JP2000291927A - 乾留式焼却炉 - Google Patents

乾留式焼却炉

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JP2000291927A JP11101267A JP10126799A JP2000291927A JP 2000291927 A JP2000291927 A JP 2000291927A JP 11101267 A JP11101267 A JP 11101267A JP 10126799 A JP10126799 A JP 10126799A JP 2000291927 A JP2000291927 A JP 2000291927A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 乾留室の炉壁内面に被燃物が付着して堆積す
るのを未然に防止でき、しかも、構造が簡素であって効
率の良い連続操業が可能な乾留式焼却炉を提供する。 【解決手段】 炉壁の下部には燃焼残滓物の排出口9A
がシャッタ装置13により開閉可能に設けられ、炉体2
内の上部には被燃物の乾留室8が形成され、炉体2内の
下部には被燃物の燃焼室9が乾留室8に対し排出口9A
へ偏倚して形成され、炉体2内の底部には排出口9A側
へ下向傾斜する燃焼室9の炉床9Bが形成されている。
排出口9Aと反対側の炉壁の内面には乾留室8内の被燃
物を燃焼室9側へ流下させるシュート斜面8Cが形成さ
れている。シュート斜面8Cは、乾留室8の炉壁内面か
ら燃焼室9の炉床9Bの上部に亘り、傾斜角45〜70
度の急斜面に形成され、シュート斜面8Cと炉床9Bと
の挟角が115〜150度に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の可燃性廃棄
物を乾留して焼却処理する乾留式焼却炉の技術分野に属
する。
【0002】
【従来の技術】特開平5−180425号公報には、本
件出願人の出願に係る乾留式焼却炉が開示されている。
この乾留式焼却炉は、傾斜多段炉の上部に被燃物の供給
塔が一体に突設されたものであり、傾斜多段炉内には、
被燃物の乾留室としての初段室、被燃物の燃焼室として
の中段室、燃焼残滓物の溶解室としての終段室が順次上
方から下方に向かい、かつ、順次前方へ偏倚して設けら
れている。
【0003】前記乾留式焼却炉において、初段室は中段
室に向かって緩く下向傾斜する炉床を有し、中段室は終
段室に向かって緩く下向傾斜する炉床を有し、終段室は
傾斜多段炉の外部に付設された冷却室に向かって緩く下
向傾斜する炉床を有している。そして、中段室と終段室
との間、および、終段室と冷却室との間には、これらを
区画可能なゲートが開閉自在に設置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記公報に
開示の乾留式焼却炉においては、乾留室としての初段室
が燃焼室としての中段室に向かって緩く下向傾斜する炉
床を有しているため、その炉床上に初段室内の被燃物が
堆積し易い。そこで、初段室には、その炉床の傾斜面に
沿って被燃物を中段室側へ押し出し可能なプッシャ装置
が付設されている。
【0005】しかしながら、初段室の炉床上に一旦堆積
した被燃物は、初段室の炉壁内面に付着することが多い
ため、プッシャ装置の作動によっても堆積した被燃物を
一掃することは難しい。このため、被燃物の一部が初段
室の炉壁内面に付着して堆積することがある。この場
合、燃焼室としての中段室から乾留室としての初段室へ
の二酸化炭素などの不活性ガスの供給が不均一となり、
初段室内での被燃物の乾留処理が不均一になるという問
題が生じる。
【0006】また、前記公報に開示の乾留式焼却炉は、
傾斜多段炉内に初段室、中段室および終段室が設けら
れ、中段室と終段室との間、および、終段室と冷却室と
の間にそれぞれゲートが設置された複雑な構造を有する
ため、ゲートの開閉制御が複雑化し、効率のよい連続操
業が困難であるという問題がある。
【0007】本発明は、前述のような問題点を考慮して
なされたものであり、乾留室の炉壁内面に被燃物が付着
して堆積するのを未然に防止でき、しかも、構造が簡素
