JP3129618U - 焼却炉 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構造により、クリンカーの炉壁への付着が予防可能な焼却炉を提供する。
【解決手段】内部に燃焼室Nを備えた焼却炉本体2と、焼却炉本体2の上部に備えられた投入口3と、焼却炉本体2の下部に備えられた排出口4と、焼却炉本体2内部に備えられ前記投入口3から排出口4へと下り階段状に形成された段差部7a、7bとを備えた焼却炉1であって、段差部7a、7bは、ストーカ5と、ストーカ5から下方に連設された側壁部6とを備え、ストーカ5と側壁部6との連設付近から略水平方向に突設して形成された突設体11を備えたことにより、投入口3から排出口4までの焼却物Sの流れを良くし、焼却物Sが焼結して生じるクリンカーの発生を防ぎ、焼却炉1の耐性寿命を向上させる。
【選択図】図1
【解決手段】内部に燃焼室Nを備えた焼却炉本体2と、焼却炉本体2の上部に備えられた投入口3と、焼却炉本体2の下部に備えられた排出口4と、焼却炉本体2内部に備えられ前記投入口3から排出口4へと下り階段状に形成された段差部7a、7bとを備えた焼却炉1であって、段差部7a、7bは、ストーカ5と、ストーカ5から下方に連設された側壁部6とを備え、ストーカ5と側壁部6との連設付近から略水平方向に突設して形成された突設体11を備えたことにより、投入口3から排出口4までの焼却物Sの流れを良くし、焼却物Sが焼結して生じるクリンカーの発生を防ぎ、焼却炉1の耐性寿命を向上させる。
【選択図】図1
Description
本考案は、廃棄物の焼却に用いられる焼却炉に関する。
従来、焼却炉では、廃棄物の燃焼を繰り返していると、焼却炉内側壁に廃棄物の燃焼により発生するクリンカーが付着するという問題が発生する。このクリンカーとは、物質が燃焼したときに火熱によって生じる灰分、またはそれが溶融した後固化して層状となる不定形の残留物を指しており、このクリンカーが炉壁に付着すると、この表面にはさらに次のクリンカーが付着し易く、クリンカーは累乗的に増大していき、火床の上を滑動する廃棄物の流れがクリンカーによって、廃棄物の流れが滞留して、遂には正常な燃焼作用が続けられなくなるという事態に陥っていた。さらに、クリンカーの付着によって、炉壁の劣化が起こる等の問題が生じていた。
この炉壁に付着したクリンカーを除去する方法として、焼却炉の炉壁に付着したクリンカをチッパ等の器具により砕いて、除去する方法が挙げられる(特許文献1)。
特開2003−336827号公報
しかし、特許文献1の除去方法では、作業者が焼却炉内に入り、作業を行わなければならず、作業者の負担が大きいという問題点があった。
そこで本考案は、前記の問題点を克服する、簡素な構造により、クリンカーの炉壁への付着が予防可能な焼却炉を提供することである。
請求項1の考案は、内部に燃焼室を備えた焼却炉本体と、焼却炉本体の上部に備えられた投入口と、焼却炉本体の下部に備えられた排出口と、焼却炉本体内部に備えられ前記投入口から前記排出口へと下り階段状に形成された段差部とを備えた焼却炉であって、前記段差部は、略水平部と、前記略水平部から下方に連設された垂直部とを備え、前記略水平部と前記垂直部との前記連設付近から略水平方向に突設して形成された突設体を備えたことである。
請求項2の考案は、請求項1記載の焼却炉において、前記突設体は、前記垂直部の上方に設けられ、前記垂直部の上部より前記投入口から前記排出口に向かい略水平方向に突出する上面部を備えたことである。
請求項3の考案は、請求項2記載の焼却炉において、前記突設体は、前記上面部の前記排出口側端に連設され、前記垂直部と平行に形成された垂直面部を備えたことである。
請求項4の考案は、請求項3記載の焼却炉において、前記突設体は、前記垂直面部の下端から前記垂直部の中段部分へと向けて形成された下面部を備えたことである。
請求項5の考案は、請求項4記載の焼却炉において、前記下面部は、垂直面部側端を前記段差部の垂直部側端より上位置に形成したことである。
請求項6の考案は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼却炉において、前記突設体は、前記段差部の垂直部と平行に形成された取り付け面部を備えたことである。
請求項7の考案は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の焼却炉において、前記突設体は、中実部材である。
