JP3124744B2 - オイルタンク - Google Patents

オイルタンク

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JP3124744B2
JP3124744B2 JP09255059A JP25505997A JP3124744B2 JP 3124744 B2 JP3124744 B2 JP 3124744B2 JP 09255059 A JP09255059 A JP 09255059A JP 25505997 A JP25505997 A JP 25505997A JP 3124744 B2 JP3124744 B2 JP 3124744B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】請求項に係る発明は、オイル
タンク、とくに、基体部とその一側(側部)に接合され
るカバーとによって構成されるオイルタンクに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】潤滑油や油圧作動油などを扱う機械類に
はオイルタンクが付設される。エンジンを例にとると、
燃焼用の混合気中に潤滑油を含める方式の2サイクルエ
ンジンにおいても、あるいはドライサンプの潤滑方式を
とる4サイクルエンジンにおいても、エンジンの本体と
は別にオイルタンクが設けられる。また、ウェットサン
プの潤滑方式をとるエンジンでは、クランクケースの底
部(オイルパン)に潤滑油を溜めるため、実質的にはク
ランクケースがオイルタンクを兼ねていることになる。
なお、ドライサンプ方式のエンジンにおけるオイルタン
クについては、たとえば特開平7−237587号公報
に記載されている。
【0003】オイルタンクには、内部の油量を調べるた
めにオイルレベルゲージが取り付けられるのが普通であ
る。一般的なオイルレベルゲージは、目盛りの入った棒
状のものであり、オイルタンクの上部から下部にまで挿
入されている。上方へ引き抜かれたときゲージの表面に
付着している油の位置から、オイルタンク内の油量を検
出させるのである。そのような点は、自動車におけるオ
イルレベルゲージなども同様である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】オイルタンク内の油量
が最低レベルに近くなったときにもその油量の検出が可
能であるようにするには、オイルレベルゲージは、オイ
ルタンク中の最も深い部分にまで挿入される必要があ
る。しかし、同ゲージは、必ずしも常にオイルタンク内
に深く挿入できるとは限らない。オイルタンクにはフィ
ルターやオイルポンプなどが一体的に設けられることが
多いが、それらを含む全体構成をコンパクト化するため
に、底部の一部を浅くして、そこにフィルター等の部品
が配置されること等があるからである。しかもゲージの
位置は、操作性や他の装置類の配置との関係によって決
まるため、上記のように底部が浅くなった位置にしかゲ
ージを設けられないこともある。そのような場合、何ら
の策もとらずに、浅い底部にまでしか届かないゲージを
使用するとしたら、オイルレベルがその底部よりも下に
なったときの少ない油量を検出することができない。
【0005】各請求項の発明の目的は、底部が浅くなっ
た位置にしかオイルレベルゲージを設けられないような
オイルタンクであって、その浅い底部よりもオイルレベ
ルが下になったときの油量検出をも可能とする、製造の
困難でないものを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載したオイ
ルタンクは、 a) 基体とその一側部に接合されるカバーとによって構
成し、 b) カバーには、b-1)基体内の底部よりも高い位置にあ
る(つまり浅い)底部と、b-2)その底部(カバーの底
部)を貫通して下方に至るとともに下部が上記基体内の
底部に連通させられる(つまり、基体とカバーとの接合
時に連通する)オイルレベルゲージ挿入管と、b-3)カバ
ー上面のうちその挿入管の上方延長線上に位置するオイ
ルレベルゲージ挿入口とを設けた−ことを特徴とす
る。
【0007】請求項1のこのオイルタンクは、上記b-1)
のとおり浅くなった底部上にb-3)のようにオイルレベル
ゲージの挿入口を有するものである。そのため、もし他
の特徴部分がなければ、前記のようにその底部よりもオ
イルレベルが下になったときの油量を検出することがで
きない。