であって効率の良い連続操業が可能な乾留式焼却炉を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、本発明に係る乾留式焼却炉は、次のような手段を採
用する。すなわち、請求項1に記載の乾留式焼却炉の特
徴は、炉体の上部に被燃物の供給塔が連設され、炉体の
下部の炉壁には燃焼残滓物の排出口がシャッタ装置によ
り開閉可能に設けられ、炉体内の上部には前記供給塔か
ら投入される被燃物の乾留室が形成され、炉体内の下部
には前記乾留室から流下する被燃物の燃焼室が乾留室に
対し前記排出口側へ偏倚して形成され、炉体内の底部に
は前記排出口側へ下向傾斜する燃焼室の炉床が形成さ
れ、この炉床には燃焼残滓物を排出口側へ押出し可能な
残滓物プッシャ装置が付設されている乾留式焼却炉であ
って、前記炉壁の内面には、乾留室内の被燃物を燃焼室
側へ流下させるシュート斜面が形成され、このシュート
斜面には被燃物を燃焼室側へ押出し可能な被燃物プッシ
ャ装置が付設されており、前記シュート斜面は、乾留室
を形成する略垂直な炉壁内面から燃焼室の炉床付近に亘
り、傾斜角45〜70度の急斜面として形成されている
ことにある。
【0009】請求項1に記載の乾留式焼却炉では、傾斜
角45〜70度の急斜面に形成されたシュート斜面が乾
留室内の被燃物を燃焼室側へ円滑に流下させる。また、
炉体内の上部に乾留室が形成され、炉体内の下部に燃焼
室が形成された炉体構造であって、燃焼室から燃焼残滓
物を排出する排出口のみをシャッタ装置により開閉する
構造を備えているため、シャッタ装置は、単に燃焼残滓
物を排出するタイミングでのみ開閉すればよい。
【0010】請求項2に記載の乾留式焼却炉は、請求項
1に記載の乾留式焼却炉であって、前記シュート斜面
は、排出口と反対側の炉壁の内面から燃焼室の炉床の上
部付近に亘って形成され、シュート斜面と炉床との挟角
が115〜150度に設定されていることを特徴とす
る。この乾留式焼却炉では、シュート斜面と炉床との挟
角が115〜150度に設定されているため、炉床の上
部には被燃物が滞留し難い。
【0011】請求項3に記載の乾留式焼却炉は、請求項
2に記載の乾留式焼却炉であって、前記排出口側の炉壁
の内面には、前記シュート斜面と平行なガイド斜面が形
成されていることを特徴とする。この乾留式焼却炉で
は、急斜面を呈するガイド斜面が燃焼室内で発生した不
活性ガスを乾留室側へ円滑に上昇させる。
【0012】請求項4に記載の乾留式焼却炉は、請求項
1〜3の何れかに記載の乾留式焼却炉であって、前記シ
ュート斜面は、被燃物に対する摩擦係数が0.2〜0.
7の平滑面に形成されていることを特徴とする。この乾
留式焼却炉では、シュート斜面が摩擦係数0.2〜0.
7の平滑面に形成されているため、乾留室内の被燃物を
燃焼室側へ確実に流下させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る乾留式焼却炉を説明する。一実施形態の
乾留式焼却炉は、図1および図2に示すように、被燃物
の供給塔1が炉体2の上部に連設され、燃焼残滓物の冷
却室3が炉体2の下部の炉壁の前方に付設された構造を
備えている。
【0014】供給塔1は、図1に示される前後幅よりも
図2に示される左右幅が大きい長方形の断面を呈する塔
である。この供給塔1の上端の開口にはホッパ4が連設
されている。そして、このホッパ4には、コンベア装置
5により被燃物が投入されるように構成されている。
【0015】前記供給塔1は、ホッパ4から投入される
被燃物を炉体2の上方に所定時間滞留させて予備乾燥さ
せ、また、炉体2内への外気の混入を極力減少させるた
め、上下3段に配置されたダンパ6A,6B,6Cを備
えている。各ダンパ6A,6B,6Cには、図2に示す
ように、それぞれ左右一対のシリンダ装置7A,7B,
7Cが付設されている。そして、各ダンパ6A,6B,
6Cは、それぞれシリンダ装置7A,7B,7Cの伸縮
動作に応じて供給塔1の内部通路を開閉するように構成
されている。
【0016】各ダンパ6A,6B,6Cは、ホッパ4か
ら投入される被燃物を所定量づつ所定時間滞留させた
後、被燃物を順次下方に落下させるように、所定の時間
