JP2019173696A - コンバインドサイクル発電プラント、およびその運転方法 - Google Patents

コンバインドサイクル発電プラント、およびその運転方法 Download PDF

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泰浩 吉田
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啓信 小林
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Takamasa Kiyono
隆正 清野
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Abstract

【課題】コンバインドサイクル発電プラントにおいて、ガスタービンを急速起動した場合や、シンプルサイクル運用からコンバインドサイクル運転に移行する場合の蒸気タービン内部に発生する熱応力を低減する。【解決手段】ガスタービンと、ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラにより生成した蒸気を用いて動力を得る蒸気タービンと、蒸気タービンに流入する蒸気量を調整する蒸気加減弁と、ガスタービンと蒸気タービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、排熱回収ボイラ内の熱交換器群のうちガスタービン排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外から抽気した抽気蒸気を蒸気タービンに供給する少なくとも1つの抽気系統と、抽気系統を通過する抽気蒸気の抽気量を制御する抽気弁を備えたことを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。【選択図】図1

Description

本発明は、ガスタービン、排熱回収ボイラ、蒸気タービンにより構成されたコンバインドサイクル発電プラント、およびその運転方法に関する。
地球温暖化の原因物質の一つとされる二酸化炭素の大気への放出量削減に向けた国際的な取り組みから、各国において太陽光・風力など二酸化炭素を排出しない再生可能エネルギー発電の導入が推進されている。
かくして電力系統に占める再生可能エネルギー発電の割合が増大した結果、ガスタービン、排熱回収ボイラ、蒸気タービンの組み合わせから構成されるコンバインドサイクル発電プラントの役割は、再生可能エネルギー発電の補佐的な運用が要求されることになり、結果的には、今まで以上に急速な起動・停止による系統安定化の役割が求められるようになってきた。
例えばコンバインドサイクル発電プラントの建設当初は、1週間の中で起動停止を繰り返すウイークリー起動停止を要望されていたものが、デーリー起動停止運用が求められるようになっている。かつこの運用では、太陽光発電が発電開始する前の朝方と、日没により太陽光発電が発電停止した後の夕方の電力不足を補うべく、朝夕2回の起動停止が求められるようになってきた。この運用では、今まで以上に高速な起動停止が求められ、かつ運転時間もごく短時間である。
超高速起動停止、かつ短時間運用のコンバインドサイクル発電プラントの起動では、プラント停止時に冷却された蒸気タービンの構造体が高温高圧の蒸気にさらされることで内部に熱応力が発生して機器寿命を消費する。
高速起動時の係る課題を解決するため、特許文献1ではガスタービン排ガスを排熱回収ボイラに供給せず二次煙突を用いて系外に排出し、ガスタービン圧縮機から抽気した圧縮空気の熱回収により生成した蒸気を用いて蒸気タービンを暖機する方法が開示されている。これにより、ガスタービンの駆動力のみで発電するシンプルサイクル運用から、蒸気タービンの駆動力と合わせて発電するコンバインドサイクル運用への移行時において蒸気タービン内部に生じる熱応力を低減することができる。
特開2013−133825号公報
しかし、この圧縮空気を熱源とした暖機方法は、ガスタービン出口の二次煙突と、圧縮機から高圧空気を抽出するダクト、この高圧空気から熱回収する熱交換器を備えた構成でのみ実現可能である。このため、現行設備の大幅な改造を行う事なく、暖機運転を行えるものであることが望まれる。