【0008】しかし、このオイルタンクは、上記b-2)の
とおりそのカバーの底部を貫通して下方に至るオイルレ
ベルゲージの挿入管を有しており、しかもこの挿入管の
下部は、カバー内よりも低い位置にある(つまり深い)
基体内の底部に連通させられる。したがって挿入管内に
は、「連通管でつないで同一の液体を入れた各容器内の
液面は同一水平面内にある」という連通管の原理によ
り、基体内の底部におけるオイルレベルと同じレベルに
までオイルが入ってくる。請求項1のオイルタンクはこ
の挿入管内にオイルレベルゲージを挿入するのであるか
ら、オイルレベルゲージの挿入箇所において底部が浅く
ても、そのオイルレベルゲージの長さを十分なものとす
る限り、当該箇所が基体中の底部にある場合と同様に、
少ない油量の検出をも可能にする。
【0009】浅い部分があるために底部が平らではな
く、しかも上記のような連通部分を含む挿入管を有する
オイルタンクは、形状が単純でないため、通常なら製造
が容易ではない。その点、このオイルタンクは、その浅
い底部(上記b-1))と挿入管(上記b-2))とを、上記a)
のとおり基体の一側部に接合されるカバーの側に設けて
いるので、製造が比較的簡単である。オイルを外部に漏
らさないよう密閉構造を有するオイルタンクを、まず基
体部とカバーとの分割構造にしたことによって製造容易
にし、さらに、挿入管等を含んでいて形状の複雑な部分
をカバーとして基体部から分離したからである。カバー
は、基体部の一側部に接合されるものであり、したがっ
て比較的小型の部品であるため、これに複雑な部分を形
成することは、大型部品に同様の部分を形成するよりも
容易なのである。また、鋳造によってオイルタンクを成
形する場合には、基体部とカバーとを分割することによ
って初めて型抜き可能な構造にできる。
【0010】請求項2に記載のオイルタンクは、カバー
のうち上記底部(カバーの底部)よりも低い位置にある
(つまり深い部分の)壁面を外から内へと貫通する連通
管を介して、上記挿入管の下部を基体の底部に連通させ
たことを特徴とする。カバー内にある上記の浅い底部よ
りも深い部分の壁面にまで連通管を延ばすためには、連
通管に、たとえば接合面と平行な方向に延びた部分を設
けるとよい。
【0011】請求項1のオイルタンクにおけるオイルレ
ベルゲージ挿入管には、基体内の底部と直接連通し得る
ように連通管を設けることもできる。つまり、基体とカ
バーとの接合時にその連通管の先端が基体の底部につな
がるよう、挿入管の下部から基体・カバー間の接合面の
方向へ連通管の一端を突出させておくのである。しか
し、そうした場合、基体に接合されていない状態(つま
り連通管の一端が突出している)のカバーについて取り
扱いに注意を要するうえ、基体に対するカバーの接合が
容易でない。基体・カバー間の接合が容易でないのは、
両者の外壁の接合面(つまり本来の接合面)同士を接合
するのとは別にその連通管を単独で基体の底部に接続し
なければならないからである。また、そのように二組の
接合箇所を密に接合するためには、それら接合箇所間の
位置や角度の関係に相当の精度が要求されるので、オイ
ルタンクの製造コストがかなり増加することにもなる。
【0012】その点、この請求項2のオイルタンクのよ
うに連通管をカバーの壁面内に接続しておけば、上記の
ような不利はない。連通管の両端が挿入管の下部とカバ
ーの壁面とにそれぞれつながっていて、一端が突出した
状態にはなっていないうえ、基体・カバー間の接合時に
は本来の接合面同士を接合すれば連通管も同時に基体内
に連通することになるからである。カバーには、基体内
の底部よりも浅い底部のほかに上記のような深い壁面が
あり、そのような深い位置の壁面を貫通するように上記
の連通管を接続するので、オイルレベルが低い場合にも
この連通管を介して挿入管内にオイルが入る結果、少な
い油量の検出も可能である。
【0013】請求項3に記載のオイルタンクは、鋳造に
よって成形するとともに、上記の挿入管および連通管と
しての穴を機械加工によって形成したことを特徴とす
る。
【0014】鋳造による製造は、鉄板等の溶接などにて
製造する場合に比べて、オイルタンクを量産する場合に
有利である。しかもこのオイルタンクは、請求項1につ
いて前記したように基体とカバーとの分割構造をとって
いるために、鋳造による製造が可能である。
【0015】ただし、挿入管や連通管の内部の穴につい
ては、それらを鋳造にて形成するのは極めて困難である
ため、ドリル等を用いた機械加工により形成している。