請求項1の考案によれば、燃焼室により廃棄物が焼却されて生じた焼却物が、投入口から排出口に向かって、下り階段形状に形成された段差部を伝い落ちる場合に、段差部の略水平部と垂直部との連設付近から略水平方向に突設して形成された突設体により、焼却物が段差部の隅に堆積することを防ぎ、投入口から排出口までの焼却物の流れを良くし、焼却物が焼結して生じるクリンカーの発生を防ぎ、焼却炉の耐性寿命を向上させる。
請求項2の考案によれば、下り階段状に形成された段差部の隅に焼却物が堆積することを防ぎ、投入口から排出口までの焼却物の流れを良くし、焼却物が焼結して生じるクリンカーの発生を防ぎ、焼却炉の耐性寿命を向上させる。
請求項3の考案によれば、突設体への焼却物の付着を防ぎ、投入口から排出口までの焼却物の流れを向上させる。
請求項4の考案によれば、突設体への焼却物の付着を防ぎ、投入口から排出口までの焼却物の流れをさらに向上させる。
請求項5の考案によれば、突設体への焼却物の付着を防ぎ、投入口から排出口までの焼却物の流れをさらに向上させる。
請求項6の考案によれば、突設体と段差部の垂直部との接続を良好なものとし、突設体を物理的強度に優れたものとすることができる。
請求項7の考案によれば、突設体の物理的強度を向上させることができる。
本考案における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本考案の必須要件であるとは限らない。
図1は、本考案における一実施例を示しており、符号1は、ストーカ炉形式の焼却炉を示しており、この焼却炉1は、周囲を耐熱レンガ等の耐火物によって箱型に形成され、内部に燃焼室Nを備えた焼却炉本体2と、焼却炉本体2の上部に備えられ、廃棄物Hが投入可能な投入口3と、前記焼却炉本体2の下部に備えられ、廃棄物Hが取り出し可能な排出口4と、この前記投入口3と排出口4との間には、複数の略水平部たるストーカ5と複数の垂直部たる側壁部6とを備え、下り階段状に形成された複数の段差部7a,7b,7cと、燃焼室Nに備えられ、段差部7a,7b,7cを上方から燃焼可能なバーナー8とを有している。
このストーカ5は、上面部分9が投入口3側から排出口4側に向けてなだらかに傾斜して形成されている。また、このストーカ5は、投入口3側及び排出口4側の両方向に図示しない駆動手段によって揺動自在に設けられた揺動式ストーカである。
前記段差部7a,7b,7cにおける側壁部6の上端部分には、投入口3から排出口4に向かって突設した突設体11が備えられている。
以下、この突設体についての説明を行う。
この突設体11は、側壁部6の上端部分12より投入口3から排出口4に向かい略水平方向に突出する上面部13と、上面部13の排出口4側端に連設し、段差部7の側壁部6と平行に形成され垂直な前面部14と、前面部14の下端に連設し、前記段差部7の側壁部6の略中段部分へと向けて形成された下面部15と、下面部15の下端と上面部13の投入口3側端とを連設し、段差部7の側壁部6と平行に形成され垂直な後面部16とを有する。
そして、図1に示すように、この突設体11は、断面を略台形状とした、中実部材からなる。そして、この突設体11の材質については、耐火物からなる。
さらに、突設体11の構造について詳細な説明を行うと、上面部13は、略水平に形成されている。そして、上面部13の側壁部6側端を基準とした、上面部13の俯角αを、0°≦α≦10°とし、好ましくは俯角α=0°とする(図中においては、上面部13の俯角α=0°とする)。
また、上面部13及び前面部14の寸法A、Bをほぼ同じ大きさに形成するとともに、後面部16の寸法Cを寸法A、Bに対し略2倍の大きさに形成している。そして、本実施例では、寸法A、Bを共に、300mmとし、寸法Cを600mmとしている。
さらに、この突設体11の下面部15は、その平面の傾斜を突設体11の下端に位置する下面部15の側壁部6側端より下面部15の前面部14側端を上位置に形成したことにより、仰角βは概ね45°に形成されている。
また、投入口3及び排出口4には、投入口3及び排出口4を開閉自在にする開閉手段たる開閉扉17,18が備えられている。
以下、本実施例の前述の構成について詳細に説明する。
本実施例の焼却炉1を用いて、廃棄物Hの焼却を行う手順として、予め、排出口4を閉状態としたまま、投入口3より焼却炉本体2の燃焼室Nに廃棄物Hを投入し、投入口3の開閉扉に閉めて、投入口3を閉状態とする。
上段に位置した段差部7aのストーカ5の上面部分9に投入口3より投入された廃棄物Hを、バーナー8の熱により焼却する。
ストーカ5を揺動させて、ストーカ5の上面部分9の焼却された廃棄物H(以下、焼却物Sという)を排出口4に向けて送り出す。
上段に位置する段差部7aのストーカ5の排出口4側端まで、送られた焼却物Sは、側壁部6の上端に投入口3から排出口4に向かって突設して設けられた突設体11の上面部13を伝い、中段に位置する段差部7bのストーカ5の上面部分9へと落とされる。