本発明の目的は、最小限の機器改造によって、ガスタービンを急速に起動した場合や、シンプルサイクル運用からコンバインドサイクル運用に移行する場合の蒸気タービン内部に発生する熱応力を低減するコンバインドサイクル発電プラント、およびその運転方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、「高温高圧の空気と燃料を燃焼して動力を得るガスタービンと、ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラにより生成した蒸気を用いて動力を得る蒸気タービンと、蒸気タービンに流入する蒸気量を調整する蒸気加減弁と、ガスタービンと蒸気タービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、排熱回収ボイラ内の熱交換器群のうちガスタービンの排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外から抽気した抽気蒸気を蒸気タービンに供給する少なくとも1つの抽気系統と、抽気系統を通過する抽気蒸気の抽気量を制御する抽気弁を備えたことを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント」としたものである。
また本発明においては、「高温高圧の空気と燃料を燃焼して動力を得るガスタービンと、ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラにより生成した蒸気を用いて動力を得る蒸気タービンと、蒸気タービンに流入する蒸気量を調整する蒸気加減弁と、ガスタービンと蒸気タービンの動力を電力に変換する発電機と、排熱回収ボイラ内の熱交換器群のうちガスタービンの排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外から抽気した抽気蒸気を蒸気タービンに供給する少なくとも1つの抽気系統と、抽気系統を通過する抽気蒸気の抽気量を制御する抽気弁を備えたコンバインドサイクル発電プラントの運転方法であって、抽気蒸気の過熱度が設計上定められた値以上となった場合に、抽気弁を開いて前記蒸気タービンの暖機を開始することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラントの運転方法」としたものである。
また本発明においては、「高温高圧の空気と燃料を燃焼して動力を得るガスタービンと、ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、排熱回収ボイラにより生成した蒸気を用いて動力を得る蒸気タービンと、蒸気タービンに流入する蒸気量を調整する蒸気加減弁と、ガスタービンと蒸気タービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、排熱回収ボイラ内の熱交換器群のうちガスタービンの排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外から抽気した抽気蒸気を蒸気タービンに供給する少なくとも1つの抽気系統と、抽気系統を通過する抽気蒸気の抽気量を制御する抽気弁を増設したことを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント」としたものである。
本発明のコンバインドサイクル発電プラントによれば、蒸気タービンの起動時に生じる熱応力を低減することができる。
本発明の実施例1に係るコンバインドサイクル発電プラントの概略構成例を示す図。 蒸気生成の様子を模式的に示す圧力―エンタルピ線図。 抽気系統により蒸気タービンの暖機を行う際の各弁の制御方法を示す図。 本発明の実施例1に係る運転特性の概略を示す図。 本発明の実施例2に係るコンバインドサイクル発電プラントの概略構成例を示す図。 本発明の実施例2に係る運転特性の概略を示す図。
本発明の実施例について図面を参照して説明する。
本発明の実施例1に係るコンバインドサイクル発電プラントの概略構成例について、図1を参照して説明する。
図1に例示するコンバインドサイクル発電プラントは、ガスタービン1、蒸気タービン2、発電機3、排熱回収ボイラ5、復水器7を主たる構成機器として構成されている。
このうちガスタービン1は、コンプレッサ11による圧縮空気を燃焼器12に送り、燃料を燃焼させた燃焼ガスによりガスタービン13を回転駆動している。なおこの例では、ガスタービン1、蒸気タービン2、および発電機3は同一の駆動軸4で連結されている。
ガスタービン1からのタービン排ガス35は、排熱回収ボイラ5の排気ダクト21へと流れ込み、復水器7から給水ポンプ6で圧送される給水を熱交換器群によって加熱する。なお本実施例において、排熱回収ボイラ5内の熱交換器群は、低圧蒸気、中圧蒸気、および高圧蒸気を発生する3段圧力構成のものを例示している。