それらの穴を鋳造によって形成する場合には、その穴の
直線部分ごとに鋳造中子を使用するなど、鋳造用の型の
構造がかなり困難になるが、穴の内部を機械加工によっ
て形成するなら、鋳造と機械加工との2工程により挿入
管と連通管を形成するとしてもカバーの製造は迅速かつ
容易になり、コスト削減上も有利である。
【0016】請求項4のオイルタンクは、エンジンの本
体(シリンダブロックやクランクケースなど)と一体に
基体を形成するとともに、開口したその一側に上記のカ
バーを接合していることを特徴とする。
【0017】エンジンの本体と一体に基体を有するオイ
ルタンクは、エンジンの側部にコンパクトに配置される
うえ、それを支持・固定するための専用の部品が不要
で、またエンジンに対してオイル(潤滑油)を供給し回
収するための配管類が短くてすむ、といった利点を有す
る。そのようなオイルタンクにおいて、エンジンに近い
部分には、レイアウトや操作性の関係でオイルレベルゲ
ージを設けがたい場合があるため、エンジン本体から離
れたカバーの部分に同ゲージを設けざるを得ない場合が
少なくない。したがって、上記のように一体的にオイル
タンクを有するエンジンにおいては、請求項1ないし3
に記載したオイルタンクの有用性がとくに高い、という
ことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】発明の実施についての一形態を図
1〜図5に紹介する。図1はオイルタンク40の要部を
示す図面であって、同(a)は正面図(図3におけるI部
詳細図)であり同(b)は同(a)におけるb−b断面図で
ある。図2は、そのオイルタンク40を備えるエンジン
10の全体を示す横断面図(図3におけるII−II断面
図)、図3は、そのエンジン10の側面図(図4におけ
るIII−III矢視図)である。図4は、そのエンジン10
を搭載した小型滑走艇1の横断面図(図5におけるIV−
IV断面図)、そして図5は、同じ小型滑走艇1につき一
部を透視して示した全体側面図である。
【0019】図5に示す小型滑走艇1は海岸や湖岸の近
くの水上を滑走する乗り物であり、船底ハル2の上にデ
ッキ3やシート4、ハンドル5などを取り付けて一人〜
数人が搭乗できるようになっている。下部後方にある水
ジェットポンプのインペラ7にて加圧、噴出される水ジ
ェットにより推進され、水面上を滑走することができ
る。インペラ7はエンジン10により駆動されるが、そ
のエンジン10は、船体の長さ方向のほぼ中央のエンジ
ンルーム8内に搭載されている。エンジン10の出力は
弾性継手(図示せず)を介してインペラ軸9へ伝えら
れ、そのインペラ軸9がインペラ7を回転させる。図に
おいて、符号18はエンジン10の吸気マニホールドで
あり符号19は排気マニホールドである。
【0020】エンジン10は4気筒4サイクルエンジン
であり、図3および図4のようにシリンダブロック12
およびクランクケース13の側部に潤滑油用のオイルタ
ンク40を備えた、いわゆるドライサンプの潤滑方式を
とるものである。ドライサンプ式にしたのは、クランク
ケース13の底部にオイルパンを設ける必要性をなくし
てエンジン10の高さを抑制し、小型滑走艇1の小型化
および低重心化をはかるためである。そのほか、ドライ
サンプ式としたために、クランク軸(図2の符号25)
等の回転体が潤滑油面に接することによる出力低下がな
い、また、エンジン10内でのかきあげによる潤滑油の
撹拌がないので油温上昇を抑制できるなど、小型滑走艇
に適した多くの利点がもたらされる。
【0021】図2のとおり、エンジン10におけるシリ
ンダヘッド11の内部には吸気通路15と排気通路16
が形成されており、各通路15・16を開閉するバルブ
とともにそれらのための動弁機構17が組み込まれてい
る。シリンダブロック12の内部には上下に摺動可能な
ようにピストン23が配置され、ピストン23は、クラ
ンクケース13内のクランク軸25にコンロッドを介し
て連接されている。
【0022】ドライサンプの潤滑方式を採用したこのエ
ンジン10における潤滑油の経路を概説すると、つぎの
とおりである。
【0023】イ) 図2のように、クランクケース13の
底部13aにはやや平坦なオイル受け(潤滑油受け)が
形成されており、クランク軸25の軸受など各部に供給
された潤滑油は、その底部13a上に落下する。底部1
3aに落ちた潤滑油は、その底部13aを横切るように
図2上で反時計回りに回転するクランク軸25のクラン
