JPH0559925A - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

内燃機関の潤滑装置

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JPH0559925A
JPH0559925A JP21999391A JP21999391A JPH0559925A JP H0559925 A JPH0559925 A JP H0559925A JP 21999391 A JP21999391 A JP 21999391A JP 21999391 A JP21999391 A JP 21999391A JP H0559925 A JPH0559925 A JP H0559925A
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JP
Japan
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pump
oil
internal combustion
combustion engine
lubricating device
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JP21999391A
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Inventor
Toshihiro Hirai
俊弘 平井
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型化及び軽量化が図れるドライサンプ式潤
滑装置を提供すること。 【構成】 ポンプ収納部8に、オイルパン4(浅底部)
底面からオイルタンク部10(深底部)へオイルを転送す
るスカベンジポンプ13とプレッシャポンプ14と気液分離
器15とを一体化してなり、駆動軸21により同時駆動され
るポンプユニット12がポンプ収納部8(深底部)に収納
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内燃機関の潤滑装置、
特にオイルパン底面上に流れ落ちてきた潤滑油をクラン
クケース外部へ転送して貯溜しておくようにしたドライ
サンプ式潤滑装置に関する。
【0002】
【従来の技術】強制潤滑方式による内燃機関の潤滑装置
は、クランクケース下面のオイルパン内に常に余剰の潤
滑油を貯溜しておくウェットサンプ式潤滑装置と、オイ
ルパン底面上からクランクケース外部のオイルタンクへ
スカベンジポンプにより余剰潤滑油を転送し、この外部
のオイルタンク内に貯溜しておくドライサンプ式潤滑装
置とに大別される。そして、後者のドライサンプ式潤滑
装置においては、クランクシャフト等の回転体が潤滑油
面に衝突することによる出力低下や潤滑油のかき上げに
よるオイルミストの飛散の抑制、またクランクケース内
にオイルが存在しないのでオイル叩きによるフリクショ
ンの増加の防止、オイル叩きによるブローバイ系へのオ
イルの混入による白煙の発生の防止等の利点が知られて
いる。
【0003】ドライサンプ式潤滑装置として、例えば特
開昭62−23514号公報には、次に述べるようなも
のが示されている。即ち、内燃機関本体と別体にオイル
タンク部を設け、内燃機関本体と前記オイルタンク部と
の間の例えば機関本体の一側壁に、オイルポンプが設置
される。そして、該オイルタンク部の容量は総油量に対
して十分に大きな容量となっており、オイル中に混入し
たエアーが自然分離可能となっている。また、前記オイ
ルポンプは機関本体の底部に設けられたオイルパン内か
ら前記オイルタンク部へ潤滑油を転送するスカベンジポ
ンプと、上記オイルタンク部から機関各部へ潤滑油を送
油するプレッシャポンプとを含んで構成されている。
【0004】また、実開平1−179109号公報に
は、オイルパンの深底部を仕切ってオイルタンクを画成
し、オイルパン浅底部からスカベンジポンプにより潤滑
油を転送するようにしたドライサンプ式潤滑装置も提案
されている。即ち、図10に示すように、クランクケース
91下部にオイルパン92を設けて、該オイルパン92上にオ
イルを貯溜するエンジン90において、前記クランクケー
