JP3122234B2 - 汽力発電設備のリパワリングシステム - Google Patents

汽力発電設備のリパワリングシステム

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JP3122234B2
JP3122234B2 JP17126992A JP17126992A JP3122234B2 JP 3122234 B2 JP3122234 B2 JP 3122234B2 JP 17126992 A JP17126992 A JP 17126992A JP 17126992 A JP17126992 A JP 17126992A JP 3122234 B2 JP3122234 B2 JP 3122234B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は汽力発電設備のリパワリ
ングシステムに係り、特に既設汽力発電設備の改造を極
力少なくして発生電力量を増大させ得る汽力発電設備の
リパワリングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】既設の汽力発電設備にガスタービンプラ
ントを追設し、ガスタービンの排気をボイラの燃焼用空
気として使用する一方、上記ボイラからの排ガスが有す
る熱を汽力発電設備の蒸気タービンサイクル系(復水・
給水系)に回収するようにして、排気再燃型コンバイン
ドサイクルを構成したリパワリングシステムが知られて
いる。汽力発電設備のリパワリングシステムは、以下の
ような大きな特徴を有している。
【0003】第1に、既設の発電プラントをコンバイン
ド化することにより、発電効率を向上させることができ
る。
【0004】第2に、ガスタービンプラントを追設する
ことにより発電所全体の発電電力量を増加させることが
できる。
【0005】第3に、既設の汽力発電設備の改造部分を
少なくできるために、比較的短期間の工事でリパワリン
グシステムを構成することができる。
【0006】一方、近年の大幅な電力需要の伸びに伴
い、各電力会社の電力予備率が低下してきており、この
電力予備率の低下に対処するためには、発電所の建設が
強く望まれる。しかし、発電所を早急に建設することは
困難であり、この困難さ等を考えると、汽力発電設備の
リパワリングシステムは電力需要の伸びの問題を解決す
る有力な手段の1つである。
【0007】図7は排気再燃型コンバインドサイクルを
構成した従来の汽力発電設備のリパワリングシステムの
一例を示す系統構成図である。
【0008】従来の汽力発電設備のリパワリングシステ
ムは、既設の汽力発電設備である蒸気タービンプラント
1にガスタービン2を追設したものである。
【0009】既設の蒸気タービン1はボイラ3、主蒸気
系4、高圧タービン5、タービン再熱系6、中圧タービ
ン7、低圧タービン8、復水器9および復水・給水系1
0を順次接続して構成され、高圧タービン5、中圧ター
ビン7および低圧タービン8の駆動によりタービン発電
機11を回転駆動させて発電し、仕事をするようになっ
ている。
【0010】蒸気タービンプラント1のタービン再熱系
6には再熱器13や再熱安全弁14が設置される一方、
復水・給水系10には復水ポンプ16、多段構造の低圧
給水加熱器17(17a,17b,17c)、脱気器1
8、給水ポンプ19および多段構造の高圧給水加熱器2
0(20a,20b,20c)が順次設置されている。
【0011】一方、既設の汽力発電設備である蒸気ター
ビンプラント1に追設されるガスタービンプラント2
は、圧縮機22、燃焼器23、ガスタービン24、ガス
タービン発電機25およびガスダンパ26等から構成さ
れる。
【0012】汽力発電設備のリパワリングシステムはガ
スタービンプラント2からの排気を蒸気タービンプラン
ト1のボイラ3の燃焼用空気として利用するため、空気
予熱器は不要となる。このリパワリングシステムはボイ
ラ3からの高温排ガスを直接煙突27から大気中に放出
させることなく、かつボイラ排ガスを有効利用するため
に、高圧スタックガスクーラ28および低圧スタックガ
スクーラ29を通して排ガスの温度を下げている。
【0013】高圧スタックガスクーラ28および低圧ス
タックガスクーラ29にて熱回収され、温度の低くなっ
たボイラ排ガスは脱硝装置30で炭酸ガス等を除去した
後、煙突27から大気中へ放出される。
【0014】また、低圧スタックガスクーラ29に流入
する復水の温度は、低過ぎるとクーラ伝熱管表面にボイ
ラ排ガス中の炭酸ガス等による腐食生成物が凝結して信
頼性を損ねたり、また復水温度が高過ぎると大気へ放出
されるボイラ排ガスの温度が高くなり、プラント熱効率
を損う。このため、ボイラ排ガスの温度は一定になるよ
うに制御する必要がある。
【0015】一方、復水温度は、蒸気タービン5,7,
8の負荷に応じて変化するため、低圧スタックガスクー
ラ29へ流入する復水温度が変化する。従来のリパワリ
ングシステムでは、低圧スタックガスクーラ29出口の
高温給水をクーラ再循環系32を介して一部を還流さ
せ、低圧スタックガスクーラ29入口側の復水と混合さ
せている。クーラ再循環系32には再循環ポンプ33や
流量調整弁34が設けられ、この流量調整弁34の弁制
御により再循環流量を制御し、低圧スタックガスクーラ
29へ流入する復水の温度を調節制御している。
【0016】従来の汽力発電設備のリパワリングシステ
ムにおいては、タービン負荷に応じてボイラ3への給水
量や復水器9からの復水量が決定されるが、復水・給水
系10に案内される給水量は、ボイラ3への給水量や復
水器9からの復水量から高圧スタックガスクーラ28や
低圧スタックガスクーラ29への必要給水量をそれぞれ
差し引いた残りの分である。
【0017】したがって、復水・給水系10に配設され
る高圧給水加熱器20や低圧給水加熱器17での熱交換
量は、通常の蒸気タービンプラント1の単独運転時の熱
交換量よりも少なく、タービン抽気量も少なくて済む。
【0018】一方、汽力発電設備のリパワリングシステ
ム(コンバインドサイクル発電プラント)において、蒸
気タービン5,7,8の定格負荷運転に注目すると、復
水・給水系10の各給水加熱器17,20へのタービン
抽気量の減少により、低圧側の蒸気タービン7,8へ流
れて仕事をする蒸気の割合が増える。このため、主蒸気
量を減少させることができ、高圧タービン5の負荷分担
が減り、代りに中圧タービン7や低圧タービン8の負荷
分担が増加する。
【0019】また、同時に、タービン抽気蒸気量の減少
により中圧タービン7や低圧タービン8への蒸気量が増
加するため、タービン排気蒸気量が増加し、復水器9で
の凝縮熱量が増加し、復水量も多くなる。
【0020】中圧タービン7や低圧タービン8へ流入す
る蒸気量が増加すると、タービン動翼の設計流量を超え
るおそれがあり、翼強度余裕が不足する可能性がある。
一方、タービン静翼の入口圧力や温度が上昇し、各ター
ビン抽気管35a〜35gの最高使用圧力や温度を超え
るおそれがある。さらに、中圧タービン7の入口圧力の
上昇は、タービン再熱系6の再熱安全弁14を作動さ
せ、蒸気を吹き出すおそれがある。このような場合、蒸
気タービンのタービン動翼や静翼の取換等の改造が必要
となる。
【0021】また、復水器9での凝縮熱量が増加する
と、冷却水量一定の運転では、冷却水(海水)の出口温
度が増加し、放水口付近での海洋生物に悪影響を及ぼ
し、生態系を変化させるおそれがある。この変化を防止
するため、循環水ポンプ36により冷却水循環系37の
冷却水量を増加させ、冷却水(海水)の温度上昇を規定
値以内に抑える必要がある。冷却水量を増加させる場
