JP4704583B2 - パッチテスト用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、湿疹・皮膚炎群や薬疹などの主因となる接触皮膚炎や、喘息、食餌アレルギーなどを生じるアレルゲン(抗原)を発見するために行われるパッチテストに用いるパッチテスト用シートに関する。
【0002】
様々な化学物質の使用が一般的になりつつある現代においては、化学物質の摂取や肌への接触により生じる疾患は非常に一般的なものとなっている。例えば、化粧品に配合される様々な化学物質が肌に接触することによって、或いはピアスやネックレスなどのアクセサリーが肌に接触することによって肌に湿疹などの諸症状が生じうることは広く知られている。そして、このような疾病は接触性皮膚炎と呼ばれている。
【0003】
パッチテストは、このような接触性皮膚炎や、喘息、食餌アレルギーなどの種々のアレルギーを生じる原因物質となるアレルゲンを割り出すために用いられる試験であり、アレルゲンの候補となる物質を水などの溶媒に溶かし込んで液状としたり、ワセリンに混合したりすることで調整した試料を肌の表面に塗布し、その後一定時間放置することにより行われる。その結果、肌の表面に紅斑や水泡が出た場合には陽性と判定し、当該試料に含まれていた物質がその被験者にとってのアレルゲンであると判定する。
【0004】
このようなパッチテストを行うには、適当な濃度の試料を肌に塗布することが必要となるが、試料を被験者の肌へ直接塗布するのはその調合や塗布作業の点で面倒が多い。このような点を考慮して、アレルゲン候補物質を含む試料が予め塗布された布からなるパッチテスト用シートを肌に貼り付けることで、試料の肌への塗布を簡便に行うという技術が用いられるようになっている。また、複数のアレルゲン候補物質がある場合にこれら候補物質のどれがその被験者のアレルゲンとなりうるかをまとめてテストするために、それぞれ異なるアレルゲン候補物質を含む複数の試料を予め調整し、これを布の異なる領域にそれぞれ塗布した状態で肌に貼り付けるという手法も実用されている。
【0005】
上述の如きパッチテスト用シートは、パッチテスト実施の際の手間をかなりの部分で減少させられるものである。しかしながら、パッチテスト用シートにも課題がないわけではない。
つまり、パッチテスト用シートは、それを肌に貼り付けた状態では肌の表面に生じている変化を確認できない。従って、既に紅斑や水泡が生じてその物質がアレルゲンであることが十分に確認できる状態となった後であっても、パッチテストがそのまま継続される場合が生じうる。特に、複数のアレルゲン候補物質についてのパッチテストを行う場合には、各アレルゲン候補物質に対する反応の出方がそれぞれ異なるのが通常であるため、上述の課題が顕著に現われる。即ち、すべてのアレルゲン候補物質について反応を生じさせるに十分な時間が経過するまでパッチテストを継続した場合には、反応が出やすいアレルゲン物質について出た反応は、それがアレルゲンであるか否かを判定するに必要なレベルを遥かに超える過剰な水泡などとして肌に現われてしまっているということもありうる。判定に必要なレベルを超えて肌に水泡などを生じさせることは、色素沈着その他の後遺症を誘発する可能性もある。これは、被験者の美容的、健康的観点から見て好ましくない。
【0006】
このような事情は、一面では、ある種のアレルゲン候補物質は、被験者の肌に紅斑や水泡を生じさせるためにかなり長い時間(例えば48時間程度。)を必要とすることにも起因する。このような点を考慮して、アレルゲン候補物質による反応を短時間で生じさせるために、肌の表面に浅い傷を生じさせ、その上に試料を配するという手法も実用されている。つまり、上述の試料を体内へ取りこむことにより、反応を生じさせるに必要な時間を短縮させるのである。しかしながら、試料塗布に先だってかかる傷つけ処理を行うのは面倒である。特に、多種の試料をそれぞれの領域に配したパッチテスト用テープを用いる場合においては、試料を配すべき多数の位置のそれぞれに対応するようにしながら、かかる傷つけ処理を一律に実行するのは煩雑に過ぎる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、パッチテスト用シートにおけるかかる不具合の改良し、パッチテストの広範な普及に寄与することをその課題とする。
具体的には、パッチテスト実施中に肌に過剰な反応を生じさせずにすむようなパッチテスト用シートを提供することをその課題とする。また、パッチテストを実行するに必要な時間を、パッチテストの精度を下げずに短縮できるようなパッチテスト用シートの提供をその課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の課題を解決するための本発明によるパッチテスト用シートは以下のような2つの発明により具現化される。
【0009】
第1の発明について、まず説明する。第1の発明は、下記のように更に2つに大別される。以下の説明では、便宜上の理由により、第1の発明を2つに分けたものの一つ目を、「1−1の発明」、二つ目を「1−2の発明」と称する。
【0010】
1−1の発明は、膜基材と、該膜基材の一方側の面に塗布されたアレルゲンの候補物質を含有の試料とを含んでなるパッチテスト用シートであって、その膜基材が、少なくとも前記試料の塗布された部分が透明性を有するようにされてなるか、或いは、少なくとも前記試料の塗布された部分が、一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなるパッチテスト用シートである。
