JP3126937B2 - マーク付き動力伝動ベルトとマーク刻印方法 - Google Patents

マーク付き動力伝動ベルトとマーク刻印方法

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JP3126937B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマーク付き動力伝動
ベルトとマーク刻印方法に係り、詳しくは歯付ベルト、
平ベルト、Vリブドベルトなどの動力伝動ベルトにおい
て、プーリを当接させて駆動面として使用する背面に、
ベルトの構成部材を致命的に損傷させずに、マークを刻
設し、他の領域と段差もなく平坦面を維持して、騒音の
少ない背面駆動を可能にし、そしてマークが鮮明で常に
読み取りができるマーク付き動力伝動ベルトとマーク刻
印方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の動力伝動ベルトの背面にマークを
付ける方法として、マークとなる未加硫カラーゴムを透
明な合成樹脂フィルムの基材上に付着させた転写マーク
を、成形ドラムに貼着した後、ゴム付カバー帆布を嵌挿
し、伸張ゴム層、心線そして圧縮ゴム層を巻付け、次い
でこれにジャケットを嵌挿して加硫し、加硫したベルト
スリーブから転写マークのフイルムをはぎとることでゴ
ム付カバー帆布の表面にマークを転写していた。
【0003】しかし、加硫中、基材および基材から隆起
した転写マークのゴムがベルトスリーブの背面に圧接す
ため、背面には基材をはぎとった後の段差パターンが
形成されてマークのある領域がわずかに窪んだ状態にな
った。ベルト背面にはマークを転写した領域としない領
域との間に段差が生じて平坦な面にならなかった。最近
のVリブドベルトは自動車の補機駆動用として使用さ
れ、特に多軸駆動でサーペンティーン状に巻き付けられ
るとともに、ベルト背面にはテンショナーを係合させる
ために、このようなベルト背面に凹凸面があると前記テ
ンショナーは振動し騒音を発していた。そればかりでな
く、ベルト背面を使用するベルト背面駆動でも、ベルト
駆動時の騒音が大きくなる問題があった。
【0004】このため、特公平7−96330号公報に
は、基材の上にマークを付着させた転写マーク材と未加
硫ゴムを含んだ帆布とを、該マークが帆布に面するよう
に重ね合わせ、これを加熱加圧した後に基材を剥離して
該マークを予め帆布に転写しておき、この帆布をベルト
の成形時に使用する方法が開示され、また特開平8−1
52048号公報には、不織布の基材の上にマークを付
着させたマーク材をベルトのカバー帆布に付着させ、マ
ーク材とカバー帆布とを一体にする方法が提案されてい
る。
【0005】また、最近では、マーク材を使用せずに、
インクジェットプリンタを用いて直接ベルト背面にマー
クを印刷する方法が、特開平7−233992号公報に
開示されている。これは、インクジェットプリンタによ
り、ベルト背面に直接にインクを噴射することでマーク
を印刷するものであり、具体的にはベルトスリーブから
一定幅に切断したものを用意し、これをベルト支持台上
に一定数並べて固定し、この支持台を所定位置へ移動さ
せ、インクジェットプリンタを動作させ、そのインクヘ
ッドよりインクを上記ベルトに向けて噴射し、所望のマ
ークを印刷する方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ベルト背面に
マークを転写したり、転写マーク材をベルトと一体にす
る方法では、マークの付いたベルト背面をプーリに当接
させて駆動面として使用する場合には、マークがプーリ
によって擦られて消えやすくなり、せっかくの製造者
、商品名、製造年月、製造ロットNo.を含むマーク
も、ベルト走行後間もなく判読不能になるといった問題
があった。また、インクジェットプリンタを用いて直接
ベルト背面にマークを印刷する方法でも、ベルト背面が
均一に摩耗するために、マークが消えてしまう問題があ
った。
【0007】本発明はこのような問題点を改善するもの
で、駆動面となるベルト背面に鮮明なマークを残存
せ、しかもマークを付けた領域もそうでない領域も段差
のない平坦面を維持して背面駆動面の騒音を減少させ、
またレーザ光の照射によるベルトの機械的特性を悪化さ
せないマーク付き動力伝動ベルトとマーク刻印方法を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明のうち請求項1に係る発明は、プーリに当接
して駆動面となる背面にマークを設けた動力伝動ベルト
において、上記背面にはレーザ光を照射して得られたマ
ークが刻印され、マークの存在する領域が他の領域と段
差もなく平坦面を維持しているマーク付き動力伝動ベル
トであり、ベルト背面が駆動面に使用されても、この面
に所定の深さに刻印されたマークはベルト走行後間も消
えることがない。
【0009】請求項2に係る発明は、刻印されたマーク
の深さが0.1〜1mmであるため、心線や帆布等の繊
維部材が照射したレーザ光により切断されることはな
く、ベルトの機械的特性も悪影響をうけることがない。
【0010】請求項3に係る発明は、マークを刻印する
背面がゴム層で形成されているマーク付き動力伝動ベル