合、復水器9は熱交換チューブ内の冷却水流速が大きく
なり過ぎるために改造が必要となり、また、循環水ポン
プ36はポンプ容量が不足するため改造または取換が必
要となる。
【0022】また、復水器9で凝縮される復水量の増加
は、復水ポンプ16や図示しない復水ブースタポンプの
容量不足を招き、同様な改造または取換が必要となる。
【0023】次に、汽力発電設備の部分負荷運転に着目
すると、蒸気タービンプラント1はプラント負荷(ター
ビン負荷)に応じて復水・給水系10を流れる水量が減
少するにも拘らず、ガスタービンプラント2のガスター
ビン24は常に回転一定の運転が行なわれる。このた
め、圧縮機22で圧縮される空気量は、部分負荷運転に
おいてもさほど変化せず、ボイラ3から高圧スタックガ
スクーラ28および低圧スタックガスクーラ29へ排出
されるボイラ排ガス量は、定格運転時と殆ど変わらな
い。
【0024】このため、部分負荷運転にも拘らず、高圧
スタックガスクーラ28や低圧スタックガスクーラ29
へ要求される給水量も定格運転時とさほど変らない。プ
ラント負荷(タービンや発電機の負荷)がある負荷以下
になると、プラント負荷に応じて減少した給水・復水の
大半が高圧スタックガスクーラ28や低圧スタックガス
クーラ29へ流れ、復水給水系10の給水加熱器17,
20へ案内される給水は僅かになる。この給水の減少に
比例してタービン抽気量も減少することとなる。
【0025】一方、タービン抽気量の減少により、ター
ビン抽気管35c,35d,35e,35f,35gの
途中に設置された抽気逆止弁39c,39d,39e,
39f,39gは、弁前後差圧が微小になるため、微開
となる。このため、タービン抽気量の変動に伴って抽気
逆止弁39c,39d,39e,39f,39gにハン
チング現象が生じ、長期に亘って部分負荷運転を継続さ
せると、弁の破損に至るおそれがあり、抽気逆止弁のハ
ンチング現象を防止することが必要である。
【0026】また、抽気逆止弁39c,39d,39
e,39f,39gはタービン抽気が微小流量であって
もハンチング現象が生じない弁構造としたり、また、部
分負荷運転を継続させる場合、ハンチング現象が生じな
い負荷運転になるように、最低連続運転負荷の大幅な引
上げが必要となる。
【0027】他方、部分負荷運転の別の問題は、ある部
分負荷に応じて給水量が減少するにも拘らず、高圧スタ
ックガスクーラ28での交換熱量はさほど変化しないた
め、高圧スタックガスクーラ28からの給水温度が上が
り過ぎ、ボイラ3の節炭器内でスチーミングが発生する
おそれがある。このため、部分負荷運転における最低連
続運転負荷の引上げが必要となる。
【0028】従来の汽力発電設備のリパワリングシステ
ムにおいては、既設の汽力発電設備の改造点が多く、リ
パワリングシステムの前述した大きな特徴が損なわれ
る。改造部分が多いとリパワリングシステムの特徴の1
つである比較的短期間の工事でリパワリングシステムを
構成することができる効果を発揮することができない。
【0029】一方、海外では汽力発電設備のリパワリン
グシステムの特徴を有効に発揮させるため、既設の汽力
発電設備を改造しないで使用できる負荷まで蒸気タービ
ン発電機11の出力を下げて運転している事例も存在す
るが、この部分負荷運転では、リパワリングシステムの
別の特徴を発揮することができない。すなわち、汽力発
電設備全体としての発生電力量を増加させる効果が半減
することとなる。我国の電力需要の増加を考えた場合、
この運転は好ましくない。
【0030】また、汽力発電設備のリパワリングシステ
ムにおいて、最低連続運転負荷の大幅な引上げは、運転
の自由度が著しく損なわれ、夜間や週末の電力需要の少
ない場合に対応できなくなる。
【0031】本発明は上述した事情を考慮してなされた
もので、既設の汽力発電設備の改造を極力少なくして発
電所全体として発生電力量を効果的に増加させ、最低連
続運転負荷の引下げが可能な汽力発電設備のリパワリン
グシステムを提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明に係る汽力発電設
備のリパワリングシステムは、上述した課題を解決する
ために、請求項1に記載したように、汽力発電設備にガ
スタービンプラントを設け、このガスタービンプラント
からのガスタービン排気を汽力発電設備のボイラ燃焼用
空気として利用する一方、上記ボイラからの排ガスを給
水または復水の一部を加熱する高圧スタックガスクーラ
および低圧スタックガスクーラに案内して排気再燃型コ
ンバインドイサクルを構成した汽力発電設備のリパワリ
ングシステムにおいて、前記汽力発電設備に蒸気タービ
ンからタービン抽気の一部を作動蒸気として取り入れる
抽気蒸気タービンプラントを設け、この抽気蒸気タービ
ンプラントは、汽力発電設備のタービン抽気管から抽気
逆止弁の下流側で分岐された抽気配管を備える一方、前
期抽気蒸気タービンプラントの下流側を前記汽力発電設
備の復水・給水系に復水ポンプ下流側で接続したもので
ある。
【0033】また、本発明に係る汽力発電設備のリパワ
リングシステムは、上述した課題を解決するために、請
求項2に記載したように、汽力発電設備にガスタービン
プラントを設け、このガスタービンプラントからのガス
タービン排気を汽力発電設備のボイラ燃焼用空気として
利用する一方、上記ボイラからの排ガスを給水または復
水の一部を加熱する高圧スタックガスクーラおよび低圧
スタックガスクーラに案内して排気再燃型コンバインド
イサクルを構成した汽力発電設備のリパワリングシステ
ムにおいて、前記汽力発電設備に蒸気タービンからター
ビン抽気の一部を作動蒸気として取り入れる抽気蒸気タ
ービンプラントを設け、この抽気蒸気タービンプラント
は背圧式の蒸気タービンを備え、この蒸気タービンから
のタービン排気をプロセス蒸気または熱供給に利用した
後、凝縮したドレン水を回収するドレンタンクを設け、
ドレンタンクの下流側を前記汽力発電設備の復水器また
は復水・給水系の復水ポンプ下流側に接続したものであ
る。
【0034】さらに、本発明に係る汽力発電設備のリパ
ワリングシステムは、上述した課題を解決するために、
請求項3に記載したように、汽力発電設備にガスタービ
ンプラントを設け、このガスタービンプラントからのガ
スタービン排気を汽力発電設備のボイラ燃焼用空気とし
て利用する一方、上記ボイラからの排ガスを給水または
復水の一部を加熱する高圧スタックガスクーラおよび低
圧スタックガスクーラに案内して排気再燃型コンバイン
ドイサクルを構成した汽力発電設備のリパワリングシス
テムにおいて、前記汽力発電設備に蒸気タービンからタ
ービン抽気の一部を作動蒸気として取り入れる抽気蒸気
タービンプラントを設け、この抽気蒸気タービンプラン
トは抽気復水式蒸気タービンを備え、この蒸気タービン
からのタービン排気およびタービン抽気を凝縮させる低
沸点媒体の冷却媒体を、作動流体とするガスタービンプ
ラントを追設し、前記蒸気タービンからのタービン抽気
およびタービン排気の凝縮潜熱ならびに汽力発電設備の
ボイラ排ガスの保有熱にて低沸点媒体を蒸発・過熱して
ガスタービンプラントを駆動させる一方、前記抽気復水
式蒸気タービンからのタービン排気の復水を汽力発電設
備の復水・給水系に、また、タービン抽気の復水を低圧
スタックガスクーラの入口側に導いたものである。
【0035】また、本発明に係る汽力発電設備のリパワ
リングシステムは、上述した課題を解決するために、請
求項4に記載したように、汽力発電設備にガスタービン
プラントを設け、このガスタービンプラントからのガス
タービン排気を汽力発電設備のボイラ燃焼用空気として
