JP3120659B2 - インタフェース試験器 - Google Patents

インタフェース試験器

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JP3120659B2 JP06100488A JP10048894A JP3120659B2 JP 3120659 B2 JP3120659 B2 JP 3120659B2 JP 06100488 A JP06100488 A JP 06100488A JP 10048894 A JP10048894 A JP 10048894A JP 3120659 B2 JP3120659 B2 JP 3120659B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、データ伝送システムに
用いられるインタフェース試験器に関し、より詳細に
は、データ端末装置(data terminal equipment:以下
DTE)、データ回線終端装置(data circuit termina
ting equipment、以下DCE)の動作試験、相手DCU
との間の通信状態の確認、回線切替器の切替時間がシス
テムに与える影響の調査等を行なうインタフェース試験
器に関する。
【0002】
【従来の技術】データ伝送システムに接続される計算機
や入出力装置類を総称してDTEと呼び、データ伝送シ
ステムにおける伝送装置をDCEと呼ぶ。DCEは、D
TEとの間での信号インタフェース条件と通信回線側の
信号インタフェース条件との相互変換を行うもので、変
復調装置(モデム:MODEM)はその代表例である。
ISDN(Integrated Service Digital Network)を予
備回線として使用し、通常回線との回線切替器を有する
システムでは、予備回線側にDCEの一種である宅内デ
ータ回線終端装置(digital service unit:DSU)が
ISDNとDTEとの間に挿入され、更に、Iインタフ
ェースを内蔵しないDTEにあっては、上記DSUとの
間にTA(terminal adapter:ターミナルアダプタ)が
挿入される。
【0003】上記各装置を含むデータ伝送システムの動
作試験を行う場合、従来は、モデム試験器(MODEM test
er)あるいは同等機能を備えた試験器(バラック回路
等)が使用されていた。モデム試験器は、周知のよう
に、DTEへの本来の通信対象信号と類似する信号を通
信回線に送信するとともに、その受信信号との比較を行
うことでモデムの機能試験を行う装置であり、限られた
範囲ながらインタフェース条件を種々変えることができ
るため、上記システムの動作試験も可能となる。また、
各装置の新規導入に際しては、通信対象信号の電文長を
変えたり、あるいは電文を強制的に断にして当該装置の
異常系試験を行う必要がしばしば生じるが、従来は、通
信中にオペレータが通信ケーブルを外すなどして、手作
業で上記状態を疑似的に形成して異常処理ルーチンの確
認を行なっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、日本電信電
話株式会社が提供する「INSネット」サービスを利用
してデータ伝送を行う際は、時分割多重化における同期
方式に網同期方式が採用され、送信信号の同期タイミン
グとして外部送信タイミングST2(transmission Sig
nal element Timing 2:RS−232Cにおける信号
線を意味するJIS上の略号、以下同じ)が用いられる
ことが予め決まっている。従って、例えばDTEの基本
機能の試験に際しては、DTE自身が発生する内部送信
タイミングST1(同JIS略号、以下同じ)を考慮す
る必要がないので、上記モデム試験器等を用いることが
できる。しかしながら、DTEの中には、ST1タイミ
ングで動作する付加機能を有するものがあり、このST
1タイミングに同期しないモデム試験器等では、上記付
加機能の動作試験を行なうことはできなかった。また、
基本機能であっても運用中の試験は不可能であり、デー
タ伝送システムの正確な動作状態の確認が困難となる問
題があった。
【0005】また、上述のように、異常系試験をオペレ
ータの手作業で行わなければならないので正確な試験結
果が得られず、更に、通常回線と予備回線との切り換え
を行う場合にその切換時間がシステムに与える影響をモ
デム試験器等では確認することができないことから、D
