JP3128544B2 - γ,δT細胞レセプターおよび検出方法 - Google Patents

γ,δT細胞レセプターおよび検出方法

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JP3128544B2 JP10273320A JP27332098A JP3128544B2 JP 3128544 B2 JP3128544 B2 JP 3128544B2 JP 10273320 A JP10273320 A JP 10273320A JP 27332098 A JP27332098 A JP 27332098A JP 3128544 B2 JP3128544 B2 JP 3128544B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の技術分野】本発明は、δT細胞レセプターまた
はγT細胞レセプターに反応する抗体、δT細胞レセプ
ターをコードする核酸、δT細胞レセプターとγT細胞
レセプターとの複合体およびこれを用いる免疫系異常の
検査法並びにδT細胞レセプターとγT細胞レセプター
との複合体に反応する抗体およびこれを用いる免疫系異
常の検査法に関する。 【0002】 【従来の技術および発明が解決しようとする課題】抗原
のT細胞認識および主要組織適合性複合体(MHC)コ
ード化抗原によるプロセスの制限を理解することは、免
疫学における重要な目標となっている。主要段階は、T
細胞抗原レセプター(TCR)αおよびβと命名される
サブユニットからなるT細胞上のクローン特異的ジスル
フィド結合ヘテロダイマーの免疫化学的同定とともに進
められている。TCRαおよびβサブユニットは、相対
分子質量(Mr )約50,000および40,000ダルトンを有す
る(各々文献1,2,3を参照せよ、文献名は明細書の
最後に記載する)。T細胞の個体発生時に再配列し、か
つTCRβ(文献4,5を参照せよ)およびTCRα
(文献6〜8を参照せよ)サブユニットをコード化する
遺伝子は、消去式(subrtactive) ハイブリダイゼーショ
ンまたはオリゴヌクレオチドを用いたプロービング(pr
obing)のいずれかにより単離された。 【0003】ヒトTCRα,βの独特の特徴は、同時モ
ジュレーション(comodulation 、文献2を参照せよ)、
免疫共沈(coimmunoprecipitation 、文献9,10を参
照せよ)により観察され、またTCRα,β分子のT3
糖タンパクとの同時発現(coexpression) を必要とする
(文献11を参照せよ)ことから、該2つの構造が関連
することが示された。続いて、2つのタンパク質複合体
の直接物理的会合は、TCRα,β分子をT3糖タンパ
クに化学的に架橋させ、架橋複合体の成分をTCRβサ
ブユニットおよびT3糖タンパク(Mr 28,000)として
同定することによって証明された(文献12を参照せ
よ)。T3複製は、同様にマウスTCRα,βと会合さ
れる(文献13,14を参照せよ)。 【0004】TCRγと命名される、T細胞において再
配列する第3遺伝子は、マウス(文献15〜17を参照
せよ)およびヒト(文献18,19を参照せよ)におい
て同定されている。しかしながら、その遺伝子の構造に
関しては、ヒトおよびマウスTCRγ遺伝子の間で大き
な相違がある。すなわち、例えば、ヒトTCRγ遺伝子
のcDNAは、TCRγ遺伝子産物中におけるN結合グ
リコシル化に関する5つの可能性のある部位を示し、マ
ウスTCRγ遺伝子には該部位がはっきりと存在しない
こととは対照的である。したがって、ヒトTCRγ遺伝
子産物は、その遺伝子配列から予想不能な高分子量を有
する。 【0005】TCRγ遺伝子の再配列は、サプレッサー
−細胞毒性を有するリンパ球並びにヘルパー表現型でリ
ンパ球において生じ、そして多数のTCRγ鎖を産生し
得る(文献18〜23を参照せよ)。しかしながら、T
CRγ遺伝子の機能は未知である。さらに、TCRγ遺
伝子によってコードされるタンパク質および他の構造体
とのその可能な会合(TCRα,βおよびT3糖タンパ
クで生じる際の)のいずれも明らかにされていない。ヒ
トにおいては、多数の糖タンパク質のグリコシル化部位
によって、TCRγポリペプチド構造の性質およびサイ
ズを正確に予想するのことは不可能になる。加えて、発
行された文献では、ヒト疾病を診断し、監視しまたは段
階づけ(staging) することに関して、TCRγの有用性
を教示または示唆していない。 【0006】TCRα,β分子のみが、少なくともいく
つかのT細胞上における抗原認識とMHC拘束との両方
を決定することは、非常にありそうでである(文献2
4,25を参照せよ)。しかしながら、TCRα,βT
が、細胞の個体発生の際、T細胞選択のプロセスを示す
のか、または成熟T細胞による全ての抗原特異的認識を
示すのかということは明らかでない。例えば、サプレッ
サーTリンパ球ではなぞが残る。すなわち、いくつかの
場合においては、該サプレッサーTリンパ球は、TCR
β遺伝子を削除するか、または再配列することができな
い(文献26,27を参照せよ)。したがって、第2の
T細胞レセプターが存在するかどうかを決定し、その構
造を定義し(特に、TCRγ遺伝子産物の可能な用途に
関して)、そしてひいてはこれがどんな機能を提供する
かを理解することは、非常に重要である。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、少なくともδ
T細胞レセプターポリペプチドの部分からなる精製ポリ
ペプチドを提供する。加えて、少なくとも1つのδT細
胞レセプターポリペプチドと特異的に複合体を形成し得
る物質を提供する。また、δT細胞レセプターポリペプ
チドを有する個々のT細胞を検出する方法を提供する。
この方法は、T細胞を含有するサンプルをδT細胞レセ
プターポリペプチドと複合体を形成することができる物
質と接触させ、該物質とδT細胞レセプターポリペプチ
ドとの細胞性複合体を形成させることからなる。該細胞
性複合体を検出することにより、δT細胞レセプターポ
リペプチドを有する個々のT細胞が検出される。 【0008】本発明は、さらに被験者における免疫系異
常を診断する方法を提供する。この方法は、被験者から
のサンプルにおけるT細胞の数を決定し、このサンプル
を少なくとも1つのδT細胞レセプターポリペプチドと
複合体を形成し得る物質と接触させ、該物質とT細胞レ
セプターポリペプチドとの細胞性複合体を形成すること
からなる。サンプル中のδT細胞レセプターポリペプチ
ドを有するT細胞のパーセンテージを決定し、免疫系異
常を示さない正常被験者からのサンプル中のけるδT細
胞レセプターポリペプチドを有するT細胞のパーセンテ
ージと比較する。このようにして決定されたT細胞のパ
ーセンテージの相異は、免疫系異常を示すはずである。 【0009】本発明は、被験者における免疫系異常を診
断する別の方法を提供する。この方法は、被験者からの
サンプルにおけるδT細胞レセプターポリペプチド担持
(bearing)T細胞の数を決定し、δT細胞レセプターポ
リペプチド担持T細胞におけるδT細胞レセプターポリ
ペプチドの量を決定することからなる。このようにして
決定されたδT細胞レセプターポリペプチドの量を、免
疫系異常を示さない正常被験者からのサンプル中の同数
のδT細胞レセプターポリペプチド担持T細胞における
δT細胞レセプターポリペプチドの量と比較する。この
ようにして決定された量の相異は、免疫系異常を示すは
ずである。 【0010】被験者における免疫系異常を診断するさら
に別の方法を提供する。この方法は、被験者からのサン
プルにおいて、δT細胞レセプターポリペプチドを有す
るT細胞の数および表面マーカーT4,T8およびα,
βT細胞レセプターのひとつを有するT細胞の群からな
るT細胞の数を決定することからなる。このようにして
決定されたT細胞の数は、T細胞レセプターポリペプチ
ドを有するT細胞の数と被験者からのサンプル中で決定
されたT細胞の群と同様に、表面マーカーを有する群に
おけるT細胞の数とを比較し、免疫異常を示さない被験
者からのこれらを比較する。このように決定された群に
おけるT細胞の数に対する、このようにして決定された
T細胞レセプターポリペプチドを有するT細胞の数の相
違は、免疫系異常を示すはずである。 【0011】本発明はまた、少なくともγT細胞レセプ
ターポリペプチドの部分からなる精製ポリペプチドを提
供する。加えて、少なくとも1つのγT細胞レセプター
ポリペプチドと特異的に複合体を形成し得る物質を提供
する。さらにまた、γT細胞レセプターポリペプチドを
有する個々のT細胞を検出する方法を提供する。この方
法は、T細胞を含有するサンプルをγT細胞レセプター
ポリペプチドと複合体を形成することができる物質と接
触させ、該物質とγT細胞レセプターポリペプチドとの
細胞性複合体を形成することからなる。該細胞性複合体
を検出することにより、各T細胞がγT細胞レセプター
ポリペプチドを有するT細胞が検出される。 【0012】本発明は、さらに被験者における免疫系異
常を診断する方法を提供する。この方法は、被験者から
のサンプルにおけるT細胞の数を決定し、サンプルを少
なくとも1つのγT細胞レセプターポリペプチドと複合
体を形成し得る物質と接触させ、該物質とT細胞レセプ
ターポリペプチドとの細胞性複合体を形成することから
なる。γT細胞レセプターポリペプチドを有するサンプ
ルにおけるT細胞のパーセンテージを決定し、免疫系異
常を示さない正常被験者からのサンプルにおけるγT細
胞レセプターポリペプチドを有するT細胞のパーセンテ
ージと比較する。このようにして決定されたT細胞のパ
ーセンテージの相異は、免疫系異常を示すはずである。 【0013】本発明は、被験者における免疫系異常を診
断するさらに別の方法を提供する。この方法は、被験者
からのサンプルにおけるγT細胞レセプターポリペプチ
ド担持T細胞の数およびγT細胞レセプターポリペプチ
ド担持T細胞におけるγT細胞レセプターポリペプチド
の量を決定することからなる。このようにして決定され
たγT細胞レセプターポリペプチドの量を、免疫系異常
を示さない正常被験者からのサンプルにおける同数のγ
T細胞ポリペプチド支持T細胞ポリペプチド支持T細胞
におけるγT細胞レセプターポリペプチドの量と比較す
る。このようにして決定された量の相異は、免疫系異常
を示すはずである。 【0014】本発明は、被験者における免疫系異常を診
断するさらに別の方法を提供する。この方法は、被験者
からのサンプルにおいてγT細胞レセプターポリペプチ
ドを有するT細胞の数および表面マーカーT4,T8お
よびα,βT細胞レセプターのひとつを有するT細胞の
群からなるT細胞の数を決定することからなる。このよ
うにして決定されたT細胞の数は、被験者、免疫系異常
を有さない被験者からのサンプル中で決定されたT細胞
の群と同じ表面マーカーを有する群のT細胞の数と、γ
T細胞レセプターポリペプチド担持T細胞数およびγT
細胞レセプターポリペプチドを有するT細胞数とを比較
する。このようにして決定された群におけるT細胞の数
に対する、このようにして決定されたγT細胞レセプタ
ーポリペプチドを有するT細胞の数の相違は、免疫系異
常を示すはずである。 【0015】本発明はさらにまた、少なくともδT細胞
レセプターポリペプチドの部分および少なくともγT細
胞レセプターポリペプチドの部分からなる精製複合体を
提供する。また、少なくとも1つのγ,δT細胞レセプ
ター複合体と特異的に複合体を形成し得る物質を提供す