利用する一方、上記ボイラからの排ガスを給水または復
水の一部を加熱する高圧スタックガスクーラおよび低圧
スタックガスクーラに案内して排気再燃型コンバインド
イサクルを構成した汽力発電設備のリパワリングシステ
ムにおいて、前記汽力発電設備にタービン再熱系から再
熱蒸気の一部を作動蒸気として取り入れる再熱蒸気の蒸
気タービンプラントを設け、この蒸気タービンプラント
は、汽力発電設備のタービン再熱系から分岐された蒸気
管を備える一方、前記再熱蒸気の蒸気タービンプラント
の下流側を、前記汽力発電設備の復水・給水系に復水ポ
ンプ下流側で接続したものである。
【0036】さらに、上述した課題を解決するために、
本発明に係る汽力発電設備のリパワリングシステムは、
請求項5に記載したように、再熱蒸気の蒸気タービンプ
ラントは、汽力発電設備の中圧蒸気タービン下流側から
蒸気管が分岐される一方、この蒸気管が再熱蒸気の蒸気
タービンプラントの蒸気タービンの途中段落に接続され
たものであり、また、請求項6に記載したように、再熱
蒸気の蒸気タービンプラントは、混圧式蒸気タービンを
備え、汽力発電設備の蒸気タービン途中の圧力が降下し
た蒸気の一部を混圧式蒸気タービンの途中段落に案内す
るようにしたものである。
【0037】
【作用】本発明の汽力発電設備のリパワリングシステム
においては、請求項1〜請求項3に記載したように、既
設の汽力発電設備(蒸気タービンプラント)に抽気蒸気
タービンプラントを追設し、この抽気蒸気タービンプラ
ントは既設の蒸気タービンからのタービン抽気を作動蒸
気として取り入れ、蒸気タービンを駆動して発電するよ
うにしたから、既設の蒸気タービンのタービン抽気量が
増加する一方、既設の蒸気タービンの抽気段落以降の蒸
気量を、設計流量以下で汽力発電設備単独運転時の蒸気
量に近付けることができ、さらに、タービン抽気をター
ビン抽気管の最高使用圧力、温度以下に抑えることによ
り、既設の蒸気タービンの改造は不要となる。
【0038】また、既設の蒸気タービンからのタービン
排気量(排気蒸気量)の減少に伴い、復水器の凝縮熱量
および復水量が減少するので、汽力発電設備を構成する
復水器、循環水ポンプ、復水ポンプや復水ブースタポン
プの改造や取換が不要となり、既存の汽力発電設備をそ
のまま使用できる。また、既設の汽力発電設備の改造
は、配管の接続だけでよく、このため発電プラントの停
止期間を従来より大幅に削減できる。
【0039】既設の汽力発電設備に抽気蒸気タービンプ
ラントを設け、この抽気蒸気タービンプラントでも発電
を行なうことができるので、発電所全体の発生電力量を
効果的に増加させることができる。
【0040】また、汽力発電設備のリパワリングシステ
ムの部分負荷運転において、既設の蒸気タービンのター
ビン抽気管の抽気逆止弁を通過する蒸気量は、抽気蒸気
タービンプラントの追設により、従来のリパワリングシ
ステムより多くなるので、抽気逆止弁がチャタリングす
る負荷を引下げることができる。既設の蒸気タービンで
は、高圧タービンの負荷分担が従来より高く、主蒸気量
や給水量が従来よりも多いので、ボイラ節炭器内でスチ
ーミングが発生する負荷を引き下げることが可能とな
り、最低連続運転負荷を引き下げることができる。した
がって、夜間や週末の電力需要の少ない場合でも追従す
ることが可能となり、運用性が向上する。
【0041】さらに、既設蒸気タービンの主蒸気量は高
圧タービン負荷分担の増加により従来よりも多く、汽力
発電設備の単独運転の主蒸気量に近付くので、蒸気加減
弁の絞り損失を従来よりも減らして、既設蒸気タービン
の効率を向上させることができる。
【0042】また、本発明の汽力発電設備のリパワリン
グシステムは、請求項4〜請求項6に記載したように、
既設の汽力発電設備に再熱蒸気の蒸気タービンプラント
を追設し、この蒸気タービンプラントは、既設の汽力発
電設備のタービン再熱系からの再熱蒸気の一部を作動蒸
気として取り入れたから、既設の汽力発電設備の中圧タ
ービン以降のタービン流入蒸気量や段落蒸気圧力を減少
させ、蒸気量はタービン設計流量以下に、段落蒸気圧力
は再熱安全弁の設定圧力以下に、またタービン抽気管は
最高使用圧力以下に抑えることができ、汽力発電設備の
改造は不要になる。また、タービン排気量の減少に伴
い、復水器凝縮熱量や復水量が減少するので、復水器、
循環水ポンプ、復水ポンプおよび復水ブースタポンプの
改造、取換も不要になる。
【0043】さらに、追設した再熱蒸気の蒸気タービン
プラントで発電をするので既設の汽力発電設備とは別に
電気出力を確保することができ、発電所全体の発生電力
量を効果的に増加させることができる。
【0044】他方、既設の汽力発電設備の中圧タービン
や低圧タービンの負荷分担が減少し、高圧タービンの負
荷分担が従来のリパワリングシステム(図7参照)より
高く、主蒸気量ひいては給水量が多くなるので、高圧ス
タックガスクーラ出口の給水温度を従来より低くするこ
とができ、部分負荷運転においては、ボイラの節炭器内
でスチーミングが発生しない最低連続運転負荷を引き下
げることができる。
【0045】さらに、既設の汽力発電設備は各負荷にお
いて蒸気タービンの主蒸気量が従来のリパワリングシス
テムより多いので、蒸気加減弁での絞り量が減少し、絞
りの損失を減らして、既設の汽力発電設備のリパワリン
グシステムのタービン効率を向上させることができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明に係る汽力発電設備のリパワリ
ングシステムの一実施例について添付図面を参照して説
明する。
【0047】図1は、本発明の汽力発電設備のリパワリ
ングシステムの第1実施例を示すものである。このリパ
ワリングシステムにおいて、図7に示す従来のリパワリ
ングシステムと同じ部材、機器には同一の符号を付して
説明する。
【0048】図1は、既設の汽力発電設備である蒸気タ
ービンプラント1にガスタービンプラント2および第2
蒸気タービンプラントである抽気蒸気タービンプラント
40を追設して排気再熱型コンバインドサイクルを構成
した汽力発電設備のリパワリングシステムである。
【0049】蒸気タービンプラント1はボイラ3、主蒸
気系4、高圧タービン5、タービン再熱系6、中圧ター
ビン7、低圧タービン8、復水器9および復水・給水系
10を順次接続して構成され、高圧タービン5、中圧タ
ービン7および低圧タービン8は図示しないカップリン
グ等で結合される一軸駆動のもので、タービン発電機1
1を回転駆動させて発電し、仕事をするようになってい
る。
【0050】蒸気タービンプラント1の主蒸気系4やタ
ービン再熱系6には蒸気止め弁4a,6aや蒸気加減弁
4b,6bが設けられる一方、タービン再熱系6には再
熱器13や再熱安全弁14が設置される。再熱安全弁1
4はタービン再熱系6の異常高圧時に再熱蒸気の一部を
系外に逃がしてタービン再熱系6を保護している。
【0051】復水器9からボイラ3に至る復水・給水系
10には、復水ポンプ16、多段の低圧給水加熱器17
(17a,17b,17c)、脱気器18、給水ポンプ
19および多段の高圧給水加熱器20(20a,20
b,20c)が順次設置される。復水・給水系10の多
段状低圧給水加熱器17をバイパスするように低圧ガス
クーラ給水系41が設けられ、この給水系41に低圧ス
タックガスクーラ29および流量調節弁42が配置され
る。一方、多段状の高圧給水加熱器20をバイパスする
ように高圧スタックガスクーラ給水系43が設けられ、
この給水系43に高圧スタックガスクーラ28が配置さ
れる。
【0052】一方、既設の蒸気タービンプラント1に追
設されるガスタービンプラント2は、圧縮機22、燃焼