差を以って開閉制御される。即ち、上段のダンパ6A
は、ホッパ4から投入される被燃物が所定量に達するタ
イミングで開閉制御される。また、中段のダンパ6B
は、上段のダンパ6Aの開閉により落下する被燃物を所
定時間滞留させるように、上段のダンパ6Aの開閉タイ
ミングから所定時間遅れて開閉制御される。そして、下
段のダンパ6Cは、中段のダンパ6Bの開閉により落下
する被燃物を所定時間滞留させるように、中段のダンパ
6Bの開閉タイミングから所定時間遅れて開閉制御され
る。
【0017】図1に示すように、炉体2内の上部には、
供給塔1から投入される被燃物の乾留室8が形成され、
炉体2内の下部には、乾留室8から流下する被燃物の燃
焼室9が乾留室8に対し前方の冷却室3側へ偏倚して形
成されている。また、炉体2内の底部には燃焼室9の炉
床9Bが形成されている。この炉体2は耐火材から成
る。
【0018】前記乾留室8は、図1に示す前後幅より図
2に示す左右幅が大きい略長方形の断面を呈している。
この乾留室8の上部には、被燃物の乾留により発生する
燃焼性ガスをボイラ、溶解炉、蒸留装置などの外部設備
に供給するための導出管10が接続されている。
【0019】一方、燃焼室9は、乾留室8と略同幅の左
右の内法を有している。この燃焼室9は、前後方向の後
半部が乾留室8の前半部にオーバラップした状態で配置
されている。そして、この燃焼室9の中心部には、被燃
物に着火するためのバーナ11が突設されている。ま
た、燃焼室9の上部には、余剰の燃焼ガスを排出する煙
道12が接続され、この煙道12にはダンパ(図示省
略)が付設されている。
【0020】前記燃焼室9の前壁をなす炉壁の前下部2
Aには、燃焼残滓物の排出口9Aが設けられ、この排出
口9Aを開閉するシャッタ装置13が前記炉壁の前下部
2Aに付設されている。また、燃焼室9は、前記排出口
9Aへ向けて緩く下向傾斜する炉床9Bを備えている。
炉床9Bの傾斜角度は5〜15度の範囲で、例えば15
度に設定されている。そして、この炉床9Bには、その
傾斜面に沿って燃焼残滓物を排出口9A側へ押し出し可
能な残滓物プッシャ装置14が付設されている。
【0021】冷却室3は、前記炉壁2Aの前方に付設さ
れて燃焼室9の排出口9Aに連通している。この冷却室
3は、燃焼室9の排出口9Aから溶解状態で排出される
燃焼残滓物を冷却水中に投下して冷却固化させるよう
に、水タンク15上に配置されており、その下部は、水
タンク15内の冷却水中に没入して開放されている。
【0022】本発明の一実施形態に係る乾留式焼却炉に
おいて、前記排出口9Aと反対側の炉壁の後下部には、
炉床9Bの上部付近へ向けて2段に傾斜する上段傾斜部
8Aおよび下段傾斜部8Bが設けられている。そして、
上段傾斜部8Aの内面には、乾留室8内の被燃物を燃焼
室9側へ流下させるシュート斜面8Cが形成されている
(図1および図3参照)。また、このシュート斜面8C
と平行なガイド斜面2Cが、前記排出口9Aを有する炉
壁の前下部2Aの上方に連続して形成されている。
【0023】前記シュート斜面8Cは、乾留室8の後壁
を形成する略垂直な炉壁の後上部2Bの内面から燃焼室
9の炉床9Bの上部付近に亘り、乾留室8の左右幅一杯
に形成されている(図3参照)。このシュート斜面8C
は、図1に示すように、傾斜角αが45〜70度程度、
好ましくは55〜65度程度の範囲で、例えば60度の
急斜面として形成されている。そして、シュート斜面8
Cと炉床9Bとの挟角βは、115〜150度の範囲
で、例えば135度に設定されている。
【0024】また、前記シュート斜面8Cは、炉体2を
構成する耐火材を平滑面に形成することにより、被燃物
に対する摩擦係数が0.6〜0.7に設定されている。
同様に、シュート斜面8Cと平行なガイド斜面2Cも、
耐火材を平滑面に形成することにより、被燃物に対する
摩擦係数が0.6〜0.7に設定されている。なお、前
記シュート斜面8Cおよびガイド斜面2Cは、炉体2に
鋼板を内張りすることにより、被燃物に対する摩擦係数
が0.3〜0.4の平滑面に構成することもできる。
【0025】前記シュート斜面8Cには、その傾斜方向