クウェブ25cによって図中の右向きに掻き上げられ、
装着されたフタ27aの取入れ口27bから、底部13
aの一側方(オイルタンク15の側)に形成されたオイ
ル溜まり部27内に流入する。底部13aには、オイル
溜まり部27と反対の側にも連通孔29がエンジン10
の軸方向に設けられているが、この連通孔29には、動
弁機構17におけるカムやその駆動軸等に供給された潤
滑油が上方から流れ込み、その潤滑油がさらに、数箇所
に設けられた横孔28を通って上記のオイル溜まり部2
7に集められる。
【0024】ロ) オイル溜まり部27内に入った潤滑油
は、図3においてクランクケース13内の壁面部分w1
の部分の内側にあるスカベンジングポンプ(図示せず)
によってオイルタンク40内に送られる。スカベンジン
グポンプの上流側に相当する吸込み側の通路は、クラン
クケース13の側に形成されていて一次ストレーナー
(図示せず)を有し、下流側である吐出側の通路は、ク
ランクケース13内およびオイルタンクカバー41Aの
壁面部分w2の内側に形成されていてオイルタンク40
内に至る。
【0025】ハ) オイルタンク40内に貯留された潤滑
油は、図3に示すクランクケース13の壁面部分w4の
内側にあるフィードポンプ(図示せず)により、エンジ
ン10内の上記各部に給油される。フィードポンプの上
流側に相当する吸込み側ラインは、クランクケース13
内およびオイルタンクカバー42の壁面部分w3に形成
されていて二次ストレーナー53を含んでいる。一方、
下流側である吐出側ラインは、図4に示すジェネレータ
ーカバー14の壁面部分w5の内側等を通り、三次スト
レーナー55およびオイルクーラー56を経由して図2
のメイン通路57などに通じている。エンジン10内に
形成されたそのメイン通路57は、噴射ノズル58を介
してピストン23に給油するなど、エンジン10内の複
数の潤滑箇所につながっている。こうしてエンジン10
内の各部に供給された潤滑油は、各供給先からオイル溜
まり部27に戻ってオイルタンク40に送られ、再び各
部に供給されることになる。
【0026】このエンジン10における上記のオイルタ
ンク40は、図2〜図4に示すとおりエンジン本体の側
方(図2の右方。小型滑走艇の進行方向の右方に相当す
る)に同本体と一体的に形成されている。すなわち図2
のように、エンジン10のシリンダブロック12および
クランクケース13とそれぞれ一体に、一側面が開口し
たタンク基体41A・41B(基体41Aはシリンダブ
ロック12と一体であり、基体41Bはクランクケース
13と一体である)が形成され、その外側の平坦な接合
面41hにタンクカバー42が接合面42hを重ねて被
せられることにより、オイルタンク40としての閉空間
が形成されている。接合面41h・42hの間にはガス
ケット(図示せず)が装着され、カバー42は基体41
に対してボルト42gにより締結されている。基体41
A・41Bとカバー42との分割構造としたのは、鋳造
によるオイルタンク40の製造を可能にするためであ
る。
【0027】オイルタンク40について内部の潤滑油量
を検出するためのオイルレベルゲージ48は、図4のよ
うにオイルタンク40の外側(エンジン10の本体から
離れた側)に設けている。エンジン本体に近いオイルタ
ンク40の内側寄りの箇所にそのゲージ48を取りつけ
た場合、上方に吸気マニホールド18があること等によ
りユーザーが手を伸ばしにくいこと、およびシート4を
取り外しても上方からはゲージ48が見えにくいことな
どを考慮して、そのように側方の位置を選んでいる。オ
イルタンク40における側方にはタンクカバー42が接
合されているため、上記のように位置を選ぶことに伴い
オイルレベルゲージ48はカバー42上に取り付けるこ
とになる。ところが、このオイルタンク40におけるカ
バー42のうちには、基体41Bのうちにある最低部4
1iに近いレベルまでオイルレベルゲージ48を差し込
めるような深い適当な部分が存在しない。レイアウト
上、ゲージ48を設けるのに最適と考えられるのはオイ
ルタンク40の後端(図3の左端)付近であるが、図3
のようにその付近の下方にはクランクケース13に取り
付けられた前述の二次ストレーナ53が突出しているた
め、カバー42の底部42iはとくに浅くなっている。
そのような浅い(つまり高い位置にある)底部42iに
対してゲージ48を挿入しても、タンク40内の潤滑油
量が少なく(油面が低く)なったことを検出することは
不可能である。