る。さらに、T細胞の各々が、γ,δT細胞レセプター
複合体を有するT細胞を検出する方法を提供する。この
方法は、T細胞を含有するサンプルをγ,δT細胞レセ
プター複合体と複合体を形成することができる物質と接
触させ、該物質とγ,δT細胞レセプター複合体との細
胞性複合体を形成させることからなる。該細胞性複合体
を検出することにより、各T細胞が、γ,δT細胞レセ
プター複合体を有するT細胞が検出される。 【0016】本発明は、さらに被験者における免疫系異
常を診断する方法を提供する。この方法は、被験者から
のサンプルにおけるT細胞の数を決定し、サンプルを少
なくとも1つのγ,δT細胞レセプター複合体と複合体
を形成し得る物質とを接触させ、該物質とγ,δT細胞
レセプター複合体との細胞性複合体を形成することから
なる。γ,δT細胞レセプター複合体を有するサンプル
におけるT細胞のパーセンテージを決定し、免疫系異常
を示さない正常被験者からのサンプルにおけるγ,δT
細胞レセプター複合体を有するT細胞のパーセンテージ
と比較する。このようにして決定されたT細胞のパーセ
ンテージの相違は、免疫系異常を示すはずである。 【0017】本発明は、被験者における免疫系異常を診
断するさらに別の方法を提供する。この方法は、被験者
からのサンプルにおけるγ,δT細胞レセプター複合体
担持T細胞の数およびγ,δT細胞レセプター複合体担
持T細胞におけるγ,δT細胞レセプター複合体の量を
決定することからなる。このようにして決定されたγ,
δT細胞レセプター複合体の量を、免疫系異常を示さな
い正常被験者からのサンプルにおける同数のγ,δT細
胞複合体担持T細胞レセプター複合体担持T細胞におけ
るγ,δT細胞レセプター複合体の量と比較する。この
ようにして決定された量の相異は、免疫系異常を示すは
ずである。 【0018】本発明により被験者における免疫系異常を
診断するさらに別の方法が提供される。この方法は、被
験者からのサンプルにおいて、γ,δT細胞レセプター
複合体を有するT細胞の数および表面マーカーT4,T
8およびα,βT細胞レセプター複合体のひとつを有す
るT細胞の群からなるT細胞の数を決定することからな
る。このようにして決定されたT細胞の数は、被験者か
らのサンプル、免疫異常を示さない被験者からのサンプ
ル中のγ,δT細胞レセプターの数、および決定された
T細胞の群と同一の表面マーカーを有する群におけるT
細胞の数と比較する。この群におけるT細胞の数に対す
る、このようにして決定されたγ,δT細胞レセプター
複合体を有するT細胞の数は、免疫系異常を示すはずで
ある。 【0019】第1図:TCRα,βを認識するフレーム
ワーク(framework) モノクローナル抗体の反応性。 A.レーン1:対照抗体、正常マウス血清。 レーン2:抗フレームワークTCRα,βモノクローナ
ル抗体(βF1)。 B.レーン1:対照抗体、正常マウス血清。 【0020】レーン2:抗T3モノクローナル抗体(U
CHT−1)。 レーン3:抗フレームワークTCRα,βモノクローナ
ル抗体(WT31)。 C.正常成人末梢血リンパ球のフローサトメトリー分析
の3次元表示。緑色蛍光および赤色蛍光を、非特異的対
照FITC−およびビオチン接合モノクローナル抗体に
比較して測定した。いずれかのモノクローナル抗体と反
応しない細胞は、非T細胞であった(左下隅);二重陽
性、すなわちOKT(登録商標)3およびβF1の両方
と反応している細胞は、格子の中央におけるリンパ球の
集団を構成する;βF1と反応しOKT(登録商標)3
+ と反応しなかった細胞は、X軸にそって観察された、
小さいが区別が可能なリンパ球の群(4%のT3+
胞)からなる。 【0021】第2図:細胞表面T3およびIDP1およ
びIDP2細胞系によるT3会合(架橋)分子のSDS
−PAGE分析。 A.IDPI細胞系2(WT31+ )および細胞系3
(WT31- )。 レーン 1,2,7および 8:正常マウス血清。 レーン 3,4,9および10:抗T3モノクローナル抗体(U
CHT−1)。 【0022】レーン5,6,11および12:抗フレームワーク
TCRα,βモノクローナル抗体(βF1)。 B.IDP2細胞系7(88%WT31- T3+ ) レーン 1,4,7および10:正常マウス血清。 レーン 2,5,8および11:抗フレームワークTCRモノク
ローナル抗体(βF1)。 【0023】レーン 3,6,9および12:抗T3モノクロー
ナル抗体(UCHT−1)。 DSPと架橋した 125I標識化試料XL。 C.IDP2細胞系5(WT31+ T3+ )および細胞
系7(88%WT31- T3+ ) レーン 1および 3:正常マウス血清。 【0024】レーン 2および 4:抗T3モノクローナル
抗体(UCHT−1)。 第3図:TCRα,TCRβおよびTCRγのcDNA
プローブを用いてIDP2細胞系から単離されたRNA
のノーザンブロット分析。 A.レーン1:IDP2細胞系6(WT31- ) レーン2:T白血病細胞系 HBP−MLT。 B.レーン1:IDP2細胞系5(WT31+
+ )。 【0025】レーン2:IDP2細胞系7(88%WT
31- T3+ )。 レーン3:細胞系 HPB−MLT。 第4図:IDP2細胞系7からの抗Vγおよび抗Cγペ
プチド血清の免疫沈降。A.レーン1:正常マウス血
清。 レーン2:抗Vγペプチドマウス血清。 【0026】レーン3:正常家兎血清。 レーン4:抗Cγペプチド家兎血清。 B.レーン1:正常マウス血清。 レーン2:抗T3モノクローナル抗体(UCHT−
1)。 レーン3:正常家兎血清。 【0027】レーン 4,5:抗Cγペプチド家兎血清。 第5図:ヒト腫瘍および末梢血リンパ球系からのTCR
γ,δおよびT3の免疫沈降。125 I標識化細胞溶解物
からの免疫沈降を、還元(reducing)(R)または非還元
(NまたはNR)条件下SDS−PAGE(10%アク
リルアミド)によって分析した。サイズマーカー、Mr,
1000。 A.IDP2およびPEER細胞上のTCRγ,δおよ
びT3サブユニット。免疫沈降は、1μg 対照mAb
P3(P3X63.Ag8骨髄腫により分泌されたmA
b,レーン1,3,5および6);1μg UCHTI
(抗T3、文献40を参照せよ)(レーン2,4,7お
よび8);10μg 正常ラビット血清(NRS,レーン
9)および10μg 抗Cペプチド血清(抗TCRγ)
(レーン10)を用いて行った。矢印は、RおよびNR
条件下で、移動度が変化するTCRδサブユットの位置
を示す。 【0028】末梢血T細胞クローン、PBL C1およ
びWT31- PBL系上のTCRγ,δおよびT3サブ
ユニット。免疫沈降は、対照mAbP3(レーン1,
4,9および12)、1μg βF1(抗TCRβ)
(レーン2,5,10および13)、NRS(レーン7
および15)および抗ペプチド血清(レーン8および1
6)を用いて実行した。白抜きの矢印は、ジスルフィド
結合F1および未反応性T3会合種、黒塗りの矢印は、
ジスルフィド結合していないT3会合物質(Aにおける
TCRδ等)を示し、この物質は、非還元条件下で増加
したSDS−PAGEの移動度を示す。 【0029】第6図:PBL C1から単離されたRN
Aのノーザンブロット分析。T白血病細胞系HPB−M
LT(各プローブに関してレーン1)およびPBLC1
(各プローブに関してレーン2)からの総RNA調製物
をTCRα,TCRβおよびTCRγプローブを用いて
ノーザンブロット分析した。 第7図:TCRγポリペプチドおよび前駆体の二次元ゲ
ル分析。(パネルA 〜D )PBL Cl細胞からの還元
(分離)および非還元(二量性)T3−会合ポリペプチ
ドの比較をCHAPSに溶解し、抗T3mAbで免疫沈
降させた。二次元ゲル電気泳動を、還元条件下(A,
C)あるいは非還元条件下(B,D)にて行った。T3
γ,δおよびε部位を標識し、RおよびNの両方の条件
下にて、同様の位置にフィーカシングした。ジスルフィ
ド結合の開裂後、T3会合ポリペプチド(40Kおよび
36K)は、R条件下ではT3γの近くのフォーカシン
グ位置に移動したが、N条件下(二量体の両組成物が存
在する場合(68K))、より酸性の位置にシフトし
た。分子量マーカーはMr とした。 【0030】第8図:TCRγポリペプチドおよび前駆
体の二次元ゲル分析。(パネルE 〜H )グリコシル化お
よび未グリコシル化IDP2およびPBL C1 TC
Rペプチド前駆体の分析。IDP2およびPBL C1
細胞は、35S−メチオニンでパルス標識し、変性条件下
に溶解し、抗Cγペプチド血清で免疫沈降した。免疫沈
降は、ついでエンド−Hで処理または模擬処理し、二次
元ゲル電気泳動により分析した。グリコシル化TCRγ
ペプチドを白抜き矢印で、グリコシル化されていないT
CRγを黒塗り矢印で示す。見かけの相対分子質量をパ
ネルAおよびB(図示せず)に用いた標準物質の移動か
ら計算した。各パネルにおけるひし形で示される小量の
夾雑しているアクチンは、内部マーカーとして作用し
た。E,IDP2 TCRγ、模擬培養、F,IDP2
TCRγ,エンド処理;G,PBL C1 TCRγ
模擬培養、H,PBL C1 TCRγエンド処理。 【0031】第9図:TCRγポリペプチドを発現して
いるT細胞におけるγおよびβ遺伝子の再配列。IDP
2細胞系、PBL C1,PbL C2,WT31-
BL系、胎児胸腺、新生児胸腺,PBLおよびB細胞系
(生殖細胞系(germline)のためのJY)から単離された
ゲノムDNAをTCRγ(A,B)およびTCRβ
(C)遺伝子の再配列に関してサザンブロット分析を行
った。ゲノムDNAをBamHI(A,C)またはEc
oRI(B)で消化し、アガロースゲル上で分画し、32
P−標識Jγ1,3 (A,B)またはCβ2プローブ
(C)でのハイブリダイゼーションのためにニトロセル
ロースフィルターに転写した。矢印およびローマ数字は
TCRγの再配列を示す。分子量マーカーはKbであ
る。 【0032】第10図〜第12図(それぞれパネルA,B,C に
対応):IDP2およびPBL C1細胞による細胞溶
解。(パネルA,C )IDP2またはPBL C1エフェ
クター細胞を(表示されたエフェクター:標的(E:
T)比で)51Cγ- 標識ターゲット細胞K562(白血
球系)、U937(単核細胞系)、MOLT−4,CE
M(T白血病系)、ダウディ(Daudi)(バーキットリン
パ腫系)または同種異系または自己のPBL(ヒトPB
Lの3日目のブラスト細胞(blasts))とともに培養し
た。各標的に対する 51Cγの特異的放出%を示す。抗T
3 mAb UCHIを30分間0℃でエフェクター細
胞(+抗T3)に予備結合した後に同様のアッセイを行
った。(パネルB )種々のmABによるMOLT−4タ
ーゲット細胞のIDP2細胞溶解の阻害。IDP2およ
51Cγ標識化MOLT−4細胞を種々の希釈度の抗M
HCクラス1mAb W6/32(抗HLA−A,B,
C単形態性決定基、文献58を参照せよ)、抗HLA−
A,B,C(単形態性決定基、文献59を参照せよ)、
4E(抗−HLA−BおよびC部位、文献60を参照せ
よ)、131(抗HLA−A座、文献61を参照せよ)
または抗MHC(クラスIImAB LB3.1(抗DR
特異的、文献62を参照せよ)、抗Leu 10(抗D
Q特異的、文献63を参照せよ)、または抗T3 mA
B UCHTIの存在下にて、40:1のE:T比で一
緒に培養した。より高い稀釈倍率は、腹水としてmAb
のために用い(W6/32,4E,131,L B3.