このようなパッチテスト用シートは、それを肌に貼り付けてパッチテストを行う場合に、その膜基材を透かして、少なくとも試料と接触している部分の肌の性状をいつでも観察可能となる。従って、パッチテストを行っている際に、試料に含まれる候補物質がその被験者にとってのアレルゲンに該当すると判断するに必要な程度の紅斑や水泡が肌に現われた場合には、その場でパッチテストを終了することができる。従って、パッチテストを過剰に長く行うことにより必要以上の反応を被験者の肌に生じさせることがなくなり、パッチテストの安全性を高めるに寄与する。
尚、上述の試料を塗布していないパッチテスト用シート、例えば、膜基材の一方側の面の所定位置に該膜基材を肌に貼り付けるための接着剤の層が形成されていると共に、前記膜基材の前記一方側の面に、塗布されたアレルゲンの候補物質を含有の試料を保持する少なくとも一つの保持領域が設けられており、前記膜基材は、少なくとも前記保持領域に相当する部分が、透明性を有するようにされているか、或いは一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなるパッチテスト用シートも、試料塗布の手間は必要となるものの上述のパッチテスト用シートと同様に有用である。
その保持領域は、例えば、膜基材の前記一方側の面に設けられた凹部とされていてもよいし、膜基材の前記一方側の面に設けられた、前記試料を保持する保持手段とされていても良い。保持手段は、前記凹部の内部に配されていても良い。保持手段は、凹部の内部に設けることもできる。保持手段は、例えば、綿、ハイロドジェル、寒天質のものなどとすることができる。
【0011】
1−1の発明における膜基材は、上述のように、少なくとも前記試料の塗布された部分が透明性を有するようにされてなるか、或いは、少なくとも前記試料の塗布された部分が、一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなる。
この場合における透明性や、一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなるという性質は、パッチテストシートを貼り付けた状態で、膜基材を透かして肌の性状を視認できるようなものである必要があればよい。
膜基材の、試料が塗布されている部分は、完全な透明でも良く、また完全な透明でなくとも肌の性状を視認できる程度であれば、半透明とされていても良い。また、かかる条件を満たす限り、一層でなく多層から構成されていても構わない。例えば、膜基材の形状を維持するための層と、試料を保持するための層とからこの膜基材を構成することも可能であり、貼り付け状態で肌の性状を視認できる限り、不透明材料で形成されたメッシュ状の層などを含んでいても良い。
膜基材における透明性や、一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなるという性質は、上述のように、少なくとも試料が塗布されている部分に与えられていれば足りるが、膜基材の全体がそのように構成されていてももちろん構わない。そのように膜基材を構成することで、例えば、構造の単純化によるコスト減を図れる場合もあると考えられる。
膜基材の透明性ないし一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなるという性質を有する部分は、これには限られないが、例えばシリコーンにより形成されているものとすることができる。シリコーンは、透明性を有する材料であり、且つ加工の方法によりその表面の性状を多用に変化させられるものであるため、本発明の膜基材として用いるに都合が良い。例えば、シリコーンにより形成した膜基材の一方側の面を一定の粘度を有するように加工し且つ他方の面を一定の堅さを有する樹脂様に加工すると共に、上記一方側の面である粘度を有する面にアレルゲンの候補物質を含む試料を塗布した場合には、膜基材を一層から構成できるようになるためパッチテスト用シートの構成を単純化できることとなる。膜基材の全体をシリコーンで形成することももちろん可能である。膜基材の素材としては他に、樹脂を用いることができる。ウレタン、アクリル、ビニル、ナイロンなどをこれに使用可能である。
尚、上述のように、膜基材の一方側の面には、凹部を設けることができる。或いは、試料を保持するに適した保持手段を設けることができる。凹部を設けた場合、試料はこの凹部内に配される。このようにすることで、パッチテスト用シートを肌に貼り付けた場合に試料が過度に広がるのを防止できる。試料を保持する保持手段を設けることによっても試料が過度に広がるのを防止できる。
【0012】
膜基材に塗布する試料は1種類でも良いが、膜基材の異なる領域にそれぞれ異なる試料を塗布することもできる。1−1の発明では、膜基材を複数の領域に区分し、それぞれの領域の一方側の面に、それぞれ異なる試料を塗布するようにすればよい。このようにすれば、複数種類の試料につきまとめてパッチテストを行えるようになるため好ましい。尚、区画は、視覚上明らかな状態で行われている必要なない。
試料が塗布されていないパッチテスト用シートであれば、各領域の中に、上述の保持領域がそれぞれ設けられる。