トにあり、ゴム層に刻印したマークの窪みから亀裂が
こりにくく、またマークを刻印するときにも帆布等の部
材がレーザ光により切断されることがなく、ベルトの機
械的特性も変化しない。
【0011】請求項4に係る発明は、刻印したマークの
窪みに背面と異なる色を有する塗料を付着したマーク付
き動力伝動ベルトであり、マークパターンが一層鮮明に
なる。
【0012】請求項5に係る発明は、マークが心線を埋
設した背面ゴム層と、所定の間隔で設けた歯部とから形
成される歯付ベルトの背面ゴム層に刻印されている歯付
ベルトに適用することができる。
【0013】請求項6に係る発明は、マークが平ベルト
の背面ゴム層に刻印されている平ベルトに適用すること
ができる。
【0014】請求項7に係る発明は、プーリに当接して
駆動面となる背面にマークを設けた動力伝動ベルトのマ
ーク刻印方法において、レーザ光を少なくとも1つのス
キャンミラーによって反射角度を調節しながら上記背面
のゴム層に照射してマークを刻印し、ゴム層に埋設した
繊維部材を損傷させないようにした動力伝動ベルトのマ
ーク刻印方法にあり、マークの深さを調節することによ
って、心線や帆布等の繊維部材に致命的な損傷を与えず
刻印することができ、また背面がたとえ駆動面に使用さ
れても、この面に所定の深さに刻印されたマークはベル
ト走行後間も消えることがない。
【0015】請求項8に係る発明は、心線を埋設した背
面ゴム層と、所定の間隔で設けた歯部とから形成される
歯付ベルトの背面ゴム層に、深さ0.1〜1mmのマー
クを刻印した動力伝動ベルトのマーク刻印方法にあり、
心線に致命的な損傷を与えず刻印することができ、レー
ザ光照射後のベルトの機械的特性を低下させることはな
い。
【0016】請求項9に係る発明は、レーザ光の照射
中、動力伝動ベルトを静止させる動力伝動ベルトのマー
ク刻印方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態の図を用
いて説明する。図1は本発明に係るマーク付き動力伝動
ベルトの一つである歯付ベルトの断面斜視図であり、歯
付ベルト1はベルト長手方向に沿って複数の歯部2と、
心線3を埋設した背部4、そして歯部表面6および歯底
部7の表面を被覆した歯布5とからなっている。
【0018】前記歯部2及び背部4に使用されるゴム
は、水素化ニトリルゴムを始めとして、クロロスルホン
化ポリエチレン(CSM)、アルキル化クロロスルホン
化ポリエチレン(ACSM)、クロロプレンゴムなどの
耐熱老化性の改善されたゴムが好ましい。水素化ニトリ
ルゴムは水素添加率が80%以上であり、耐熱性及び耐
オゾン性の特性を発揮するためには90%以上が良い。
水素添加率80%未満の水素化ニトリルゴムは、耐熱性
及び耐オゾン性は極度に低下する。上記ゴムの中には配
合剤として、カーボンブラック、亜鉛華、ステアリン
酸、可塑剤、老化防止剤等が添加され、また加硫剤とし
て硫黄、有機過酸化物があるが、これらの配合剤や加硫
剤は、特に制限されない。
【0019】上記心線3としては、Eガラスまたは高強
度ガラスの5〜9μmのフィラメントを撚り合わせたも
のを、ゴムコンパウンドからなる保護剤あるいは接着剤
であるRFL液等で処理されたものである。また、有機
繊維としては応力に対して伸びが小さく、引張強度が大
きいパラ系アラミド繊維(商品名:ケブラー、テクノー
ラ)の0.5〜2.5デニールのフィラメントを撚り合
わせ、RFL液、エポキシ溶液、イソシアネート溶液と
ゴムコンパウンドとの接着剤で処理された撚りコードが
使用される。しかし、本発明ではこれらに限定されるこ
とはない。上記心線3の直径は、0.6〜1.10mm
の範囲設定されるが、0.6mm未満では心線3の引張
強さが低く、高負荷伝動に耐えることができない。一
方、1.10mmを越えると、ベルト寸法上成立しな
い。
【0020】歯布5として用いられる帆布は、6ナイロ
ン、66ナイロン、ポリエステル、アラミド繊維等であ
って、単独あるいは混合されたものであってもよい。歯
布5の経糸(ベルト幅方向)や緯糸(ベルト長さ方向)
の構成も前記繊維のフィラメント糸または紡績糸であ
り、織構成も平織物、綾織物、朱子織物でいずれでもよ
い。なお、緯糸には伸縮性を有するウレタン弾性糸を一
部使用するのが好ましい。
【0021】上記歯布5は、RFL液、イソシアネート
溶液あるいはエポキシ溶液によって処理される。RFL
液は、レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテッ
クスに混合したものであり、ここで使用するラテックス
としてはスチレン.ブタジエン.ビニルピリジン三元共
重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリ
エチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスであ
る。
【0022】しかして、本発明の歯付ベルト1において
は、背部4はゴム層からなり、その外表面である背面9
は、プーリに当接する駆動面になり、商標、製造年月、
ロット番号、グレード等に代表されるマーク10を刻印
している。刻印されたマーク10は、後述するようにレ
ーザ光を照射して得られたものであり、その深さは0.