1およびUCHTI)、また低い稀釈倍率は、市販のm
Ab(抗Leu 10)または培養上清(抗HLA−
A,B,C)のために用いた。 【0033】第13図:ピーア(Peer) 細胞から誘導され
たTCRγ鎖の免疫沈降。レーン1〜18は、同じハイ
ブリドーマ融合実験からの種々のハイブリドーマ培養上
清である。レーン4は、抗γ鎖モノクローナル抗体34
D12であり、レーン9は対照P3×63Ag8.65
3培養上清であり、またレーン10は、対照の正常マウ
ス血清である。 `第14図:IDP2細胞からのTCRδ鎖の免疫沈降。 【0034】レーン1は対照P3×63Ag.8.65
3は培養上澄液、レーン2および5はモノクローナル抗
体4A1培養上清、レーン3はLeu4、またレーン4
は対照正常ラビット血清である。IDP2細胞は、ラク
トペルオキシターゼを用いて125 I標識し、2%トライ
トンX100(Triton X100)に可溶化した。レー
ン4および5において、この溶解物を3分間煮沸し、4
容量の1%トライトンX100で稀釈し、1%SDS中
で4℃で1晩変性した。これによりTCRγおよびδ鎖
を分離した。このようにして鎖を分離した後、モノクロ
ーナル抗体4A1によって、上述のごとく、TCRδ鎖
(レーン5)が免疫沈降された。 【0035】 【発明の実施の形態】しかして、本発明は、少なくとも
δT細胞レセプターの部分からなる精製ポリペプチドを
提供するものである。このポリペプチドは、少なくとも
内部鎖、共有結合、ジスルフィド架橋を有しすることが
できる。加えて、ポリペプチドは、分子量約40,00
0ダルトンのδT細胞レセプターポリペプチドからなる
ものであってもよい。さらに、δT細胞レセプターポリ
ペプチドは、ヒトδT細胞レセプターポリペプチドであ
ってもよい。 【0036】少なくとも1つのδT細胞レセプターポリ
ペプチドと特異的に複合体を形成し得る物質もまた、本
発明によって提供される。この発明の一実施例態様にお
いて、該物質は、1つのδT細胞レセプターポリペプチ
ドと特異的に複合体を形成できる。この発明の他の実施
態様において、該物質は、1以上のδT細胞レセプター
ポリペプチドと特異的に複合体を形成できる。この発明
の他の実施態様において、該物質は、1以上のδ細胞レ
セプターポリペプチドと特異的に複合体を形成できる。
該物質は、抗体であってもよい。該抗体は、ポリクロー
ナル抗体またはモノクローナル抗体であってもよい。 【0037】また、T細胞の各々がδT細胞レセプター
ポリペプチドを有するT細胞を検出する方法を提供す
る。この方法は、T細胞を含有するサンプルをδT細胞
レセプターポリペプチドと複合体を形成することができ
る物質と接触させ、該物質とδT細胞レセプターポリペ
プチドとの細胞性複合体を形成することからなる。該細
胞性複合体を検出することにより、各T細胞がδT細胞
レセプターポリペプチドを有するT細胞が検出される。 【0038】したがって、この発明の一実施態様におい
て、δT細胞レセプターポリペプチドは、T細胞上の表
面上に存在する。この発明の別の実施態様において、δ
T細胞レセプターポリペプチドは、δT細胞の細胞表面
上に存在する。該方法は、特異δT細胞レセプターポリ
ペプチド複合体を形成することによって行なわれる。こ
の発明の一実施態様において、特異δT細胞レセプター
ポリペプチドは、サプレッサーT細胞質内に存在する。 【0039】本発明は、さらに被験者における免疫系異
常を診断する方法を提供する。本明細書において、免疫
系異常とは、正常または標準的な免疫応答と比較して亢
進したまたは減弱した免疫応答であることを特徴とす
る、抗原に対する免疫学的応答状態を意味するものであ
る。したがって、免疫系異常としては、これに限定され
るものではないが、免疫不全状態、例えば、後天性免疫
不全症候群および先天性免疫不全症等、過免疫状態およ
び過免疫症、例えば、アレルギーおよび枯草熱等が挙げ
られる。本発明の方法は、被験者からのサンプルにおけ
るT細胞の数を決定し、サンプルを少なくとも1つのδ
T細胞レセプターポリペプチドと複合体を形成し得る物
質と接触させ、該物質とδT細胞レセプターポリペプチ
ドとの細胞性複合体を形成することからなる。δT細胞
レセプターポリペプチドを有するサンプルにおけるT細
胞のパーセンテージを決定し、免疫系異常を示さない正
常被験者からのサンプルにおけるδT細胞レセプターポ
リペプチドを有するT細胞のパーセンテージと比較す
る。このようにして決定されたT細胞のパーセンテージ
の相異は、免疫系異常を表すものである。 【0040】この発明の一実施態様における免疫系異常
は癌である。癌は、白血病またはリンパ腫であり得る。
この発明の他の実施態様における免疫系異常は、後天性
免疫不全症候群である。この発明の別の実施態様におけ
る免疫系異常は、先天性免疫不全症である。この発明の
さらに別の実施態様における免疫系異常は、自己免疫疾
患である。 【0041】免疫系異常が診断される被験者は、動物で
あり得る。この発明の一実施態様における被験者は、ヒ
トである。さらにまた被験者からのサンプルは、血液ま
たは組織であってもよい。本発明は、被験者における免
疫系異常を診断する別の方法を提供する。この方法は、
被験者からのサンプルにおけるδT細胞レセプターポリ
ペプチド担持T細胞の数およびδT細胞レセプターポリ
ペプチド担持T細胞におけるδT細胞レセプターポリペ
プチドの量を決定することからなる。このようにして決
定されたδT細胞レセプターポリペプチドの量を、被験
者からのサンプル、免疫系異常を示さない正常被験者か
らのサンプルにおける同数のδT細胞レセプターポリペ
プチド担持T細胞におけるδT細胞レセプターポリペプ
チドの量と比較する。このようにして決定された量の相
異は、免疫系異常を表す。この発明の一実施態様におい
て、単一のδT細胞レセプターポリペプチドの量が決定
される。 【0042】被験者における免疫系異常を診断するさら
に別の方法を提供する。この方法は、被験者からのサン
プル中でδT細胞レセプターポリペプチドを有するT細
胞の数および表面マーカーT4,T8およびα,βT細
胞レセプターのひとつを有するT細胞の群からなるT細
胞の数を決定することからなる。このようにして決定さ
れたT細胞の数は、被験者からのサンプル、免疫異常を
示さない被験者からのサンプルにおけるδT細胞レセプ
ターポリペプチドを有するT細胞の数および決定された
T細胞の群と同一の表面マーカーを有する群におけるT
細胞の数と比較する。このようにして決定された群中の
T細胞に対するδT細胞レセプターポリペプチドを有す
るこのようにして決定されたT細胞の数の相違は、免疫
系異常を表す。 【0043】本発明はまた、分子量約40,000ダルトンの
δT細胞レセプターをコードする核酸分子を提供する。
この発明の一実施態様において、該分子は、DNA分子
である。さらにまた、δT細胞レセプターポリペプチド
をコードする核酸分子と相補的な核酸分子が提供され
る。少なくともγT細胞レセプターの部分からなる精製
ポリペプチドもまた、本発明によって提供される。該ポ
リペプチドは、分子量約55,000ダルトンのγT細胞レセ
プターを含む。本発明の一実施態様においては、該ポリ
ペプチドは、分子量約31,000ダルトン〜約40,000ダルト
ンを有するペプチド配列を有する。加えて、該ポリペプ
チドヒトγT細胞ポリペプチドであってもよい。 【0044】本発明はさらに、お互い会合された2つの
本発明のγT細胞レセプターポリペプチドからなる精製
複合体を提供する。この発明の一実施態様において、該
2つのγT細胞レセプターポリペプチドは、少なくとも
1つの内部鎖、共有結合、ジスルフィド結合によりお互
いに会合する。この発明の他の実施態様において、該2
つのγT細胞レセプターは、お互い非共有結合的に会合
する。この発明の別の実施態様において、該2つのγT
細胞レセプターは、同一の定常ドメインを有する。この
発明のさらに別の実施態様において、該2つのγT細胞
レセプターポリペプチドは、異なる定常ドメインを有す
る。 【0045】本発明はまた、少なくとも1つのγT細胞
レセプターポリペプチドと複合体を特異的に形成し得る
物質を提供する。この発明の一実施例態様において、該
物質は、1つのγT細胞レセプターポリペプチドと特異
的に複合体を形成できる。この発明の他の実施態様にお
いて、該物質は、1以上のγT細胞レセプターポリペプ
チドと特異的に複合体を形成できる。該物質は、抗体で
あり得る。この発明の一実施態様において該抗体は、ポ
リクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得
る。 【0046】また、T細胞の各々がγT細胞レセプター
ポリペプチドを有するT細胞を検出する方法を提供す
る。この方法は、T細胞を含有するサンプルをγT細胞
レセプターポリペプチドと複合体を形成することができ
る物質と接触させ、該物質とγT細胞レセプターポリペ
プチドとの細胞性複合体を形成することからなる。該細
胞性複合体を検出することにより、各T細胞がγT細胞
レセプターポリペプチドを有するT細胞が検出される。
この発明の一実施態様においてγT細胞レセプターポリ
ペプチドは、T細胞表面上に存在する。この発明の他の
実施態様において、γT細胞ポリペプチドは、γT細胞
の細胞質内に存在する。この発明の別の実施態様におい
て、該物質は、特異的γT細胞ポリペプチドと複合体を
形成し得る。この該特異γT細胞レセプターポリペプチ
ドは、サプレッサーT細胞内のみに存在し得る。さらに
また、該γT細胞レセプターポリペプチドは、別のγT
細胞レセプターポリペプチドと会合し得る。この発明の
一実施態様において、該γT細胞レセプターポリペプチ
ドは、別のγT細胞レセプターポリペプチドと会合す
る。この発明の他の態様における該γT細胞レセプター
ポリペプチドは、主要組織適合抗原に拘束されない細胞
毒性Tリンパ球のみにおいて、別のγT細胞レセプター
ポリペプチドと会合する。さらにまた、該主要組織適合
抗原に拘束されない細胞毒性Tリンパ球は、Tキラー細
胞またはナチュラルキラー様細胞であり得る。 【0047】本発明は、さらに被験者における免疫系異
常を診断する方法を提供する。この方法は、被験者から
のサンプルにおけるT細胞の数を決定し、サンプルを少
なくとも1つのγT細胞レセプターポリペプチドと複合
体を形成し得る物質と接触させ、該物質とγT細胞レセ
プターポリペプチドとの細胞性複合体を形成することか
らなる。γT細胞レセプターポリペプチドを有するサン
プルにおけるT細胞のパーセンテージを決定し、被験者
からのサンプル、免疫系異常を示さない正常被験者から
のサンプルにおけるγT細胞レセプターポリペプチドを
有するT細胞のパーセンテージと比較する。このように
して決定されたT細胞のパーセンテージの相異は、免疫
系異常を表す。この発明の一実施態様における免疫系異
常は癌である。癌は、白血病またはリンパ腫であり得
る。この発明の他の実施態様における免疫系異常は、後
天性免疫不全症候群である。この発明の別の実施態様に
おける免疫系異常は、先天性免疫不全症である。この発
明のさらに別の実施態様における免疫系異常は、自己免
疫疾患である。 【0048】免疫系異常が診断される被験者は、動物で
あり得る。また免疫系異常が診断される被験者はヒトで
あってもよい。さらにまた、γT細胞レセプターポリペ
プチドを有するT細胞のパーセンテージが決定されるサ
ンプルは、血液または組織であってもよい。被験者にお
ける免疫系異常を診断するさらに別の方法は、本発明に
よって提供される。この方法は、被験者からのサンプル
におけるγT細胞レセプターポリペプチド担持T細胞の
数およびγT細胞レセプターポリペプチド担持T細胞に
おけるγT細胞レセプターポリペプチドの量を決定する
ことからなる。このようにして決定されたγT細胞レセ
プターポリペプチドの量を、免疫系異常を示さない正常
被験者からのサンプルにおける同数のγT細胞ポリペプ
チド担持T細胞におけるγT細胞レセプターポリペプチ
ドの量と比較する。このようにして決定された量の相異
は、免疫系異常を表す。この発明の一実施態様におい
て、単一のγT細胞レセプターポリペプチドの量が決定
される。 【0049】被験者における免疫系異常を診断するさら
に別の方法を提供する。この方法は、被験者らかのサン
プルにおいてγT細胞レセプターポリペプチドを有する
T細胞の数および表面マーカーT4,T8およびα,β
T細胞レセプターのひとつを有するT細胞の群からなる
T細胞の数を決定することからなる。このようにして決
定されたT細胞の数を、被験者からのサンプル、免疫異
常を示さない被験者からのサンプルにおけるγT細胞レ
セプターポリペプチドを有するT細胞の数および被験者
からのサンプルにおいて決定されたT細胞の群と同一の
表面マーカーを有する群におけるT細胞の数と比較す
る。このようにして決定された群におけるT細胞の数に
対するγT細胞レセプターポリペプチドを有するこのよ
うにして決定されたT細胞の数の相違は、免疫系異常を
表す。 【0050】さらに、少なくともδT細胞レセプターポ
リペプチドの部分および少なくともγT細胞レセプター
ポリペプチドの部分からなる精製複合体が、本発明によ
って提供される。この複合体は、分子量約40,000ダルト
ンのδT細胞レセプターポリペプチドおよび分子量約5
5,000ダルトンのγT細胞レセプターポリペプチドを含
む。また、δT細胞レセプターポリペプチドはヒトγT
細胞ポリペプチドであってもよく、γT細胞レセプター
ポリペプチドはヒトγT細胞ポリペプチドであってもよ
い。さらにまた、δT細胞レセプターポリペプチドおよ
びγT細胞レセプターポリペプチドは、少なくとも1つ
の内部鎖、共有結合、ジスルフィド結合によりお互い会
合することができ、あるいはお互い非共有結合的に会合
することができる。 【0051】また、少なくとも1つのγ,δT細胞レセ
プター複合体と特異的に複合体を形成し得る物質が本発
明によって提供される。この物質は、1つのγ,δT細
胞レセプター複合体と複合体を形成できる。さらに、こ
の物質は、1以上のγ,δT細胞レセプター複合体と複
合体を形成できる。この発明の一実施態様において、該
物質は抗体である。この発明の他の実施態様において、
該物質は、ポリクローナル抗体である。この発明の別の
実施態様において、該物質は、モノクローナル抗体であ