に沿って被燃物を燃焼室9側へ押し出し可能な被燃物プ
ッシャ装置16が付設されている。これに対応して、前
記下段傾斜部8Bは、被燃物プッシャ装置16の作動に
干渉しないように、シュート斜面8Cより急角度に形成
されて燃焼室9の炉床9Bの上部に連続している。この
下段傾斜部8Bは、乾留室8の前後方向の中心部付近に
配置されている。
【0026】前記下段傾斜部8Bには、燃焼室9の炉床
9Bの傾斜面に沿って燃焼室9内に空気を供給する空気
供給口として、例えば4個の空気供給ノズル17が横一
列に並べて設置されている(図2参照)。なお、図示省
略したが、各空気供給ノズル17には、エアポンプから
流量調整弁を介して空気が供給されるように構成されて
いる。
【0027】以上のように構成された一実施形態の乾留
式焼却炉は、各種の可燃性廃棄物の焼却処理、特に、生
ゴミや紙片などの多い家庭ゴミ、シュレッダ紙片などの
多いオフィスゴミ等、低カロリーの細かいゴミの焼却処
理に好適に使用される。この乾留式焼却炉においては、
コンベア装置5からホッパ4内に投入された被燃物が供
給塔1を介して炉体2内に投入される。その際、供給塔
1に上下3段に配置された各ダンパ6A,6B,6C
が、供給塔1の内部通路を所定の時間差をもって順次上
方から開閉することにより、炉体2内への外気の混入量
が極力減少される。
【0028】炉体2内に投入された被燃物は、燃焼室9
から乾留室8にわたって充填される。その際、乾留室8
の後壁を形成する略垂直な炉壁の後上部2Bの内面から
燃焼室9の炉床9Bの上部付近に亘っり、例えば傾斜角
60度の急斜面に形成されたシュート斜面8Cは、被燃
物を燃焼室9の炉床9Bに向けて円滑に流下させ、被燃
物が乾留室8の炉壁内面に付着して堆積するのを未然に
防止する。殊に、シュート斜面8Cが摩擦係数0.6〜
0.7の平滑面に形成されているため、被燃物を確実に
流下させることができる。この場合、被燃物プッシャ装
置16をシュート斜面8Cに沿って前進作動させれば、
被燃物が乾留室8の炉壁内面に付着して堆積するのをよ
り確実に防止することができる。
【0029】また、シュート斜面8Cと炉床9Bとの挟
角βが、例えば135度と大きい角度に設定されている
ため、被燃物は炉床9Bの上部に滞留することなく炉床
9Bの傾斜に沿って燃焼室9内に円滑に充填される。
【0030】燃焼室9内に充填された被燃物は、乾留式
焼却炉の操業開始時のみバーナ11により着火される。
以後、着火された被燃物は、燃焼室9内の空気により燃
焼が継続される。その際、空気供給ノズル17が燃焼に
必要十分な空気を燃焼室9の炉床9Bの傾斜面に沿って
燃焼室9内に均一に供給することにより、被燃物は燃焼
室9内で完全燃焼する。燃焼温度は250℃程度であ
る。そして、完全燃焼により発生したCO2 等の不活性
ガスは、シュート斜面8Cと平行な急斜面に形成された
前記ガイド斜面2Cに沿って上方の乾留室8内に均一に
供給される。この場合、ガイド斜面2Cは、摩擦係数
0.6〜0.7の平滑面に形成されているため、不活性
ガスを乾留室8内に迅速に供給することができる。
【0031】燃焼室9からの不活性ガスが充満した乾留
室8内において、被燃物は、燃焼室9内で発生した燃焼
熱を受けて乾留処理される。乾留温度は300〜800
℃程度である。そして、乾留処理により発生した各種の
燃焼性ガスは、乾留室8の上部に接続された導出管10
を介してボイラ、溶解炉 蒸留装置などの外部設備に供
給される。
【0032】また、乾留処理の進行に伴い瓦解した乾留
室8内の被燃物は、下方の燃焼室9に落下する。その
際、前述のように急斜面に形成され、かつ、平滑面に形
成されたシュート斜面8Cは、乾留室8内の瓦解した被
燃物を燃焼室9の炉床9Bに向けて円滑かつ確実に流下
させ、乾留室8の炉壁内面に被燃物が付着して堆積する
のを未然に防止する。この場合、被燃物プッシャ装置1
6をシュート斜面8Cに沿って前進作動させれば、被燃
物が乾留室8の炉壁内面に付着して堆積するのをより確
実に防止することができる。
【0033】乾留処理の進行により瓦解して燃焼室9内
に落下した被燃物は、燃焼室9内に空気供給ノズル17
を介して空気が均一に供給されることにより、完全燃焼