複数の試料を膜基材の異なる領域に塗布したパッチテスト用シートは、領域のそれぞれを容易に切除可能とするようにして構成することができる。全体としてまとまりがあり、且つ領域毎に容易に切断可能な膜基材を採用することにより、それがアレルゲンであると判断するに十分な反応の出た試料に対応する領域を順次切除していくことができるようになる。従って、十分な反応の出た試料についてはその場でパッチテストを終了できると共に、他の試料についてはパッチテストを継続できるようになるので、各試料について適切なパッチテストを行えることとなる。尚、試料は、各領域の全面に塗布されている必要はない。
上述の領域は、膜基材上にどのように設けても良い。例えば、膜基材をマトリクス状に区画するようにして膜基材を形成することもできる。こうすることにより、膜基材を無駄なく利用できることになる。この場合、一の領域とそれと隣接する他の領域の境界は、以下のようにして区画することができる。例えば、膜基材を貫かない溝か、又はミシン線によって上述の境界を区画することができる。
【0013】
次いで、1−2の発明について説明する。
1−2の発明は、膜基材の一方側の面の所定位置に該膜基材を肌に貼り付けるための接着剤の層が形成されていると共に、前記膜基材の所定位置に、前記膜基材を肌に貼り付けた状態で、アレルゲンの候補物質含有の試料を肌に塗布するに必要な大きさとされた少なくとも一つの孔が設けられてなるパッチテスト用シートであって、前記膜基材は、少なくとも前記孔の周辺が透明性を有するようにされてなるパッチテスト用シートである。
このパッチテスト用シートは、それを肌に貼り付けた状態で、膜基材に設けられている孔の中から露出する肌に試料を塗布することで使用される。つまり、このパッチテスト用シートは、試料を保持する機能を有する部分を上述の孔により形成するものであり、パッチテストを行うための労力を軽減するものとなる。また、このパッチテスト用シートの膜基材は、少なくとも前記孔の周辺が透明性を有するようにされているので、それを肌に貼り付けた状態でも、肌の性状の観察ができるため、1−1の発明と同様に、パッチテストを過剰に長く行うことにより必要以上の反応を被験者の肌に生じさせることがなくなり、パッチテストの安全性を高めるに寄与するという効果を生じる。
尚、孔は、1つでも、それ以上でも良い。孔が増えれば、孔の数に応じた数の試料についてのパッチテストを行えるようになり、便利である。
孔の大きさは、試料を肌に塗布するに必要な大きさとすれば良い。例えば、孔が円形なのであれば、その直径を例えば、5mm〜20mm程度とすれば十分である。
【0014】
1−2の発明に係るパッチテスト用シートは、膜基材を肌に貼り付けた状態で、膜基材の他方の面に貼り付けられた際に、肌に塗布された試料が孔から外部へと漏れ出すのを防ぐものであり、孔を覆うことのできる形状とされ、且つ透明性を有してなるカバーシートを備えていてもよい。
このようなカバーシートがあれば、パッチテストを受けている者の肌の他の部分や衣服に試料が付着することを防止で切るようになる。カバーシートを透明としたのは、パッチテストを過剰に長く行うことにより必要以上の反応を被験者の肌に生じさせることがなくなる、という上述の効果を維持するためである。この透明性は、肌の状態を確認できるようなものであれば足りる。完全な透明でも、半透明でも良い。
【0015】
孔が複数個設けられている場合、そのパッチテスト用シートのカバーシートは、前記孔を覆うようにされ、且つ各孔のそれぞれに対応するようにされた複数のカバー領域に区画されると共に、そのカバー領域のそれぞれが容易に切除可能とすることができる。このようなカバーシートであれば、それがアレルゲンであると判断するに十分な反応の出た試料に対応するカバー領域を順次切除していくことができるようになる。従って、十分な反応の出た試料についてはその場でパッチテストを終了し、孔の中の試料を除去するなどの適切な処理を行えると共に、他の試料についてはパッチテストを継続できるようになる。
【0016】
孔の内部には、上述の試料を保持するための保持手段が設けられていても良い。保持手段は、例えば、綿、ハイロドジェル、寒天質のものなどである。
保持手段は、試料を保持できればどのようなものでもよい。例えば、透明性を有するものとすることができる。このようにすれば、保持手段が肌の観察の妨げになることがなくなる。
【0017】
1−2の発明の説明では、カバーシートと膜基材とが別体であるとの前提で説明をしたが、これらは一体的であっても良い。この場合のパッチテスト用シートは、例えば、カバーシートが、膜基材の全体を覆うことができるような形状とされると共に、膜基材の他方の面に一体的に貼り付けられており、且つ膜基材の孔に臨む部分には、試料が塗布されてなる。カバーシートと膜基材を一体とし、且つ膜基材の孔から覗くカバーシートに予め試料を塗布しておくことで、1−1のパッチテスト用シートと同様に、準備なしで使用可能な利便性の高いパッチテスト用シートを得られる。
尚、孔の中に保持手段を設けても良いことはもちろんである。
カバーシートと膜基材が一体であり、且つその膜基材の孔が複数である場合、そのカバーシートは、孔を覆うようにされ、且つ各孔のそれぞれに対応するようにされた複数のカバー領域に区画されると共に、そのカバー領域のそれぞれが容易に切除可能とされており、且つ切除されたカバー領域を前記膜基材から除去可能とされてなるものとすることができる。それがアレルゲンであると判断するに十分な反応の出た試料に対応するカバー領域を順次切除していくことができるようになる。従って、十分な反応の出た試料についてはその場でパッチテストを終了し、孔の中の試料を除去するなどの適切な処理を行えると共に、他の試料についてはパッチテストを継続できるようになる。