TE等の導入時の正確な事前動作確認ができないという
問題もあった。
【0006】加えて、従来は、種々の試験結果や通信回
線の故障等を運用中にモニタできないことも通信トラブ
ルを除去する上での障害となっていた。即ち、装置故
障、システム故障あるいは回線異常等の通信トラブル
は、テンポラリ的に発生するのが通常なので、個々の通
信トラブルを詳細に切り分けて原因を発見するまでには
かなりの時間を要する。そのため、運用に悪影響を与え
ることなく、その動作状態を長期間にわたって監視し、
トラブル発生時にどの回線がダウンしたか等を詳細に確
認できるような試験器の開発が望まれていた。これを解
決する技術として、DCE等の入出力インタフェースの
信号線の全てを常時モニタし得る試験器も存在するが、
このような試験器では、各信号線毎にモニタを備える等
の複雑な機構乃至手段が必要となり、しかも専用品にな
らざるを得ず、結果としてコスト高となる問題があっ
た。
【0007】本発明は、上記問題点に鑑みて創案したも
ので、第1の目的は、擬似的な異常系試験を正確なタイ
ミングで行い得るインタフェース試験器の提供にあり、
第2の目的は、種々のクロックで動作する試験対象装置
の付加機能の試験を可能にするインタフェース試験器の
提供にあり、第3の目的は、試験対象装置の事前動作確
認を簡易且つ高精度に行い得るとともに種々のクロック
で動作する試験対象装置の付加機能の試験を可能にする
インタフェース試験器の提供にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1発明のインタフェー
ス試験器は、入力した通信対象信号の異常検出時に異常
信号を出力する試験対象装置の動作試験を行うインタフ
ェース試験器であって、任意に設定可能な長さの試験信
号を生成する試験信号生成手段と、生成された前記試験
信号と外部より取り込んだ通信対象信号との一方を選択
して前記試験対象装置に送信する送信手段と、前記試験
信号又は前記通信対象信号を発振回路出力に基づきクラ
ンプするクランプ手段と、該クランプ開始時期及びクラ
ンプ時間を制御するクランプ制御手段と、クランプ前又
はクランプ後の前記試験信号又は通信対象信号を当該信
号線より分岐して出力装置に出力するための出力処理を
行う出力処理手段と、を有し、該出力処理手段と前記信
号線の分岐点との間にハイ・インピーダンス回路が介在
することを特徴とする。これにより上記第3の目的の達
成を図る。ここに、クランプとは、信号を指定乃至設定
した時間だけ強制的にON又はOFFすることをいい、
クランプ時間とは、信号のON又はOFFが継続する時
間をいう。
【0009】第2発明のインタフェース試験器は、上記
第1発明の構成において、更に、前記試験対象装置の動
作クロックに合致するクロックを含む内部クロックを生
成するクロック発生手段と、生成された内部クロックと
外部より取り込んだ外部クロックとのいずれか一方を選
択して前記試験信号生成手段に導く手段と、を有するこ
とを特徴とする。これにより、上記第2の目的の達成を
図る。
【0010】また、第3発明のインタフェース試験器
は、処理信号長に制限のある試験対象装置の動作試験を
行うインタフェース試験器であって、任意に設定可能な
長さの試験信号を生成する試験信号生成手段と、生成さ
れた試験信号を前記試験対象装置に送信する送信手段
と、該試験信号に基づく前記試験対象装置からの受信信
号をハイ・インピーダンス回路を介して取り込むととも
に取り込んだ受信信号と前記試験信号とを比較する信号
比較手段と、該比較結果を出力装置に出力するための出
力処理を行う出力処理手段と、を有し、前記試験対象装
置の動作クロックに合致するクロックを含む内部クロッ
クを生成するクロック発生手段と、生成された内部クロ
ックと外部より取り込んだ外部クロックとのいずれか一
方を選択して前記試験信号生成手段に導く手段と、を有
することを特徴とする。これにより、上記第3の目的の
達成を図る。
【0011】
【作用】第1発明のインタフェース試験器では、試験信
号生成手段で試験内容に応じた任意の長さの試験信号を
生成するとともに、この試験信号と外部より取り込んだ
通信対象信号との一方を選択して試験対象装置に送信す
る。このとき、クランプ手段が試験信号又は通信対象信
号をクランプし、異常状態を擬似的に形成する。このク
ランプの開始時期、クランプ時間は発振回路出力に基づ
いて制御されるので、手作業による場合に比べて正確な