ス91と前記オイルパン92の空間内に浅底部93と深底部94
とを設定し、該深底部94と浅底部93とを仕切板95により
画成すると共に、前記浅底部93上のオイルを前記深底部
94上へ転送するスカベンジポンプ96、該スカベンジポン
プ96が吐出するオイルを冷却するオイルクーラ97及び前
記深底部94上のオイルをエンジンの各摺動部へ送油する
フィードポンプ98を設けた構成である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
ように機関本体から離れた位置に別体のオイルタンクを
備えた一般的なドライサンプ式潤滑装置にあっては、オ
イルタンクの搭載位置や搭載スペース或いは配管レイア
ウト等の制約から一般の自動車用内燃機関に広く適用す
ることは難しい。
【0006】また、後者の構成にあっては、オイルパン
92内に仕切板95により浅底部93と深底部94とを画成し、
エンジン90内部にスカベンジポンプ96及びフィードポン
プ98を設けた構成としているので、その構成が複雑とな
り、また必ずオイルタンク内に余裕があるように該オイ
ルタンクの容積を十分に大きく設定する必要があるた
め、オイルパン92部分が、通常のウェットサンプ式潤滑
装置に用いられるオイルパンに較べて非常に大型化して
しまう、という問題点もあり、コンパクト化が図れず、
もってエンジンブロックも大型化してしまうという問題
がある。
【0007】本発明は以上のような実情に鑑みなされた
もので、潤滑装置の小型化及び内燃機関の小型化,軽量
化が図れるドライサンプ式潤滑装置を提供することを目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】このため、本発明に係る
内燃機関の潤滑装置は、内燃機関のクランクケース下部
に深底部と浅底部とを有するオイルパンを設け、前記深
底部をクランクシャフトに沿ってポンプ収納部とオイル
貯溜室とに2分割し、少なくとも前記浅底部のオイルを
吸込んで前記オイル貯溜室に供給するスカベンジポンプ
と前記オイル貯溜室のオイルをシリンダブロックへ供給
するプレッシャポンプとにより一体に構成されると共
に、クランクシャフトにより駆動されるオイルポンプを
前記ポンプ収納部に設ける構成とした。
【0009】また、スカベンジポンプを、中央の駆動ギ
アと該駆動ギアに外接する一方のギアとにより構成され
る第1のスカベンジポンプと該中央の駆動ギアと該駆動
ギアに外接する他方のギアとにより構成される第2のス
カベンジポンプとにより構成し、前記駆動ギアを駆動す
る駆動軸とプレッシャポンプの駆動軸とを共通にすると
共に、該駆動軸をクランクシャフトと平行に配設するよ
うにしてもよい。
【0010】また、駆動軸に連結されて回転するロータ
を含んで構成される気液分離器を、前記スカベンジポン
プを中央に配設して前記オイルポンプに一体に備えるよ
うにしてもよい。また、前記第1のスカベンジポンプの
吸込口を前記浅底部に配設すると共に、前記第2のスカ
ベンジポンプの吸込口を前記深底部に配設する構成とし
てもよい。
【0011】
【作用】かかる構成によると、内燃機関のクランクケー
ス下部の浅底部に溜まるオイルが、オイルパン内に設け
た深底部であるポンプ収納部に配設されたスカベンジポ
ンプにより吸込まれ、オイル貯溜室に供給される。そし
て、オイル貯溜室に貯溜されたオイルがプレッシャポン
プによりシリンダブロックへ供給される。もって、オイ
ルパンのポンプ収納部内部に配設されたオイルポンプに
よりドライサンプ式潤滑装置が構成され、クランクシャ
フト等の回転体のオイル面への衝突やオイルのかき上げ
によるオイルミストの飛散等が抑制できる。
【0012】またスカベンジポンプ及びプレッシャポン
プを駆動する駆動軸がクランクシャフトと平行に配設さ
れ、当該オイルポンプがクランクシャフトにより駆動さ
れるように構成することにより、駆動装置も簡単に構成
でき、装置の複雑化を防止できると同時に、装置の小型
化、軽量化が図れる。またスカベンジポンプとプレッシ
ャポンプとを一体に構成したことにより配管系統の取回
しも容易になり、やはり小型化が図れることとなる。ま
た、オイルポンプ及び配管系統が内燃機関のクランクケ
ース内部に設けられることとなるので、各部品間におけ