【0028】そこでこのオイルタンク40においては、
図1のように、カバー42内にある上記のような浅い底
部42iに、それを貫通して真っすぐ下方に至る挿入管
44を接続し、その挿入管44のうちにオイルレベルゲ
ージ48を挿入することとした。挿入管44の下部は、
基体41A・41Bとカバー42との接合面41h・4
2hとほぼ平行に延ばした連通管45によってカバー4
2中の深い部分の壁面42jに接続し、さらに基体41
B中に形成した連通孔46を介して基体41B内の最低
部41iに通じさせている。真っすぐなオイルレベルゲ
ージ48をスムーズに挿入できるよう、挿入管44は真
っすぐなものとし、その上方延長線上にゲージ48の挿
入口47を形成している。挿入口47に設けたネジ穴と
挿入管44内の真っすぐな穴とは、上部の挿入口47の
側からドリルによる機械加工によって形成し、連通管4
5内の穴は、挿入管44の下部から同様にドリル加工し
て形成したうえ、キャップ45aにて端部を塞いでい
る。連通管45から基体41B内の最低部41iに通じ
る連通孔46も、基体41B・カバー42の各接合面4
1h・42hの側からドリル加工にて形成している。
【0029】挿入管44は、カバー42の浅い底部42
iを貫通して下方(基体41B内の最低部41iと同じ
レベルまで)に至るとともに、連通管45等を介して基
体41内の最低部41iに連通しているため、いわゆる
連通管の原理により、この挿入管44の内部には基体4
1内と同じレベルに潤滑油面ができる。そしてこのこと
は、基体41B内において潤滑油量が、カバー42内の
浅い底部42iより下にまで下がっても同様である。こ
のような挿入管44内の最下部にまでオイルレベルゲー
ジ48を挿入するのであるから、このオイルタンク40
では、ゲージ48の挿入箇所における底部42iが浅い
にもかかわらず、極めて少ない油量の検出も可能になる
わけである。
【0030】上記のように浅い底部42iとそれよりも
深い底部41iおよび壁面42jなどとを有するオイル
タンク40において挿入管44や連通管45をさらに形
成することは一般的には容易なことでないが、このオイ
ルタンク40では、その製造は比較的簡単である。オイ
ルタンク40を基体部41A・41Bとカバー42との
分割構造にしたことにくわえ、挿入管44等を含んでい
て形状の複雑な部分を小型部品であるカバー42のうち
に含め、エンジン10の本体と一体であって大型の(し
たがって製造の容易でない)基体41から分離したから
である。挿入管44や連通管45・連通孔46の内部の
穴を機械加工にて形成したことも、製造が容易になって
いる理由の一つである。
【0031】なお、オイルレベルゲージ48は樹脂製と
し、側面に目盛りを刻んだ棒状のゲージ部分48aと、
上部のネジ付きキャップ48bとを一体に形成してい
る。カバー42に設けた挿入口47には、そのキャップ
48bをねじ込むための雌ネジを形成しており、口径を
やや大きくすることによってその挿入口47から潤滑油
の注入および排出(吸い出しによる排出)もできるよう
にしている。
【0032】そのほか、このオイルタンク40には、潤
滑油内に空気を混入させないことなどを目的として、下
記のような工夫をも施している。すなわち、 a) 図3に示すように、オイルタンク40内には、潤滑
油面の変動(波立ち)を抑制するための傾斜板40aを
設けている。油面xを斜めに横切るように傾斜板40a
を設けておくと、小型滑走艇1(図4・図5)の揺れや
振動によってエンジン10およびオイルタンク40が激
しく変位しても、タンク40内の上方の空間にまで跳ね
上がる潤滑油は少なく、したがってタンク40内の潤滑
油に空気が混入しにくい。なお、図1(b)における符号
40cは、オイルタンク40内の上部空間にブリーザー
室を形成するための仕切り壁である。
【0033】b) やはり図3のように、オイルタンク4
0の内部であって、スカベンジングポンプの吐出側の通
路(前記のようにカバー42の壁面部分w2の内側にあ
るもの)の先の位置に、気液分離板40bを取り付けて
いる。当該通路は、タンク40の上部においてタンク4
0内に向かう噴出口52aを有しており、エンジン10
の内部からスカベンジングポンプ42が空気とともに吸
い込んだ潤滑油を図3の紙面と直角な方向に噴き出す。
それに対し気液分離板40bの表面には、その噴出口5
2aの正面において噴出方向と直角でない滑らかな曲面
が形成されており、噴出する潤滑油が比較的緩やかに衝
突する。気液分離板40bの表面に当たった潤滑油は、