【0018】
カバーと膜基材とが別体か否かによらず、1−2の発明に係るパッチテスト用シートの膜基材は、以下のようなものとすることができる。即ち、膜基材の前記一方側の面における前記孔の開口縁を取り囲むように、当該一方側の面の他の部分よりから突出した突出部が設けられているものとすることができる。この場合、この突出部の先端面に、接着剤の層が設けられる。接着剤が付されている膜基材と肌の接触面積が大きいと、肌の凹凸を膜基材が拾いやすくなり、膜基材と肌の間に隙間が生じやすくなる。このような状況が生じると、試料が孔から漏れ出して肌上で広がってしまう。上述の如き突出部を設け、その端面に接着剤層を設けるようにすることによって膜基材と肌との接触面積を小さくすることで、上述の如き問題を抑止できるようになる。
【0019】
第2の発明は以下のようなものである。
第2の発明は、その一方側の面に、アレルゲンの候補物質を含有の試料が塗布された膜基材の当該試料が塗布された部分に、その貼り付けを行った際に肌の表面を傷つけるに役立つ傷生成手段が設けられてなるパッチテスト用シートである。
このパッチテスト用シートは、試料が塗布される面に、上述の如き傷生成手段が設けられているので、パッチテスト用シートを貼り付けるのみで、或いは貼り付け後に膜基材の表面を擦るなどして適度な圧力を加えるのみで、肌の表面に適切な傷を生じさせられるようになる。従って、このパッチテスト用シートによれば、その貼り付ける前に肌の表面に傷を生じさせるための処置を別途行う必要がなくなるので、パッチテストに必要な時間の短縮を図れるようになる。また、上述の傷生成手段は、試料が塗布される部分に設けられているので、肌の傷が生じた部分に必ず試料が塗布されることとなるので、傷を生成すべき場所と試料を塗布すべき場所との位置合わせが必要なくなり、パッチテストについての手間を省力化できるようになる。
【0020】
傷生成手段は、肌の表面に傷を生じるのを補助できるようなものであればどのようなものでも良い。針状、刃状など、またはこれらを複数組み合わせたものなど、適宜選択可能である。針状のものとするのであれば、それが複数本まとめられたものとしても良い。針状のものであれば、例えば、膜基材の試料が塗布された側の面から0.05〜1.5mm凸設するようなものとできる。
また、傷生成手段は、透明性を有するようにしても良い。このようにすれば、傷生成手段が肌の観察のし易さを低下させにくくなる。
本発明の傷生成手段は、パッチテスト用シートを肌に貼り付けた状態で除去可能とされてなるようにすることができる。傷生成手段は、いつまでも肌に当接させておくと被験者に不快感を与える場合がある。傷生成手段を除去可能とし、傷の生成を終え次第速やかにその除去を行えるようにすることにより、被験者に与える不快感を抑えられるようになる。
傷生成手段を除去可能とするための構成はどのようにしても良い。傷生成手段は、例えば、前記膜基材の前記一方側の面からその先端部が突出されると共に、その基端部が前記膜基材の他方側の面に配されると共に該膜基材から除去可能とされた除去手段と接続された針状体であり、前記除去手段を前記膜基材から除去することで、前記針状体を除去できるようになっているようにしても良い。
この場合の傷生成手段は、複数本の針状体を含んでなると共に、そのすべてが一の除去手段と接続されており、その一の除去手段を前記膜基材から除去することで、すべての傷生成手段を除去できるようにされてなるものとしても良い。
【0021】
本発明による第2の発明は、それ単独でも実施可能であり、上述の1−1の発明と組み合わせても実施可能である。例えば、第2の発明の膜基材の少なくとも試料が付されている部分を、透明性ないし一方側の面側から他方の面側が透けるような性質を有するようにすることができる。膜基材の全体がこのような性質を持っていても無論構わない。
また、膜基材の異なる領域にそれぞれ異なる試料が塗布されたパッチテスト用シートにも、第2の発明を組み合わせることができる。この場合における傷生成手段は、各領域における試料が塗布された部分にそれぞれ設けるようにすればよい。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明に係るパッチテスト用シートの第1、第2、及び第3実施形態について、図面を参照して説明する。
両実施形態の説明で、重複する部分には同一の符合を付し、重複説明は省略することとする。
第1実施形態に係るパッチテスト用シートの説明では図1乃至図4を、第2実施形態に係るパッチテスト用シートの説明では図5乃至図6を、第3実施携帯に係るパッチテスト用シートの説明では図7乃至図8を、それぞれ参照することとする。
【0023】
第1実施形態
第1実施形態に係るパッチテスト用シートは、図1乃至図3に示した如きものである。尚、図1は、パッチテスト用シートS1の表面を示す平面図であり、図2は、パッチテスト用シートS1の裏面を拡大して示す斜視図であり、図3はパッチテスト用シートS1の断面を示す図である。
【0024】
この実施形態におけるパッチテスト用シートS1は、シリコーンにより、その全体が一定の透明度を持つようにして形成された膜基材1と、その膜基材1の一方側の面塗布された複数の試料2、2…とを含んで構成される。