器23、ガスタービン24、ガスタービン発電機25お
よびガスダンパ26等から構成される。ガスタービンプ
ラント2からのガス排気は蒸気タービンプラント1のボ
イラ3の燃焼用空気として利用される。
【0053】ボイラ3からの高温排ガスは、ボイラ排ガ
ス系44に案内される。ボイラ排ガス系44には高圧ス
タックガスクーラ28および低圧スタックガスクーラ2
9が順次配設され、低圧スタックガスクーラ29にて冷
却され、温度降下したボイラ排ガスは脱硝装置30で炭
酸ガス等を除去された後、煙突27から大気中に放出さ
れる。
【0054】低圧スタックガスクーラ29には復水器9
で凝縮された復水(給水)が案内される一方、低圧ガス
クーラ給水系41にクーラ再循環系32が付設され、低
圧スタックガスクーラ29出口からの復水を、その入口
側に還流させ得るようになっており、このクーラ再循環
系32で低圧スタックガスクーラ29の出口から流出す
る復水温度を調節している。クーラ再循環系32には再
循環ポンプ33や流量調節弁34が設置される。
【0055】一方、蒸気タービンプラント1の高圧ター
ビン5や中圧タービン7、低圧タービン8からタービン
抽気管35(35a〜35g)が取り出され、各タービ
ン抽気管35のうち高圧タービン5や中圧タービン7か
らのタービン抽気管35e,35f,35gは抽気逆止
弁39e,39f,39gを介して多段の高圧給水加熱
器20へ接続され、各高圧給水加熱器20へ給水加熱を
行なうタービン抽気を供給するようになっている。中圧
タービン7の最下段からの配管35dは逆止弁39dを
介して脱気器18に接続される。
【0056】また、低圧タービン8から取り出された各
タービン抽気管35a,35b,35cは低圧給水加熱
器17(17a,17b,17c)に接続されてタービ
ン抽気を各低圧給水加熱器17に案内している。このタ
ービン抽気で復水器9からの復水(給水)を加熱してい
る。低圧タービン8からの各タービン抽気管35a,3
5b,35cのうち上段側から取り出されたタービン抽
気管35cに抽気逆止弁39cが設置される。
【0057】一方、既設の汽力発電設備である蒸気ター
ビンプラント1に追設される抽気蒸気タービンプラント
40は、既設蒸気タービン5,7,8の各タービン抽気
管35c,35e,35f,35gの抽気逆止弁39
c,39e,39f,39g下流側から分岐された抽気
配管46(46a〜46d)を備えており、各抽気配管
46を案内されるタービン抽気により追設の蒸気タービ
ン48を駆動している。
【0058】各抽気配管46のうち高圧タービン5のタ
ービン抽気管35gから分岐された抽気配管46aは追
設の蒸気タービン48の主蒸気管46として機能し、主
蒸気を蒸気タービン48に供給している。抽気配管46
aには主蒸気量を制御する蒸気止め弁49および蒸気加
減弁50が設置される。他の抽気配管46b,46c,
46dは逆流防止用の逆止弁51b,51c,51dお
よび混圧蒸気止め弁52b,52c,52dを介して蒸
気タービン48の対応する中途段落に接続される。逆止
弁51b,51c,51dは過渡時等の逆流防止のため
に設けられ、蒸気止め弁49や混圧蒸気止め弁52b,
52c,52dは運転停止時等に蒸気を遮断するため設
置される。
【0059】蒸気タービン48にはタービン発電機54
が直結されており、蒸気タービン48に供給された蒸気
でタービンを回転させて発電機54を駆動し、発電する
ようになっている。蒸気タービン48で仕事をした蒸気
は復水器55に案内され、ここで冷却されて復水とな
る。復水器55では蒸気タービン48で仕事をした蒸気
を海水による冷却の他、空冷やクーリングタワで冷却し
た淡水による冷却等が、設置スペースや還流対策等を考
慮して選定される。復水器55の器内圧も大気圧の他、
蒸気式エゼクタまたは真空ポンプ(共に図示せず)によ
り負圧に維持し、タービン効率を向上させることができ
る。
【0060】復水器55で凝縮された復水は、復水・給
水系10の復水ポンプ16下流側に復水管56を介して
接続される。復水管56には復水ポンプ57や復水量を
調節する調整弁58が設けられる。この調節弁58によ
り復水器55内での復水レベルが一定に保たれる。
【0061】ところで、抽気蒸気タービンプラント40
の蒸気タービンのタービン負荷は、抽気配管46aに案
内される主蒸気(タービン抽気)を蒸気加減弁50で制
御することにより調整できる。
【0062】追設の蒸気タービン48への蒸気は、汽力
発電設備の高圧側タービン抽気から順次分岐して導入さ
れ、主蒸気および途中段落の混圧蒸気として使用され
る。追設の蒸気タービン48は、混圧蒸気の圧力に合う
ように途中段落を設計し、混圧蒸気量は既設の蒸気ター
ビン5,7,8の抽気圧力と追設の蒸気タービン48の
段落圧力の圧力差によりバランスして決まるので調整す
る必要がない。追設の蒸気タービン48のタービン負荷
は、主蒸気のみを蒸気加減弁50で制御することにより
調整できる。
【0063】次に、汽力発電設備のリパワリングシステ
ムの駆動、定格運転、部分負荷運転について説明する。
【0064】リパワリングシステムの起動時には、既設
の汽力発電設備である蒸気タービンプラント1が立ち上
がり、既設の蒸気タービン5,7,8のタービン抽気圧
が安定した後に、追設の抽気蒸気タービンプラント40
の蒸気タービン48へ主蒸気(高圧側タービン抽気)を
供給する主蒸気止め弁49を開き、蒸気加減弁50で蒸
気タービン48のタービン負荷を制御しながら、混圧蒸
気止め弁52b,52c,52dを順次高圧側より開け
る。
【0065】この主蒸気止め弁49や混圧蒸気止め弁5
2b,52c,52dの開放により抽気蒸気タービンプ
ラント40の蒸気タービン48が起動され、時間の経過
とともに定格運転に入る。
【0066】定格運転時には、既設の汽力発電設備の蒸
気タービン5,7,8の各タービン抽気管35g,35
f,35e,35cから抽気されたタービン抽気が、抽
気逆止弁39g,39f,39e,39cの下流側から
分岐された追設の抽気蒸気タービンプラント40に案内
されて蒸気タービン48に流入せしめられ、このタービ
ン抽気の蒸気により追設の蒸気タービン48は仕事をし
て発電機54を駆動させる。
【0067】既設の蒸気タービン5,7,8からのター
ビン抽気量は、復水・給水系10の給水加熱器17,2
0への抽気量と追設した蒸気タービン48への抽気量と
の合計となり、既設の蒸気タービン5,7,8の抽気段
落以降の蒸気量は、従来の図7に示すリパワリングシス
テムの定格負荷運転時より減少し、既設の蒸気タービン
プラント1の単独運転時の定格蒸気量に近付けることが
できる。
【0068】このリパワリングシステムは、既設の汽力
発電設備の設計流量以下とすることができ、かつタービ
ン抽気の圧力および温度は、タービン抽気管の最高使用
圧力、温度以下とすることができるので、既設の蒸気タ
ービンプラント1の改造は不要となり、従来の蒸気ター
ビンプラントをそのまま使用できる。
【0069】また、既設の蒸気タービン5,7,8から
復水器9に排気されるタービン排気量は、従来より減少
するため、復水器9での凝縮熱量が減少し、冷却水量を
増加させる必要がなくなるので、復水器9や復水器9へ
冷却水を循環させる循環水ポンプ36も改造が不要とな
る。
【0070】一方、復水器9での復水量が減少しても、
この蒸気タービンプラント1の復水・給水系10には、
復水ポンプ16の下流側で抽気蒸気タービンプラント4
0の復水器55からの復水を導入するので、復水ポンプ
16を通る復水量を設計流量以下とすることができ、復
水ポンプの改造も不要となる。