1〜1mmで、ベルトの引張り強さ等の機械的特性に影
響を与える上で重要になり、0.1mm未満では背面
の摩耗が進行するとマーク10が消える可能がある。一
方、1mmを超えると、レーザ光が背部4に埋設してい
る心線3に熱的な悪影響を及ぼす危険性があり、またゴ
ミ等がマーク10の窪みに溜まりやすく、走行中に溜ま
ったゴミが放出されて他の機材を汚染する可能性があ
る。また、マーク10の文字の幅も0.1〜1mmであ
るが、これは任意に調節可能である。
【0023】背面9に刻印されたマーク10の存在する
領域11は平坦であり、かつそれ以外の領域12との境
界部にも段差もなく平坦になっており、背面9に当接す
るプーリが振動することなく、これに伴う振動騒音も発
生しなくなる。
【0024】図2は本発明に係る平ベルト13の断面斜
視図であり、該ベルト13が内部にロープ等の心線3を
ゴム層14中に埋設した構造からなり、背面15はプー
リを当接させる駆動面になっている。この背面15はゴ
ム層14のみからなり、商標、製造年月、ロット番号、
グレード等に代表される種々のマーク10を刻印してい
る。
【0025】上記歯付ベルト1や平ベルト13の刻印し
たマーク10の窪みに、背面9、15と異なる色を有す
る塗料を付着することも可能であり、このようにすれば
マークのパターンが一層鮮明になる。
【0026】上記のレーザ光を照射してマークを刻印す
る方法は、図3に示すようにレーザ発振部20から発振
したCO2 レーザ光等の印字用レーザ光21を集光レン
ズ22に集めて表面でレーザスポットが最小になるよう
し、制御部23によってスキャンミラー24を走査させ
てレーザ光21の反射角度を調節しながら移動可能な支
持台25上に設置されたベルト1、13の背面9、15
に照射して所定範囲内でマーク10を刻印する。これは
表面を焼き付けるという原理に似ており、照射したレー
ザ光21は背面9、15のごく一部のゴムを瞬時に溶か
して気化させ、窪み27を形成する。
【0027】所定範囲外のマークを刻印する場合には、
支持台25を平行に一軸方向へ移動させた後、再度レー
ザ光21を照射して新たなマーク10を刻印する。即
ち、A、B、Cの3文字が最大範囲であれば、支持台2
5を移動した後に、他の文字を刻印する。
【0028】このレーザ光21は、予め文字、記号、図
形等のデータを入力した制御部23が入力したプログラ
ムにしたがって自動的にスキャンミラー24を走査し、
かつレーザ光21のON、OFFを制御することにより
入力した所望の文字、記号、図形を描くことができる。
ベルトの背面9、15とスキャンミラー24の距離が1
00〜150mm程度と比較的短いため、強いレーザ光
21を長時間照射する必要もないため、ベルトの構成部
材、例えば心線等が熱により損傷することもない。
【0029】図4はベルト1、13の背面9、15にレ
ーザ光21を照射して所定範囲内でマーク10を刻印し
ている状態を示しており、0.1〜1mmの深さをもっ
たマーク10の窪み27が刻印されている。これによ
り、心線3の繊維部材に致命的な損傷を与えず刻印する
ことができる。
【0030】尚、上記のレーザ光21を使用してマーク
10を刻印するに際しては、直接ゴム層の表面に照射す
る場合には、ベルトの引張強さ等の機械的特性を変化さ
せないが、帆布面にレーザ光21を照射すると、帆布の
構成糸を切断、損傷させることになり、これはベルトの
機械特性を低下を招くので、好ましくない。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。 実施例1 140デニールの66ナイロンの経糸と、280デニー
ルの66ナイロンと140デニールのウレタン弾性糸か
らなる緯糸によって織物を製織した後、織物を水中で振
動を与えて製織時の幅の約1/2幅まで収縮させた後、
水素化ニトリルゴム組成物からなるゴム糊に浸漬、乾燥
し、更に水素化ニトリルゴム組成物のゴムシートを上記
織物に圧着して歯布とした。
【0032】次に、心線として素線径9μmのEガラス
フィラメントを所定本数引き揃えて、保護剤および接着
剤であるRFL液に浸漬し、乾燥後、下撚りを行って子
縄とし、その子縄を所定本数引き揃えて下撚りとは逆方
向に上撚りを施してS、Z一対の撚りコードを作製し
た。
【0033】各歯布をエンドレス状の筒状体に仕上げ、
これを金型にセットした。その上からS、Z一対のコー
ドを交互に巻き付け、その上に水素化ニトリルゴム組成