図1において低圧蒸気は、給水ポンプ6からの給水を低圧節炭器22で加熱したのち、低圧ドラム32を介して低圧蒸発器23にて蒸発させ、低圧過熱器24にて過熱することで生成する。その後、低圧蒸気管40を経て低圧タービン14を駆動する。低圧タービン14へ供給する蒸気流量は、低圧蒸気管40上に備わる低圧蒸気加減弁46の開度によって制御し、余剰蒸気は低圧バイパス管43を経て復水器7に戻す。なお、低圧蒸気加減弁46前の圧力は、低圧バイパス管43上に備わる低圧バイパス弁49の開度により制御する。
また、中圧蒸気は、同じく給水ポンプ6からの給水(図示せず)を中圧節炭器25で加熱したのち、中圧ドラム33を介して中圧蒸発器26にて蒸発させ、中圧過熱器27にて過熱することで生成する。その後、中圧蒸気管41を経て中圧タービン15を駆動する。中圧タービン15へ供給する蒸気流量は、中圧蒸気管41上に備わる中圧蒸気加減弁47の開度によって制御し、余剰蒸気は中圧バイパス管44を経て復水器7に戻す。なお、中圧蒸気加減弁47前の圧力は、中圧バイパス管44上に備わる中圧バイパス弁50の開度により制御する。
さらに、高圧蒸気は、給水ポンプ6からの給水(図示せず)を高圧節炭器28で加熱したのち、高圧ドラム34を介して高圧蒸発器29にて蒸発させ、高圧一次過熱器30、高圧二次過熱器31にて過熱することで生成する。その後、高圧蒸気管42を経て高圧タービン14を駆動する。高圧タービン16へ供給する蒸気流量は、高圧蒸気管42上に備わる高圧蒸気加減弁42の開度によって制御し、余剰蒸気は高圧バイパス管45を経て復水器7に戻す。なお、高圧蒸気加減弁48前の圧力は、高圧バイパス管45上に備わる高圧バイパス弁51の開度により制御する。
なお、本発明において、排熱回収ボイラ5内の熱交換器群のうちタービン排ガス35の流入口に最も近い熱交換器(図1の構成では高圧二次過熱器31)を最終熱交換器と呼ぶこととする。
本発明のコンバインドサイクル発電プラントは、排熱回収ボイラ5内の熱交換器群のうち、最終熱交換器31以外の例えば高圧一次過熱器30出口の蒸気を一部抽気し、蒸気タービン2に供給する抽気系統90とその抽気量を制御する抽気弁91を備える。一般的に、排熱回収ボイラ5では、最終熱交換器31よりもタービン排ガス35下流側に位置する熱交換器ほど蒸気温度が低下する。このような低温の蒸気を抽気して、蒸気タービン2の暖機に用いることで、起動時に発生する熱応力を低減することが可能となる。
本発明における抽気系統90の抽気位置を説明するために、蒸気生成の様子を図2の圧力―エンタルピ線図を用いて模式的に示す。図2は、横軸に圧力(MPa)、縦軸にエンタルピ(kJ/kg)を採用しており、排熱回収ボイラ5に与えられた給水が高圧蒸気、中圧蒸気、低圧蒸気になる過程が特性線Lh、Lm、Llで示されている。なお実施例1では、高圧蒸気の蒸気生成の様子を示す特性線Lhを代表事例として蒸気生成の様子を説明する。
図2の特性線Lhには、給水が高圧蒸気になる過程として、高圧節炭器28出口、高圧ドラム34出口、高圧一次過熱器30出口、高圧二次過熱器31出口における流体の圧力(MPa)とエンタルピ(kJ/kg)の関係を示されている。なお特性線Lm、Llにおいて、高圧節炭器28出口、高圧ドラム34出口、高圧二次過熱器31出口に対応する位置に丸印を付して示したのは、それぞれ中圧・低圧節炭器25、22出口、中圧・低圧ドラム33、32出口、中圧・低圧過熱器24、27出口を表している。
図2の特性線Lhによれば、高圧節炭器28出口の温水は、その後加熱され、高圧ドラム34出口において湿り蒸気、過熱蒸気の状態を経、高圧一次過熱器30出口において過熱蒸気となる。前述したとおり、抽気位置を最終熱交換器である高圧二次過熱器31出口よりもタービン排ガス35下流側(高圧節炭器28側)とすることで、より低温の抽気蒸気を蒸気タービン2の暖機に用いることができる。
一方で、例えば高圧ドラム34出口のように過熱度が不十分な湿り蒸気、過熱蒸気の状態であると、蒸気タービン2の内部で蒸気が凝縮し、エロージョン発生の要因となる。そのため、抽気位置を設計上定められた値(例えば過熱度50℃)以上の蒸気とすることで、蒸気タービン2内での蒸気の凝縮を防止することができる。
これら2つの条件(最終熱交換器よりも下流側、一定値以上の過熱度)を満足する抽気位置の過熱蒸気域が図2において斜線を示した部分として示されている。この斜線領域内にある例えば高圧一次過熱器30出口を選定することで、エロージョンがなく、熱応力発生を抑制して蒸気タービン2を暖機することができる。
さらに図1に示すような本実施例における排熱回収ボイラ5の3段圧力構成のものでは、これら2つの条件(最終熱交換器よりも下流側、一定値以上の過熱度)を満足する抽気位置としては、図2に示したように高圧一次過熱器30出口以外に、中圧過熱器27出口、低圧過熱器24出口が該当する。