【0071】ところで、リパワリングシステムの部分負
荷運転時には、既設の蒸気タービン5,7,8からのタ
ービン抽気圧力が下がるが、この場合、追設の抽気蒸気
タービンプラント40の蒸気タービン48の負荷を既設
蒸気タービン負荷に応じて下げることにより、蒸気加減
弁4bの絞りによる主蒸気量が減少するので、追設の蒸
気タービン48のタービン段落圧力も下がり、混圧蒸気
量がバランスする。
【0072】この部分負荷運転時には、既設の蒸気ター
ビン5,7,8からのタービン抽気量が従来のリパワリ
ングシステムのタービン抽気量より多くなるが、図1に
示すリパワリングシステムでは、既設の蒸気タービン
5,7,8からのタービン抽気を抽気逆止弁39g,3
9f,39e,39cの下流側から分岐させて追設の抽
気蒸気タービンプラント40に案内しているため、抽気
逆止弁39g,39f,39e,39cを通るタービン
抽気量(通過蒸気量)は、従来のリパワリングシステム
の部分負荷運転より多くなる。このため、抽気逆止弁3
9g,39f,39e,39cにチャタリング現象が生
じるのを防止でき、既存の蒸気タービンプラント1のプ
ラント負荷を引き下げることが可能となる。
【0073】また、既設の蒸気タービンプラント1の主
蒸気量は、従来のリパワリングシステムの部分負荷運転
時より増加し、既設の蒸気タービンプラント1の単独運
転の部分負荷運転に近付くので、ボイラ3の節炭器(図
示せず)でスチーミングが発生するプラント負荷を引き
下げることができる。
【0074】図2は本発明に係る汽力発電設備のリパワ
リングシステムの第2実施例を示すものである。
【0075】この実施例に示された汽力発電設備のリパ
ワリングシステムは、既設の汽力発電設備である蒸気タ
ービンプラント1に追設される抽気蒸気タービンプラン
ト40Aに背圧式の蒸気タービン60を採用したもの
で、他の構成は、図1に示すリパワリングシステムと異
ならないので、同一符号を付して説明を省略する。
【0076】追設の抽気蒸気タービンプラント40A
は、蒸気タービン60を背圧式として復水器を特に追設
せず、蒸気タービン60からのタービン排気蒸気を、プ
ロセス蒸気あるいは熱供給用蒸気として系外の設備61
に導いて熱回収しており、系外の設備61にて熱回収さ
れて凝縮した高温ドレン水をドレンタンク62に回収し
ている。
【0077】ドレンタンク62に回収された高温ドレン
水は、復水管63a,63bを経て復水器9あるいは復
水・給水系10の復水ポンプ16下流側に導入してい
る。一方の復水管63aにはドレンタンク62内のドレ
ン水のレベルを調節する調整弁64が設けられ、この調
整弁64でドレンタンク62内のレベルが一定となるよ
うに調整しながら復水器9へ回収している。他方の復水
管63bには復水ポンプ65および流量調節弁66が設
けられており、この流量調整弁66の弁制御により、低
圧ガスクーラ給水系41へ供給される復水量を調節して
いる。
【0078】なお、低圧ガスクーラ給水系41には低圧
スタックガスクーラ29の入口側にその出口側給水温度
により弁制御される流量調節弁67が設けられている。
【0079】図2に示された汽力発電設備のリパワリン
グシステムは、追設した抽気蒸気タービンプラント40
Aに復水器や付属する冷却設備が不要となり、代りにコ
ンパクトなドレンタンク62を使用するため、設置スペ
ースが少なくて済む。
【0080】また、ドレンタンク62に貯溜された例え
ば約100℃の高温ドレン水を、低圧ガスクーラ給水系
41に供給して混合させる一方、流量調節弁66で低圧
スタックガスクーラ29へ供給される復水(給水)の温
度を一定、例えば約80℃に制御している。低圧スタッ
クガスクーラ29へ供給される復水温度をドレンタンク
62からのドレン水で制御できるため、クーラ再循環系
の設置が不要となる。
【0081】一方、追設された蒸気タービンプラント4
0Aの蒸気タービン60は背圧式であるため、有効熱落
差が小さく、この背圧式蒸気タービン60は図1の復水
式蒸気タービンより出力は小さくなる。
【0082】図3は、本発明に係る汽力発電設備のリパ
ワリングシステムの第3実施例を示すものである。
【0083】この実施例に示された汽力発電設備のリパ
ワリングシステムは、既設の汽力発電設備としての蒸気
タービンプラント1に抽気蒸気タービンプラント40B
を追設する一方、この抽気蒸気タービンプラント40B
に低沸点媒体を作動流体とするガスタービンプラント7
0を追設したものである。他の構成は、図1に示すリパ
ワリングシステムの構成と低圧ガスクーラ供給系71を
除いて実質的に異ならないので、同一符号を付して説明
を省略する。
【0084】追設された抽気蒸気プラント40Bには、
既設汽力発電設備の高圧タービン5および中圧タービン
7のタービン抽気管35g,35f,35eの抽気逆止
弁39g,39f,39e下流側から分岐された抽気配
管46a,46b,46cを備え、この抽気配管46a
〜46cが抽気復水タービンとしての蒸気タービン72
に接続される一方、蒸気タービン71のタービン排気を
冷却して凝縮する第1復水器73と低圧段落のタービン
抽気を冷却して凝縮する第2復水器74とが設置され
る。第2復水器74にて凝縮された復水温度は、タービ
ン抽気圧の飽和温度となるため一定となる。このため、
第2復水器74からの復水は、低圧スタックガスクーラ
29への復水として導入するのに適したものとなる。
【0085】一方、第1復水器73からの復水管75は
途中に設けられた調節弁76を介して既設の汽力発電設
備の復水器9に接続される。第1復水器73の器内圧
は、調節弁76にて調整される。
【0086】また、第2復水器74で冷却され、凝縮さ
れた復水管77は、低圧ガスクーラ給水系71を構成し
ており、途中に復水ポンプ78および流量調節弁79を
介して低圧スタックガスクーラ29に接続される。復水
量は、低圧スタックガスクーラ29から流出する復水温
度が所定の温度となるように流量調節弁79により調整
される。
【0087】第1復水器73および第2復水器74の冷
却系は、追設されたガスタービンプラント70の一部と
して構成される。このガスタービンプラント70は、冷
却媒体として水より沸点の低い低沸点媒体が作動流体と
して使用され、この低沸点媒体は多段構造の第1復水器
73、第2復水器74で蒸気(タービン排気、タービン
抽気)の潜熱により加熱作用を受けて蒸発される。蒸発
された低沸点媒体は過熱器80でボイラ排ガスの保有熱
により過熱される。
【0088】過熱器80で過熱された低沸点媒体は、追
設のガスタービン81に導かれて回転駆動され、タービ
ン発電機82を駆動させて発電に供せられる。ガスター
ビン81および発電機82の負荷は、過熱器80出口の
ボイラ排ガス温度が所定のガス温度となるように加減弁
83で低沸点媒体の流量を制御することにより決定され
る。なお、符号84は止め弁である。
【0089】ガスタービン81で仕事をし、膨脹して圧
力・温度が低くなった低沸点媒体は凝縮器85で凝縮さ
れた後、昇圧ポンプ86で昇圧されて第1復水器73へ
送られ、閉サイクルを構成している。このようにして追
設の抽気蒸気タービンプラント40Bに低沸点媒体を作
動流体としたガスタービンプラント70が追設される。
【0090】低沸点媒体を作動流体としたガスタービン
プラント70を追設することにより、タービン排気や抽
気の蒸気潜熱やボイラ排ガスの保有熱を有効利用して発
電に供することができ、発電所全体の発生電力量を増加
させることができる。
【0091】なお、抽気蒸気プラント40Bにガスター
ビンプラント70を追設したとき、蒸気タービン72と
ガスタービン80を直結して一軸型とすることにより、