るシール構造を簡略化でき、コスト低減が図れる。
【0013】さらに、スカベンジポンプを、中央の駆動
ギアと該駆動ギアに外接する一方のギアとにより構成さ
れる第1のスカベンジポンプと、該中央の駆動ギアと該
駆動ギアに外接する他方のギアとにより構成される第2
のスカベンジポンプとにより構成することにより、実質
的に2組のポンプが構成され、当該スカベンジポンプの
能力を維持したまま小型化,軽量化が図れ、また部品点
数減少に伴うコスト低下も図ることができる。
【0014】また、スカベンジポンプを中央に配設する
ように気液分離器,プレッシャポンプを一体に形成し、
各々の駆動軸を共通にすることにより、オイルポンプの
全長が短くなり、ポンプの小型化が図れ、駆動系統の簡
略化も図れるのでコスト低減に繋がる。また、オイルパ
ンに深底部と浅底部とを設け、前記第1のスカベンジポ
ンプの吸込口を前記浅底部に配設すると共に、前記第2
のスカベンジポンプの吸込口を前記深底部に配設するこ
とにより、吸込口をポンプ本体の両側に配設することが
可能となり、車両の発進,制動及び旋回等の挙動の変化
に係る油面の変動によるスカベンジポンプのエアーの大
量吸込みを防止でき、もって吸込能力の低下を防止でき
る。
【0015】さらに、以上の構成を合わせた作用として
は、気液分離能力を備えたドライサンプ式潤滑装置が構
成されるが、これらの装置を内燃機関のクランクケース
内に配設することにより内燃機関全体の小型化,軽量化
が図れるものである。
【0016】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図に基づいて説明
する。図1,図2は、この発明に係る潤滑装置を備えた
内燃機関の要部を示す断面図であって、シリンダブロッ
ク1の下面に、クランクケース2の側面を囲むフレーム
状のクランクケースハウジング3が取付けられていると
共に、該クランクケースハウジング3の下面開口を覆う
ように、比較的浅いオイルパン4が取付けられている。
このオイルパン4によって、クランクシャフト5やバラ
ンサシャフト6等の回転体を収容するクランクケース2
が画成されている。尚、上記クランクシャフト5は、図
1に矢印で示す方向へ回転する。
【0017】図3は、上記オイルパン4を示す平面図で
ある。このオイルパン4は、例えばアルミニウム合金等
にて鋳造されたもので、周囲にフランジ部7が形成され
ていると共に、車両に搭載された場合に後方側となる
(REARと矢示する)端部の一方の側部に、ポンプ収
納部8が略矩形に凹状に設けられている。そして、この
ポンプ収納部8を除く他の部分の底面は略平坦に形成さ
れている。また、上記ポンプ収納部8と並んだ形でオイ
ルパン4下面に、カップ状をなすオイルタンクロア9が
取付けられており、これによってオイル貯溜室としての
オイルタンク部10が画成されている(図1参照)。即
ち、上記オイルタンク部10は、オイルパン4の一部を上
面側の隔壁11とした形でクランクケース2から仕切られ
ている。尚、図1に示すように、上記ポンプ収納部8底
部とオイルタンクロア9底部とは略同一の高さにあり、
不必要な凹凸を生じないようになっている。また、上記
オイルタンク部10の容積は、機関全体の潤滑油量よりも
小さく設定されている。具体的には、機関各部への供給
油量が大となる高速域を基準として、総潤滑油量から各
部に溜まる油量を差し引いた最小限の容積となってお
り、その小型化を図っている。
【0018】上記ポンプ収納部8には、後述するよう
に、スカベンジポンプ13とプレッシャポンプ14と遠心式
の気液分離器15とを一体化してなるポンプユニット12が
収納されている。次に、図4〜図6を参照しつつ、ポン
プユニット12について説明する。ポンプユニット12のポ
ンプハウジング16は、図4に示すように、ポンプブロッ
ク17とリヤエンドプレート18とフロントエンドプレート
19とセパレートカバー20とからなり、かつ中心部に3者
を同時駆動する駆動軸21が配設されている。この駆動軸
21は、ポンプハウジング16から機関後端側(REARと
矢示する)へ端部21aが突出しており、後述するように
クランクシャフト5によって駆動される。またスカベン
ジポンプ13とプレッシャポンプ14と気液分離器15とは直
列に配置されており、中央のスカベンジポンプ13を挟ん