試料2、2…は、パッチテスト用シートS1の製造時、或いは販売時から塗布されていても良いし、製造時、或いは販売時から塗布されていなくても良い。その製造時、或いは販売時から試料2、2…が塗布されていないパッチテスト用シートS1であれば、使用時に試料2、2…を塗布して、以下に説明するパッチテスト用シートを得ることになる。
【0025】
この実施形態における膜基材1は、矩形形状に形成されている。もっともこの形状は、パッチテスト用シートS1の貼り付け位置などに応じて自由に選択することができる。
また、この膜基材1の裏面(試料2、2…が塗布される側の面)は、一定の粘度を持つように加工されている。これにより、この膜基材1は、試料2、2…をその裏面に保持しやすくなっている。一方、この膜基材1の表面(試料2、2…が塗布されない側の面)は、粘度が小さく抑えられるようにされており、樹脂様に加工されている。このような加工を行うことにより、このパッチテスト用シートS1は、その取り扱い性を高められている。
【0026】
上述の膜基材1の表面には、膜基材1を貫かないような深さの溝1Aが縦横に設けられており、これにより膜基材1は、矩形の領域1B、1B…に区画されている。これには限られないが、この実施形態における各領域1B、1B…は、略1〜2cm四方に形成されている。
この実施形態による領域1B、1B…は、隣接する領域1B、1B…との境界に上述の溝1A、1A…を配することにより形成されており、膜基材1をマトリクス状に区画するものとなっている。
膜基材1を形成するシリコーンは、素手でもその一部を簡単に切除できる素材であるが、上述の溝1Aの存在により、使用の際に全体の一体性を維持でき、且つ領域1B、1B…毎の切除を簡単に行えるようなものとなっている。
尚、溝1Aの一部又は全部を、ミシン線に置き換えることにより領域1B、1B…を区画してもよい。
【0027】
一方、試料2、2…のそれぞれは、異なるアレルゲン候補物質を含むものとなっている。アレルゲン候補物質は、パッチテストで判定の対象としたいものの中から適宜選択することができる。例えば、化粧品による接触性皮膚炎の発生原因を調査しようとする場合には、化粧品に含まれることのある化学物質を、アレルゲンとして選択する。化粧品による接触性皮膚炎の発生原因を調査する場合には、例えば、防腐剤や界面活性剤などの構成成分のすべて、又は疑わしい成分を用いれば良い。この試料2、2…は、アレルゲン候補物質をアレルゲンの候補となる物質を水に溶かし込んで水溶液としたり、ワセリンに混合したりすることで調整したものとすることができる。
試料2、2…は、各領域1B、1B…中の所定の範囲に塗布されている。各領域1B、1Bの全面に塗布されていても良いし、一部に塗布されていてもよい。試料2、2…が塗布される領域が、本発明における保持領域となる。勿論、試料2、2…が塗布されていない領域があっても構わない。
【0028】
また、この実施形態における膜基材1の裏面の各領域1B、1B…中の試料2、2…が塗布されている範囲には、本発明における傷生成手段としての針状体1C、1C…が形成されている。この針状体1C、1C…は、膜基材1を肌に貼り付けたときに、肌に傷を生成するのを補助するようなものである。針状体1C、1C…は、例えば、鉄、プラスチック、ステンレスやチタン合金などで形成することもできるが、この例では、透明性を有する樹脂により形成されている。その長さは、パッチテストを行う肌の部位などに応じて適宜決定すれば良いが、この例では、膜基材1から0.2mm〜0.5mm程度突出するように形成されている。また、針状体1C、1C…の先端は、膜基材1を肌に当接させたときに肌の表面に細かな傷を設けられる程度に鋭くされている。針状体1C、1C…は、1本でも良いが、この例では、3本一組とされており、各領域1B、1B…中の試料2、2…が塗布されている範囲に設けられている。
【0029】
パッチテスト用シートS1の使用方法の一例につき説明する。このパッチテスト用シートS1は、パッチテストを行うべき被験者の肌の所定位置に貼り付けて使用する。例えば、パッチテスト用シートS1は、被験者の背中や、上腕の内側などに貼り付けて用いられる。膜基材1の裏面は一定の粘度を有しているので、他の接着用の材料や粘着テープなどを用いずともパッチテスト用シートS1の肌への貼り付けは容易に行える。被験者の背中にパッチテスト用シートS1を貼り付けた状態を図4で示す。
【0030】
パッチテスト用シートS1を貼り付け、必要であれば膜基材1の表面から多少の圧迫を加えると、膜基材1の裏面に設けられた針状体1C、1C…が、肌の、各領域1B、1B…に対応する位置にそれぞれ小さな傷を生じさせる。そして、肌の表面の傷が生じた各部分を覆うようにして、膜基材1の裏面の試料2、2…が肌に対して当接され、肌に試料2、2…を塗布したのと同様の状態を生じさせる。一定時間が経過すると、その被験者にとってアレルゲンとなり得るアレルゲン候補物質が含まれていた試料2、2…と当接していた部分の肌には、紅斑や水泡の発生といった変化が生じてくる。膜基材1が透明であるので、パッチテスト用シートS1が貼り付けられた状態にあっても、肌に生じるこのような変化は常に視認可能である。
【0031】