る。 【0052】本発明はさらに、T細胞の各々がγ,δT
細胞レセプター複合体を有する前記T細胞を検出する方
法を提供する。この方法は、T細胞を含有するサンプル
をγ,δT細胞レセプター複合体と複合体を形成するこ
とができる物質と接触させることにより、該物質とγ,
δT細胞レセプター複合体との細胞性複合体を形成する
ことからなる。該細胞性複合体を検出することにより、
T細胞の各々がγ,δT細胞レセプター複合体を有する
前記T細胞が検出される。本発明の一つの態様におい
て、γ,δT細胞レセプター複合体はT細胞の表面上に
存在する。本発明の別の態様においては、γ,δT細胞
レセプター複合体は、T細胞の細胞質内に存在する。本
発明のさらに別の態様においては、前記物質は、特異的
γ,δT細胞レセプター複合体と複合体を形成すること
ができる。該特異的γ,δT細胞レセプター複合体は、
サプレッサーT細胞のみに存在し得る。 【0053】さらに、被験者における免疫系異常を診断
する方法が、本発明によって提供される。この方法は、
被験者から採取したサンプルにおけるT細胞の数を決定
し、サンプルを少なくとも1つのγ,δT細胞レセプタ
ー複合体と複合体を形成し得る物質と接触させることに
より、該物質とγ,δT細胞レセプター複合体との細胞
性複合体を形成することからなる。前記サンプルにおけ
る、γ,δT細胞レセプター複合体を有するT細胞のパ
ーセンテージを決定し、免疫系異常を示さない正常被験
者からのサンプルにおけるγ,δT細胞レセプター複合
体を有するT細胞のパーセンテージと比較する。このよ
うにして決定したT細胞のパーセンテージの相異によ
り、免疫系異常が示される。本発明の一つの態様におい
て、免疫系異常は、癌を指す。癌は、白血病またはリン
パ腫であり得る。本発明の他の態様において、免疫系異
常は、後天性免疫不全症候群を指す。本発明のさらに別
の態様において、免疫系異常は、先天性免疫不全症であ
る。本発明のさらに他の態様において、免疫系異常は、
自己免疫疾患である。 【0054】免疫系異常が診断される被験者は、動物で
あり得る。さらに、免疫系異常が診断される被験者は、
ヒトである。さらにまた、γ,δT細胞レセプター複合
体を有するT細胞のパーセンテージが決定されるサンプ
ルは、血液または組織からなることができる。本発明に
より、被験者における免疫系異常を診断するさらに別の
方法が提供される。この方法は、被験者からのサンプル
におけるγ,δT細胞レセプター複合体担持T細胞の数
およびγ,δT細胞レセプター複合体担持T細胞におけ
るγ,δT細胞レセプター複合体の量を決定することか
らなる。このようにして決定されたγ,δT細胞レセプ
ター複合体の量は、免疫系異常を示さない正常被験者か
らのサンプルにおける同数のγ,δT細胞レセプター複
合体担持T細胞におけるγ,δT細胞レセプター複合体
の量と比較される。このようにして決定された量の相異
により、免疫系異常が示される。本発明の一つの態様に
おいて、単一のγ,δT細胞レセプター複合体の量が決
定される。 【0055】被験者における免疫系異常を診断するさら
に別の方法を提供する。この方法は、被験者から採取し
たサンプルにおいてγ,δT細胞レセプター複合体を有
するT細胞の数、および表面マーカーT4,T8および
α,βT細胞レセプター複合体のひとつを有するT細胞
の群からなるT細胞の数を決定することからなる。この
ようにして決定されたT細胞の数は、免疫異常を示さな
い被験者からのサンプルにおけるγ,δT細胞レセプタ
ー複合体を有するT細胞の数、および被験者からのサン
プルにおいて決定されたT細胞の群と同一の表面マーカ
ーを有する群におけるT細胞の数と比較される。このよ
うにして決定された群におけるT細胞の数と比較した場
合の、このようにして決定されたγ,δT細胞レセプタ
ー複合体を有するT細胞の数の相違により、免疫系異常
が示される。 【0056】本発明によって提供される種々の異常を診
断する方法およびT細胞を検出する方法は、以下に詳述
する新規ポリペプチド類および該ポリペプチド類と複合
体を形成する物質に基づく。該方法は、これに限定され
るものではないが本発明に関して当業者に公知の蛍光活
性化細胞選別およびオートラジオグラフィ等、T細胞を
検出し、定量する方法を利用する。 【0057】 【実施例】〔実施例1〕物質および方法 リンパ球の培養および細胞集団分析 生育可能なリンパ球をフィコール−ハイパーク高密度遠
心分離により単離し、特異的モノクローナル抗体、例え
ばWT31(文献28,29)、またはOKT(登録商
標)3,OKT(登録商標)4またはOKT(登録商
標)8[Ortho Diagnostic Systems, Inc., Raritan, N
J]、を30分間4℃で染色した。洗浄後、細胞ペレット
をさらにフルオレセインイソチオシアネート(FIT
C)接合ヤギ抗マウスIgG(ab)’2 フラグメント
で染色した。蛍光活性化細胞選別(FACS)分析を先
に記載のごとく(文献37)オルソーサイトフルオログ
ラフ(cytofluorograph)またはコール
ター・エピシス(Coulter Epics)で行った。特異的に染
色された陽性細胞は、各細胞系(非特異的対照モノクロ
ーナル抗体で染色)に関する陰性対照プロファイルと比
較して決定された。ベースラインによる陰性対照プロフ
ァイルの妨害より大きい蛍光強度チャンネル数を有する
細胞を陽性として数え、陽性%を合計総細胞数と比較し
て計算した。 【0058】全IL−2依存細胞を、前記のごとく(文
献34)、RPMI 1640、10%ヒト血清および
2〜5ユニットのインターロイキン−2活性含有馴化培
地からなる培地中においてin vitroで蒔いた。同種抗原
(allo)活性化培養物を1週間間隔で照射同種異系
末梢血リンパ球で刺激した。マイトジェン、すなわちフ
ィトヘムアグルチニン(PHA)、活性化系を培養開始
時に1:1000稀釈PHA[Difco, Detroit, MI]で
刺激した。 【0059】モノクローナル抗体を用いた細胞培養物の
反応性および特徴づけ 125 I標識化リンパ球溶解産物からの免疫沈降物をドデ
シル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動
(SDS−PAGE)で分析した。放射性ヨウ素化T白
血病細胞系HPB−MLTおよびジャーカット(Jurke
t) 、HTLV−1形質転換細胞系ANITAおよび休
止末梢血リンパ球を1%トライトン−X−100(TX
−100)に可溶化し、対照抗体、正常マウス血清(N
MS)またはTCRα,βに対するフレームワーク抗
体、すなわちF1(文献54)で免疫沈降した。βF1
モノクローナル抗体を標準的な方法で調製した(文献4
6,47,52)。文献28に記載のように精製したT
CRα,βで免疫化したマウスからの脾臓細胞を融合実
験用に用いた。陽性クローン、βF1,が上述のごとく
T細胞系および末梢血リンパ球での免疫沈降により得ら
れた。 【0060】125I標識化リンパ球を0.1%TX−1
00に可溶化し、NMS、抗T3抗体UCHT−1(文
献40)およびTCRに対するフレームワーク抗体、す
なわちWT31で免疫沈降した。WT31での免疫沈降
の効率をここに用いられるTX−100低濃度で改善
し、またモノクローナル抗体187.1(文献53)を
第2抗体として用いた。 【0061】正常末梢血リンパ球の2色FACS分析を
抗TCRα,βモノクローナル抗体および抗T3モノク
ローナル抗体を用いて行った。末梢血リンパ球は、最初
にFITC接合抗モノクローナル抗体(OKT(登録商
標)3)で染色し、ついでビオチニル抗TCRα,βモ
ノクローナル抗体(BF1)で染色し、ひきつづき藻紅
素接合アビジン[PE−アビジン、Becton Dickenson,
Mt. View, CA] で染色した。 生育可能なリンパ球をS
DS−PAGEおよびFACS分析のためにフィコール
−ハイパーク高密度遠心分離により単離した。SDS−
PAGE分析に関して、リンパ球は、ラクトペルオキシ
ターゼ技術により放射性ヨウ素化され、1%TX−10
0に可溶化し、そして1マイクログラムの特異抗体、す
なわちモノクローナル抗体βF1またはモノクローナル
抗体UCHT−1、または1mlのNMSを用いて免疫
沈降した。免疫沈降物をついで還元条件下10.5%S
DS−PAGEにより分析した。 125I標識化分子は、
先に記載のごとく(文献28)オートラジオグラフィー
により可視化した。 【0062】2色サイトフルオログラフィー分析は、ま
ず第1にFITC−OKT(登録商標)3モノクローナ
ル抗体で45分間4℃にて染色することによって行なわ
れた。洗浄後、リンパ球を1%パラホルムアルデヒドに
15分間23℃にて固定し、ついで70%エタノールリ
ン酸緩衝生理食塩水(PBS)中−20℃にて5分間培
養した。さらに洗浄後、細胞をビオチニル−βF1モノ
クローナル抗体で染色し、ついでPE−アビジンで染色
した。分析は、オルソーサイトフルオログラフ(オルソ
ー・ダイアゴスティック・システムズ、インコーポレー
ション.,ウエウト ウッド、マサチューセッツ州)で
行なわれた。 【0063】IDP1およびIDP2細胞系上のT3分
子と会合された細胞表面分子の分析 IDP1細胞系2(WT31+ )および細胞系3(WT
31- )を上述のごとく 125I−標識化した。放射性ヨ
ウ素化された無傷のリンパ球をついでジチオビスサクシ
ニミジルプロピオネート50マイクログラム/ml含有P
BS(pH8)中の培養により架橋を行うかまたは模擬
培養をした。細胞をついで1%TX−100中に可溶化
し、先に記載のごとく(文献12)免疫沈降した。抗T
3免疫沈降におけるT3会合分子(Mr 40,000
〜55,000)は、未架橋サンプルにおいて低レベル
でまたは架橋サンプルにおいて高レベルで検出された。 【0064】IDP2細胞系7(88%WT31- T3
+ )を 125I−標識化しかつDSPで処理したかあるい
は模擬培養した。免疫沈降をモノクローナル抗体βF1
でのTCRα,β分子の予備洗浄なし又はありのいずれ
かでNMS,抗T3モノクローナル抗体および抗TCR
α,βモノクローナル抗体βF1を用いて行った。少フ
ラクションの放射性標識化TCRα,βは、予備洗浄さ
れないサンプル中に検出されたが、βF1で予備洗浄さ
れたサンプル中には検出されなかった。 【0065】IDP2細胞系5(WT31+ T3+ )お
よび細胞系7(88%WT31- T3+ )を 125I標識
し、1%TX−100に可溶化し、そしてNMSまたは
抗T3モノクローナル抗体UCHT−1を用いて免疫沈
降した。T3Hサブユニット(Mr 27,000)は、
これら2つの細胞系に同様に表われ、一方T3Lサブユ
ニット(Mr 19,000〜25,000)は、表わ
れなかった。 【0066】オートラジオグラフィーによる10.5%
SDS−PAGE分析後、 125I−標識化、1%TX−
100中への可溶化、免疫沈降および可視化を先に記載
のごとく(文献28)行った。化学的架橋を先に記載の
ごとく(文献28)DPS(50マイクログラム/ml)
PBS溶液(pH8)を用いて無傷の放射性標識化リン
パ球上に23℃で30分間行った。免疫沈降後、全サン
プルをタンパク質サブユニット間のジスルフィド結合よ
おびDSP化学的架橋の両者を解裂する5%2−メルカ
プトエタノールを用いてて還元条件下SDS−PAGE
により検査した。 【0067】TCRα,TCRβおよびTCRγcDN
Aプローブを用いてIDP2細胞系から単離されたRN
Aのノーザンブロットアッセイ IDP2細胞系6(WI31- )からおよびT白血病細
胞系HBP−MLTから単離された総RNA(15 マ
イクログラム)を2.2Mホルムアルデヒド含有1.5
%アガロースゲル上に分画し、ニトロセルロースに形質
転換し、そしてTCRα,TCRβ,およびTCRγプ
ローブとハイブリダイゼーションした。 【0068】IDP2細胞系5(WT31+ T3+ ),
IDP2細胞系7(88%WT31 - T3+ )およびH
PB−MLTから単離された総RNA(3マイクログラ
ム)を上述のごとく分析した。RNA調製、電気泳動、
ニトロセルロースへの形質および32P標識化ニック翻訳
されたプローブ(1〜3×108 cpm/マイクログラム)
とのハイブリダイゼーションは、先に記載のとおりであ
った(文献41)。α鎖プローブは、ヒトcDNAクロ
ーンpG45(文献8)またはL17α(文献42)の
いずれかであった。γ鎖プローブは、ヒトDNAクロー
ンTγ−1から誘導されたAccIに対するEcoRI
であった。放射線活性バンドは、強化スクリーンを用い
てオートラジオグラフィーで可視化された。全プローブ
は、ほぼ同一の特異的活性に標識化され同一感光時間を
与える。 【0069】抗γ抗血清を用いたIDP2細胞系表面分
子の免疫沈降 TX−100可溶化 125I標識化IDP2細胞系7(8
8%WT31- T3+)を変性し(下記参照)、ついで
NMSまたは正常家兎血清でおよび抗Vγペプチド血清
または抗Cγペプチド血清で免疫沈降した。特異的バン
ドは、抗Vγペプチド血清および抗Cγ免疫沈降物の両
者においてMr 55,000にて観察された。Mr
0,000における追加のバンドは、抗Cγ免疫沈降に
おいて再現的には観察されなかった(下記参照)。 【0070】125I標識化IDP2細胞系7からのDS
P架橋天然溶解産物(1%TX100)をNMSでまた
は抗T3モノクローナル抗体UCHT−1で免疫沈降し
た。別に、該溶解産物を変性し(下記参照)、ついで正
常家兎血清または抗Cγペプチド血清のいずれかで免疫
沈降した。追加のアリコートの溶解産物を2段階免疫沈
降した。ポリペプチドを抗T3モノクローナル抗体UC
HT−1で免疫沈降し、ついでDSP架橋を切断するた
めに変性および還元条件下免疫吸収剤から溶離した。つ
いで、この溶離物からの免疫沈降を抗Cγペプチド血清
を用いて行った。 【0071】125I 標識化、1%TX−100中への可
溶化および免疫沈降を上述のごとく行った。天然の溶解
産物(1%TX−100)をSDS(最終濃度1%)お
よびジチオスレイトール(dithiothreitol)(最終濃度2
mM)を添加しつづいて68℃で5分間該混合物を加熱
することにより変性した。冷却句後、ヨードアセタミド
を添加し(最終濃度20mM、サンプルを4容量の1.