で、機関後端側にプレッシャポンプ14が、機関前端側
(FRONTと矢示する)に気液分離器15が各々配設さ
れている。
【0019】オイルパン4底面からオイルタンク部10へ
オイルを転送するスカベンジポンプ13は、図5に示すよ
うに、外接式ギアポンプからなり、特に、中央の駆動ギ
ア22の上下に一対の従動ギア23を配置することによっ
て、第1スカベンジポンプ13Aと第2スカベンジポンプ
13Bとの2つのポンプが構成されている。そして、第1
スカベンジポンプ13Aにあっては、駆動ギア22が矢印の
如く回転することにより図5において右上部をサクショ
ン部とすることとなり、当該サクション部に近接した位
置に吸込ポート24を配設している。そして、第1スカベ
ンジポンプ13Aの吸込ポート24には、図3に示すように
オイルパン4側部に沿って配置したサクションパイプ25
の端部が接続されている。上記サクションパイプ25は、
大略フランジ部7の車両右側内周に沿って延びており、
先端部及び中間部の2箇所に、オイルパン4底面に向か
って開口するオイルストレーナ26,27を備えている。ま
た、第2スカベンジポンプ13Bにあっては、駆動ギア22
が矢印の如く回転することにより図5において左下部を
サクション部とすることとなり、当該サクション部に近
接した位置に吸込ポート28を配設している。そして、第
2スカベンジポンプ13Bの吸込ポート28は、下方に屈曲
形成され、ポンプ収容部8底面に向かって開口するポン
プハウジング16に一体形成したオイルストレーナ29に接
続されている。つまり、スカベンジポンプ13は、オイル
パン4底面に流れ落ちてきたオイルとポンプ収容部8底
面に流れ込んだオイルの双方を同時に吸込む構成となっ
ている。
【0020】オイルタンク部10から機関各部へオイルを
送油するプレッシャポンプ14は、図6に示すように、駆
動ギア30と従動ギア31とを有する外接式ギアポンプにて
構成されている。このプレッシャポンプ14の吸込ポート
32には、オイルタンク部10に連通する吸込パイプ33の端
部が接続されている(図3参照)。またプレッシャポン
プ14の吐出ポート34は、図1に示すようにポンプ収容部
8の側壁に開口するようになっており、ここから外部配
管となる供給パイプ35を介して機関各部へオイルを供給
している。
【0021】また、気液分離器15は、スカベンジポンプ
13により吸込まれるオイルに混入したエアの分離を行う
もので、図4に示すように、放射状に複数枚のベーン
(図示せず)を形成したロータ37が油入口部38と油出口
部39との間に配設されている。上記油入口部38は、ポン
プハウジング16内の図示せぬ通路を通してスカベンジポ
ンプ13の吐出ポート(図示せず)に連通している。ま
た、ロータ37外周部に連通する油出口部39は、気液分離
器15の吐出ポート40に連通しており、該吐出ポート40に
は、図3に示すように吐出パイプ41が接続されている。
一方、上記ロータ37のボス部37aには、半径方向にエア
排出孔42がポンプハウジング16外部に連通している。即
ち、ロータ37の回転に伴う遠心分離作用によってエアを
含まない質量の大きいオイルのみが外周側へ集められ、
かつ油出口部39へと送り出される。そして、質量の小さ
いエアは中心部に集められ、上記エア排出孔42及び軸中
心部の連通孔46を通して外部へ排出されるようになって
いる。
【0022】上記ポンプユニット12は駆動軸21がクラン
クシャフト5と平行になるように配設されており、該駆
動軸21の端部21aには、図1に示すようにチェーンスプ
ロケット44が取付けられて、チェーン45を介してバラン
サシャフト6に連動している。尚、上記バランサシャフ
ト6は、機関前端縁側に配設された反転用のギア47,48
及びチェーン49を介してクランクシャフト5に連動して
いる。これによって、上記ポンプユニット12は、クラン
クシャフト5により図1に矢印で示す方向に駆動され
る。
【0023】また、本実施例に係る構成として、ポンプ
ユニット12は、図7及び図8に示すように、取付けボル
ト71を用いてオイルパン4底面外部より取付けられてい
る。即ち、オイルパン4底面には該オイルパン4の内部
に突出して2箇所のポンプユニット取付座72と2箇所の
ポンプユニット取付座73が設けられている(図3参