物の圧延シートを巻き付け、通常の圧入による加硫方法
によって加硫後、加硫スリーブを所定の幅に切断して個
々のベルトを作製した。ベルトサイズは、歯数:10
5、ベルト幅:19.1mm、歯ピッチ:8mmで、ベ
ルトの歯型はSTPDであった。
【0034】次に、図3に示すような装置を使用し、レ
ーザ発振部から発振したCO2 レーザ光(12W、クラ
ス4、波長10.6μm)を集光レンズに集め、制御部
と連結したスキャンミラーを2軸へ走査させ、スキャン
ミラーとの距離を130mmに調節した支持台上のベル
トの背面に照射し、表面に深さ0.5mmのマークを刻
印した。
【0035】一方、マークを刻印しないベルトとして、
インクジェットプリンタを用いてベルト背面に直接マー
クを印刷したものを使用した。
【0036】マークを刻印した歯付ベルトとインクジェ
ットプリンタによりマークを印刷した歯付ベルトを、多
軸屈曲走行試験機に装着して走行させ、各ベルトの寿命
に至ったときのマーク消失の有無を調べた。その結果を
表1に示す。
【0037】上記多軸屈曲走行試験機30は、図5に示
すように駆動プーリ31(歯数24)と、2つの固定し
た従動プーリ32、33(各歯数24)と1つの移動可
能な従動プーリ34(歯数24)を相対向して配置し、
各プーリ間にプーリ径32mmφのアイラープーリ3
5、36、37、38を置いたものである。そして、走
行条件としては、雰囲気環境温度100°C、軸荷重6
0kgf、駆動プーリ16の回転数5500rpmであ
る。
【0038】また、マークを刻印した歯付ベルトとマー
クを印刷した歯付ベルトを、3軸耐熱走行試験に取り付
けて走行し、走行後のベルトの引張強さを測定した。
【0039】この3軸耐熱走行試験40は、図6に示す
ように駆動プーリ41(歯数21)と、従動プーリ42
(歯数42)、そしてテンションプーリ43(プーリ径
52mmφ)からなる。ベルトを駆動プーリ41と、従
動プーリ42に巻き付け、そしてベルト背面をテンショ
ンプーリ43に係合し、120°Cの雰囲気環境温度で
駆動プーリ41の回転数7,200rpm、従動プーリ
42に負荷5ps、ベルト初張力15kgで走行させ
た。そして、500時間走行後のベルトの引張強さを測
定した。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】この結果よると、マークを刻印した歯付ベ
ルトは、ベルトの寿命までマークの消失がなく、また走
行後のベルトの引張強さもマークを印刷した歯付ベルト
に比べて差がないことから、レーザ光の照射によりベル
トの機械特性が低下していないことが判る。しかし、マ
ークを印刷した歯付ベルトは走行時間中にマークが消失
し始めており、ベルトの寿命の時にはマークが部分的に
消失していた。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明のうち請求項1に
係る発明は、プーリに当接して駆動面となる背面にマー
クを設けた動力伝動ベルトにおいて、上記背面にはレー
ザ光を照射して得られたマークが刻印され、マークの存
在する領域が他の領域と段差もなく平坦面を維持してい
るマーク付き動力伝動ベルトであり、ベルト背面が駆動
面に使用されても、この面に所定の深さに刻印されたマ
ークはベルト走行後間も消えることがない。
【0043】請求項2に係る発明は、刻印されたマーク
の深さが0.1〜1mmであるため、心線や帆布等の繊
維部材が照射したレーザ光により切断されることはな
く、ベルトの機械的特性も悪影響をうけることがない。
【0044】請求項3に係る発明は、マークを刻印する
背面がゴム層で形成されているマーク付き動力伝動ベル
トにあり、ゴム層に刻印したマークの窪みから亀裂が
こりにくく、またマークを刻印するときにも帆布等の部
材がレーザ光により切断されることがなく、ベルトの機
械的特性も変化しない。
【0045】請求項4に係る発明は、刻印したマークの
窪みに背面と異なる色を有する塗料を付着したマーク付
き動力伝動ベルトであり、マークのパターンが一層鮮明
になる。
【0046】請求項5に係る発明は、マークが心線を埋
設した背面ゴム層と、所定の間隔で設けた歯部とから形
成される歯付ベルトの背面ゴム層に刻印されている歯付
ベルトに適用することができる。
【0047】請求項6に係る発明は、マークが平ベルト
の背面ゴム層に刻印されている平ベルトに適用すること
ができる。い。