5%TX−100トリス緩衝生理食塩水(pH8)で溶
離した。該実験における初期免疫沈降物を変性し、つづ
いて部分的に再生(renatured)した(文献28)。サン
プルを10マイクロリットルの抗Cγまたは抗Vγペプ
チド血清、1マイクログラムのUCHT−1または1マ
イクロ力価のNMSまたは正常家兎血清で免疫沈降し、
ついで還元条件下(5%2−メルカプトエタノール)、
10.5%SDS−PAGEで分析した。 推定Vγま
たはCγアミノ酸配列に相当するペプチド(残基数は、
下記の実験結果の節に記載)は、エリクソン(Erickso
n) およびメァリーフィールド(Merrifield) の方法
(文献44)を用いてベックマン990ペプチドシンセ
サイザー(Beckman 990 peptide synthesizer)で合成さ
れた。ペプチド純度は、高圧液体クロマトグラフィーで
評価され、ペプチド配列は、アミノ酸分析で確認され
た。ペプチドは、キーホール・リンペット・ヘモシアニ
ン(Keyhole limpethemocyanin)( KLH)と1KLP
分子につき50ペプチドの比率でカップルした(文献4
5)。マウスおよび家兎は、各々VγペプチドまたはC
γペプチドで免疫化された。動物は、3週間間隔で接種
され、血清をペプチド−KLHおよびペプチド−ウシ血
清アルブミン接合に対する反応性をバインドするためス
クリーニングし、ペプチド−特異杭体の存在を確認し
た。 【0072】γ鎖に対するモノクローナル抗体は、文献
47,50に記載された標準方法により発生された。B
ALB/cマウスは、エリクソンおよびメァリーフィー
ルドの方法(文献44)を用いて上述の有効領域γ鎖ペ
プチドへのKLHカップルペプチドで免疫化した。2週
間間隔での4回の免疫処理後、脾臓細胞をD3−X63
−Ag8U1骨髄腫細胞と融合した。陽性ハイブリドー
マクローンをスクリーニングし、文献48に記載の酵素
免疫アッセイ法(EIA)により同定した。 【0073】純化タンパク質からのδポリペプチドのD
NA配列の単離 TCRδ遺伝子のDNA配列は、単離でき、また文献4
9,50に記載のごとくTCRβ遺伝子を単離するのに
利用される方法により決定できる。簡単に言うと、TC
Rδ遺伝子のアミノ酸配列は、以下に記載されるTCR
δ遺伝子の単離に従って決定され得る。アミノ酸配列を
決定した後、短い合成DNA配列は、市販DNAシンセ
サイザー[Applied Biosystems, Inc., Foster City, C
A]を用いて調製される。該合成DNA配列は、TCRポ
リペプチド含有細胞系のcDNAライブラリーからのD
NAの完全配列の単離用プローブとして用いられる。タ
ンパク質の腫瘍構造は、ついで決定される(文献5
1)。 【0074】δポリペプチドに対するおよびγ、δ複合
体に対するモノクローナル抗体の調製 δポリペプチドに対するモノクローナル抗体は、標準的
な方法(文献47,50)により発生され得る。TCR
δポリペプチドから誘導されるペプチドは、上述の方法
により決定された核酸配列から調製され得る。免疫処置
に有効なこのようなペプチドを選択する方法は、詳細に
記載されている(文献55、56、57)。 【0075】γ,δ複合体に対して誘導されるモノクロ
ーナル抗体は、刊行物記載方法(文献47、50)に従
って調製され得る。γ,δ複合体は、上述のT細胞系か
ら単離され得、また先の刊行物の記載の方法(文献2
8)に記載のごとくBALB/cマウスを免疫化するの
に用いられ得る。別に、BALB/cマウスは、細胞
系、例えばIDP1細胞系またはIDP2細胞系で免疫
化され得る。 【0076】ハイブリドーマ細胞系の融合、発生および
保守管理方法は、広く刊行物に記載され当業者に公知で
ある。特異的TCRγ,δ細胞系に対して誘導されるが
他のT細胞系と交差反応(cross react) しないモノクロ
ーナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、選択され
回収される。ヒト腫瘍および末梢血リンパ球からのTCRγ,δおよ
びT3の免疫沈降 生育可能なリンパ球をフィコールーハイパーク密度勾配
遠心分離により単離し、2×107 細胞を文献28に記
載のごとくラクトペルオキシターゼ技術によって放射性
ヨウ素標識化した。標識化細胞は、2mMフェニルメチ
ルスルフォニルフルオロイド(PMSF)および8mM
ヨードアセタミド(IAA)を含有するTCR−T3会
合を保護する(文献64)0.3%3−[(3−コラミ
ドプロピル)ジメチルアンモニノ]−1−プロパン−ス
ルフォネート(CHAPS)とともに5mlのTBS
(10mlトリスpH8、140mM Nacl)に溶
解された。文献12に記載の固定Staphylococcus aureu
s コーワンI(CowanI)(SACI) を用いて免疫沈降を行
い、免疫複合体を0.1%トライトンX−100(TX
−100)含有TBS中5度洗浄した。還元サンプルを
2mMジチオスレイトール(DTT)中煮沸し、全サン
プルをSDS−PAGEによるアッセイの前、10mA
IAA中23℃にて10分間培養した。抗Cγ血清を
用いた免疫沈降は、IAAを除去するために透析された
1%TX−100溶解産物で行ない、ついで3分間煮沸
しながら3mM DTT含有ドデシル硫酸ナトリウム
(SDS)10分の1の容量の添加により変性させた。
4容量の30mM IAA含有TBS中の1.5%TX
−100による部分再生の後、抗Cγ血清またはNRS
を添加し、免疫沈降物をSDS−PAGEによる分析の
前、0.5% TX−100、0.5%デオキシコレー
トおよび0.05%SDS含有TBS中で洗浄した。ラ
ット抗マウスα鎖特異mAb187.1(15Mg)を
第2抗体として加えて、IgGImAbβF1、UCH
TおよびP3の結合タンパク質Aを産生した(文献5
3)。 【0077】PBL C1から単離されたRNAのノー
ザンブロットアッセイ 1レーンにつき約1.5MgRNAを載せ、プローブを
同様な特異活性にまで、標識化し、同一オートラジオグ
ラフィ感光させた。RNAサイズは、TCRBおよびT
CRγ転写体に関する先に記載された長さ(文献36、
4)に基づいて決定された。 【0078】TCRγポリペプチドおよび前駆体の2次
元ゲル分析 ラクトペルオキシターゼでの放射性ヨード化の後、リン
パ球をリン酸緩衝食塩水(PBS)1mg/mlウシ血清ア
ルブミン、1mg/mlグルコース中の100Uのニューラ
ミニターゼ[Gibcoで90分間23℃にて処置し、
PBS中洗浄し、ついで0.3%CHAPSに可溶化し
た。免疫沈降物を第1図のごとく調製し、NEPHGE
(電荷分離)をpH3.5〜10アンフォリン(LK
B,スウェーデン)、を用いあるいはpH3.5〜1
0,4〜6,9〜11アンフォリン(2:15.5:
1.5)を用いたIEFを用いて、つづいて文献12に
記載のごとくサイズ分離のため10.5% SDS−P
AGEゲルを用いて行った。NEPHGEは、酸性末端
にヨウ素化IFFサンプルを乗せて行い(A,B)、一
方IEFC C,D)は、40Vにて20時間他の(塩
基性)末端にサンプルを乗せて行った。ブラケットは、
T3会合種を含む。 【0079】細胞(2×107 )は、10%胎児ウシ血
清で補足された4mlメチオニン遊離RPMI1640中
37℃にて1時間予備培養された。35S−メチオニンを
250μCi/mlまで加え、培養を37℃で1時間続け
た。細胞を回収、洗浄し、1%SDS、10mMトリス
HCl (pH8.0)、0.1mM PMSFおよび1
0mM IAAの煮沸溶液0.4に溶解した。溶解産生
物を2.5% ノニデッドP40(Nonidet - P40)、1
%ゼラチン、10mlトリス−HCl (pH8)2mlおよ
び1mg/ml DNアーゼ、0.5mg/ml RNアーゼ、
0.5Mトリス−HCl (pH7)、50mM MgC
l20.2mlで希釈し、0℃にて2〜4時間培養した。ペ
レット不溶性片まで12,000×gで15分間遠心分
離後、1%ゼラチンで予め沈降されたプロテインAセフ
ァロースを用い、ついで洗浄し抗γ血清での免疫沈降を
文献65に記載のごとく行った。免疫吸収剤からの溶離
およびエンド−H[Miles Scientific, Naperville, I
L]での処置は、文献65に記載されている。サンプル
は、第1次元にNEPHGEおよび第2次元に10%S
DS−PAGEを利用する2次元ゲル電気泳動、ひきつ
づきフルオログラフィーにより抗血清で分析した(文献
66)。 【0080】TCRγポリペプチドを発現するT細胞に
おけるγおよびβおよび遺伝子の再配列 ゲノムDNAは、記載のごとく(BamHIまたはEc
oRI)単離し、0.7%アガロース(BamHI消
化)または0.9%アガロース(EcoRI消化)上に
サイズ分画し、ついで文献67に記載のごとくくニトロ
セルロースに転写した。フィターをニック翻訳された32
P−標識化0.8Kb HindIII −EcoRI J
γ1,3プローブ(文献20)または1.1Kb Eco
RI−HindIII Cβ2 プローブ(文献68)にハイ
ブリダイゼーションした。強度を上げたスクリーニング
を用いたオートラジオグラフィーの前、フィルターを2
%SSCおよび0.1%SDS中で洗浄し、つづいて5
5℃で0.2%SSCおよび0.1%SDS中で洗浄し
た。 【0081】IDP2およびPBL C1細胞による細
胞溶解 細胞溶解アッセイを文献34に記載のごとく51Cr−標
識化、回収および%特異放出の計算により丸底96ウェ
ル組織培養プレートにて行った。IDP2およびPBL
C1細胞をUCHT1 (1:300稀釈度)(+抗T
3)で0℃にて30分間予め培養し、3回洗浄するか、
あるいは模擬培養し、標識化ターゲット(標的)細胞と
お互い取り代えた。抗HLAクラスIおよびクラスIIm
Ab抗T3mAbを51Cr標識化MOLT4細胞含有ウ
ェルに0℃にて30分間配置し、ついでIDP2細胞を
40:1のE:T比で加えた。全サンプルを3回アッセ
イし、各実験を少なくとも3回行った。各々の代表的実
験の1つを第10図〜第12図に示す。 【0082】実験結果 多数のヒトTCRα,β6を認識するマウスフレームワ
ーク抗血清は、先に報告されている(文献28)。つづ
いてヒトβ鎖における割り当てられた決定基と反応性で
あるマウスモノクローナル抗体、フレームワーク1(β
F1)という、が得られた(文献46)。βF1モノク
ローナル抗体は、多数のT3陽性(T3 + )ヒト末梢血
リンパ球(PBL)と反応し、またα,βT細胞レセプ
ターを有し、かつT3糖タンパクを発現する試験された
全ヒトT細胞系からのTCRα,βヘテロダイマーを免
疫沈降できる。このモノクローナル抗体を用いたT細胞
系のパネルからの免疫沈降は、この反応性並びに異なる
レセプターからのTCRαおよびTCRβサブユニット
の異質性を示す(第1図)。フレームワーク抗血清(文
献28)と同様に、このモノクローナル抗体は、生体T
細胞の表面を染色しないが、70%エタノールでのリン
パ球血漿膜の部分解離(solution)後、膜およ
び細胞形質T細胞レセプターの両者と特異的に反応する
であろう。フルオレセイン抗T3モノクローナル抗体お
よびビオチニル−β−F1モノクローナル抗体つづいて
アビジンでのヒトPBLSの2重染色は、βF1モノク
ローナル抗体が95〜97%の末梢血T3+ リンパ球を
認識することを明らかにする。しかしながら、これはβ
F1陰性(βF1- )さらにはT3+ である小個体群の
T細胞を明らかに限定する(第1C図)。 【0083】T3抗体を認識することが初期に考えられ
たW31と命令されたされた第2フレームワークモノク
ローナル抗体(文献29)は、最近、TCRα,βの共
通のエピトープと反応することが示されている(文献3
0)。抗T3モノクローナル抗体(OKT(登録商標)
3)およびWT31での二重染色は、各該モノクローナ
ル抗体が他の結合をクロスブロックすることを明らかに
したが、1色螢光は,WT31が抗T3モノクローナル
抗体がするよりも末梢血において1〜3%少ない細胞を
代表的に認識することを示した。WT31モノクローナ
ル抗体は、T細胞の表面に効率的に結合し(FACS分
析等参照)、また放射性標識化洗浄溶解産物からは非効
率的であるがTCRα,βを免疫沈降できる(文献3
0)(第1B図、レーン3)。従って、βF1モノクロ
ーナル抗体およびWT31モノクローナル抗体は、少フ
ラクションのヒト末梢血T3+ 細胞を除いて全てを認識
し、またT3+ であるがTCRα,β分子に対するこれ
らのフレームワークモノクローナル抗体の両方と未反応
性である亜個体群を決定するらしい。モノクローナル抗
体βF1と未反応性であるT3+ リンパ球もまたモノク
ローナル抗体WT31と未反応性であるという証拠を以
下に示す。WT31は、主にFACS分析に用いられて
いて、またβF1は主に免疫沈降研究に用いられてい
た。 正常成人PBLからのWT31- T3+ 個体群の
生長に対する成果は、WT31+ T3+ リンパ球がマイ
トジェン刺激に従うWT31- T3+ 細胞が通常生長し
すぎるので困難であることが判明した。 【0084】しかしながら、免疫不全症患者のPBLか
らのWT31- T3+ 個体群の生長は、良好であった。
免疫不全症患者1(IDP1)は、裸リンパ球症候群
(barelympocyte syndrome)に病み、リンパ系細胞にお
けるるクラスIIMHC抗原を欠いており(文献31,3
2)、一方免疫不全症患者2(IDP)は、外胚芽形成