照)。一方のポンプユニット取付座72にあっては、取付
けボルト71の螺子部外形φDより若干大きい径の挿入孔
74aと、オイルポンプ位置決め用の中空ダウエル76が嵌
入される位置決め孔74bが穿設されており、他方のポン
プユニット取付座73にあっては、取付けボルト71の外形
φDより若干大きい径の挿入孔75のみが穿設されてい
る。
【0024】またポンプユニット取付ボス77,78には、
各々のボスに設けられた締結孔77a,78aを囲むように
締結面77b,78bに環状溝79が設けられており、該環状
溝79にOリング80が装着される。そして、ポンプユニッ
ト取付ボス77にあっては、前記中空ダウエル76が嵌入さ
れる位置決め孔77cが穿設されており、位置決め孔74
b,77cに該中空ダウエル76を嵌入した後に、取付けボ
ルト71が締結孔77aに締結される。また、ポンプユニッ
ト取付ボス78にあっては、取付けボルト71が挿入孔75を
介して締結孔78aに締結される。
【0025】次に本実施例に係る作用を説明する。かか
る構成によると、内燃機関のクランクケースハウジング
3の下面開口を覆うように設けられた比較的浅いオイル
パン4に溜まるオイルが、オイルパン4内の、車両に搭
載された場合に後方側となる側部に凹状に設けられた深
底部としてのポンプ収納部8に配設されたスカベンジポ
ンプ13により吸込まれ、オイル貯溜室としてのオイルタ
ンク部10に供給される。そして、オイルタンク部10に貯
溜されたオイルがプレッシャポンプ14により供給パイプ
35を介してシリンダブロック等機関各部へ供給される。
もって、オイルパン4のポンプ収納部8内部に配設され
たポンプユニット12によりドライサンプ式潤滑装置が構
成されることとなる。即ち、クランクシャフト5や伝動
シャフト6等の回転体が回転するオイルパン4内の空間
にあっては、比較的浅いオイルパン4に溜まるオイルが
スカベンジポンプ13により吸込まれるので、オイル面へ
の衝突やオイルのかき上げによるオイルミストの飛散等
が抑制できる。
【0026】またスカベンジポンプ13の駆動ギア22及び
プレッシャポンプ14の駆動ギア30をを駆動する共通の駆
動軸21がクランクシャフト5と平行に配設され、当該ポ
ンプユニット12がクランクシャフト5によりチェーン4
9、伝動シャフト6等により駆動されるので、駆動装置
も簡単に構成でき、装置の複雑化を防止できる。さら
に、スカベンジポンプ13を中央に配設するように気液分
離器15,プレッシャポンプ14を一体に構成し、スカベン
ジポンプ13の駆動ギア22及び気液分離器15のロータ37及
びプレッシャポンプ14の駆動ギア30に1本の駆動軸21を
挿入して当該駆動軸21により駆動しているので、駆動を
伝達する機構が不要であり、ポンプユニット12の全長が
短縮され、装置の小型化、軽量化が図れる。
【0027】また、スカベンジポンプ13とプレッシャポ
ンプ14及び気液分離器15をポンプユニット12として一体
に構成したことにより、スカベンジポンプ13から気液分
離器15に気液2層流を供給する際に配管が不要となり、
また、オイルタンク部10とポンプユニット12とを結ぶ吸
込パイプ33及び吐出パイプ41とサクションパイプ25のポ
ンプユニット取付フランジをポンプボディの一側面側に
設けることが可能となり、オイル配管のレイアウトの簡
素化が可能となり、またポンプユニット12からの配管系
統の取回しも容易になり、配管フランジ等の共通化も図
れるため、やはり小型化が図れることとなる。また、ポ
ンプユニット12及び吐出パイプ41、吸込パイプ33等の配
管系統がクランクケースハウジング3の内部に設けられ
ることとなるので、各配管とフランジ部間におけるシー
ル部においてオイルが漏洩してもクランクケースハウジ
ング3の内部に漏洩することとなり、もって該シール構
造を簡略化でき、コストの低減が図れる。
【0028】さらに、スカベンジポンプ13を中央の駆動
ギア22の上下に一対の従動ギア23を配置することによっ
て、第1スカベンジポンプ13Aと第2スカベンジポンプ
13Bとの2つのポンプを構成するようにしたので、駆動
ギア22また従動ギア23の大きさ等を大きくしたり、回転
を増加すること無しに、当該スカベンジポンプ13の能力
を確保することが可能となり、小型化,軽量化が図れ