タイミングでクランプすることが可能となる。また、試
験信号又は通信対象信号をハイ・インピーダンス回路を
介して出力処理手段に導いているので、信号線に影響を
与えることなく信号状態の出力処理、例えば表示装置へ
の表示を行うことができる。
【0012】第2発明のインタフェース試験器では、ク
ロック発生手段が、例えば試験対象装置の動作クロック
に合致する内部クロックを生成して上述の試験信号生成
部に導く。これにより試験信号生成部により試験対象装
置の内部処理に合致する試験信号が生成出力される。他
方、外部より取り込んだ外部クロックへの切替を行うこ
とで、当該外部クロックに同期した試験信号が生成され
る。
【0013】第3発明のインタフェース試験器では、試
験信号生成手段で試験内容に応じた任意の長さの試験信
号を生成し、これを試験対象装置に送信する。そして該
試験信号に基づく試験対象装置からの受信信号をハイ・
インピーダンス回路を介して取り込み、送信した試験信
号との比較を行う。
【0014】このとき、上述のようにハイ・インピーダ
ンス回路により受信信号の取り込みによる信号線に与え
る影響を無視することができる。比較結果は出力処理手
段を経て出力装置に導かれ、オペレータによってモニタ
される。なおかつ、クロック発生手段が、例えば試験対
象装置の動作クロックに合致する内部クロックを生成し
て上述の試験信号生成部に導く。
【0015】これにより試験信号生成部により試験対象
装置の内部処理に合致する試験信号が生成出力される。
他方、外部より取り込んだ外部クロックへの切替を行う
ことで、当該外部クロックに同期した試験信号が生成さ
れる。
【0016】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例に係るインタフ
ェース試験器の構成図であり、CCITT勧告のV.2
8(V.11)インタフェース信号線に挿入接続、ある
いはDTEやDCE等の回線ポートに直接接続して使用
する場合の構成例を示す。
【0017】図1を参照すると、このインタフェース試
験器10は、試験信号生成部101、内部クロック発生
部102、送信データモニタ用バッファ103、受信デ
ータ用バッファ104、比較判定部105、クランプ制
御部106、出力処理部107、AND回路108〜1
11を有している。また、論理回路等で構成される複数
の切替スイッチSW1〜SW8を図示のように配置して
試験内容に応じた信号、クロックの切替を可能ならし
め、更に、信号線あるいはクロック線の分岐入力点と出
力処理部107との間に20kΩ以上のハイ・インピー
ダンス回路Rを挿入接続している。これにより、各信号
線に影響を与えずに信号変化を出力処理部107に取り
込むことができる。更に、このインタフェース試験器1
は、外部より入出力される送受信クロック、通信対象信
号、即ち、二値信号の組み合せからなる送受信データ、
種々の制御信号の中継を行うための送受信ポート、入出
力ポート(以上、信号中継手段)を備えている。この送
受信ポート等は、汎用のコネクタ及びケーブルで構成す
ることができる。
【0018】なお、図示を省略したが、試験信号生成部
101、クランプ制御部106、出力処理部107に
は、バスを介してCPU、内部メモリ、表示装置、プリ
ンタ、フレキシブルディスクドライブ、固定ディスクド
ライブが接続されており、試験信号の電文長やクランプ
時間等をコマンドで設定するとともに、試験結果のリア
ルタイム表示やデータ印刷、データ保存が可能な構成に
なっている。また、公衆交換網で使用されることを考慮
してHDLC(high level data link contorol)等の
通信手順やパリティ、キャラクタビットを設定するため
の通信制御処理部(ソフトウエア)も備えている。
【0019】試験信号生成部101は、試験対象装置に
供給するための試験信号(二値信号群)を生成するもの
であり、その動作クロックは、内部クロック発生部10
2の出力である内部クロックと、外部より導かれる外部
クロックとのいずれかが切替スイッチSW1により選択
される。内部クロックのタイミング設定は任意である
が、本実施例では、前述のST1/ST2、その他の受
信クロックRTのいずれかを選択設定可能な構成とし、
従来は不可能であったDTEの付加機能試験のためのク
ロックを設定可能にしている。また、外部クロックは、
例えばST1の送信クロックに対してDCEより送られ