ガスタービン80用の発電機82が不要となり、コンパ
クト化とともに機械損失を低減できる。
【0092】また、図3に示す汽力発電設備のリパワリ
ングシステムでは、追設した抽気蒸気タービンプラント
40Bの蒸気タービン72からのタービン抽気から、低
圧スタックガスクーラ29へ供給する復水をとるため、
復水・給水系10から復水を分岐させる配管が不要とな
る一方、既設の蒸気タービンプラント1の復水器9で凝
縮された復水全量を低圧給水加熱器17へ流せるため、
必要なタービン抽気量は、既設の蒸気タービンプラント
1の単独運転時とあまり変わらない。このため、低圧タ
ービン8からのタービン抽気を追設した抽気蒸気タービ
ンプラント40Bへ抽気する抽気配管が不要となる。抽
気配管の配管工事が不要となるため、プラント停止期間
はさらに短かくなる。
【0093】さらに、低圧スタックガスクーラ29へ供
給される復水温度を一定にできるため、図2に示すリパ
ワリングシステムと同様にクーラ再循環系が不要とな
る。
【0094】図4は本発明に係る汽力発電設備のリパワ
リングシステムの第4実施例を示したものである。
【0095】この実施例に示されたリパワリングシステ
ムは、既設の汽力発電設備である蒸気タービンプラント
1に追設される蒸気タービンプラント90を再熱蒸気で
駆動させるようにした点が図1に示したリパワリングシ
ステムと基本的に相違し、他の構成は実質的に等しいの
で同じ符号を用いて説明する。
【0096】図4に示された汽力発電設備のリパワリン
グシステムは、既設の蒸気タービンプラント1に再熱蒸
気の蒸気タービンプラント90を追設したもので、この
再熱蒸気の蒸気タービンプラント90は既設の蒸気ター
ビンプラント1のタービン再熱系6の高温再熱管6cか
ら分岐された蒸気管91を有し、この蒸気管91が蒸気
止め弁92、蒸気加減弁93を介して追設の蒸気タービ
ン94に接続される。この蒸気タービン94にはタービ
ン発電機95が直結され、蒸気タービン94の駆動によ
り発電機95が駆動されて発電に供される。
【0097】蒸気タービン94で仕事をし、膨脹した蒸
気は復水器96に案内され、ここで凝縮されて復水とな
る。この復水は復水ポンプ97により昇圧され、復水管
98を通って既設蒸気タービンプラント1の復水・給水
系10に、復水ポンプ16下流側で導入される。復水管
98には、復水量を調節する流量調節弁99が設けられ
る。
【0098】ところで、追設された再熱蒸気の蒸気ター
ビンプラント90には、既設の汽力発電設備のタービン
再熱系6の再熱器13下流側から分岐された蒸気管91
を通って再熱蒸気が案内され、その蒸気量は、高温再熱
蒸気管6cでの圧力すなわち中圧タービン7の入口圧力
が、負荷に応じた設定圧力となるように蒸気加減弁93
にて調節される。
【0099】一般に、再熱蒸気弁6a,6bは運転中は
全開となっており、入口圧力は、中圧タービン7への流
入蒸気量に応じてほぼ比例して変化する。したがって、
高温再熱蒸気圧力と中圧タービン流入蒸気量はほぼ比例
するので、蒸気加減弁93にて高温再熱蒸気圧を制御す
ることにより中圧タービン7への流入蒸気量を制御する
ことができる。
【0100】また、高温再熱蒸気圧を直接制御すること
により、高負荷において再熱圧力が上昇しても、再熱安
全弁14が作動する圧力以下に容易に抑えることができ
る。
【0101】高温再熱蒸気管6cから分かれた一方の蒸
気は、既設の中圧タービン7および低圧タービン8で仕
事をした後、既設の復水器9で凝縮して復水となり、復
水ポンプ16にて昇圧されて低圧給水加熱器17または
低圧スタックガスクーラ29へ案内される。また、他方
の再熱蒸気は追設の蒸気タービン94で仕事をした後、
追設の復水器96で凝縮して復水となり、復水ポンプ9
7にて昇圧されて既設の復水ポンプ16の下流側へ合流
して回収される。
【0102】追設の再熱蒸気の蒸気タービンプラント9
0に設置される復水器96は、冷却媒体として海水、空
気またはクーリングタワーで冷却した淡水等、設置スペ
ース、環境対策等に応じて自由に選択できる。また、復
水器96の器内圧は、大気圧の蒸気式エゼクタや真空ポ
ンプ等により負圧としてタービン熱効率を向上すること
も可能である。このとき、復水量は、復水の流量調節弁
99で調整し、復水器96の復水レベルを一定に保つよ
うにする。
【0103】既設の汽力発電設備である蒸気タービンプ
ラント1の蒸気タービン5,7,8や発電機11の定格
負荷運転に着目すると、既設の蒸気タービンプラント1
のタービン再熱系6の高温再熱蒸気管6cから追設の蒸
気タービンプラント90へ蒸気が一部流出するので、既
設の中圧タービン7や低圧タービン8へ流入する蒸気量
は従来のリパワリングシステムより減少することになる
が、高圧タービン5への主蒸気量が増加し、既設の蒸気
タービン5,7,8は単独運転に近い状態でバランスす
る。
【0104】また、既設の蒸気タービン5,7,8から
のタービン排気量も減少するので、復水器9の凝縮熱量
や復水量も従来のリパワリングシステムより減少する。
したがって、既設中圧タービン7への流入蒸気量を高温
再熱圧力の設定値に基づいて、蒸気加減弁93にて制御
することにより、既設の蒸気タービン設備3,4,5,
6,7,8や再熱安全弁14、復水器9、循環水ポンプ
36、復水ポンプ16、復水ブースタポンプ(図示せ
ず)を改造せずに定格負荷運転を行なうことができる。
【0105】また、タービン再熱系6から分岐されて再
熱蒸気の蒸気タービンプラント90の蒸気タービン94
へ流入した蒸気は、膨脹して仕事をし、直結されたター
ビン発電機95を発電することにより、発電所全体の発
生電力量を増加することができる。
【0106】次に、汽力発電設備の部分負荷運転に着目
すると、定格負荷運転と同様に高温再熱蒸気管6cから
再熱蒸気の一部を再熱蒸気の蒸気タービンプラント90
へ案内することにより、高圧タービン5への主蒸気量
は、従来のリパワリングシステムの同一の負荷における
主蒸気量よりも増加させることができるので、給水量も
増加し、したがって、高圧スタックガスクーラ28の出
口給水温度を低くすることができ、ボイラ3の節炭器内
で給水がスチーミングしない最低連続運転負荷を引き下
げることが可能となる。
【0107】さらに、汽力発電設備のリパワリングシス
テムにおいては、既設の蒸気タービン5,7,8や発電
機11の負荷における主蒸気量が、従来のリパワリング
システムにおける同一の負荷における主蒸気量よりも多
いので、主蒸気加減弁の弁開度を多くして絞り損失を減
少させることができる。
【0108】図5は、本発明に係る汽力発電設備のリパ
ワリングシステムの第5実施例を示すものである。
【0109】この実施例に示された汽力発電設備のリパ
ワリングシステムは、既設の蒸気タービンプラント1に
追設された再熱蒸気の蒸気タービンプラント90Aに、
既設の中圧タービン7から低圧タービン8に至るクロス
オーバ管100から蒸気管101を分岐させ、この蒸気
管101を追設蒸気タービン102の途中段落へ導くよ
うにしたものであり、他の構成は図4に示すリパワリン
グシステムと異ならないので、同じ符号を付して説明を
省略する。蒸気管101には逆流防止用の蒸気逆止弁1
03および蒸気止め弁104が設置される。
【0110】この汽力発電設備のリパワリングシステム
では、既設の蒸気タービンプラント1のクロスオーバ管
100から一部の蒸気が追設の蒸気タービン102へ流
出するので、低圧タービン8へ流入する蒸気量は図4に
示すリパワリングシステムよりも減らすことができ、低
圧タービン8の運転状態は既設蒸気タービンプラントの
単独運転の状態にさらに近付き、最適効率での運転に近