高圧蒸気系統を例にとり、抽気系統90による蒸気タービン2の暖機にともなう蒸気加減弁48、バイパス弁51、抽気弁91の制御方法を、図3に示す。
図3の処理フローにおいて最初の処理ステップS100では、プラント起動開始にともない、高圧蒸気加減弁48を全閉して高圧タービン16に供給する蒸気を遮断し、高圧バイパス弁51による圧力制御を開始する。このとき、処理ステップS101に示すように抽気弁91も全閉とする。
その後、ガスタービン1の起動プロセスが進むにともない蒸気温度が上昇し、抽気蒸気の過熱度が設計上定められた値(過熱度規定値Δθ)以上となったことを処理ステップS102において確認し、処理ステップS103において抽気弁91を開いて抽気蒸気による高圧タービン16の暖機を開始する。
処理ステップS104では、最終熱交換器である高圧二次過熱器31の温度と、予め定めた計測位置である蒸気タービン代表温度の温度差が、設計上定められた値(温度差規定値)以下となったことを確認して処理ステップS105に移り、抽気弁91を全閉して暖機完了となる。その後は、処理ステップS106において例えば高圧蒸気加減弁48を規定の開度レートで開くなど、蒸気タービンを通常起動して起動完了となる。
本制御を実施した際のタービン出力や弁開度、蒸気温度などの挙動の模式図を図4に示す。なお図4は高圧蒸気系統を例示している。
図4では、横軸に時間、縦軸にその上部から回転数、タービン出力、各弁の開度、温度を記述することで、これらの時間的な応動を記載している。なお、弁開度としては蒸気加減弁48、バイパス弁51、抽気弁91を記述し、温度としては最終熱交換器温度、蒸気タービン代表温度、抽気蒸気温度を記述している。
プラント起動開始後、ガスタービン1の点火にともない蒸気発生が開始し、最終熱交換器出口や抽気位置の蒸気温度が上昇する。また、高圧バイパス弁51の圧力制御が働き、発生した蒸気を復水器7へ戻すために高圧バイパス弁51開度が上昇する。このとき抽気弁91、高圧蒸気加減弁48は全閉となっている。この状態が図4中の時刻200に示されている。
その後、ガスタービン1の起動プロセスが進むにともない各熱交換器の蒸気温度が上昇し、抽気位置の蒸気過熱度が設計上定められた値(過熱度規定値Δθ)以上となったら、抽気弁91を開いて蒸気タービンの暖機を開始する。この状態が図4中の時刻201に示されている。この暖機により蒸気タービン代表温度は抽気位置の蒸気温度に漸近していく。なお過熱度規定値Δθは、飽和温度を基準として適宜定められたものであり、例えば過熱度として50℃を設定されている。
最終熱交換器出口温度と蒸気タービン代表温度の差が、設計上定められた値(温度差規定値)以下となったら、抽気弁91を全閉し、高圧蒸気加減弁48を開いて蒸気タービン2を通常起動する。この状態が図4中の時刻202に示されている。
このような制御により、ガスタービン1の急速起動時や、シンプルサイクル運用からコンバインドサイクル運用への移行時においても、蒸気タービン2に生じる熱応力を暖機により緩和し、安全に起動することができる。
またコンバインドサイクル発電プラントに要求される運転仕様が、再生可能エネルギー発電の導入に伴い変更され、より急速な起動停止が求められる場合であっても、システムとしての変更は、ガスタービン排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外からの抽気系統を増設するのみであるので、最小限の機器改造によって実現が可能である。
ここで、抽気弁91は蒸気タービン2の熱的状態に基づき抽気量を制御するものとしてもよい。熱的状態とは、例えば構造体温度や、構造体内部の温度分布、温度分布から計算される熱応力、ケーシング上下などの構造体間の温度差、温度差によって生じる構造体の変形量、ケーシングや駆動軸の熱伸び量などがある。これら熱的状態に基づき、各種制約条件がその制限値を超過しないよう抽気量をフィードバック制御や予測制御などを用いて調整することで、蒸気タービンを安全に暖機することができる。
なお、抽気弁91に蒸気加減弁よりも容量の小さい流量調整弁を採用することで、低流量域(例えば、定格高圧蒸気流量の20%以下)での高い制御性で抽気量を調整することができる。
本発明の実施例2に係るコンバインドサイクル発電プラントの概略構成例について、図5を参照して説明する。
本発明のコンバインドサイクル発電プラントの実施例1と実施例2の違いは、異なる熱交換器出口から複数の抽気系統を備えたことにある。
図5では、高圧一次過熱器30出口から第一の抽気系統94とその抽気量を制御する第一の抽気弁92、中圧過熱器27出口から第二の抽気系統95とその抽気量を制御する第二の抽気弁93を備えた構成を例として示している。