たST2のタイミングである。内部クロックは、また、
送信データモニタ用バッファ103にも出力され、試験
信号のモニタを容易ならしめている。試験信号生成部1
01の出力は、切替スイッチSW2の試験信号側及び比
較判定部105に導かれる。
【0020】送信データモニタ用バッファ103は、切
替スイッチSW2、SW3で選択した試験信号又は送信
データ(送信信号群、以下同じ)を読み取って出力処理
部107に出力するものであり、受信データ用バッファ
104は、受信ポートを経て外部より取り込んだ受信デ
ータ(受信信号群、以下同じ)を、同じく外部より取り
込んだ受信クロックで読み取り、ハイ・インピーダンス
回路Rを介して出力処理部107に出力するものであ
る。これらバッファ103、104は汎用の電文読取用
のLSI、例えばFIFOメモリを用いることができ
る。比較判定部105は、切替スイッチSW2が試験信
号を選択したときに、この試験信号と受信データとの異
同を比較判定し、判定結果を出力処理部107に出力す
るものである。
【0021】クランプ制御部106は、基準クロックを
発生する発振回路と、この基準クロックに基づき論理
“0”又は“1”の信号を所定時間継続出力する論理回
路とを有し、この論理回路の出力である論理信号をそれ
ぞれクランプ手段を構成するAND回路108〜111
の入力側に導いてその出力制御を行う。例えばAND回
路の入力側にDTEから取り込んだ送信データが入力さ
れている場合において、該送信データを時間tだけクラ
ンプしたいときは、クランプ制御部106の出力を時間
tだけ論理”0”にする。これにより試験信号又は正規
の送受信データを時々断にして擬似的に異常状態を形成
したり、あるいは上述の試験信号のブロック化及びブロ
ック間の時間の調整が可能になる。出力処理部107
は、上記比較判定結果や信号線から分岐入力した信号の
変化分をプログラムで読み取って表示装置やプリンタ、
記憶手段に出力するものであり、画面表示であれば表示
制御、プリンタへの印刷であれば出力制御、固定ディス
クやフレキシブルディスク等の記憶手段への記録であれ
ば記録制御を行う。
【0022】なお、図上段の回路は、試験信号を含む送
受信データの処理ブロックであり、下段の回路、即ちA
ND回路110、111を含む回路は、一方の装置(シ
ステム)から他方の装置(システム)への送信要求、送
信許容、キャリア制御を行う/行わない等の指示、その
他の制御内容を表す制御信号の仲介を行うためのブロッ
クである。これらブロックは、本実施例では一体に構成
しているが、分離した構成にすることもできる。
【0023】次に、上記構成のインタフェース試験器1
を用いた動作確認、動作試験、モニタ等について図2〜
図4を参照して説明する。
【0024】(運用中の動作確認、異常系試験)図2
(a)は、上記インタフェース試験器1をDTE20と
DCE21との間の通信回線に挿入接続して運用中にお
ける動作確認及び異常系試験を行う場合の構成図であ
り、(b)はこの場合の試験器内部の接続状態図であ
る。図示の例では、切替スイッチSW2を外部側に切り
替えてDTE20からの送信データを取り込む。この送
信データは、AND回路108を経てDCE21に送信
されるが、その際、AND回路108の入出力部の信号
線からそれぞれ分岐され、切替スイッチSW3でいずれ
か一方が選択されるとともに、ハイ・インピーダンス回
路R、送信データモニタ用バッファ103を介して出力
処理部107側に導かれる。この場合、20kΩ以上の
ハイ・インピーダンス回路Rが介在するので、出力処理
部107を設けたことによる送信データに与える影響は
ない。DTE20から取り込んだ制御信号についても同
様であり、AND回路110、切替スイッチSW5を経
てDCE21に送信するとともに、信号線の分岐点から
ハイ・インピーダンス回路Rを介して出力処理部107
に導かれる。なお、切替スイッチSW5は、DTEから
の制御信号が論理”0”のみからなり、AND回路11
0からの出力阻止が継続する場合に、その出力を強制的
にアクティブにするための論理信号をクランプ制御部1
06より供給するための切替スイッチである。これにつ
いては、後述の切替スイッチSW7についても同様であ
る。
【0025】他方、DCE21からDTE20への受信
データ、受信クロック、制御信号は、受信ポートからA
ND回路109、111、スルー側に切り替えられた切
替スイッチSW7を介してDTEに送信されるが、その