異常症候群に病み、マイトジェンに対する少ない生体内
T細胞繁殖性応答を示した。 【0085】同種抗原でのIDP1からのPBLの活性
化およびインターロイキン−2(IL−2)活性含有条
件地における繁殖後、得られた細胞系は、約50%WT
31 + T3+ および50%WT31- T3+ であること
が観察された(下記第1表参照、細胞系1)。ひきつづ
きこの細胞の選別によりWT31+ T3+ 細胞およびW
T31- T3+ 細胞の均質個体群を得た(下記第1表参
照、各々細胞系2および 3)。 【0086】 【表1】 【0087】1 細胞系既述は、活性化またはリンパ球
源に関する条件を示す。WT31+およびWT31-
別細胞系1および2(選別)は、IDPI細胞系1の螢
光活性化細胞選別によって得られた。細胞系はまたID
P2からも得られた。IDP2からの新鮮PBLは、6
3%のPBLがT3+ であり、1〜2%少ない細胞(6
1%)が代表的な正常PBLであるWT31+ であった
ことを明らかにした(第1表,細胞系4)。フィトヘム
アグルチニン(PHA)または同種抗原でのこれらID
P2PBLの活性化および条件培地での生体外繁殖はい
くつかの細胞系となった。該細胞系としては、均質WT
31+ T3+ 細胞系(第1表、細胞系5)、均質WT3
- T3+ 細胞系(第1表,細胞系6)および第3の場
合、88%WT31- T3+ (12%不純WT31+
+ 細胞(第1表細胞系)であった。WT31- T3+
固体群は、T8+ およびT4- T8- 細胞の両方を含ん
だ(第1表、細胞系3,6および7)。さらにに表現型
分析は、この個体群がT11+ であったがLeu7、L
eu11およびOKM1等の天然キラー細胞マーカーお
よび未熟胸腺細胞マーカーT6に対しては陰性であった
ことを現わした。 βF1モノクローナル抗体は、 125
I標識化WT31+ T3+ IDP1リンパ球の表面上の
ヘテロダーマー構造を免疫化学的に決定したが(第2A
図、レーン5)、この同一個体からのWT31- T3+
個体群上の同様なタンパク質を確認できなかった(第2
B図、レーン11)。IDP2細胞系の同様な分析は、
WT31+ T3+ 細胞での12%染色と一致する88%
WT31- T3+ 細胞系7上のTCRα,βのトレース
を表わした(第2B図、レーン2)。従って、FACS
分析におけるWT31- T3+モノクローナル抗体との
細胞表面反応性の欠乏によって、同定されたWT31-
T3+ 細胞はまた、免疫沈降においてTCRα,βの欠
乏によって決定されたとおりβF1- であった。全WT
31+ T3+ およびWT31- T3+ 細胞系は、FAC
S分での免疫沈降により同様な量のT3を発現した(第
2A図レーン3および9;第2C図、レーン2および
4)。しかしながら、WT31- βF1- T3+ リンパ
球に見い出されたT3分子は、SDS−PAGEにより
WT31+ βF1+ T3+ 細胞に見い出されたT3分子
とは同一でなかった。1次元(第2C図)および2次元
ゲル分析は、T3の相異が異なるSDS−PAGE移動
度を再現的に示したライトT3サブユニットに制限され
たことを示した(第2C図、矢印)。 【0088】WT31- βF1- T3+ 個体群がTCR
α,β分子を欠いたか、または別に、これらのモノクロ
ーナル抗体と反応しそこなったTCRα,βを発現した
かどうかを決定するために、TCRαおよびβタンパク
質をコード化するmRNAの存在が研究された。TCR
α,βおよびTCRγをコード化する32P標識化cDN
Aクローンは、WT31- βF1- T3+ およびWT3
+ βF1+ T3+ IDP2細胞系からのおよびTCR
α,TCRβおよびTCRγに対するnRNAを含有す
ることが知られたHPB−MLTからの全細胞RNAを
含有するノーザンブロットを詳しく調べるのに用いられ
た。TCRαまたはTCRβ、mRAN転写体は、WT
31- βF1- T3+ IDP2細胞系6からのRNAに
おいては検出できなかったが(第3A図α−プローブ、
レーン1;またはβ−プローブ,レーン1)、両者の発
現は、HPB−MLTからのRNAにおいて明らかに検
出可能であった(第3図、α−プローブ、レーン2;お
よびβ−プローブ、レーン2)。明らかに、TCRγm
RNAは、HPB−MLTにおけるレベルに匹敵するレ
ベルでWT31- T3+ 細胞に存在した(第3図,γ−
プローブ,レーン1および2)。従って、WT31- β
F1- T3+ リンパ球は、TCRαおよびβmRNAを
欠いた。ほとんどWT31- T3+ である細胞系に対す
る次の実験は、これらの結果を確認した。例えば、ID
P2細胞系7(88%WT31- T3 + )に対して行な
われ、IDP2細胞系5(WT31+ T3+ )並びにH
PB−MLT細胞と比較されたノーザンブロット分析
は、ほんのトレースの85%WT31- T3+ 細胞(1
2%WT31- T3+ 細胞での汚染と一致する)におけ
るTCRαまたはTCRβmRNAを現わした(第3B
図、各プローブに対するレーン2)。さらに検出できた
多数のβ転写体は、1.0であり1.3Kbでなくまた
おそらく機能的でなかった(文献35)。これに対し
て、IDP2細胞系5(WT31+ T3+ )は、HBP
−MLTに匹敵するRNA種の両方のレベルを発現した
(第3B図、各プローブに対するレーン)。しかしなが
ら、第3A図に示すWT31- T3+ 細胞系と同様に、
WT31- T3+ およびWT31+ T3 + 細胞系の両者
は、HLB−MLTに匹敵するTCRγRNAレベルを
示した。従って、WT31- T3+ 細胞は、αおよびβ
T細胞レセプターmRNA(ノーザンブロットアッセ
イ)およびαおよびβT細胞レセプタータンパク質(免
疫沈降およびFACS分析)を欠いた。Tαタンパク質
発現に一致するが、WT31 - T3+ におけるTγmR
NAの存在は、正常サイズのTγmRNAを発現する多
くのヒト細胞系が不完全V−J結合のため構造外である
十分な長さの転写体を発現し得るので(文献36)、強
力な証拠とならなかった。 【0089】TCRα,β分子に類似するタンパク質が
WT31- βF1- T3+ 細胞上に存在するかどうかを
決定するために、化学的架橋技術が利用された。この方
法は、T3糖タンパク質とのTCRα,β分子の物理的
会合を直接示すのに用いられている(文献12)。2官
能性、分割性指示薬、ジチオビスサクシミジルプロピオ
ネート(DSP)が、生育可能Tリンパ球の 125I標識
化表面タンパク質を架橋するのに利用された。架橋後、
リンパ球は、非イオン性洗浄剤に可溶化され、抗T3モ
ノクローナル抗体で免疫沈降された。期待されたとお
り、WT31+ βF1+ T3+ リンパ球は、TCRαお
よびβ鎖がT3と架橋されたことを表わした。例えば、
TCRα,β分子およびT3は、架橋IDP1細胞系2
(WT31 + T3+ )からの抗T3またはβF1モノク
ローナル抗体中に見い出された。(第2A図、レーン4
および6)。しかしながら、βF1モノクローナル抗体
との反応性の欠如およびTCRαまたはTCRβmRN
Aの欠如にもかかわらず、IDP1細胞系3(WT31
- T3+ )およびIDP2細胞系7(88%WT31 -
T3+ )は、T3と特異的に架橋した2つのタンパク質
(Mr 55,000および40,000)を両方とも発
現した(第2A図,レーン10;第2B図,レーン
6)。これらT3会合分子の移動度は、WT31+ T3
+ 細胞系からのTCRαおよびβ鎖からのものと明らか
に異なった(第2A図、レーン4および10;または第
2B図レーン5および6と比較対照)。 【0090】IDP2細胞系7(88%WT31- T3
+ )が(第2B図、レーン2)に示された弱いβF1免
疫沈降物を示す12%のWT31+ T3+ を含有したの
で、これらの細胞からの溶解産物は、βF1モノクロー
ナル抗体を用いてTCRα,βタンパク質を予め除い
た。予め除いた後、残基βF1反応性物質は、検出され
なかった(第2B図、レーン8および11)。架橋細胞
からの溶解産物を予め除かれたβF1- は、抗T3モノ
クローナル抗体で免疫沈降され、Mr 55,000およ
び40,00サブユットがさらに検出された(第2B
図、レーン12)。 【0091】これらの細胞溶解産物が検出可能レベルの
TCRαおよびTCRβmRNAを示すので、該細胞表
面においてT3と特異的に架橋されたことが見い出され
た分子は、既知TCRαまたはTCRβ遺伝子によって
コード化されたタンパク質を与えることができない。再
配列ヒトTCRγ遺伝子を表わすcDNAクローンは、
予想分子量40,000ダルトンでポリペプチドをコー
ド化するであろう(文献36)。しかしながら、N結合
グルコシル化部位を表わさないマウスTCRγ遺伝子
(文献15)とは異なって、ヒトTCRγ遺伝子は、N
結合グリコシル化に対する5つの部位を表わす。すなわ
ち、そのうち4つは、一定領域に位置する(文献3
6)。TCRγタンパク質は、今まで単離されていない
ので、これらの可能部位のいくつが利用され得るかは、
わからない。しかしながら、十分にグルコシル化された
ヒトTCRγタンパク質は、Mr 約55,000を有し
得る。WT31- βF1- T3 + IDP1およびID
P2細胞系上同定された非α−非βT3会合サブユニッ
トの重鎖は、55,000ダルトンのSDSPAGEに
おけける相体移動度を示す(第2A図および第2B
図)。 【0092】このT3会合重鎖が血清学的にTCRαタ
ンパク質と架橋またはTCRγタンパク質と同一である
かどうかを決定するために、抗血清にヒトcDNAクロ
ーンから推定されたTCRγアミノ酸配列(文献36)
の配列: RTKSVTRQTGSSAEITC (有効領域からの残基5〜12の17アミノ酸範囲を示
す;抗Vγペプチド血清)を有する合成ペプチドおよび
配列: DKQLDADVSPKPTIFLDSIA (一定領域からの残基117〜136の20アミノ酸範
囲を示す;抗Cγペプチド血清)を有する合成ペプチド
を与える。抗Cγペプチド血清および抗Vγペプチド血
清の両者は、 125I−標識化されたWT31- βF1-
T3+ 細胞の変性溶解産物からMr 55,000の分子
を免疫沈降した(第4A図、レーン2および4)。該分
子は、非機能的TCRγmRNAのみを発現する 125
標識化HPB−MLT細胞の溶解産物から免疫沈降され
なかった(文献36)。 【0093】抗CγおよびおよびVγペプチド血清によ
って免疫沈降された55,000ダルトン分子が実際に
T3に架橋された重鎖サブユニットであることを示すた
めに、追加の実験を行った(第4B図)。WT31- β
F1- T3+ 細胞からのDSP架橋溶解産物のサンプル
を最初に抗T3モノクローナルで免疫沈降し、再びT3
と会合されたMr 55,000および40,000サブ
ユニットの存在を示した(第4B図、レーン2)。平行
して、架橋溶解産生物の別のアリコートを抗T3モノク
ローナル抗体で免疫沈降し、ついで免疫沈降T3架橋ポ
リペプチドをDSP架橋を切断するために変成および還
元条件下免疫吸収剤からら溶離した。この溶離物をつい
で抗Cγペプチド血清と再び沈降した。T3と架橋した
r 55,000サブユニットを抗γペプチド血清によ
り再び沈降し(第4B図、レーン5)、これらの2つの
アプローチにより特定されたMr 55,000サブユニ
ットが同一であることを示した。 【0094】抗T3mAbを用いた(T3からのTCR
サブユニットが解離しない条件で、第5図参照)表面ヨ
ウ素化IDP2リンパ球の溶解産物からの免疫沈降は、
T3サブユニット(第5A図)に加えて2つの種(55
Kおよび40K)をもたらした。この結果は、化学的架
橋を用いた先に報告されたものと一致した。55K種
は、抗Cγおよび抗Vγペプチド血清と特異的に反応す
ることが見い出された。40Kポリペプチドは、該抗γ
ペプチド血清と反応性がなく、従って非TCRα,βま
たはγサブユニット、すなわちδを表わすようである。
これらのサブユニットがTCRαおよびβサブユニット
のように共有結合されているかどうかを決定するために
T3免疫共沈ポリペプチドを還元および非還元下、調べ
た。非還元条件下ヘテロダイマージスルフィド結合形態
にて存在するTCRα,βサブユニットと明らかに対照
して、IDP2細胞系上のTCRγおよびδサブユニッ
トは、共有結合されいなかった(第5A図)。非還元条
件下SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(PAG
E)における相対移動度の少しの増加が拡散、重グリコ
シル化(下記参照)TCRγに関して観察されたのに対
して、移動度の劇的な増加がδサブユニットに関して観
察され、これは1以上の内部鎖ジスルフィドループの存
在を提唱する(レーン2および4の矢印における種参
照)。 【0095】ウェイスら(Weiss, et al) は、PEER
細胞系がTCRγmRNAの発現を欠くがT3−会合5
0〜60Kポリペプチドを発現できるので、TCRγポ
リペプチドを発現できることを提案した(文献69)。
さらなる実験において、この細胞系は、TCRβ鎖、β
F1上のフレームワーク決定基を認識するmAbとの反
応性に欠け(第5A図)、また強くヨウ素化された38
Kポリペプチドを発現することが見い出された。55K
〜60Kポリペブチドは、抗Cγペプチド血清と特異的
に免疫沈降され、従ってTCRγタンパク質の別の例を
示すようだ(第5A図)。PEER上のTCRγおよび