して溶解される。そして、被燃物の完全燃焼により発生
したCO2 等の不活性ガスが乾留室8に供給されること
により、乾留室8内の被燃物の乾留処理が継続される。
その際、一実施形態の乾留式焼却炉においては、前述の
ように、乾留室8の炉壁内面に被燃物が付着して堆積す
るのが未然防止されており、しかも、不活性ガスのガイ
ド斜面2Cが平滑な急斜面に形成されているため、不活
性ガスを乾留室8に均一に供給することができ、乾留室
8における被燃物の乾留処理を均一に行うことができ
る。
【0034】燃焼室9で溶解された燃焼残滓物は、カー
ボン、無機質、金属などの混合物であり、シャッタ装置
13が燃焼室9の排出口9Aを開き、残滓物プッシャ装
置14が炉床9Bの傾斜面に沿って前進作動することに
より、排出口9Aから確実に排出される。この場合、シ
ャッタ装置13は、単に燃焼残滓物を排出口9Aから排
出するタイミングで残滓物プッシャ装置14の作動に関
連して開閉すればよいので、その開閉制御は単純化し、
効率の良い連続操業が可能となる。
【0035】燃焼室9の排出口9Aから排出された燃焼
残滓物は、冷却室3を通して水タンク15内の冷却水中
に投下され、水性スラッグSとして冷却固化される。な
お、冷却固化された水性スラッグSは、カーボン、無機
質、金属等の混合物であるため、コンクリート構造物の
骨材として再利用可能である。
【0036】一実施形態の乾留式焼却炉においては、燃
焼残滓物が燃焼室9から排出され、瓦解した被燃物が燃
焼室9に落下して乾留室8内の被燃物が減少すると、供
給塔1に設置された各ダンパ6A,6B,6Cが供給塔
1の内部通路を順次開閉することにより、予備乾燥され
た新たな被燃物が乾留室8内に補充される。こうして一
実施形態の乾留式焼却炉は、乾留室8内での被燃物の乾
留処理、燃焼室9内での被燃物の燃焼および溶解処理、
燃焼室9からの燃焼残滓物の排出処理を連続して行う。
【0037】前述した一実施形態の乾留式焼却炉は、炉
体2の上部の開口断面積が3〜6m2程度、炉体2の高
さが4〜6m程度であり、被燃物の焼却処理能力とし
て、2t/m2 /h程度の処理能力を発揮する。
【0038】なお、図示省略したが、本発明の乾留式焼
却炉においては、前記シュート斜面8Cは、排出口9A
と反対側の炉壁の内面ではなく、排出口9Aが設けられ
た炉壁と直交する左側の炉壁または右側の炉壁の内面に
形成してもよい。
【0039】また、本発明の乾留式焼却炉は、燃焼室を
共用した左右2基の炉体構成としてもよい。この場合、
燃焼室は左右の乾留室の間に偏倚して配置される。そし
て、左側炉体においては、その左側の炉壁の内面にシュ
ート斜面が形成され、右側炉体においては、その右側の
炉壁の内面にシュート斜面が形成される。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る乾留
式焼却炉によれば、傾斜角45〜70度の急斜面に形成
されたシュート斜面が乾留室内の被燃物を燃焼室側へ円
滑に流下させる。従って、乾留室の炉壁内面に被燃物が
付着して堆積するのを未然に防止できる。その結果、燃
焼室から乾留室へ二酸化炭素などの不活性ガスを均一に
供給することができ、乾留室における被燃物の乾留処理
を均一に行うことができる。
【0041】また、本発明に係る乾留式焼却炉によれ
ば、炉体内の上部に乾留室が形成され、炉体内の下部に
燃焼室が形成され、燃焼室から燃焼残滓物を排出する排
出口のみをシャッタ装置により開閉する構造を備えてい
るため、シャッタ装置は、単に燃焼残滓物を排出するタ
イミングでのみ開閉すればよい。従って、シャッタ装置
の開閉制御が単純化し、効率の良い連続操業が可能とな
る。
【0042】本発明の乾留式焼却炉において、シュート
斜面が排出口と反対側の炉壁の内面から燃焼室の炉床の
上部付近に亘って形成され、シュート斜面と炉床との挟
角が115〜150度に設定されている場合には、被燃
物を炉床の上部に滞留させることなく円滑に燃焼室内に
流下させることができる。
【0043】また、本発明の乾留式焼却炉において、排
出口側の炉壁の内面にシュート斜面と平行なガイド斜面
が形成されている場合には、燃焼室内で発生した不活性