【0048】請求項7〜9に係る発明は動力伝動ベルト
のマーク刻印方法であり、レーザ光を少なくとも1つの
スキャンミラーによって反射角度を調節しながら上記背
面のゴム層に照射して、マークを刻印してゴム層に埋設
した繊維部材を損傷させないようにした動力伝動ベルト
のマーク刻印方法にあり、マークの深さを0.1〜1m
mに調節することによって、心線や帆布等の繊維部材に
致命的な損傷を与えず刻印することができ、またベルト
背面がたとえ駆動面に使用されても、この面に所定の深
さに刻印されたマークはベルト走行後間も消えることが
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマーク付き動力伝動ベルトの一つ
である歯付ベルトの断面斜視図である。
【図2】本発明に係る平ベルトの断面斜視図である。
【図3】レーザ光を照射してマークを刻印する方法を示
す図である。
【図4】レーザ光を歯付ベルトの背面に照射してマーク
を刻印している状態を示す図である。
【図5】多軸屈曲走行試験機の概略図である。
【図6】3軸耐熱走行試験の概略図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 9 背面 10 マーク 11 マークの存在する領域 13 平ベルト 15 背面 20 レーザ発振部 21 レーザ光 22 集光レンズ 23 制御部 24 スキャンミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−152048(JP,A) 特開 平8−174263(JP,A) 特開 平6−337038(JP,A) 特開 平5−96914(JP,A) 特開 昭62−13287(JP,A) 特開 平7−185846(JP,A) 実開 昭57−127442(JP,U) 実開 昭55−274701(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 5/20 B29C 67/00 - 73/34 B29D 1/00 - 31/02 B41M 1/00 - 3/18 B23K 26/00 - 26/18

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プーリに当接して駆動面となる背面にマ
    ークを設けた動力伝動ベルトにおいて、上記背面にはレ
    ーザ光を照射して得られたマークが深さ0.1〜1mm
    で刻印されていて、刻印マークの存在する領域が他の領
    域と段差もなく平坦面を維持していることを特徴とする
    マーク付き動力伝動ベルト。
  2. 【請求項2】 マークを刻印する背面がゴム層で形成さ
    れている請求項1記載のマーク付き動力伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 刻印したマークの窪みに背面と異なる色
    を有する塗料を付着した請求項1または2記載のマーク
    付き動力伝動ベルト。
  4. 【請求項4】 マークが心線を埋設した背面ゴム層と、
    所定の間隔で設けた歯部とから形成される歯付ベルトの
    背面ゴム層に刻印されている請求項1または2記載のマ
    ーク付き動力伝動ベルト。
  5. 【請求項5】 マークが平ベルトの背面ゴム層に刻印さ
    れている請求項1または2記載のマーク付き動力伝動ベ
    ルト。
  6. 【請求項6】 プーリに当接して駆動面となる背面にマ
    ークを設けた動力伝動ベルトのマーク刻印方法におい
    て、レーザ光を少なくとも1つのスキャンミラーによっ
    て反射角度を調節しながら上記背面のゴム層に照射して
    マークを刻印し、ゴム層に埋設した繊維部材を損傷させ
    ないようにしたことを特徴とする動力伝動ベルトのマー
    ク刻印方法。
  7. 【請求項7】 心線を埋設した背面ゴム層と、所定の間
    隔で設けた歯部とから形成される歯付ベルトの背面ゴム
    層に、深さ0.1〜1mmのマークを刻印した請求項6
    記載の動力伝動ベルトのマーク刻印方法。
  8. 【請求項8】 レーザ光の照射中、動力伝動ベルトを静
    止させる請求項6または7記載の動力伝動ベルトのマー
    ク刻印方法。
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