δポリペプチドは、IDP2細胞系上のものと同様なサ
イズであり、同様にジスルフィド結合されていない。I
DP2細胞上のδサブユニットと同様に、PEER上の
複製分子は、還元および非還元条件下比較された際(レ
ーン7および8の矢印における種比較対照)、SDS−
PAGE移動度において著しいシフトを受けた。従っ
て、IDP2およびPEER細胞糸は、同様のタイプの
TCRγおよびδサブユニットが共有結合されていない
TCRγ,δT3複合体を発現するらしい。 【0096】本発明者らは、この第2抗体もまた正常末
梢血におけるT細胞個体群の成分として発現するかどう
かを決定しようとした。mAbβF1およびOKT(登
録商標)3でのヒト抹消血リンパ球(PBL)の染色を
比較する2色サイトフルオログラフ分析は、TCRα、
β陰性であるらしい2〜5%のT3+ PBLを示す分離
個体群を示した。このリンパ球個体群を検査するため
に、正常成人PBLをmABWT31での染色後、サイ
トフルオログラフ細胞選別した。未染色PBLを単離
し、放射性化自系飼育細胞およびフィトヘムアグルチニ
ン(PHA−P)の添加を2週間受けるIL−2含有条
件培地中生体外培養した。細胞系誘導WT31- PBL
- 系を0.5細胞ウェルでプレートすることでの希釈を
制限することによってクローンし、クローン細胞をポリ
クローナル細胞系として培養した。いくつかのこのよう
な末梢血誘導T細胞クローンが得られ、PBLクローン
1(PBL C1)を詳細に研究した。サイトフルオロ
グラフ分析により、このクローンは、T3+ T11-
あったが、T4- T8- およびWT31- でなかった。
PBL C1からのTCRα,βおよびγmRNAの発
現は、ノーザンブロット分析により決定された(第6
図)。WT31+ βF1+ T細胞腫瘍HPB−MLTと
比較すると、ほんの低レベルのTCRαおよびβmRN
Aが検出された。これに対して、豊富なTCRγmRN
Aが示され(第6図、γプローブ);興味深いことに、
TCRγmRNAは、HPB−MLTにおよびTCRγ
発現IDP2細胞系に見い出された1.6キロベース
(Kb)メッセージよりわずかに少なかった(第6
図)。これらの観察と一致して、WT31反応性は、サ
イトフルオログラフ分析において検出されず(データ示
さず)、またほんの限られたレベルのTCRαおよびβ
ポリペプチドがmAbβF1を用いた免疫沈降により見
い出された(第5B図、レーン2,5)。これに対し
て、PBLC1において検出されるトレースレベルのT
CRαおよびβタンパク質は、このクローンの培養に用
いられる放射化自系飼育細胞での1〜2%染色によって
説明される。2つの豊富な鎖(40Kおよび36K)
は、SDS−PAGE分析において還元条件下T3と会
合されることが観察された(第5B図、レーン3)。抗
Cγ血清は、還元および変性PBLC1溶解産物からこ
れらのポリペプチドの両方を免疫沈降した(第5B図、
レーン8)。 これら40Kおよび36KTCRγポリ
ペプチドがジスルフィド結合ダイマーの一部かどうかを
決定するために、抗T3との免疫共沈が非還元条件下行
われた。Mr (70K)の単一バンドが観察され、これ
は、IDP2およびPEER細胞と異なり、PBLC1
がジスルフィド結合ダイマー性複合体の部分であるT3
会合TCRγ遺伝子産生物を発現することを示す。 【0097】TCRγパートナー(δ)は、IDP2お
よびPEER細胞上のこのレセプター複合体の非ジスル
フィド結合形態上に存在したので、本発明物らは、PB
LC1上のレセプターのジスルフィド結合形態がホモま
たはヘテロダイマーからなるかどうかを検査した。免疫
沈降物は、2次元ゲル電気泳動(非平衡pHゲル電気泳
動(NEPHGE)につづいてSDS−PAGE;第7
A図、第7B図)によりアッセイされた。還元条件下、
両方のTCRγ種(40Kおよび36K)は、同一帯電
量を有することが見い出され、またシアリル化糖タンパ
クに関して代表的な不均質性を示した。これらの特徴
は、同一アミノ酸骨組みを有するTCRγペプチドの特
異的にグリコシル化された形態に関して先に記載された
もの同様である。従って、これらの種は、同一TCRγ
ペプチドの特異的にグリコシル化された形態を示すであ
ろう。この結果は、PBLC1において単一前駆体のみ
を現わす代謝性パレス標識の結果(下記)によって支持
される。 【0098】これらのTCRγ種の1つおよび両方から
なるジスルフィド結合ダイマーは、NEPHGEまたは
平衡等電点電気泳動(IEF)により分析された際、2
つの成分のいずれか一つのみと同様な電気泳動位置を有
するべきである。しかしTCRγからなるヘテロダイマ
ーおよび個々のポリペプチドは、異なる帯電量および電
気泳動位置を有するかもしれない。ジスルフィド結合ダ
イマーの位置は、それ故、非還元条件下NEPHGEを
行い、つづいて非還元条件下SDS−PAGEを行うこ
とによって検査された(第7B図)。著しく、ジスルフ
ィド結合ダイマーの位置は、還元条件下検査されたTC
Rγポリペプチドのものより実質的により酸性であった
(第7A図における40Kおよび36K種を第7B図に
おける70K種と比較参照のこと)。この結果は、TC
Rγ種が別個のNEPHGE移動度のポリペプチドに共
有結合されたことを提案する。従って、TCRγパート
ナーが( 125Iで不十分に標識化されたかあるはここに
用いられる電気泳動系において分解されなかったかのい
ずれかのため)直接可視化され得なかったけれど、PB
LC1上のTCRγポリペプチドは、ジスルフィドヘテ
ロダイマーの一部として発現されたらしい。平衡IEF
(NEPHGEよりむしろ)を用いた実験は、この観察
を確認した(第3D図)。 【0099】ジスルフィド結合と非結合形態とのさらな
る識別は、成熟TCRγ糖タンパクのサイズであった
(IDP2およびPEER上の50〜60K対PBLC
1上の36K)。このラジカルサイズ相異のいくつが特
異グリコシレーションによるのかおよびいくつが異なる
ペプチド骨組みによるのか評価するために、TCRγペ
プチドは、35S−メチオニンでパルス標識化された細胞
において分析された。還元条件下および変性条件下にお
ける可溶化の後、溶解産物は、抗Cγ血清で免疫沈降さ
れ、そして2次元ゲル電気泳動により検査された(第8
E〜H図)。免疫沈降物は、パルス標識化物質より未熟
高マンノースグリカン類を除くためエンドグリコシダー
ゼH(endo−H)で処置されるかまたは模擬処置さ
れた。同一NEPHGE移動度のTCRγポリペプチド
(48Kおよび43K)は、IDP2細胞系により合成
された。エンド−Hでの処置は、40K形態まで両形態
を減じ、これは、46Kおよび43K形態が、異なる数
の炭水化物を運び、また単一TCRγポリペプチド骨組
み(40K)が、IDP2によって合成されることを提
案する(第8E、8E図)。これに対して、より塩基性
の38Kグリコシル化形態は、エンド−H消化が非グリ
コシル化31K骨組みを示した後、PBLC1によって
合成される(第8G,H図)。従って、本明細書に特徴
づけられた非ジスルフィド結合(IDP2)およびジス
ルフィド結合PBLC1)形態上のTCRγポリペプチ
ドは、ラジカル的に相異する骨組みサイズを示す(各
々、40Kおよび31K)。パルス標識することにより
観察されるTCRγペプチドが細胞表面ヨウ素化により
見い出されるものと相異する分子量のものであるという
事実は、これらの運ぶ相異する炭化水素すなわち高マン
ノース対複合体から生じる。 【0100】本発明者らは、ついでジスルフィド結合お
よび非共有結合の両者が正常成人末梢血に生ずるかどう
かを決定しようとした。それ故、PBLC1がクローン
されたポリクローナル末梢血細胞系(WT31- PBL
系)を非常に詳細に研究した。WT31- PBL系は、
均質にT3+ T11+ であり5%汚染WT31+ 細胞と
ともに95%WT31- T4- T8- を含有した。ヨウ
素化可溶化細胞からの免疫沈降により検査した際、弱い
が検出可能なmAbβFとの反応性が期待された5%T
CRα、β陽性リンパ球と一致して観察された(第5B
図、レーン10還元および13非還元)。これに対し
て、抗T3mAbは、還元条件下多量のT3および35
〜45Kの会合ポリペプチドの両者を免疫沈降した(第
5B図、レーン11)。これらの分画のなにがジスルフ
ィド結合したのかを決定するために、T3免疫沈降物が
非還元条件下検査された(第5B図、レーン14)。T
3会合ポリペプチドの半分未満がジスルフィド結合され
た。この物質は、レーン14の白抜き矢印の上に位置さ
れたジスルフィド結合α,βペプチド(サイズは、βF
1沈降物により同定された、レーン13)およびより小
さいサイズのジスルフィド結合TCRγ(白抜き矢印,
レーン14)を含有した。著しく、多数のT3会合種
は、ジスルフィド結合されず、還元および非還元の両方
の条件下、同一移動度で移動された。特に、これら非結
合種の分画は、IDP2およびPEER細胞上のTCR
δと同様にSDS−PAGE移動度の著しい増加を示し
た(第5B図、レーン14、黒塗り矢印参照)。抗Cγ
血清との反応性は、WT31- PBL系上に発現された
T3と会合された標識化物質のほとんどがTCRγ遺伝
子産生物であることを確認した(レーン16)。 【0101】従って、TCRγ遺伝子のタンパク質産生
物は、ジスルフイド結合および未結合分子形態の両方で
成人末梢血におけるT3+ リンパ球上に生じた。また、
TCRγの非ジスルフィド結合形態は、55〜60Kグ
リコシル化(IDP2およびPEER)または35〜4
5グリコシル化(胸腺T細胞クローンC11(文献7
0)およびWT31- PBL系)種にさらに分割され得
る。 【0102】TCRγおよびβ遺伝子再配列は、その細
胞表面上にTCRγポリペプチドを発現することが知ら
れているT細胞において検査された。サザンブロッド分
析は、0.8Kb EcoRI−HindIII ヒトJγ
1,3プローブ[クェアーターモスら(Quertermous et
al.) (文献71)による学名]を用いて行なわれた。
このプローブは、ゲノムDNAのBamHI消化物にお
ける23Kbおよび12Kbの胚子系(germline)バンド
を検出する。23Kbバンドは、Cr1を包含し、12
Kbバンドは、Cr2をコード化する。このプローブを
用いてIDP1,PBLC1およびPBLC2(WT3
- PBL系から誘導されたものも)、TCRγ遺伝子
の再配列を示した(PBLC1およびPBLC2の両
者、同一再配列を示した;第9A図)。 【0103】サザンブロット分析におけるJγ1,3プ
ローおよびEcoRI消化ゲノムDNAを用いてPBL
における7つの再配列が検出されている(文献20)。
これら7つの再配列のうち6(I,II,III ,IV,VII
およびV)をPBL胎児胸腺および新生児胸腺ゲノムD
NAに示した(第9B図;矢印および再配列番号参
照)。4つの再配列(I,II,IV,およびVII )は、T
CRγポリペプチドを発現する末梢血リンパ球によって
用いられないかまたはこれを示す細胞はWT31-PB
L系に用いられる培養条件下失われた。それにもかかわ
らず、WT31- PBL系DNAは、少なくともこれら
の再配列のうち3つ(III ,IVおよびVI)を現わし(第
9B図、レーン3)、またこれら同一再配列は、IDP
2、PBLC1およびPBLC2によって用いられ(E
coRI消化物に関してデータ示さず)、またこれらの
再配列の全てを胎児胸腺に示した。 【0104】TCRβもまた、IDP2、PBLC1お
よびPBLC2細胞において再配列した。1.1KbE
coRI−HindIII Cβ2プローブは、ゲノムDN
AのBamI消化物におけるCβ一定領域の両方を包含
する20Kbの胚系バンドを検出する(文献68)。I
DP2に関する1つの優位なTCRβ再配列およびPB
LC1およびPBLC2に関する2つの同一な再配列が
観察された(第9C図)。これは、TCRβ再配列がこ
れらの細胞系に関する免疫沈降ならびにノーザンブロッ
ト分析に基づいて非保護的であることが推定される。P
BLC1およびPBLC2の両者が同一のTCRαおよ
びβ再配列を有するので、これらはクローン性でありま
たWT31- PBL系内の同一細胞から誘導されるらし
い。 【0105】TCRγ発現細胞が成人抹消血に見い出さ
れたので、機能的研究を行いこれらがエフェクター能を
有するかどうかを決定した。IDP2およびPBLC1
がその51Cr放出アッセイにおいてターゲット細胞を溶
解する能力に関して検査された際、これらが自発性エフ
ェクター細胞毒能力を有することを証明した(第10〜
12図)。 【0106】IDP2細胞は、多数の天然キラー(N
K)ターゲットまたは同種系PBLのPHA芽細胞を溶
解しないが、これらは、51Cr標識化MOLT−4細胞
を選択的に溶解することができた(第10図上部)。6
つの同様なアッセイのうち2つにおいて、K562ター
ゲットの弱い溶解(10〜15%51Cr放出)もまた観
察された。MOLT−4細胞の溶解は、本発明者らがこ
れらmAbがMHCクラスIおよびクラスII同種特異性
CTLにより殺生を閉塞することを先に見い出したが
[文献34参照せよ。]、単系性クラスI(W6/32
抗HLA−A,B,C,4Eおよび131)またはクラ
スII(LB3.1および抗Lev10)決定基に対して
導かれる種々のmAbによって禁止されなかった(第1
1図)。これらのデータは、MOLT−4細胞の溶解が
MHCクラスIおよびIIが独自であることを提唱する。