この中段に位置する段差部7bの上面部分9に落された焼却物Sは、バーナー8によりさらに焼却される。
中段に位置する段差部7bのストーカ5の排出口4側端まで、送られた焼却物Sは、側壁部6の上端に投入口3から排出口4に向かって突設して設けられた突設体11の上面部13を伝い、下段に位置する段差部7cのストーカ5の上面部分9へと落とされる。
この時、塊状の焼却物Sは、突設体11の上面部13の排出口4側端から、そのまま下段に位置する段差部7cのストーカ5における上面部分9の投入口3側端より、排出口4側に位置した所、つまり、投入口3側端より、突設部11の上面部13の寸法Aだけ排出口4方向に向かう地点へと落される。
このように、塊状の焼却物Sは、投入口3から排出口4へと送られる課程で、下り階段状に形成されたその焼却物Sの流れにおいて、段差部7bの側壁部6に設けられた突設体11によって、下段に位置する段差部7cのストーカ5の投入口3側端から、突設体11の上面部13の寸法Aだけ排出口4側へと位置した地点に落される。
そして、投入口3から、下り階段状に配置された複数の段差部7a,7b,7cを伝い、焼却炉本体2の下部に堆積した焼却物Sを排出口4から取り出して処分する。
さらに、突設部11の上面部13の俯角αを0°≦α≦10°に形成し、上面部13を略水平に形成したことにより、段差部7bのストーカ5を揺動させることで、ストーカ5の上面部分9で投入口3側から排出口4側へと送られてきた焼却物Sが、突設部11の上面部13を伝い、下段に位置する段差部7cのストーカ5における段差部7cの隅から寸法Aだけ離れた地点に、拡散せずにまとまった状態で落される。その上、上面部13の俯角αをα=0°とし、上面部13を水平に形成することで、この焼却物Sは、さらにまとまった状態で確実に段差部7cの隅から寸法Aだけ離れた地点に落される。
以上のように、前記実施例では請求項1に対応して、内部に燃焼室Nを備えた焼却炉本体2と、焼却炉本体2の上部に備えられた投入口3と、焼却炉本体2の下部に備えられた排出口4と、焼却炉本体2内部に備えられ前記投入口3から排出口4へと下り階段状に形成された段差部7a,7b,7cとを備えた焼却炉1であって、前記段差部7は、ストーカ5と、前記ストーカ5から下方に連設された側壁部6とを備え、前記ストーカ5と前記側壁部6との前記連設付近から略水平方向に突設して形成された突設体11を備えたことにより、燃焼室Nにより廃棄物Hが焼却されて生じた焼却物Sが、投入口3から排出口4に向かって、下り階段形状に形成された段差部7a,7b,7cを伝い落ちる場合に、段差部7a,7b,7cのストーカ5と側壁部6との連設付近から略水平方向に突設して形成された突設体11により、焼却物Sが段差部7の隅に堆積することを防ぎ、投入口3から排出口4までの焼却物Sの流れを良くし、焼却物Sが焼結して生じるクリンカーの発生を防ぎ、焼却炉1の耐性寿命を向上させる。
また、前記実施例では請求項2に対応して、前記突設体11は、前記側壁部6の上方に設けられ、前記側壁部6の上部より前記投入口3から前記排出口4に向かい略水平方向に突出する上面部13を備えたことにより、下り階段状に形成された段差部7a,7b,7cの隅に焼却物Sが堆積することを防ぎ、投入口3から排出口4までの焼却物Sの流れを良くし、焼却物Sが焼結して生じるクリンカーの発生を防ぎ、焼却炉1の耐性寿命を向上させる。
さらに、前記実施例では請求項3に対応して、前記突設体11は、前記上面部13の前記排出口4側端に連設され、前記側壁部6と平行に形成された垂直面部14を備えたことにより、突設体11への焼却物Sの付着を防ぎ、投入口3から排出口4までの焼却物Sの流れを向上させる。
また、前記実施例では請求項4に対応して、前記突設体11は、前記垂直面部14の下端から前記側壁部6の中段部分へと向けて形成された下面部15を備えたことにより、突設体11への焼却物Sの付着を防ぎ、投入口3から排出口4までの焼却物Sの流れをさらに向上させる。
さらに、前記実施例では請求項5に対応して、前記下面部15は、垂直面部14側端を前記段差部7a,7b,7cの側壁部6側端より上位置に形成したことにより、突設体11への焼却物Sの付着を防ぎ、投入口3から排出口4までの焼却物Sの流れをさらに向上させる。
また、前記実施例では請求項6に対応して、前記突設体11は、前記段差部7a,7b,7cの側壁部6と平行に形成された取り付け面部16を備えたことにより、突設体11と段差部7a,7b,7cの側壁部6との接続を良好なものとし、突設体11を物理的強度に優れたものとすることができる。