際、送信データ等と同様に、信号線の分岐点からハイ・
インピーダンス回路Rを介して出力処理部107に導か
れる。クランプ制御部106は、送受信データのモニタ
だけであれば論理”1”の信号をAND回路108に入
力する。これにより、送受信データ、制御信号を通常運
用に支障を与えることなくモニタすることが可能にな
る。
【0026】異常系試験を行う場合は、上述の接続状態
でクランプ制御部106が論理”0”の信号を所定時間
だけAND回路108,109に入力する。これにより
DTE20、DCE21に対してデータが送信されない
状態、あるいは雑音成分が送信された状態を形成するこ
とができるので、各装置に設定されたパラメータがエラ
ーメッセージを出力するか否か、あるいは規格通りのメ
ッセージになるか否かの確認が可能になる。従って、例
えばマイクロセカンド単位の瞬断が発生した場合に、D
TE20やDCE21が予め定められた異常処理ルーチ
ンに従って、正しい処理が成されているかを検証するこ
とができる。この場合、クランプ前後の送受信データ、
メッセージ内容も、信号線の分岐点からハイ・インピー
ダンス回路Rを介して出力処理部107に導かれるの
で、データやメッセージに影響を与えることなくそのモ
ニタを行うことが可能になる。
【0027】(試験対象装置の事前動作試験)図3
(a)は、本実施例のインタフェース試験器1を用いて
DTE30の事前動作試験を行う場合の構成図、(b)
はこのときの試験器内部の接続状態図である。なお、便
宜上、図1下段の制御信号系については省略してある。
この試験では、当該DTE30への正規の送信データに
代え、任意の電文及び電文長からなる類似の試験信号を
試験信号生成部101で生成するとともに、必要に応じ
てクランプ制御を行ってDTE30へ送信する。そして
DTE30から受信した受信データ及び受信クロックを
受信ポートから取り込み、受信データ用バッファ104
を介して比較判定部105に導く。比較判定部105で
は、この受信データと送信した試験信号との異同を判定
し、その結果を出力処理部107に出力する。判定結果
が良好のときは、当該DTE30が正常にデータ処理能
力を持つことが確認される。上述の異常系試験を行うた
めにクランプ制御を行うときは、クランプ前後の信号を
切り替えて出力処理部107に導くことで、その信号状
態を常時モニタすることができる。なお、図示の例はイ
ンタフェース試験器1とDTE30とを直接接続した例
であるが、DCEを介在させる構成にしても良い。ま
た、試験信号生成部101のクロックとして内部クロッ
クを用いたが、外部クロックを用いることもできる。
【0028】本実施例のインタフェース試験器1は、上
述の動作確認、動作試験の他、図4(a)〜(c)のよ
うに接続することで、対向試験、ビットバッファの機能
試験等も可能である。以下、これらの試験について説明
する。
【0029】(対向試験)図4(a)は、通信回線で接
続された一対のDCE40,41に本実施例のインタフ
ェース試験器1を接続して対向試験を行う場合の構成図
である。この場合は、例えば通信制御処理部で以下の選
択設定を行い、相互DCE間の通信を行うことで、導入
システムにおける通信回線及びDCEの問題の有無を事
前に確認することができる。 イ)手順 :HDLC/BASIC ロ)パリティ:偶数/奇数 ハ)クロック:ST1/ST2/RT ニ)キャラクタ:7/8 ホ)電文 :任意のランダムデータ ヘ)ブロック長:任意に可変 :ブロック間の時間も任意に可変 ト)その他 :キャリア制御ON/OFF
【0030】この場合の試験器内部の接続状態は、図2
(b)の場合とほぼ同様であり、電文及び電文長を任意
に調整できることから、従来のモデム試験器等では確認
し得なかった種々の試験項目を設定することが可能とな
る。なお、図示の例は、同一構成の二つのインタフェー
ス試験器1をDCE40,41に接続した例であるが、
信号及びクロックを相手側DCEで折り返すようにすれ
ば、一つのインタフェース試験器1のみでも対向試験が
可能である。
【0031】(ビットバッファの機能試験)図4(b)
は、DTE42の前段に配されるDCE43,44間に
ビットバッファ45を設けたシステムにおいて、本実施
例のインタフェース試験器1を用いて当該ビットバッフ
ァ45の機能試験を行う場合の構成例を示す。ビットバ
ッファは、それぞれ異なるクロックのネットワークに接
続されたDTE(DCE)間で通信を行なうとき、クロ