抗T3mAbのみがMOLT−4細胞の特異性溶解を部
分的にブロックした(第11図)。一方抗T3mAbの
IDP2への予備結合によって誘発した際、胸腺誘導C
II7 に関して先に報告されているとおりIgGに関する
Fcレセプターを発現する51Cr標識化ターゲット細胞
(例えば、U937)は、効率的に溶解された(第10
図、 +抗T3)。このような殺生は、凝集ヒトIgGに
よって完全に禁止でき、このことはこのT3−媒介溶解
がIgGFcレセプターを経て増強された接合形態によ
り生じたことを確認した(データ示さず)。いくつかの
ターゲット(U937)に関する抗T3mAbによる溶
解の逆接的増量および特異的に認識されたターゲット
(MOLT−4)に関する溶解のブロックは、誘発の競
合効果およびT3を介する接合形態の増加から生じるが
TCRを介する立体的ブロック抗原認識によるものでは
ない。 【0107】PBLC1は、IDP2よりより効率的キ
ラー細胞であることを立証した。PBLC1は、エフェ
クター;ターゲット比(E:T)20:1で検査された
際、K562(MHCクラスIおよびII陰性)に対して
自動性細胞溶解性活性を示した(第12図上部)。さら
に、PBLはまた、MOLT細胞およびより少ない範囲
でCEM細胞を溶解した。ダウティ(Daudi)、U
937または同種系または同種異系PBLのいずれの溶
解も検出されなかった。抗T3mAbでの誘発は、PB
LC1を誘導し、U937細胞系を溶解した。さらに、
K562の溶解がわずかに増大されたがMOLT−4の
溶解は部分的に禁止された(第12図)。合わせると、
K562およびMOLT−4等の腫瘍ターゲット上のI
DP2およびPBLC1の自発性細胞溶解活性およびこ
れらのTCRγリンパ球が非MHCクラスIおよびクラ
スIIであることを示すMHCmAbによる該活性をブロ
ックすることの失敗は、細胞毒Tリンパ球を制限した。検討 TCRα、β分子に対するフレームワーク抗体、βF1
およびWT31は、2例の免疫不全症患者の未梢血リン
パ球からWT31- βFI- T3+ リンパ球個体群を固
定し、単離するのに用いられた。フレームワークモノク
ローナル抗体での免疫沈降およびTCRαおよびTCR
β特異性CDNAプローブを用いるノーザンブロットア
ッセイの両方の診断基準によって、この表現型のポリク
ローナルヒトT細胞系は、TCRα、βmRNA転写体
およびポリペブチドのいずれも発現しないことが示され
た。とはいっても、解裂性DSP指示薬を用いた化学的
架橋の研究は、これらの細胞上のT3糖タンパク質と会
合されたタンパク質複合体の存在を表わした。T3と架
橋した2つのサブユニットの重い方(Mr 55,00
0)は、2つの異なる抗血清、すなわち一方は、有効領
域の部分に相当する17アミノ酸合成ペプチドに対して
発生し、他方は再配列TCRγ遺伝子の推定アミノ酸配
列の一定領域の一部分に相当する20アミノ酸合成ペプ
チドに対して発生する抗血清によっても免疫沈降された
(文献19,36)。従って、Mr 55,000タンパ
ク質は、TCγ遺伝子を再配列することによってコード
化されたTCRγタンパク質であった(文献15)。M
r 40,000ポリペプチドは、1/4T3会合タンパ
ク質、TCRσという、である(第2A図および第2B
図)。TCRγおよびδポリペプチドは、前述のT細胞
レセプター複合体(TCRα、β)に類似したこれらの
細胞(Tγ、δ−T3)上のT3会合ヘテロダイマー性
構造を形成する。 【0108】本明細書で検査されたTCRγリンパ球
は、非MHC制限細胞溶解活性を示し、またT細胞レセ
プターが明確に特徴づけられていない他のT3+ NK様
細胞と同様であり得る(文献39、72、73、7
4)。NK様リンパ球として、これらは、悪性腫に対す
る宿主免疫監視において関与し得る。観察された溶解の
特異性は、TCRγの可能性が全てではないがいくつか
の抗体特異性認識を媒介したことを提唱する。抗T3m
Abがいくつかのターゲット細胞の非特異性溶解を誘発
できたので、または別に他のターゲットの特異性溶解を
ブロックできたので、これらの細胞上のT3分子は、機
能的であるようだ。 〔実施例2〕物質および方法 培養方法 前述のPEER細胞系をRPMI 1640、10%胎
児ウシ血清、ペニシリン−ストレプトマイシン(Penici
llin-streptomyin) 、およびL−グルタミンからなる培
地中生体外培養した。培養株は、週に2度飼育され5%
CO2 で湿されたインキュベータ中37℃で保持され
た。 【0109】TCRγ鎖に対して特異なモノクローナル
抗体に関するハイプリドーマ産生 BALB/cマウスを0.2mlリン酸緩衝食塩水(PB
S)に懸濁された2×107 PEER細胞で腹腔内
(I.P)免疫化された。マウスを全20接種に対して
2×107 PEER細胞での10日ごとのI.P.接種
により補助注射した。融合前3日、マウスを3日連続静
脈(I.V.)接種のため2×107 PEER細胞での
I.V.接種により補助接種した。マウスを殺し、脾臓
を最終I.V.接種時除いた。免疫脾臓細胞を標準的な
方法によりマウス骨髄腫細胞P3×63Ag8.653
でポリエチレングリコール1500の存在下5:1比で
融合した。融合後、細胞をヒポキサンチン(1×1
-4)、アミノプテリン(8×10 -8M)およびチミジ
ン(1.6×10-5M)含有培養培地中に懸濁し、飼育
細胞として2×105 BALB/c胸腺細胞を含有する
マイクロタイタープレートに1ウェルにつき2×105
細胞でプレートした。培養株を、7日において同一培地
で飼育した。開始14日、培養株をアミノプテリンを欠
く同一培地で飼育した。 【0110】TCRγ鎖に特異なモノクローナル抗体に
関するハイブリドーマスクリーニング PEER細胞上のT細胞抗原レセプターのγおよびσ鎖
の両者がCD2抗原と複合されるので、T細胞抗原レセ
プターに対する抗体は、OKT(登録商標)3等の抗C
D3モノクローナル抗体とこれら表面タンパク質と共転
形し得るべきである(文献2)。このような共転形は、
次のとおり所望のハイブリドーマの主要スクリーニング
として利用された。ハイブリドーマ培養上澄液の各々を
生育させ、その抗CD3モノクローナル抗体と表面CD
3タンパク質複合体を共転形する能力に関してスクリー
ニングした。100マイクロ力価の培養上澄液を1ウェ
ルにつき5×105 PEER細胞含有96ウェルマイク
ロ力価プレートの各ウェルに加えた。37℃での一晩の
培養後、フルオレセインイソチオシアネート接合OKT
(登録商標)3を各ウェルに加え、さらに0℃で30分
間培養した。サンプルをついで流動細胞計測法で分析し
た。蛍光強度の著しい減少を誘いた上澄液を選択し、さ
らに以下に記載する免疫沈降法により特徴づけした。抗
ヒトT細胞抗体レセプタータンパク質を分泌した選択ウ
ェルにおける細胞をついで制限希釈度法によりクローン
した。 免疫沈降 PEER細胞は、 125Iで放射性標識化され、上述の1
%ノニデットP−40含有トリス緩衝食塩水(TBS)
中に可溶化した。免疫沈降は、還元条件下各選択上澄液
での 125I標識化PEER細胞溶解産物を培養すること
により実施された。免疫沈降後、サンプルは、10%ド
デシル硫酸ナトリウウム−ポリアクリルアミドゲル電気
泳動(SDS−PAGE)により分析された。ゲルを乾
燥し、オートラジオグラフ化し、そしてタンパク質の分
子量を分子量標準との比較により決定した(文献7
5)。 【0111】TCRδ鎖に特異なモノクローナル抗体を
産生するハイブリドーマの産生およびスクリーニング
モノクローナル抗体は、BALB/cマウスをピーP
EERからの免疫沈降TCRγ、σCD3で免疫化する
ことにより作成された。簡単に言うと、文献46に記載
された方法と同様に1グラムのピーア細胞を0.3%C
HAPSに可溶化しついで5マイクロタイターのUCH
T1腹水と固定スタフィロコッカスアウレアスコウンI
(Staphylococcus aureas Cown I) 株で免疫沈降した。
洗浄免疫複合体を全5回の免疫化に関して4週間間隔で
腹腔内接種した(文献46)。マウスをついで殺し、脾
臓細胞をP3×63Ag8.653胸腺細胞に融合し
た。ハイブリドーマをHAT選択において生長させ 125
I標識化PEER細胞および文献75に記載の他の細胞
に対してスクリーニングおよび特徴づけした。 結果 第13図、レーン4に示すとおり、ハイブリドーマ34
D12上澄液(Supernate) における抗体は、PEER細
胞のヨウ素標識化溶解産物から還元条件下55dタンパ
ク質および20Kdタンバク質を免疫沈降した。この5
5Kdタンパク質は、T細胞抗原レセプターのγ鎖およ
びPEER細胞上のT3タンパク質の20Kdタンパク
質に相当する。 【0112】別個の実験において、T細胞抗原レセプタ
ーδ鎖に対するモノクローナル抗体、すなわち4A1
は、産生されかつ特徴づれられた。第14図、レーン5
に示すとおり、4A1は、IDP2細胞からのT細胞抗
原レセプターδ鎖(40Kd)を再免疫沈降した(文献
75)。4A1はまた、IDP2、Molt−13およ
びPBL系2等のいくつかの他のT細胞抗原レセプター
γ、δ陽性細胞系からT細胞抗原レセプターγ、δ複合
体を免疫沈降することが示されている。 参考文献 【0113】【0114】【0115】【0116】【0117】【0118】【0119】【0120】
【図面の簡単な説明】 【図1】TCRα,βを認定するフレームワークモノク
ローナル抗体の反応性。 【図2】細胞表面T3およびIDP1およびIDP2細
胞系によるT3会合(架橋)分子のSDS−PAGE分
析。 【図3】TCRα,TCRβおよびTCRγcDNAプ
ローブを用いてIDP2細胞系から単離されたRNAの
ノーザンブロット分析。 【図4】IDP2細胞系7からの抗Vγおよび抗Cγペ
プチド血清免疫沈降。 【図5】ヒト腫瘍および末梢血リンパ球系からのTCR
γ,δおよびT3の免疫沈降。 【図6】PBL C1から単離されたRNAのノーザン
ブロット分析。 【図7】TCRγポリペプチドおよび前駆体の二次元ゲ
ル分析。 【図8】TCRγポリペプチドおよび前駆体の二次元ゲ
ル分析。 【図9】TCRγポリペプチドを発現するT細胞におけ
るγおよびβ遺伝子の再配列。 【図10】IDP2およびPBL C1細胞による細胞
溶解。 【図11】IDP2およびPBL C1細胞による細胞
溶解。 【図12】IDP2およびPBL C1細胞による細胞
溶解。 【図13】ピーア(peer) 細胞から誘導されたTCRγ
鎖の免疫沈降。 【図14】IDP2細胞からのTCRδ鎖の免疫沈降。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // G01N 33/53 G01N 33/53 K C12N 15/00 C (C12P 21/08 C12R 1:91) (73)特許権者 592257310 プレジデント・アンド・フェロウズ・オ ブ・ハーバード・カレッジ アメリカ合衆国02138マサチューセッツ 州ケンブリッジ、クウィンシー・ストリ ート17 (72)発明者 ブレンナー,マイケル,ビー アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01721 アッシュランド,♯73,オーク ストリート,99 (72)発明者 ストロミンガー,ジャック,エル. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02173, レキシントン, マサチュー セッツ アベニュー 2030 (72)発明者 サイドマン,ジョナサン アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02186, ミルトン,キャントン アベ ニュー 1350 (72)発明者 イプ,ステファン,エイチ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 01710, フラミンハム ジョディー ロード 45 (72)発明者 クランゲル,マイケル,エス. アメリカ合衆国 マサチューセッツ州 02160, ニュートンビレ,アルストン ストリート 8 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) BIOSIS(DIALOG) EPAT(QUESTEL) WPI(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.少なくとも1つのδT細胞レセプターポリペプチド
    と反応性のある抗体であって、該δT細胞レセプターポ
    リペプチドが以下の性質: (a)T細胞の表面に存在するとき、T3抗原との複合
    体として結合している; (b)αまたはβT細胞レセプターポリペプチドに対す
    る抗体とは反応しない; (c)モノクローナル抗体βF1とは反応しない;そし
    て (d)γT細胞レセプターポリペプチドに対する抗体と
    は反応しない; を有することを特徴とする抗体。 2.該δT細胞レセプターポリペプチドが分子量約40,0
    00ダルトンである請求項1記載の抗体。 3.該δT細胞レセプターポリペプチドがヒトδT細胞
    レセプターポリペプチドである請求項1記載の抗体。 4.ポリクローナル抗体である請求項1記載の抗体。 5.モノクローナル抗体である請求項1記載の抗体。
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