ある試料2、2…と当接している肌に、その試料2、2…に含まれる物質がその被験者にとってのアレルゲンであると判定するに十分な反応が生じた場合には、当該試料2、2…が塗布されている領域1B、1B…を除去する。これにより、被験者の肌に必要以上の反応を生じさせることがなくなる。十分な反応が生じた場合には、当該試料2、2…が塗布されている領域1B、1B…を順に除去していく。
十分な反応が生じていない領域についてはパッチテストが継続的に行われる。
【0032】
このパッチテスト用シートS1の変形例として、膜基材1の試料2、2…が塗布された面に、所定の台紙を貼り付けたものが考えられる。このようにしておけば、試料2、2…の蒸発を防ぐことができるようになると共に、粘着性のある面を露出させなくすることで、パッチテスト用シートS1の取り扱いを容易にすることができるようになる。
また、膜基材1の素材を透明性のある樹脂にすることが考えられる。例えば、肌の凹凸に追従する程度の柔軟性を有するアクリル系の樹脂により膜基材1を形成することができる。樹脂を用いて膜基材1を形成する場合には、膜基材1の試料2、2…が塗布される部分に、本発明の保持手段としての、綿、ハイロドジェル、寒天質のものなどにより形成の保持部材を付しておくのが望ましい。保持手段として、透明なものを使用するのであれば、寒天培地を使用することができる。
また、膜基材1の試料2、2…が塗布される部分に、試料2、2…を保持できる程度の凹部を設けておいても良い。膜基材1の試料2、2…が塗布される部分に寒天培地などの保持手段を収め、それに塗布するなどして試料2、2…を保持させておくことができる。凹部に、保持手段を収めておいても良い。
【0033】
第2実施形態
この実施形態に係るパッチテスト用シートは、第1実施形態で説明したパッチテスト用シートと略同様のものとなっている。その使用方法に関しても、第1実施形態で説明したパッチテスト用シートと略変わらない。
この実施形態によるパッチテスト用シートと、第1実施形態によるパッチテスト用シートとの間で異なっている点は、第2実施形態によるパッチテスト用シートの針状体1C、1C…が膜基材1は、その膜基材1から除去できるようになっている点である。
【0034】
この実施形態によるパッチテスト用シートは、図5に示したように、その表面に、本発明の除去手段に相当する除去シート10を備えている。この除去シート10、10…は、膜基材1の各領域1B、1B…に、容易に除去可能に設けられている。各除去シート10、10…は、膜基材1の各領域に配されている。
また、この実施形態によるパッチテスト用シートの針状体1C、1C…は、派膜基材1を貫通するようになっている。針状体1C、1C…の先端は、膜基材1の裏側から0.2mm〜0.5mm程度突出するようにされており、且つその基端は、その領域1B、1B…にある除去シート10、10…に固定されている。
この実施形態によるパッチテスト用シートを使用する際には、それを肌に貼り付け、膜基材1の表面から多少の圧迫を加えるなどして肌に傷をつけた後、除去シート10、10…を除去する。すると、その除去シート10、10…と接続された針状体1C、1C…が膜基材1から除去される。
尚、除去シート10を、図6に示した如く一体化することもできる。このようにすれば、一の除去シート10を除去するという一回の手順で、すべての針状体1C、1C…を除去できるようになる。
【0035】
第3実施形態
第3実施形態に係る、パッチテスト用シートS2について説明する。
この実施形態におけるパッチテスト用シートS2は、図7の斜視図に示したようなものである。図7は、パッチテスト用シートS2の肌に当接させる側の面を表にした状態を示す斜視図である。
【0036】
この実施形態におけるパッチテスト用シートS2は、膜基材1を有している。膜基材1は、肌の凹凸に追従する程度の柔軟性を有する樹脂、例えば、アクリル系の樹脂により、その全体が一定の透明性を有するように形成されている。膜基材1の透明度は、膜基材1を肌に貼り付けた際に、膜基材1を通して、肌が透けて見える程度のものとされている。
膜基材1には、マトリクス状に配列された複数の孔1D、1D…が設けられている。この例では、2×3で配列されたの6つの孔1D、1D…が設けられている。また、孔1D、1D…は、膜基材1を貫通している。これらの孔1D、1D…はそれぞれ、パッチテスト用シートS2を肌に貼り付けた状態で、その内部に試料2を塗布するに十分な大きさとされている。この実施形態における各孔1D、1D…は、これには限られないが断面円形とされており、その直径が、1cm程度となるようにされている。
この実施形態によるパッチテスト用シートS2の膜基材1の一方側の面における孔1D、1D…周辺には、必ずしも必要ではないが、孔1D、1D…の外周を取り囲むようにされた、短円筒形状に形成の突出部1E、1E…が設けられている。突出部1E、1E…の先端面には、パッチテスト用シートS2を肌に貼り付ける機能を有する、接着剤からなる接着剤層1F、1F…が設けられている。
この実施形態によるパッチテスト用シートS2の各孔1D、1D…の中には、試料を保持するための、本発明における保持手段に相当する保持部材1G、1G…が設けられている。保持部材1G、1G…として綿、ハイロドジェル、寒天質のものなどを用いることができるのは上述の通りであるが、本発明では、保持部材1G、1G…としてハイドロジェルが用いられている。
【0037】