ックの相違に基づく同期ずれを補償する装置であるが、
このビットバッファは、ネットワーク間の同期ずれの変
化に追随するフェーズロック構成になっていないため、
電文が連続しすぎると上記補償機能が働かなくなる。そ
こで、本実施例のインタフェース試験器1を図示のよう
に接続して電文長を任意に調整して通信の可否確認を行
い、本来の電文長より何バイト長い電文長まで補償が可
能かを確認するものである。このような試験は、従来の
モデム試験器等では不可能であったものである。
【0032】(回線切替器等の動作試験)図4(c)
は、例えばCCP(communication contorol processo
r)46、PS(processor sharing system)47、通
常回線と予備回線であるISDNとの切替を行う回線切
替器48、DCE49を含むシステムにおいて、本実施
例のインタフェース試験器1を用いて回線切替器48の
システムに与える影響を確認する場合の構成図を示す。
図示の例では、インタフェース試験器1をPS47と回
線切替器48との間に挿入接続し、上述の異常系試験を
行う。クランプ制御部106でクランプする時間、即ち
論理”0”の信号を出力する時間は、回線切替に要する
時間に設定する。このようにすれば、回線切替器48を
導入するに際してシステムに与える影響を事前に確認す
ることができる。このような試験は、従来のモデム試験
器等では不可能であったものである。また、この構成に
よる試験では、CCP46が回線ポートに与える影響に
ついても確認することができる。
【0033】本実施例は以上のとおりであるが、本発明
は上記実施例の構成に限定されるものではなく、その要
旨を逸脱しない範囲での構成変更、実施態様の変更が可
能である。例えば、図1〜図3では、動作確認、動作試
験、モニタ等を行う機能を全て備えたインタフェース試
験器の構成について説明したが、各部の機能を部分的に
備えたインタフェース試験器とすることもできる。例え
ば、送信データ用モニタ用バッファ103、受信データ
用バッファ104、比較判定部105、出力処理部10
7、ハイ・インピーダンス回路R、及び、AND回路1
08,109で構成したモニタのみのインタフェース試
験器とすることもできる。このときは、例えば、インタ
フェース試験器の筐体に、試験対象装置と試験器内部の
送受信ポート及び入出力ポートとを接続するための複数
のコネクタを設けると良い。
【0034】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、第1発
明のインタフェース試験器は、試験信号生成手段で試験
内容に応じた任意の長さの試験信号を生成するととも
に、この試験信号と外部より取り込んだ通信対象信号と
の一方を選択して試験対象装置に送信し、必要に応じて
クランプ手段が試験信号又は通信対象信号をクランプし
て異常状態を擬似的に形成する構成なので、試験対象装
置における異常処理の試験を簡易且つ正確なタイミング
で容易に行い得る効果がある。また、試験信号又は通信
対象信号をハイ・インピーダンス回路を介して出力処理
手段に導く構成なので、信号線に影響を与えることなく
信号状態の出力処理、例えば表示装置への表示をリアル
タイムに行うことができる。
【0035】第2発明のインタフェース試験器では、ク
ロック発生手段が例えば試験対象装置の動作クロックに
合致する内部クロックを生成して上述の試験信号生成部
に導く構成なので、試験対象装置の内部処理に合致する
タイミングの試験信号を生成して種々の機能試験を行う
ことができる。例えば、DTEが網同期タイミングと異
なるクロックにて動作する付加機能を有するようなとき
でも、この付加機能の試験を行なうことができる。ま
た、外部より取り込んだ外部クロックとの切替をも行う
ことができるので、試験対象装置の範囲が広がる効果が
ある。
【0036】第3発明のインタフェース試験器は、試験
信号生成手段において試験内容に応じた任意の長さの試
験信号を生成して試験対象装置に送信するとともに、試
験対象装置からの受信信号をハイ・インピーダンス回路
を介して取り込んで両者を比較し、比較結果を出力処理
手段に出力する構成なので、試験対象装置の事前動作確
認、回線を含むシステムの対向試験、ビットバッファの
機能試験等を単純な構成で正確且つ簡易に行えうことが
でき、また、クロック発生手段が例えば試験対象装置の
動作クロックに合致する内部クロックを生成して上述の
