    液体透過性吸着担体(5)とを具備する検査用貼付剤に
    おいて、前記吸着担体(5)が0.01〜100μmのポアサ
    イズを有することを特徴とする検査用貼付剤。
  5. 【請求項5】前記吸水吸着部材(3)がポリアクリル
    酸、ポリアクリル酸塩、イソブチレン−マレイン酸共重
    合体、デンプン−アクリル酸グラフト共重合体、ポリエ
    チレンオキサイド、酢酸ビニル−不飽和ジカルボン酸モ
    ノマー共重合体ケン化物、デンプン−アクリル酸グラフ
    ト共重合体ケン化物、アルギネート、セルロース、カル
    ボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
    塩、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
    セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カ
    ルボキシメチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピル
    メチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロー
    ス、酢酸セルロース、硝酸セルロース、酢酸フタル酸セ
    ルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレ
    ート、ポリメタクリル酸2−ヒドロキシエチル、ポリビ
    ニルアルコール−ポリアクリル酸複合体、ポリウレタ
    ン、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、濾
    紙および布から選択される少なくとも1種からなること
    を特徴とする請求項3または4記載の検査用貼付剤。
  6. 【請求項6】前記支持体(1)が透明または半透明であ
    り、かつ識別用表示が施されていることを特徴とする請
    求項1〜5記載の検査用貼付剤。
  7. 【請求項7】前記吸着担体(5)のポアサイズが0.01〜
    50μmであることを特徴とする請求項1〜6記載の検査
    用貼付剤。
  8. 【請求項8】前記吸着担体(5)がセルロース誘導体、
    多孔質ゲル、繊維マトリックス、紙、布、セラミックか
    ら選択される少なくとも1種からなり、該セルロース誘
    導体がセルロース、カルボキシメチルセルロース、カル
    ボキシメチルセルロース塩、ヒドロキシエチルセルロー
    ス、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロー
    ス、エチルセルロース、カルボキシメチルエチルセルロ
    ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒ
    ドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、硝酸セル
    ロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピル
    メチルセルロースフタレートから選択される1種または
    2種以上混合してなる請求項1〜7に記載の検査用貼付
    剤。
  9. 【請求項9】前記支持体(1)が、紙、布、ポリエステ
    ル樹脂、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹
    脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、軟質ポリ塩化ビニ
    ルから選択される非伸縮性または伸縮性のフィルムまた
    はアルミニウム箔から選択される請求項1〜8に記載の
    検査用貼付剤。
  10. 【請求項10】請求項1〜9のいずれかに記載の検査用
    貼付剤を人体の乳頭を含む乳房に貼付して、癌胎児性抗
    原、メラノーマ細胞、メラノーママーカー、神経芽種、
    マリグニン、α−胎児性蛋白、ペプシノーゲン、塩基性
    胎児蛋白、胎児性プレアルブミン、炭水化物抗原、膵癌
    関連抗原、癌抗原、扁平細胞癌、セミノプロテイン、前
    立腺特異抗原、フェリチン、組織ポリペプチド抗原、免
    疫酸性蛋白、免疫抑制酸性蛋白、前立腺酸性蛋白、ニュ
    ウロン特異エノラーゼ、または血液、酵素、アミノ酸お
    よびムコ多糖を含む粘液からなる群から選ばれる腫瘍関
    連抗原または腫瘍マーカーを吸着担体(5)にて吸着な
    らびに固相化し、該腫瘍関連抗原または腫瘍マーカーを
    特異的な抗体を用いた抗原抗体反応、化学反応または酵
    素反応により定量、半定量または定性的に測定すること
    を特徴とする乳癌検査方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜9のいずれかに記載の検査用
    貼付剤を人体の皮膚、粘膜または疾患部に貼付して、分
    泌物質を吸着担体(5)にて吸着ならびに固相化し、該
    分泌物中の分泌型免疫グロブリンA分泌物を免疫測定法
    により測定することを特徴とするアトピー性皮膚炎検査
    方法。
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