る。また駆動ギア22等を共通にできたことにより部品点
数も減少し、コスト低減も図ることができるものであ
る。
【0029】また、オイルパン4底面には、クランクシ
ャフト5の回転に伴って図3に矢印Cで示す方向に風圧
が作用するが、この風圧の下流側となる側部に第1スカ
ベンジポンプ13Aのサクションパイプ25が配置され、オ
イルストレーナ26,27が前記風圧の上流側である側方を
向いて開口しているので、風圧で押されて流れるオイル
を吸込み易くなっている。一方、第2スカベンジポンプ
13Bの吸込ポート28は、下方に屈曲形成され、ポンプ収
容部8底面に向かって開口するポンプハウジング16に一
体形成したオイルストレーナ29に接続されているので、
前記オイルストレーナ26,27とは反対位置の深底部であ
るポンプ収納部8に配置されている。従って、車両が定
常走行の際はオイルストレーナ26,27,29よりオイルを
吸込み、登坂時,急発進時はオイル油面が機関後端側が
高くなるので、オイルストレーナ27,29よりオイルを吸
込み、降坂時,急制動時はオイル油面が機関先端側が高
くなるので、オイルストレーナ26よりオイルを吸込み、
右旋回時はオイル油面が機関左側が高くなるので、オイ
ルストレーナ29よりオイルを吸込み、左旋回時はオイル
油面が機関右側が高くなるので、オイルストレーナ26,
27よりオイルを吸込むこととなるので、クランクケース
ハウジング3の内部におけるオイルの回収能力が常に発
揮されることとなる。尚、右旋回時にあっては、オイル
パン4底面のオイルを直接吸込むことは難しくなるが、
クランクシャフト5の回転方向に対して掻き下げ側,即
ちオイルを叩かない側にオイルが溜まることとなり、連
続右旋回に対して、オイル吹き、白煙発生という不具合
には至らない。
【0030】また、本実施例に係る油入口部38は、ロー
タ37に対して軸対称の位置に2箇所設けられており、導
入通路の簡素化が図れると共に気液分離効率の向上を図
ることが可能となっている。従って、上記の構成におい
ては、クランクシャフト5の回転に伴って、スカベンジ
ポンプ13、プレッシャポンプ14及び気液分離器15の3者
が一体に作動する。そして、オイルパン4の底面に機関
各部から流れ落ちてきたオイルは、スカベンジポンプ13
により3箇所のオイルストレーナ26,27及び29を通して
直ちに吸込まれ、気液分離器15を経てオイルタンク部10
へ転送される。尚、気液分離器15においてエアやブロー
バイガスが分離されるため、オイルタンク部10へ転送さ
れたオイルに含まれる気泡は非常に少ないものとなる。
【0031】また、本実施例においてはポンプユニット
取付ボス77,78には、各々のボスに設けられた締結孔77
a,78aを囲むように締結面77b,78bに環状溝79が設
けられており、該環状溝79にOリング80が装着されるの
で、該Oリング80によりクランクケースハウジング3の
内部を外部に対してシールすることとなり、前述の如く
取付けボルト71を用いて、オイルパン4底面外部より、
ポンプユニット取付座72,73に取付けらることが可能と
なっている。従って、クランクケースハウジング3の内
部に取付ける際の締付工具の作業スペースを必要とせ
ず、ポンプユニット12の全幅、全長を短縮でき、クラン
クケースハウジング3内への該ポンプユニット12の内蔵
が容易になる。
【0032】さらに、締結固定の際には、ポンプユニッ
ト12を中空ダウエル76を用いて2箇所締結固定している
ので、チェーンスプロケット44の位置精度が向上し、確
実な駆動の伝達が可能となる。また、ポンプユニット取
付座72,73はクランクケースハウジング3の内部に突出
して設けられているので、ポンプユニット12の下面もオ
イル貯溜空間として有効に活用することができる。
【0033】また、図9に本発明に係る他の実施例を示
すが、前述の実施例と同一要素には同一符号を付して説
明を省略する。前記ポンプ収納部8と並んだ形でオイル
パン4下面に、カップ状をなし、シリンダブロック1の
側方に突出するオイルタンクロア61が取付けられてお
り、これによってオイル貯溜室としてのオイルタンク部
62が画成されている。即ち、上記オイルタンク部62は、
オイルパン4の下部に鋼板63を張りつけ、当該鋼板63を