試験信号生成部に導く構成なので、試験対象装置の内部
処理に合致するタイミングの試験信号を生成して種々の
機能試験を行うことができる。
【0037】例えば、DTEが網同期タイミングと異な
るクロックにて動作する付加機能を有するようなときで
も、この付加機能の試験を行なうことができる。また、
外部より取り込んだ外部クロックとの切替をも行うこと
ができるので、試験対象装置の範囲が広がる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインタフェース試験器の一実施例の構
成図。
【図2】(a)は本実施例のインタフェース試験器を用
いて運用中におけるシステムの動作確認及び異常系試験
を行う場合の接続図、(b)はこの場合の試験器内部の
接続状態図。
【図3】(a)は本実施例のインタフェース試験器を用
いてDTEの事前動作試験を行う場合の接続図、(b)
はこのときの試験器内部の接続状態図。
【図4】(a)は通信回線で接続された一対のDCEに
本実施例のインタフェース試験器を接続して対向試験を
行う場合の構成図、(b)は本実施例のインタフェース
試験器を用いてビットバッファの機能試験を行う場合の
構成図、(c)は本実施例のインタフェース試験器を用
いて通常回線と予備回線との回線切替器のシステムに与
える影響を確認する場合の構成図。
【符号の説明】
1 インタフェース試験器 101 試験信号生成部 102 内部クロック発生部 103 送受信データモニタ用バッファ 104 受信データ用バッファ 105 比較判定部 106 クランプ制御部 107 出力処理部 108〜111 AND回路 20,30,42 DTE 21,40,41,43,44 DCE SW1〜SW8 切替スイッチ R ハイ・インピーダンス回路

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力した通信対象信号の異常検出時に異
    常信号を出力する試験対象装置の動作試験を行うインタ
    フェース試験器であって、任意に設定可能な長さの試験
    信号を生成する試験信号生成手段と、生成された前記試
    験信号と外部より取り込んだ通信対象信号との一方を選
    択して前記試験対象装置に送信する送信手段と、前記試
    験信号又は前記通信対象信号を発振回路出力に基づきク
    ランプするクランプ手段と、該クランプ開始時期及びク
    ランプ時間を制御するクランプ制御手段と、クランプ前
    又はクランプ後の前記試験信号又は通信対象信号を当該
    信号線より分岐して出力装置に出力するための出力処理
    を行う出力処理手段と、を有し、該出力処理手段と前記
    信号線の分岐点との間にハイ・インピーダンス回路が介
    在することを特徴とするインタフェース試験器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインタフェース試験器に
    おいて、更に、前記試験対象装置の動作クロックに合致
    するクロックを含む内部クロックを生成するクロック発
    生手段と、生成された内部クロックと外部より取り込ん
    だ外部クロックとのいずれか一方を選択して前記試験信
    号生成手段に導く手段と、を有することを特徴とするイ
    ンタフェース試験器。
  3. 【請求項3】 処理信号長に制限のある試験対象装置の
    動作試験を行うインタフェース試験器であって、任意に
    設定可能な長さの試験信号を生成する試験信号生成手段
    と、生成された試験信号を前記試験対象装置に送信する
    送信手段と、該試験信号に基づく前記試験対象装置から
    の受信信号をハイ・インピーダンス回路を介して取り込
    むとともに取り込んだ受信信号と前記試験信号とを比較
    する信号比較手段と、該比較結果を出力装置に出力する
    ための出力処理を行う出力処理手段と、を有し、 前記試験対象装置の動作クロックに合致するクロックを
    含む内部クロックを生成するクロック発生手段と、生成
    された内部クロックと外部より取り込んだ外部クロック
    とのいずれか一方を選択して前記試験信号生成手段に導
    く手段と、を有することを特徴とするインタフェース試
    験器。
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