さらに、前記実施例では請求項7に対応して、前記突設体11は、中実部材であることにより、突設体11の物理的強度を向上させることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は上記各実施例に限定されるものではなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えばストーカは、前記実施例に限定されるものではなく、適宜選定可能である。
1 焼却炉
2 焼却炉本体
3 投入口
4 排出口
5 ストーカ(略水平部)
6 側壁部(垂直部)
7a,7b,7c 段差部
9 上面部分
11 突設体
13 上面部
14 前面部
15 下面部
16 後面部(取り付け面部)
2 焼却炉本体
3 投入口
4 排出口
5 ストーカ(略水平部)
6 側壁部(垂直部)
7a,7b,7c 段差部
9 上面部分
11 突設体
13 上面部
14 前面部
15 下面部
16 後面部(取り付け面部)
Claims (7)
- 内部に燃焼室を備えた焼却炉本体と、前記焼却炉本体の上部に備えられた投入口と、前記焼却炉本体の下部に備えられた排出口と、前記焼却炉本体内部に備えられ前記投入口から前記排出口へと下り階段状に形成された段差部とを備えた焼却炉であって、
前記段差部は、略水平部と、前記略水平部から下方に連設された垂直部とを備え、前記略水平部と前記垂直部との前記連設付近から略水平方向に突設して形成された突設体を備えたことを特徴とする焼却炉。 - 前記突設体は、前記垂直部の上方に設けられ、前記垂直部の上部より前記投入口から前記排出口に向かい略水平方向に突出する上面部を備えたことを特徴とする請求項1記載の焼却炉。
- 前記突設体は、前記上面部の前記排出口側端に連設され、前記垂直部と平行に形成された垂直面部を備えたことを特徴とする請求項2記載の焼却炉。
- 前記突設体は、前記垂直面部の下端から前記垂直部の中段部分へと向けて形成された下面部を備えたことを特徴とする請求項3記載の焼却炉。
- 前記下面部は、垂直面部側端を前記段差部の垂直部側端より上位置に形成したことを特徴とする請求項4記載の焼却炉。
- 前記突設体は、前記段差部の垂直部と平行に形成された取り付け面部を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の焼却炉。
- 前記突設体は、中実部材であること特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の焼却炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2006009950U JP3129618U (ja) | 2006-12-07 | 2006-12-07 | 焼却炉 |
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JP2006009950U JP3129618U (ja) | 2006-12-07 | 2006-12-07 | 焼却炉 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102408791B1 (ko) * | 2022-02-10 | 2022-06-15 | 주식회사 송림 | 소각로의 낙차단용 화격자 |
KR102447627B1 (ko) * | 2022-05-12 | 2022-09-27 | 주식회사 송림 | 내구성이 향상된 스토커식 소각로 |
KR102448148B1 (ko) * | 2022-05-12 | 2022-09-28 | 주식회사 송림 | 마모억제 기능을 갖는 소각로용 화격자 모듈 |
KR102498065B1 (ko) * | 2022-07-18 | 2023-02-14 | 조일금속공업(주) | 소각로의 낙차단용 화격자 |
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2006
- 2006-12-07 JP JP2006009950U patent/JP3129618U/ja not_active Expired - Fee Related
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KR102498065B1 (ko) * | 2022-07-18 | 2023-02-14 | 조일금속공업(주) | 소각로의 낙차단용 화격자 |
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