隔壁としてクランクケース2から仕切られている。尚、
本実施例においても、上記ポンプ収納部8底部とオイル
タンクロア61底部とは略同一の高さにあり、不必要な凹
凸を生じないようになっている本実施例によれば、シリ
ンダブロック1の側方に突出させることにより、オイル
タンク部62の容積が確保され、十分な油量が確保される
ものである。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る内燃
機関の潤滑装置によれば、内燃機関のクランクケース下
部に深底部と浅底部とを有するオイルパンを設け、少な
くとも前記浅底部のオイルを吸込む第1のスカベンジポ
ンプを含んで構成されるスカベンジポンプを中央に配設
し、プレッシャポンプと気液分離器とを駆動軸を共通に
一体に構成したオイルポンプをポンプ収納部に設ける構
成とし、吸込口も複数設けるようにしたので、オイルパ
ンのポンプ収納部内部に配設されたオイルポンプにより
ドライサンプ式潤滑装置が構成され、クランクシャフト
等の回転体のオイル面への衝突やオイルのかき上げによ
るオイルミストの飛散等が抑制できる。また駆動装置も
簡単に構成でき、装置の複雑化を防止できると同時に、
装置の小型化、軽量化が図れる。さらに、配管系統も単
純化でき、オイルポンプ自身の軽量化が図れ、また部品
点数減少に伴うコスト低減も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る潤滑装置を備えた一実施例の要部
を示す横断面図
【図2】同上実施例に係る縦断面図
【図3】同上実施例に係るオイルパンを示す平面図
【図4】同上実施例に係るポンプユニットを示す断面図
【図5】図4におけるA−A線に沿った断面図
【図6】図4におけるB−B線に沿った断面図
【図7】同上実施例に係るポンプユニットの取付け部詳
細図
【図8】同上実施例に係るポンプユニットの取付け部詳
細図
【図9】本発明に係る潤滑装置を備えた他の実施例の要
部を示す横断面図
【図10】従来のドライサンプ式潤滑装置の構成を示す構
成図
【符号の説明】
2 クランクケース 4 オイルパン 5 クランクシャフト 8 ポンプ収容部 10 オイルタンク部 12 ポンプユニット 13 スカベンジポンプ 13A 第1スカベンジポンプ 13B 第2スカベンジポンプ 14 プレッシャポンプ 15 気液分離器 21 駆動軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内燃機関のクランクケース下部に深底部と
    浅底部とを有するオイルパンを設け、前記深底部をクラ
    ンクシャフトに沿ってポンプ収納部とオイル貯溜室とに
    2分割し、少なくとも前記浅底部のオイルを吸込んで前
    記オイル貯溜室に供給するスカベンジポンプと前記オイ
    ル貯溜室のオイルをシリンダブロックへ供給するプレッ
    シャポンプとにより一体に構成されると共に、クランク
    シャフトにより駆動されるオイルポンプを前記ポンプ収
    納部に設けたことを特徴とする内燃機関の潤滑装置。
  2. 【請求項2】スカベンジポンプを、中央の駆動ギアと該
    駆動ギアに外接する一方のギアとにより構成される第1
    のスカベンジポンプと該中央の駆動ギアと該駆動ギアに
    外接する他方のギアとにより構成される第2のスカベン
    ジポンプとにより構成し、前記駆動ギアを駆動する駆動
    軸とプレッシャポンプの駆動軸とを共通にすると共に、
    該駆動軸をクランクシャフトと平行に配設したことを特
    徴とする請求項1記載の内燃機関の潤滑装置。
  3. 【請求項3】駆動軸に連結されて回転するロータを含ん
    で構成される気液分離器を、前記スカベンジポンプを中
    央に配設して前記オイルポンプに一体に備えることを特
    徴とする請求項2記載の内燃機関の潤滑装置。
  4. 【請求項4】前記第1のスカベンジポンプの吸込口を前
    記浅底部に配設すると共に、前記第2のスカベンジポン
    プの吸込口を前記深底部に配設する構成としたことを特
    徴とする請求項2記載の内燃機関の潤滑装置。
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