ガスを急斜面を呈するガイド斜面に沿って円滑に乾留室
側へ上昇させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る乾留式焼却炉を一部
破断して示す側面断面図である。
【図2】一実施形態に係る乾留式焼却炉の正面図であ
る。
【図3】一実施形態に係る乾留式焼却炉の要部構造を示
す破断斜視図である。
【符号の説明】
1 :供給塔 2 :炉体 2A:炉壁の前下部 2B:炉壁の後上部 2C:ガイド斜面 3 :冷却室 4 :ホッパ 5 :コンベア装置 6A,6B,6C:ダンパ 7A,7B,7C:シリンダ装置 8 :乾留室 8A:上段傾斜部 8B:下段傾斜部 8C:シュート斜面 9 :燃焼室 9A:排出口 9B:炉床 10 :導出管 11 :バーナ 12 :煙道 13 :シャッタ装置 14 :残滓物プッシャ装置 15 :水タンク 16 :被燃物プッシャ装置 17 :空気供給ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉体の上部に被燃物の供給塔が連設さ
    れ、炉体の下部の炉壁には燃焼残滓物の排出口がシャッ
    タ装置により開閉可能に設けられ、炉体内の上部には前
    記供給塔から投入される被燃物の乾留室が形成され、炉
    体内の下部には前記乾留室から流下する被燃物の燃焼室
    が乾留室に対し前記排出口側へ偏倚した形成され、炉体
    内の底部には前記排出口側へ下向傾斜する燃焼室の炉床
    が形成され、この炉床には燃焼残滓物を排出口側へ押出
    し可能な残滓物プッシャ装置が付設されている乾留式焼
    却炉であって、前記炉壁の内面には、乾留室内の被燃物
    を燃焼室側へ流下させるシュート斜面が形成され、この
    シュート斜面には被燃物を燃焼室側へ押出し可能な被燃
    物プッシャ装置が付設されており、前記シュート斜面
    は、乾留室を形成する略垂直な炉壁内面から燃焼室の炉
    床付近に亘り、傾斜角45〜70度の急斜面として形成
    されていることを特徴とする乾留式焼却炉。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の乾留式焼却炉であっ
    て、前記シュート斜面は、排出口と反対側の炉壁の内面
    から燃焼室の炉床の上部付近に亘って形成され、シュー
    ト斜面と炉床との挟角が115〜150度に設定されて
    いることを特徴とする乾留式焼却炉。。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の乾留式焼却炉であっ
    て、前記排出口側の炉壁の内面には、前記シュート斜面
    と平行なガイド斜面が形成されていることを特徴とする
    乾留式焼却炉。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかに記載の乾留式焼
    却炉であって、前記シュート斜面は、被燃物に対する摩
    擦係数が0.2〜0.7の平滑面に形成されていること
    を特徴とする乾留式焼却炉。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の何れかに記載の乾留式焼
    却炉であって、前記シュート斜面は、鋼板により、被燃
    物に対する摩擦係数が0.3〜0.4の平滑面に形成さ
    れていることを特徴とする乾留式焼却炉。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3の何れかに記載の乾留式焼
    却炉であって、前記シュート斜面は、耐火材により、被
    燃物に対する摩擦係数が0.6〜0.7の平滑面に形成
    されていることを特徴とする乾留式焼却炉。
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CN112361346A (zh) * 2020-11-12 2021-02-12 徐国军 一种环保焚烧炉

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