その滑らかな曲面に沿って次第に速度を減じるため、タ
ンク40の内壁面等に当たるときの速度は低く、穏やか
な流れとなって油面に落ちる。潤滑油が穏やかな流れに
変わるこのときに、潤滑油から空気が分離されるうえ、
タンク40内の空気が新たに潤滑油中に巻き込まれるこ
とがない。したがってこの構成によっても、タンク40
内の潤滑油に空気の混入することが防止され、エンジン
10の適切な潤滑が確保される。
【0034】以上、小型滑走艇1のエンジン10におけ
るオイルタンク40を例にとって発明の実施形態を説明
したが、紹介した以外のオイルタンクに対しても発明を
実施できることは言うまでもない。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載したオイルタンクにはつ
ぎの効果がある。すなわち、 1) オイルレベルゲージの挿入箇所において底部が浅い
にもかかわらず、当該箇所が基体中の底部にある場合と
同様に、少ない油量まで同ゲージによって検出させるこ
とが可能である。
【0036】2) 形状が単純でないにもかかわらず、製
造が比較的簡単である。
【0037】請求項2に記載のオイルタンクの場合は、
さらに、 3) 連通管の両端が挿入管下部とカバーの壁面とにそれ
ぞれつながっており、一端が突出した状態にはならない
ため、基体に接合されていない状態のカバーについての
取り扱いが容易である。
【0038】4) 基体・カバー間の接合時に、本来の接
合面(両者の外壁間の接合面)同士を接合すれば連通管
も同時に基体内に連通することになるため、基体に対す
るカバーの接合が容易である。
【0039】請求項3に記載のオイルタンクは、 5) 鋳造によって製造するため、鉄板等の溶接などによ
り製造する場合に比べて量産に有利にである。また、鋳
造が難しい部分は機械加工にて形成するので、全体的な
製造が迅速かつ容易になりコスト削減上も有利である。
【0040】請求項4のオイルタンクは、以上のほか、 6) レイアウトや操作性の関係でカバーの部分に同ゲー
ジを設けざるを得ない場合が少なくないため、上記のよ
うな効果がとくに有利にはたらく。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施についての一形態を紹介する図であ
る。図1はオイルタンク40の要部を示すもので、図1
(a)は正面図(図3におけるI部詳細図)、同(b)は同
(a)におけるb−b断面図である。
【図2】図1のオイルタンク40を備えるエンジン10
の全体を示す横断面図(図3におけるII−II断面図)で
ある。
【図3】エンジン10の側面図(図4におけるIII−III
矢視図)である。
【図4】エンジン10を搭載した小型滑走艇1の横断面
図(図5におけるIV−IV断面図)である。
【図5】小型滑走艇1につき一部を透視して示した全体
側面図である。
【符号の説明】
1 小型滑走艇 10 エンジン 40 オイルタンク 41A・41B 基体 42 カバー 42i (高い位置にある)底部 42j (低い位置にある)壁面 44 挿入管 45 連通管 47 挿入口 48 オイルレベルゲージ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オイルタンクを、基体とその一側部に接
    合されるカバーとによって構成し、 カバーには、基体内の底部よりも高い位置にある底部
    と、その底部を貫通して下方に至るとともに下部が上記
    基体内の底部に連通させられるオイルレベルゲージ挿入
    管と、カバー上面のうちその挿入管の上方延長線上にあ
    るオイルレベルゲージ挿入口とを設けたことを特徴とす
    るオイルタンク。
  2. 【請求項2】 カバーのうち上記底部よりも低い位置に
    ある壁面を外から内へと貫通する連通管を介して、上記
    挿入管の下部を基体の底部に連通させた請求項1に記載
    のオイルタンク。
  3. 【請求項3】 鋳造によって成形するとともに、挿入管
    および連通管としての穴を機械加工によって形成したこ
    とを特徴とする請求項2に記載のオイルタンク。
  4. 【請求項4】 エンジンの本体と一体に基体を形成する
    とともに、開口したその一側に上記のカバーを接合して
    いる請求項1〜3のいずれかに記載のオイルタンク。
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