くなる。
【0111】また、低圧タービン8の負荷が減った分、
高圧タービン5の負荷が増加するため、同一負荷では図
4に示すリパワリングシステムより既設の蒸気タービン
への主蒸気量が増加するので、給水量も増加して、高圧
スタックガスクーラ28の出口給水温度を低くすること
ができる。このため、部分負荷運転においてボイラ3の
節炭器内でスチーミングが発生しない最低連続運転負荷
をさら引き下げることができる。同時に、主蒸気量の増
加により蒸気加減弁93の開度は図4のリパワリングシ
ステムの場合の同一負荷よりもさらに大きくすることが
できるので、絞り損失をさらに小さくすることができ
る。
【0112】追設された再熱蒸気タービンプラント90
Aにおいて、蒸気タービン102は、低圧の蒸気を導入
できるように混圧タービンとして混圧蒸気の圧力に合う
よう途中段落を設計し、混圧蒸気量は既設蒸気タービン
のクロスオーバ管100の圧力と追設蒸気タービン10
2の導入段落圧力の圧力差によりバランスして決まるの
で、調整する必要がなく、主蒸気量のみ蒸気加減弁93
で制御すればよいことになる。
【0113】また、混合した蒸気は蒸気タービン102
内で膨脹して発電に供せられるので、追設蒸気タービ
ン、発電機の出力は図4に示すリパワリングシステムの
例よりも大きくすることができ、発電所全体の発生電力
量をさらに増加させることができる。
【0114】図6は汽力発電設備のリパワリングシステ
ムの第6実施例を示すものである。
【0115】この実施例に示されたリパワリングシステ
ムは、既設の汽力発電設備である蒸気タービンプラント
1に、追設された再熱蒸気の蒸気タービンプラント90
Bに中圧タービン7および低圧タービン8からのタービ
ン抽気を案内するようにしたもので、他の構成は図4に
示すリパワリングシステムと異ならないので同じ符号を
付して説明を省略する。
【0116】この汽力発電設備のリパワリングシステム
においては、再熱蒸気の蒸気タービンプラント90Bに
備えられる蒸気タービン105の途中のタービン段落
へ、各抽気配管106a,106bが接続される。各抽
気配管106a,106bは中圧タービン7や低圧ター
ビン8から取り出されたタービン抽気管35e,35c
の抽気逆止弁39e,39cの下流側から分岐されてお
り、これらのタービン抽気を蒸気タービン105の混圧
蒸気源としている。各抽気配管106a,106bには
逆流を防止する逆止弁107a,107bや蒸気止め弁
108a,108bが設けられている。
【0117】この再熱蒸気の蒸気タービンプラント90
Bでは、蒸気タービン105の混圧蒸気源としているタ
ービン抽気段落以降の中圧タービン7および低圧タービ
ン8の蒸気量が図4に示すリパワリングシステムより減
少するため、図5に示すリパワリングシステムと同等の
効果を奏する。
【0118】また、各抽気配管106a,106bはタ
ービン抽気管35e,35cの抽気逆止弁39e,39
cの下流側から分岐されているので、抽気逆止弁39
e,39cを通過するタービン抽気量は、図5や図6に
示すタービン抽気量より、同一の負荷において多くする
ことができる。このため、抽気逆止弁39e,39cの
前後差圧を大きくすることができ、部分負荷において、
タービン抽気量の減少に伴う抽気逆止弁のチャタリング
を防止できる。
【0119】本実施例の汽力発電設備のリパワリングシ
ステムの部分負荷運転において、タービン抽気量の減少
により、チャタリングが発生する可能性のある抽気逆止
弁は39f,39g,39e,39cであるが、抽気逆
止弁39f,39gの抽気圧は追設蒸気タービンの主蒸
気圧よりも高いため、混圧蒸気として使用することがで
きない。抽気逆止弁39f,39gのチャタリングを防
止するには、高圧給水加熱器20c,20bの給水バイ
パスライン(図示せず)を利用して給水をバイパスし、
タービン抽気をカット(抽気量0)すれば可能である。
【0120】また、部分負荷運転における抽気逆止弁の
チャタリング防止は最低連続運転部分の引下げにも寄与
する。
【0121】なお、本発明の汽力発電設備のリパワリン
グシステムにおいては、既存のリパワリングシステムに
抽気蒸気タービンプラントや再熱蒸気の蒸気タービンプ
ラントを追設した各実施例を説明したが、本発明の精神
を逸脱しない範囲でさらに種々の変形を行なうことがで
きる。
【0122】
【発明の効果】以上に述べたように本発明に係る汽力発
電設備のリパワリングシステムは、排気再燃型コンバイ
ンドイサクルを備えたものにおいて、汽力発電設備に抽
気蒸気タービンプラントを設け、この抽気蒸気タービン
プラントは汽力発電設備の蒸気タービンからのタービン
抽気の一部を作動蒸気として取り入れたから、既設の蒸
気タービンのタービン排気量を減少させることができ、
この減少に伴って復水器の凝縮熱量や復水量が減少する
ので、既設の蒸気タービンや復水器、循環水ポンプ、復
水ポンプ、復水ブースタポンプ等を改造せずにリパワリ
ングを行なうことができ、抽気蒸気タービンプラントを
追設してもリパワリングシステム停止期間を大幅に短縮
することができる。また、追設した抽気蒸気タービンプ
ラントによっても発電を行なうことができるので発電所
全体の発生電力量を有効的に増加させることができ、既
設の汽力発電設備の改造を極力少なくして発電所全体の
発生電力量を効果的に増加させることができる。
【0123】また、既設の汽力発電設備の蒸気タービン
から取り出されたタービン抽気管の抽気逆止弁下流側か
ら抽気蒸気タービンプラントの蒸気管を分岐させたか
ら、抽気逆止弁を通過するタービン抽気量を充分に確保
することができ、抽気逆止弁にチャタリングが発生する
のを効果的に防止できる一方、抽気蒸気タービンプラン
トで仕事をした復水は、汽力発電設備の復水・給水系に
還流されるので、ボイラへの給水量を充分に確保するこ
とができ、ボイラの節炭器でのスチーミングの発生を防
止し、最低連続運転負荷を引き下げることができ、リパ
ワリングシステムの弾力的な運転を行なうことができ、
運用性が向上する。
【0124】さらに、既存の汽力発電設備の蒸気タービ
ンに供給される主蒸気量が増加するので、蒸気加減弁の
絞り損失を低減でき、既設の蒸気タービンの効率が向上
する。
【0125】他方、請求項4〜請求項6に記載の本発明
に係る汽力発電設備のリパワリングシステムは、排気再
熱型コンバインドサイクルを備えたものにおいて、汽力
発電設備に再熱蒸気の蒸気タービンプラントを設け、こ
の蒸気タービンプラントは汽力発電設備のタービン再燃
系から再熱蒸気の一部を作動蒸気として取り入れたか
ら、既設の蒸気タービンのタービン排気量を減少させる
ことができ、既設の蒸気タービン、復水器、循環水ポン
プ、復水ポンプおよび復水ブースタポンプ等を改造せず
にリパワリングが達成できるためリパワリングシステム
の停止期間は従来のリパワリングシステムより大幅に減
少させることができる一方、追設の抽気蒸気タービンプ
ラントでも発電するので、発電所全体の発生電力量を効
果的に増加させるこどかできる。
【0126】また、抽気蒸気タービンプラントで仕事を
した復水は汽力発電設備の復水・給水系に合流させるの
で、ボイラへの給水量を従来のリパワリングシステムよ
り増加させることができ、したがって、ボイラ節炭器で
スチーミングが発生しない最低連続運転負荷を引き下げ
ることができ、運用性が向上する。さらに、汽力発電設
備の主蒸気量が従来のリパワリングシステムより増加す
るので、蒸気加減弁の絞り損失を低減でき、既設蒸気タ
ービンの効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る汽力発電設備のリパワリングシス