コンバインドサイクル発電プラントでは、プラントの停止後からの時間が経過するにともない、放熱により蒸気タービン2の構造体温度が低下するが、蒸気温度の異なる複数の抽気系統を備えることで、蒸気タービン2の構造体温度に応じて適切な温度の抽気蒸気を選択して蒸気タービン2を暖機することができる。例えば、蒸気タービン2の構造体温度に近い低温側の抽気系統を暖機に用いることで、暖機中に生じる熱応力を低減することができる。
第一の抽気系統94と、第二の抽気系統95による暖機方法の一例を、高圧蒸気系統を例に図6の模式図を用いて説明する。なお図6における縦軸、横軸及びその記載項目は基本的に図4と同じであるが、第二の抽気系統95が追加されたことに伴い第二の抽気弁93、第二の抽気蒸気が追加記載されている。
実施例1と同様にガスタービン1の起動にともない蒸気発生が開始し、第一の抽気弁92、第二の抽気弁93、高圧蒸気加減弁を全閉としたまま高圧バイパス弁51を用いて発生蒸気を復水器7にバイパスする。この状態が図6中の時刻300に示されている。
その後、低温側の抽気蒸気である第二の抽気系統95の蒸気過熱度が設計上定められた値(過熱度規定値)以上となったら、第二の抽気弁93を開いて蒸気タービン2の暖機を開始する。この状態が図6中の時刻301に示されている。
第一の抽気蒸気の温度と蒸気タービン代表温度の差が、設計上定められた値(第二の温度差規定値)以下となったら、第二の抽気弁93を全閉し、第一の抽気弁92を開いて高温側の第一の抽気系統94による暖機を開始するこの状態が図6中の時刻302に示されている。
さらに、最終熱交換器出口の蒸気温度と蒸気タービン代表温度の差が設計上定められた値(第一の温度差規定値)以下となったら、第一の抽気弁を全閉し、高圧蒸気加減弁を開いて蒸気タービンを通常起動するこの状態が図6中の時刻303に示されている。
このように蒸気タービン構造体温度に近い低温側の抽気系統から順に抽気蒸気を蒸気タービン2に供給することで段階的な暖機が可能となり、蒸気タービン2の熱応力を更に低減可能となる。
本発明は、これを実施する際に、上記した各実施例に限定されるものではない。例えば、実施例1、2では非再熱型の排熱回収ボイラ5を例に示したが、高圧タービン16の蒸気を排熱回収ボイラ5に戻して再過熱する再熱型の排熱回収ボイラとしてもよい。この場合、高圧タービン16出口蒸気を再過熱する再熱器を抽気系統の抽気位置とすることができる。
また、本発明の排熱回収ボイラ5は、高圧・中圧・低圧の3種のドラムを有するとしたが、高圧と低圧の2種のボイラを有する二重圧ボイラにも適用できる。
また、実施例1、2ではガスタービン1と蒸気タービン2を同軸で連結した例を示したが、ガスタービン1と蒸気タービン2がそれぞれ別軸で発電機と連結された多軸としてもよい。また、ガスタービン1が複数存在し、それらのタービン排ガス35との熱回収で生成した蒸気を1台の蒸気タービン2に供給する構成としてもよい。
また、実施例1、2では抽気系統90による抽気位置を高圧一次過熱器30出口としたが、規定値以上の過熱度が確保できている抽気位置であれば、中圧過熱器出口や低圧過熱器出口など任意の場所としてよい。
また、実施例1、2では抽気系統90による抽気蒸気の供給位置を高圧タービン16入口としたが、中圧タービン15や低圧タービン14の入口としてもよい。さらに、抽気系統を2つ以上に分岐することで、高圧タービン16、中圧タービン15、低圧タービン14の2つ以上を同時、もしくは順番に暖機するとしてもよい。
発電用のコンバインドサイクル発電プラントの他、産業用のコジェネレーションプラントやマイクロコンバインドサイクル発電プラントの装置構成および制御方法として利用可能である。
1:ガスタービン
2:蒸気タービン
3:発電機
4:駆動軸
5:排熱回収ボイラ
6:給水ポンプ
7:復水器
11:圧縮機
12:燃焼器
13:タービン
14:低圧タービン
15:中圧タービン
16:高圧タービン
21:排気ダクト
22:低圧節炭器
23:低圧蒸発器
24:低圧過熱器
25:中圧節炭器
26:中圧蒸発器
27:中圧過熱器
28:高圧節炭器
29:高圧蒸発器
30:高圧一次過熱器
31:高圧二次過熱器
32:低圧ドラム
33:中圧ドラム
34:高圧ドラム
35:タービン排ガス
40:低圧蒸気管
41:中圧蒸気管
42:高圧蒸気管
43:低圧バイパス管
44:中圧バイパス管
45:高圧バイパス管
46:低圧蒸気加減弁
47:中圧蒸気加減弁
48:高圧蒸気加減弁
49:低圧バイパス弁
50:中圧バイパス弁
51:高圧バイパス弁
90:抽気系統
91:抽気弁
92:第一の抽気系統
93:第二の抽気系統
93:第一の抽気弁
94:第二の抽気弁

Claims (8)