この実施形態によるパッチテスト用シートS2は、また、膜基材1とは別体とされた、図8に示した如き、矩形に形成のカバーシート3を備えている。このカバーシート3は、例えばセロファンなどの液体を通さない樹脂によって形成されている。この実施形態によるカバーシート3は、これには限られないが、その全体が無色透明となっている。このカバーシート3は、膜基材1と略同一の大きさとされており、且つ膜基材1の各孔1D、1D…を含む矩形のカバー領域3A、3A…に区画されている。このカバー領域3A、3A…は、例えばミシン線3B、3B…により行われており、隣接するカバー領域3A、3A…から、容易に切除できるようになっている。ミシン線線3B、3B…の一部又は全部を、カバーシート3の厚さよりも浅い溝に置換することも可能である。
【0038】
このパッチテスト用シートS2は、図8に示したように用いる。
パッチテスト用シートS2を用いる場合には、まず、接着剤層1F、1F…を当接させるようにして、膜基材1を肌に貼り付ける(図8(A))。
次いで、各孔1D、1D…の中に、試料を入れる。この例では、すべての孔1D、1D…の中に、試料2、2…を入れることとするが、試料は、すべての孔1D、1D…に入れる必要はない。
試料を各孔1D、1D…の中に入れたら、膜基材1の露出している側の面を覆うようにして、カバーシート3を貼り付けることで、各孔1D、1D…から試料が漏れ出さないようにする(図8(B))。この作業を容易にするために、カバーシート3の膜基材1と当接させる側の面には、接着剤が予め塗布されている。このとき、カバーシート3中の各カバー領域3A、3A…中に、各孔1D、1D…が収まるようにする。
そして、そのまま、放置することで、ハイドロジェル中に含浸した試料を肌に当接させる。
一定時間が経過すると、その被験者にとってアレルゲンとなり得るアレルゲン候補物質が含まれていた試料と当接していた部分の肌には、紅斑や水泡の発生といった変化が生じてくる。膜基材1が透明であるので、パッチテスト用シートS2が貼り付けられた状態にあっても、肌に生じるこのような変化は常に視認可能である。
【0039】
ある試料と当接している部分の肌に、その試料に含まれる物質がその被験者にとってのアレルゲンであると判定するに十分な反応が生じた場合には、当該試料が塗布されている孔1Dと対応付けられた、カバー領域3A、3A…を順次除去し、試料の除去や中和剤の塗布などを行う(図8(C))。
十分な反応が生じていない試料についてはパッチテストが継続的に行われる。
【0040】
パッチテスト用シートS2の変形例としては、上述の突出部1E、1E…が設けられていない場合がある。この場合には、膜基材1の肌と当接する面が平面とされるので、その面全体に接着剤層を形成すれば良い。
また、図8(B)で示した状態の、カバーシートS2を当初から準備しておくことも考えら得る。つまり、膜基材1とカバーシートS2とを当初から一体化しておき、且つ孔1D、1D…の中に、それぞれ異なる試料を入れておくことも考えられる。
このパッチテスト用シートS2でも上述した如き台紙が使用可能である点については、言うまでもない。
【0041】
【発明の効果】
本発明によるパッチテスト用シートは、その膜基材が透明性を有するものとなっているので、それを貼り付けた状態でも肌の表面を観察できるようになる。従って、試料に含まれるアレルゲン候補物質について、それがアレルゲンであるとの判定を行うに十分な反応が肌に生じた場合には、すぐにパッチテストを終了できるようになるので、パッチテストが必要以上に継続されるということがなくなる。
また、膜基材の試料が配される位置に傷生成手段を設けたパッチテスト用シートによれば、それを貼り付けることにより、肌の表面に傷を生じさせることが可能であるため、パッチテストの時間短縮のために肌の表面に傷を生じさせるための他の処理を何らと必要とせずにこれを行えるようになるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態によるパッチテスト用シートの表面を示す平面図。
【図2】図1で示したパッチテスト用シートの裏面を拡大して示す斜視図。
【図3】図1で示したパッチテスト用シートを厚さ方向で切断した状態を示す断面図。
【図4】図1で示したパッチテスト用シートの使用状態を説明するための図。
【図5】本発明の第2実施形態によるパッチテスト用シートを厚さ方向で切断した状態を示す断面図。
【図6】本発明の第2実施形態によるパッチテスト用シートの変形例を示す、当該パッチテスト用シートを厚さ方向で切断した状態を示す断面図。
【図7】本発明の第3実施形態によるパッチテスト用シートの斜視図。
【図8】図3で示したパッチテスト用シートの使用状態を説明するための図。
【符号の説明】
1 膜基材
1A 溝
1B 領域
1C 針状体
1D 孔
1E 突出部
1F 接着剤層
1G 保持部材
2 試料
3 カバーシート
3A カバー領域
3B ミシン線
S パッチテスト用シート
Claims (18)
- 膜基材と、該膜基材の一方側の面に塗布されたアレルゲンの候補物質を含有の試料とを含んでなるパッチテスト用シートであって、
前記膜基材は、少なくとも前記試料の塗布された部分が透明性を有するようにされてなるとともに、複数の領域に区画されており、それぞれの前記領域にそれぞれ異なる複数の試料が塗布されてなり、前記領域のそれぞれが容易に切除可能とされてなる、
パッチテスト用シート。 - 前記領域は、前記膜基材をマトリクス状に区画するように構成されている、