テムの第1実施例を示す系統構成図。
【図2】本発明に係る汽力発電設備のリパワリングシス
テムの第2実施例を示す系統構成図。
【図3】本発明に係る汽力発電設備のリパワリングシス
テムの第3実施例を示す系統構成図。
【図4】本発明に係る汽力発電設備のリパワリングシス
テムの第4実施例を示す系統構成図。
【図5】本発明に係る汽力発電設備のリパワリングシス
テムの第5実施例を示す系統構成図。
【図6】本発明に係る汽力発電設備のリパワリングシス
テムの第6実施例を示す系統構成図。
【図7】従来の汽力発電設備のリパワリングシステムを
示す系統構成図。
【符号の説明】
1 汽力発電設備(蒸気タービンプラント) 2 ガスタービンプラント 3 ボイラ 4 主蒸気系 5 高圧タービン(蒸気タービン) 6 タービン再熱系 7 中圧タービン(蒸気タービン) 8 低圧タービン(蒸気タービン) 9 復水器 10 復水・給水系 11 発電機 16 復水ポンプ 17(17a〜17c) 低圧給水加熱器 20(20a〜20c) 高圧給水加熱器 22 圧縮機 23 燃焼器 24 ガスタービン 25 発電機 27 煙突 28 高圧スタックガスクーラ 29 低圧スタックガスクーラ 30 脱硝装置 32 クーラ再循環系 35(35a〜35g) タービン抽気管 39(39c,39e,39f,39g) 抽気逆止弁 40,40A,40B 抽気蒸気タービンプラント 41,71 低圧ガスクーラ給水系 43 高圧ガスクーラ給水系 44 ボイラ排ガス系 46(46a,46b,46c,46d) 抽気配管 48 蒸気タービン 54 タービン発電機 55 復水器 62 ドレンタンク 70 ガスタービンプラント 72 抽気復水タービン 73 第1復水器 74 第2復水器 80 過熱器 81 ガスタービン 82 発電機 85 凝縮器 90,90A,90B 再熱蒸気の蒸気タービンプラン
ト 91 蒸気管 94 蒸気タービン 95 タービン発電機 96 復水器 100 クロスオーバ管 102,105 蒸気タービン 106a,106b 抽気配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01K 23/10 F01K 7/34 F01K 7/38 102 F02C 6/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 汽力発電設備にガスタービンプラントを
    設け、このガスタービンプラントからのガスタービン排
    気を汽力発電設備のボイラ燃焼用空気として利用する一
    方、上記ボイラからの排ガスを給水または復水の一部を
    加熱する高圧スタックガスクーラおよび低圧スタックガ
    スクーラに案内して排気再燃型コンバインドイサクルを
    構成した汽力発電設備のリパワリングシステムにおい
    て、前記汽力発電設備に蒸気タービンからタービン抽気
    の一部を作動蒸気として取り入れる抽気蒸気タービンプ
    ラントを設け、この抽気蒸気タービンプラントは、汽力
    発電設備のタービン抽気管から抽気逆止弁の下流側で分
    岐された抽気配管を備える一方、前期抽気蒸気タービン
    プラントの下流側を前記汽力発電設備の復水・給水系に
    復水ポンプ下流側で接続したことを特徴とする汽力発電
    設備のリパワリングシステム。
  2. 【請求項2】 汽力発電設備にガスタービンプラントを
    設け、このガスタービンプラントからのガスタービン排
    気を汽力発電設備のボイラ燃焼用空気として利用する一
    方、上記ボイラからの排ガスを給水または復水の一部を
    加熱する高圧スタックガスクーラおよび低圧スタックガ
    スクーラに案内して排気再燃型コンバインドイサクルを
    構成した汽力発電設備のリパワリングシステムにおい
    て、前記汽力発電設備に蒸気タービンからタービン抽気
    の一部を作動蒸気として取り入れる抽気蒸気タービンプ
    ラントを設け、この抽気蒸気タービンプラントは背圧式
    の蒸気タービンを備え、この蒸気タービンからのタービ
    ン排気をプロセス蒸気または熱供給に利用した後、凝縮
    したドレン水を回収するドレンタンクを設け、ドレンタ
    ンクの下流側を前記汽力発電設備の復水器または復水・
    給水系の復水ポンプ下流側に接続したことを特徴とする
    汽力発電設備のリパワリングシステム。
  3. 【請求項3】 汽力発電設備にガスタービンプラントを
    設け、このガスタービンプラントからのガスタービン排
    気を汽力発電設備のボイラ燃焼用空気として利用する一
    方、上記ボイラからの排ガスを給水または復水の一部を
    加熱する高圧スタックガスクーラおよび低圧スタックガ
    スクーラに案内して排気再燃型コンバインドイサクルを
    構成した汽力発電設備のリパワリングシステムにおい
    て、前記汽力発電設備に蒸気タービンからタービン抽気
    の一部を作動蒸気として取り入れる抽気蒸気タービンプ
    ラントを設け、この抽気蒸気タービンプラントは抽気復
    水式蒸気タービンを備え、この蒸気タービンからのター
    ビン排気およびタービン抽気を凝縮させる低沸点媒体の
    冷却媒体を、作動流体とするガスタービンプラントを追
    設し、前記蒸気タービンからのタービン抽気およびター
    ビン排気の凝縮潜熱ならびに汽力発電設備のボイラ排ガ
    スの保有熱にて低沸点媒体を蒸発・過熱してガスタービ
    ンプラントを駆動させる一方、前記抽気復水式蒸気ター
    ビンからのタービン排気の復水を汽力発電設備の復水・
    給水系に、また、タービン抽気の復水を低圧スタックガ
    スクーラの入口側に導いたことを特徴とする汽力発電設
    備のリパワリングシステム。
  4. 【請求項4】 汽力発電設備にガスタービンプラントを
    設け、このガスタービンプラントからのガスタービン排
    気を汽力発電設備のボイラ燃焼用空気として利用する一
    方、上記ボイラからの排ガスを給水または復水の一部を
    加熱する高圧スタックガスクーラおよび低圧スタックガ
    スクーラに案内して排気再燃型コンバインドイサクルを
    構成した汽力発電設備のリパワリングシステムにおい
    て、前記汽力発電設備にタービン再熱系から再熱蒸気の
    一部を作動蒸気として取り入れる再熱蒸気の蒸気タービ
    ンプラントを設け、この蒸気タービンプラントは、汽力
    発電設備のタービン再熱系から分岐された蒸気管を備え
    る一方、前記再熱蒸気の蒸気タービンプラントの下流側
    を、前記汽力発電設備の復水・給水系に復水ポンプ下流
    側で接続したことを特徴とする汽力発電設備のリパワリ
    ングシステム。
  5. 【請求項5】 再熱蒸気の蒸気タービンプラントは、汽
    力発電設備の中圧蒸気タービン下流側から蒸気管が分岐
    される一方、この蒸気管が再熱蒸気の蒸気タービンプラ
    ントの蒸気タービンの途中段落に接続された請求項4記
    載の汽力発電設備のリパワリングシステム。
  6. 【請求項6】 再熱蒸気の蒸気タービンプラントは、混
    圧式蒸気タービンを備え、汽力発電設備の蒸気タービン
    途中の圧力が降下した蒸気の一部を混圧式蒸気タービン
    の途中段落に案内するようにした請求項4記載の汽力発
    電設備のリパワリングシステム。
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