  1. 高温高圧の空気と燃料を燃焼して動力を得るガスタービンと、前記ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラにより生成した蒸気を用いて動力を得る蒸気タービンと、前記蒸気タービンに流入する蒸気量を調整する蒸気加減弁と、前記ガスタービンと前記蒸気タービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、
    前記排熱回収ボイラ内の熱交換器群のうち前記ガスタービンの排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外から抽気した抽気蒸気を前記蒸気タービンに供給する少なくとも1つの抽気系統と、前記抽気系統を通過する前記抽気蒸気の抽気量を制御する抽気弁を備えたことを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
  2. 請求項1に記載のコンバインドサイクル発電プラントであって、
    前記抽気弁の弁容量は、前記蒸気加減弁の弁容量よりも小さいものであることを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
  3. 高温高圧の空気と燃料を燃焼して動力を得るガスタービンと、前記ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラにより生成した蒸気を用いて動力を得る蒸気タービンと、前記蒸気タービンに流入する蒸気量を調整する蒸気加減弁と、前記ガスタービンと前記蒸気タービンの動力を電力に変換する発電機と、前記排熱回収ボイラ内の熱交換器群のうち前記ガスタービンの排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外から抽気した抽気蒸気を前記蒸気タービンに供給する少なくとも1つの抽気系統と、前記抽気系統を通過する前記抽気蒸気の抽気量を制御する抽気弁を備えたコンバインドサイクル発電プラントの運転方法であって、
    前記抽気蒸気の過熱度が設計上定められた値以上となった場合に、前記抽気弁を開いて前記蒸気タービンの暖機を開始することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラントの運転方法。
  4. 請求項3に記載のコンバインドサイクル発電プラントの運転方法であって、
    前記抽気弁が、前記蒸気タービンの構造体温度や、前記構造体温度を用いて計算される前記蒸気タービンの熱的状態に基づき抽気量を制御することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラントの運転方法。
  5. 請求項3または請求項4に記載のコンバインドサイクル発電プラントの運転方法であって、
    前記最終熱交換器の出口の蒸気温度と、前記蒸気タービンの構造体温度の差が設計上定められた値以下となった場合に、前記抽気弁を閉じ、前記蒸気加減弁を開いて前記蒸気タービンの起動を開始することを特徴とするコンバインドサイクル発電プラントの運転方法。
  6. 請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のコンバインドサイクル発電プラントの運転方法であって、
    前記抽気系統を2つ以上備える場合に、前記蒸気タービンの構造体温度に応じて暖機に用いる前記抽気系統を選択可能とすることを特徴とするコンバインドサイクル発電プラントの運転方法。
  7. 請求項3から請求項6のいずれか1項に記載のコンバインドサイクル発電プラントの運転方法であって、
    前記抽気系統を2つ以上備える場合に、蒸気タービンの構造体温度に近い低温側の抽気系統から順に蒸気タービンの暖機に用いることを特徴とするコンバインドサイクル発電プラントの運転方法。
  8. 高温高圧の空気と燃料を燃焼して動力を得るガスタービンと、前記ガスタービンの排ガスとの熱交換により蒸気を生成する排熱回収ボイラと、前記排熱回収ボイラにより生成した蒸気を用いて動力を得る蒸気タービンと、前記蒸気タービンに流入する蒸気量を調整する蒸気加減弁と、前記ガスタービンと前記蒸気タービンの動力を電力に変換する発電機とから構成されるコンバインドサイクル発電プラントであって、
    前記排熱回収ボイラ内の熱交換器群のうち前記ガスタービンの排ガスの流入口に最も近い最終熱交換器の出口以外から抽気した抽気蒸気を前記蒸気タービンに供給する少なくとも1つの抽気系統と、前記抽気系統を通過する前記抽気蒸気の抽気量を制御する抽気弁を増設したことを特徴とするコンバインドサイクル発電プラント。
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