請求項1記載のパッチテスト用シート。 - 前記領域のそれぞれは、隣接する他の領域との間を、前記膜基材を貫かない溝か、又はミシン線によって区画されてなる、
請求項1記載のパッチテスト用シート。 - 前記膜基材の一方側の面には凹部が形成されており、前記試料はその凹部の内部に塗布されている、請求項1記載のパッチテスト用シート。
- 膜基材と、
該膜基材の一方側の面に塗布されたアレルゲンの候補物質を含有の試料とを含んでなるパッチテスト用シートであって、
前記膜基材は、少なくとも前記試料の塗布された部分が、一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなるとともに、複数の領域に区画されており、それぞれの前記領域にそれぞれ異なる複数の試料が塗布されてなり、前記領域のそれぞれが容易に切除可能とされてなる、
パッチテスト用シート。 - 膜基材の一方側の面の所定位置に該膜基材を肌に貼り付けるための接着剤の層が形成されていると共に、前記膜基材の所定位置に、前記膜基材を肌に貼り付けた状態で、アレルゲンの候補物質を含有の試料を肌に塗布するに必要な大きさとされた少なくとも2つの孔が設けられてなるパッチテスト用シートであって、
前記膜基材は、少なくとも前記孔の周辺が透明性を有するようにされてなり、
前記膜基材を肌に貼り付けた状態で、前記膜基材の他方の面に貼り付けられた際に、肌に塗布された試料が前記孔から外部へと漏れ出すのを防ぐものであり、前記孔を覆うことのできる形状とされ、且つ透明性を有してなるカバーシートを備えており、
前記カバーシートは、前記孔のすべてを覆うようにされ、且つ各孔のそれぞれに対応するようにされた複数のカバー領域に区画されると共に、そのカバー領域のそれぞれが容易に切除可能であり、且つ前記膜基材から除去可能とされてなる、
パッチテスト用シート。 - 前記孔の内部には、前記試料を保持するための保持手段が設けられてなる、
請求項6記載のパッチテスト用シート。 - 前記保持手段は、透明性を有するものとされてなる、
請求項7記載のパッチテスト用シート。 - 前記カバーシートは、前記膜基材の全体を覆うことができるような形状とされると共に、前記膜基材の他方の面に一体的に貼り付けられており、且つ前記膜基材の孔に臨む部分には、前記試料が塗布されてなる、
請求項6記載のパッチテスト用シート。 - 前記膜基材の前記一方側の面における前記孔の開口縁を取り囲むように、当該一方側の面の他の部分より突出した突出部が設けられていると共に、この突出部の先端面に、前記接着剤の層が設けられてなる、
請求項6又は9記載のパッチテスト用シート。 - 膜基材の一方側の面の所定位置に該膜基材を肌に貼り付けるための接着剤の層が形成されていると共に、前記膜基材の所定位置に、前記膜基材を肌に貼り付けた状態で、アレルゲンの候補物質を含有の試料を肌に塗布するに必要な大きさとされた少なくとも2つの孔が設けられてなるパッチテスト用シートであって、
前記膜基材は、少なくとも前記孔の周辺が、一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなり、
前記膜基材を肌に貼り付けた状態で、前記膜基材の他方の面に貼り付けられた際に、肌に塗布された試料が前記孔から外部へと漏れ出すのを防ぐものであり、前記孔を覆うことのできる形状とされ、且つ透明性を有してなるカバーシートを備えており、
前記カバーシートは、前記孔のすべてを覆うようにされ、且つ各孔のそれぞれに対応するようにされた複数のカバー領域に区画されると共に、そのカバー領域のそれぞれが容易に切除可能であり、且つ前記膜基材から除去可能とされてなる、
パッチテスト用シート。 - 膜基材の一方側の面の所定位置に該膜基材を肌に貼り付けるための接着剤の層が形成されていると共に、前記膜基材の前記一方側の面に、塗布されたアレルゲンの候補物質を含有の試料を保持する少なくとも一つの保持領域が設けられており、
前記膜基材は、少なくとも前記保持領域に相当する部分が、透明性を有するようにされてなるとともに、複数の領域に区画されており、前記領域のそれぞれが容易に切除可能とされてなる、
パッチテスト用シート。 - 前記保持領域は、前記膜基材の前記一方側の面に設けられた凹部とされてなる、
請求項12記載のパッチテスト用シート。 - 前記保持領域は、前記膜基材の前記一方側の面に設けられた、前記試料を保持する保持手段とされてなる、
請求項12記載のパッチテスト用シート。 - 前記保持領域は、前記凹部の内部に配されてなる、
請求項13記載のパッチテスト用シート。 - 膜基材の一方側の面の所定位置に該膜基材を肌に貼り付けるための接着剤の層が形成されると共に、前記膜基材の接着剤の層が形成されている面に、塗布されたアレルゲンの候補物質を含有の試料を保持する少なくとも一つの保持領域が設けられており、
前記膜基材は、少なくとも前記保持領域に相当する部分が、一方側の面側から他方の面側が透けるようにされてなるとともに、複数の領域に区画されており、前記領域のそれぞれが容易に切除可能とされてなる、
パッチテスト用シート。 - 前記膜基材は、その全体が透明性を有するようにされてなる、
請求項1、5、6、11、12又は16のいずれかに記載のパッチテスト用シート。 - 前記膜基材は、シリコーンからなる、
請求項1、5、6、11、12又は16のいずれかに記載のパッチテスト用シート。
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